11.28志賀原発を廃炉に! 県知事に申入れ

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20181129120253  申入れを報道する北国新聞

11.11志賀原発「防災訓練」を視察する石川県知事谷本正憲氏

共同代表の中垣たか子さんから申し入れ書を受け取る千葉正之原子力安全対策室長

2018年11月28日

申  入  書

石川県知事 谷本正憲 様

さよなら!志賀原発ネットワーク

                             共同代表 岩淵正明

                                新明 宏

                               中垣たか子

 去る11月11日、志賀原発で過酷事故が発生したという想定で、県の原子力防災訓練が実施されました。この訓練は福島第一原発事故発生後7回目となるものですが、今回もまた原発の再稼働を前提として訓練が行われました。しかもその訓練内容は、相変わらず福島原発事故の教訓が活かされているとは言いがたいものでした。

 しかし2011年3月11日以降、志賀原発は7年8カ月以上2基とも停止したままで再稼働の見通しはまったく立たず、来年度も稼動しないことが確定しています。2号機は原子力規制委員会において新規制基準適合性審査中とはいうものの、2014年8月の審査申請から4年以上経過しても、いまだに北陸電力の見解は次々と否定され続け、直近の審査会合においても北陸電力が提出した資料に説明不足や誤記などの不備の多さが指摘され、委員からは「論外」、「時間の無駄」といった厳しい言葉が飛ぶ有様で、北陸電力の社内でも「“本当に動くのか”と危機感が増している」と地元紙にも報道されているのが現状です。原子炉建屋直下に活断層の存在が指摘されている1号機にいたっては、審査申請の目処さえたっていません。

 一方、志賀原発が停止していても、大雪の冬も猛暑だった今年の夏も電力供給には何ら問題は生じていません。その一方で、原子炉建屋への雨水流入や大雨によるモニタリング・ポスト床上浸水など、原発の安全性に関わる問題が次から次へと起きており、停止中であってもゆるがせにはできないはずの安全管理体制に緩みが生じているのではないかと危惧されます。長期間停止による運転員の士気の低下も気がかりです。

 また、昨年度実施された原子力規制委員会と電力事業者による事故を想定した訓練で、北陸電力は「原子力規制委員会との情報共有」において最低評価でした。理由は「社内の情報共有システムがダウンし発電所の情報が伝わらなかった」という極めてお粗末なもので、こんなことでは過酷事故には到底対応できません。しかも、この件に関して北陸電力はいっさい公表しておらず再発防止策や改善計画も示されていません。これでは、いったい何のための訓練だったのでしょうか。あらためて「北陸電力には原発運転の資格なし」と言わざるを得ません。

 さらに、9月6日に発生した北海道電力管内の全域停電では、原発再稼働を優先して火力発電所の更新が後回しになっていたことが背景にある、いわば「原発依存が招いた“人災”」ではないかと指摘されています。七尾大田火力、敦賀火力で相次いだ事故発生をみれば、「志賀原発の早期再稼働を目指す」とひたすら言い続けている北陸電力も、実は北海道電力と同様に原発以外の発電施設や送配電施設のメンテナンスがおろそかになっているのではないかと懸念されます。

 台風による停電でオフサイト・センターが機能停止するなど、昨今多発している自然災害に対する原発の脆弱さも深刻な問題で、原発の存在自体が住民にとっても北陸電力にとっても大きなリスクであることが明らかになっています。

 何よりも確実な原子力防災対策は、敷地内にも敷地周辺にも活断層がある危険な原発は廃炉にすることです。

 また、志賀原発では使用済み核燃料だけでなく、2011年度以降に搬入された新燃料も原子炉から取り出された核燃料も、格納容器の外にある原子炉建屋最上階の使用済み核燃料プールで保管されています。とくに原子炉建屋直下に活断層の存在が指摘されている1号機の燃料プールには672体の使用済み核燃料が保管されており、2号機分の使用済み核燃料も200体あります。準使用済みの使用中燃料と新燃料を合わせると、合計で3000体近い核燃料が燃料プールに保管されている状況です。原子炉が停止中でも、燃料プールの冷却機能喪失、あるいは地震による燃料プールの損傷で重大事故が発生する危険性があります。そのような事態を防ぐには速やかな核燃料の撤去が必要です。核燃料が撤去できるまでの間は、停止中の原発から大量の放射能が漏れる過酷事故を想定した訓練を行うべきです。

 県においては原子力規制委員会の適合性審査の経過をただ見守るだけではなく、電力供給には必要のない、まったく発電せずに電力を消費しているだけの原発のために、住民らがこれ以上危険にさらされることのないように適切な措置をとられるよう、以下、申し入れます。

1.北陸電力に対して、原子力規制委員会において現在、新規制基準の適合性審査が行われている2号機については速やかに審査申請を取り下げ、 1号機、2号機ともに廃炉に向けた 検討を開始するよう申し入れること。

2.原発に頼らない新たな地域振興策など、廃炉に向けた環境整備に着手し、県として必要な措置の検討作業を始めるとともに、必要に応じ国および志賀町などの地元自治体と協議すること。とくに核燃料の取扱い(使用済み核燃料の撤去、および停止中にもかかわらず何度も搬入された新燃料の取扱い等)に関する協議を早急に開始すること。

3.県の原子力防災訓練は、再稼働を前提とした訓練ではなく、停止中の原発における過酷事故を想定した訓練を実施すること。

4.事故想定においては、地震だけでなく台風、大雨等、各種の自然災害との複合災害を想定して、防災計画の見直しを行うこと。

5.防災訓練を実施した結果あきらかになった検討すべき課題を踏まえて、原子力防災計画の見直しを行なうこと。とくに、要援護者の避難対策、および国の内外からの観光客をはじめとする訪問者の防災および避難対策についても検討すること。

  さらに、原子力災害拠点病院の整備をすすめること。

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自衛隊を辞めた人が語ったこと

政府・為政者は、

これまで、陸・海・空の組織は、全国に北部、東北部、東部、中部、西部の5つの方面隊をベースとしたものであったが、最近、陸・海・空ともに全国を束ねる組織ができ、米軍の陸・海・空の司令部に組み込まれた中で任務にあたる大きな再編が行われた。自衛隊はそれによって変質してしまっている。

いまや、専守防衛と言っていた頃には考えられなかった「南シナ海で海自潜水艦の演習=中国の潜水艦を探査・捜索・哨戒する訓練」など、自分たちが在職していた頃では考えられないようなことがどんどん起こっている、とその危険性を訴えた。

そんな動きを、自衛隊を辞めた彼ら(6人)は、「戦争に近づいていっている、その流れの中に9条改憲がある」と感じ、極めて危険だと警鐘を鳴らしているようです。

※  自衛隊経験者でしかしゃべれない「直感」だと思います。

 

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ベトナム体験から平和学んだ 1000校に元兵士(アレン・ネルソンさん)の講演録

話題 ベトナム体験から平和学んだ 1000校に講演録(元兵士)

毎日小学生新聞2018年5月14日より

日本を訪れて戦争の現実を訴え続けた生前のアレン・ネルソンさん

アメリカの海兵隊員(かいへいたいいん)としてベトナム戦争(せんそう)に参加(さんか)した体験(たいけん)に基(もと)づいて、平和(へいわ)の大切(たいせつ)さを訴(うった)え続(つづ)けた人(ひと)がいました。2009年(ねん)に61歳(さい)で亡(な)くなったアレン・ネルソンさん。日本(にっぽん)で講演(こうえん)などの活動(かつどう)を支(ささ)えた市民(しみん)たちが、本(ほん)やDVDのセットを1000校(こう)を目標(もくひょう)に学校(がっこう)へ贈(おく)る取(と)り組(く)みを始(はじ)めます。

学校へ贈る教材を手にする支援者の平塚淳次郎さん

ネルソンさんは貧(まず)しさから抜(ぬ)け出(だ)すために18歳(さい)で海兵隊(かいへいたい)に入(はい)りました。沖縄(おきなわ)などで敵(てき)の人間(にんげん)を殺(ころ)す方法(ほうほう)について厳(きび)しい訓練(くんれん)を受(う)けた後(あと)、ベトナム戦争(せんそう)の最前線(さいぜんせん)へ送(おく)られました。ネルソンさんは、ゲリラとみられるベトナム人(じん)の男性(だんせい)だけでなく、女性(じょせい)や子(こ)どもまで何人(なんにん)も殺(ころ)したそうです。

しかし、農家(のうか)で女性(じょせい)が赤(あか)ちゃんを産(う)む場面(ばめん)に立(た)ち会(あ)ったのが決(き)め手(て)になり、ベトナム人(じん)も同(おな)じ人間(にんげん)だと思(おも)い直(なお)し、「殺(ころ)すのも、殺(ころ)されるのも、もうたくさんだ」と反省(はんせい)。兵役(へいえき)を解(と)かれてからは、心(こころ)に強(つよ)いショックを受(う)けて発症(はっしょう)する「心的外傷後(しんてきがいしょうご)ストレス障害(しょうがい)(PTSD)」に苦(くる)しめられました。1995年(ねん)に沖縄(おきなわ)で起(お)きたアメリカ兵(へい)の少女暴行事件(しょうじょぼうこうじけん)に心(こころ)を痛(いた)めて来日(らいにち)。各地(かくち)の学校(がっこう)などで約(やく)1000回(かい)の講演(こうえん)を重(かさ)ねましたが、戦場(せんじょう)で浴(あ)びた枯(か)れ葉剤(はざい)の影響(えいきょう)とみられるがんで亡(な)くなりました。

ネルソンさんは戦争放棄(せんそうほうき)を定(さだ)めた憲法(けんぽう)9条(じょう)を知(し)り、「9条(じょう)は日本(にっぽん)を戦争(せんそう)から守(まも)ってきた。世界(せかい)に広(ひろ)めたい」と何度(なんど)も訴(うった)えました。その思(おも)いを受(う)け継(つ)ごうと、石川県加賀市(いしかわけんかがし)の寺院(じいん)「光闡坊(こうせんぼう)」住職(じゅうしょく)の佐野明弘(さのあきひろ)さん(60)たちが「アレン・ネルソン平和(へいわ)プロジェクト」を結成(けっせい)し、ネルソンさんの半生(はんせい)をまとめたDVD「9条(じょう)を抱(だ)きしめて」を作(つく)りました。このDVDと2冊(さつ)の著書(ちょしょ)「ネルソンさん、あなたは人(ひと)を殺(ころ)しましたか?」、「戦場(せんじょう)で心(こころ)が壊(こわ)れて」を1組(くみ)ずつ贈(おく)ります。佐野(さの)さんは「力(ちから)や暴力(ぼうりょく)に頼(たよ)らない道(みち)が必(かなら)ずあるということを子(こ)どもたちに知(し)ってほしい」と話(はな)しています。

問(と)い合(あ)わせは光闡坊(こうせんぼう)(0761・74・0508)。

■アレン・ネルソンさんのメッセージ

I learned that war and violence will never bring peace to our world or our lives.So let’s learn how to live with love and peace.

(私(わたし)は、戦争(せんそう)と暴力(ぼうりょく)が私(わたし)たちの世界(せかい)や私(わたし)たちの生存(せいぞん)に決(けっ)して平和(へいわ)をもたらさないことを学(まな)びました。だから、どうすれば愛(あい)と平和(へいわ)とともに生(い)きていけるのかを学(まな)びましょう)

アレン・ネルソンさんの著書(ちょしょ)「I Know War~Allen Nelson Cries Out for Peace~」(かもがわ出版(しゅっぱん))より

「9条を抱きしめて」 アレン・ネルソンさん  (動画あり)

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2018.11.11原子力防災訓練に対する抗議声明

そもそもなぜこんな訓練をやらなければいけないのか、やはり関係する皆さん全員に考えていただきたい。(北野進「志賀原発を廃炉に!」訴訟原告団長のサイトより)
なぜ一企業の、一つの発電手段でしかない原発、動かなくても生活や経済活動に何ら支障のない原発のために多くの住民が命や暮らしを脅かされなければならないのか。
あらためて「常識」に立ち返ることを訴えたい。

本日の訓練に対する調査団の抗議声明

本日午前7時から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後7回目となる防災訓練である。この間、私たちは再稼働前提の訓練に抗議すると同時に、福島原発事故の教訓を踏まえるなら最善の原子力防災は原発廃炉であると訴えてきた。しかし、石川県はじめ関係自治体は今回も志賀原発の再稼働を前提とした非現実的で実効性のない訓練を実施した。強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

1.停止中の原発の危険性を直視せよ
(1)再稼働路線容認の防災訓練
志賀原発直下の断層について有識者会合は全会一致で活動層との評価書をまとめたが、北陸電力は志賀再稼働の方針を変えず、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に臨んでいる。しかし、ここでも北陸電力の見解は次々と否定され、北電社内でも「本当に動くのか」との声が上がるあり様である。こうした中、県が繰り返し再稼働前提の訓練を繰り返すことは、北電の再稼働路線を容認し、あるいは期待しているかのようなメッセージを県民に送ることになる。「敷地内断層問題の決着が最優先」という谷本知事の発言とも矛盾している。

(2)向き合うべきは停止中の原発の危険性
志賀原発は来年度も稼働しないことが確定している。しかし、停止中とはいえ原発には今なお使用済核燃料や新燃料が存在している。そしてその直下には活断層が存在する。私たちは地震などの自然災害はもちろん、武装集団によるテロ攻撃や大規模停電など様々な原因による過酷事故の危険にさらされ続けている。実際、1昨年は雨水大量流入事故が発生し、原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)から冷却機能喪失で「重大事故につながる危険性があった」という深刻な指摘を受けている。防災上の最優先課題は核燃料の一日も早い撤去であり、撤去までの間は停止中の原発の過酷事故を想定した訓練を実施すべきである。

(3)リアリティのない訓練で緊張感が低下
停止中の原発の危険性に向き合わない訓練は、周辺住民に「停止しているからとりあえず安心」との誤解を生み、なにより防災訓練参加者の緊張感の低下を招いている。今年2月の原子力規制委員会との訓練では北陸電力社内の情報共有システムがダウンし発電所内の情報が伝わらない、先般は敷地内のモニタリングポストが浸水するなど、過酷事故に対応できない事態が続発している。

2.実効性のない訓練の繰り返し
(1)新たな安全神話をつくる「スムーズな避難」
原子力防災における避難行動は、被ばくの恐怖に直面する中、時間との勝負となる。しかし、あらかじめ決められたごく一部の住民が参加する避難訓練では、避難指示の伝達漏れはなく、避難バスも事前に配車され、自家用車による避難の渋滞もなく、スクリーニングポイントでの順番待ちもない。課題として残るヨウ素剤の配布や服用指示の訓練は今回も実施されなかった。訓練全体に手抜き感が漂うが、その中で毎回確実に実現する「スムーズな避難」は、新たな安全神話をつくるものである。

(2)どうする?半島先端への避難
今回の避難訓練は輪島市や能登町への避難に重点が置かれているが、半島先端方向への避難は当初から様々な課題が指摘されている。避難車両やスクリーニングポイントでのマンパワーと資機材は確保できるのか。地震など複合災害の場合の避難路は確保できるのか。季節によっては多くの観光客や帰省客がいる。里山海道が寸断されれば混乱必死である。要支援者の避難先での生活や医療面での支援も含め課題は山積、不安は尽きない。加えて、風向きや放射能の放出量によっては半島先端までもが汚染区域となることが予想される中、果たして計画通り半島先端方向へ住民は避難するのかという問題も残されたままである。

(3)課題から逃げまくる非現実的訓練
PAZ圏内、UPZ圏内それぞれの住民へのヨウ素剤の配布、服用指示は重要な課題であるが、いまだ必要な住民への配布が可能かどうか検証はできていない。観光客など一時滞在者、特に近年増加する外国人旅行者への避難情報の伝達、避難、ヨウ素剤の配布等も懸念される。SPEEDIの使用を中止した中、緊急時モニタリングを迅速、的確に実施し、UPZ圏内の住民の避難行動につなげることができるのか、実践的な訓練も求められている。防災業務従事者の被ばく対策や交代要員の確保も重要な課題である。加えて先に述べたように半島先端方向固有の課題もある。課題を列挙するときりがない。この間の訓練同様、今回もやりやすい項目をつまみ食いするだけで課題の検証から逃げた訓練だと言わざるをえない。

3.繰り返して指摘する「今こそ常識に立ち返れ」
一 企業の、電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発。7年8カ月停止状態が続いても停電にもならず経済活動にも支障がでない志賀原発。そして今後、稼働する可能性はほとんどないと思われる志賀原発のために今も多くの県民が命や暮らしを脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように防災訓練が繰り返されている。
私たちは毎回、すべての原子力防災関係者に常識に立ち返るよう訴え続けてきた。避難させるべきは住民ではなく核燃料である。北陸電力は人災である原子力災害を防止するため、直ちに志賀原発の廃炉を決定せよ。活断層上にある核燃料を速やかに撤去せよ。

2018年11月11日

社会民主党石川県連合、自治体議員団 2018年石川県原子力防災訓練監視・調査団

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2018.2自民党改憲素案「たたき台」の中の「緊急事態条項 新設」の危険性(2018.2)

「緊急事態条項の新設」の危険性

<ステルス作戦実行中>

安倍首相は、憲法9条を初めとした改悪を成し遂げるため、「緊急事態条項の新設」については「ステルス作戦」を実行している。憲法9条に衆目の関心を引き寄せ、事実、多くの労組、民主勢力は「9条改悪阻止」に全力を投入している。しかし、「緊急事態条項 新設」の危険性は焦点化されていない。・・・・・・・・・・・・・永井幸寿弁護士

改憲発議が迫っている!(2018年臨時国会か2019年通常国会か)

10月24日に臨時国会が召集され、安倍総理は所信表明演説において、憲法改定について「憲法審査会で政党が具体的な改正案を示すことで、国民の理解を深める努力を重ねていく」と述べ「国会議員の責任を果たそう」と呼びかけるなど、自民党案をもとにした今国会での改憲論議とその発議に強い執念を見せた。

ほとんどのメディア、知識人、野党も、改憲発議が目前に迫っていること、しかもその中に民主主義を瞬殺してファシズムを一夜にして実現することができる緊急事態条項が含まれていることに対して、呆れるくらいに警戒心が足りない。本来なら最大限の警戒、抗議、反対、自民案の撤回と破棄を求める発言と行動がおこなわれてしかるべきだ。

さかのぼること今から7か月前、2018年3月25日、自民党大会において、9条への自衛隊明記」、「緊急事態条項創設」、「参院選『合区』解消」、「教育の充実」4項目からなる「改憲たたき台素案」が条文の形で発表された。

前年の2017年5月3日の憲法記念日に、改憲派の集会に送ったビデオメッセージの中で、安倍総理が「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と発言して以来、党内の改憲への動きは一気に加速。同年2017年12月20日には、自民党憲法改正推進本部が「憲法改正に関する論点取りまとめ」として、この「改憲4項目」を掲げていた。

安倍総理の設定した「2020年施行」に向けて、早ければこの臨時国会中に、いよいよ改憲の国会発議に踏み切るつもりと思われる。

法整備で十分対応可能なはずのダミー項目であることは丸見えの「参院選『合区』解消」と「教育の充実」についてはさておき、改憲に反対する人々の関心は、いつものように「9条への自衛隊明記」に集まった。実際、9条が改悪されれば、集団的自衛権を際限なく認めることにつながりかねない危険な憲法改悪となり、何より安倍総理がそればかりを口にしてきたのであるから、世の注目を集めるのは当然といえる。

※国民投票に持ち込んだ場合の自民党の最大の売り!「参院選『合区』解消」「教育の充実」

ところが、大災害や外国武力攻撃などの「緊急事態」を名目に内閣に強大な権力を付与するものとして、激しい非難を巻き起こしていた「緊急事態条項創設」については、今回もまた、なぜか話題にも上らない。今年の憲法記念日ですら、どこの集会でもメインに取り上げなかった。野党もマスメディアも、労組も、知識人も、一般の市民も、反応がきわめて鈍い。

考えられる理由は、一つある。「緊急事態条項」新案は、2012年に発表された自民党憲法改正草案のあの居丈高なトーンとは打って変わって、一見すると大変「おとなしい」文面に変わっており、警戒心が解かれてしまったのではないか。

「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」「法律と同一の効力を有する政令」「(国の指示に)何人も従わなければならない」「(地方自治体に内閣は)指示できる」といった、戦争やナチ独裁を彷彿させるあの強権的な文言は条文案の表面上から消え去り、かわって「大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる」といたって簡潔にまとめられている。言葉遣いも平易である。猛々しさは伝わりにくい。

そのうえ、旧案では緊急事態条項専用に「98条・99条」を新設し、憲法の一大要素のように位置づけていたものを、このたびは、内閣の事務を定める73条と国会の章の末尾にあたる64条という離れた二つの条文の、それも各々の追加項目として添えるという、ちょっとした微修正のようにも見えるのである。そして、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」であるから自然災害時と理解している方も大勢いるかもしれません。

この「改憲4項目」を目にした人の中には、「危険性はひとまず取り去られた」と安堵する人も少なくなかったであろう。そうした人々は、こう思ったかもしれない。「安倍自民党が国民の非難の声に珍しく耳を傾け、独裁を可能にするような条文の書き込みを諦めたのかもしれない、ひとまずは放っておいていいだろう」と。

だが、国民を安心させるその柔らかい文面も、永井幸寿弁護士の目は誤魔化せはしなかった。永井弁護士は災害問題のエキスパートで、自らも阪神・淡路大震災の被災者として災害の現場を熟知している。最も早くからこの条項の危険性に警鐘を鳴らしてきた人物である。

【緊急事態条項】

第73条の2

(第1項)大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。

(第2項)内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。

(※内閣の事務を定める第73条の次に追加)

第64条の2

大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の3分の2以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。

(※国会の章の末尾に特例規定として追加)

 

【その問題性】

【1 国家緊急権】

緊急事態条項とは「国家緊急権」を憲法に創設する条項と一応は定義できる。

国家緊急権とは、戦争・内乱・恐慌ないし大規模な自然災害など、平時の統治機構を持ってしては対処できない非常事態において、国家権力が国家の存立を維持するために、立憲的な憲法秩序を(人権の保障と権力分立)を一時停止して非常措置を執る権限を言う。つまり、非常事態において、国家のために、憲法の定める人権保障権力分立を停止する制度である。

人権とは、人が自立的な個人として、自由と生存を確保し、尊厳を持って生きるために不可欠な基本的権利を指す。

権力分立とは、権力に対する懐疑にある。天使ならいざ知らず、人は何どきも権力を獲得したがり濫用する性向をもつ。したがって、権力分立は人間の本性への深い反省と権力に対するリアルな認識から、血みどろの闘いの末、獲得したもの。

これに対し、立憲的な憲法秩序を(人権の保障と権力分立)を一時停止して非常措置を執る権限であることから、その危険性はきわめて高い。

【2 政令の効力】

「政令」とは内閣が制定する命令であるが、「唯一の立法機関」である国会の立法からすれば例外的な権限である。それゆえ、内閣の発する政令は立法権そのものを行使する、簒奪することは許されず、国会の定める法律の細則を定めるか、個別具体の委任基づく政令しか許されていない。

しかし、憲法を改正してまで創設しようとしているこの「政令」は、内閣に法律に代わる命令の制定権を認めようとするものであり、立法権そのものの行使、簒奪と言わなければならず、法律と同じ効力を有するものと解すべきである。

【3 手続きの欠如】

2012年の自民党改憲草案にあった「緊急事態の宣言の事前又は事後に国会の承認」を必要とし、また、「国会の決議や内閣の認定による宣言解除の手続き」があった。しかし、2018年の改憲素案たたき台には、緊急事態宣言発動の手続きがなくなり、これに対する国会の統制も存在しなくなった。

つまり、内閣の閣議決定だけで国民の知らない間に「緊急事態宣言」が発動でき、しかも国民が知らない間、ずっとそれを維持できるのである。

  ※「いつでも独裁、いつまでも独裁!」

【4 広すぎる要件】

国家緊急権発動の要件は、「大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがない」と内閣が認定したときである。

本来、法律の制定権は主権者たる国民の代表である国会にあるので、国家緊急権発動の要件は国会が機能していない特別な場合に限られるはずである。たとえば、災害対策基本法の「緊急政令」の発動要件は、国会閉会中や衆議院解散中で、臨時国会の召集や参議院の緊急集会の請求ができないときに限定されている。旧憲法の「緊急勅令」でさえ議会閉会中という限定があった。自民党改憲素案たたき台にはこのような限定がなく、国会が会期中であっても国会を無視して「政令」をつくることができるのである。

また、要件の認定権者は国会ではなく、内閣、すなわち政府である。たとえば「災害により」「国会による法律の制定を待ついとまがない」と政府が認定すれば制定できるのである。

【5 災害とは、武力攻撃事態への適用】

さらに、国家緊急権が発動できる場合は、「自然災害」ではなく「災害」とされている。

災害対策基本法は「災害」とは、「暴風、竜巻、・・、地震、津波、・・その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発・・政令で定める原因により生ずる被害」と定められており、同施行令は「政令で定める原因」として「放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他・・」と定めており、「災害」には自然現象のみでなく人為的な事故も含んでいる。そして、国民保護法では「武力攻撃災害」、すなわち「武力攻撃により直接又は間接に生じる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出そのたの人的又は物的災害」として、「戦争も災害」として認定している

したがって、「緊急事態条項」は武力攻撃事態があった場合にも「災害」として政令を制定することが可能である。

※腐敗した政府を倒そうと決起した市民・民衆や労働条件の改善を求めた労組の決起にも「災害」として対処することができるきわめて危険な条項である。

【6 期間制限がないこと】

国家緊急権には発動期間の限定がない。権力の濫用を防ぐために厳格な期間の制限が必要である。2012年改憲草案でさえ「100日を超えて緊急事態宣言を継続するときは国会の承認」を必要とした。

【7 事項の限定がないこと】

政令を制定することができる事項について限定がほとんどない。

「国民の声明、身体及び財産を保護するため」であればどのような政令も制定できる。たとえば、安保法制を政令で改定して集団的自衛権を強化することや、テロ対策のために共謀罪を改定して厳罰化することも可能となる。もっとも制限される可能性が高いのが政府監視機能を持つ報道機関の報道の自由や通信の秘密である。罰則付きの制限立法(政令)によって報道機関が著しく萎縮し、国民の知る権利が制限され民主主義の根幹が脅かされる。

【8 国会が不承認でも効力が失われない】

内閣は政令を制定後、「速やかに国会の承認を求めなければならない」と定めるが、国会が承認しなかった場合には政令が効力を失うと定めてはいない。旧憲法の「緊急勅令」でさえ、議会の承認がないと将来に向って効力を失うと定めていた。

このことは、内閣による権力濫用の危険性がより高まり、緊急事態条項は「政府独裁条項」とも言うべきものであると言える。

【9 立法事実の不存在】

災害には災害対策の原則がある。「準備していないことはできない」のである。

国家緊急権は災害が発生した後に、泥縄式に権力を集中させる制度と言っていいが、災害発生後にどのような強力な権力を集中しても災害に対応することはできないのである。

災害に関する法律は既に十分に整備されている。(物価や生活必需品などの4項目に限り罰則付きの政令(緊急勅令)の制定権、ただし国会の承認が無ければ効力を失う)

東日本大震災後、2015年アンケートで「国と地方の役割分担」を問えば、「原則として国が主導して市町村が補助する」と回答したのはわずか4%、「原則として市町村が主導して国は後方支援するべき」とした92%を見れば答えは明らかである。つまり「権力集中」とは真逆の結果である。

災害時、最も効果的に対応できるのは国ではなく、被災者に最も近い市町村なのです。

熊本地震では、2016年4月14日の前震で安倍首相は、屋外の避難者を「屋内退避」させるよう指示したが、益城町総合体育館の職員は天井落下を危惧して屋内に入れなかった。そして4月16日の本震で同体育館の天井が総て落下した。館内に住民が避難していれば確実に多数の死傷者が出ていたはずである。

【10 国会や裁判所が統制するという幻想】

国家緊急権を肯定し必要だとする人たちの中には、国会や裁判所が政府を統制するのだから濫用は抑止できるという。しかし、議院内閣制をとる日本は、国会の多数派が内閣を形成するので国会は政府を有効に統制できない。また、裁判所は「統治行為論」をとっており、高度に政治性のある行為には司法審査権は及ばないという説が多数なのです。

したがって、三権分立のなかで二権が政府を統制するということはありえない。

【任期延長】 

  略

【任期無期限の危険性】 

  略

【任期延長の要件】 

  略

【立法事実がない】 

  略

 

自民党の「改憲素案 四項目」(たたき台)全文

【緊急事態条項】

  略

【参院選「合区」解消】

現行憲法で定める「投票価値の平等」と別に、衆参両院の選挙区と定数は「地域的な一体性」などを「総合的に勘案」して定めると規定。特に参院選について「改選ごとに各選挙区において少なくとも1人を選挙すべきものとすることができる」と明記した。「合区」解消と都道府県単位の選挙制度の維持を図る。

第47条

両議院の議員の選挙について、選挙区を設けるときは、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して、選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めるものとする。参議院議員の全部又は一部の選挙について、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも1人を選挙すべきものとすることができる。

前項に定めるもののほか、選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

第92条

地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域の地方公共団体とすることを基本とし、その種類並びに組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。

【教育の充実】

経済事情に関係なく質の高い教育を受けられるよう、26条に国の努力義務規定を盛り込んだ。日本維新の会が求める幼児教育から大学までの教育無償化は見送った。89条も改め私学助成の合憲性を明確にした。

第26条

(第1、2項は現行のまま)

(第3項)国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない。

第89条

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

9条改正

第9条の2

(第1項)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。

(第2項)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

(※第9条全体を維持した上で、その次に追加)

 

 

 

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ヤバすぎる緊急事態条項で、より高まったファシズムへの危険性!

ほとんどの日本人が気づいていない!! 自民党改憲4項目の #ヤバすぎる緊急事態条項で、より高まったファシズムへの危険性!安倍総理は臨時国会の所信表明で改憲への強い執念を表明!全国民必見必読の岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2018.10.30

 (文・IWJ編集部)

 改憲発議が迫っている。

10月24日に臨時国会が召集され、安倍総理は所信表明演説において、憲法改定について「憲法審査会で政党が具体的な改正案を示すことで、国民の理解を深める努力を重ねていく」と述べ「国会議員の責任を果たそう」と呼びかけるなど、自民党案をもとにした今国会での改憲論議とその発議に強い執念を見せた。

ほとんどのメディア、知識人、野党も、改憲発議が目前に迫っていること、しかもその中に民主主義を瞬殺してファシズムを一夜にして実現することができる緊急事態条項が含まれていることに対して、呆れるくらいに警戒心が足りない。本来なら最大限の警戒、抗議、反対、自民案の撤回と破棄を求める発言と行動がおこなわれてしかるべきだ。

さかのぼること今から7か月前、2018年3月25日、自民党大会において、「9条への自衛隊明記」、「緊急事態条項創設」、「参院選『合区』解消」、「教育の充実」の4項目からなる「改憲たたき台素案」が条文の形で発表された。

前年の2017年5月3日の憲法記念日に、改憲派の集会に送ったビデオメッセージの中で、安倍総理が「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と発言して以来、党内の改憲への動きは一気に加速。同年2017年12月20日には、自民党憲法改正推進本部が「憲法改正に関する論点取りまとめ」として、この「改憲4項目」を掲げていた。

安倍総理の設定した「2020年施行」に向けて、早ければこの臨時国会中に、いよいよ改憲の国会発議に踏み切るつもりと思われる。

法整備で十分対応可能なはずのダミー項目であることは丸見えの「参院選『合区』解消」と「教育の充実」についてはさておき、改憲に反対する人々の関心は、いつものように「9条への自衛隊明記」に集まった。実際、9条が改悪されれば、集団的自衛権を際限なく認めることにつながりかねない危険な憲法改悪となり、何より安倍総理がそればかりを口にしてきたのであるから、世の注目を集めるのは当然といえる。

ところが、大災害や外国武力攻撃などの「緊急事態」を名目に内閣に強大な権力を付与するものとして、激しい非難を巻き起こしていた「緊急事態条項創設」については、今回もまた、なぜか話題にも上らない。今年の憲法記念日ですら、どこの集会でもメインに取り上げなかった。野党もマスメディアも、労組も、知識人も、一般の市民も、反応がきわめて鈍い。

考えられる理由は、一つある。「緊急事態条項」新案は、2012年に発表された自民党憲法改正草案のあの居丈高なトーンとは打って変わって、一見すると大変「おとなしい」文面に変わっており、警戒心が解かれてしまったのではないか。

「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」「法律と同一の効力を有する政令」「(国の指示に)何人も従わなければならない」「(地方自治体に内閣は)指示できる」といった、戦争やナチ独裁を彷彿させるあの強権的な文言は条文案の表面上から消え去り、かわって「大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる」といたって簡潔にまとめられている。言葉遣いも平易である。猛々しさは伝わりにくい。

そのうえ、旧案では緊急事態条項専用に「98条・99条」を新設し、憲法の一大要素のように位置づけていたものを、このたびは、内閣の事務を定める73条と国会の章の末尾にあたる64条という離れた二つの条文の、それも各々の追加項目として添えるという、ちょっとした微修正のようにも見えるのである。

この「改憲4項目」を目にした人の中には、「危険性はひとまず取り去られた」と安堵する人も少なくなかったであろう。そうした人々は、こう思ったかもしれない。「安倍自民党が国民の非難の声に珍しく耳を傾け、独裁を可能にするような条文の書き込みを諦めたのかもしれない、ひとまずは放っておいていいだろう」と。

だが、国民を安心させるその柔らかい文面も、永井幸寿弁護士の目は誤魔化せはしなかった。永井弁護士は災害問題のエキスパートで、自らも阪神・淡路大震災の被災者として災害の現場を熟知している。そして、災害をダシにした自民党「緊急事態条項」創設の欺瞞をいち早く見抜き、最も早くからこの条項の危険性に警鐘を鳴らしてきた人物である。そんな永井弁護士が、「これは大変だ、みんな気がつかないが、旧案よりはるかに危険になっている!IWJで話させてくれ!!」と、血相を変えて岩上安身に直接訴えてきたのが、今回のインタビュー実現のきっかけだった。

▲永井幸寿 弁護士(2018年5月21日、IWJ撮影)

「法律に明るくない人々を騙すのに、実によくできている」と永井氏が「関心」するこの新「緊急事態条項」のトリックとは!? そのトリックの先に待ち構えるディストピアとは!? 被災者に寄り添うために、法の専門家ができることは何かをひたむきに考え、模索してきた永井弁護士の、人間味あふれる、だが鋭い分析力が光るインタビュー!ぜひ、すべての日本人に読んでもらいたいと願う。

今、起きつつあることは、例外なくすべての日本人の身にふりかかることなのである。どんなに政治的に無関心であろうと、どれほど安倍政権の支持者や信者であろうと、どんなに日米同盟機軸というイデオロギーの盲目的信者であろうと、日本が軍事ファシズム国家となり(これは事実上のクーデターに等しい。緊急事態条項は、クーデターを合憲化・合法化するための条項)、米中覇権交代の戦争の道具として日本が巻き込まれてゆくのを阻止しなければ、すべての日本人が多大な犠牲を強いられる。


岩上安身(以下「岩上」)「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。

本日お届けするのは、あまりに危険でかつ緊急性・公共性の高い話題です。できることならみんなに見ていただいて、みんなに伝えていっていただかなければならない、それほどまでに重要なことがらでありながら、どこも報じていないし、まともに論じられてもいません。

タイトルは『いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!?』。中年以上の方なら覚えておられるとおもいますが、『少し愛して、長ーく愛して』というあのサントリーのCMじゃないですけれども、『いつでも独裁可能、いつまでーも独裁可能』という、独裁者にとってはさぞ甘ったるーい、甘い蜜の味なんでしょうね。『憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まってしまった自民党新改憲案の緊急事態条項』です。

この問題に関しましては、やはり、真っ先にこの問題に注目し、危険性を指摘してこられた永井幸寿(こうじゅ)弁護士。永井先生にお話をうかがってまいりたいと思います。永井先生、よろしくお願いします。

永井幸寿氏(以下「永井」)「よろしくお願いします」

岩上「永井先生と言えば、2012年に自民党憲法改正案が発表された後、どの段階でしたか、その時以来お世話になっています」

永井「そうでした。はい」

岩上「この緊急事態条項について、本当に詳しくていらっしゃる。日弁連の災害復興支援委員会(※2)の委員長を務められたりと、災害の問題に長く取り組んでこられたわけですが、災害の現場を知ってるからこそ、災害をダシに緊急事態条項を入れるというのは間違っている、本当におかしい、と指摘してこられました。

先生の場合、安全保障とか安保法制とか、そうした話から入っていったのではなくて、災害の問題からこの欺瞞性に気づいて警鐘を鳴らす。何て言うか、アプローチが本当にピュアなんですよね」

永井「そうですか?(笑)」

岩上「このたび、自民党の改憲新草案が4項目出てまいりました。でも、それについて、メディア上でもほとんど議論がありません。ご当人の安倍さんも議論しませんし、政界でも議会でも、どこもやりません。テレビ、新聞、報道、その他一切やってないと言ってもいいと思います」

永井「はい」

岩上「わざとやらない、というのもあると思うんですよ。私は間違いなくそうだと思っていますが、なるべく国民に警戒心を抱かせない内に、準備を整えてやってしまおうという。麻生さんが言っていた通り、『静かにやろうぜ』(※3)というステルス作戦を実行しているんだとも言えると思います。で、憲法9条だけを語っておく。

9条だけは、皆食いついて来ますからね、左派も9条しか反応しない。平和団体も市民運動も知識人も。その中に緊急事態条項をそっと紛れ込ませておくというか。

結局、あんなにたくさんの自民党改憲草案を作っても、その中で一番大事だったのは緊急事態条項だけなんです。そして、それはステルスで、シーンと進んでいく。わざと隠してるというのはもう見え見えです。9条はもはやダミーです。フィッシングルアーのダミーですよね。

本命は緊急事態条項。これで一挙に独裁可能。ただ、みんなあまり騒がない。皆の関心がいまひとつだというのは、この危険性がわからないからですよ。というのも、今回の新しい緊急事態条項、前の自民党憲法案よりも、何か、スッキリしちゃってるんですよね。

つまり、怖いことがいろいろ書かれてたのが切り落とされていて、すごくシンプルな文面になってるから、何か『あれ?後退したのかな?』と、こういう印象持ってるんですね。私も実は、『これは一体どう解釈したらいいのかな?どこかで誰かに聞いてみよう』と思いながら後回しにしていた。

そこへ永井先生から電話がかかって来まして。『IWJで喋らせろ』『これは大変な事だ』と。どう大変なんでしょう?」

永井「滅茶苦茶危険になりました。にも関わらず、危険が収まったように皆さん勘違いしている。憲法記念日にさえ議論になってないんですよね。これはもの凄く大変な事です。メディアも取り上げない。だからもう、私は岩上さんに電話するしかなかったんですよ」(続く)

(「岩上安身のIWJ特報!」第396号より抜粋)全文は以下からご購読を!


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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2018年5月21日に行われた、岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューを公共性に鑑み全編公開中です。ぜひ以下よりご覧ください。

緊急事態条項に関連する、下記記事もぜひご覧ください。

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紹介 「辺野古埋め立て用の土砂搬出計画」を止める請願署名の取り組み

「辺野古埋め立て用の土砂搬出計画を止めよう」請願署名の取り組みについて

辺野古新基地建設問題で国は、行政不服審査制度を濫用して「私人」になりすまし、沖縄県の埋め立て処分撤回を停止させ新基地建設工事を再開しました。「知事選」での民意を足蹴にする安倍政権の姿勢は、法治主義に反し、民主主義と地方自治を崩壊させる行為と言わなければなりません。

このまま工事が進捗すると、来年後半以降には本土からの土砂が搬出され、沖縄への基地負担がさらに強化されて、「米軍基地の増強と戦争準備」「日米の軍事一体化」が一層進むこととなります。さらには、土砂に含まれる外来生物の処理など未だに国は対策も立てていません。このままでは、基地と隣り合わせの「命と環境の危機」がさらに進行することは目に見えており、生物多様性に富む沖縄の海は、特定外来生物等の侵入で著しく変貌してしまいます。

平和フォーラムの構成団体である鹿児島県奄美大島の団体を含め、各地の土砂搬出地の市民団体等で構成されている「辺野古土砂搬出全国連絡協議会」がすすめる請願署名に、総がかり行動実行委員会も取り組むことになりました。

取り組み

(1)署名用紙 ダウンロード  土砂署名オモテ(署名用紙)

(2)集約日  2019年3月末 第2次集約(第1次は2018年12月末)

(3)提出先     平和フォーラムへ提出します。 土砂署名ウラ(説明ほか)

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東海第二原発の「運転期間延長」認可に対する原水禁 抗議声明

東海第二原発の「運転期間延長」認可に対する原水禁声明

原子力規制委員会は、11月7日、稼働から40年を超える東海第二原発(茨城県東海村)の運転期間を、今後最長20年延長できることを認めた。原則40年とされていた原発の運転期間の延長は4基目で、老朽原発の稼働はきわめて危険として「運転延長は例外中の例外」としてきたこれまでのルールを、原子力規制委員会は自ら形骸化させている。原発稼働の長期化は原子炉容器の脆弱性を高めるとともに、様々な場所・場面での事故リスクをも高めていく。老朽原発の稼働は様々な問題を抱えるだけに、原水禁は今回の「運転期間延長」認可に強く抗議する。

東海第二原発は、福島第一原発と同じ沸騰水型原発(BWR)では初めて規制基準の適合性が認められるもので、東日本大震災で被災した原発であり、機器の劣化や不具合も心配される。今回の認可で更田委員長が「運転開始から60年たっても機器の劣化は問題ない」「東日本大震災の影響がない」と発言し、日本原電の説明をそのまま了承した責任は極めて重く許されるものではない。これまでの規制基準適合に際して「安全とは認めたわけではない」との言い訳はもはや通じない。

日本原電は、東海発電所・敦賀発電所1号機の廃炉を決定し、東海第二原発の再稼働は敦賀発電所2号機とともに、日本原電の企業経営の存続の問題となっている。日本原電自体の財務基盤が極めて弱いことはこれまでも度々指摘されており、安全対策工事を、東京電力などの電力会社からの資金援助で進めようとしている。積み立ててきた廃炉費用でさえ取り崩していることも問題であり、そのような会社に、これ以上原発を動かす資格はない。

東海第二原発は、30キロ圏内に約96万人が暮らしており、都心からもおよそ110キロの距離に立地している。一度過酷事故が起きればその被害は計り知れず、日本原子力発電(日本原電)だけで背負いきれるものではない。

今回の認可によって、再稼働に向けたハードルは、周辺自治体との合意(日本原電と6市村で結んだ新協定)のみとなる。原発から30キロ圏内の自治体では、具体的避難計画など立てられる状況にない。すでに那珂市長は反対の姿勢を示し、水戸市議会も再稼働反対の意見書を出している。福島原発事故の後、茨城県内の44市町村のうち34

市町村の議会で「再稼働反対」や「廃炉を求める」、あるいは「住民同意のない再稼働は認めない」など慎重な対応を求める意見書が採択されている。首都圏においても複数自治体からも、再稼働や20年間稼働延長に反対する議会決議などが上がっている。世論は、原発の再稼働より廃炉を求める声が大きいのが実態だ。そのような中で日本原電という一企業の存続のために多くの人々が危険に晒されることは許されない。さらに日本原電は、このことに関して市民社会に対してまともに説明をしていない。

いまや原子力は廃炉の時代を迎えている。老朽化した東海第二原発は、たとえ再稼働しても20年後には確実に廃炉となる。その過程でさらに大量の放射性廃棄物を生みだし、事故のリスクを常に抱え続けることを考えれば、絶対に再稼働を許すわけにはいかない。原子力規制委員会は、これまでの設置変更許可・工事計画認可・運転期間延長認可などの認可をすみやかに取り消し、東海第二原発を廃炉にすべきである。日本原電も、世論に真摯に耳を傾け東海第二原発の廃炉と新たな事業展開を考えるべきである。

原水禁は、今回の「運転期間延長」に強く抗議するとともに、脱原発社会の実現に向け、取り組みの一層の強化を図るものである。

 2018年11月8日

 原水爆禁止日本国民会議

 議長 川野 浩一

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11.7北電本社に申し入れ 志賀原発1,2号機を速やかに廃炉に!

北陸電力のこの間の「ていたらく」(原子力規制委員会へのデータ提出に際し、誤字脱字、データ不足などから(審査は)時間の無駄とまで言われたことや、大田火電の「火災」事故、おまけに、雨水によるモニタリングポスト水没などなど)に、危険な原発を運転する資格も能力も技術も緊張感も倫理観もないことから「即刻!廃炉に」を申し入れたものです。

申 入 書

2018年11月 7日

 北陸電力株式会社

代表取締役社長 金井 豊 様

さよなら!志賀原発ネットワーク

  •              共同代表 岩淵正明(石川県憲法を守る会代表)          共同代表 中垣たか子(原発震災を案じる石川県民・世話人)
  • 共同代表 新明宏(石川県平和センター代表)
  • 石川県平和センター代表 本田良成
  • 石川県勤労者協議会連合会長 藤田 利男
  • 金沢地区平和運動センター議長 赤玉 善匡
  • 石川県憲法守る会事務局長 森 一敏(金沢市議会議員)
  • 北陸プルサーマルネット  林 秀樹
  • 命のネットワーク代表  盛田 正
  • 志賀原発を廃炉に!訴訟原告団長 北野 進(珠洲市議会議員)
  •   事務局長 堂下 健一(志賀町議会議員)
  • 原水禁石川県民会議    代表委員 佐野 明弘
  •  糸矢 敏夫 野村 夏陽
  • 石川県議会議員 盛本 芳久(社民党石川県連代表)
  • 原水禁富山県民会議会長 岡﨑 信也

富山県平和運動センター議長 山崎 彰

富山県議会議員 菅沢 裕明(社民党富山県連代表)

申  入  書

 2011年3月11日の東日本大震災以降、志賀原発は1号機、2号機ともに停止したまま、すでに7年半以上が経過しました。この間終始一貫して貴社は「志賀原発の早期再稼働を目指す」として、2014年8月に2号機の新規制基準への適合性審査(安全審査)を申請しました。この時点では原子力規制委員会の有識者会合による敷地内断層の調査及び審査がまだ継続中で、実質的な審査が開始されたのは2016年4月に有識者会合の評価書が提出された後、2016年6月のことです。

しかし、それから2年以上たっても審査は一向に進んでいません。去る9月21日の審査会合では、貴社が提出した資料に説明不足や誤記などの不備があまりに多いことが指摘され、委員からは「論外」、「時間の無駄」といった厳しい言葉が飛ぶ有様でした。それ以前の審査会合でも貴社の見解はたびたび否定され、委員の質問に十分な説明ができずにいる担当者の無様な姿に住民らは「こんな会社が原発を建設し、動かしてきたのか」、「これでも、まだ原発を動かす気なのか」と不安を募らせています。

2号機の審査が進捗せず再稼働は目処が立たない状況ですが、1号機は審査申請の目処さえ立たっていません。貴社の経営陣は「敷地内の断層は動かない断層であることをご理解いただけるものと確信している」という趣旨の発言をいまだに繰り返していますが、1号機、2号機ともに再稼働の見込みがないことは明らかで、社内でも「(志賀原発は)“本当に動くのか”と危機感が増している」と、地元紙にも報道されているのが実態です。

2016年4月、透明性・中立性の条件をクリアした4名の専門家からなる有識者会合が、2年以上にわたる審査会合を経て原子力規制委員会に提出した「評価書」の結論は『1号機原子炉直下と2号機タービン建屋の安全上重要な配管直下にある破砕帯(断層)は、いずれも将来活動する可能性が否定できない』というもので、これは新規制基準に照らせば『志賀原発の敷地には原発を建設してならない』ということに他なりません。今まで北陸電力を信用していた住民にとって貴社の主張がことごとく否定された衝撃、そのショックの大きさは計り知れません。この時点で1号機、2号機ともに速やかに廃炉の決断をするべきでした。

志賀原発が停止していても、大雪の冬も猛暑だった今年の夏も電力供給には何ら問題は生じていません。その一方で、原子炉建屋への雨水流入や大雨によるモニタリング・ポスト床上浸水など、原発の安全性に関わる問題が次から次へと起きており、停止中であってもゆるがせにはできないはずの安全管理体制に緩みが生じているのではないかと危惧されます。長期間停止による運転員の志気の低下も気がかりです。

また、昨年度実施された原子力規制委員会と電力事業者による事故を想定した訓練で、貴社は「原子力規制委員会との情報共有」において最低評価でした。理由は「社内の情報共有システムがダウンし発電所の情報が伝わらなかった」という極めてお粗末なもので、こんなことでは到底過酷事故には対応できません。「北陸電力には原発運転の資格なし」と、あらためて言わざるを得ません。

さらに、9月6日に発生した北海道電力管内の全域停電では、原発の再稼働を優先して火力発電所の更新が後回しになっていた、いわば「原発依存が招いた“人災”」ではないかという指摘があります。この指摘は北陸電力にとっても決してよそ事ではありません。

台風による停電でオフサイト・センターが機能停止するなど、昨今多発している自然災害に対する原発の脆弱さも深刻な問題で、原発の存在自体が北陸電力にとっても大きなリスクであるという事実が明らかになっています。

電力供給には必要のない、まったく発電せずに電力を消費しているだけの原発のために、これ以上危険にさらされることのないよう、以下、申し入れます。

【 申入れ事項 】

1.志賀原発1号機は速やかに廃炉にすること。

2.新規制基準適合性審査が続いている2号機も、直ちに審査の申請を取り下げ、廃炉にすること。

 

志賀原発は速やかに廃炉にすべき理由・補足説明

1 活断層の見落としや過小評価があり、原発を立地すべきではない場所に建設されていて危険

(1)2016年4月に原子力規制委員会に提出された有識者会合「評価書」の結論は『敷地内破砕帯のS-1、S-2・S-6は、いずれも将来活動する可能性が否定できない』というものでした。

S-1は1号機原子炉直下、S-2・S-6は、タービン建屋内にある原子炉冷却に不可欠な安全上極めて重要な配管直下にあり、『新規制基準における活断層等の扱い』では「可能性が否定できないものは活断層とみなす」と、あくまでも安全側に立って判断を下すことになっているのですから、この「評価書」が提出された時点で、北陸電力は速やかに廃炉の決断をすべきでした。

(2)敷地内断層の問題のみならず、敷地周辺の活断層も過小評価されていることも問題です。2006年3月24日、金沢地裁は志賀原発2号機の運転差止め判決を下しました。この判決では、政府の地震調査研究推進本部が、一体となって活動すると推定している邑知潟断層帯による地震(想定地震規模M7.6程度)が、志賀原発の耐震設計においては何ら評価されていないことが指摘されました。北陸電力は、邑知潟断層帯に平行する眉丈山第二断層(想定地震規模M6.6程度)しか考慮していなかったのです。

この判決の一年後、2007年3月25日、能登半島地震で1、2号炉ともに設計基準をこえる、文字通り想定外の揺れに見舞われました。震源となった能登半島沖合いの活断層は、なぜか三分割されて耐震設計では考慮対象外でした。この時は、1999年6月に発生した臨界事故隠蔽が発覚した直後で、原発は停止中だったため放射能漏れを起すような事態にいたらなかったのは幸いでした。現在でも敷地直近の富来川南岸断層は、上記の例と同様に過小評価されたままです。

(3)耐震設計では地震動による揺れのみが問題にされ、活断層による地盤のズレで機器・配管等が損傷することは考慮されていません。しかし、直下あるいは直近の断層の活動により深刻な被害が生じる可能性があることも忘れてはなりません。しかも安全審査の際には単一故障しか想定されていませんが、地震が起きれば被害は同時多発的に発生することは明らかです。

2 北陸電力には原発の運転資格なし

1号機、2号機ともに運転開始から2011年3月に停止するまでの間、お粗末な事故・トラブルの事例には事欠かず、北陸電力は原発を安全に管理・運転する能力に欠けていると判断せざるをえません。記憶に新しいものでは原子炉建屋に雨水流入、モニタリング・ポスト床上浸水等がありますが、長期停止する前の2010年でも、1号機は9月末に定検終了後、翌年3月1日までに3回も手動停止し、定検中には制御棒の脱落事故も発生していました。その間、2号機でも手動停止する事故があり、地元から不安の声が上がっていました。

(2)過酷事故に対応できるのか、非常に不安です。

昨年度実施された原子力規制委員会・規制庁との防災訓練において、原発から事故発生情報が伝わらず社内で情報共有ができず、規制委にも基本的な情報伝達ができませんでした。これでは、政府が原子力緊急事態宣言を出すかどうか判断することさえ不可能です。原因は、要員が一気にアクセスしてシステムがダウンしたというお粗末なもので、こんな有様で緊急時に対応できるのか不安です。(2018年7月25日開催の第21回原子力規制委員会・配布資料3を参照)

この件はマンスリー・レポート等でも報告されておらず、再発防止対策等も不明です。

(3)取締役らに原発が抱える潜在的危険性に対する認識が欠如していることが懸念されます。例えば原子力担当の副社長が、今年の株主総会で廃炉に関する質問に対して「300年、500年も先のことではないが云々」等の発言をしていますが、原発の運転は原則40年、仮に延長が認められても20年に限られているのに、100年単位の数字がどこから出てくるのか、まったく非常識極まりありません。

その前には、社長が記者会見で「1号機は60年間運転できる」という趣旨の発言をしています。しかし、再稼働の前提となる適合性審査への申請の目処さえ立っておらず、しかも大事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型というだけでなく格納容器も同じマークⅠ型です。この1号機について、運転期間の延長について言及するとは、志賀原発の危険性についてまったく認識を欠き、福島原発事故から何も学んでいないのではないかと懸念されます。

3 原子力防災および避難計画に実効性なし

事故の想定において、地震、津波、台風、豪雨、積雪などの自然災害との複合災害は考慮されていません。しかし、実際に台風の影響で停電してオフサイト・センターが機能停止、あるいは大雨でモニタリング・ポストが水に浸かるといった事故が起きており、自然災害に対する原発の脆弱さが明らかになっています。過酷事故対策では複合災害を想定することが不可欠です。

ひとたび重大事故が起きれば、取り返しのつかない想像を絶するような被害が広範囲かつ長期間に及ぶことが、福島原発事故で明らかになっています。福島原発事故はいまだ収束せず、廃炉の目処はついておらず、放射能による被害は今もなお進行中です。

もっとも確実な原子力防災は原発を廃炉にすることですが、原発は停止中でも危険な存在です。福島事故から教訓を学び、原子力防災および避難計画を抜本的に再検討するべきです。

4 再稼働に固執するのは北陸電力にとって経済的にも電力安定供給の面でもリスクが大きい 

志賀原発は発電量ゼロの状態がすでに7年半以上続いていますが、その間、使用済み核燃料の冷却などに電力を消費し続けています。「原子力発電費」の名目で計上されている原発の維持管理費は毎年400億円以上かかり、2011年度~2017年度の総額は約3600億円に及びます。再稼働に固執すれば、そのための安全対策工事費への投資も続けなければなりません。2015年度以降はその投資額に関して公式発表では「1千億円の後半」と公表されていますが、その詳細は不明のままです。

再稼働できない限り全く回収の見込みがない投資を続けて、「すでに巨額の投資をしてしまったから」という理由で危険な志賀原発の再稼働すれば、大事故のリスクがあります。いずれにしても志賀原発は、貴社にとってお荷物でしかないことは明らかです。経済的な観点からも、すみやかに廃炉の決断をするべきです。

北海道電力管内で発生した広域停電の際には「原発の再稼働を優先して火力発電所の更新が後回しになっていた」と指摘されていましたが、七尾大田火力発電所での事故発生は、北陸電力も同様の状況にあることを示唆しています。また他地域との連携線に関しても中部とは30万kWのみで、しかも直流送電なので停電していれば使えず、関西との連携線が何らかの事情で使用不可能になれば、広域停電の可能性も否定できません。

原発事故による被害回復のための備えは原発再稼働より優先されるべきなのに、原子力災害の損害賠償金の上限は1200億円に据え置かれることになりました。福島原発事故で東京電力の損害賠償費用はすでに8兆円を超えており、10兆円に迫るとも言われています。にもかかわらず損害賠償の上限が1200億円のままでは、実質的には無保険状態といってもよい状態です。このままで原発を再稼働するとは、無責任の極みというほかありません。賠償金の上限引き上げによる高額の保険料が負担できないのなら、原発から撤退するべきです。

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11.2「安倍改憲NO!改憲発議NO!」石川県民集会 成功裏に開催

太田昌克氏(共同通信編集委員) 「朝鮮半島の非核化への道筋」~日米核同盟と揺れる憲法~

安倍改憲NO!市民アクションいしかわの呼びかけ人のお一人、五十嵐正博さんは 韓国最高裁の「徴用工判決」に対する安倍政権の「国際法に反する」という嘘と欺瞞を暴きました。

太田昌克氏は「米・朝」間に信頼関係は醸成されていない。」「核廃棄は長い闘いとなる」と非核化問題の進まない現状を分析し、楽観的に見ては行けないと警鐘を鳴らした。

優しい語りで司会・進行していだきました、水野スウさん

文教会館を埋めた労働者・市民

憲法改悪の先取りである「日・米の軍事一体化」「戦争準備」に反対する「特別決議」と

「3000万署名を達成しよう」という集会アピールを採択しました。

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