アピール

声 明 文

    私たち、石川県憲法を守る会は、2017年5月3日憲法記念日の護憲集会を金沢市庁舎前広場で行いたいと申請しました。しかし、金沢市は、護憲集会は、特定の主義主張にもとづく示威行為であり、庁舎の管理に支障を及ぼすおそれがあるとして不許可としました。これに対し、損害賠償請求訴訟を提起しました。

    憲法第21条の表現・集会の自由は、基本的人権の根幹です。人々が集会を通じて意思を表明することは、民主的な自治を成り立たせる上で極めて重要な権利であり、最大限尊重されなければなりません。

    本日、金沢地方裁判所は、金沢市の裁量を広く認め、原告らの請求を棄却するとの判断をしました。市民の表現の自由をないがしろにし、被告行政に及ぼす影響を空想するなどまれにみる不当な判断です。

    しかし、政治や社会の情勢に鑑みて、今ほど公権力の側にある者の憲法順守義務の履行が問われる時はありません。私たちは、公権力に対して、表現の自由の重要性を訴える決意をさらに強くし、今後も闘い続けます。

以上。

2020年9月18日

石川県憲法を守る会・同弁護団一同

 

表現の自由を守る適正な判決を求める集会アピール(案)

私たちは、5日後の9月18日に、新広場訴訟の判決を迎えます。

石川県憲法を守る会は、2017年5月3日憲法記念日の護憲集会を金沢市庁舎前広場で行いたいと申請しました。しかし、金沢市は、これを不許可としました。護憲集会は、特定の主義主張にもとづく示威行為であり、庁舎の管理に支障を及ぼすおそれがあるとの判断でした。根拠とされたのは、この年の3月に金沢市庁舎等管理規則第5条禁止行為中の「示威行為」に付け加えられた「特定の政策・主義又は意見に賛成し、又は反対する目的で個人又は団体で威力又は気勢を他に示す等の」という規定でした。

 一体いつの間に、憲法を守ろうという主張が、条例上の根拠を持たない単なる庁内内規に過ぎない管理規則によって、事前検閲・規制の対象とされる時代になったのでしょうか。この深い危機意識から本訴訟を提起し、3年間にわたり法廷の内外で闘ってきました。

憲法第21条の表現・集会の自由は、基本的人権の根幹です。人々が集会を通じて意思を表明することは、民主的な自治を成り立たせる上で極めて重要な権利であり、最大限尊重されなければなりません。権力者の圧政に抗議し、個人の尊厳と自由を求めて止むに止まれぬ声を上げ、身の危険を顧みず闘った幾多の人々の結集の舞台は広場でした。広場はあくまでも市民のものです。

こうした広場の歴史を現代に継承する最も大きな責務を負っているのは、市庁舎前広場を管理する金沢市当局に他なりません。

政治や社会の情勢に鑑みて、今ほど公権力の側にある者の憲法遵守義務の履行が問われる時はありません。金沢市は、世界の恒久平和への貢献を高らかに謳う平和都市宣言の自治体です。その根底には平和憲法があり、憲法理念に基づく自治体運営に謙虚に立ち返らねばなりません。

私たちは、金沢地方裁判所に対し、この不許可問題を行政庁舎の管理の問題に矮小化することなく、大局観に立ち、市民の表現の自由を守る適正な判断を示されるよう求めるものです。以上、アピールとします。

9月13日

市役所前広場に表現の自由を!

新広場訴訟の勝利判決をかちとる市民集会参加者一同

「敵基地攻撃能力の保有」に反対する特別決議(案)

 安倍政権は、自らの失政(インバウンドや習近平来日を優先)でコロナ禍を生み出したにもかかわらず、これを利用して『非常時に国民の権利を制限できる「緊急事態条項の創設」が必要』と改憲を主張し、次期首相候補もこれを「引き継ぐ」としています。「ウイズコロナ」は、「生命、福祉、教育」を軽視する「新しい日常」と言わなければなりません。

このようななかで「生命」を守るためと称して、頓挫した「陸上型イージス・アショア」配備の代替案の検討を開始し、あろうことか「敵基地攻撃能力の保有」を声高に主張し始めました。まさしく「先制攻撃力の保有」にほかなりません。

 これは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は・・、永久にこれを放棄する。」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と宣言する憲法9条に明確に違反するものであり、決して容認できません。

 国境を越えて他国を攻撃する能力は、NSC(国家安全保障会議)並びに自民党(国防族)主導でつくられた現行の「防衛計画の大綱」において既に、攻撃型兵器である「空母」を保有し、航続距離5000㎞を超える攻撃型F35戦闘機を艦載して、射程500㎞のミサイルで「中国の奥地深く侵入しミサイル基地を撃破する」ところまで拡大しています。この上さらに「弾道ミサイル」や「超高速滑空弾」「巡航ミサイル」「宇宙・サイバー・ロボット兵器」まで際限なく拡大しようとするものです。アメリカの覇権の先兵の役割を果たすとともに、アジア諸国に敵対し、世界大のあらたな戦争を招く可能性を秘めた危険な暴走と言わざるを得ません。

 護憲の旗を掲げる私たちは、憲法の趣旨、そして9条の理念を守り抜くとともに、反戦・平和の闘いとして「敵基地攻撃能力の保有」に反対し、これを阻止しなければなりません。そのために、運動と学習を積み重ね、戦争体験、被爆体験を語り継ぎ、自由で平等な社会をめざし、憲法を守る会に結集して闘います。

   以上、特別決議とします。

2020年9月13日

石川県憲法を守る会定期総会

 

表現の自由を守る適正な判決を求める集会アピール(案)

 

私たちは、5日後の9月18日に、新広場訴訟の判決を迎えます。

石川県憲法を守る会は、2017年5月3日憲法記念日の護憲集会を金沢市庁舎前広場で行いたいと申請しました。しかし、金沢市は、これを不許可としました。護憲集会は、特定の主義主張にもとづく示威行為であり、庁舎の管理に支障を及ぼすおそれがあるとの判断でした。根拠とされたのは、この年の3月に金沢市庁舎等管理規則第5条禁止行為中の「示威行為」に付け加えられた「特定の政策・主義又は意見に賛成し、又は反対する目的で個人又は団体で威力又は気勢を他に示す等の」という規定でした。

 一体いつの間に、憲法を守ろうという主張が、条例上の根拠を持たない単なる庁内内規に過ぎない管理規則によって、事前検閲・規制の対象とされる時代になったのでしょうか。この深い危機意識から本訴訟を提起し、3年間にわたり法廷の内外で闘ってきました。

憲法第21条の表現・集会の自由は、基本的人権の根幹です。人々が集会を通じて意思を表明することは、民主的な自治を成り立たせる上で極めて重要な権利であり、最大限尊重されなければなりません。権力者の圧政に抗議し、個人の尊厳と自由を求めて止むに止まれぬ声を上げ、身の危険を顧みず闘った幾多の人々の結集の舞台は広場でした。広場はあくまでも市民のものです。

こうした広場の歴史を現代に継承する最も大きな責務を負っているのは、市庁舎前広場を管理する金沢市当局に他なりません。

政治や社会の情勢に鑑みて、今ほど公権力の側にある者の憲法遵守義務の履行が問われる時はありません。金沢市は、世界の恒久平和への貢献を高らかに謳う平和都市宣言の自治体です。その根底には平和憲法があり、憲法理念に基づく自治体運営に謙虚に立ち返らねばなりません。

私たちは、金沢地方裁判所に対し、この不許可問題を行政庁舎の管理の問題に矮小化することなく、大局観に立ち、市民の表現の自由を守る適正な判断を示されるよう求めるものです。以上、アピールとします。

9月13日

市役所前広場に表現の自由を!

新広場訴訟の勝利判決をかちとる市民集会参加者一同

 

「新しい生活様式」

漠とした観念に基づく道徳の押しつけ!

「非常時」には「平時」の感覚がなくなる

辻田 真佐憲さん(近現代史研究者 作家 慶大卒)

戦争と大衆文化、メディアなどで執筆。著書に「日本の軍歌」「たのしいプロバガンダ」「大本営発表」「空気の検閲」「古関裕而の昭和史」などがある。(毎日新聞6/3朝刊より無断転載)

「新しい生活様式」という名前は、衝撃的だ。独裁国家のように、イデオロギーで市民生活を変えるイメージも感じられよう。ただし、現代日本では、ほどほどに付き合えるものだと思う。

ぱっと思いつくだけでも、1930年代の中国には「新生活運動」、70年代の韓国には「セマウル(新しい村)」運動など、「新」と銘打った国民統制的な運動があった。戦前戦中の日本も、「ぜいたくは敵だ!」で知られる「国民精神総動員」運動などで、国民の生活や意識を上から変えようとした。

あるいは、戦時中の傍聴(スパイ防止)標語に、スパイをバイ菌に例えたものがあった。「スパイはどこにいるか分からない」「政策に不満な人、不平を言う人につけいる」というわけだ。どこか、スパイを新型コロナウイルスに置き換えても話が通じそうだ。

今の日本では、国家が警察や憲兵を使って国民に道徳を強いることはできない。むしろ、「自粛警察」のように「下」から押しつけが起きている。それに、行政もいわば便乗する構図だろうか。パチンコ店だって、3密を避けた営業は不可能ではないと思うが、是が非でも休業させようとする。飲食店の営業時間を縛るのも、夜飲み歩くのが不健全という感覚が影響していないか。こうした、漠とした観念に基づく道徳の押しつけには、注意しなければならない。(※下線は筆者)

関連して、最近報じられる、医療や福祉の現場などでの「美談」が、私には、戦時中に戦死者を「軍神」とまつりあげた「軍国美談」に重なって見える。現場が全力でウイルス禍に立ち向かっているのは事実だろうし、現場に感謝すべきだとも思う。ただし、軍国美談の場合、「この戦争の目的は何だったっけ?」「この作戦は無謀だったのでは?」といった疑問を封じ、「銃後の私たちは生活が苦しくとも我慢しなければ」といった道徳を説く効果を持った。同様に、医療美談も、医療制度や予算などに問題がなかったのかを隠したり、「自粛警察」を後押ししたりするものになっていないか。

いずれにせよ、「非常時」には「平時」の感覚がなくなり、人々は不満や違和感を「仕方がない」と抑え込む。「新しい生活様式」は、「非常時」的に定着するか、「平時」のものとして受け入れられるかが焦点ではないか。

行政のホームページを見れば、市民に対する生活指導は、以前から多数あったと分かる。交通安全で、「自転車は車道を走れ」とか「横並びで走るな」とか。新型インフルエンザでも、「流行したら繁華街への外出を避けるように」と呼びかけていた。私たちは、普段、そうした生活指導を自然にできる範囲でだけ、受け入れている。今回だって、「誰とどこで会ったかメモにする」「帰宅したらできるだけすぐシャワーを浴びる」と事細かに指示されても、完璧にはできるわけもないだろう。

「『新しい生活様式』は8割減で実行」とまでは言わない。せめて、「非常時」ではなく「平時」の気持ちで生活様式を見なおすならば、誰にとっても適度な感染予防ができるのではないかと思っている。

2020年6月22日

自衛隊を「日・米統合軍」として「敵基地攻撃能力保有」へ「国家安全保障戦略」を改定することに対する見解

フォーラム平和・人権・環境

事務局長 竹内 広人

 「地上配備型イージスシステム(イージス・アショア)」計画停止の方針を受け、安倍政権は、年内にも、「国家安全保障戦略」(NSS)を初めて改定する方針を固めた。国家安全保障会議(NSC)を開催し、「イージス・アショア」配備計画の撤回を正式決定したのち、①「イージス・アショア」にかわる新たなミサイル防衛体制、②新型コロナウイルス収束後の国際協調のあり方、③知的財産の管理をはじめとした経済の安全保障、④「敵基地攻撃能力」の保有の是非、などが議論される見込みである。あわせて、今年末を目途に防衛計画の大綱(防衛大綱)、中期防衛力整備計画(中期防)を見直して正式決定するとしており、特に、ミサイル防衛体制については、2021年度予算編成の概算要求(9月末締め切り)までに取りまとめる方針と伝えられている。

安倍政権は2015年の集団的自衛権行使を認める安保関連法の成立強行以降、2018年には「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」を策定し、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)の「いずも」「かが」の事実上の空母化や、MV-22オスプレイ、F-35A搭載の長距離巡航ミサイル導入などを進めてきた。青森県車力と京都府経ヶ岬に設置された米軍のXバンドレーダー基地は、韓国慶尚北道星州(ソンジュ)に配備されたTHAAD(高高度ミサイル防衛ミサイル)とともに、米軍による一体的運用が行われつつある。すでに運用次第で「敵基地攻撃能力」を獲得できる状態にあるのが現状だ。

「敵基地攻撃能力」は、迎撃困難な敵国のミサイルが発射される前に発射台などを破壊し、封じ込める考え方であり、2018年の「防衛大綱」でも明記は見送られている。しかし、今回の「国家安全保障戦略」(NSS)の改定によって、公式に「敵基地攻撃能力」の保有が認められる可能性があり、極めて問題である。

米国は、防衛政策の基本に「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」構想を据えている。この構想は、迎撃ミサイルのみではなく、早期警戒機や戦闘機など全ての兵器を連携させ、敵基地攻撃も含んだ構想となっている。このことは、平和憲法の下での「専守防衛」というこれまでの日本の防衛構想の基本を覆すものであり、極めて危険な政策である。「敵基地攻撃能力」の保有によって、米軍と一体になった世界展開が可能となり、日本の自衛隊は、米軍の指揮下で軍事展開する「日米統合軍」として組み込まれかねない。

朝鮮半島や中国・ロシアとの対立をあおる外交・軍事政策は、日本の平和と安定、および繁栄を危うくするものである。米軍との軍事一体化は、アジアの繁栄を阻害する要因になりかねない。平和フォーラムは、「敵基地攻撃能力」の保有を絶対に許さず、引き続き、国家安全保障会議(NSC)の議論を注視し、取り組みを強化していく。

以 上

 

「新しい生活様式」漠とした観念に基づく

道徳の押しつけ!「非常時」には「平時」の感覚がなくなる

辻田 真佐憲さん(近現代史研究者 作家 慶大卒)戦争と大衆文化、メディアなどで執筆。著書に「日本の軍歌」「たのしいプロバガンダ」「大本営発表」「空気の検閲」「古関裕而の昭和史」などがある

毎日新聞6/3朝刊より無断転載!

「新しい生活様式」という名前は、衝撃的だ。独裁国家のように、イデオロギーで市民生活を変えるイメージも感じられよう。ただし、現代日本では、ほどほどに付き合えるものだと思う。

ぱっと思いつくだけでも、1930年代の中国には「新生活運動」、70年代の韓国には「セマウル(新しい村)」運動など、「新」と銘打った国民統制的な運動があった。戦前戦中の日本も、「ぜいたくは敵だ!」で知られる「国民精神総動員」運動などで、国民の生活や意識を上から変えようとした。

あるいは、戦時中の傍聴(スパイ防止)標語に、スパイをバイ菌に例えたものがあった。「スパイはどこにいるか分からない」「政策に不満な人、不平を言う人につけいる」というわけだ。どこか、スパイを新型コロナウイルスに置き換えても話が通じそうだ。

今の日本では、国家が警察や憲兵を使って国民に道徳を強いることはできない。むしろ、「自粛警察」のように「下」から押しつけが起きている。それに、行政もいわば便乗する構図だろうか。パチンコ店だって、3密を避けた営業は不可能ではないと思うが、是が非でも休業させようとする。飲食店の営業時間を縛るのも、夜飲み歩くのが不健全という感覚が影響していないか。こうした、漠とした観念に基づく道徳の押しつけには、注意しなければならない。(※下線は筆者)

関連して、最近報じられる、医療や福祉の現場などでの「美談」が、私には、戦時中に戦死者を「軍神」とまつりあげた「軍国美談」に重なって見える。現場が全力でウイルス禍に立ち向かっているのは事実だろうし、現場に感謝すべきだとも思う。ただし、軍国美談の場合、「この戦争の目的は何だったっけ?」「この作戦は無謀だったのでは?」といった疑問を封じ、「銃後の私たちは生活が苦しくとも我慢しなければ」といった道徳を説く効果を持った。同様に、医療美談も、医療制度や予算などに問題がなかったのかを隠したり、「自粛警察」を後押ししたりするものになっていないか。

いずれにせよ、「非常時」には「平時」の感覚がなくなり、人々は不満や違和感を「仕方がない」と抑え込む。「新しい生活様式」は、「非常時」的に定着するか、「平時」のものとして受け入れられるかが焦点ではないか。

行政のホームページを見れば、市民に対する生活指導は、以前から多数あったと分かる。交通安全で、「自転車は車道を走れ」とか「横並びで走るな」とか。新型インフルエンザでも、「流行したら繁華街への外出を避けるように」と呼びかけていた。私たちは、普段、そうした生活指導を自然にできる範囲でだけ、受け入れている。今回だって、「誰とどこで会ったかメモにする」「帰宅したらできるだけすぐシャワーを浴びる」と事細かに指示されても、完璧にはできるわけもないだろう。

「『新しい生活様式』は8割減で実行」とまでは言わない。せめて、「非常時」ではなく「平時」の気持ちで生活様式を見なおすならば、誰にとっても適度な感染予防ができるのではないかと思っている。

2020年5月15日

原水爆禁止日本国民会議発第4号

 

核燃料サイクル政策の破綻を認め、六ヶ所再処理工場の建設中止を求める原水禁声明

 5月13日、原子力規制委員会は、青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所再処理工場)が、新規制基準に適合していると認める「審査書案」を了承した。結果、国内初の商業用再処理工場として本格稼働の前提となる審査に「合格」したこととなった。

 今回の「合格」との判断に対して、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は強く抗議し、六ヶ所再処理工場の建設中止と核燃料サイクル政策の破綻を認め、政策の根本的転換を求める。

 六ヶ所再処理工場は、当初1997年であった完工予定は、相次ぐトラブルや設計見直しなどにより、24回も延期された。その間、原子力をめぐる情勢は、大きく変化し、福島原発事故以降、原発は廃炉の時代へと移った。MOX燃料によるプルトニウムの利用も、16~18基で実施する計画が福島原発事故以降4基に留まり、高額な生産コストも含めて非現実的となっている。プルトニウム利用の前提であった高速増殖炉開発も、2018年3月の原型炉・もんじゅの廃止措置計画の決定によって、その未来は断ち切られた。

 日本原燃は、完工を2021年度上期とする目標を変えてはいないが、今後、設備の工事計画の審査、安全協定などが続くため、完工・稼働の時期の見通しは不透明であり、25回目の再延期は免れないと考えられる。その間、原発をめぐる情勢がさらに厳しくなることは確実であり、六ヶ所再処理工場の存在意義はまったく失われている。

 日本は、余剰プルトニウムを持たないことを国際公約とし、六ヶ所再処理工場では「必要以上の再処理はしない」としている。また、原子爆弾の原料ともなるプルトニウム所有は、核兵器廃絶の視点からも国際的非難を浴びている。現在所有する約46トンのプルトニウムの利用計画も立たない中では、再処理工場の稼働は見込めない。電力自由化が進む中、生産コストの高いMOX燃料では「商業」的に成り立たない。現時点での再処理工場の総事業費は13兆9,400億円と見積もられている。完工時期が延び、今後も続くトラブル、事業環境の変化を考慮すると、さらに費用が膨れ上がることは確実だ。そのツケは、高額な電力料金として、私たちに押し付けられることは明らかで、許すことはできない。

 再処理によって生み出される回収ウランの使途や使用済みMOX燃料の再処理に関しても、その方針は確定していない。未解決な課題が様々残ったままにされている。青森県や六ヶ所村との将来にむけた話し合いを基本に、いまこそ、核燃料サイクル計画からの勇気ある撤退を現実のものとしなくてはならない。原水禁は、強くそのことを求める。

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野 浩一

 

復帰48年 5・15平和アピール

 新型コロナウイルス感染症と向き合い、その拡大防止のため生活を犠牲にしながらたたかっている県民の皆さん、全国の皆さん、そして平和を愛するすべての世界の人々に敬意を表します。

 今日は43回目の平和行進のスタートを予定していましたが、私たちも新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県民や参加者のいのちを優先し、先達が築いてきた平和行進を中止いたしました。同時に5・15平和とくらしを守る県民大会も中止をいたしました。県民大会の平和アピールにかえて、復帰48年目の5・15平和アピールを発信いたします。

 復帰48年目の沖縄は、安倍政権による暴政のひとつ、民意無視の辺野古新基地建設が強行されています。戦後75年を経た今日なお、巨大な米軍基地が横たわり、復帰前の米軍支配下と変わらず、陸も海も空も米軍優先がまかり通っています。昼夜問わず耐えがたい爆音が轟き、事件や事故は後を絶ちません。2004年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故が如実に示したとおり、沖縄にはいまだ憲法など存在しない、行政も立法も司法も、その全権は米軍にあるとでも言わんばかりの米軍の横暴がまかり通り、米軍支配が現在も続いていること、そして日本政府が無力なことをあらためて表しました。

 安倍首相は、「日本を取り戻す」とのキャッチコピーとは裏腹に、武器の爆買いにも象徴されるとおり、歴代首相では随一の米国一辺倒です。一方で、日米安保について歴代政権は、民主主義や人権など米国と共通の理念や価値観にたっているとしてきましたが、「米国ファースト」を掲げるトランプ政権の登場で今どうなっているのでしょうか。日米安保は本当に必要なのでしょうか。「核の傘」は必要なのでしょうか。

 1972年5月15日、沖縄は日本に復帰をしました。県民の願いであった基地の「即時・無条件・全面返還」は受け入れられず、ときの総理佐藤栄作が約束した「核抜き・本土並み」さえも反故にされたまま5年を迎えた1978年に平和行進はスタートしました。私たちは平和行進で「復帰の内実」を問うてきましたが、その内実は、辺野古への新基地建設や最新兵器を使用した軍事演習、宮古島、石垣島、与那国島にいたる米軍と一体となった自衛隊及び自衛隊基地の増強と、ますます「軍事の島」の要塞化が推し進められています。一方で沖縄の内実を問うことと同時に、本土参加者と共に本土の現実も問うてきました。沖縄から安保がよく見えると表現してきましたが、今では全国で安保がよく見えます。それほど憲法は危機的な状況になっています。

 私たちが復帰にめざしたものは、平和憲法下への復帰でした。そこには、基本的人権、国民主権、地方自治、なによりも軍備と戦争放棄が謳われています。今その憲法は、集団的自衛権の行使容認、安保法制、共謀罪など切り裂かれてきました。それでもまだ憲法は生きています。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう」に、沖縄から為政者に守らせなければなりません。

 平和センターが参加をしている広島、長崎を原点とした原水爆禁止国民会議は、かねてより北東アジアの非核化地帯構想及び非核法の制定を提唱しています。かつて核の島とも言われたこの沖縄からその運動を大きくつくっていくことを誓います。5・15平和行進は、九州全県を歩き、そして8月9日に長崎へタスキを渡す「非核平和行進」の出発でもあります。

 今日的な人類共通の敵が、新型コロナウイルスなど感染症とするならば、今人類がしなければならないことは、絶対に核軍拡ではありません。それこそグローバリゼーションで立ち向かわなければなりません。核も戦争もない21世紀でなければなりません。

平和行進も昨年まで42回を数え、復帰後世代がその運営を担うようになっています。歩くことで知る沖縄があります。新たな県民運動の展開も期待されます。

 復帰48年目に誓います。沖縄をアジアの軍事の要石から平和の要石へかえていくことを。それが県民の長年の希望であります。平和のための万国津梁の架け橋となることを。

2020年5月15日 5・15平和行進実行委員会/沖縄平和運動センター

<資料>515平和行進地元紙clipping

 

                                 2020年5月13日

「検察庁法改正案」に対する平和フォーラム事務局長見解

フォーラム平和・人権・環境

事務局長 竹内 広人

    政府・与党は5月8日、野党の反対を押し切り、衆議院内閣委員会での「検察庁法改正案」審議を強行しました。新型コロナウイルス感染症問題によって、市民のいのちと生活が大きく脅かされるなかにあって、まさに「不要・不急」と言うべき法案を、こうまでしておしすすめなくてはならないのでしょうか。

    そもそも、この「検察庁法改正案」の主な内容は、検察官の定年を63歳から65歳に延長するだけではなく、内閣や法務大臣の裁量で「公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由がある」とされた場合、さらに3年その職に据え置くことができるようにするものです。このことによって内閣による検察人事への介入が大きく強化され、準司法官としての検察の独立性が揺らぐおそれがあります。憲法の基本原則である三権分立を毀損することにつながるこの法改「正」は、けっして許されるものではありません。

    この法改「正」強行の背景には、今年1月31日、検察庁法違反を指摘する声を無視して、定年退官予定だった黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定したことがあると考えます。安倍政権に極めて近いとされる人物を恣意的かつ違法に重要ポストに据え続けることを、事後的に正当化するような法改「正」には一片の正義性もないばかりか、法治国家としての原則を破壊する行為と言わざるを得ません。

    こうした動きに対し、多くの市民が反対の声を上げています。外出し集会を行うことが困難ななか、インターネット上、とりわけtwitterのハッシュタグ「 #検察庁法改正案に抗議します 」を活用した抗議の意思表示が、これまでにのべ数百万にも膨れ上がるなど、これまで日本社会ではみられなかった市民の活動が行われています。この大きなうねりのなかで「戦争をさせない1000人委員会」も参画する「安倍9条改憲NO! 全国市民アクション」は「東京高検黒川検事長の定年延長に関する閣議決定撤回と黒川氏の辞職を求める賛同署名」のオンライン署名を呼びかけ、32万以上(5月12日現在)の賛同を得るなど、抗議の声が大きく拡がっています。

    しかし、政府・与党はこうした反対の世論をいっさい顧みることなく、この法案強行の姿勢を取り続けています。今週中にも衆院を通過させることを目論んでいるとも報道されています。このような不誠実を許すことはできません。

    私たち平和フォーラムは、何らの緊急性もないだけではなく、上記のような問題性が指摘される「検察庁法改正案」について反対します。また、問題の発端である黒川弘務・東京高検検事長の定年延長の閣議決定の撤回を、あらためて求めます。そしてこの問題を、この間一貫して世論を踏みにじってきた安倍政権の体質に根差したものとして捉え、安倍政権の退陣を実現するため、今後も全力を尽くして取り組みを進めていきます。

                                                                                                                                                    以 上

 

新型コロナウイルス特措法にもとづく「緊急事態宣言」下における

日本国憲法施行73周年 憲法擁護声明

 新型コロナウイルス対策特別措置法にもとづく緊急事態宣言が発令中というかつてない情勢の下で、73回目の憲法記念日を迎えます。いま、新型コロナウイルス感染が世界的に止まらず、日本においてもその終息が見えない中、“不安と委縮”が社会全体を覆っています。

まずもって、懸命の努力を続けている医療・保健機関をはじめ社会機能を支える広範な現場従事者の奮闘に敬意を表します。私たちもまた、一日も早いウイルス感染症の終息と安心して暮らせる社会を取り戻すために最大限の努力を惜しまないことを表明します。

 さて、安倍内閣は、4月7日に発令した新型コロナウイルス特措法にもとづく「緊急事態宣言」の対象地域を16日に全都道府県に拡大し、石川県は「特定警戒県」に位置付けられました。それに先立ち谷本知事は県独自の「非常事態宣言」を発令し、県民に不要不急の外出自粛を求め、19日からは100業種に休業要請を行いました。県内においても、イヴェント、外出や営業の自粛などにより小規模事業者や中小零細企業が経営危機に直面し、労働者の解雇や失職により生活困難者が続出しています。その補償や不当解雇の歯止めが急がれます。

 他方、各地で医療崩壊の危機が叫ばれています。検査体制の脆弱さや医療・衛生資機材、スタッフの不足などは、未知なる感染症対策の難しさがあるとはいえ、この間進められた医療・福祉の抑制政策のつけが表面化したものと指摘されています。安倍政権によるウイルス感染対策も、財界・大企業に配慮するあまり、最も大切な人々の命とくらし、即ち人権を守ることが後回しにされ、感染拡大を止めるべき政策が後手後手になっていると言わざるを得ません。感染と生活の先行き不安から、感染者やその家族に対する中傷など人権侵害も後を絶ちません。増大の一途をたどる莫大な軍事費と、アベノミクスにより大企業を中心に440兆円以上に膨れ上がった内部留保金を生活補償の原資に回す国民救済措置をこそ求めます。

私たちは、憲法が保障する基本的人権を根底に据えた対策の徹底を呼びかけます。

 看過できないのは、安倍政権が新型コロナ禍を利用し、安倍改憲4項目の一つである「緊急事態条項」を「改憲」の突破口にしようとしていることです。自民党内では新型コロナ禍と改憲を結びつける発言が続きました。1月30日、自民党二階派の総会で伊吹文明元衆議院議長は「緊急事態の一つの例、憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」と発言しました。また、党選挙対策委員長の下村博文氏は2月1日の講演で「人権も大事だが、公共の福祉も大事だ。直接関係ないかも知れないが(国会での改憲)論議のきっかけにすべきではないか」と述べている事実がこのことを示しています。

緊急事態宣言発出に先立ち、安倍首相は国会議院運営委員会に出席し、「国難に対処するために緊急事態条項の創設は極めて重く大切な課題である」と憲法審査会での議論を促しました。自らの失策を棚に上げ「緊急事態措置に強制力がなかったから感染が蔓延した」かのような論調を作り出し、「改憲」論議を誘導することは許されません。憲法に緊急事態条項を書き込めば、恣意的に行使できる独裁権限を首相が掌握できることになります。そうなれば、市民の移動や表現の自由をはじめ基本的人権が歯止めなく強制力をもって統制される全体主義国家に道を開くことになりかねません。

日本国憲法は、大日本帝国憲法(明治憲法)が戒厳令によって国家が発出する緊急権が濫用され軍国主義を止められなかった反省から、あえて国家緊急権(緊急事態条項)を設けていません。大規模災害や新型感染症などによる非常事態への対策には、平時から個別の法律によって準備することで、国家が緊急権を濫用する危険を避けてきたのです。

「緊急事態条項」の創設は、憲法に制約された特措法緊急事態宣言とは一線を画するものであり、民主主義国家を崩壊させる危険性をもつものであることをひろく国民・市民と共有したいと思います。緊急事態宣言に慣らされることなく、憲法改悪に対する警戒心を研ぎ澄ませようではありませんか。

 いま新型コロナ禍の世界的な拡大を前にして政府・国会がするべきことは、国内感染の拡大を防止し自粛要請に伴う経済補償に万全を期す体制の確立であり、改憲議論になど時間を充てる場合ではない事態であることを認識すべきです。

憲法施行73周年にあたり、石川県憲法を守る会は改めて、ウイルス感染拡大に乗じた安倍政権による憲法改悪を絶対に許さない決意を表明します。

                                      以上

2020年5月1日

安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ

 

辺野古設計概要変更申請に抗議する声明

2020年4月24日

フォーラム平和・人権・環境
共同代表 藤本 泰成
勝島 一博

 防衛省は4月21日、辺野古新基地建設にかかわり大浦湾に広く存在する軟弱地盤の改良を押し進めるために、建設計画の設計概要の変更申請を沖縄県に提出した。申請の時期、経過、そしてその内容をふまえると、政府の行為は暴走以外の何物でもない。
新型コロナウイルス感染症対策で安倍政権は16日、緊急事態宣言の対象を全都道府県に広げた。沖縄県の玉城デニー知事も20日に県の宣言を発表して対応に当たり、政府からの不要不急の外出自粛要請を受け県庁職員の出勤も二分の一に減じていた矢先に申請は出された。コロナ禍で社会、経済が混乱を極める中、国と自治体が一丸となってコロナ感染症対策に当たるべきであるにもかかわらず、この機を推し量るように申請した政府の姿勢は火事場泥棒と非難されても仕方がない。
1800頁にも及ぶ設計概要変更申請書の内容についても、これまでに防衛省が明らかにしてきたところをみると極めて問題が多い。大浦湾の埋め立て区域約120ヘクタールのうち、実に半分の約66ヘクタールに軟弱地盤が広がっている。特に「B27」地点では、海面から90メートルに達する「マヨネーズ並み」の軟弱地盤があると指摘されている。ここには護岸が設置される予定であり、地質の専門家によれば、国土交通省の港湾施設基準を満たさず、護岸崩壊の恐れもあるとされる。こうした声があるにもかかわらず、「B27」地点のボーリング調査の必要性はないと切り捨てている。そして、その他の軟弱地盤対策では、外周護岸を完成させる前に土砂を投入する「先行盛り土」を行うとしている。土砂による汚濁が外洋に広がり、貴重なサンゴや生態系に壊滅的なダメージを与えることは明らかだ。
本来なら、申請を出す前に徹底的な調査が行われてしかるべきだ。そして、第三者機関が調査結果を基に、技術的な課題、自然環境に与える影響などを綿密に議論すべきである。しかしながら、政府が設置した土木の専門家で構成される「技術検討委員会」(清宮理委員長・早稲田大学名誉教授ら8人)は、「B27」地点の調査の必要性を認めず、さらには防衛省の調査資料データの不備について不問に付した。辺野古新基地建設強行の「お墨付き」をあたえる機関としか考えられず、専門家による検討委員会の役割を果たしているとはいえない。
埋め立て用の土砂についても、多くを県外から搬入することとなっていたが、「県内で調達可能」と方針を変更した。これも特定外来生物を規制するための沖縄県の土砂条例からのがれるための方策でしかない。政府は県内の調達先を明らかにはしていない。しかし莫大な量の土砂を県内から採取すれば、当然にして沖縄県の自然環境に甚大なる影響を与える。設計変更による辺野古新基地建設工事、およびあらたな土砂採取にかかわり、環境影響評価が必要なことはいうまでもないだろう。しかし、政府は「同一事業として事業に着手した後であれば、やり直す必要はない」として、自然保護団体などからの再調査を訴える意見に耳を貸さない。
たとえ実定法上の不備で環境影響評価のやり直し規定がないとしても、アセスを実現し、安倍首相自身が常に述べている「ていねいに説明し、理解を求める」ことを実行すべきではないか。そのことが民主主義的手続きとして、県民理解への基本にあるべきだ。その姿勢すら示さない安倍政権は、沖縄県、県民を愚弄しているとしか言いようがない。
政府は設計概要の変更申請を取り下げよ。そして辺野古新基地建設を中止せよ。航空機の墜落、部品落下の他、PFOS(ピーホス)等の毒物をまき散らす普天間飛行場の即時運用停止を実現せよ。
平和フォーラムは、沖縄県民に連帯し、いのち、くらしを守るため、引き続き辺野古新基地建設阻止に向け総力を挙げていく。

 

声 明

新型コロナウィルス感染症対策には緊急事態宣言ではなく地方自治体・現場支援を

 

2020年3月30日

石川県憲法を守る会

 新型コロナウィルス感染が世界的に拡大する中、日本においても大都市圏を中心に発症者、感染者の急速な増加が続いています。全国の自治体や医療機関などの諸機関、施設の現場では、国とも連携し、情報提供と相談体制を強化し、感染ルートの把握や感染の爆発的な拡大を抑える懸命な努力が続けられています。国民もまた、諸行事の取りやめ、不要不急の外出の見合わせやマスク着用、手洗い、うがいなどの取り組みを理解し、自他を守るための感染拡大防止の取り組みを励行しています。それらによって、専門家会議でも、厳しい状況ではあるが、「オーバーシュート」の状態は依然として回避できていると感染状況を分析しています。

 こうした中、去る26日に政府は、新型コロナウィルス感染症対策本部を設置しました。これにより、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令が取りざたされるようになりました。この間、フォーラム平和・人権・環境、法曹界、さらには新型コロナウィルス対策に関する憲法研究者有志の声明などが相次いで警鐘を鳴らしているように、緊急事態宣言は、政府の恣意的判断によって、権力の集中を招き、市民の自由や権利を広範に制限し、市民生活の破綻につながりかねないものです。国会承認の必要がなく、詳細は政令に委ねられるため、都道府県知事に付与される行政権限はどこまで強められるのか、解除される基準もまた不明確です。指定公共機関に指定される報道機関の報道の自由、市民の集会表現の自由など優越的な人権が、新型コロナウィルス感染防止の名目さえあれば、容易に侵害されかねません。

 加えて私たちが危惧するのは、この緊急事態宣言を発令するのが、改憲を狙う安倍首相であることです。「安倍改憲」4項目の一つに掲げられているのが、緊急事態条項の創設です。自民党内で、この新型コロナウィルス感染症対策は、憲法への緊急事態条項創設に向けた社会実験とまで語られていることは、看過できません。

 医学の専門家からは、重症患者への必要十分な医療提供には、社会機能が失われないことが重要であるとの見解が出されています。今政府が行うべきは、民主的な社会機能を損なわないように配慮しつつ、地方自治体や医療・福祉、教育機関などの対策の現場が求める様々な条件の拡充に取り組むことです。現在、春闘時期にあって、労働組合の賃上げ交渉を経営者側が制限するような便乗した動きが一部にあるとの報があります。労働基本権を尊重することはもちろん、経済的な打撃を受けるとりわけ中小企業や働く者を救済するための手厚い支援策を早急に講じることを求めます。

 こうしたことから、私たち石川県憲法を守る会は、基本的人権(私権)の制限を伴い、社会機能を著しく萎縮・停滞させる緊急事態宣言の発令は行わないよう求めるものです。

 以上、声明とします。

 

抗  議  声  明

2020年3月12日

第5次6次小松基地爆音訴訟原告団

団  長 出 渕 敏 夫

第5次6次小松基地爆音訴訟弁護団

事務局長 川 本 藏 石

 

本日、金沢地方裁判所において、第5次6次小松基地爆音訴訟第一審判決が言い渡された。

第5次6次小松基地爆音訴訟は、2008年12月24日に2121名、2009年4月27日に106名、合計2,227名の小松基地周辺の住民が原告となり、国に対し、自衛隊機及び米軍機の飛行差止めと賠償金の支払いを求めて起こした裁判である。

小松基地爆音訴訟は1975年に12名の原告で始まった。これまでに4度の判決が出され、いずれの判決でも自衛隊機の騒音は受忍限度を超える違法なものであると断罪し国に対して賠償金の支払いを命じた。しかし、基地周辺住民の一番の願いである差し止めは認められなかった。

小松基地爆音訴訟を含む全国の基地訴訟では、慰謝料は増額傾向にあり、防音工事などの慰謝料減額要素の評価は低くなっている。また、新横田基地公害訴訟控訴審判決及び第4次厚木基地爆音訴訟控訴審判決において将来請求が一部認められた。第4次厚木基地爆音訴訟の第一審及び控訴審判決においては、一部ではあるものの自衛隊機の飛行差止めが認められ、少しずつではあるが被害救済に向けて前進してきた。

本日の判決は、これまでの判決と同様に戦闘機騒音が受忍限度を超え違法であると認め、国に対して賠償を命じた。認められた慰謝料の金額は不十分ながら前回訴訟よりも若干増えている。

しかし、判決では原告らが実施した健康被害調査を重視せず、戦闘機騒音による健康被害を認めなかった。また、賠償金は過去分に限られ将来分は認められず、防音工事による減額率も前回訴訟と同じであった。さらに、自衛隊機の飛行差止めは民事不適法であるとして却下され、米軍機の飛行差止めは第三者行為論を根拠に棄却された。

今回の判決では基地周辺住民の被害救済に全く前進が見られず、明らかな不当判決である。本判決は、国民の権利救済を使命とする裁判所がその任務を放棄したと評価せざるを得ず、到底容認することはできない。

私たち原告団・弁護団は、第1次訴訟から一貫して求めている「静かで平和な空」を取り戻すため、戦闘機騒音被害の抜本的解決が図られるまで今後も闘い続けることを誓う。

以上

 

新型インフルエンザ対策特別措置法改正案についての見解

平和フォーラム

 新型コロナウィルスの感染拡大が進む中で、政府の対策はすべてが後手に回っており、場当たり的なものとなっている。検査体制の不備などから、感染者拡大の実態はいまだ不明であり、医療体制の確立が急務であるにもかかわらず、一向に政府の施策は見えてこない。

 安倍総理は、何の法的根拠もなく、小学校・中学校・高校の休校を決定した。国民の教育を受ける権利などの私権制限につながりかねない施策である。休校は、社会的に弱い立場の子どもや特定の家庭によりダメージを与えやすく、また、小さい子を家に残して仕事に出かけることができないために、出勤できなくなる看護師が存在するなど、医療、福祉など社会的な機能への悪影響も指摘されている。

 一方、国会では、新型インフル特措法の対象に、新型コロナを加える方向で法改正が進められている。同法改正案では、総理大臣が「緊急事態宣言」を行うことができるとされているが、安倍政権に国民の私権制限につながる強大な権限を与えることに対して、大きな懸念を抱かざるを得ない。

 この「緊急事態宣言」は「国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある」場合に、期間(2年上限)、区域等を定めて総理大臣が発令する。都道府県知事は外出自粛などを要請でき、一定の条件を満たせば、医療品や食品などの物資の収用や土地・建物の強制使用などが可能となる。

 このような私権を制限する法律の適用に当たっては、最低限、国会による事前承認など、政府の独断専行を許さない仕組みが必要である。衆議院では、原則として政府が国会に事前報告することや、事前に学識経験者の意見を聴取することなどを盛り込んだ付帯決議を可決したが、強制力をともなわないものであり、不十分である。

 安倍政権の、黒川東京高検検事長の定年延長問題などに象徴される政治の私物化などをみれば、安倍政権が安易に「緊急事態宣言」を行い、私権を制限することの危険性は明らかである。このような重要な法案を、十分な審議もせずに成立させるべきではない。

 本来、政府が行うべきは、検査体制や医療体制の充実、また、経済が縮小する中での社会的弱者に対する対策である。これらの対策は、緊急事態措置を必要とするものではない。安倍総理は、独断専行で政策を遂行するのではなく、専門家の意見を聞きながら、既存の法律にのっとり迅速に対応すべきであり、拙速な緊急事態措置は許されない。

 条文にある「新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならないものとすること。」とする法の趣旨をふまえ、「緊急事態宣言」の安易な発令に、反対するものである。

2020年3月12日

フォーラム平和・人権・環境

 

「新型コロナウイルス感染拡大」に乗じた

人権制限=「緊急事態宣言」に反対する声明(3.12)

安倍内閣は10日、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下、特措法)に「2年を限度に新型コロナウイルスを加える」改正案(以下、改正案)を提案しました。このことは、この間の安倍政権による「新型コロナウイルス対策」の失敗の批判をかわし、特措法にある「緊急事態宣言」を活用して首相の指導力を誇示し乗り切ろうとする政治的意図を感じざるを得ません。13日には成立が予想されていますが、その内容から極めて危険な法律であると言わざるを得ず、私たちは断固反対します。

特措法では、緊急事態下での行政権の強化と市民の人権制限は、内閣総理大臣が「緊急事態宣言」を発することによって可能となっています。

要件は、「新型ウイルス感染が全国的、急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある」場合、首相が緊急事態を宣言できるという抽象的であいまいなものとなっており、具体的なことは政令に委ねています。発動や解除については、内閣総理大臣はそれを国会に報告するだけでよく、国会の事前はおろか事後の承認も必要とされていません。これでは、国会による行政へのチェックは骨抜きになり、政府や内閣総理大臣の専断、独裁に道を開くことになってしまいます。

緊急事態が宣言されると都道府県知事に規制権限を与えられ、みだりに外出しないことや感染の防止に必要な協力を住民に要請することができ、学校、社会福祉施設、興行場など多数の者が利用する施設についてその使用を制限し、停止するよう施設の管理者に要請し、指示することができることや、開催者に催物の開催を制限し、停止するよう要請し、指示することができます。

外出については、自粛の要請にとどまるとはいえ、憲法によって保障された移動の自由を制限するものであり、要請にとどまらず指示という形での規制も加え、強制の度合いがさらに強められ、憲法上、とりわけ重要な人権として保障される集会の自由や表現の自由が侵害されることになります。
また、NHKは、他の公共的機関や公益的事業法人とならんで指定公共機関とされ(民放等の他の報道機関も政令で追加される危険がある)、新型インフルエンザ等対策に関し、内閣総理大臣の総合調整に服すだけでなく、緊急事態宣言下では、総合調整に基づく措置が実施されない場合でも、内閣総理大臣の必要な指示を受けることとされている。これでは、報道機関に権力からの独立と報道の自由が確保されず、知る権利も保障されないことになります。
さらに、知事は、臨時の医療施設開設のため、所有者等の同意を得て、必要な土地、建物等を使用することができるが、一定の場合には同意を得ないで強制的に使用することができる。これも私権の重大な侵害であり、憲法が保障する財産権にも深く関わるものです。

 これらは、安倍政権が、憲法「改正」論議が進まないなか、「緊急事態宣言」を活用して「先制的に適用」する、まさに「明文改憲」の先取りと言わなければなりません。今回の特措法「改正」は、「コロナ禍」を活用した人権・私権制限に道を開く「独裁条項」であり、組織の総力をあげて反対していくことを表明します。

2020年3月12日

石川県平和運動センター

 

新型コロナウイルス対策のための特措法改正に反対する

緊急声明(2020.3.9 弁護士ほか)

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻さを増すなか、安倍政権は現行の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下「特措法」と略記)の対象に新型コロナウイルス感染症を追加する法改正(ただし、2年間の時限措置とする)を9日からの週内にも成立させようと急いでいる。
しかしながら、特措法には緊急事態に関わる特別な仕組みが用意されており、そこでは、内閣総理大臣の緊急事態宣言のもとで行政権への権力の集中、市民の自由と人権の幅広い制限など、日本国憲法を支える立憲主義の根幹が脅かされかねない危惧がある
そのような観点から、法律家、法律研究者たる私たちは今回の法改正案にはもちろん、現行特措法の枠内での新型コロナウイルス感染症を理由とする緊急事態宣言の発動にも、反対する。あわせて、喫緊に求められる必要な対策についても提起したい。

1 緊急事態下で脅かされる民主主義と人権
特措法では、緊急事態下での行政権の強化と市民の人権制限は、政府対策本部長である内閣総理大臣が「緊急事態宣言」を発する(特措法32条1項。以下、法律名は省略)ことによって可能となり、実施の期間は2年までとされるものの、1年の延長も認められている(同条2項、3項、4項)。
問題なのは、絶大な法的効果をもたらすにもかかわらず、要件が明確でないことである。条文では新型インフルエンザ等の「全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるもの」という抽象的であいまいな要件が示されるだけで、具体的なことは政令に委ねてしまっている。また、緊急事態宣言の発動や解除について、内閣総理大臣はそれを国会に報告するだけでよく(同条1項、5項)、国会の事前はおろか事後の承認も必要とされていない。これでは、国会による行政への民主的チェックは骨抜きになり、政府や内閣総理大臣の専断、独裁に道を開きかねず、民主主義と立憲主義は危うくなってしまう。
緊急事態宣言のもとで、行政権はどこまで強められ、市民の自由と人権はどこまで制限されることになるのか。特措法では、内閣総理大臣が緊急事態を宣言すると、都道府県知事に規制権限が与えられるが、その対象となる事項が広範に列挙されている。例えば、知事は、生活の維持に必要な場合を除きみだりに外出しないことや感染の防止に必要な協力を住民に要請することができる(45条1項)。また、知事は、必要があると認めるときは、学校、社会福祉施設、興行場など多数の者が利用する施設について、その使用を制限し、停止するよう、施設の管理者に要請し、指示することができる。また施設を使用した催物の開催を制限し、停止するよう催物の開催者に要請し、指示することができる(同条2項、3項)。
外出については、自粛の要請にとどまるとはいえ、憲法によって保障された移動の自由(憲法22条1項)を制限するものである。また、多数の者が利用する学校等の施設の使用の制限・停止や施設を使用する催物の開催の制限・停止という規制は、施設や催物が幅広く対象となり、しかも要請にとどまらず指示という形での規制も加え、強制の度合いがさらに強められており、憲法上とりわけ重要な人権として保障される集会の自由や表現の自由(憲法21条1項)が侵害されかねない。
また、特措法の下で、NHKは、他の公共的機関や公益的事業法人とならんで指定公共機関とされ(2条6号など。民放等の他の報道機関も政令で追加される危険がある)、新型インフルエンザ等対策に関し内閣総理大臣の総合調整に服すだけでなく(20条1項)、緊急事態宣言下では、総合調整に基づく措置が実施されない場合でも、内閣総理大臣の必要な指示を受けることとされている(33条1項)。これでは、報道機関に権力からの独立と報道の自由が確保されず、市民も必要で十分な情報を得られず、その知る権利も満たせないことになる。
さらに、知事は、臨時の医療施設開設のため、所有者等の同意を得て、必要な土地、建物等を使用することができるが、一定の場合には同意を得ないで強制的に使用することができる(49条1項、2項)。これも私権の重大な侵害であり、憲法が保障する財産権にも深く関わる措置である(憲法29条)。

2 政府による対策の失敗と緊急事態法制頼りへの疑問
政府は、特措法改正の趣旨を、新型コロナウイルス感染症の「流行を早期に終息させるために、徹底した対策を講じていく必要がある」(改正法案の概要)と説明している。
しかし、求められる有効な対策という点から振りかえれば、中国の感染地域からの人の流れをより早く止め、ダイヤモンドプリンセス号での感染を最小限にとどめ、より広範なウイルス検査の早期実施と実施体制の早期確立が必要であった。にもかかわらず、国内外のメディアからも厳しく批判されてきたように、初期対応の遅れとともに、必要な実施がなされない一方で、専門家会議の議論を踏まえて決定されたはずの「基本方針」にもなかった大規模イベントの開催自粛要請、それにつづく全国の小中高校、特別支援学校に対する一律の休校要請、さらに中国と韓国からの入国制限などが、いずれも専門家の意見を聞かず、十分な準備も十分な根拠の説明もないまま唐突に発動されることによって、混乱に拍車をかけてきた。
本来必要な対策を取らないまま過ごしてきて、この段階に至って緊急事態法制の導入を言い出し、それに頼ることは感染の抑止、拡大防止と具体的にどうつながるのか、大いに疑問である。根拠も薄弱なまま、政府の強権化が進み、市民の自由や人権が制限され、民主主義や立憲主義の体制が脅かされることにならないか、との危惧がぬぐえない。現に、特措法改正を超えて、この際、今回の問題を奇貨として憲法に緊急事態条項を新設しようとする改憲の動きさえ自民党や一部野党のなかにみられることも看過しがたい。

3 特措法改正ではなく真に有効な対策をこそ
今回の特措法改正はあまりにも重大な問題が多く、一週間の内に審議して成立させるなどということは、拙速のそしりをまぬかれない。私たちは、政府に対し今回の法改正の撤回とともに、特措法そのものについても根本的な再検討を求めたい。加えて、次のことを急ぐべきである。すなわち症状が重症化するまでウイルス検査をさせないという誤った政策を転換し、現行感染症法によって十分対応できる検査の拡大、感染状況の正確な把握とその情報公開、感染者に対する迅速確実な治療体制の構築、マスクなどの必要物資の管理と普及である。感染リスクの高い満員通勤電車の解消、テレワークを可能にする国による休業補償、とりわけ中小企業への支援、経済的な打撃を受けている事業者に対するつなぎ融資や不安定雇用の下にある人々や高齢者、障がい者など生活への支援を必要とする人々への手厚いサポートが必要である。そのため緊急にして大胆な財政措置が喫緊である。
強権的な緊急事態宣言の実施は、真実を隠蔽し、政府への建設的な批判の障壁となること必至である。一層の闇を招き寄せてはならない。

2020年3月9日

梓澤和幸 (弁護士)/右崎正博 (獨協大学名誉教授)/宇都宮健児 (弁護士、元日弁連会長)
海渡雄一 (弁護士)/北村 栄 (弁護士)/阪口徳雄 (弁護士)/澤藤統一郎 (弁護士)
田島泰彦 (早稲田大学非常勤講師、元上智大学教授)/水島朝穂 (早稲田大学教授)
森 英樹 (名古屋大学名誉教授)  (*あいうえお順)

 

今日の午前中に公表された新型インフルエンザ特別措置法の改正に反対する法律家の共同声明です。
2020年3月9日記者会見におけるコメント
海渡雄一

〇各地で医療機関に何度も行きながら、検査も受けられず、重篤化してからコロナウィルス感染者とわかる悲しい事例が次々に報告されていることに心を痛めています。これは、人災であり、人権侵害です。
〇安倍政権は科学と事実を無視し、法解釈を曲げて平気な政権です。コロナウィルスについても、故意に検査をさせない体制をつくり、感染者数を抑えることを自己目的化しています。その政策を改めさせることの方が先決です。

〇そのような政権に強権を与えることはあまりにも危険です。安倍政権は、北海道などで実際に緊急事態を宣言しようとしているのではないでしょうか。
〇この法律には、数多くの私権制限の規定だけでなく、集会開催の制限やNHKや民放も指定公共機関に指定されるなど、表現の自由そのものを侵害する危険性のある条項があります。
〇元民主党の議員の方々は、もとの法案をつくったという過去のメンツは捨てて、欠陥のある法律を抜本的に修正すべきという立場に立っていただきたい。

〇いま、緊急に必要なことは、こんな法律をつくることではなくて、検査の体制を改め、感染者に早期に治療を開始できるようにすること、経済的な困難に直面している企業や個人に支援の手を差し伸べることだと思います。

 

辺野古新基地建設反対3.6首都圏集会に寄せて

本日この教育会館大ホールに大結集をいただきました首都圏を中心とした全国の仲間のみなさん。今晩は。沖縄平和運動センターの山城です。

本来なら私自身も本集会に参加して、緊迫する辺野古情勢また強行される先島諸島への自衛隊基地建設問題について報告し、引き続き全国支援のお願いを申し上げるべきでありますが、諸般の事情で集会参加がかなわなくなりました。まずそのことをお詫びを申し上げますと共に主催者のご配慮で挨拶に代えてメッセージさせていただく機会を得ましたこと深く感謝申し上げます。

さて安倍内閣は遮二無二に辺野古新基地建設を進めるために、沖縄県に対し今月中にも埋め立て変更申請を行うという緊迫した局面で、首都圏の皆さんが時を違うことなく本集会を開催され辺野古新基地建設計画に反対する決意を新たにする場を設けた意義はまことに大きく、今後この熱が全国に波及し反対運動に大きな盛り上がりをつくってくれるものと期待しています。

すでに数多く指摘されているところではありますが、この辺野古新基地建設は大浦湾に広がる軟弱地盤問題をはじめ幾つもの重大な問題に突き当たっていと言われます。本集会案内書にも詳細報告されている通りであります。現地沖縄では辺野古新基地建設がいかに無謀で杜撰な計画であるかが連日のように報道されています。整理すると

①埋め立て予定地に広がるマヨネーズ状と言われる軟弱地盤の存在。

②世界でもかつて経験したことがないという海面下90mでの深海工事。

③大浦湾に群生するサンゴ移植問題

④先日政府が唐突に発表した全ての埋め立て土砂を県内調達で行うことに関する問題

などとなります。どれを取り上げても政府がこれまで十分な説明を行えないでいる難問であり、さらに埋め立て予定地のど真ん中に流れ出る美謝川(びじゃがわ)の水路変更問題について水利権を所轄する名護市との協議が今だに行われないまま棚上げにされていること。この件は野党多数の名護市議会の構成を変えない限り打開の糸口はないことなどです。

 先の4項目については全て知事権限が行使される『埋め立て承認に関する変更申請』の対象となっており、玉城知事が圧倒的な県民世論を受けて政府の変更申請を受け付けないことが明白である以上、常識的に言えばもはやこの計画をこのまま続行することは不可能であり、政府は建設をすみやかに断念すべきなのです。辺野古の闘いは丸5年が経過しやがて6年になろうとしています。表向きは、辺野古でも安和や塩川港でも抗議行動が機動隊に排除されて政府主導で事が運んでいるように見えますが、如何ともし難い壁にぶち当たり、追い詰められているのは政府の方です。お集まりの皆さん。まずはそのことを確認しましょう。

その上で今後の私たちの運動について考えてみましょう。

悪辣極まりない安倍内閣のことです。間違いなく県知事に対し変更申請を行うでしょう。そして知事が応じないと見るや翁長知事が行った承認撤回の際に取った防衛省と国交省間での猿芝居で県知事権限を封じるか、あるいは政府の御用機関と化した福岡高裁那覇支部に訴え出て計画変更を正当化していくでしょう。

しかし変更申請に関する沖縄県とのやりとりの難しさは強権発動で押さえ込んだとしても、先に挙げた工事遂行に伴う技術的困難さは依然として解決されず残ることになります。

 ①②について。70mより深い海域での工事はできない。政府は70mまでの工事で可能と開き直っていますが、新潟大学の立石名誉教授はそれでは護岸は崩壊すると警告しています。

 ③世界遺産にも登録されようとする大浦湾のサンゴ群は、それが息づく条件が大浦湾に揃っているからそこに生息する訳でそこ以外に持って行きようがないし、そもそもあの巨大なサンゴ群を移植する技術などないのです。

 ④本来2000万立方メートルに及ぶ埋め立て土砂の大半は全国各地から搬入予定であったが、県条例に阻まれて全てを県内調達に変更するという。そうするとこれまで県内調達を全体の四分の一程度と見込んでいたことからすれば全ての搬入調達に関する条件を4倍にしなければならない。トラックや運送船舶の数、積出港、あるいは各地に際限なく広がる採石場で警備に当たる警備員や警察機動隊など単純に言えば全て4倍揃えなければならないことになる。今日、概算でチャーターされている運搬船や台船の数およそ20隻それが80隻に、トラックは1日当たりおよそ500台それを2000台に。動員される機動隊の数150人は600人に、という計算になる。すでに土建業界からすべてのトラックや資機材または人員を総動員しなければならないがそれは不可能だと漏れ伝わっている。

結論から言えばこの工事は技術的にも不可能なのです。それを強引に行おうとすればいたずらに工期が延びるだけです。全ての工事条件を変えないとすれば、単純に政府の予想する工期13年が52年に延びることになりそもそもそんな公共工事はあり得ないし、米軍も納得しないでしょう。

遅かれ早かれ政府はこの工事を断念しなくてはならないでしょう。

 ただここで注意されなければならないのは、政府は自らは引かない。時の経過とともに自動的にそうなるものではない。政府はますます強引に迫ってくるはずです。

沖縄県政に対する圧力は翁長知事の最期を思えば想像絶するものがあると肝に銘じなければならず、またゲート前で立ちはだかる人々に対する警備弾圧も一層厳しさを増してくるでしょう。

この辺野古新基地建設を巡る政府との攻防いよいよ正念場に差し掛かる、そう認識し決意を固めあいましょう。

  私ども沖縄平和運動センターを含め心ある多くの県民が政府の不当な介入・弾圧をはねのけて闘いに総立ち上がりするでしょう。

お集まりの首都圏の仲間の皆さん。手を携え連携してまいりましょう。

コロナウィルス対策にみる政府の危機感の欠如した後手後手の対応は、政治行政権力を一手に収め、その果実の全てを政権の延命と私利私欲にあてがう安倍政治の究極の姿を映し出したものと言わねばならず、このままこの政権が延命すれば、ますます悲惨な事態が待ち受けているだろうことは明らかであり、全国の団結でこの内閣を打ち倒して自らの運命を切り開く回路を取り返して行かなくてはなりません。

見境もなく大国中国との緊張を煽り地域の軍事化、軍事基地建設に余念のない日本政府安倍内閣を打倒して、不信と緊張が支配する沖縄先島諸島海域の平和を取り返す闘いが、脈々と全国の闘いと繋がっていることを感じながら、常駐する先島諸島宮古島からのメッセージとさせていただきます。首都圏の皆さん。全国の仲間の皆さん。共に手を取り合い闘って参りましょう!

2020年3月6日

沖縄平和運動センター議長 山城博治

「幻」の総会アピール(案)

安倍政権は、中東・アラビア海は「日本の生命線」であるとして「タンカー」防護のため海上自衛艦「たかなみ」と哨戒機を2月2日強行派兵しました。「満州が生命線」を想起させます。

この派兵は、米・第5艦隊と空母打撃群を中心としたイラン制圧のための「有志連合」とは別の「派遣」としていますが、ほぼ同じ海域でイランや中国、ロシア艦艇と対峙し、幹部級自衛官を米軍司令部に派遣して情報を共有するなど、まさに「有志連合」への派兵といわなければなりません。

しかも「不測の事態」となれば「海上警備行動」をとり「米艦防護」する紛れもない戦争参加となり、憲法を越えた自衛隊法をも越えた違法な「集団的自衛権の行使」となるのです。

安倍政権は、自衛隊と米軍との軍事一体化をあらゆる戦線と領域(宇宙、サイバー、電磁波)で押し進めるため、2019年度は防衛費5兆6456億円投入し、第二次安倍内閣(2013年)に比して1兆円近くも増額させています。後年度負担(最長10年払)5.4兆円を加えると11兆円台にもなります。

私たちには消費税増税を押しつけ、医療、年金、社会保障を切り捨て、2019年度から5年間で27兆5千億円もの大軍拡を実施中であり、更なる負担を私たちに転嫁してくることは確実です。

日米安保条約に則った共同演習は激しさを増し、平和な空は爆音でかき消され、墜落の危険が日本中を脅かせています。小松基地ではF15戦闘機が米軍のB52「核」戦略爆撃機を護衛し、核戦争演習の一翼を担っています。

これらは、北朝鮮の弾道ミサイルや中国の尖閣列島への「領海侵犯」、核戦力増強をその理由にしており、安倍政権は「安全保障を巡る環境は激変し、敵基地攻撃能力を高め危機に対処する」と憲法無視の姿勢を露わにしています。

私たちは、これらの日・米軍事一体化に反対するとともに、改憲素案四項目(自衛隊明記、緊急事態条項の創設、教育の無償化、参院の合区解消)の的確な批判をさらに進めていきます。

本日、本総会記念講演において、清末愛砂さんから、戦争は最大の人権破壊でありジェンダー抑圧にほかならないことを改めて学びました。本年度を「改憲阻止の正念場」と位置づけ、反戦・平和、脱原発、人権擁護、社会保障切り捨て反対、監視社会反対などすべての運動を結合させて安倍政権を打倒し、憲法を生かした、平和・人権・民主主義、生活の向上を実現する社会を築くために奮闘します。

以上、総会アピールとします。

2020年2月28日

石川県憲法を守る会総会参加者一同

 

「幻」の特別決議案(2.28石川県憲法を守る会総会) 

新型肺炎に便乗した「緊急事態条項の新設」と 「病院船の建造」に反対する特別決議(案)

新型コロナウイルスによる肺炎の蔓延を理由に、自民党有力国会議員らから『非常時に国民の権利を一部制限できる「緊急事態条項」が必要』との発言が出されています。感染症などの対策は、現行の法律で対処できるものであり、今回の発言は、自分たちのゴテゴテを反省することなく、これを奇貨として改憲を急ぐ自民党内改憲派の「勇み足」と言わざるを得ません。

全国肢体障害者団体連絡協議会(全国肢障協)は2月10日、これに反対する緊急声明を発表しました。「戦争や災害などでは『役立たず』『足手まとい』と切り捨てられるのは障害者だ」として「緊急事態条項の不要」を訴えました。

緊急事態条項とは改憲四項目の一つであり、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」時に、内閣総理大臣が「国家緊急権」を発令できるようにするものですが、自然災害のみならず、戦争災害や労働者・市民の決起にも適用される、基本的人権と三権分立を「瞬時」に停止する極めて危険なものであり、「ナチスの手口」とも言われているものです。まったく言語道断であり、その撤回を求めます。

また一方、現在の新型肺炎や地震災害などで陸路が遮断された場合の対応として、病院機能を持つ「病院船」の活用を検討せよと2月12日、自民党が提案しました。これに安倍政権は、「関係省庁とも協議し病院船の配備の在り方を加速的に検討していく」と述べ、14日には河野防衛相が導入に向けた検討を始めたと報道されました。

「病院船」とは、戦争や飢餓、大災害時に現場で傷病者に医療ケアをする船舶であり、通常、世界ではアメリカやロシアなど“戦争する国”が運用しているものです。しかし、医療システムの維持費やコストが莫大であることから、それらの国々も輸送艦や強襲揚陸艦など戦時艦船を利用しているものが殆どです。

私たちは、「病院船」の建造が災害対策の見地からみても「陸路の代替」とはならないと考えます。地震が港湾のみならず関連施設をも破壊したことを知っているからです。

従って、改憲推進派による「災害対策」に名を借りた「緊急事態条項の創設」と「病院船の建造」は、きわめて意図的、恣意的な「コロナウイルス騒動に便乗した世論操作」と考えます。これらは、憲法改悪へと道を開き、民主主義を破壊し戦時体制を強化するなにものでもなく、断乎として反対していくことを宣言します。

 以上、決議します。

2020年2月28日

 石川県憲法を守る会総会参加者一同

東京地検による法律事務所への捜索に抗議する会長談話 (無断転載)※ヒロナカ法律事務所

arrowEnglish(英語版) 2020年1月31日

2020年(令和2年)1月29日、東京地方検察庁の検察官らが、刑事被疑事件について、関連事件を担当した弁護士らの法律事務所の捜索を行った。同弁護士らが、刑事訴訟法105条に則り、押収拒絶権を行使したにもかかわらず、検察官らは、無断で裏口から同法律事務所に立ち入った。検察官らは、再三の退去要請を無視して長時間にわたり滞留した上、法律事務所内のドアの鍵を破壊し、事件記録等が置かれている弁護士らの執務室内をビデオ撮影するなどした。なお、検察官らが押収に至った物は、弁護士らが捜索が始まる前に任意に呈示していた書面等1袋のみであった。

弁護士には、秘密を委託される業務及びこの業務を利用する市民等を保護するため、押収拒絶権が保障されている。秘密該当性の判断は、委託を受けた弁護士の専権に属するものとされている。そして、捜索は、押収物の発見を目的とするものであり、押収を拒絶された場合は、押収対象物の捜索もできない。

したがって、今回、押収拒絶権が行使され、立入りを拒まれているにもかかわらず、検察官らが、裏口から法律事務所に侵入し、要請を受けても退去せず、法律事務所内のドアの鍵を破壊し、執務室内をビデオ撮影するなどしたことは、正当化の余地のない違法行為である。

憲法は、被疑者及び被告人の防御権及び弁護人依頼権を保障しており、弁護人は、被疑者及び被告人の権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努めなければならない。対立当事者である検察官が、弁護人に対し、その権利を侵害する違法行為に及ぶことは、我が国の刑事司法の公正さを著しく害するものである。

当連合会は、違法な令状執行に抗議するとともに、同様の行為を二度と繰り返すことのないよう求めるものである。

 2020年(令和2年)1月31日

日本弁護士連合会
会長 菊地 裕太郎

 

「自衛隊の中東派遣反対!戦争参加反対!」緊急集会

ア ピ ー ル (案)

「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体

(石川県憲法を守る会、石川憲法会議、九条の会・石川ネット、石川県平和運動センター、石川県労働組合総連合、青年法律家協会北陸支部、戦争をさせない1000人委員会・石川、戦争をさせない石川の会)

集会に参加されたみなさん。

本日、多くの反対の声をおしきって安倍政権は、海上自衛艦「たかなみ」を緊迫の中東・アラビア海へ派遣させようとしています。昨年末の閣議決定にもとづいて1月11日にはP3C哨戒機を、それに続く本体派遣の強行となります。私たちは、国会議論もなく閣議決定のみで、戦場と化した中東・アラビア海に自衛隊を派遣することに強く反対します。

そもそも今回の中東危機は、米・トランプ政権による「イラン核合意」離脱(2018.5)に端を発したものであり、米国の「経済制裁」と「軍事威嚇」、そして「有志連合」の結成により危機は高められました。1月3日、トランプ政権はついに「海外の米国人を守るため」と称してイラン革命防衛隊司令官をイラクにおいて殺害しました。これに対しイラン・ハメネイ師は、「同等の報いを受けてもらう」と宣言し、世界は緊張しました。1月8日、イランはイラク駐留米軍基地へ「弾道ミサイル」を発射し緊張は頂点に達しました。しかし、意図的に建物をねらうなど現時点では双方が自制的な対応をしています。最悪の事態は去ったとはいえ、依然、一触即発の軍事的緊張は続いていると見なければなりません。

一方、安倍政権は、「有志連合」とは一線を画すとしながらも、「日本船舶の安全を確保するため情報収集する」と「調査・研究」派遣を決めました。しかしその内実は、情報はバーレーンの米軍司令部と共有し、緊急時には「海上警備行動をとる」として米軍(有志連合)との一体的行動を前提としており、まさに「イラン戦争」への参加を企図していると言わざるを得ません。しかも安倍政権が「外交努力」として中東三カ国でやっていたことは、「日本の生命線を守る」として将来の資源や軍事基地をも見据えた「補給拠点」の確保なのです。

集会に参加された皆さん。

通常国会の施政方針で安倍首相は、「憲法改正を私自身の手で成し遂げていく」と豪語し、追及されている「桜を見る会」や「IR疑惑」など相次ぐ不正に向けられた厳しい目をそらそうとしています。今回の自衛隊の中東派遣は、その憲法改悪の先取りであり、「イラン戦争」に加担するための、まさに「戦争参加」のための海外派遣と言わなければなりません。

米軍(有志連合)とともに中東・アラビア海で「戦争参加」する自衛隊派遣に反対し、日本の戦争参加を止めようではありませんか。その力を安倍退陣に結びつけようではありませんか。以上、アピールします。

2020年2月2日

集会参加者一同

 

「中東への自衛隊派遣の閣議決定は止めよ」共同声明

 2018年5月、米・トランプ政権は、「イラン核合意」から一方的に離脱したことを契機にイランに対して経済制裁を加え、「中東危機」はかってない緊張のなかにあります。

2019年6月に引き起こされた日本「タンカー」への攻撃では「イラン犯行説」が流布され、米国の主張する「自国タンカーは自国で守れ」「有志連合結成」という雰囲気が醸し出されました。

このようななか米国は、本年11月、米空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群をホルムズ海峡・ペルシャ湾に急行させ、イランの喉元で「戦争挑発」を行なっています。加えて、米国主導の「有志連合」には、オーストラリア、英国、サウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦、アルバニアの7カ国が参加し、年明け1月下旬には軍事行動を本格化させようとしています。

安倍政権は10月、緊張高まる中東・アラビア海(アラビア海北部の公海、又はオマーン湾、又はイエメン沖のバブルマンデブ海峡)に、米国の参加要請とイランへの配慮から、独自に「自衛隊」を「調査・研究」という名目で派遣することを決定し、その派遣先と時期等を含めた最終判断を閣議決定しようとしています。

この派遣は、いかなる理由をつけようとも「イラン戦争への参加」と言わざるを得ません。

第一に、国会の審議も経ず閣議決定のみで自衛隊派遣を決定すること、第二に、不測の事態があったとき、「海上警備行動=戦闘行為」をとることを決めようとしていること、しかも第三に、一端、事あれば「イラン壊滅を目論む米軍指揮下」の戦闘となり、実質上の「有志連合参加」に他ならないこと、第四に、アラビア海で日本国籍のタンカーが攻撃されるなど緊迫した事態がないなかでの派遣であること、第五に、派遣先がアラビア海全域とし、戦争の危険性が拡大することなど、いずれも従来の規範・憲法を超えた重大事と言わなければなりません。

今回の米・トランプ政権により作り出されたイラン危機に乗じ、ジブチ共和国の海上自衛隊基地を拠点とした中東・アラビア海への自衛隊派遣に、私たち八団体は、断固として反対するものです。ヨーロッパをはじめ世界の主要国では、イランとの緊張の激化は世界の大戦争に発展しかねないと危機感を持っており、まさに、「核戦争の危機」さえ内包した危険な派遣なのです。日本国憲法において、戦争放棄、武力の不保持、交戦権の否認を明示している日本が、米軍指揮下の戦争当事国となることは断じて許されません。

私たちは、アラビア海のいかなる地域へも、いかなる形での自衛隊派遣にも反対します。これらを無視して安倍政権が「中東派遣」を閣議決定したとき、私たちは断固として反対行動を展開するものです。

2019年12月23日

「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体

(石川県憲法を守る会、石川憲法会議、九条の会・石川ネット、石川県平和運動センター、石川県労働組合総連合、青年法律家協会北陸支部、戦争をさせない1000人委員会・石川、戦争をさせない石川の会)

 

原子力防災訓練への抗 議 声 明

 本日午前7時30分から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後8回目となる防災訓練である。この間、私たちは再稼働前提の訓練に抗議すると同時に、福島第一原発事故の教訓を踏まえるなら最善の原子力防災は原発廃炉であると訴えてきた。地震だけでなく昨今の異常気象による複合災害、あるいは無防備と言えるテロ攻撃を想定するならば、廃炉はなおさら緊急の課題である。しかし、石川県はじめ関係自治体は今回も志賀原発の再稼働を前提とした非現実的で実効性のない訓練を実施した。強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

1. 複合災害で破たんする原子力防災
(1)異常気象に向き合わないマンネリ化した訓練
近年、巨大台風襲来による暴風と豪雨、大洪水、高潮、大規模停電、さらに豪雪による交通網の麻痺や災害級の猛暑など「異常気象」が常態化し、相次ぐ巨大地震、大津波の脅威も含め、現代社会は巨大自然災害の危機に直面している。これらの災害に起因する原発の重大事故、あるいはこれらの災害と並行して起こる重大事故に対して原子力防災は機能するのか。原発立地地域の住民はもちろんのこと、多くの県民の不安は一段と高まっているが、複合災害訓練はここ数年の訓練同様、「地震による道路の一部寸断」を想定するのみで、広域・複合・長期化する巨大自然災害に向き合う姿勢は全く感じられない。

(2)複合災害で被ばくは深刻化
政府は2015年に防災基本計画を修正し、複合災害時には自然災害に対応する「緊急災害対策本部」と原子力災害に対応する「原子力災害対策本部」の連携体制を整えることとし、複合災害への対応について検討を重ねている。基本的には差し迫った自然災害からの人命のリスク回避が最優先となる。当然の対応だが、結果として放射能からの避難行動は二の次となる。現行の計画でも住民に被ばくを強要するが、さらなる被ばくは避けられない。巨大自然災害と原発の重大事故による複合災害時、住民避難計画は破たんする。

(3)廃炉こそ複合災害対策
地震や津波は防げない。異常気象は国際的な気候変動対策が急務だが、直面する自然災害には防災・減災対策を講じるしか術がない。一方、原子力災害は人災である。大自然の猛威にさらされ続ける中、人命へリスクを減らすためにも志賀原発の廃炉は急務である。

2. くり返される再稼働前提の訓練
(1) 再稼働路線容認の防災訓練
志賀原発直下の断層について有識者会合は全会一致で「活動層」との評価書をまとめたが、北陸電力は志賀再稼働の方針を変えず、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に臨んでいる。しかし、ここでも北陸電力のデータ不足が厳しく指摘され、「活断層」を否定する見通しは全く立っていない。こうした中、県は停止中のリスクが山積するにもかかわらず再稼働前提の訓練を繰り返している。北電の再稼働路線の容認、あるいは期待しているかのような県の姿勢からは、県民の安全・安心を守る決意が感じられない。

(2) 向き合うべきは停止中の原発の危険性
停止中とはいえ、志賀原発ではむき出しの燃料プールの中に使用済核燃料が保管されている。冷却機能の維持は至上命題であり、そのための電源は欠かせない。ところが志賀原発では直下の活断層に加えて、一昨年は雨水大量流入事故、今年7月には非常用の高圧電源車の火災事故発生と、電源確保をおびやかす「あってはならない事故」が相次いでいる。特定重大事故等対処施設(いわゆるテロ対策施設)もいまだ整備されていない。サウジアラビアの石油施設へのドローン兵器による攻撃は全ての原発施設にとって他人事ではない。複雑な国際情勢下、志賀原発への攻撃を単なる空想として切り捨てることはできない。核燃料の撤去こそ必要な防災対策であり、撤去までの間は停止中の原発の重大事故を想定した訓練を実施すべきである。

3. 実効性のない訓練の繰り返し
(1) 新たな安全神話をつくる「スムーズな避難」
今回の避難訓練も住民の参加はごく一部である。避難指示の伝達漏れはなく、避難指示の前に避難所で待機する人もいる。避難バスも事前に配車され、自家用の避難車両も少なく、スクリーニングポイントでの渋滞も起こらない。課題として残るヨウ素剤の配布は今回も実施されなかった。こうした中で毎回確実に実現する「スムーズな避難」は、重大事故でも避難できるという新たな安全神話をつくることになる。

(2) 課題から逃げまくる非現実的訓練
住民へのヨウ素剤の配布、服用指示は重要な課題であるが、いまだ必要な住民への配布が可能かどうか検証はできていない。観光客など一時滞在者、特に近年増加する外国人旅行者への情報の伝達、避難、ヨウ素剤の配布等も懸念される。UPZ圏内の住民避難は、訓練ではあらかじめ風下エリアが決められているが、実際は緊急時モニタリングと連動した迅速、的確な行動が求められる。いまだ実践的な訓練は行われていない。防災業務従事者の被ばく対策や交代要員の確保も重要な課題である。加えて半島先端地域固有の課題もある。この間の訓練同様、今回も取り組みやすい項目をつまみ食いするだけの訓練に終始したと言わざるを得ない。

4. 繰り返して指摘する!「今こそ常識に立ち返れ」
一企業の、電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発のために多くの県民の命や暮らしが脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように防災訓練が繰り返されている。避難させるべきは住民ではなく核燃料である。北陸電力は人災である原子力災害を防止するため、直ちに志賀原発の廃炉を決定せよ。活断層上にある核燃料を速やかに撤去せよ。

2019年11月4日

志賀原発を廃炉に!訴訟原告団
社会民主党石川県連合
石川県平和運動センター

集 会 ア ピ ー ル(案)

2016年以降、衆参両院で3分の2を超える改憲勢力を確保した与党は、これを千載一遇のチャンスと見て、7月の参院選挙を改憲の是非を問う選挙と位置づけました。

しかし、私たちは参院選挙を通じ、改憲勢力の議席を3分の2未満に割り込ませ、国会の改憲発議が出来ない状況を再びつくりだしました。

これは、2017年9月に、総がかり行動から発展して結成された「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼びかけた3000万人を目指す「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を軸に、全国連帯による市民・労働者の運動、院内野党の結束が連携して勝ち得た大きな成果です。直近の全国世論調査でも、改憲に反対する回答が6割近くを占め、国民は憲法「改正」を決して望んではいないことを改めて示しています。

にもかかわらず、2020年までに改憲を成し遂げようとする改憲勢力の執念は衰えてはいません。

他方、集団的自衛権の行使を念頭に、日米の軍事一体化はさらに進んでいます。敵地攻撃を可能とする極めて高額な最新兵器をアメリカから次々と購入し、人権である社会保障費を抑制しながら戦争をする国へと突き進んでいます。ジブチ共和国に居座る海自基地を拠点としてアラビア海へ艦船を派遣する方針は、タンカー護衛に名を借り、「自国の船は自国が守る」という「戦争宣言」を行ったものにほかなりません。

私たちは、こうした情勢を認識し、憲法理念にもとづいて戦争法廃止の運動をさらに強化し、小松、沖縄をはじめとする軍事基地の縮小撤去をかちとらなければなりません。

そして、改憲手続きの一環である憲法審査会を動かさず、改憲発議を決して許さない国会内外でのたたかいを私たちも石川の地から強化していきます。

平和憲法公布73周年にあたり、いかなる手法による憲法改悪の策動も許さない揺るぎない決意を改めて確認し、アピールとします。

2019年11月3日

安倍改憲阻止!11.3護憲集会参加者一同

 

11.3集 会 ア ピ ー ル

 2016年以降、衆参両院で3分の2を超える改憲勢力を確保した安倍首相は、これを千載一遇のチャンスと見て、いわゆる「安倍改憲」4項目(⒈ 憲法9条に自衛隊の明記 ⒉ 緊急事態条項創設 ⒊ 教育の無償化 ⒋ 参院選挙区の合区解消)を示し、7月の参院選挙を改憲の是非を問う選挙と位置づけました。

  しかし、私たちは参院選挙を通じ、改憲勢力の議席を3分の2割れに追い込み、国会の改憲発議の条件を失わせました。

  これは、2017年9月に結成された「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼びかけた3000万人を目指す「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を軸に、全国連帯による市民の運動、院内野党の結束が連携して勝ち得た大きな成果です。直近の全国世論調査でも、安倍改憲に反対する回答が6割近くを占め、国民は警戒心を緩めてはいません。国民は安倍政権の下での憲法「改正」を決して望んではいないことを改めて確認します。

  しかしながら、安倍首相在任中の2020年までに改憲を成し遂げようとする改憲勢力の執念は衰えてはいません。参院選後の改造内閣では、日本会議国会議員懇談会事務局長である萩生田 光一氏を文科大臣に起用し、“日本会議系”極右内閣を組閣するとともに、臨時国会冒頭には、国会としての改憲案の策定に与野党の協力を促す所信表明を行いました。参院選後の野党の切り崩し、改憲派の多数派工作など国会内の動向とメディア統制の現状から、さらなる警戒が必要です。私たちは本集会で、伊藤千尋さんから講演を受け、さらにその認識を深めたところです。

  改憲の本性を示す2012年の自民党憲法改正草案は、公の秩序、公益を人権の上に置き人々を縛る超国家主義が緊急事態条項に具現化すること、自衛隊の合憲化は集団的自衛権行使を含む国防の義務の強制へと行き着くことを予見させます。この改憲の危険性を真摯に問いかける運動が求められます。安倍内閣はトランプ米大統領の求めに応じ、ジブチ共和国に居座る海自基地を拠点としてアラビア海へ艦船を派遣する方針を決定しました。憲法に反し、日本を戦争の危機に晒すいかなる海外派兵も容認できません。この派兵阻止の声を上げましょう。

  また、参院選野党統一政策で安倍政権下の改憲阻止を公約した野党各党には、国民との約束を遵守し、安倍改憲阻止のさらなる闘いに立ちあがるよう求めます。

  改憲手続きの一環である憲法審査会を動かさず、改憲発議を決して許さない国会内外でのたたかいを私たちも石川の地からつながっていきます。

  新天皇の即位儀礼を通じた改憲世論誘導には注意を払いながら、引き続き3000万人統一署名を通じて市民との対話を深め、いかなる手法による憲法改悪の策動も許さない決意を改めて確認し、アピールとします。

                           2019年11月3日

安倍改憲NO!改憲発議NO!11.3石川県民集会参加者一同

 

福岡高裁那覇支部による「国の関与取り消し訴訟」判決に抗議する声明

 沖縄県による辺野古埋め立て承認撤回を取り消した国土交通大臣の裁決が、「違法な国の関与」であるとして、沖縄県が7月に国を相手に提訴した「国の関与取り消し訴訟」について、10月23日、福岡高裁那覇支部は、沖縄県の訴えを却下した。判決では、沖縄県の主張に正面から向き合うことなく、「裁決は国の関与から除外され、訴訟の対象となりえない」として、訴えをことごとく却下した。まったくの不当な判決であり、強く抗議する。

 裁判では、本来、私人の権利を救済するためにつくられた行政不服審査法を、国の機関である沖縄防衛局が利用したことについての適法性について争われた。公有水面埋立法では、国が都道府県知事から埋め立て権限を得る場合は「承認」であり、国以外のものは「免許」として別な制度を設けている。このことからも、行政不服審査制度は本来、「承認」という特別な権限をもつ国の機関が利用できるものではないとの沖縄県の主張は、正当なものと言える。

 しかし、福岡高裁那覇支部は行政不服審査法について「国の機関と一般私人とを区別することなく同様に扱うことが予定されている」として、国土交通大臣の裁決は違法ではないとした。国の機関による行政不服審査法の利用が認められれば、国は地方の意思を無視して、国の政策を強引に推し進めることができるようになりかねない。この判決は、辺野古新基地建設の違法性の問題にとどまらず、まさに地方自治の否定・破壊であり、決して許されるものではない。

 さらに判決は、国が私人と同様に承認撤回処分を受けたことや、普天間飛行場の移設にともなう埋め立て事業を推進した内閣の一員である国土交通大臣による裁決だとしても「中立的判断者たる審査庁の立場を放棄していたということはできない」などとして、沖縄県の主張を全て退けた。本来、中立的な立場で判断を下すべき司法が、完全に国の強引な政策に追随していることは、極めて問題である。

 辺野古新基地建設については、選挙をはじめとしたさまざまな形で建設反対の沖縄県民の意志が示されている。さらには、軟弱地盤の改良工事を可能とした防衛省の報告書が、大規模地震を想定していないずさんな報告書であることが明らかになるなど、ますます工事の不当性がはっきりとしてきている。このようななかでも、司法と一体になって、なにがなんでも工事を強行しようとする国の姿勢には、怒りを禁じえない。

 本判決に対しては、沖縄県は今後、上告を予定している。また、同時に8月に那覇地裁に提訴されている「行政事件訴訟法」に基づく裁判も進行中である。平和フォーラムは、これら裁判の動向を注視するとともに、さらに全国で、辺野古新基地建設の撤回をもとめ、たたかいを強化していく。

                                2019年10月24日

フォーラム平和・人権・環境

関電幹部らの原発に関連した金品授受に抗議し、

       全原発での厳密な調査を要求する(声明)

 関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長ら20人が2011年~2018年の7年間で3億2千万円にも上る多額の金品を、関電の原子力発電所が4基立地する高浜町の森山栄治元助役(故人)から受け取っていたことが明らかになった。原発工事の関連会社が資金を提供していたという。関電は、発電量の6割近くを原子力発電に頼っていた。2011年3月の福島第一原発事故以降原発を稼働できない中にあって、電気料金を値上げして市民負担を強いる一方で、このような不当な利益を得ていたことは、市民感覚としても許すことはできない。

 「不適切だが、違法な行為はない」との岩根社長の言葉は、利用者である市民を愚弄するものに他ならない。ここまで多額になれば、特別背任罪とも言える。外部の税務調査がなければ、この問題は闇に葬られていたのではないか。問題が発覚し社内の調査委員会が結果をまとめても、報道されるまで1年にわたって公表しなかった。関電のコンプライアンスの欠如には、あきれてものが言えない。電力産業は公益事業であり、ゆえに様々な税金が投入されている。このような企業が公益事業を担い原発を動かす資格などない。金品を受領した20人全員の遡っての辞任を要求する。

 記者会見で岩根社長は、受け取った金額が20人で3億2千万円と明らかにしたが、様々な疑問には「個人のことなので回答は差し控える」と述べた。原発マネーの還流はないと強弁するが、そもそも原発に関わる地元企業の不正な金が、原発立地に深く関わってきた地元自治体の助役を通じて、関電幹部に流れたものである。原発マネーではないという詭弁は通用しない。「見返りはない。発注も適切だ」というが、誰が信じるのか。社会福祉事業なら理解もするが、見返りがなくて3億を超す金品を電力会社幹部に贈ることは市民の理解を超えている。一度は受け取りながら「返せるものは返したとしているが」全額とは言っていない。個人管理の中で使い込みはなかったのか、返却は発覚してからか、額も時期も明らかにしていない。関電の社会的立場を理解した発言とは思えない。

 岩根社長は、社内の調査委員会の報告書を「個人情報が入っているので公表しない」とした。それでは、関電の責任を果たすことはできない。全てを明確にすることを強く望む。また、高浜原発以外の調査は現時点ではしていないとし、遡っての調査も実施していないとしている。岡田達司常務は「今後の検討」としたが、全ての原発に関わって調査することを強く要請する。

 菅義偉官房長官は「不透明な形で長年にわたり金品を受領していたのは大変な問題だ」と発言しているが、経済産業省を中心とした監督官庁に責任はないのか。原発立地には、多額の資金が動くと言われてきた。これまで原発立地地域や立地予定地域でも度々問題とされ、不透明な金にまつわる話は枚挙にいとまない。全ての原発立地においてこのような事例がなかったか、しっかりと調査をするのが政府の責任ではないのか。原発メーカー、電力会社、大手建設会社や地元企業、そして地方自治体に広げた厳密な調査を要求する。

 原発立地の地元理解は利益誘導によって進められてきた。原発が存在する限り、これからもこのようなことが繰り返されるだろう。脱原発は、安全の問題だけではなく、民主主義の問題でもあることを、今回の事件は象徴している。脱原発の運動は、平和と民主主義を守ること、原水禁はしっかりとそのことを踏まえ、今回の事件への追及の手を強めていく。

                           原水爆禁止日本国民会議

議 長 川野 浩一

 

あらかじめ作られた結論

関西電力の問題矮小化は許されない

NPO法人原子力資料情報室(HPより無断転載)

関西電力(関電)の幹部20人が、福井県高浜町元助役の森山栄治氏から多額の金品を受け取っていたことが金沢国税局の調査をきっかけに明らかになった。元助役は、関電から仕事を受注していた複数の会社と親密な関係にあり、そうした会社から関電に仲介した見返りとして受け取った資金の一部を関電幹部に渡していたとみられる。また元助役は関電全額出資子会社「関電プラント」の非常勤顧問も30年以上にわたって続けていた。関電は、国税局からの指摘を受け、内部調査を行い、昨年9月には調査報告書を作成して、社内処分もおこなっていたが、報道で明らかになるまで公表してこなかった。

 関電のきわめて限定的な調査でも7年間で3億2千万円に上る巨額資金を同社幹部が受け取っていた。きわめて言語道断な事態だ。関電は批判の広がりをうけて、改めて第三者委員会を組織して内部調査を行うとしている。

 公表された昨年9月の内部調査報告書では、元助役の特異性が強調され、役員は金品の受け取りを強要されたように描かれている。あたかも関電は被害者であるかのようだ。しかし関電は、役員が元助役を介さず、受注業者から金品を直接受領したケースも存在することも把握している。受注業者も受け取りを強要したとでもいうのか。さらに関電も報告書も、元助役の資金の出元であった受注業者への発注は価格も含めて適正だったという。

 冗談ではない。発覚の発端となった税務調査で、森山氏に受注業者1社から3億円が渡り、そのうち1.8億円が関電にながれたことが明らかになっている。一体この3億円はどこからきたのか。会見で、関電はこの資金の出元はわからないなどと述べたが、もし本当にそうなら無能以外の何者でもない。自社の調達価格に上乗せされていた以外、あり得ないではないか。

 問題の本質は、電力会社という公益事業者が自らの優越的地位を利用して、地元の有力者と親密な関係を構築するために、電力消費者の負担を度外視した価格で発注していたことだ。そのような土壌があったからこそ、森山氏の不当な介入を許すことにつながった。当該事業者への発注価格が他社への発注と同水準だとも説明するが、であれば、むしろ、関電全体の調達価格水準の高さを疑うべきだ。

 関電が第三者委員会に委託するのは、1.森山氏関係追加調査、2.社外からの不適切な金品提供事案はほかにないか、3.これまでの調査プロセス・調査結果・会社の対応は妥当か、の3点だ。この委託内容から、役員の金品受領に問題を矮小化しようとする意図が透けて見える。

 関電が第三者委員会に委託すべきは、第一に、自社の発注価格の適正性と、発注が公正なプロセスで行われていたかだ。さらに、いつ、だれが、どのようにして金品を返済したのかについても明らかにしなければならない。森山氏という特異なキャラクターで問題を矮小化しようとする関電を許してはならない。また国も関電という1電力の問題にとどめるのではなく、電力業界全体の問題としてとらえるべきだ。関電に限らず、他の電力においても、地元有力者が経営・関与する事業者に仕事を発注していた事例は枚挙にいとまがないからだ。

 責任逃れに終始し、問題を隠蔽しようとした関電の姿は、15年前、下請け会社に11名の死傷者をだした美浜3号機の2次系配管減肉破断事件をほうふつとさせる。今回も、1億円以上も受領していた役員にたいしてですら極めて軽微な処分しか行なわず、しかも隠ぺいしようとした。内部に甘く、事態を直視できない関電に、核分裂を制御してエネルギーを取り出すという微妙な技術に関わる力量があるのか。関電は、第三者委員会にたいして、ガバナンスのみならず、自社に原子力事業を行う資格があるかについても、問わなければならない。

                                                                                                                                                             以上

                       宮古島住民の生活を犠牲にした弾薬庫建設を許さず、

南西諸島における自衛隊の新基地建設に抗議する声明

2019年10月3日

フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

事務局長 勝島 一博

防衛省は2019年10月、沖縄県宮古島の陸上自衛隊のミサイル部隊等の新設に関わり、弾薬庫の建設工事に着手するとしています。地元住民の反対の声を無視した着工を許すわけにはいきません。

宮古島市城辺保良の採石場(保良鉱山)に新たに造られる弾薬庫は、保良集落や七又集落に近接し、最も近い民家で200メートルほどしか離れていません。日々の生活を営んでいる住民の間近に危険な弾薬庫を造ることは、人びとの命とくらし、財産を全く軽んじているとしか言いようがありません。

宮古島の弾薬庫をめぐっては、「誘導弾を保管する弾薬庫は整備しない。警備等に必要な小銃弾等の保管庫を整備する計画」と防衛省は説明していましたが、2019年3月に新設された宮古島駐屯地に、中距離多目的誘導弾と迫撃砲弾を保管する弾薬庫が設置されていることが判明。「政府はミサイル基地を造るために住民に嘘をついた」と宮古島住民の批判が湧き起こっていました。その後、防衛省は弾薬を島外に搬出したものの、今後は保良鉱山に造られる新たな弾薬庫に保管するとしています。

自衛隊の宮古島配備、新基地建設では、2016年に野原集落会、千代田集落会が反対決議を上げ、ミサイル・弾薬庫等に近接する保良集落会が2017年に、七又集落会は2018年に、反対する決議を上げています。

住民に虚偽の説明まで行い、新基地建設を進めてきた政府・防衛省の責任は極めて重く、これ以上、新基地建設工事をすすめるべきではありません。保良集落会の決議では、「農漁業や観光で発展する可能性に富んだ地域に、弾薬庫等を配備することは、人びとの生命、財産をおびやかし、地域発展を阻害する」と訴えています。これら住民の切実な声を政府は真摯に受け止めなければなりません。

安全保障関連法(戦争法)の成立以降、安倍政権は、いずも級護衛艦の空母化、長距離ミサイル弾の導入、ステルス戦闘機の配備など、攻撃型兵器の充実を図り、日本領域に限定し必要最小限の防衛力としてきた「専守防衛」のあり方は、すでに破たんしています。日本の領域を超えた南シナ海での日米合同軍事訓練の実施や南西諸島へのミサイル部隊の新設などは、日米統合軍として米軍の東アジアでのプレゼンスを補完し、対中国を意識した軍事力増強の一環であることは間違いありません。

平和フォーラムは、東アジアの安全保障環境を不安定化させる、宮古島をはじめ南西諸島の自衛隊強化を許しません。そして、人びとのくらしに悪影響をもたらす弾薬庫および自衛隊の新基地建設に抗議する地元住民の訴えに連帯し、総力を挙げてとりくみを進めていきます。

桐生悠々と言論の覚悟 週のはじめに考える

 戦前、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けた言論人、桐生悠々。その生きざまは、言論や報道に携わる私たちに、覚悟を問うています。

 桐生悠々は本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ、新愛知新聞や、長野県の信濃毎日新聞などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた、私たちの大先輩です。

 信毎時代の一九三三(昭和八)年、「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」と題した論説が在郷軍人会の怒りに触れ、信毎を追われます。

 その後、新愛知時代に住んでいた今の名古屋市守山区に戻った悠々は、三四(同九)年から個人誌「他山の石」の発行を始めます。

日米開戦は「無謀の極」

 悠々が亡くなったのは四一(同十六)年九月十日でした。その三カ月後、悠々が「無謀の極(きわみ)」とした米国との戦争が始まります。

 戦後、悠々が再び注目されるきっかけは五一(同二十六)年、信毎が紙齢二万五千号を記念し、悠々ら同紙で活躍した言論人を紹介した特別紙面でした。

 これを小説家で文芸評論家の正宗白鳥が読み、東京新聞(現在は中日新聞社が発行)に寄せた「人生如何(いか)に生くべきか」と題する随筆で、信毎の論説や「他山の石」などの悠々の言論活動を振り返りながら、こう評したのです。

 「彼はいかに生くべきか、いかに死すべきかを、身を以(も)つて考慮した世に稀(ま)れな人のやうに、私には感銘された。これに比べると、今日のさまざまな知識人の賢明なる所論も、たゞの遊戯文学のやうに思はれないでもない」

 それは、戦後間もない時期の知識人たちの言論活動が、悠々の覚悟に比べれば、いかに腰の据わっていない浅薄なものか、と正宗は問いたかったのでしょう。

 悠々の言論活動は海外にも視野を広げた豊富な知識に基づいて、過去の習慣や時流に流されない、開明的かつ激越なものでした。

言わねばならないこと

 まずは一二(大正元)年、明治天皇の死去に伴う陸軍大将、乃木希典の殉死に対してです。

 信毎主筆として書いた社説「陋習(ろうしゅう)打破論-乃木将軍の殉死」では「殉死もしくは自殺は、封建の遺習である」「野蛮の遺風である。此(こ)の如(ごと)き陋習は、一刻も早く之(これ)を打破せねばならぬ」と指摘しました。自刃をたたえるものが目立つ中、異色の社説です。

 新愛知時代の一八(同七)年に起きた米騒動では米価暴騰という政府の無策を新聞に責任転嫁し、騒動の報道を禁じた当時の寺内正毅内閣を厳しく批判します。

 悠々は新愛知社説「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立ちます。批判はやがて全国に広がり、寺内内閣は総辞職に追い込まれました。

 そして信毎論説「関東防空大演習を嗤ふ」です。敵機を東京上空で迎え撃つ想定の無意味さを指摘したことは、日本全国が焦土と化した戦史をひもとけば正鵠(せいこく)を射たものですが、軍部の台頭著しい時代です。新聞社は圧力に抗しきれず、悠々は信州を離れます。

 それでも悠々は名古屋に拠点を移して言論活動を続けました。軍部や政権を厳しく批判する「他山の石」は当局からたびたび発禁や削除処分を受けながらも、亡くなる直前まで発行が続きました。

 悠々は「他山の石」に「言いたいこと」と「言わねばならないこと」は区別すべきだとして「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」と書き残しています。

 悠々にとって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だったのです。

 正宗が言う「いかに生くべきか、いかに死すべきかを、身を以つて考慮した」悠々の命懸けの言論は戦争への流れの中では顧みられることはありませんでしたが、戦後再評価され、今では私たち言論、報道活動に携わる者にとって進むべき方向を指し示す、極北に輝く星のような存在です。

嵐に鳴く蟋蟀のように

 <蟋蟀(こおろぎ)は鳴き続けたり嵐の夜>

 悠々のこの句作が世に出た三五(昭和十)年は、昭和六年の満州事変、七年の五・一五事件、八年の国際連盟脱退と続く、きなくさい時代の真っただ中です。翌十一年には二・二六事件が起き、破滅的な戦争への道を突き進みます。

 もし今が再び<嵐の夜>であるならば、私たちの新聞は<蟋蟀>のように鳴き続けなければなりません。それは新聞にとって権利の行使ではなく、義務の履行です。

 来る十日は悠々の没後七十八年の命日です。大先輩を偲(しの)ぶとともに、業績や遺訓を思い起こし、私たち新聞のなすべきことを考え続けたいと思います。

北陸中日新聞9月8日朝刊社説

 

日本が壊れていく ─日韓関係をめぐって

2019年9月 1日

 2019年7月4日、日本は、貿易管理を理由に半導体材料の韓国向け輸出規制の強化に踏み切った。8月2日、政府は、安全保障上の輸出管理で優遇措置をとる「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。8月28日には政令が施行され、韓国は「ホワイト国」から除外される。日本政府は、あくまでも貿易管理上の国内運用の見直しであるとしているが、優遇措置を受けるグループA(輸出管理優遇措置対象国)からはずれた旧ホワイト国は、韓国のみである。韓国をターゲットにした見直しとしか思えない。

 唐突な見直しは、2018年10月30日の日本企業に対して韓国人の元徴用工に賠償を命じる大法院判決の意趣返しではないのか。安倍首相は、「判決は日韓請求権協定に反しており国際法違反」と主張するが、サンフランシスコ講和条約の請求権放棄の条文に関して、日本政府は「自国民の損害について、相手国の責任を追及する『外交保護権』を放棄したもの。個人が直接賠償を求める権利に影響はなく、国に補償の義務はない」と主張していた。私は、「個人請求権は消滅しない」という日本政府の従来の主張から言えば、企業に対する賠償命令は当然と考える。大法院判決の「企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の賠償請求権は日韓請求権協定の適用外」とする判断は、人権の国際的潮流からすれば正当と判断されてしかるべきだ。

 河野外相は、韓国のナム・ガンビョ(南官)大使を眼前に、「極めて無礼だ」と罵った。このような振る舞いを、韓国国民はどの様に見たのか。そして世界はどう見たのか。「傲岸不遜」と言う言葉がこれほどしっくりくる行為もないだろう。韓国の除外でアジアからホワイト国が消えた。「我れは心に於て亞細亞東方の惡友を謝絶するものなり」とした脱亜論の言葉が浮かんでくる。ホワイト国からの韓国除外の意見公募は3万件を超え、その9割以上が賛成だったという。私の感覚からは理解不能だ。「暴支膺懲」「鬼畜米英」と憎悪をあおり「挙国一致」「尽忠報国」「堅忍持久」を強いた時代を思い出す。「表現の不自由展」を潰した河村名古屋市長の、韓国の彫刻家キム・ウンソン(金運成)とキム・ソギョン(金炅)の「少女像」(慰安婦像)に対する「日本国民の心を踏みにじる行為」との主張とだぶって、日本は壊れていく。
(藤本泰成)

                                                      7.23声明
マイナンバーカードの取得を強要する普及と利活用の促進方針を許さない!(国家・地方自治体職員に、任意である交付申請を強制するマイナンバー反対!)

共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会より無断転載

政府は2019年6月4日のデジタル・ガバメント閣僚会議で「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針」を決定し、6月21日「骨太の方針2019」で閣議決定した。

この方針は、2022年中にほとんどの住民にマイナンバーカードを所持させようとしている。2016年1月から交付の始まったマイナンバーカードは、3年たっても13%の交付率(交付数約1656万枚、2019年4月1日現在)にとどまり、最近は日1万枚前後しか交付されていない。それを今後3年余りで1億枚以上交付申請させようとする無茶苦茶な方針である。

2015年10月にスタートしたマイナンバー制度は、2018年11月の内閣府の世論調査でも「マイナンバーカードを今後も取得する予定はない」53.0%、「マイナポータルを利用してみたいとは思わない」62.2%、「マイナンバー制度に特に期待することはない」39.8%だったように、政府の度々のPRやカード交付を無料にするなどの普及策を行っても、市民から見放されつつある。 

それは私たちが指摘してきたように、マイナンバー制度が費用ばかりかかってメリットに乏しく、プライバシーや財産の侵害を拡大して国家による監視を強化する危険性が知られてきたためである。全国8か所で争われているマイナンバー違憲差止訴訟では、政府ですら保護措置がなければこれら危険性が生じ得ると認めてきた。そして裁判の中では、この保護措置が機能していない現実が明らかになりつつある。

ところが政府は反省もせず、マイナンバー制度が危険だという「誤解を払拭」する宣伝を集中的に行い、マイナンバーカードの取得を強要しようとしている。

政府の普及策の第1は、消費税増税対策としてのマイナンバーカードを使った「自治体ポイントによる消費活性化策」である。しかしこの自治体ポイントは、全国の自治体の1割以下しか実施していない。実証実験を行った市町村では制度が複雑で利用が広がらず、費用対効果に疑問が示されている。それにもかかわらず、2019年度中に全自治体を参加させようとしている。

普及策の第2は、「マイナンバーカードの健康保険証としての利用」である。しかし今後も保険証で受診でき、患者はマイナンバーカードを使う必要はない。医療機関はカード利用のための設備投資を強いられ、セキュリティ対策や窓口でのトラブルに悩まされる。保険者はマイナンバーカード普及の責任を押しつけられることに不安を抱いている。誰にもメリットはない。

普及策の第3は、マイナンバーカードの申請の押しつけである。役所に来たすべての住民をカードの申請窓口に誘導するとか、2019年度中に職員や家族にカードを取得させるとか、他の行政機関や企業、病院、店舗、自治会などに職員が出向いて申請を受ける等の「交付円滑化計画」の作成を市区町村に求めている。これらの無茶な普及策を強行すれば、職員をいくら増やしても足りず、申請が集中して交付が大幅に遅延した2016年交付開始時の二の舞いになる。

マイナンバーカードの取得は、あくまで本人の申請により任意である総務省も「取得を義務づけることは、本人の協力を強要することになり適当でない」と述べている。なぜ任意なのに、必要を感じない申請を強要されるのか。誰のため、何のためのマイナンバーカードなのか。

私たちは、政府がマイナンバーカード取得の押しつけを直ちに中止することを求める。自治体や保険者が、住民や職員、被保険者への取得強要に加担しないことを求める。市民のみなさん、マイナンバーカードの取得を拒否しよう。

                                                                                                                               2019年7月23日

 

被爆74周年原水爆禁止世界大会・広島大会基調

2019年8月 4日

 猛暑の中を全国各地から原水禁世界大会広島大会に足を運んでいただきました皆さまに、心から感謝を申し上げます。若干の時間をいただき、原水禁世界大会の基調提案を行わせていただきます。

 原爆投下から、広島は74年目の夏を迎えようとしています。被爆者の願いであった「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成によって採択されてから2年がたちました。すでに70カ国が署名し、8月2日現在24カ国が批准を済ませています。遠からず条約は発効します。

 日本政府は、条約が米国の核抑止力を否定するとして、署名・批准には後ろ向きです。外務省は、「核に頼らない安全保障を考えていかなくてはならない。その状況を作っていきたい」と答えています。その姿勢は、まさに核兵器禁止条約の署名・批准への姿勢なのです。被爆国日本の政府が核兵器禁止条約の署名・批准を行う。そして非核保有国すべてが批准する。そのことで核抑止のあり方を変えていく。唯一の戦争被爆国日本の政府の役割はそこにあります。

 原水禁は、連合、KAKKINとともに、日本政府に対して核兵器禁止条約の署名・批准を求める「核兵器廃絶1000万署名」をスタートさせました。日本から、非核保有国全てへ、そして核保有国へ、核兵器禁止条約の輪を広げていきましょう。原水禁は、核兵器廃絶1000万署名に全力を尽くします。

 「ストックホルム国際平和研究所」が発表した推計によれば、2019年1月時点の米露英仏中の5カ国とインド、パキスタン、イスラエル、朝鮮を加えた計9カ国が持つ世界の核弾頭数は1万3865発で、米露による削減の結果前年度比で600発の減となっています。
新START、新戦略兵器削減条約は、確実に核弾頭数を減らしています。しかし、一方で同研究所は、核弾頭や発射システム、製造施設など核兵器に関わる総体の近代化が進められているとも指摘しています。

 トランプ政権は、この間、「アメリカ・ファースト」「力による平和」を標榜して、一方的、挑戦的な強硬姿勢を貫き、これまで国際社会が作りあげてきた、核軍縮の枠組みを破壊しています。2018年には、イランとの核合意から一方的に離脱し、イランへの経済制裁を再開しました。混迷をますイラン情勢は、ペルシャ湾・ホルムズ海峡での緊張を生み出し、自ら有志国連合を呼びかけることとなっています。

 今年2月には、ロシアとの中距離核戦力全廃条約からも、ロシアの中距離核開発と条約の制約を受けない中国の中距離核開発を理由に離脱を表明し、8月2日に条約は失効しました。米露間では、今後中距離核開発をめぐって軍拡競争へ突入していく危険性も懸念されます。ヨーロッパ地域や東アジア地域の安全保障にとって、重大な事態を招いています。米国からは、同盟国日本への中距離核の配備要請の声も聞こえ、国是である非核三原則に抵触し、その空洞化すら懸念されます。米露両国は、重要な新STRATの継続の協議も含めて、核保有国の責任として、新たな核兵器削減・廃絶の枠組みの構築に努力しなくてはなりません。

 米トランプ大統領との親密な関係を強調し、日米同盟の深化を提唱する安倍政権は、核搭載可能なF35ステルス戦闘機105機、総額で1兆4000億円もの購入を決定し、ヘリ搭載の護衛艦「いずも」をF35B戦闘機を搭載しての空母への改修、敵基地攻撃を目途にした巡航ミサイルなどの導入を決定しています。

 昨年9月には、海上自衛隊は最大級のヘリ空母「かが」を含む護衛艦3隻と潜水艦「くろしお」を南シナ海に派遣し、対潜水艦訓練を目的とした演習を実施しました。ヘリ空母「いずも」と護衛艦「むらさめ」は、今年5月に、米海軍、インド海軍、フィリピン海軍との4カ国共同訓練を南シナ海で実施し、6月には、同じ南シナ海海域で、原子力空母「ロナルド・レーガン」を中心とする空母部隊との共同訓練を実施しています。米国や英国も駆逐艦などを派遣し「航行の自由作戦」を展開し中国と対立するきわめて緊迫した海域での訓練は、極めて異例です。

 安倍政権は、一帯一路政策を推進する中国を仮想敵として、インド太平洋構想を提唱し、米軍と一体となった軍事行動を展開しています。米国は、第2次大戦後も「世界の警察」を自任しながら、自らの覇権かけて、世界各地で地域紛争に介入しつつ、自ら戦争をひき起こしてきました。安倍政権の「日米同盟基軸」の姿勢と「積極的平和主義」の考えは、日米一体となった「日米統合軍」をつくり出し、自ら積極的に米国の覇権に協力することを確実にしています。

 このような情勢を受けて、沖縄県名護市辺野古では、在日米軍海兵隊の新基地の建設が強行されています。県知事選挙、各国政選挙、そして今年2月の辺野古埋立の賛否を問う県民投票、様々な形で示された沖縄県民の辺野古新基地建設反対の意志は、安部政権の建設強行に踏みにじられ、もはや沖縄には民主主義、憲法がないと言うほどの事態を引き起こしています。私たちは、沖縄県民とともに、核のない、基地のない沖縄をめざしてとりくまねばなりません。

 G20大阪サミット後の6月30日に、韓国を訪問したトランプ米大統領は、軍事境界線上の板門店において、出迎えた金正恩朝鮮国務委員長と約50分間にわたって会談しました。会談の中で、今年2月のハノイでの会議以降途絶えていた朝鮮半島の非核化への実務者協議を、再開することで合意をしています。

 朝鮮半島の非核化に向けての議論は、一朝一夕に進むものではありません。米朝間もしくは中国を加えて、朝鮮戦争の終結、平和協定の締結、さらには東北アジア非核地帯構想の実現に向けて進み出すこと、段階的な非核化へのプロセスとそれに伴う制裁措置の解除、話し合いの進展のために連絡事務所の開設など、信頼感を高めながらひとつ一つの課題を克服していく粘り強い努力が必要です。早期の実務者協議の再開が待たれます。

 朝鮮半島情勢が進展する中にあって、制裁の強化に固執してきた安倍首相は、この間、存在感を示すことができないできました。重要課題としてきた拉致問題さえも、米朝首脳会談に託すこととなっています。情勢を打破すべく、安倍首相は突然、朝鮮に対して「無条件の対話」を提起しました。朝鮮政府は、「朝鮮への敵視政策は少したりとも変わっていない」と突き放しています。

 安倍政権は、2002年の「日朝平壌宣言」に立ち返って交渉を開始すべきです。日本国内における、高校無償化からの排除に象徴される在日コリアンへの差別の解消や在朝被爆者への援護開始、国交回復後の拉致問題の解決などを前提としつつ、朝鮮敵視の政策を転換し、まずは連絡事務所の相互開設などによって相互信頼の醸成にとりくみ、対話の中で国交の正常化をめざすべきです。朝鮮敵視政策を継続する安倍政権は、21世紀の東アジア社会での自らの立場を誤っています。

 次に、原子力エネルギーをめぐる現状と福島の今について提起したいと思います。

 雑誌「世界」の2019年7月号、「原子力産業の終焉」と題した特集において、原子力アナリストのマイケル・シュナイダーさんは、原子力発電所の現状について、世界の商業用電力ミックスにおける原子力の割合は、1996年以来17.5%から10%に低下し、様々な要因から原発はもう市場での競争力を失っていると指摘しています。

 安倍政権がアベノミクスの重要な柱に位置づけてきた、日本の原発輸出政策は、インド、ベトナム、トルコ、イギリス、ヨルダンで、全てが頓挫・失敗・撤退しています。安全対策などによる原発建設コストの増大は、原発を市場経済から閉め出す方向に動いています。
東芝、日立製作所、三菱重工の日本を代表する原発メーカーが、政府方針とともに原発建設に拘泥するならば、企業の将来にも、日本経済にも暗雲をもたらすでしょう。原発輸出を基本政策としてきた安部政権の責任は重大です。

 原水禁は、原子力の商業利用にも、一貫して反対してきました。福島第一原発事故に際しては、大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さんなどの9人の呼びかけ人と、様々な市民の皆さんの協力を得て、「さようなら原発1000万人アクション」の運動を展開し、「脱原発・持続可能で平和な社会をめざして」の声を上げ続けてきました。私たちの知る限り、脱原発の世論は圧倒的多数を示しています。これほど世論と政治の乖離が大きい政策はありません。

 事故を起こした福島第一原発の現状は、極めてきびしいものがあります。事故収束までの費用を経産省は21兆5千億円と見積もっていますが、70兆円などとの試算も出ており、今後の見通しは全く立たずにいます。

 高線量の放射能に阻まれて、溶融した核燃料は手つかずのまま、冷却を続けるしかない状態で、汚染水はたまり続けています。作業の長期化は避けられません。福島県内には、汚染水のみならず、瓦礫、伐採木、防護服などの焼却灰、そして除染によって出された汚染土など、様々な放射性物質に汚染されたものが、未だに住環境のすぐ側に積み上げられています。事故収束作業や様々な場面で労働者がヒバクする事態は避けるべきであり、何よりも暮らし続ける市民の環境をこれ以上汚染することは許されません。

 福島県は「県民健康調査」において、福島原発事故当時、概ね18歳以下であった子どもたちに甲状腺(超音波)検査を実施してきました。2019年 3月末現在、2018年末より 6人増えて218人が甲状腺がんまたはがんの疑いとされ、174人が手術を受けています。甲状腺評価部会は「現時点で、放射線被ばくとの関連は認められない」としていますが、甲状腺がんを始めとする健康リスクは、原発事故がなければなかったのです。

 国は事故の責任を認め、被爆した人々の医療支援や精神的ケアに全力を尽くすべきです。浪江町や飯舘村では「健康手帳」のとりくみがすすめられています。広島・長崎の被爆者、そして原水禁運動が、長い闘いの中で勝ち取った、原爆被爆者健康手帳と同様の法整備を、国の責任として進めなくてはならないと考えます。

 被災地福島では、8年余経った今も県内に1万1,084人、県外に3万 1,608人、避難先不明者も含めて合計4万2,705人が、長期の避難生活を余儀なくされています。
政府は、法律で定められている年間被ばく限度1mSvに従わず、国際放射線防護委員会が定めた、重大事故時の被ばく基準を勝手に適用し、法の定めの20倍もの被ばく量を、避難指示を解除した地域の住民に押しつけています。

 避難指示解除に合わせて、住宅支援、精神的賠償などの支援を次々に打ち切り、被災者が帰らざる得ない状況を作り出しています。避難指示解除区域では、医療や介護、日常生活に必要な各種インフラやサービスは全く不十分なままで、居住率は25%程度、高齢化率は、事故前の27.3%から44.3%に上昇しています。

 国は、「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を策定し、福島事故では放射線の被ばくによる健康影響は今後もなく、福島は復興しつつあるとし、事故被害者を切り捨て、原発再稼働を推し進めようとしています。

 復興庁作成の「放射線のホント」や文科省が全国の小中高校に配布した「放射線副読本」などは、放射線のリスクを矮小化し、誤った知識を持って原発の稼働を許そうとするものです。将来のエネルギー政策を選択する権利を持つ者に対して一方的な意見を押しつけることが許されるわけがありません。風評払拭と言う言葉を利用して、フクシマを亡きこととし、原発推進をすすめる環境づくりを許してはなりません

 政府は、電力会社は、目先の利益のみを追求し、膨大な投資を行い、原発の再稼働をすすめようとしています。経団連は、原発を基本とした将来のエネルギー政策を提言し、国の第5次エネルギー基本計画には入れることができなかった原発の新設も、要求しています。中国電力は、地元広島に近い上関原発の埋め立て申請許可の延長を求めるなど、原発新設に前のめりの姿勢を見せています。フクシマの現状を見たとき、第一原発の前に立ったとき、なぜ、原発を将来のエネルギーとして選択できるのか、理解できません。全ての状況が、全ての数字が、「脱原発」を選択していることは明らかです。

 死を目前にする兵士の心情を描いた「桜島」で著名な小説家、梅崎春生は、「どのみち死なねばならぬなら、 私は、なっとくして死にたいのだ」と述べています。1945年8月6日、瞬時に奪われた命は、何を思うのでしょうか。「納得」と言うならば、納得すべき何ものもなく死に見舞われた者は、何を思うのでしょうか。

 広島大会に先立つ福島大会で、多くの原発事故被災者に「ふるさとの喪失感」が伴うとの話を聞きました。故郷を奪われたことを、どう自らに納得させるのか、その困難が、喪失感を生んでいくのでしょうか。

 命と命に付随する人間の全てを、私たちは決して「納得」せずには奪われない。その権利を持っていることを、改めて確認したいと思います。そして、そのことを原水禁の基本に据えて、更なる運動の展開をめざそうではありませんか。

 その決意を申し添えて、被ばく74周年原水禁世界大会の基調提案といたします。

2019年8月2日

 

中距離核戦力(INF)全廃条約失効に関する事務局長談話

原水爆禁止日本国民会議

事務局長 藤本泰成

 米露の二国間で交わされていた「中距離核戦力(INF)全廃条約」が、8月2日失効した。今年2月に米国は、ロシアが条約に反して中距離核の開発を進めているとして、条約からの離脱を表明して以来、ロシアと対立したまま条約が定める失効日を迎えた。核兵器禁止条約が採択され、徐々に署名・批准する国が増加し、核兵器廃絶への声が高まった中で、中距離核戦力(INF)全廃条約の失効の影響は大きい。「核なき世界」を希求してきた国際的機運の後退が懸念される。

 INF全廃条約は、東西冷戦の中1987年12月8日に、米国とロシア(旧ソ連)の間で調印され、条約が定める期限(1991年)までに、米露双方の中距離核戦力は全廃された。ヨーロッパ社会の安全保障にとってきわめて重要な条約であったことは間違いない。米トランプ政権は、条約に参加しない中国も含めて新たな核軍縮の枠組みをと提言したが、この間そのような状況が動き出したとは聞かない。一方的な離脱と提言からは、何も生まれてはいない。

 「核なき世界」を提唱した米オバマ前政権の政策から一変して、米国トランプ政権は、自国第一主義と力による平和を標榜して、他国に対して様々な圧力をかけ続けてきた。昨年のイランの核合意からの離脱は、ペルシャ湾ホルムズ海峡の不安定化をもたらし、自ら世界各国へ有志国連合への参加を呼びかけるものとなった。INF条約やイラン核合意からの離脱は、その象徴的なものである。これまで世界が長い間地道に積み上げてきた、平和と核兵器廃絶への枠組みを、米トランプ政権が一方的に破壊していくことは絶対に許されない。2021年には、新戦略兵器削減条約(新START)が期限を迎える。更なる削減に向けて米露両国は、条約の延長に向けた交渉をすみやかに開始すべきだ。

 米トランプ政権は、核政策の見直し(NPR)において、地域を限定して使用可能とする核弾頭の小型化や通常兵器の攻撃に対して核の使用を可能とするなど、核攻撃能力の強化を狙っている。自らが核に依存する一方で、朝鮮民主主義人民共和国に対して核政策の放棄を要求している。自らの強力な軍事力を背景にして、思うがままに主張していく米国の姿勢が世界平和をつくりあげるとは決して言えない。一方的で独善的な圧力は、予期せぬ事態を誘発していく可能性がある。

 日本政府も、日米同盟の深化を標榜し、米国の核抑止に依存し核兵器禁止条約の署名・批准に否定的な姿勢を崩さない。唯一の戦争被爆国を標榜する日本の姿勢とは、到底言えるものではない。                                2020年に控えたNPT再検討会議に向けて、米国を中心とした核兵器保有国は、核兵器廃絶へ向けた確固たるアプローチの再構築をめざさなくてはならない。日本は、そのためのイニシアチブを確立しなくてはならない。原水禁は、原水禁世界大会を前に、「核絶対否定」の原則の下、核兵器廃絶の声を後退させることなく、全力でとりくんでいく。

被爆74周年原水爆禁止世界大会「フクシマ アピール」

2019年7月27日

 原発事故から8年余りが経過しましたが、原発事故で失われた人々の生活は取り戻せません。今でもたくさんの県民が、原発さえなければという思いを抱きながら暮らしています。旧避難区域では「復興」に向けた努力が続けられていますが、まだまだ住民の帰還には多くの課題があります。故郷への帰還を待ち続けながらも、その思いが叶わず「無念」のうちに亡くなられた方も多く、原発事故関連死は2000人を超え増え続けています。

 「廃炉なくして復興なし」とする被災県民の、8年以上の苦渋の重さは計り知れません。福島では、昨年6月の東電による福島第二原発の廃炉検討表明以降も、全基廃炉の即時決定を求める運動を続けてきました。同時に、課題が山積している事実を通して、廃炉以降の次なる運動へのステップについての議論も行ってきました。東電の廃炉決断は当然のことです。しかし、被災者の生活再建や健康への懸念を払拭できるものではありません。重大事故を起こし甚大な被害をもたらした東電と国の責任は明らかで、被害者支援・賠償の切り捨てを許さず、被害者の人権の確立と補償を求めるとりくみを進めなければなりません。
 福島県に隣接する、女川・東海第二・柏崎刈羽原発をはじめ全国で、原発の再稼働反対の運動が進められています。世界では、フクシマ原発事故の甚大な被害を教訓に、脱原発の方向にエネルギー政策を転換する国が増えています。8年以上が経過しても元に戻せないフクシマの現実を直視し、そして共有し、フクシマから発信し続け、原発のない社会の実現を展望した運動を強めなければなりません。国の原発推進政策を中止させ、エネルギー政策の転換を強く求めていきましょう。
 
 原発事故直後の高線量の中で、多くの人々が、被ばくを強いられた事実を消すことはできません。そして健康への不安は消えることはありません。私たちは、国策で推進した原発で重大事故を起こし、放射能汚染をもたらし、多くの人々に被ばくのリスクを負わせ、人権を侵害した国と東電の責任を改めて厳しく問い、責任を持って被害者の健康管理と医療、生活の補償を行うよう、とりくみを進めなければなりません。
 国や東電は、原発事故による放射能の被害を消し去ろうとする動きをより強めています。県内では、「復興」と東電福島第一原発の事故収束・廃炉作業の「安全性」をPRする施設が次々と作られています。また、モニタリングポストの撤去や米の全袋検査から抽出検査への切り替えの動き、トリチウム汚染水の海洋放出問題、除染土壌を公共事業に再利用する実証実験など、事故による放射能汚染を隠し、さらに拡散しようとしています。このような動きに反対するとりくみを引き続き強めましょう。
 フクシマの悲劇を二度と繰り返してはなりません。私たちは全国、全世界の反核・脱原発運動と連帯します。ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリをはじめ、世界の核被害者と連帯します。「核と人類は共存できない」ことを原点に、原発も核も戦争もない平和な社会の実現に向けともに前進しましょう。
 
                                                                                                                          2019年7月27日
被爆74周年原水爆禁止世界大会・福島大会

2019年7月17日

石川県知事 谷本正憲 様

                       さよなら!志賀原発ネットワーク

志賀原発を廃炉に!訴訟原告団

命のネットワーク

石川県平和運動センター

(公 印 省 略)

 

              申  入  書

 

 7月5日、志賀原発地内の1号機原子炉建屋そばの防災資機材倉庫付近で作業・点検中の高圧電源車が火災を起こしました。

 この高圧電源車は、福島第一原発事故の教訓の一つであり「要」であり、電源の確保は、「故郷の存続」に関わる重大な問題です。その電源車で火災を起こしたことの重大性は言を俟ちません。

 臨界事故、その事故隠し、安全文化の構築とは裏腹の雨水流入事件、モニタリングポストの水没、作業小屋火災‥、緩みっぱなしと言わざるを得ません。そして、最大の問題点は、「典型的な活断層」を否定し続け、安全性を放置したまま「再稼働」を目指していることです。「また事故か、どうなっとるんや」「やっぱり、原発を運転する資格なしやな」という声が巷に鳴り響いています。

 このような状態の中で、またぞろいつものように「安全性に万全を期すこと」と指導しても何らの解決にもなりません。石川県は今回の事態を深刻に受けとめ、県民、住民の「安全・安心」を担保するため、従来の延長線上ではない「安全・廃炉」指導を行なうことを申し入れます。

                   記

1 北陸電力は、福島第一事故以降も絶え間なく志賀原発で事故を起こしており、原発を運転する「技術的」「倫理的」「能力的」資格がない。志賀原発を廃炉にする指導を行なうこと。

2 志賀原発は「典型的な活断層」の上にあり、県民、住民の「安全・安心」を担保するには、志賀原発を廃炉にするしかありません。廃炉のための指導を行なうこと。

3 2号機の新規制基準への適合性申請では、高圧電源車からの給電も含めた重大事故対策が有効に機能するかを評価し『確認』したとありますが、今回の火災は申請内容に重大な誤りがあったことを北陸電力自ら立証したこととなり、申請は取り下げるべきと考えます。申請取り下げを指導すること。

4 廃炉には相当期間が必要であり、その間の安全を確保する観点から、いわゆる「原子力ムラ」に属さない科学者、地形、断層、放射能、医療などの専門家、脱原発団体から選出した者による「廃炉準備点検委員会(仮称)」を安全対策室の下に設置し、その団体を実施主体とした「総合安全点検」を、原子力規制委員会の点検に加えて行なうこと。

 

2019年7月12日

申 入 書

                                         北陸電力株式会社 社長  金井 豊 様

                         さよなら!志賀原発ネットワーク

      志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団

命のネットワーク

                           石川県平和運動センター

富山県平和運動センター

7月5日、志賀原発で高圧電源車から出火するという火災事故が発生しました。志賀原発構内での火災はこれが3件目ですが、今回は、安全強化策のために配備された高圧電源車からの出火でした。

ところが、当日発表された北陸電力のプレスリリースは、すでに鎮火していることや外部への放射性物質の影響はなかったこと等をごく簡単に報告し、さらに「本事象は、法令の報告対象ではありません」と述べ、あたかも大したことではなかったというような印象を与えるものでした。その文面からは、高圧電源車の火災が「あってはならない重大な事故」であるという認識はまったく感じられず、今後の対応についての言及も謝罪の言葉もない内容でした。

しかし、高圧電源車は福島第一原発事故の教訓を踏まえて、緊急時の電源確保の重要性に鑑み、大事故の際の「事故収束活動の強化・充実」のために配備されたものです。その電源車が点検の二日後にバッテリーケーブルがはずれていて火災を起したのですから、配備された電源車が肝心の緊急時に実際に機能するのかどうか、危惧せざるを得ないような重大な事故のはずです。

2号機の新規制基準への適合性審査の申請では、「高圧電源車からの給電も含めた重大事故対策が有効に機能するかを評価し、対策により事故の進展を防ぎ、原子炉を安定的な状態に保つことができることを『確認』した」とあります。ところが今回の火災事故により、「代替電源からの給電」は絵にかいて「確認」していただけで、実際には機能しないことがあり得ることを北陸電力は自ら実証してしまったのです。これでは申請内容に偽りありと言う他なく、当然、申請は取り下げるべきです。

たとえ停止中であっても電源喪失が起これば使用済み核燃料プールの冷却ができなくなる等、電源の確保は原子力発電所が稼働中か否かにかかわらず安全性に直結する重大な問題です。電源車の火災事故が発生し、しかもその重大性についての認識を欠く対応には、あらためて「北陸電力には原発運転の資格なし!」と言わざるを得ません。北陸電力は、直下に活断層の存在が指摘されている志賀原発の早期再稼働にいまだに固執し続けていますが、停止中の原発の安全管理さえできない電力会社が原発を再稼働させることなど、断じて許されません。

志賀原発は1号機、2号機ともに2011年3月以降停止してすでに8年4ヵ月が経過していますが、この間、この火災事故だけでなく、雨水が原子炉建屋内に流入にすることによる漏電事故、

大雨によるモニタリング・ポスト浸水事故、あるいは運転開始以来一度も点検していなかった換気装置のフィルター損傷等々、事故トラブルの類は枚挙にいとまがありません。一般向け配布しているパンフレットには「志賀原子力発電所では、“福島第一のような事故を起こさない”決意のもと、全力で取り組んでいます」と書かれていますが、「安全最優先」というのは掛け声だけで、現実にはいつどのような事故が起きるか分からない、止まっていても危険なのが志賀原発の実態です。

これらの事故トラブル多発の背景には、長期間停止による運転員のモチベーションの低下やたるみ、チェック体制の不備など「安全文化の構築」にはほど遠い現場の状況があるに違いありません。さらに、事故が起きた際の北陸電力の対応からは、原子力発電所が抱える本質的な危険性への認識が、そもそも欠如しているのではないかと懸念せざるを得ません。

電力供給には必要のない、まったく発電せずに電力を消費しているだけの原発のために、これ以上危険にさらされることのないよう、高圧電源車の火災事故を踏まえて、あらためて「北陸電力に原発運転の資格なし!」と訴えるとともに志賀原発の速やかな廃炉を求め、以下、申し入れます。

【 申入れ事項 】

1.志賀原子力発電所は1号機、2号機ともに 直ちに廃炉にすること。

2.志賀原子力発電所2号機については、新規制基準への適合性審査の申請を速やかに取り下げること。

6.20原水禁富山→石川引継ぎ式・かほく地区集会(内灘町役場前)基調(案)

 ヒロシマ・ナガサキから74年、ビキニ、フクシマと被ばくを強いられた私たちは、総力をあげて「核廃絶」「脱原発」を訴えてきました。その一端は、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル賞や国連の「核兵器禁止条約」の成立として結実しました。

 ところがアメリカは、MDシステムを配備し、相手国の核兵器を無力化させ、実戦で使える「小型核」さえ開発しています。ロシアは、そのMDをかいくぐる新型核を、中国は、米軍の中枢を壊滅させる核を配備しました。この夏、米・ロの中距離「核」全廃条約は期限切れとなり、世界は新たな「核軍拡」の時代に突入しようとしています。

 このような中で、唯一の被爆国である日本は、核廃絶でリードするどころかアメリカを「全面的に支持」して米軍との軍事一体化を進めており、「核兵器禁止条約」の批准には後ろ向きです。

 一方、志賀原発の断層は、「活動性を否定できない」と有識者会合が認定したにもかかわらず、北陸電力は「安全第一」を無視して「再稼働」を目指しています。そもそも、活断層上に原発建設(着工1988年)を誰が認めたのでしょうか。それは、班目(マダラメ)元原子力安全委員長が国会で答弁したように、「そんなことを気にしていたら原発なんか建たない」という考えのもと、北電・行政が強行したものと言わざるをえません。

 その北電は、志賀1号炉で「臨界事故」(1999年6月)を起こし8年間も隠蔽しました。その反省は「蛍光灯が切れても報告する安全風土づくり」でしたが、2016年9月28日、雨水6.6トンが原子力建屋に浸水して配電盤がショートする重大事故を起こしました。しかし、10月3日の「原子力環境安全管理協議会」に報告せず、またまた隠蔽したのです。いまだに「安全性」より「利益第一」の北陸電力には、「原発運転の資格なし」と言わなければなりません。

 私たちは、世界の労働者・市民とともに、「ノー・モア・ヒバクシャ」「ノー・モア・ニュークリア」「ノー・モア・ウオー」の声を上げなければなりません。憲法9条に「自衛隊を明記」して戦争と軍隊を肯定し、災害対策を隠れ蓑に、独裁条項である「緊急事態条項の新設」を狙い、「教育無償化」を口実に国家主義教育を強化しようとする安倍政権を倒さなければなりません。そうしなければ、世界に、子どもたちに未来はありません。

 原水禁石川県民会議はこのことを訴えて基調といたします。

2019年6月20日

富山原水禁引継ぎ式・かほく地区「反核・平和」集会参加者一同

 

 

6.8「志賀原発を廃炉に!」訴訟原告団総会アピール(案)

 ヒロシマ、ナガサキを二度と繰り返さないと誓った私たちは、悔しいことに一部で、「原子力の平和利用」の名のもと受け入れ、原発は「安全」で「クリーンなエネルギー」という政府・電力会社のふりまくキャンペーンに巻き込まれ、2011年3月11日、取り返しのつかないフクシマ原発事故を招き、そこに住んでいた多くの人たちを被ばくさせ、故郷を永遠に奪ってしまいました。

 あれから8年、福島原発1~3号機の圧力容器の底を突き破った核燃料デブリは、近づけば即死するほどの放射能を今も発し続けています。

3・11以降、政府により国内の全原発が停止されましたが、電力会社は、節電キャンペーンを洪水のように繰りひろげた。しかし、日本のどこにおいても電力が足りなくなって止まるというような事態は生まれませんでした。

 2012年6月、「志賀原発を廃炉に!」するため裁判に訴えた私たちの闘いは、間もなく7年を迎えようとしています。すでに有識者会合が、全会一致で敷地内断層を「活断層の可能性を否定できず」と明らかにしているにもかかわらず、金沢地裁は裁判をせず結審を引き延ばし、判決は放置されてきたと言わざるを得ません。

 2014年5月21日、大飯原発3・4号機の差し止め訴訟で樋口英明裁判長は、「生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害の恐れがあるときは・・・侵害行為の差し止めを請求できる・・・その差し止めの要請が強く働くのは理の当然である」「豊かな国土とそこに国民が根を下し生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」という明快な判決を下しました。

樋口裁判長はこの判決にあたって、「現在、原発が完全に安全と思っている人は少数でしょう。ただ、大多数の人はそれなりに安全性があると思っている」と分析し、むしろ「現実的な危険性の有無に裁判官が積極的に目を向けていない」ことを問題提起している。そして、日本列島は4つのプレートの真上に位置し、地震の空白地帯はないので「強い地震は来ない」と誰も予言できない。「常識的な発想、通常の経験則で答えは出るはず」として、「この危険性に着目して裁判すれば結論は明らか」と言い切っています。これほど明快な答えはありません。

危険極まりない原発をこれ以上放置することを許してはなりません。まして、新たに原発の再稼働を認めることは狂気の沙汰と言わなければなりません。

私たちは声を大にして、改めて言わなければなりません。志賀原発をはじめ、一切の原発の即時停止と廃炉を強く求めます。そのために、富山新訴訟をはじめ、脱原発の闘いを強化します。そのことを確認して総会アピールとする。

2019年6月8日

志賀原発を廃炉に!訴訟原告団総会参加者一同

 

北信越キャラバン5.29沖縄連帯集会アピール(案)

   あらたな「捨て石」、九州、南西諸島 日本全土の軍事基地化を許すな!

 いま、安倍政権は、九州を含めた南西諸島にミサイル部隊や水陸機動団を配備し、辺野古では、米軍の最新鋭基地を、「建設反対」の県民意志を何度も無視して強行し、軍事基地が連なる要塞列島となりつつあります。

 また、「対中国戦」を想定し、揚陸艦と連携したオスプレイの「軍事訓練」が昼夜問わず、日本中を「戦場」と見立てて開始されようとしています。まさに「戦争訓練」が住民の頭上で強行されようとしているのです。絶対に許せません。

 一方、安倍政権は、萩市と秋田市に陸上型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」を配備し、「国民の命を守る」と言っています。しかしこの地区は、「北朝鮮ミサイル基地とグアム・ワシントンを結ぶ延長線上」にあり、アメリカ防衛のための基地と言わなければなりません。

 日本のどこにも軍事基地はいりません。一端戦争になれば、間違いなく「標的」にされ「戦場」となるのです。犠牲になるのはいつも労働者・住民です。私たちは沖縄で、佐世保で、そして北信越で、軍備増強反対の闘いを続けています。武力で平和は創れないし、軍隊で平和は来ないのです。

 この「反戦・平和」の声と運動をかき消すために安倍政権は、「(北朝鮮は)我が国に届く弾道ミサイルを保有」し、「奇襲的に攻撃できる能力」を持っていると脅かし、「(中国は)グアム・空母キラーの中距離弾道ミサイルを配備した」と危機を煽りたてます。日本海上空では、米軍の「核」戦略爆撃機B52と小松空自基地のF15戦闘機を飛ばして「核」恫喝を行ない、東シナ海や南シナ海では、米軍と海上自衛隊が「航行の自由作戦」という「軍事作戦」を、空母型護衛艦「かが」や最新潜水艦を派遣して行なったのです。そして昨日、トランプ大統領と安倍首相は「かが」に乗艦し、日・米の軍事一体化を海外にアピールしたのです。

 私たちは、安倍政権による「戦争の危機煽り」を見抜き、「軍事作戦」に断固として反対しなければなりません。そして北朝鮮や中国による「核恫喝」にも反対しなければなりません。

「反戦・平和」の闘いを職場から、より広く、より大きく創り出すことが、沖縄や全国の仲間と連帯することであり、やがては世界に反戦闘争が拡がります。この闘いこそが、戦争的危機を吹っ飛ばす「力」になると確信します。

                          以上、集会アピールとします。

                            2019年5月29日

沖縄連帯集会石川参加者一同

 

5.22原水爆禁止石川定期総会アピール(案)

世界初の原爆投下から74年。私たちは総力をあげて「核廃絶」に取り組んできました。

しかしアメリカは、新たにMDシステムを配備し、相手国の核兵器を無力化させ、実戦で使える「核兵器」さえ開発を進めています。ロシアは、MDシステムをかいくぐる新型核を、中国は、米軍の中枢を壊滅させる核を配備しました。今夏、米・ロの中距離「核」全廃条約は破棄されることが確実視されています。

このような情勢の中、唯一の被爆国である日本・安倍政権は、核廃絶でイニシアティブをとるどころか、「アメリカを全面的に支持」し、米軍との軍事一体化を進めています。

私たちは、「核抑止」論のまやかしをあばき、「武力で平和はつくれない」「軍事力は悪無限的な浪費である」という根本的な批判をしていかなければなりません。

核兵器にはプルトニウムが必須です。日本は、非核保有国で唯一、アメリカと原子力協定を結びプルトニウム利用が認められています。その使途は、核燃料サイクルに限定されていますが、技術は「核開発」と表裏一体です。原発の再稼働は、なんとしても阻止しなければなりません。

現在も、日本を含む世界中で多くの被ばく者が生み出され、苦難を強いられています。フクシマから8年を経た今も大地は汚染され、故郷は喪失したままです。被ばくの全容は解明されておらず、ガン死はこれから百年単位で続きます。ここ石川では、志賀原発を廃炉にすることがなにより重要です。活断層上に原発を建設強行した北電の無責任さと、雨水さえ防げない能力を問い、「活断層の是非は規制委の判断を待つ」という司法の責任放棄も許さず、廃炉を目指さなければなりません。

原水禁石川に結集する諸団体は、新たな核軍拡反対!核開発やめろ!核燃料サイクルの確立反対!原発再稼働阻止!志賀原発廃炉!の闘いをさらに推し進め、「核と戦争のない社会」を創っていこうではありませんか。

以上を確認し、総会アピールとします。

                           2019年5月22日

                     原水禁石川2019定期総会参加者一同

 

 5.3安倍改憲NO!改憲発議NO!集会アピール(案)

日本国憲法の施行から72年目の今日、私たちは、安倍政権による憲法改悪と改憲発議を絶対に許さない決意でここに結集しました。

「戦争放棄と交戦権の否認、戦力不保持」をうたった平和憲法は、とりわけ第9条は、これまでの自民党政権によって骨抜きにされ、安倍政権の戦争法強行(2015年)により、日・米の軍事一体化が推し進められ、戦争する国へと突き進んでいます。

いまや自衛隊は、東アジアからインド・太平洋、シナイ半島までその活動領域を広げ、「島嶼奪還(とうしょだっかん)」作戦や「敵基地攻撃能力」を持つ軍隊になろうとしています。米軍と共に繰り広げる「航行の自由作戦」や「潜水艦哨戒訓練」は、「対中国」戦を想定した軍事作戦にほかなりません。

安倍政権は、「我が国を取り巻く安全保障環境は激変した」と中国(北朝鮮)の脅威をあおり、ミサイル避難訓練などで国民を煽動しています。沖縄では、「沖縄の心に寄り添う」「負担軽減する」と言いながら辺野古新基地建設を強行し、南西諸島は、ミサイルを配備した軍事要塞と化しています。

憲法9条に「自衛隊を明記」することは、戦争にお墨付きを与え、市民が戦争に加担・協力させられることになります。安倍政権はそのために、全国各地の小選挙区で改憲推進組織づくりを進め、国民投票に持ち込むためにあらゆる手段で「改憲発議」を実現しようと狙っています。

私たちは、この改憲運動を草の根から断ち切るため、強い危機意識を持って、より多くの市民に、一切の戦争反対、憲法改悪阻止、辺野古新基地建設反対の闘いに参加することを呼びかけます。私たちは今日の集会で安倍政権の強権政治により、沖縄県民の意思が踏みにじられている現状を学びました。沖縄での座込みをはじめとした粘り強い闘いはいま、世界の知識人や人々を動かし共感を創り出しています。

この力が改憲発議を止め、戦争を止め、安倍内閣を打倒する「うねり」を創り出します。創意工夫ある闘いを職場から地域から創ることを確認し、集会アピールとします。

2019年5月3日  安倍改憲NO!改憲発議NO!

平和憲法施行72周年記念石川県民集会参加者一同

 

2.4県憲法を守る会総会アピール

 平和憲法が施行されて71年。私たちは、立憲主義の下、平和で人権が尊重される社会の実現に向け取り組んできました。しかし、いまや安倍政権は「改憲は国会議員の責務」とまで言い切り、憲法を改悪しようとしています。

 改憲素案では、憲法9条に「自衛隊を保持する」を加えるとしています。改憲されれば、自衛隊は何ら制約を受けることがなくなり、「戦争放棄、戦力不保持、交戦権否定」が有名無実化し、アメリカや同盟国と共に世界中で「戦争する国」の軍隊になってしまいます。

 そしていま、北朝鮮の弾道ミサイルや中国の核戦力増強を名指しで批判、「安全保障を巡る環境は激変しており、敵基地攻撃能力を高め、米国などとともに戦う」と、いつでもどこでも戦争できる準備を進めています。さらに「防衛費」は2018年度末で5兆6千億円、後年度負担を加えると10兆6千億円規模にもなり、核保有国を除けば世界一の軍事大国となっています。しかも今後5年間で、27兆5千億円もの軍備増強を計画しています。その上、日米安保条約に則った共同演習は激しさを増し、北東アジアをはじめ、いまや南シナ海、インド洋まで自衛隊を派遣して対中国包囲網づくりと挑発的な軍事訓練を行っています。国内では、訓練の激化によりオスプレイの墜落や航空機、武器による事故が絶えず、いつ大惨事が起こるか分からない状況にあります。

 さらに改憲素案では、緊急事態条項の創設が謳われ「大地震その他の異常かつ大規模な災害」を隠れ蓑にして、内閣総理大臣が「国家緊急権」を持つことを狙っています。これは、戦争や労働者・市民の決起にも適用され基本的人権と三権分立を「瞬時」に停止する独裁条項です。まさに「ナチスの手口」であり断固として反対していかなければなりません。

 しかも、憲法破壊はすでに始まっています。安倍首相は、時に自らを「立法府の長」と言い、裁判所や行政は政府を忖度する体制に変わっています。辺野古埋立阻止や脱原発などを闘う仲間たちには強権的弾圧が、国会では法案の強行採決が繰りかえされています。各自治体による思想、信条への介入、表現の自由制限なども拡大しています。東京五輪ではテロ対策を名目に顔認証システムや監視カメラの拡大、そして、SNSや携帯電話、Tカードなどの個人情報をこっそり収集してもいます。これらは、本人の了解なく個人を「丸はだか」するものであり、まさに、憲法改悪の先取りといわなければなりません。

 今こそ、人権と民主主義、社会運動(労働、平和、人権、脱原発、環境など)を守り抜くため、あらゆる団体と連携してこれらの策動を止めなければなりません。国境、民族、宗教などを越えて手をとりあい、職場から、地域から、平和と民主主義を実現するために「安倍改憲」を阻止することを訴えて、総会アピールとします。

             2019年2月4日 石川県憲法を守る会総会参加者一同

 

再び示された沖縄の民意を尊重し

名護市辺野古新基地建設の中止を求める声明

平和フォーラム 2019.2.25

2月24日、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が投開票された。その結果、投票資格者の過半数を超える投票によって、新基地建設反対72%、賛成19%どちらでもない9%の結果となり、新基地建設に対する県民の圧倒的反対という意思が示されることとなった。

国土の0.6%に在日米軍施設の70%が集中することによって、沖縄では自由、平等、人権、民主主義がはく奪され、日本がアメリカの属国であるかのようなしわ寄せが、理不尽に沖縄に集中してきた。

この間、2度にわたる沖縄県知事選挙で「基地はいらない」とする民意が示されてきたが、ことあるごとに安倍政権は、これらの公職選挙では新基地建設以外にも「様々な争点がある」ことを理由に無視し、また、法律を濫用し基地建設を強行してきた。

しかし、今回の県民投票はまさに新基地建設のみを対象にしたものであり、いかなる言い逃れも許されない。政府は新基地建設反対の圧倒的な民意に向き合わなくてはならない。

また、辺野古新基地建設については、埋め立て海域の軟弱地盤や活断層の存在、360件に及ぶといわれる高さ制限を超えた基地周辺建造物の存在など物理的に建設が不可能なことは明らかであり、さらに、埋め立て工費についても当初防衛省が示していた2400億円の10倍にも上る2兆5.500億円に膨らむと、沖縄県が試算していることからも、政府は速やかに建設計画を中止すべきである。

一方、来る2月27~28日に、第2回米朝首脳会談が開催されるなど東アジアは非核・平和の実現に向けて大きく動き出している中で、新基地建設がこうした流れに逆行するものであることも強く指摘しなければならない。

平和フォーラムは、この度の県民投票をしっかり受け止め、引き続き新基地建設反対の取り組みを日本の民主主義、立憲主義、地方自治を取り戻す闘いと位置づけるとともに、普天間基地の「5年の運用停止」という政府と県との約束履行を求め闘いを強化していく。

 

米国のINF廃止条約からの離脱に抗議する

原水爆禁止日本国民会議

議  長  川野浩一

事務局長  藤本泰成

    米国ポンペオ国務長官は、2月1日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃止条約からの離脱を正式に表明した。2日には条約履行義務を停止し、ロシア側に通告した。米国は、オバマ前政権時代からロシアに対し、「条約に反して中距離ミサイルの開発を続けている」と非難してきた。トランプ大統領は声明で「ロシアは長きにわたり条約に違反してきた」「米国は一方的に条約に縛られる唯一の国ではいられない」と主張している。米ロ両国は、次官級協議を重ね、ロシアは今年1月23日に条約違反とされる新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」を報道陣などに公開したが、両国の主張はかみあわず議論は平行線に終わっていた。米ロ両国は、しかし、首脳会談などを行おうとはせず、米国の今回の判断となった。原水禁は、短慮とも思える米国政府の判断に強く反対し、抗議する。

    INF廃止条約は、1987年に米ロ(旧ソ連)両国で調印され、91年までに両国合わせて2692基のミサイルが廃棄された。地上配備の中距離ミサイルに特化された同条約は、核軍縮の潮流を形成し、アジア・ヨーロッパ地域の安全保障に貢献してきた。今後、米国は中距離ミサイルの本格的開発に入ると考えられ、昨年発表された「核体制の見直し(NPR)」に示された核弾頭の小型化や海洋発射型巡航ミサイル(SLCM)の開発を加えて、オバマ前政権の掲げた「核なき世界」への構想から大きく後退する。ロシアのプーチン大統領は、条約破棄の通告に対して「自国の安全を強化する追加措置をとる」と述べ、条約の義務履行を停止すると表明した。INF廃棄条約に加盟していない中国の、中距離弾道ミサイル「東風」の配備なども含め、アジア・ヨーロッパ地域の安全保障の後退は必至と言える。また、2021年には米ロで結ばれた新戦略兵器削減条約(新SATRT)の期限を迎え、その協議にも大きな影響を与えることが予想され、軍拡競争の時代に戻ることさえも懸念される。

    トランプ政権は、イランの核兵器開発を大幅に制限する「イラン核合意」や地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」からの離脱など、 自国の利益最優先する「アメリカ・ファースト」の姿勢に終始している。国際協定を順守し、発展させて平和を構築しようとの姿勢は見られない。圧倒的軍事力を誇る米国は、第2次大戦後も1950年の朝鮮戦争に始まりベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン・イラク戦争と繰り返してきた。そのいずれもが、平和をつくり出したとは言えない。米国は、構造的暴力を排除する「積極的平和」を立ち位置として、持続可能な社会の構築のためにこそ、その国力を国際社会へ惜しみなく注ぐべきだ。

    米国とロシア・中国の対立は、「アジアでのミサイル配備競争のドアを開く」(米シンクタンク「軍備管理協会」ダリル・キンボール会長)との指摘もある。その時には日本も蚊帳の外にいられまい。INF廃止条約離脱に際して、日本を含む同盟国の協力と政治的問題の克服を求める声もある。日本への配備要求が高まっていくことが懸念される。米国が国際社会でのリーダーとしての役割を失いつつある今、日本は、毅然とした態度で、米国と中国・ロシアの対話と協調を図り、アジアの平和への視点を持って対処しなくてはならない。河野太郎外務大臣は、「条約が終了せざる得ない状況は、世界的に望ましいものではない」との立場を表明している。被爆国日本としての役割を自覚し、条約の維持と拡大に向けての努力を怠ってはならない。

    原水禁は、米国政府のINF廃止条約離脱を許さず、日本政府に対してその維持に努めるよう要請する。加えて、核兵器禁止条約への署名・批准が進む中にあって、核廃絶への道を決して後戻りさせないようとりくみの強化をめざす。

(2109.2.4)

 

トランプ時代「ファシズムの再来」
~2020年「再選」後も続く可能性~

(【地球コラム】時事通信より)

1930年代の台頭期を彷彿

パリの第1次大戦終結100年記念式典に出席するトランプ米大統領(左から2人目)。右隣はメルケル独首相とマクロン仏大統領=2018年11月11日、パリ【AFP時事】

パリの第1次大戦終結100年記念式典に出席するトランプ米大統領(左から2人目)。右隣はメルケル独首相とマクロン仏大統領=2018年11月11日、パリ【AFP時事】

1千万人以上の犠牲者を出した第1次世界大戦(1914~18年)の終結から今年で100年。この間、各分野のグローバル化が進み、国際協調が不可欠な時代を迎えているにもかかわらず、パリで11月11日に行われた記念の平和フォーラムでは、主要国の首脳らが世界を分断する「ファシズムの再来」への危機感を相次いで表明した。懸念の源の一つは、トランプ米大統領が掲げる「自国第一」の排他的な外交姿勢だ。2020年の再選を目指し、国家主義、重商主義、保護主義を強化するとみられているトランプ氏は、ファシズムをよみがえらせるのだろうか。

(時事通信社外信部編集委員・水本達也)

◇ ◇ ◇

第1次大戦の戦没者追悼式典が行われた11日のパリ、気温は約12度。60カ国以上の首脳らがマフラーやコートに身を包み、屋外での行事に臨んだ。この中でもひときわ目立っていたトランプ氏の出席は、6日の米中間選挙の直後でもあり、今後の「トランプ外交」を占う上で注視された。

トランプ氏は9日にパリ入りすると、フランスのマクロン大統領が米国抜きの「欧州軍」創設を提唱したことに「非常に侮辱的だ」とツイート。多国間の連帯を訴えたいマクロン氏との会談冒頭では、憮然とした表情で、安全保障に関わる欧州の負担増を求めた。

トランプ氏の振る舞いに驚きはない。中間選挙で野党の民主党に下院を奪還され、厳しい政権運営を余儀なくされる同氏が「困難に直面すると、引き下がらずに『倍返し』する性格」(米外交問題評議会のジェームズ・リンゼー上級副会長)を外交面でも発揮するのは自明だ。

パリ平和フォーラムで演説するマクロン仏大統領=2018年11月11日、パリ【AFP時事】

パリ平和フォーラムで演説するマクロン仏大統領=2018年11月11日、パリ【AFP時事】

一方、式典の後に開かれた平和フォーラムでは、欧米のきしみが改めて浮き彫りになった。マクロン氏は「ナショナリズムと人種差別主義の再来で、われわれは弱体化している」と国際社会で醸成されつつある排外主義を批判。ドイツのメルケル首相も「国際的な協力が疑問視され、相互の関係や約束事を無視してもよいという風潮が再び生まれつつある」と警戒感をあらわにした。

トランプ政権は17年1月の発足以来、「米国第一」を大義名分に、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」や環太平洋連携協定(TPP)などの国際的な合意から一方的に離脱。さらに移民や難民、イスラム教徒に対するトランプ氏の排他的な姿勢は、世界中の極右勢力を勢いづけている。

第1次大戦で連合国の勝敗を決定づけたのは、米国の参戦だった。グテレス国連事務総長は、その米大統領がもたらすファシズム的な思考様式を念頭に「今日の政治と社会の偏向は、基本的人権と自由、民主主義の原則に危機をもたらす。(ファシズムが台頭した)1930年代と同様のことが今起きている」と警鐘を鳴らした。

ヒトラーの「言論統制」との類似性

ナチス・ドイツ総統ヒトラー(左)とエバ・ブラウン=撮影日不明、ベルリン【AFP時事】

ナチス・ドイツ総統ヒトラー(左)とエバ・ブラウン=撮影日不明、ベルリン【AFP時事】

もちろん20世紀初頭のファシズムが、21世紀のポピュリズムと全く同じ現象だとは言えないだろう。

だが、左派的政治姿勢で知られる映画監督マイケル・ムーア氏は、トランプ政権誕生の背景を描くドキュメンタリー映画「華氏119」で、ナチス独裁者アドルフ・ヒトラーの演説映像にトランプ氏の声をかぶせる場面を挿入し、二つの「イズム」の類似性に危機感を示した。例えば、ファシズムの特徴の一つとして「言論統制」があるとすれば、トランプ政権が中間選挙直後、CNNのジム・アコスタ記者のホワイトハウスの入館証(プレスパス)を取り上げたことはその怖さを想起させる。

経緯はこうだ。トランプ氏は中間選挙の翌日の11月7日、記者会見で、ロシア疑惑について質問しようとしたアコスタ氏に「もうたくさんだ。マイクを置け」と要求。その際にアコスタ氏が、マイクを取り上げようとした女性スタッフを手で制したことを問題視し、入館証を没収処分にした。

アコスタ氏はこれに先立ち、トランプ氏が中間選挙の終盤戦で中米からの移民キャラバンを「侵入者」と呼んで「悪者扱いしている」と異議を申し立てている。トランプ氏は質問には直接答えず、「私に国を運営させてくれ。あなたはCNNでうまくやれば、視聴率が上がるだろう」と一蹴した。

サンダース大統領報道官は、ツイッターで「(アコスタ氏は)女性に手を上げた。許さない」と非難。これに対し、一部の米メディアは、ホワイトハウスが公開した映像について、アコスタ氏が暴力的に振る舞ったように改変された可能性があると伝えている。

ホワイトハウスの記者会見で質問する米CNNテレビのジム・アコスタ記者(手前左)とトランプ大統領(右)=2018年11月7日、ワシントン【EPA時事】

ホワイトハウスの記者会見で質問する米CNNテレビのジム・アコスタ記者(手前左)とトランプ大統領(右)=2018年11月7日、ワシントン【EPA時事】

奇妙だったのは、トランプ氏が記者会見でいつもは無視しているアコスタ氏を指したことだ。想像をたくましくすると、同氏を「無礼なやつ」と罵倒し、相手を怒らせて「国民の敵」をつくり出したかのようにも見える。

その後、首都ワシントンの連邦地裁は処分の効力を停止する暫定命令を出し、アコスタ氏は仕事に戻ることができた。

一方的ツイート4万回、記者の質問は排除

記者会見で、オバマ米大統領(左)の左手を持ち上げるキューバのラウル・カストロ国家評議会議長=2016年3月21日、ハバナ【AFP時事】

記者会見で、オバマ米大統領(左)の左手を持ち上げるキューバのラウル・カストロ国家評議会議長=2016年3月21日、ハバナ【AFP時事】

筆者は、アコスタ氏がキューバのラウル・カストロ国家評議会議長(当時)に対して「なぜ、政治犯を釈放しないのか」と質問する場面を、息を呑んで見守っていたことがある。キューバ人の父を持つアコスタ氏は、「国のために民主主義を目指すのか」ともただした。16年3月、オバマ大統領(同)の歴史的なキューバ訪問を同行取材した時のことだ。

オバマ、カストロ両氏は59年ぶりとなる首脳会談を実現し、共同記者会見を行った。この時、「キューバ独裁政権の議長」が米メディアの質問に応じるのかが焦点の一つだった。アコスタ氏に続いて別の米メディアのベテラン女性記者が、人権問題について質問すると、カストロ氏が段々といら立ってくるのが分かった。ここで助け舟を出したのは、傍らのオバマ氏だった。

「(質問した記者は)米国で高く評価されているジャーナリストの1人で、ほんの少しの答えで感謝すると思う」と声を掛け、カストロ氏の言葉を引き出したのだ。

オバマ氏は在任中、必ずしもメディアと友好関係を保っていたとは言えないが、少なくとも自らの行動や言動への説明責任の重要性は十分すぎるほど認識していた。

米ニューヨーク市マンハッタン中心部に登場したトランプ米大統領の「大統領ツイッター図書館」=2017年6月16日、ニューヨーク【時事通信社】

米ニューヨーク市マンハッタン中心部に登場したトランプ米大統領の「大統領ツイッター図書館」=2017年6月16日、ニューヨーク【時事通信社】

一方、トランプ氏はツイッターを駆使して、歴代大統領とは比べものにならいメッセージを発信してきた。トランプ氏のフォロワーは約5570万人。09年3月のスタートから11月16日現在まで、3万9690回のツイートを発信した。単純計算すると、月約340回となる。

しかしこれらのツイートの内容について記者が細かく質問できる機会は事実上なく、トランプ氏の時にあいまいで一方的な主張がチェックもなく拡散している。