アピール

日米原子力協定の自動延長にともなう事務局長見解

 1988年に発効した日米原子力協定は、2018年7月16日に30年の期限を迎え、自動延長された。1988年当時、日本では33基の原発が稼働していた。その後、2011年の福島原発事故までに54基が稼働し、3基が廃炉、3基が建設中だった。しかし、福島原発事故以降、15基の廃炉が決定し、新規制基準に対応して再稼働している原発は5原発8基にとどまっている。原子力発電をめぐる状況は大きく変化した。

 一方で原子力開発の初期段階から、使用済み核燃料の再処理によって生み出すプルトニウムを利用する核燃料サイクル計画の確立のために、研究開発が進められてきた。1988年段階で、すでに高速増殖炉実験炉もんじゅの本体工事が進められ、1993年には六ヶ所再処理工場の建設が始まった。まさに国家プロジェクトとして事業は、そのスタートを迎えていた。しかし、もんじゅは1995年のナトリウム漏洩事故以来、様々な問題を抱えて2016年12月に廃炉が決定した。六ヶ所再処理工場は23回の完工延期を繰り返し、先の見通しは立っていない。国家プロジェクトは破綻したと言っていい。

 日本は、使用済核燃料の再処理をフランスやイギリスと契約するなどして、現在47トン(原爆約6000発分)ものプルトニウムを保有している。NPT加盟の非核保有国で再処理を行っているのは唯一日本のみだ。プルトニウムは核爆弾の原料であり、使用目的の明確でない余剰プルトニウム持つことは許されない。米国も具体的な削減計画を示すよう迫っていると伝えられている。

 日本政府は、第5次エネルギー基本計画に「プルトニウム保有量の削減に取り組む」との記述を加え、保有量の上限を示すとしている。しかし、核燃料サイクル計画を放棄したわけではない。六ヶ所の再処理工場が稼働すると年間8トンものプルトニウムが分離される。MOX燃料工場を建設し軽水炉によって消費するとしているが、再稼働9基(MOX燃料を使用するプルサーマル炉は4基)という現状が示す通り、今後も順調に再稼働が進むとは思われず、プルサーマルも順調に進むとは考えられない。電力自由化が進みコストの削減が厳しく求められる中で、ウラン燃料の十数倍ものコストがかかることはこの流れに逆行し、MOX燃料は市場価値がないと言わざるを得ない。

 いまや、コストの面からも、安全性の面からも、プルトニウムを利用する合理性はまったくないと言っていい。その中で、核燃料サイクル計画・プルトニウム利用に拘泥することは、「潜在的核戦力」保有という視点から周辺諸国の脅威とも言える。朝鮮半島の非核化の議論が始まってる中にあって、日本のこのような立場は、周辺諸国から納得を得るとは思えない。日米原子力協定の自動延長にともない、今後は一方の通告で協定は終了できる。米国は、日本の原子力政策、特に核燃料サイクル政策により強く意向を反映させることができることとなり、エネルギー安全保障の観点に立てば、核燃料サイクル政策を進めれば進めるだけ、危うい状況を作り出すことになる。日本は、エネルギー問題の視点から、核戦力の視点から「核燃料サイクル計画」を放棄し、プルトニウム利用の政策を改めるべきだ。

  2018年7月17日

原水爆禁止日本国民会議

電力自由化が進む中で事務局長 藤本泰成

 

 

 

 

2018年7月13日

小松基地司令 門間 政仁 様

石川県平和運動センター

                           小松基地爆音訴訟連絡会

小松能美平和運動センター

加賀地区平和運動センター

石川県憲法を守る会

社民党石川県連合

(各団体の公印省略)

日米共同訓練中止申入書

 報道によれば安倍政権は、小松基地をベースに、7月16日~20日の5日間、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機6機程度・隊員120名が、小松基地所属のF15戦闘機4機程度と日本海において共同訓練を実施するとしています。

安倍政権は、「国民の生命を守ることが国家の最大の使命」と主張していますが、この共同訓練は、自らが求めている戦争のできる国づくりと一体化した、「生命を危機に陥れる」軍事行為であり、私たちは絶対に認めることはできません。

しかも、列島の西半分を覆い平成史上最悪の豪雨被害となった西日本豪雨で、死者・行方不明者が200人規模、避難者1万人となり、全力で「国民の生命を守ること」が優先されなければならないときに、なぜ、不要不急の「軍事訓練」を強行するのでしょうか。

今、世界は、対話と協調へと大きく変化してきており、多くの国民も積極的な平和外交を望んでいます。共同訓練は、この流れに水を差す行為でしかありません。

第一次小松基地爆音訴訟が提訴されて42年。基地周辺住民は、未だ、騒音と墜落の危険による精神的、肉体的被害に苦しみ続けています。判決では、この間4回にわたり「受忍限度を超える騒音である。」と厳しく糾弾しています。更に、今年6月6日の全国公害総行動デーにおいて、全国基地訴訟原告団連絡会議と防衛省当局との直接交渉において、小松基地を離陸するジェット戦闘機が発する騒音は、環境基準を定めたいわゆる「10.4協定」が履行されていないことを自ら認め、謝罪しました。それにも関わらず政府・防衛省はいまだに放置しており、人間が人間らしく生きていく権利を無視し続けています。

私たちは、「平和で静かな空」を求めて以下について強く申し入れます。

1.平和を求める点からも、日米共同軍事訓練を中止すること。

2.  環境基準遵守を放棄していることを深く反省し、違法状態を速やかに解消すること。

大飯3,4号機差止め訴訟「控訴審」判決に抗議する

名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)は本日、大飯原発3、4号機の運転差止を認めた福井地裁判決(樋口英明裁判長)を覆し、再稼働を認める判決を下した。

本件は、基準地震動の想定の妥当性が最大の争点であり、昨年4月には島崎邦彦元原子力規制委員会委員長代理による「基準地震動が過小評価されている」という重大な証言があった。これを受け原告は、具体的に大飯原発の基準地震動策定の欠陥を明らかにする石井吉徳元物理探査学会会長の証人申請をおこなったが内藤裁判長はこれを却下した。さらに伊方原発差止訴訟広島高裁仮処分決定の根拠となった火山の影響評価についての山元孝広産業技術総合研究所主幹の証人申請も却下した。十分な審理を求める原告らの訴えを無視し、昨年11月20日、内藤裁判長は審理を打ち切り、強引に結審し、その後の再三再四に渡る原告からの弁論再開の申し立ても拒否し、今回の判決に至った。

司法が十分な審理を尽くそうともせず、原子力規制委員会の判断に追随する今回の判決は、司法の責任放棄と言わざるを得ない。結審後、西川福井県知事が再稼働の同意を表明し、今年3月14日には大飯3号機が、5月9日には4号機が再稼働した。まさに再稼働の動きと軌を一にした国策推進判決であり、福島第一原発事故を招いた司法の責任の欠片すらも意識しない今回の判決は、人権の砦としての裁判所の役割を自ら放棄するものである。

一方、志賀原発1、2号機の差止めを求める私たちの訴訟は早期の結審、判決を求めている。一見、正反対の主張とも映るが、根底にある問題は共通している。有識者会合の評価書は、志賀原発敷地内の断層が将来動く可能性は否定できないとし、活断層との評価で一致しているにもかかわらず、金沢地裁加島慈人裁判長は、原子力規制委員会の審査を見守るのが相当とし、司法の判断を回避する姿勢を示している。名古屋高裁金沢支部と同様、司法の責任放棄である。フクシマを忘れ去るかのような司法の逆行を私たちは絶対に許さず、「裁判で原発を止める」取り組みを強化しなければならない。

私たちはこの間、大飯3,4号機差止め訴訟を担ってきた「福井から原発を止める裁判の会」と連帯し、裁判の傍聴行動や弁論再開を求める裁判所包囲行動にも参加してきた。今回の不当判決に対して共に怒りの声を上げ、今後も志賀1,2号機、そして大飯3、4号機の廃炉を、さらには全原発の廃炉、原発のない社会の実現に向けて、福井の仲間と連帯し今後も奮闘する決意をここに表明する。

2018年7月4日

志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団

東京電力の福島県内全ての原発の廃炉決定に対する原水禁声明

東京電力の小早川智明社長は、6月14日、内堀雅雄福島県知事に対して、東京電力福島第二原子力発電所の4基全てを廃炉にすることで、検討に入ったことを表明しました。これにより、福島県内の10基の原発がすべて廃炉になることとなります。福島第二原発の「廃炉」決断に7年も要したことは、遅きに失しその責任は大きいと言わざるを得ません。   福島県民は、2011年3月11日の福島第一原発事故以来、「原発のない福島を!県民集会」を毎年3月に開催し、福島第一原発の廃炉のみならず、第二原発の廃炉も要求してきました。今回の東京電力の決定は、両原子力発電所の現状からいって当然の結果であり、福島県民の要求にかなうものです。原水禁は、脱原発社会への歩みの一段階として評価したいと考えます。東京電力は、今後、両原発の安全な廃炉に総力を挙げるとともに、再生可能エネルギーを中心とした福島県の復興に、尽力していくことを期待します。

一方で東京電力は、中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎刈羽原発5・6号機(新潟県柏崎市・刈羽村)の再稼働にむけて準備を進めています。また、建設中の東通原発(青森県東通村)の計画も放棄していません。福島第一原発の過酷事故は、多くの人々から日々の生活を奪い、地域の文化を奪い、故郷を奪い、そしてかけがえのない命を奪いました。どのように抗弁しようが、東京電力の責任は逃れることはできません。しかも、事故の収束の作業は、その端緒についたばかりで、今後、膨大な時間と費用が必要となります。国民負担も増え続け、国家財政に与える影響は極めて重大です。東京電力は、溶融した核燃料の取り出しなどについて、明確な作業方法や工程・終了時期なども明確にできないでいます。事故の収束は、今後の研究・開発に待つというきわめて不透明なものであり、増え続ける汚染水の解決策も見えていません。そのような中で、原発の再稼働や新規原発の建設などに着手するなどは、言語道断と言えます。

現在進められている「エネルギー基本計画」の改訂作業では、2030年度時点で原発の電源構成に占める割合を20%~22%する方針を堅持していますが、達成のためには原発30基程度の稼働が必要となりますが、福島第二原発廃炉でさらにその達成は現実的に困難となりつつあります。また、再生可能エネルギーの割合が22%~24%に押さえられ、化石エネルギー依存度の低減を図る姿勢も見えてきません。このような、政府の姿勢は、再生可能エネルギーの将来を塞いでいます。計画の根本的な見直しを強く求めます。

東京電力は、福島県内の全原発の廃炉という決断を機に、政府の方針の拘泥することなく、再生可能エネルギーを基本とした日本の将来を牽引する電力会社としての姿勢を明確にして、日本の市民社会の負託に応えていくことを希望します。加えて、福島第一原発事故の責任を回避することなく、誠実に事故による市民の被害に対する賠償に応じていくことを求めます。そのことは事故を起こした東京電力の責任であり、そのことによってしか市民社会の信頼を勝ち得ることはできません。原水禁は、東京電力が新たな道を歩むことを求めるとともに、脱原発社会へのとりくみをさらに強化していくことを表明します。

2018年6月15日

原水爆禁止日本国民会議

(原水禁)

議長  川野浩一

米朝首脳会談開催にあたっての平和フォーラム・原水禁声明

2018年6月13日

平和フォーラム発26号

各  中央団体・都道府県運動組織 御中

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

事務局長 勝島一博

 

米朝首脳会談開催にあたっての平和フォーラム・原水禁声明

6月12日、シンガポールにおいて、史上初の米朝首脳会談が、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との間で行われた。緊張感漂う中にあって、両首脳が笑顔で握手する姿を、東北アジアの平和と非核化を求めてきた平和フォーラム・原水禁は、心から歓迎したい。

会談後、両首脳は共同声明に署名した。声明では、トランプ米大統領の朝鮮の安全保障の確約と、金正恩朝鮮労働党委員長の朝鮮半島の完全な非核化への責務を再確認し、①両国民の平和と繁栄を希求する意思に基づく新たな米朝関係の構築の約束、②朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築への共同しての努力、③板門店宣言を再確認し、朝鮮による朝鮮半島の完全な非核化にむけた努力、④戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収への努力を確認した。今後、米朝高官による具体的協議を行うとしており、両国が大所高所に立って共通理解の下で朝鮮半島の平和、ひいては東北アジアの平和に向けて努力していくことを心から期待する。

トランプ米大統領が、会談後の記者会見において在韓米軍の削減に触れたことも大きく評価したい。「米韓合同軍事演習は挑発的だ」「朝鮮との交渉中に『戦争ゲーム』をするのは不適切」との言葉に、韓国政府も支持する考えを示した。この姿勢を継続していくことを希望する。

両国は、朝鮮戦争の休戦状態を引きずり、長年にわたって対立してきた。朝鮮戦争を終結し、休戦協定を平和協定に変えることが、東北アジアの平和と安定につながることは論を待たない。そのためには、戦争当事国である中国政府、韓国政府の姿勢もきわめて重要だ。侵略戦争と植民地支配によって、朝鮮半島の南北分断の要因を作った日本政府も、自らの役割を自覚しなくてはならない。

共同声明は、トランプ米大統領が「包括的」と表現したように、非核化への具体的方策に触れていない。朝鮮の核問題を「背信の歴史」などと非難する声もあるが、進み出す一歩が重要であることを忘れてはならない。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言に拘泥し、一歩も進まないのであれば非核化は実現できないと考える。必要なのは、非核化に向けたプロセスを一歩ずつ着実に進めることだ。そのことからも、具体性がないなどとして共同声明の意味を矮小化してはならない。

日本政府は、この間の朝鮮と韓国・中国・米国との外交交渉の蚊帳の外に置かれた。米朝会談は中止するとのトランプ米大統領の計算尽くの発言に、即座に支持すると安倍首相は発言した。これまでも、制裁の継続を唯一訴えてきた。そのような姿勢では、日朝首脳会談が開かれ対話が始まるとは考えられない。「拉致問題を取り上げた」とするトランプ米大統領に対して、「トランプ大統領の強力な支援をいただきながら、朝鮮と向き合い(拉致問題を)解決していく」と応えた安倍首相の姿勢は、主権国家の主体性と言う意味で大きな疑問を感じる。今大切なことは、日朝平壌宣言の誠実な履行を相互で確認し、国交正常化を優先することと考える。拉致問題など未解決な課題は、正常化後に考えられる戦後補償など未整理の課題と共に解決をめざすべきだ。平和フォーラム・原水禁は、東北アジアの平和と非核化に向けて、これまでのとりくみに邁進する。

2018年6月13日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福山真劫

藤本泰成

議長 川野浩一

声明「エネルギー基本計画は原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべき」

2018年5月15日
声明「エネルギー基本計画は原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべき」
原子力市民委員会

2011年3月の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)から7年が経過した。しかし、エネルギー政策は、福島原発事故の教訓を踏まえた方向に転換されておらず、エネルギーを取り巻く厳しい現実に対応しているとはいいがたい1。政府のエネルギー政策において重要な基準とされている「S+3E」の観点からも、福島原発事故のような過酷事故を、日本社会は受け入れることができない。現行の「エネルギー基本計画」における原発の位置づけを全面的に改める必要がある。
2017年8月からの総合資源エネルギー調査会基本政策分科会における「エネルギー基本計画」の見直しの審議では、現行の「エネルギー基本計画」を踏まえてつくられた「長期エネルギー需給見通し」(2030年のエネルギーミックス)を変更せずに、原発比率については20~22%の実現を前提に議論が進み、原発を「重要なベースロード電源」とする骨子案が示された2。さらに経産省の「エネルギー情勢懇談会」では、気候変動に関するパリ協定の発効を前提とした2050年以降を見据えた長期的な脱炭素のエネルギー戦略がテーマとなっているにも関わらず、未だに原発に固執する産業界寄りの議論が繰り返され、長期的にも原発を脱炭素化の選択肢として温存する提言が出されている3
このような政府内での原発の維持や延命政策を前提とする「エネルギー基本計画」の見直しの議論には多くの問題点がある。「エネルギー基本計画」は、以下の論点からあくまで原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべきである。

第一に、原子力発電の根本的な問題点を直視し、原発ゼロを目指すべきである。
これまでのエネルギー基本計画見直しの議論には、福島原発事故の教訓を活かし、パリ協定のもと国際的な気候変動問題への責任を果たし、中長期的に持続可能な社会を実現するというビジョンが欠けていた。政府は、非現実的な原子力維持目標に固執し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーを軽視している。そのため、本格的な気候変動対策を停滞させている。これでは、これまでのエネルギー政策の失敗を繰り返すだけである。
原発を取り巻く現実は厳しい。2014年度に原発の年間発電量はゼロとなり、その後の原発の再稼働も数基に留まり2016年度実績では総発電量の2%にも満たない。原発を維持することが、電力会社の経営にも重大な影響を及ぼしている。新規制基準や原子力規制行政における多くの欠陥、原子力損害賠償制度の不備、運転開始後40年を超えた老朽化原発の運転延長問題、放射性廃棄物の処理・処分の問題などの点でも、原発は困難に直面しており、経済的合理性も失われている。原発の持つこれらの根本的な問題点を直視し、原発ゼロを目指すべきである。
見直しの前提として総発電量に占める原発の割合を2030年に20%~22%にするとしているが、そのようなことは現実には不可能だと考えるのが合理的である。この前提の実現には、廃止が決まっている18基以外の原子炉42基(建設中の3基の原発を含む)のうち約8割を再稼働させ、さらに40年間と決められている老朽原発の運転期間をさらに20年間延長させる必要がある。しかし、再稼働や老朽原発の運転期間延長等で原発を維持することに実現性も国民的支持もない。各種の世論調査によれば、原発再稼働に関しては国民の過半数が反対している。これまで再稼働した原発は8基(2018年5月現在)に留まり、16基は適合性審査への申請の目途さえたっていない。まして、立地自治体や経済界が経済的理由で要望し始めている原発の新設やリプレースも、その実現の見通しはまったく無いのである。

第二に、新規制基準に基づく審査では原発の安全性が確保されない。
政府は、原発依存度を可能な限り低減するとする一方、「世界で最も厳しい水準の規制基準」に適合すると原子力規制委員会が認めた原発については再稼働させるという方針をもち、なし崩し的に再稼働を進めている。しかし、立地審査指針が採用されないなど新規制基準には多くの欠落項目や問題点がある4。こうした基準に基づく適合性審査は、原発の安全性の確保の観点からすれば不十分である。地震・津波・火山などの自然災害への対策や原子力防災を含めた原子力規制行政の問題点も、解消されていない。
さらに例外的にのみ認められるはずの20年間以内の運転延長がなし崩し的に認められ始めている。だが、老朽化した多くの原発には安全上の深刻な問題がある。さらに、原発のテロ対策も明らかに不十分である5。原子力防災に対する政府や自治体の危機管理対処能力もきわめて貧弱である。
多くの国民や周辺自治体などから原発再稼働に反対の意思表示がされているにもかかわらず、再稼働にあたっての同意は、立地自治体のみでよいとされている。これらにみられるように、政府が原発を稼働させる大前提としている「安全性の確保」はされていないし、国民の意見も無視されているのである。

第三に、原子力発電の真の発電コストは高く、隠された様々なコストとリスクがある。
福島原発事故の損害賠償や除染・中間貯蔵施設建設等のため、すでに10兆円を超える資金が東京電力支援のために使われている。また、事故収束や行政の事故対応にも多額の資金が投じられている。これらを合計すれば、福島原発事故による費用は現時点で20兆円を超える。総合資源エネルギー調査会発電コスト検証ワーキンググループは、新設の原発(モデルプラント)が火力よりも発電コストが安いという計算結果を2015年に公表した。だが、事故後に必要となった費用を適切に評価すれば、原発のコストは明らかに高い。また、実績値で評価した場合には、発電コストは火力発電を大幅に上回る6
コスト検証ワーキンググループの示した発電コスト計算は、新設の原発(モデルプラント)についての非現実的な前提に基づいている。実際には、原発の建設コストは福島原発事故後に急騰している。そのために、米ウェスティング・ハウス社は倒産し、日本の東芝は経営危機に陥った。このような現実を政府は改めて認識すべきであり、原発に関する経済性評価を一からやりなおすべきである。
実際には経済性がない原発を電力自由化の中で延命させるために、賠償費用等の一部を託送料金によって回収するなどの措置が政府によって講じられつつある6。加えて、原子力損害賠償法にさだめられた賠償額を有限にしようとする動きも政府に見られる。これらは、原発が国家の支え無しに自立できない、コストとリスクの高い電源であることを示している。

第四に、意思決定プロセスに、市民からの意見を聴取し、反映する努力を行っていない。
政府内で、非現実的な「エネルギーミックス」を前提にした議論が行われているのは、エネルギー政策形成において民主的な意思決定プロセスが欠けているからである。経済産業省が所管する審議会は、委員の構成をはじめ、原発を推進してきた産業界や電力会社の意向が色濃く反映されている。「エネルギー基本計画」の見直しに代表されるエネルギー政策の策定では、意思決定プロセスのあり方から見直す必要がある。3.11後のエネルギー基本計画の見直しでは前政権下で国民的議論が行われ、原発ゼロを目指すことが一旦は決定された。2010年のエネルギー基本計画の見直しの際には公聴会までは開催されたが、今回の見直し過程では意見箱の設置に留まり、また受け付けた意見に関する検討・分析や反映などは全くなされていない。

第五に、原子力発電が「ベースロード電源」という発想が電力システム改革を後退させている。
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の骨子案では、原子力を引き続き「重要なベースロード電源」として位置づけ、年間発電量に占める割合を2030年までに20%以上と2017年の約3%から大幅に増やそうとしている。原子力発電や石炭火力発電を電力供給の中で重要視して「ベースロード電源」とするという考え方は電力自由化や再生可能エネルギーの大量導入が進む中ではもはや時代遅れであり、欧州では、「ベースロード電源」という発想そのものすらなくなっている。むしろ電力システムの調整力が重要視され、硬直的な運用しかできない原発は調整力を阻害する存在になってきている。
原発を「重要なベースロード電源」に位置づけたことにより、再生可能エネルギーの導入が現実に阻害され、導入コストの低減を妨げている。原子力を含む「ベースロード電源」をフル稼働させることを前提にしているため、算定される系統の空き容量がゼロとなり、再生可能エネルギーの系統接続が大幅に制限されるという理不尽な事態が起きているのである。
すなわち、原発を無理に維持しようとするために電力システム改革そのものが後退している。日本では、電力システム改革の第一弾として電力広域的運営推進機関が2015年4月に発足し、2016年4月から電力の小売り全面自由化が行われた。しかしながら、他方で、電力システム改革の下でも原発を維持するための仕組みが次々に構築されている。これは、電力システム改革の理念を大きくゆがめている。

原子力市民委員会は、2014年の「エネルギー基本計画」や2015年の「エネルギーミックス」の策定に際し、国民的合意を得ながら原発ゼロ社会の実現を目指すよう提言してきた。また、2014年4月には『脱原子力政策大綱2014』7を、2017年12月には『脱原子力政策大綱2017』8を公表し、福島原発事故の被害の全貌や後始末をめぐる問題、放射性廃棄物の処理・処分や原発再稼働を容認できない技術的根拠を指摘した上で、原発ゼロ社会を実現するための行程を発表してきた。さらに新規制基準の様々な問題点について特別レポート5『原発の安全基準はどうあるべきか』も発表している。
「エネルギー基本計画」は、原発の様々な問題点を直視し、早期に原発ゼロ社会を実現することを前提におくべきである。その上で、「エネルギー基本計画」を、再生可能エネルギーの野心的な導入目標や国際的に責任のある温室効果ガスの削減目標を含む、日本社会を持続可能で真に豊かなものにするエネルギー基本計画へと全面的に作り直すべきである。

以上

いま、道徳の教科化を問う!

 いま、石川では教育委員会が、従来「教科としての道徳」が「過去の戦争」などを理由に「忌避」されてきたことを打破し、児童・生徒に徹底するため、「教育者」の意識改革と道徳の「教え方」について研修を強化しています。「特別の教科 道徳編」の解説を見ると、『道徳教育は、平和で民主的な「国家及び社会の形成者」として必要な資質を備え心身ともに健康な国民の育成を期すために行なわれる』とし、この「国民育成の基盤となるものが道徳性であり、その道徳性を育てることが学校教育における道徳教育の使命である」として「人が互いに尊重し協働して社会を形成していく上で共通に求められるルールやマナーを学び、規範意識などを育む」としています。

会社経営者も管理者も、レイシストやシオニスト、ナショナリストも区別することなく人として「相和シ」、文句を言わずに働き「社会」に貢献すること、互いに尊重し協働できない者、秩序を乱す者は取り締まる、つまり、「教育勅語」の「徳目」(現代語訳)を理想としているのです。

 

父母ニ孝ニ(親に孝養を尽くし)、兄弟ニ友ニ(兄弟・姉妹は仲良く)、夫婦相和シ(夫婦は互いに分を守り仲睦まじく)、朋友相信シ(友だちはお互いに信じ合い)、恭倹己レヲ持シ(自分の言動を慎み)、博愛衆ニ及ホシ(広く全ての人に慈愛の手を差し伸べ)、学ヲ修メ業ヲ習ヒ(勉学に励み職業を身につけ)、以テ智能ヲ啓発シ(知識を養い才能を伸ばし)、徳器ヲ成就シ(人格の向上に努め)、進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ(広く世の人々や社会のためになる仕事に励み)、常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ(法令を守り国の秩序に遵い)、そして、一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ(国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)。

 

現在、安倍政権は、NSC:国家安全保障会議のもと、監視・弾圧・戦争体制を強行し、「道徳(教育)」を徹底しようとしています。これを看過すると、「国民」が「ルールを守れ」と私たち労働運動の前に立ちはだかり、極めて恐ろしいファッショ社会となります。

現にいま安倍政権は、あらゆる分野で戦前回帰と民主主義破壊を強行し、愛国教育には「友人・知人を優遇」してまで推進しています。強権政治と官僚の“忖度”に支えられた安倍政権は、「100万の国民が死んでも“核”で北朝鮮を壊滅させる」ことを願望する「戦争屋」としての本性をさらけ出しています。

一方で、護憲を主張する国会議員に対しては、「国民の敵」となじる現職自衛官幹部を活用し、ネットでは「ネトウヨ」による個人攻撃を利用しています。まさに「日本会議」系の右翼が台頭し戦前の5.15事件を想起させる事態が現出しています。2020年に「自衛隊明記」の新憲法を施行したい安倍政権は、「北朝鮮危機」を最大限活用して10兆円規模(後年度負担含む)を予算化と軍備増強を成し遂げ、この「自衛隊」を「参戦」させることにより憲法9条を「死文化」させたいのです。

私たちは、労組の団結力と広範な市民との共闘により、「反戦・平和」「反安倍政権」の運動をつくり、「憲法改悪」と「戦争」、教育の国家的再編を阻止しなければなりません。

安倍政権の“最後の悪あがき”を許さず、労働者・民衆の力で打倒しようではありませんか。

2018年6月

 

18年度軍事費5.2兆円、これに匹敵する後年度負担5.0兆円  総額10.2兆円はGDP比1.9%だ

                                                               山口大輔  2018年3月31日

3月28日、参議院で今年度の防衛予算案●1が採決され、成立した。5兆1,911億円(SACO、米軍再編経費を含む。)が計上され、13年度以降6年連続の増額、3年連続の5兆円超えである。GDP1%枠というが国民が支払った税金を元にした18年度の国家予算は約98億円であり、5兆円はその5%になることを国民はもっと意識した方がいい。本欄昨年1月号で説明しているように防衛関係費は表のように、1)人件・糧食費、2)歳出化経費(17年度以前の契約に基づき18年度支払う経費)、3)一般物件費(18年度の契約に基づき18年度支払われる経費)に仕分けできる。

防衛費及び後年度負担額の推移

(参照)
『ファイナンス』「平成27年度防衛関係費について」(財務省、15年5月)、「平成29年度防衛関係費について」(同、17年5月)
2018年のみ「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省、17年12月)
2018年のうち合計後年度負担のみ宮本徹衆議院議員による防衛省提出資料等を元にした18年2月16日衆議院財務金融委員会提出資料(1)

高額装備一覧
今年度調達予定の高額の装備を上から7つあげると以下である。

  • 3,900トン級新型護衛艦2隻(922億円)
  • F-35A戦闘機6機(785億円)
  • 3,000トン型新型潜水艦1隻(697億円)
  • C-2輸送機2機(435億円)
  • V-22オスプレイ4機(393億円)。
  • KC-46A空中給油・輸送機1機(267億円)
  • E-2D早期警戒機1機(247億円)

国民的議論が必要な項目
注1で参照した「わが国の防衛と予算(案)」の中で国民的にもっと議論すべき部分に注意を喚起したい。
最初に「Ⅱ各種事態における実効的な抑止及び対処 1 周辺海空域における安全確保」の中で、敵基地攻撃能力に当たるのではないかとの議論がされている、相手の脅威圏外から発射可能なスタンドオフミサイルの導入に22億円が充てられている。これは憲法9条2項が専守防衛のための戦力のみを認めるという立場に立った場合に違憲となる疑いが極めて強い。
次に「同 2 島嶼部に対する攻撃への対応」のための経費を見る。この目的のために導入されるV-22オスプレイはご存じのとおり構造上の欠陥から事故率が下がらず、むしろ高くなる傾向がみられる。政府は、この理由を説明することができずにおり、構造上の欠陥から来ていると考えられる。警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊ないし地対艦誘導弾部隊を配置する予定の奄美大島、宮古島、石垣島の拠点建設に553億円を計上している。これは尖閣諸島の領有問題を抱える中国を刺激し、中国の軍事力増強を誘発する恐れがある。それに対応して日本がさらに軍事力を増強するという無限ループ(軍事力による安全保障のジレンマ)に陥る可能性がある。拠点が設置される島々は自衛隊部隊の配備により敵の標的となり、戦場となる恐れが高まる。日本政府は部隊を配備すれば抑止力が高まり安全になるという。しかし、住民の安全を考えた時に本当にそうなのか、一義的には該当島嶼の住民、そして日本の安全保障という意味では国民全員が考える必要がある。
最後に「同 3 弾道ミサイル攻撃への対応」に関する経費を見る。まず陸上配備型イージスシステム(イージス・アショア)の導入のための基本設計、地質測量調査等の実施のために7億円を計上している。イージス・アショアは1基1,000億円とも言われており東・西日本に各1基、計2基の導入が予定されている。そしてイージス艦搭載用日米共同開発のSM-3ブロックIIA、IBの取得に627億円を割り当てている。対弾道ミサイルSM-3ブロックIIAの試験は、発射の時間・場所が事前に知られていても100%は成功していない●2。ミサイル防衛の信頼性は未知数である。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)はミサイル防衛を無効にするため、ロフテッド軌道での弾道ミサイルの発射や複数ミサイルの同時発射を模索しているとされている。また3月1日、ロシアのプーチン大統領は年次教書演説でミサイル防衛を突破できる核搭載巡航ミサイルを紹介した。この巨額の費用を伴う楯と矛の競争にも終わりが見えないのは明らかである。
上記3点とは少し趣旨が異なるがⅥ「効率化への取り組み 2 維持・整備方法の見直し」の縮減見込み額685億円という記述が目を引いた。定期整備間隔の延伸等により、維持整備コストの効率化を追求、とされている。「平成30年度防衛関係予算のポイント」(財務省主計官、17年12月)によれば14~18年度で合計2,074億円が削減されている。効率化により費用が削減されること自体は歓迎すべきことである。安全を犠牲にして整備間隔を延伸していることはあり得ないと思うが、整備間隔を空けることは間違いなく整備状況の低下を招いているはずである。2月21日、佐賀県の陸自目達原(めたばる)駐屯地所属のヘリコプターが墜落し乗員2名が死亡したこと、昨年10月17日、静岡県の空自浜松基地所属の救難ヘリコプターが消息を絶ち乗員1名が死亡、3名が行方不明のままであることが思い出される。自衛官の命にかかわる必要な整備を削減して、不要な装備に資金を回しているということは絶対にないようにしてもらいたい。

後年度負担を分析する
本欄昨年1月号で取り上げた後年度負担について、今回は既定後年度負担(翌年度の支払いが前年度までに確定している分)、新規後年度負担(当年度に新たに発生した分)、その合計の年次推移を見てみたい。13年まで3兆円前後であった後年度負担の合計は14年度予算、15年度予算でそれぞれ12、20%と大幅にアップしている。その後も7、5、4%と比較的高い伸び率を示し続けている。18年度案の19年度以降の後年度負担は5兆円を越えており、18年度の防衛予算に匹敵する。その年の既定後年度負担の数字は例年5月に財務省広報誌「ファイナンス」に掲載されているので隠ぺいしているとまでは言えないが、例年、前年の夏に発表される防衛省の「わが国の防衛と予算」では13年以降は既定後年度負担の記載がされなくなっており、後年度負担がどれだけ積み上がっているのかを国民の目に触れなくしようとしているのではないかという疑念を禁じ得ない。
個別の装備について毎年の支払額がどうなっているか防衛省の資料で調べた。高額装備一覧に挙げた装備のうち、他費目との紛れが少ないと思われる新型護衛艦と新型潜水艦に注目した●3。ところが新型護衛艦は922億円のうち今年度の負担がなく、来年から3年間合計で142億円支払うことだけが記され、その後の支払い額の記述がない。新型潜水艦は697億円のうち今年度の負担がなく、2020年度に22億円を支払うことしか示されていない。情報公開で明らかにしていくべきところが多くあるという課題が残った。
本欄の昨年1月号でも説明したように日本は憲法86条により予算単年度主義を取っている。それでは不都合が生じる長期事業、例えば建設事業には、財政法の特例により5年の分割支払いが可能とされてきた。厳しい財政状況を理由として15年4月30日、「特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法」が施行され、これにより10年の分割払いが可能になった。これは直前の3月31日に成立した15年度予算にも適用可能とされている。ここで15年度の後年度負担とそれに対応する16年度以降の歳出化経費(もう一度説明すると「前年度以前の契約に基づき当年度支払う経費」)との関係について分析した。15年度の歳出化経費の額がその後4年間続いたと仮定してシュミレーションを行った(15~17年度まで歳出化経費は1兆8,260億円~1兆8,767億円の間にあるので妥当な仮定と考える。)。すると4年間合計で7兆3,040億円となり、表にある15年度後年度負担の4兆3,634億円は既にその60%となる。14年度予算で同じシュミレーションを行うと51%で、高額支出を続けるには5年を10年に延長せざるをえなかった状況が見て取れる。
続いて、直近の18年度の後年度負担と19年度以降の歳出化経費との関係について同じように分析した。歳出化経費は9年間合計で17兆82億円、18年度の後年度負担5兆768億円は既にその30%にもなる。仮に政権交代があったとしても、のちの政権もこれに縛られる。この特例措置法は来年19年3月31日に失効することになっている。長期にわたる軍事支出を固定化するこの法律の更新を絶対に認めてはならない。
今年度は13年12月17日に閣議決定された「中期防衛力整備計画(中期防)」の最終年度に当たる。今年の年末には次期中期防がまとめられることになっている。今国会での防衛費の議論が低調であるとの報道があった。16年3月の安保法制の施行後、間違いなく自衛隊と米軍の一体運用に向けた態勢づくりが進められている。今年度予算で増備される輸送機や空中給油機は、海外で戦争ができる態勢づくりという文脈で語られることは決してない。我々市民はこうした状況下で防衛費にこれまで以上に目を光らせる必要がある。

注   1 「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省17年12月)

在日本朝鮮人総連合会中央本部への銃撃事件に対する声明

2018年2月26日
                                                  フォーラム平和・人権・環境
                                                          (平和フォーラム)
                                                          共同代表 藤本泰成
2月23日午前3時50分ころ、在日本朝鮮人総連合会中央本部(以下朝鮮総連)に向けて、男2人が銃弾を撃ち込むという事件が発生した。当時本部には宿直者がいたが、幸にもけが人はなかった。
 朝鮮総連は、強制連行や植民地支配による生活苦などから日本社会での生活を余儀なくされた在日同胞の生活と権利のため、そして日本社会との友好と民族相互理解のために活動してきた。朝鮮総連の活動や朝鮮半島の歴史的経緯に目をむけず、日本で生活する朝鮮人社会に対する偏見と差別によって引き起こされた許しがたい暴挙を、平和フォーラムは満腔の怒りをもって糾弾する。
 実行犯は、在日コリアンが多く生活する地域社会まで押しかけて、ヘイトスピーチを繰り返してきたひとりである。言論の自由などを理由にして聞くに堪えないヘイトスピーチを許してきた日本政府は、その責任をきびしく自覚しなくてはならない。
 この間、日本政府は、朝鮮半島の軍事的緊張の原因が米朝、そして日朝の不正常な国家関係にあるにもかかわらず、圧力一辺倒の米トランプ政権を支持し、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)への制裁強化を主張してきた。北朝鮮による軍事的脅威を喧伝し、今にもミサイルが飛んでくるかのような言説をばらまき、市民や子どもたちに防災訓練を強要するとともに、そのことを理由にして、米国の言いなりに大量の米国製武器の購入を行っている。 一方で、高校の授業料無償化措置においては、朝鮮高校に通う子どもたちには全く関係のない外交上の理由を持ち出し、その適用から除外した。日本政府自らが、在日コリアンの子どもたちを差別して恥じることがない。国連は人権や民族差別の視点から、日本政府に対して在日コリアンに対する差別の解消を求めている。
 このような日本政府の姿勢は、様々な場面で在日コリアンへの差別を助長してきた。加えて保守メディアや右派の論客と呼ばれる人々、安倍首相周辺の政治家の言説は、そのような政府の姿勢に迎合し、根拠のないデマゴギーを垂れ流し続けている。日本政府の在日コリアンへの恣意的かつ差別的姿勢が、そしてそれに迎合する言論が、今回の暴挙の引き金のひとつであることは間違いない。平和フォーラムは、日本政府に対して、これまでの在日コリアンへの差別的扱いを止め、このような言説やヘイトスピーチに対してきびしく対応するように求める。
 貧困と格差が蔓延し、働く者の40%が不確実な非正規労働に追いやられている現実の中で、市民社会に差別と分断が持ち込まれている。障害者へ、生活保護世帯へ、1人親世帯へ、そして象徴的に在日コリアン社会へ、偏見と差別は広がり続けている。権力は、常に人々を分断してほくそ笑んできた。
 私たちは、分断を乗り越えなくてはならない。分断と闘わなくてはならない。平和フォーラムは、差別と闘う全ての人々と連帯し、新しい時代を築くとりくみを全力で進める。

 

トランプ政権の「NPR」と安倍政権の「評価」に抗議!

(通常兵器に対しても「核で反撃」するトランプ政権の核戦略、それを「高く評価する」安倍政権に断固、抗議します。)

2月2日、トランプ政権は、2010年のオバマ政権以来となる「核戦略の見直し」(NPR)を発表しました。

ピンポイントで核兵器の使用を可能とする小型核兵器の開発、潜水艦への新弾道ミサイル(SLBM)搭載、水上艦搭載の「新」核巡航ミサイル開発などをめざすとしており、さらには、核兵器の使用条件を大幅に緩和し、通常型兵器による攻撃やサイバー攻撃も対象から外していません。

包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准と「新たな核兵器開発は行わない」ことを方針としていた前政権の「核戦略」を全否定し、「全ての戦線で使える核」を押し出したこの「見直し」は、新たな「核軍拡」の開始を宣言するものであり、核兵器廃絶を求める世界的な流れに逆行し、核戦争の危機を一層増大させるものとして看過することはできません。

ところが安倍政権は、トランプ政権の「NPR」を「核抑止力を強化するものとして高く評価する」と、世界に先駆け支持しました。国連において世界122カ国が賛成して成立した「核兵器禁止条約」を、「全く非現実的な期待」と否定し、さらに、核兵器削減と核物質の最小化を求めてきた歴代政権の核政策さえ否定するトランプ政権。この核戦略を丸ごと評価しているのが安倍政権にほかなりません。

これに対し中国は、「断固反対!冷戦思考、捨てるべき」と、ロシアは、「対決的な内容に失望した」と、イランは「露骨な脅し」と、北朝鮮は「朝鮮半島の平和と安全が脅かされている」と批判しています。しかしいずれも「自衛のため必要な措置は取らざるを得ない」と「核軍拡」を正当化する姿勢を見せています。この論理は、冷戦時代の「核軍拡競争」と同じであり、許すことができません。

一方、今回のNPRでは、日本への核持ち込みが公然・隠然となされる危険性があります。既に、米原潜や米空母の入港・領海通過により形骸化されている「非核三原則」ですが、2017年8月下旬には、秘密裡に、かつ複数回に渡って、グアムを飛び立った米空軍B52「核」戦略爆撃機が日本上空(東北地方)を通過して、小松空自のF15戦闘機二機の護衛のもと、日本海西端で軍事訓練を行なっていたことが明らかになりました。日本政府は、「爆弾類を搭載していない」と米側に確認したとしていますが、米国の核政策は「有無をコメントしない」のです。まさにこの訓練は、日米一体となった北朝鮮への「核先制攻撃」訓練にほかなりません。

世界で唯一、核攻撃を受けた国であり、核兵器廃絶、ノーモアヒバクシャの思いに取り組んできた私たちは、安倍政権のこのような姿勢を絶対に許すことができません。「新たな核軍拡」と「核戦争の危機」を増大させるトランプ政権の「NPR」に強く抗議するとともに、「核」抑止論に立つすべての核保有国に対し、各国の労働者、民衆と連帯して、核廃絶の声をあげていきます。

私たちは、核の応酬によって破滅に至る道を黙って見過ごすことはできません。改憲阻止、「核」戦争反対、安倍政権打倒に向け、さらに取り組みを強化していきます。

                         2018年2月23日

             「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体

安倍政権の圧力一辺倒は、北朝鮮の声明

「有事の際には米国よりも先に日本の領土が焦土化され得ることを知るべきだ」を知りつつやっていること。

挑発には「挑発」で答える安倍政権は、

自ら進んで日本列島をミサイルの標的にしているとしか思えない。

そして世界のどの国より先にトランプ政権の「NPR=核戦略の見直し」を「高く評価」したことは、「核戦争も辞さず」という決意の表れである。

このような権力者は早く一掃しなければなりません。

 

「なんでおそらからおちてくるの?」

子どもたちの空を守る父母会

昨年12月7日、米軍ヘリのものとみられる部品が、沖縄県宜野湾市にある保育園の屋根に落下しました。さらに12月13日には、普天間第2小学校の校庭に米軍ヘリの窓枠が落下するなど、一歩間違えれば大惨事になりかねない事故が立て続けに起きています。

(そうした危惧のなか、2月5日夕刻、佐賀県神埼市の住宅に陸自のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、三人死傷の事故が発生した。軍用戦闘機が空を飛ぶ回数に比例して、また、訓練の激しさの度合いに応じて市民・子どもの死傷者は確実に増える。飛行訓練反対、軍用機撤去!)

今回、被害にあった普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園の父母会の方がたが上京され、子どもたちを守るため、このような事故が二度と起こらないように政府に対して陳情を行います。

政府への要請行動の後に、保育園の父母の方がたから直接うかがう会を開催します。いま、沖縄で起きていること、沖縄の現実について、園児・保護者の切実な声にぜひ耳を傾けてください!

日 時:2月13日(火)18:00~

場 所:衆議院第2議員会館・多目的会議室

内 容:◎お話し  神谷武宏さん(普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園園長)

    ◎父母の方がたの訴え 宮城智子さん(普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園父母会会長) 与那城千恵美さん(父母会副会長) 知念有希子さん(父母会副会長)ほか

 

2018年2月5日

米国トランプ政権の「核戦略見直し(NPR)」と

日本政府の姿勢に抗議する

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
議長 川野浩一

2月2日、米トランプ政権は、2010年のオバマ政権以来となる「核戦略の見直し」(NPR)を発表した。「力による平和」を主張するトランプ大統領の意向を反映し、ピンポイントで核兵器の使用を可能とする「小型核兵器の開発」を明記し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)への搭載や水上艦搭載の核巡航ミサイルの開発などをめざすものとなっている。また、使用条件も緩和し、核兵器使用の目的を核兵器以外の兵器での攻撃へも拡大し、サイバー攻撃も対象から外していない。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准の追求や「新たな核兵器開発は行わない」としていた前オバマ政権下でのNPRを全否定し、「核なき世界」をめざすとするオバマ前大統領の姿勢をも放棄したものである。「核と人類は共存できない」として核兵器廃絶の運動をすすめてきた原水禁は、米トランプ政権に対して強く抗議する。
トランプ政権の一連の政策は、これまで米国自身が積み上げ、オバマ政権で結実した「核なき世界」の理想を放棄し、米国があたかも世界の平和を支えているとする傲慢な考え方に基づくものである。世界122カ国の賛成で成立した「核兵器禁止条約」に対しても、「全く非現実的な核廃絶の期待である」として否定する姿勢は、世界から理解されることはない。自らが世界のリーダーたらんとするならば、長い歴史を顧みて、核兵器廃絶と核兵器物質の最小化、核兵器の役割低減を求めてきた声に耳を傾けなくてはならない。
一方で、日本政府は、米国の核抑止力を強化するものとして今回のNPRを「高く評価する」とした。米国のこのような姿勢を支持し核兵器禁止条約にも背をむける日本政府を、「唯一の戦争被爆国」として核兵器廃絶を主張しても誰が納得するというのか。今回のNPRには、退役した核搭載型巡航ミサイル「トマホーク」の代わりに、新たな核巡航ミサイルの開発が明記された。米国が、ロシアと中国、朝鮮民主主義人民共和国の核兵器を強く意識している以上、日本への核兵器持ち込みが懸念される。日本政府は、国是である「非核三原則」の危機に対しても沈黙している。被爆者の思いに背を向け、これまでのとりくみを否定する日本政府の姿勢は、許すことができない。
今回のNPRは、核兵器の限定的使用に明確に向かっている。使用可能な小さい核なら抑止力を拡大し世界平和に貢献するなどと言うのは、幻想に過ぎない。世界終末時計は、1月25日、残り2分を指した。水爆実験が繰り返されていた1953年と並び最短となっている。今回のNPRで、過去最悪を更新するのではないかと懸念される。米国とソ連(当時)が部分的核実験禁止条約を結んだ1963年は、12分前に戻っている。核の危機を訴えるのなら、核兵器廃絶への対話をつくり出す以外に方法はない。
原水禁は、米国と日本政府の姿勢に強く抗議するとともに、核兵器廃絶へ向けて更なるとりくみを強化する。

日本の破壊は続く~ 防衛予算をめぐって~

2018年1月 1日

2018年度防衛関係費の概算要求は、過去最大の5兆2551億円に達した。当初予算での増額は、安倍政権下で編成した13年度以降6年連続となる。防衛省が発表した「我が国の防衛と予算」における2018年度の概算要求の考え方では、「格段にきびしさの増す財政事情を勘案し、我が国の他の諸施策との調和を図りつつ」と記されているが、どのように調和を図っているのだろうか

義務的経費の増加分を除くならば、防衛費は突出している。その予算の多くが、米国からの軍備品購入に充てられる。1基1000億円のイージスアショア(地上配備型イージスシステム)を2基購入することを決定し、約115億円のオスプレイ17機や約150億円のF-35A戦闘機42機の購入を決定している。米政府に価格決定の主導権のある有償軍事援助(FMS)によって、防衛省が購入した装備品の額は、主に民主党政権時代の2008年から2012年までは3647億円だったものが、安倍政権になった2013年から2017年までで1兆6244億円にも上っている。

トランプ大統領は、米朝危機を理由に日本の軍備増強を求め、安倍首相は手放しで応じている状況だ。トランプ大統領訪日時のワシントンポストは「日本の指導者安倍晋三は、トランプの忠実な手下の役割を演じた」と報じている。「いまはまさに『すべての選択肢がテーブルの上にある』というトランプ大統領の方針を私は一貫して支持する」と発言する安倍首相は、まさにトランプの忠実な手下に違いない。

日本の防衛費は、専守防衛の旗の下で、長いことGDPの1%枠内に収めてきた。しかし、安倍首相は「GDPと機械的に結びつける考え方は適切ではない」と述べ、1%を超えての防衛費拡充をにおわせることとなっている。トランプ大統領の要求次第では、平和憲法の下での抑制的措置も失われかねない。

 厚生労働省の専門家会議の調査で、大都市で小学生と中学生のいる家庭では、生活扶助が18万5000円余りで、低所得世帯の収入を2万5000円上回ったとして、14%程度の大幅な引き下げを検討していることが報道されている。「他の諸施策との調和を図りつつ」としながらの防衛費の増額は、お粗末な日本の社会保障政策とどのように関連するのだろうか。敗戦から73年、米国による日本占領はいつまで続くのか。評論家の佐高信さんは、ある集会で「安倍首相と菅官房長官は、破防法違反だ」と言った。日本の破壊が続いている。

(平和フォーラム 共同藤本泰成)

 

2017年12月19日

航空自衛隊小松基地

司令 亀岡 弘 様

                            石川県平和運動センター

原水禁石川県民会議

石川県憲法を守る会

戦争をさせない1000人委員会・石川

小松基地爆音訴訟連絡会

小松基地爆音訴訟原告団

石川県勤労者協議会連合会

(代表者印・団体印省略)

 

本年8月、トランプ政権による北朝鮮「核威嚇」訓練と、

安倍政権によるF15戦闘機の訓練参加に抗議する

11月19日、複数の政府関係者によれば、米空軍の「核搭載」可能なB52戦略爆撃機が本年8月下旬、日本列島上空を横切り、日本海西端付近で北朝鮮に「圧力」をかける訓練を行なったことが明らかになりました。このB52を「護衛・支援」するため安倍政権は、小松空自基地からF15戦闘機2機を参加させたのです。これは、北朝鮮への「核」攻撃を想定した米軍の訓練に初めて参加したことを意味し、その問題性は重大です。一方、これらの演習を含め、実戦さながらの訓練強化により事故が多発しています。

米朝問題を平和的に解決させるため、そして、朝鮮半島及び日本を戦場とする「核」戦争を何としても阻止するため、憲法と国是に則り、以下のとおり要請します。

1 米国トランプ政権が行なった米空軍B52「核」戦略爆撃機による北朝鮮への「圧力=軍事威嚇」訓練に、安倍政権が自衛隊の戦闘機を派遣・参加させたことは、憲法9条一項「武力による威嚇又は武力の行使は、・・・、永久にこれを放棄する」に違反します。よって、安倍政権に強く抗議するとともに、憲法を順守することを強く要請します。

2 同「核」戦略爆撃機が日本上空を横切ったことに対し、日本政府は「爆弾類を搭載しない」と米側に確認した、としています。しかし、米国の核政策は「有無をコメントしない」のであり、「上空通過」は「非核三原則」違反と言わざるを得ません。「上空通過」を許可した安倍政権に強く抗議するとともに、「非核三原則」を順守するよう強く要請します。

3 小松空自基地への「緊急着陸」が最近8カ月で3回、延べ5機も続いています。墜落・落下、ミサイル誤射など事故の危険性が高まっています。現実離れした「核・ミサイル」危機に対処するとした「軍事威嚇」「先制攻撃訓練」を止め、核廃絶、軍備・訓練縮小を強く要請します。

2017年12月19日

小松市

市長  和田 慎司 様

                             石川県平和運動センター

原水禁石川県民会議

石川県憲法を守る会

戦争をさせない1000人委員会・石川

小松基地爆音訴訟連絡会

小松基地爆音訴訟原告団

石川県勤労者協議会連合会

(代表者印・団体印省略)

本年8月、トランプ政権による北朝鮮「核威嚇」訓練と、

安倍政権によるF15戦闘機の訓練参加に抗議する

11月19日、複数の政府関係者によれば、米空軍の「核搭載」可能なB52戦略爆撃機が本年8月下旬、日本列島上空を横切り、日本海西端付近で北朝鮮に「圧力」をかける訓練を行なったことが明らかになりました。このB52を「護衛・支援」するため安倍政権は、小松空自基地からF15戦闘機2機を参加させたのです。これは、北朝鮮への「核」攻撃を想定した米軍の訓練に初めて参加したことを意味し、その問題性は重大です。一方、これらの訓練を含め、実戦さながらの軍事訓練により事故が多発しています。

米朝問題を平和的に解決させるため、そして、朝鮮半島及び日本を戦場とする「核」戦争を何としても阻止するため、憲法と国是に則り、国に要請することを求めます。

1 米国トランプ政権が行なった米空軍B52「核」戦略爆撃機による北朝鮮への「圧力=軍事威嚇」訓練に、安倍政権が自衛隊の戦闘機を派遣・参加させたことは、憲法9条一項「武力による威嚇又は武力の行使は、・・・、永久にこれを放棄する」に違反します。よって、安倍政権に強く抗議するとともに、安倍内閣が憲法を順守するよう要請すること。

2 同「核」戦略爆撃機が日本上空を横切ったことに対し、日本政府は「爆弾類を搭載しない」と米側に確認した、としています。しかし、米国の核政策は「有無をコメントしない」のであり、「上空通過」は「非核三原則」違反と言わざるを得ません。「上空通過」を許可した安倍政権に強く抗議するとともに、安倍内閣が「非核三原則」を順守するよう要請すること。

3 小松空自基地への「緊急着陸」が最近8カ月で3回、延べ5機も続いています。墜落・落下、ミサイル誤射など事故の危険性が高まっています。安倍内閣の「核・ミサイル」危機への対処として進める「軍事威嚇」「核先制攻撃」訓練参加を止め、核廃絶、軍備・訓練縮小を要請します。

 

伊方原発 運転差し止め、高裁レベル初判断 広島高裁

毎日新聞2017年12月13日 13時46分(最終更新 12月13日 18時46分)

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島、愛媛両県の住民が求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四電に運転差し止めを命じる決定を出した。野々上裁判長は「阿蘇山(熊本県)の噴火で火砕流が原発敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できない」などとし、火山災害による重大事故のリスクを指摘した。高裁レベルの差し止め判断は初めて。差し止め期限は来年9月末まで。仮処分はただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定が覆らない限り運転できない。

 伊方3号機は定期検査のため今年10月に停止。四電は来年2月の営業運転再開を目指していたが、差し止め決定で稼働スケジュールに影響が出ることは避けられない。四電は近く決定の取り消しを求める保全異議と、仮処分の執行停止の申し立てを広島高裁に行う方針だ。

 伊方3号機は2015年7月、原子力規制委員会が東日本大震災後に策定した新規制基準による安全審査に合格し、昨年8月に再稼働した。住民側は、四電の安全対策は不十分で、事故で住民の生命や生活に深刻な被害が起きるなどとして広島地裁に仮処分を申請。地裁は今年3月に申し立てを却下し、住民側が即時抗告していた。

 高裁の審理では、基準地震動(想定する最大の揺れ)の妥当性や火山の危険性などが争点となった。

 野々上裁判長は決定で、規制委が作成した安全審査の内規「火山ガイド」が、火山の噴火規模が推定できない場合、過去最大の噴火を想定して評価すると定めていることを指摘。その上で、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山について「四電の地質調査やシミュレーションでは、過去最大の約9万年前の噴火で火砕流が原発敷地の場所に到達した可能性が十分小さいとは評価できない」などと述べ、原発の立地として不適と断じた。

 さらに、阿蘇山の噴火に伴う噴石や火山灰などの降下物についても、四電が想定した九重山(大分県)噴火の「2倍近くになる」と説明。「伊方原発から見て阿蘇山が九重山より遠方に位置することを考慮しても、四電の降下物の厚さや大気中濃度の想定は過小」と判断。「住民らの生命身体に対する具体的危険が推定される」と述べた。

 一方、火山災害以外の地震対策などは、新規制基準の内容や規制委の判断、四電が設定した基準地震動などを「合理的」として容認した。

 運転差し止めの期限を巡って野々上裁判長は、広島地裁で別途審理している差し止め訴訟の判決で「仮処分決定と異なる判断をする可能性もある」などと述べ、来年9月30日までとした。

 東日本大震災後、差し止めを認めた判決・決定(異議審含む)は、関西電力高浜原発3、4号機(福井県、3号機は当時稼働中)を巡る昨年3月の大津地裁の仮処分など4例。いずれも地裁の判断だった。【東久保逸夫】

 四電は「基準地震動の合理性や火山事象への安全性の確保について、裁判所に丁寧に主張・立証を行ってきた。主張が認められなかったことは極めて残念で、到底承服できない。早期に仮処分命令を取り消していただけるよう、速やかに異議申し立ての手続きを行う」とのコメントを発表した。

 

在日米軍の相次ぐ事件・事故に抗議する声明

2017年12月14日

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

共同代表 藤本 泰成

 またしても米軍機の部品落下事故が起きた。12月13日午前10時過ぎ、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地に隣接する普天間第二小学校の校庭に、米軍の大型輸送ヘリCH53Eの窓枠とみられる1メートル四方の物体が落下し、児童1名が怪我をした。7日にも今回事故を起こした輸送ヘリの同型機が、普天間市内の保育園に部品を落下させていた。この1週間に2件も立て続けに事故を起こすのは異常事態だ。

 部品の落下した校庭では、50名の子どもたちが体育の授業を受けていた。一歩間違えれば大惨事になるところだった。いつも頭の上を気にして走り回り、遊ばなければならない、この子どもたちの現実を許してはならない。

 しかしこの間、在日米軍の事件・事故が多発してはいないか。昨年12月名護市沖でのオスプレイ墜落事故以降も、オスプレイをはじめCH53E大型ヘリの緊急着陸事故が相次ぎ、10月には沖縄・高江の民間地に大型ヘリが、11月には嘉手納基地を離陸したC2輸送機が沖ノ鳥島沖で墜落事故を起こした。その他嘉手納基地などでは外来の米軍機の緊急着陸事故も多発している。この事態は沖縄だけではない。神奈川県米海軍横須賀基地においても、所属する米海軍イージス艦11隻のうち5隻が、衝突事故、座礁、乗員の行方不明などの事故・事件を起こしている。広島県の住宅街上空では米軍戦闘機がフレアを発射する事件も起きた。

 一連の事故の背景には何があるのか。米軍の事故報告書は、おしなべてパイロットなど乗組員の問題に事故原因を求めているが、そうではない。オスプレイは機体に構造上の欠陥を持っている。軍隊内では任務拡大によって、これまでに習熟していない役割をも課されている。そしてオーバーワークが日常的な現場でもある。これらが、米軍の機能強化が図られる中なかで蔓延している結果、機体の整備にも、操縦にも影響を及ぼし、事件・事故につながっている。

 軍隊というそもそも抑圧的な社会の中で、さらに軍務が過酷になれば外へのはけ口を求めることも明らかだ。米海兵隊員が飲酒運転をしたあげく、沖縄県民を死亡させる事故もつい11月にあったばかりだ。

 日本政府は、事件・事故が起こるたびに「再発防止」と「綱紀粛正」を米軍に求めてきた。しかし米軍は、その場しのぎの対策しかとっていない。日米の軍事一体化が進み、基地機能の強化が図られることになれば、同様の事件・事故はますます増えていくことだろう。基地周辺の住民のいのちとくらしを守るには、単に「再発防止」と「綱紀粛正」では済まされない。日米地位協定の改定を含め、在日米軍に対する規制を作り上げなくてはならない。

平和フォーラムは、相次ぐ在日米軍の事故に抗議するとともに、基地縮小・撤去を視野に入れつつ、危険と隣り合わせにある基地周辺住民、とりわけ沖縄の現状を改善させるための闘いを力強くすすめていく。

                                                                                                                                                     以上

 

リアリティを持って、戦争を 自衛隊を語ろう!

2017年12月 2日

 11月11日、横浜市にある「教科書・市民フォーラム」主催で、室蘭工業大学准教授の清末愛砂さんを呼んだ「賢明な選択としての平和主義」と題する講演会に参加した。   パレスチナのキャンプで活動していた清末さんは、ある日、イスラエル軍のまさに尋常ではない攻撃に目を開けた。その時、壁に銃弾が当たって窓枠に火の玉を見たという。ひたすら壁を打たれ続けている。パスポートを入れた鞄を手にしたが、腰を抜かして動けなくなった。「死にたくない人間が、生きられないと感じる恐怖と残虐性」、それは、イスラエル軍の自衛の名の下に行われる。清末さんは「自衛」とは、残虐になれない人間が残虐になるための手段だと述べる。

 紛争地はまさにこれが日常、現代の戦争なのだ。東京新聞に「改憲派からは、護憲派は空想論的平和主義者との批判があるが、私はとても現実的な平和主義者だ。パレスチナやアフガニスタンで非暴力運動や難民支援に取り組んだ経験があり、安倍晋三首相よりもはるかに戦闘地や紛争地の現実を知っている」「自衛の名の下に暴力が増大する。武力に抑止力なんてない」と、清末さんは書いている。

 多くの改憲派が安全保障の充実を取り上げる。武力の抑止力、安全保障が平和を作るといわんがばかりだ。しかし、清末さんは「人権のない平和は意味がない」という。私も同感だ。一人一人の命が守れなくて何の平和だろうかと思う。満州侵略も、対米開戦も、すべては「自衛」の名の下に行われ、日本を守るとして何百万という血が流され、命が失われた。「他国の脅威からわが国を守る」とする戦争法は、これまでの専守防衛論と違い、米国との集団的自衛権行使のなかで自衛官に多くの犠牲を伴うに違いない。それが戦争だ。だからこそ、平和憲法とそのことを具現化する平和外交がまさに重要だ。自衛隊を憲法に位置づけては、平和主義が意味を失う。

 「日本の美しい憲法をつくる会」(日本会議のフロント組織)は、「災害救助などでお世話になる自衛隊を日陰者にしていいのか」と主張する。自衛隊は災害救助隊なのか、違う。その本質は軍隊だ。ある日、一発の銃弾が人の頭を吹き飛ばす現実を、いかにリアリティを持って伝えるか。改憲阻止の闘いはそこにかかっている。災害救助などという欺瞞で自衛隊の本質を隠してはならない。
(藤本泰成)

 

11.26「志賀原発」再稼働を前提とした非現実的で実効性のない 「原子力防災」訓練に強く抗議する

抗議声明

2017年11月26日(日)

本日午前8時から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後6回目となる防災訓練である。この間、私たちは再稼働前提の訓練に抗議すると同時に、福島原発事故の教訓を踏まえた実効性ある訓練の実施を求めてきた。石川県はじめ関係自治体は、あろうことか今回も再稼働を前提とし、しかも非現実的で実効性のない訓練を実施した。強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

1. 再稼働ではなく「運転停止」の現実に向き合え

(1)志賀再稼働への地ならし

志賀原発直下の断層について、有識者会合は全会一致で活動層との評価書をまとめた。にもかかわらず北陸電力は志賀再稼働の方針をまったく変えていない。こうした中、県が繰り返し再稼働前提の訓練を繰り返すことは、北電の再稼働路線を容認し、あるいは期待しているかのようなメッセージを県民に送ることになる。「敷地内断層の問題の決着が最優先」との谷本知事の発言とも矛盾するものである。

(2)向き合うべきは停止中の原発の危険性

志賀原発は来年度も稼働しないことが確定している。しかし、停止しているとはいえ、使用済燃料貯蔵プールの過酷事故のリスクは変わらない。実際、昨年は雨水大量流入事故が発生し、原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)から冷却機能喪失で「重大事故につながる危険性があった」という深刻な指摘を受けている。雨水流入は論外だが、地震などの自然災害、さらには安倍総理が声高に叫ぶミサイル着弾の危険性や武装集団によるテロ攻撃、サイバーテロなど核燃料が存在する限り、住民は過酷事故のリスクにさらされている。

(3)リアリティのない訓練で緊張感が低下

停止中の原発の危険性に向き合わない訓練は、周辺住民に「停止しているからとりあえず安心」との誤解をもたらし、なにより防災業務従事者の緊張感の低下を招いている。防災訓練は回を積み重ね、習熟度を高めることが重要ではあるが、惰性で回数を重ねてもいざというときの役には立たないと指摘せざるをえない。

2. 実効性のない訓練を何度くり返すのか

(1)「スムーズな避難」ありきの避難訓練

原子力防災における避難訓練は時間との勝負。しかし、あらかじめ決められたごく一部の住民が参加する避難訓練では、避難指示の伝達漏れはなく、避難バスも事前に配車され、自家用車による避難の渋滞もなく、スクリーニングポイントでの順番待ちもない。避難訓練の基本的な流れを確認する訓練かと思えば、課題として残るヨウ素剤の配布や服用指示の訓練は今回もおこなわれない。スムーズな避難を印象付けることを目的とした訓練としか思えない。

(2)どうする?半島先端への避難

訓練全体に手抜き感が漂うが、半島先端方向への避難訓練の削減が顕著である。昨年はスクリーニングポイントを設けず、今回は元気な「要支援者」避難だけである。現実には避難車両の迅速な確保、スクリーニングポイントの場所の選定(能登空港駐車場は冬季や夜間の活用は非現実的)、人員、機材の素早い配置だけでも課題山積、要支援者の避難先での生活や医療面での支援も課題山積。避難路も里山海道が寸断されれば混乱必死である。計画の実効性を訓練で検証し、課題を明らかにすることが重要であるにもかかわらず、いまだ検証しようとしない。今回も課題から逃げた訓練である。

(3)課題から逃げまくる非現実的訓練

PAZ圏内、UPZ圏内それぞれの住民へのヨウ素剤の配布、服用指示は重要な課題であるが、いまだ必要な住民への配布が可能かどうか検証できていない。観光客など一時滞在者、特に近年増加する外国人旅行者への避難情報の伝達、避難、ヨウ素剤の配布等にも課題が残る。SPEEDIの使用を中止した中、緊急時モニタリングを迅速、的確に実施し、UPZ圏内の住民の避難行動につなげることができるのか、実践的な訓練も求められている。さらには防災業務従事者の被ばく対策と交代要員の確保も重要な課題である。課題を列挙するときりがない。この間実施されている訓練はやりやすい項目をつまみ食いする訓練と言わざるをえない。

3. 繰り返して指摘する「今こそ常識に立ち返れ」

一企業の電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発、6年8カ月停止状態が続いても停電にもならず経済活動にも支障がでない志賀原発、そして今後、稼働する可能性はほとんどないと思われる志賀原発のために今も多くの県民が命や暮らしを脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように防災訓練が繰り返されている。

私たちは毎回、すべての原子力防災関係者に常識に立ち返るよう訴え続けてきた。避難させるべきは住民ではなく核燃料である。北陸電力は人災である原子力災害を未然に防止すため、直ちに志賀原発の廃炉を決断し、活断層上にある核燃料を撤去するよう求める。

石川県平和運動センター

社民党石川県連合

社民党自治体議員団

賢く「記憶」をたどれ

2017年11月 1日

今年のノーベル文学賞は、日本生まれのイギリス人作家カズオ・イシグロさんに決定した。今年こそはと期待を持っていた村上春樹ファンを失望させたが、イシグロさんも日本人の両親を持つ長崎生まれだから、喜んでもいいのかもしれない。彼の小説の通底するのは「忘れたいけど忘れてはならない記憶。イシグロの受賞には優れて現代的な意味がある」と、生物学者の福岡伸一・青山学院大学教授は述べている。

「感情的なポピュリズムの嵐が吹き荒れる世相に対して、文学が立ち向かうには『ポピュリズムとは正反対の深く沈潜する純粋な美学と、知的な言葉』だという、まさに文学の本質に戻ろうとした」とは、作家の冷泉彰彦さんの言葉だ。ノーベル賞もまた現在の政治状況とは無縁ではない。

9月20日(現地時間)、安倍晋三首相はニューヨークの国連総会で発言し、北朝鮮の核問題の解決に必要なのは「対話ではない。圧力なのです」と述べた。私たちは、現在を語るために「忘れてはならない記憶」を呼び起こさなくてはならない。1940年9月、日本は先の見えない日中戦争を打開しようと、米英を敵に回して、北部仏印(インドシナ半島)進駐と日独伊三国同盟に踏み切った。

翌年、米国の英・中・蘭と協力した対日経済封鎖(ABCD包囲網)と、11月26日の強硬な米国提案(ハル・ノートまたはTENPOINTS)によって追い詰められた日本は、12月8日、真珠湾奇襲攻撃を敢行し、山本五十六・太平洋艦隊司令長官に「是非やれといわれれば、初めの半年や1年は、ずいぶん暴れてごらんにいれます。しかし2年、3年となっては、全く確信は持てません」と言わしめた対米戦争に突入した。結果は皆さんご存じの通りだ。北朝鮮が日本と同じ道をたどることはないのだろうか。ないと誰が断言できるのだろうか。

総選挙で安倍首相は「愚直に、誠実に、まっすぐに政策を訴えていく」と強調した。愚直にとは「正直すぎて気のきかないこと」と広辞苑にはある。愚直にトランプとともに戦争への道に一直線に進むのか。近衛内閣から東条内閣、愚直な人間の集まりではなかったか。記憶をたどればそう思う。愚直な人間は愚直に戦争の道を選んだ。
(平和フォーラム 共同代表 藤本泰成)

第48回衆議院議員総選挙の結果を受けて

                                フォーラム平和・人権・環境

                                代 表  藤本 泰成

 混乱の中で、第48回衆議院議員総選挙が終了しました。台風の影響から不在者投票
は1000万人を超えて過去最高となり、そのため投票率は53.60%と、過去最低を記録
した2014年の52.66%は超えたものの、民主党が政権交代を成し遂げた2009年の
67.51%には遠く及ばず、様々な課題があったにもかかわらず、有権者の関心が高
まったとは言いがたいものです。結果は、自民党が単独で284議席を獲得し、絶対安
定多数の261議席を超えました。連立与党の公明党を加えると、313議席と圧倒的多数
を占めています。
安倍晋三自民党総裁は、北朝鮮の脅威と少子高齢化を上げて、二つの国難に向けた
総選挙と主張し、北朝鮮への圧力を最大限に高め危機管理に全力を尽くして市民の生
命と財産を守り抜く、幼児教育の無償化と世代を超えた社会保障の充実へ向けて消費
税増税による財源を充てるとしました。しかし、米国と歩調を合わせる北朝鮮への圧
力強化には国際社会は同意していませんし、消費税増税分は財政再建に充てることを
決定していたはずです。この間、安倍政権は防衛費を増額しつつ生活保護規定の改悪
を繰り返してきました。また、民主党政権の高校の授業料無償化には「バラマキ」と
反対し、きわめて消極的姿勢をとり続けてきました。自民党の公約が、いかに選挙目
当ての実のないものかは明らかでした。
自民党は選挙公約に、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参
議院の合区解消の4項目を中心に、憲法「改正」をめざすと入れました。しかし、安
倍総裁は選挙期間中にそのことに触れることはほとんどありませんでした。希望の党
が「憲法9条をふくめ憲法改正論議をすすめます」としていることや、日本維新の会
が憲法「改正」を否定していないことなどを含め、これまでの安倍総裁の発言から
は、今後の政局において一気呵成に改憲に進み出すことが予想されます。改憲阻止に
向けたとりくみが、きわめて重要な段階にあります。
平和フォーラムは、安全保障関連法(戦争法)阻止のとりくみに向けて「戦争をさ
せない1000人委員会」を組織しつつ、より大きな広がりを求めて「戦争させない・9
条壊すな!総がかり行動実行委員会」に運動を拡大してきました。その中で、戦争法
を強行した安倍政権との闘いをすすめるとともに、総選挙に対しては、政権交代を基
本に安倍政権退陣を求め、民進党・社民党・共産党・自由党の立憲4野党共闘をすす
め、与野党1対1の構図をつくり出し、意見の相違を乗り越えて全力で闘うことをめざ
してきました。しかし、前原誠司民進党代表による民進党解党・希望の党合流、小池
百合子希望の党代表によるリベラル派排除の方針の中で、野党第一党の民進党の分裂
は必至となりました。枝野幸男衆議院議員を代表とした民進党リベラル派は、立憲民
主党を立ち上げ、安倍政権に不満を持つ市民層の期待に応え、短期間で大きな成果を
上げました。しかし、野党第一党の分裂は、結果として自民党の圧勝を許しました。
「改革保守」と称し、安倍政権の交代を求めるとして立憲野党の分岐を引き起こした
前原・小池両代表の責任は極めて大きなものです。
選挙後の立憲野党勢力は、細分された状況にあります。森友・加計学園問題の追
求、改憲の発議阻止、戦争法に反対し自衛隊の集団的自衛権行使を行わせないために
も、立憲野党の一致したとりくみが重要となっています。
今こそ、安倍政権の暴走を止め、個人主義に立った民主政治の実現をめざさなくて
はなりません。立憲野党勢力の共闘を基軸に、平和フォーラムは、改憲阻止に向けて
全力でとりくんでいくことを決意します。
以  上

2017年10月6日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福山真劫

 

第48回衆議院議員総選挙にあたって

 9月28日、安倍首相は、森友・加計学園問題の究明を求める野党の要求に応じないばかりか、臨時国会冒頭で衆議院解散を行いました。森友・加計学園問題などの市民社会の不信に向き合おうとせず、東北アジアにおける平和外交への議論も放棄し、自らの政権の維持を目的とした解散は、憲法に反する首相権限の濫用とも言えるものです。国会解散は、憲法第7条の天皇の国事行為における内閣の助言と承認を根拠にしたものですが、第7条は「国民のために」と規定されており、このような解散に大義はなく、主権者の権利を侵害し政治を私物化するもので、決して許されません。

総選挙を前にして、小池百合子都知事を代表とする「希望の党」に、野党第一党の民進党が合流しました。民進党の前原誠司代表は、合流の理由を「政権交代」に求め、すべての民進党衆議院議員の合流を示唆しましたが、小池代表は、候補公認のための政策協定書に「現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する」「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」「外国人に対する地方参政権の付与に反対する」などの条件を付し、意見の相違を認めずに民進党の一部議員を排除するとして、大きな政治的混乱をきたしました。前原代表の責任は重大です。

小池代表が示したこれらの条件は、憲法の平和主義を踏みにじり、排外主義を肯定するものです。小池代表は「しがらみのない政治を行い、日本をリセットする」と述べ、希望の党を「寛容な改革保守」としていますが、その政治主張はむしろ極右的なもので、安倍政権と何ら変わるものではありません。自民党の補完勢力でしかない大阪維新の会と連携し、安倍首相との連携は否定するものの、小池代表は選挙後の情勢の中では、自民党との連携にも含みを残しています。私たちはこうした希望の党の方針を、支持することはできません。

希望の党が示した政策協定を拒否し、これまで民進党が進めてきた政策を支持する枝野幸男民進党代表代行は、あらたに「立憲民主党」を立ち上げました。「まっとうな政治」を掲げて、9条改憲を許さず、原発ゼロを実現するなどの公約を掲げ、民主リベラルの旗を掲げました。

戦後日本の市民社会は、日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という理念の実現に向け努力を重ねてきました。この歩みを、道半ばにして止めてはならないと考えます。その立場から、私たちは立憲民主党の発足を歓迎するとともに、社民党などとの野党共闘の枠組みをいっそう強化し、安倍政権退陣に向けて、たたかいを進めていかなくてはならないと考えます。

改憲を主張する自民党、希望の党、維新の会の伸長は、改憲への一気呵成の道を開くものであり、そしてまた戦争への道を開くものです。平和フォーラムは、平和と民主主義、そして一人ひとりのいのちの尊厳を守ろうとする全国の仲間に対して、改憲と戦争への道を阻むためにも、総選挙勝利に向けて全力を尽くされることを呼びかけます。

以上

 

北、核攻撃なら死者210万人

米大推計、東京とソウル

北朝鮮の労働新聞が9月16日に掲載した、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練の写真(コリアメディア提供・共同)

 【ワシントン共同】米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は5日までに、北朝鮮と米国の間で軍事衝突が起き、北朝鮮が日韓両国の首都である東京とソウルを爆発規模25キロトン(TNT火薬換算)の核兵器で攻撃した場合、死者が計約210万人、負傷者が約770万人に上るとの推計値を公表した。

 米軍が北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃したり、核・ミサイル関連施設を攻撃したりし、北朝鮮が報復した事態を想定。北朝鮮が15キロトンから水爆規模の250キロトンまでの核弾頭を25発配備、全25発を弾道ミサイルで東京とソウルに発射したと仮定し、被害規模を算出した。

2017年10月3日

抗 議 声 明

柏崎刈羽6・7号機の再稼働を認める審査書案に抗議する

福島第一原発事故を引き起こした東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない

原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を認める審査書案のとりまとめと意見募集にかかろうとしている。私たちはこれに強く抗議する。東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない。柏崎刈羽原発の再稼働を認めてはならない。

◆東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない

原子力規制委員会は、福島第一原発の事故を起こした東電に対し、柏崎刈羽原発を運転する資格を問い、「廃炉をやりぬく覚悟と実績を示すこと」、「経済性よりも安全性を優先すること」を東電に要求した。これに対し、東電は、根拠となる実績を示すものはなにもなく、「やりぬく覚悟です」、「経済性を優先する考えは微塵もない」などと決意表明を並べるだけであった。規制委はこれを技術的能力の項で審査の対象とし、実績について何ら問うこともなく、了承した。

東電の資格を問うのであれば、福島第一原発の実情を見なければならない。最新の保安検査において、地下水をくみ上げる井戸(サブドレン)水位計の設定にミスがあり、約半年にわたり、建屋内の高濃度汚染水が周辺に漏れ出た恐れがあったことが明らかになった。他にも1,200トンの汚染土壌について金属容器で管理しなければならなかったものが、土のう袋に入れただけであったことなど、ずさんな実態が明らかになったばかりだ。

廃炉のメドはたたず、放射能の垂れ流しは続いている。汚染水はたまり続け、発生を止めることもできない。汚染は続き、避難を強いられた人も残った人も、各地で多くの人たちが事故の影響で苦しんでいる。東電は、事故を引き起こした責任をとっていない。

そればかりではない。東電が全責任を負うはずの事故の費用負担について、「このままでは債務超過に陥る」と居直り、公的資金の注入を要求した。国が、廃炉・賠償費用に公的資金などを注入できる仕組みを作った結果、東電はかろうじて破たんを免れている状況だ。この意味でも東電に柏崎刈羽原発を運転する資格などない。審査には経理的基礎の確認も含まれるが、経理的基礎はないとすべきだ。

◆安全性軽視は審査内容からも明らか

東電の安全性軽視の姿勢は、柏崎刈羽原発の審査内容からも明らかだ。東電は緊急時対策所として想定していた免震重要棟が基準地震動に耐えられないことを知りながら、それを隠し、虚偽の説明をしていた。結局東電は、5号機の建屋内に緊急時対策所を設けたが、免震構造ではない。これまで東電自身が何度も述べていたように、緊急時対策所を免震構造にすべきだというのは福島第一原発事故の大きな教訓ではなかったか。規制委はなぜこれを認めるのか。

審査の過程で柏崎刈羽原発1~4号機側の防潮堤が、液状化により使い物にならないことが明らかになった。9月27日の規制委会合で、規制庁担当者は「津波により1~4号機は水浸しになる」と平然と述べている。1~4号機の原子炉に燃料はなくてもプールには大量の使用済み燃料が保管されている。これらに影響はないのか、6・7号機に影響がなければよいのか、本当に影響はないのか、1~4号機の廃炉が先ではないか。6・7号機だからという理由で許可に走るべきではない。

敷地内の断層については、これが活断層である可能性について、新潟県内の地質専門家グループが、再三指摘している。規制委はこれを無視して、一方的に東電の主張を認めているばかりで、これらの指摘に耳を傾けようとしない。

福島第一原発事故で大きな問題となっている高濃度汚染水について、建屋外への放出防止策も拡散防止策もない。東電が海洋汚染防止策として設置する設備はシルトフェンスである。これだけでは対策にならないことを、東電は福島第一原発でさんざん経験したではないか。他にも多くの問題を抱えている。規制委は審査書案を撤回すべきだ。

◆柏崎刈羽原発を再稼働させてはならない

新潟県では、脱原発を求める県民の支援を受けた米山知事が誕生した。新潟県は「事故原因」「健康と生活」「避難」の3つの検証委員会を設置。検証ができないうちは再稼働の議論はできないとしている。もっともだ。本来であれば、これは規制委もしくは国会など国の機関が行うべき検証ではないか。

新潟県民の姿勢は、最近の新潟市長の再稼働反対表明にも現れている。冬場は雪に閉ざされる地域で避難は実際上不可能に近い。一方的な風向きと降雪が山野にもたらす放射能汚染の影響が福島のそれを大きく上回ることは必至だ。

首都圏に電気を送るために新潟県民の安全な暮らしが奪われるいわれはない。重大事故の影響は首都圏にも及び、首都圏の人たちが考えなければならない問題だ。さらに、柏崎刈羽原発の再稼働は、福島第一原発事故を引き起こした東電の復活を意味するものであり、全国的な問題でもある。脱原発を実現するために、悲劇を繰り返さないためにも、柏崎刈羽原発の再稼働を許してはならない。

(賛同:121 団体) ※提出後、3団体追加となりました

さよなら柏崎刈羽原発プロジェクト、柏崎刈羽原発反対地元三団体、原発反対刈羽村を守る会、原子力規制を監視する市民の会、国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、全ての原発を廃炉に 刈羽村生命を守る女性の会、柏崎刈羽原発再稼働を考える佐渡の会、脱原発をめざす新潟市民フォーラム、柏崎刈羽市民ネットワーク、福島原発震災情報連絡センター、原発いらない福島の女たち、脱原発福島ネットワーク、会津放射能情報センター、子ども脱被ばく裁判の会、南相馬・避難勧奨地域の会、特定非営利活動法人ふくしま地球市民発伝所、脱原発・東電株主運動、東電株主代表訴訟、福井から原発を止める裁判の会、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、No Nukes! 野にゆく会、日本キリスト教協議会「平和・核問題」委員会、日本山妙法寺、念仏者非原発の会、さよなら浜岡原発・焼津市民の会、未来といのちを守る会、「公正な政治を求め動く市民の会」、ベクレルフリー北海道、Mox反対伊方の会、グリーン・アクション、生命(いのち)を考える福島と鹿児島の会、被ばく医療を考える会かごしま、オールターナティブズ、原発ゼロプログラムの会、原発いらない人びとの会、原発震災を防ぐ風下の会、さよなら原発品川アクション、サヨナラ原発福井ネットワーク、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会、原発やめよう/つながろう関西・マダム会議、NPO R水素ネットワーク、花風香の会、リリウムの会、子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会、脱原発へ!関電株主行動の会、「脱原発」桜井の会、脱原発・滋賀☆アクション、おおい原発止めよう裁判の会、奈良脱原発ネットワーク、未来の福島こども基金、チェルノブイリ子ども基金、原子力いいんかい?@伊東、放射能のゴミはいらない!、浜岡原発を考える静岡ネットワーク、浜岡原発の広域避難を考える静岡県東部実行委員会、福島バッジプロジェクト、太田川ダム研究会、さよなら原発なら県ネット、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)、原発廃炉で未来をひらこう会、核のごみキャンペーン・中部、原発・核燃とめようかい、原発震災を考える風下の会、原発さよなら千葉、市原憲法を活かす会、避難計画を案ずる関西連絡会、絆Japon、大阪の公害問題を考える会、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、脱原発はりまアクション、脱原発の日実行委員会、脱原発とうかい塾、原発事故被害者団体連絡会、脱被ばく実現ネット、反原発・かごしまネット、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、エナガの会(戦争しないさせない市民の会・柏)、ふぇみん婦人民主クラブ、春を呼ぶ会、ピースムーブ・ヨコスカ、日本環境法律家連盟(JELF)、コトノネ、原子力資料情報室、ポレポレ佐倉、ティナラク織の会「カフティ」、脱原発アクション☆飯田、あしたの命を考える会、三陸の海を放射能から守る岩手の会、バスストップから基地ストップの会、緑の党グリーンズジャパン、ふるさとを守る高浜・おおいの会、環境教育ふくおか、千葉県原発訴訟の原告と家族を支援する会、原発なしで暮らしたい宮津の会、さよなら島根原発ネットワーク、みやぎ脱原発・風の会、3.11ゆいネット京田辺、玄海原発反対からつ事務所、川内原発30キロ圏住民ネットワーク、核のゴミキャンペーン、プルトニウムなんていらないよ!東京、さよなら原発★ちがさき、9の日スタンディング★ちがさき、一般社団法人大磯エネシフト、福島原発からの放射能放出をやめてほしいと願う阪大病院看護師の会、原発止めよう! 東葛の会、原発さよなら四国ネットワーク、原発設置反対小浜市民の会、原発いらん!山口ネットワーク、所沢「平和都市宣言」実現する会、原発避難計画を考える水俣の会、さいなら原発尼崎住民の会、おかとん原発いらん宣言2011、さよなら原発神戸アクション、放射能問題交流会岩手、千葉県放射性廃棄物を考える住民連絡会、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、さよなら!志賀原発ネットワーク、原発を考える品川の女たち

 

石川県平和運動センター第18回定期総会アピール  

「外交努力が失敗すれば、軍事的選択しか残らない」・・。

これは、米国権力者の言葉です。まさに「戦争挑発」と言わざるを得ません。みずからが核保有国であるにもかかわらず、北朝鮮には核実験するな、核兵器を開発するなと脅し、「やめないなら核攻撃するぞ」と威嚇する、こんなことが「国連」で通用していることに憤りを覚えます。経済制裁は、北朝鮮の国民を一層苦しめ、金正恩氏の「暴発」を招く危険性すらあります。核戦争の悲劇を何ら想像することなく、米・朝両権力者が繰り返す「核恫喝」は、核戦争の危機を増幅させるだけ、と言わなければなりません。

広島、長崎、ビキニ、フクシマを経験させられた私たちは、全ての国の核兵器・核実験に反対してきました。その悲惨さを一番知っている私たちだからこそ、核兵器の使用を絶対に繰り返してはならないのです。核保有国による「恫喝」、北朝鮮による「核・ミサイル」を私たちは絶対に認めることができません。

米・朝による「核恫喝」合戦は、東北アジアを「核の炎」で焼き尽くしてしまう危険を秘めたものであり、世界の労働者、民衆とともに、何としても「核開発・核戦争」を阻止しなければなりません。

「どこの国の総理か」と問われた「被爆国」日本の安倍首相は、アメリカの「戦争挑発」を「全面的に支持」し、アメリカの「核の傘」のもと、日米韓で「北朝鮮」先制攻撃訓練に参加し、戦争参加の機会を狙っています。米国に向いた「核ミサイル」を「これは日本の存立危機事態だ!」と叫ぶことは「戦争に巻き込まれる」ことを企図したものと言わざるを得ません。外交努力も要請していかなければなりません。

この危機は、まさに作られた危機であり「マッチポンプ」と言わなければなりません。この作られた危機に対して、私たちが、護憲、脱原発、教育の民主化などを含めた反戦・平和闘争に起ちあがること、これが平和への唯一の道であることを今一度確認する必要があります。イスラエル政府が「防衛」の名のもとパレスチナにミサイルを撃ち込んだとき、「隣人を殺すな!」とデモに起ちあがったイスラエルの労働者、民衆の闘いにいまこそ学ばなければなりません。

安倍政権は、この北朝鮮情勢を好機ととらえ、野党の足並みが整わないうちに「改憲派を2/3近くで維持」し、「自らの自民党総裁3選」をも勝ち取る、党利党略、私利私略の解散を強行しようとしています。今回の解散は、疑惑を隠蔽する「モリ・カケ」解散であり、ナショナリズムの高揚をねらう「北朝鮮」解散と言わなければなりません。「戦争の危機」を吹聴し、憲法改悪を企図する安倍政権を打倒するため、組織の総力を挙げて闘うことを決意し、総会アピールといたします。

2017年9月26日

第18回定期総会参加者一同

 

桐生悠々と防空演習 週のはじめに考える

2017.9.10 北陸中日新聞より

北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練も行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った桐生悠々なら何と評するでしょうか。

 きょう九月十日は明治後期から昭和初期にかけて健筆を振るった反骨のジャーナリスト、桐生悠々の命日です。太平洋戦争の開戦直前、一九四一(昭和十六)年に亡くなり、七十六年がたちます。

 本紙を発行する中日新聞社の前身の一つである新愛知新聞や、長野県の信濃毎日新聞などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた、われわれの大先輩です。

非現実の想定「嗤う」

 新愛知時代には、全国に広がった米騒動の責任を新聞に押し付けようとした寺内正毅(まさたけ)内閣を厳しく批判する社説の筆を執り、総辞職に追い込んだ気骨の新聞人です。

 その筆鋒(ひっぽう)は軍部にも向けられます。信毎時代の三三(同八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤う」です。

 掲載の前々日から行われていた陸軍の防空演習は、敵機を東京上空で迎え撃つことを想定していました。悠々は、すべてを撃ち落とすことはできず、攻撃を免れた敵機が爆弾を投下し、木造家屋が多い東京を「一挙に焦土たらしめるだろう」と指摘します。

 「嗤う」との表現が刺激したのか、軍部の怒りや在郷軍人会の新聞不買運動を招き、悠々は信毎を追われますが、悠々の見立ての正しさは、その後、東京をはじめとする主要都市が焦土化した太平洋戦争の惨禍を見れば明らかです。

 悠々の評論の核心は、非現実的な想定は無意味なばかりか、有害ですらある、という点にあるのではないでしょうか。

 その観点から、国内の各所で行われつつある、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた住民の避難訓練を見るとどうなるのか。

ミサイルは暴挙だが

 まず大前提は、北朝鮮が繰り返すミサイル発射や核実験は、日朝平壌宣言や国連安保理決議などに違反し、アジア・太平洋地域の安全保障上、重大な脅威となる許し難い暴挙だということです。

 今、国連を主な舞台にして、北朝鮮に自制を促すさまざまな話し合いが続いています。日本を含む関係各国が「対話と圧力」を駆使して外交努力を惜しんではなりません。軍事的な対応は憎悪が憎悪を呼び、問題の根本的な解決にならないからです。

 その上で、北朝鮮のミサイル発射にどう備えるべきなのか。

 政府は日本に飛来する可能性があると判断すれば、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使って避難を呼び掛けます。八月二十九日早朝の場合、発射から四分後に北海道から関東信越までの十二道県に警報を出しました。

 とはいえ、日本の領域内に着弾する場合、発射から数分しかありません。政府は、屋外にいる場合は近くの頑丈な建物や地下への避難を呼び掛けていますが、そうしたものが身近にない地方の都市や町村では、短時間では避難のしようがないのが現実です。

 八月の発射でも「どこに逃げるか、どのように身を隠せばいいか。どうしていいか分からない」との声が多く出ています。

 住民の避難訓練も同様です。ミサイル発射を想定した国と自治体による合同の避難訓練が今年三月以降、すでに全国の十四カ所で行われていますが、専門家からは訓練の想定や有効性を疑問視する声が出ています。

 北朝鮮は、在日米軍基地を攻撃目標にしていることを公言していますし、稼働中であるか否かを問わず、原発にミサイルが着弾すれば、放射線被害は甚大です。

 しかし、政府は米軍基地や原発、標的となる可能性の高い大都市へのミサイル着弾を想定した住民の避難訓練を行っているわけではありません。有効な避難場所とされる地下シェルターも、ほとんど整備されていないのが現状です。

 訓練の想定が現実から遊離するなら、悠々は防空大演習と同様、論難するのではないでしょうか。

原発稼働なぜ止めぬ

 戦力不保持の憲法九条改正を政治目標に掲げる安倍晋三首相の政権です。軍備増強と改憲の世論を盛り上げるために、北朝鮮の脅威をことさらあおるようなことがあっては、断じてなりません。

 国民の命と暮らしを守るのは政府の役目です。軍事的な脅威をあおるよりも、ミサイル発射や核実験をやめさせるよう外交努力を尽くすのが先決のはずです。そもそもミサイルが現実の脅威なら、なぜ原発を直ちに停止し、原発ゼロに政策転換しないのでしょう。

 万が一の事態に備える心構えは必要だとしても、政府の言い分をうのみにせず、自ら考えて行動しなければならない。悠々の残した数々の言説は、今を生きる私たちに呼び掛けているようです。

 

声明「朝鮮半島における戦争に反対し平和定着を求める」

この9月17日は、2002年の日朝平壌宣言から15周年にあたる日である。ところが、当時両国首脳が約束した日朝国交正常化への前進がはかられるどころか、日朝は人的・物的往来さえも断絶した状態にある。その上、北朝鮮と米国の間の緊張は極度に高まり戦争さえ憂慮される状況に至っている。

この緊張は直接的には、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が2017年に入って、米国に交渉を求め強い態度を取ってきたことがきっかけになっている。北朝鮮は、ミサイル発射を繰り返し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発成功を誇示し、9月3日には第6回の核実験を行ない、水爆実験成功を宣言した。これに対して米国は、国連安全保障理事会における度重なる制裁決議によって、北朝鮮に圧力を加え、屈服させようとしている。

とりわけ米朝の緊張を高めているのは、米国のトランプ大統領自身の言動にほかならない。トランプ大統領は、「死ぬのは向こうで死ぬ」「炎と怒りに直面する」など朝鮮半島における戦争を辞さないような無責任な発言を繰り返し、軍事的な選択肢がありうると北朝鮮を威嚇している。

これに対し日本の安倍晋三政権は、外交を通じた事態解決をめざすどころか、米国の政策を支持するばかりで、むしろ危機をあおるような姿勢が目立っている。だが、韓国や中国やロシアも主張するように制裁強化だけで北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させることはできない。米国が万一北朝鮮に軍事攻撃を加えるならば、北朝鮮は日本の米軍基地や原子力発電所をはじめとする各地をミサイルで攻撃し、また韓国も戦火に包まれることをまぬがれない。トランプ政権にとっては「向こう」であっても、東北アジア全体が壊滅的打撃を受けることになるのである。

このような事態がおこることは絶対に阻止しなければならない。日朝国交正常化は北朝鮮の建国以来70年になろうとする今日まで未解決の懸案である。その原則は15年前の日朝平壌宣言で与えられている。日朝国交正常化は、米朝間の緊張の極度の高まりの中で日本にもとめられる、また東北アジアの人びとと日本がともに安寧に生きるための、平和外交のかなめである。私たちは平和を求める世界の人びととともに、朝鮮半島における戦争に反対し平和を求める立場から、以下のように要求し、行動する。

1.米国政府は北朝鮮に対する脅迫的政策を中止し、大規模な米韓合同軍事演習を見直して、核を含む先制攻撃を行なわないことを入口に、北朝鮮との交渉に臨むこと。そして、キューバとの関係改善の前例にのっとり、国交正常化へと進むこと。同時に、朝鮮戦争の平和協定に至る関係国との交渉に応じること。

2.北朝鮮は交渉に向けた入口として、核・ミサイル開発を凍結すること。そして、交渉の過程で関係国との懸案解決のため努力すること。

3.日本政府は制裁一辺倒の政策を改め、米国に平和的対応を促すこと。そして日朝平壌宣言を再確認して直ちに日朝政府間協議を再開し、国交を樹立すること。その上で、植民地支配の清算のための経済協力、拉致、核・ミサイルなどの交渉を開始すること。そして、東北アジアにおける地域的信頼関係を構築しつつ、核兵器禁止条約に加入し、核廃絶に向けたアプローチを開始すること。

4.日本政府は朝鮮高校生への無償化不適用や在日朝鮮人へのヘイトスピーチの放置など、在日朝鮮人社会に対する差別の解消に向け人権尊重の政策を実現すること。

2017年9月17日

東北アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化連絡会

 

平和フォーラム責任者会議 共同代表あいさつ

2017年9月 8日

平和フォーラム責任者会議 あいさつ

フォーラム平和・人権・環境 共同代表 福山 真劫

現在、国内外情勢は激動しています。平和フォーラムのおかれている位置と役割を確認して、歴史的役割を果たす決意を固めましょう。数点提起させていただきます。
安倍政権の憲法と民主主義を破壊しての暴走が止まりません。また権力の私物化とその隠ぺいの実態が明らかになっています。そうした中で、さすがに市民、世論の怒りが拡大し、野党勢力の奮闘の結果として、都議選での惨敗、支持率の急落と続いています。内閣改造や北朝鮮の脅威のあおりで、求心力のアップを狙っていますが、原因が「安倍首相本人に対する不信感と怒り」の拡大にあるため、求心力の回復と政権浮揚は困難と予測されます。
安倍政権の本質は、基本的には「戦後レジームからの脱却・憲法破壊」の極右翼政権です。また、アベノミクス、原発政策、戦争法・共謀罪強行、沖縄への基地建設強行、森友・家計学園の隠蔽など重要な個別の政策では支持されていません。民進党、社民党、総がかり行動実行委員会、平和フォーラム、連合など野党勢力が、連帯の輪を広げて闘えば、安倍政権退陣・打倒・政権交代を展望することは可能です。私たちは安倍政権に勝ちに行くという決意を固めて、運動を作り上げましょう。

北朝鮮が6度目の核実験を行い、東アジアでは、軍事的緊張関係が一挙に高まっています。絶対に米朝間で戦争を起こさせてはなりません。もしそういうことになれば、日本は大混乱の中で、破滅に直面します。解決の方向は、対話と協議しかありません。
安倍政権はこうした事態の中で、共和国の脅威をあおり、「国民」の中に、「戦争勃発」の不安だけを拡大させています。共和国に対する制裁と軍事的脅迫の一辺倒では、事態は打開されません。戦争の危機を近づけるだけです。もちろん私たちは、共和国の核実験は絶対に許せません。共和国は直ちに核実験を中止し、核兵器を解体し、核不拡散条約(NPT)体制に復帰すべきです。また日本政府は、米国の核の傘から離れ、核兵器禁止条約に参加し、東アジア非核地帯化構想に取り組むべきです。世界終末時計は2分30秒前です。
2002年9月17日の「日朝平壌宣言」には、「国交正常化へあらゆる努力、核問題の包括的な解決のために関連するすべての国際的な合意を遵守」、2005年9月19日の「6者共同声明」には、「核兵器と既存の核計画の放棄、米朝、日朝の国交正常化、経済・エネルギー支援、北東アジアの平和と安定」をめざすとしています。その中に解決の方向が明記されています。もう一度「絶対に戦争・紛争を引き起こさせてはなりません。戦争を呼び寄せる制裁と圧力ではなく、対話と協議」を要請し続けましょう。

安倍首相は、5月3日、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と9条改憲提言を行いました。今回の提言は、従来の自民党案を変更して、公明党、維新の会などを巻き込み世論の多数派を形成しようとするものです。櫻井よしこや日本会議など改憲勢力の主流派は支持をしています。しかしこの改憲案の本質は、「憲法違反の戦争法」の追認と自衛隊を明記することにより、自衛隊の強化と米国の軍事戦略に基づく海外派兵・集団的自衛権行使への踏み出しであり、絶対に許せません。
安倍政権の支持率と求心力の低下の中で、当初のロードマップは揺れていますが、衆参で3分の2を確保している今しか、改憲の可能性はありません。総がかり運動の経過を踏まえて、総がかりを超える総がかり運動として、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」で反撃をしましょう。

次は沖縄課題です。連日キャンプ・シュワブの前で座り込み行動が展開されています。8月12日の県民大会で翁長雄志知事は、不退転の決意で闘うと決意表明しています。私たちは安倍の暴走が止まらないのは、東京、全国での闘いの弱さの結果であり、その責任を担っている私たちの責任であるということをわかる感性を持っています。引き続きがんばりましょう。東京では10月4日に大集会が予定されています。

原水禁課題も重要です。安倍政権は「核兵器禁止条約への不参加」を決め、世界が脱原発に踏み出し、脱原発が時代の流れであるにも関わらず、原発再稼働、核燃サイクル政策推進、原発輸出と原発推進政策を突き進んでいます。平和フォーラム・原水禁の役割が決定的に重要です。9月18日の集会の集会等が準備されています。

闘いの体制の強化が必要です。
まず、平和フォーラムの組織強化と運動強化が基本です。
次に、総がかり行動実行委員会は、従来の運動経過を超えて、日本の平和・民主主義運動の中にあった、非共産党系、共産党系、中立系の3潮流を一つにまとめた共闘組織です。そして戦争法廃案、参議院選挙、共謀罪廃案、沖縄との連帯運動等を闘ってきました。これは日本の平和・民主主義運動の長い経過の中で、画期的なことであり、運動は東京・全国で大きく拡大し、運動風景を一変させました。
全国的に見て、総がかり運動への結集に濃淡があり、東京のようにきれいに共闘組織ができているわけではありません。しかしこうした総がかり運動の強化の中にしか、日本の平和と民主主義の未来はないのも事実です。ここのことを運動をつくるうえでの基本認識とする必要があります。そして平和フォーラムのイニシャチブでつくることが重要です。
総がかり行動実行委員会は2014年12月に結成以来、早くも2年半が経過しました。構成団体の本気の総がかり運動への踏み出しが必要だと思われます。
そしてこの2年半の取り組みの中で、新しい運動課題も見えてきました。運動の段階を平和フォーラムの立場で、整理をすれば、第1段階は、市民運動との連携です。第2段階は、代々木系組織との共闘組織の形成、もちろんこの段階では1日共闘的共闘、恒常的組織を形成しての共闘、組織の統合とありますが、東京では、恒常的組織を形成しての共闘であり、総がかり行動は8月までに実行委員会を42回、運営委員会を19回開催しています。また取り組んだ諸行動は、100行動を超えています。
第3段階ですが、現在総がかり運動に求められているのは、総がかりを超える総がかり運動です。このことを踏まえた運動を作り上げなければ、安倍政権退陣・打倒の展望は見えてきません。この問題意識を共有することが重要です。これは従来の3潮流の共闘を超えることです。3潮流とも運動の弱点を持っていました。この弱点も克服していく必要があります。弱点を克服することの基本は総がかりの枠組みをさら拡大することです。非正規の労働者へ、生活困難者たちへ、「無党派」といわれる人たちへ、連合へ、安倍政治を許せないと思っている多くの人達へと運動を拡大することです。
そして8月31日、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」を立ち上げました。九条の会の実行委員会への参加が特徴です。3000万署名運動が行動提起の中心です

私たちの基本的立場は、政策実現めざして、民進党、社民党と連携することです。
選挙闘争では、平和フォーラムとしては取り組まず、中央組織、各県組織等の判断としてきました。しかし総がかり運動を引っ張るようになってから、政策実現のための野党との共闘、選挙での野党共闘の一翼を担うとして、一歩踏み出しました。野党と連携して、戦争法、共謀罪、沖縄との連帯、9条改悪阻止へと闘ってきました。
選挙闘争も市民連合に結集して、野党共闘で闘ってきました。参議院選挙、都知事選、新潟知事選と続きました。次は10月22日の3つの衆議院補欠選挙です。
安倍政権が揺れだしています。現状の野党への市民の評価・期待度を考慮すれば、野党が分裂して小選挙区で選挙戦を闘えば、一部の勝利はあったとしても、圧倒的に敗北することが予測されます。2014年の総選挙では、295選挙区の結果は、自民222、公明9、維新11、次世代2、民主党38、生活2、社民党1、共産党1、無所属9となっています。231対42の差です。野党共闘が成立して居れば、単純計算で59の選挙区で勝利できます。自公政権の最大の狙いは、野党共闘をつぶすことです。
主観的にはともかく、その戦略に手を貸してはなりません。安倍首相とお友達によって、戦後の平和と民主主義が崩壊の危機にある時、反共主義を掲げて、共産党を排除する理由はありません。また過去から今に至る共産党及び影響下にある諸団体への許せない経過に対する批判は継続しながらも、当面迫っている安倍ファシズムに対抗するため共闘が必須です。次の総選挙は野党共闘で闘うしかありません。その基本は、野党共闘に、連合、市民連合、全国各地に市民連合的組織、総がかり運動、市民の共闘体制を作り上げることです。
民進党の代表に、前原さんがなりました。どうするのか注目する必要があります。社民党は平和フォーラムの方針と重なり合います。連合も正念場です。労働組合のナショナルセンターであることを自覚して奮闘していただきたいと思います。
時代は、局面が変わりつつあります。連帯して闘えば勝てるという確信をもってがんばりましょう。

以  上

 

朝鮮民主主義人民共和国の6回目の核実験に 強く抗議し、
米国始め国際社会に冷静な対応を求める声明

                           2017年9月4日

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、9月3日に6回目の核実験を実施した。周辺各国の地震計による推定では、従来の出力の数倍から十倍程度で、北朝鮮の発表と同じく水爆実験と見られる。軍事衝突を招きかねない危険な行為であり、決して許容することはできない。世界各国が核兵器禁止条約を制定し、発効へ向けたとりくみを進めている中にあって、どのような理由であれ、核実験を繰り返す暴挙は許されることはない。原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は、ヒロシマ・ナガサキの悲惨な現実と向き合い、核兵器廃絶を目ざしたとりくみをすすめてきたものとして、北朝鮮政府に対して強く抗議するとともに、核兵器開発の即時停止を求める。
国際社会において、1994年の米朝枠組み合意以降、北朝鮮の核開発を止める機会が何度かあったにもかかわらず、そのすべてで実現に至らせることはできなかった。北朝鮮が自国の体制維持のために核兵器保有に至った責任を、世界各国が問われる事態ともいえる。きびしい経済制裁の中で、外交関係の再生を求める金正恩政権は、しかし、世界から孤立している。急速な核・ミサイル開発は、金正恩政権が追い詰められていることの証左とも言える。

そのような北朝鮮を見ながら、米国・韓国は、首脳暗殺を目的とする「作戦5015」や朝鮮有事を想定し核ミサイルにも対応する「乙支フリーダムガーディアン」などの大規模な合同軍事演習を繰り広げている。制裁措置の強化と軍事的圧力を強める米国・韓国そして日本の政治姿勢は、北朝鮮を追い詰めるだけで平和への道を開けるものではない。原水禁は、米朝対話と六カ国協議の即時再開を強く要請する。
2002年の日朝平壌宣言以降の日本と北朝鮮をめぐる外交関係も、全く破綻していると言わざるを得ない。先月29日の北朝鮮のミサイル発射に伴うJアラート騒ぎに見られる様に、軍事的緊張を煽るだけの安直な安倍政権の政治手法は、両国の関係を悪化させて来た。また、北朝鮮の核実験に抗議する日本政府が、米国の核抑止政策に依存している矛盾を、自らも解決しなければならない。その上で平和憲法の理念に基づいて日本政府がすべきことは、北朝鮮との対話へ関係各国が踏み込んでいく選択を促すことだ。そのためには、周辺国5カ国での話し合いも重要ではないか。

どのような状況であれ、軍事力行使だけはあってはならない。原水禁は、国際社会の冷静な対応と軍事力行使への強い自制を求める。同時に国際社会のあらゆる場で、東アジアの平和への話し合いが行われることを希望する。

原水爆禁止日本国民会議  議長 川野 浩一

 

2017年8月18日

石川県知事 谷本正憲 様

石川県平和運動センター

共同代表 柿平哲夫 南弘樹 本田良成 新明宏 森憲一

金沢平和運動センター議長 谷 光哉

社会民主党石川県連合代表 盛本 芳久

( 公 印 省 略 )

8.18「北朝鮮ミサイル-避難訓練-」中止の申入れ

石川県は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略す)のミサイル飛来に備えて8月30日に「避難訓練」を輪島市で実施するとしています。

知事は、本当に、北朝鮮のミサイルが日本に飛来するとお考えなのでしょうか。

北朝鮮は「自国防衛」のため「核・ミサイル」を開発していますが、照準は米国を向いています。それは、朝鮮戦争が停戦中であり平和協定が結ばれていないからです。5回の核実験と20回以上の弾道ミサイル実験を繰り返した北朝鮮ですが、米国は07年以降、10年間で41回の弾道ミサイル実験を行っており、北朝鮮の比ではありません。米韓合同演習では、戦略爆撃機、空母打撃部隊など圧倒的戦力を投入し、年二回、米特殊部隊1,000人を含む30万人で北朝鮮を威圧しています。

自衛隊もまた、米国の先兵として「核」空母打撃部隊や「核」戦略爆撃機B1を護衛し、北朝鮮を先制攻撃する訓練をやっています。これらに、フセインやカダフィの末路も重ねた金正恩政権は恐怖し、「体制延命には核しかない」と考えたのです。つまり、北朝鮮による「核開発」の主因は米国にあり、「核・ミサイル」を問題にするならば、米国にも抗議すべきなのです。

私たちは、「武力で平和はつくれない」として「核兵器・核開発」に反対しています。ミサイル実験や軍事訓練にも反対し、核実験には北朝鮮であれ米国であれ抗議声明を発しています。

石川県知事が成すべき事は、「いずれも、核開発を止めよ!」「国家予算を餓死寸前の国民に回せ!」と主張すべきではないでしょうか。そして、米軍とともに「戦争挑発」を繰り返す安倍政権に対し、「戦争行為はやめよ!」「国民を煽動するな!」と訴えることではないでしょうか。

内閣改造後の世論調査を見ても、安倍首相は「信じられない人」という評価が続いていますが、北朝鮮の「ミサイル」のみを対象とした「避難訓練」は、北朝鮮を丸ごと敵視することであり、かって、日本が「支配し蹂躙してきた」ことへの反省とは真逆の行為となるのではないでしょうか。まさに「ナショナリズムの鼓吹」であり「国民を総動員」する危険な行為と言わなければなりません。控えめに見ても「不安煽りと憲法9条改悪」の地ならしと言うほかありません。

そもそも、弾道ミサイルに対して、「伏せ」「地下へ」という対処が役に立つとお考えでしょうか。戦前、金沢市生まれのジャーナリスト桐生悠々が訴えた「関東防空大演習を嗤ふ」を思い出してしまいます。もし、ミサイル「落下」が危険とお考えならば、それは「隕石」落下に等しい絵空事と言わなければなりません。小松のジェット戦闘機の方がより現実的な危機であり(別紙を見よ!)、志賀原発事故の方が危機的です。これらを踏まえて、以下、4点について要請します。

1 北朝鮮の「核・ミサイル」開発に係る「避難訓練」は無意味なので、即刻、中止すること。

2 「避難訓練」に小・中学校の児童・生徒を動員することは、無用な恐怖心、敵愾心を煽り、差別を助長するだけなので絶対に参加させないこと。

3 日本政府が、北朝鮮を敵視している米国の軍事・政治に同調することは、危機を助長し恐怖心を煽り敵愾心を増幅させ、一触即発の「核」戦争的事態を招くだけなので、貴職は、日本政府に対し毅然とした態度で、米朝双方に「軍事的な行動・威嚇」を止めるよう要請すること。

4 貴職は、北朝鮮に対し、「核・ミサイル」開発は国民を餓死させることにつながり、対外的にも問題を「複雑化」「困難化」させるだけなので、開発を止めるよう直接、要請すること。

 

戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会 誓いの言葉(平和フォーラム・福山真劫共同代表)

72回目の暑い夏がやってきました。
 私たちは、今年も、みなさまの御霊を追悼し、平和への誓いをもう一度確認するため、ここに集いました。しかし安倍政権に代表される日本の政治は私たちのめざす政治からすれば、危機的状況にありますが、一方、新しい希望も確実に生れつつあります。
 憲法を破壊し、戦争する国・軍事大国への安倍政権の暴走が止まりません。戦争法強行、共謀罪強行、沖縄辺野古への基地建設強行、福島の切り捨てと続き、次は東アジアでの軍事的緊張をつくりだし、それをあおりながら、憲法9条改悪を狙っています。
 また画期的な核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、なんと日本政府は賛成せず、交渉会議にも参加していません。被爆者たちに対する裏切りであり、被爆国政府としての責任放棄です。怒りを通り越して、悲しくなります。
 8月12日、沖縄では、「辺野古に新基地をつくらせない県民大会」が開催され、安倍政権の県民無視の基地建設強行に、4万5千人の県民が怒りの声を上げています。沖縄の民主主義を破壊して進められる暴挙に対して、安倍首相の共犯になりかねない本土における私たちの責任を痛感します。
 そうしたことと合わせて、安倍政権の共謀罪の強行採決、森友学園・加計学園に代表される「権力の私物化」と腐敗の露呈、稲田や金田などお友達たちの大臣の無能ぶりを目の当たりにし、多くの市民は、安倍政治の本質とその危険性・でたらめぶりを理解し始めました。そして安倍内閣の支持率は各種世論調査で30%台へと一挙に急落、7月2日都議選での自民党惨敗と続き、一強多弱といわれた安倍政権が大きく揺れだしています。
 8月3日、安倍首相は、第3次内閣改造を行いましたが、そうした小手先の対策では政権の再浮揚・求心力の回復はできるはずがありません。問われているのは、安倍首相とお友達たちの米国追従・戦後レジームからの脱却という本質・路線・体質です。こんな安倍政権をいつまで続けさせるのでしょうか。野党と私たちの責任が問われています。
 私たちも「戦争させない9条壊すな総がかり行動実行委員会」に結集して、安倍の暴走をとめ、平和・民主主義・脱原発の政治を確立するために全力で闘ってきました。そして市民連合、野党共闘を作り上げてきました。そして今、総がかりを超える総がかり運動めざして、取り組みを開始し、運動は大きく拡大しようとしています。
 野党勢力とっても、絶好のチャンスです。立憲野党の奮闘が求められています。
時代は、戦後レジームの脱却・憲法破壊ではなく、平和・民主主義・脱原発・憲法理念の実現へと動き出しています。おもねるのでは無く、安倍政権の政策転換・退陣・打倒を明確にした野党と労働運動、市民運動、市民の連帯した闘いが確実に新しい政治をつくりだします。私たちはその一翼を担うという決意を申し上げて、「誓いの言葉」とさせていただきます。
2017年8月15日

      フォーラム平和・人権・環境  共同代表  福山真劫

石川県で最大20mの津波予想を報告

国交省分科会、3道県の浸水想定承認

日本海沿いの津波想定について話し合われた

国土交通省は2017年6月27日、社会資本整備審議会河川分科会の第54回会合を開催。日本海に面した北海道、富山県、島根県の津波浸水想定の設定や土砂災害防止対策基本指針の変更などを承認した。また石川県では最大20mの津波が想定されることが報告された。

津波浸水想定は津波防災地域づくりに関する法律に基づき設定。浸水域や浸水深を表示し、国交大臣に報告のうえ社整審河川分科会の意見を聞く必要がある。北海道は今回、稚内市から松前町にかけて日本海沿いの約1100kmが対象。日本海で地震が起こった場合、江差港は最大で6.2mの津波を予測。第1波は3分で来るという。

富山県は約150kmの沿岸。富山市に第1波が地震から1分で到達、最大5.5mの津波を予測している。島根県は隠岐諸島も含めた約1030km。松江市に6分で第1波が到来し、最大2.3mの津波が見込まれている。また5月に設定した石川県も参考として報告。対象は580kmの沿岸で、珠洲市は1分、輪島市は1分未満、原子力発電所のある志賀町は19分、金沢市は20分で第1波が到来。津波は最大で珠洲市が20.0m、輪島市が8.8m、志賀町が6.3m、金沢市が3.6mの予測。石川県は次回分科会で承認の予定。

土砂災害防止対策基本指針は6月に改正水防法が施行されたのを受けて変更。高齢者施設など要配慮者利用施設の管理者に避難確保計画作成と避難訓練実施を義務づけ。降雨状況に応じた防災行動の明確化のほか、特別警戒区域内の建築物について、人的被害が生じる可能性が高く、災害発生の可能性が高まっていることを行政による移転勧告の基本とした。移転勧告がある場合、補助金がおりるケースも今後考えられる。

また一級河川指定として北海道の奔別川の延長減1.9km、滋賀県の大津放水路2.4kmの新規指定、盛越川の延長増0.5km、徳島県の大津田川の延長増0.2kmも承認された。(了)

 

北のミサイル発射施設へ米軍が先制攻撃検討 米朝の戦争挑発反対!

2017年8月10日 14:38

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。

記事全文

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。 アメリカのNBCテレビは9日、国防総省が、北朝鮮への攻撃を指示された場合に向け準備している計画の内容を入手したと報じた。それによると、アメリカ軍が先制攻撃する場合、北朝鮮から約3400キロ離れたグアムの米軍基地に6機配備された戦略爆撃機が展開し、24か所のミサイル発射施設を攻撃することが検討されているという。

 戦略爆撃機は高性能な長距離巡航ミサイルを搭載でき、公海上から攻撃可能だという。こうした攻撃を想定した訓練は5月以降11回行われ、このうち4回は、爆弾の投下も行われたということだが、一方で、計画は、検討されている選択肢の1つに過ぎないとしている。

この訓練に、日本の空自隊基地からF2やF15戦闘機がコミット(B1戦略爆撃機を護衛する任務)しているのは間違いない。
 
 

 

米議員が国務長官に書簡「大統領の発言に強い懸念」

アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に対し、強い表現で挑発行為をやめるよう、警告し続けていることについて、アメリカ議会のおよそ60人の議員が共同でティラーソン国務長官に書簡を送り、強い懸念を示すともに、大統領の言動を自制させるため、国務長官が、あらゆる努力を払うべきだと訴えています。

この書簡は、アメリカ議会下院のグアム選出の議員を含む、およそ60人の民主党議員が、10日、ティラーソン国務長官に宛てて、送りました。書簡はまず、「トランプ大統領の発言は、北朝鮮との間の緊張を著しくあおり、核戦争の不安を高めており、強く懸念している」としたうえで「発言は無責任で危険だ」と非難しています。

そして、「トランプ大統領と政権の高官が、敏感なこの問題について、細心の注意と自制をもった言動をとる必要性を理解させるためにすべての方策をとるよう求める」として、大統領の言動を自制させるため、国務長官があらゆる努力を払うべきだと訴えています。

そのうえで、「われわれは、ティラーソン長官が、北朝鮮に対話を求め、アメリカの敵ではなく、戦争も体制の転覆も追求しないとした発言を強く支持する」として、アメリカは、最終的に対話を通じて、問題を解決する姿勢を貫くべきだとしています。

アメリカ議会では、トランプ大統領の北朝鮮に対する発言について、支持する声も一部にはあるものの、与野党の有力議員の間からは、無責任だとして、批判の声が上がっています。

 

「あなたはどこん国の総理ですか」

 
安倍晋三首相(左)に要望書を手渡す被爆者5団体の代表者=長崎市内のホテルで2017年8月9日午後0時23分、矢頭智剛撮影
 

被爆者団体、安倍首相の「核兵器禁止条約」に批准しないこと

に対し

 長崎への原爆投下から72年の「原爆の日」を迎えた9日、長崎市の平和公園で平和祈念式典が開かれた。平和祈念式典後に長崎市内で安倍晋三首相と面談した被爆者団体代表は、核兵器禁止条約に日本政府が批准しない方針を示していることに強く憤った。

 「あなたはどこの国の総理ですか」。長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長を務める川野浩一さん(77)は被爆者団体からの要望書を安倍首相に手渡した際に迫った。「ヒバクシャの願いがようやく実り、核兵器禁止条約ができた。私たちは心から喜んでいます。私たちをあなたは見捨てるのですか」

 面談は式典後に首相らが被爆者団体から援護策などの要望を聞く場として設けられている。通常は冒頭で静かに要望書を手渡すが、川野さんは「子や孫に悲惨な体験をさせてはならないというナガサキの72年間の訴えが裏切られたという思いがあった」と異例の行動に出た理由を話す。川野さんは安倍首相に「今こそ日本が世界の先頭に立つべきだ」とも訴えたが、明確な返答はなかった。

 式典に参列した被爆者も、あいさつで条約に言及しない首相への失望を口にした。8歳の時に爆心地から約2・8キロで被爆した嶺川洸(たけし)さん(80)は「核兵器禁止条約が採択され、今が一番大事な時だ。わざわざ東京から来てあいさつするのに、なぜ被爆者に寄り添った言葉を語らないのか」と語った。【樋口岳大、加藤小夜】

 

存立危機事態として「集団的自衛権で北ミサイルを迎撃」可能と認識 (小野寺防衛相)

 

  【北京=城内康伸】北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍の金洛兼(キムラクキョム)司令官は九日、米領グアム島周辺に向け、中距離弾道ミサイル「火星12」を同時に四発発射する計画を慎重に検討している、と明らかにした。ミサイルは「日本の島根、広島、高知の各県上空を通過することになる」と述べた。朝鮮中央通信が十日に伝えた。小野寺五典防衛相は十日、北朝鮮が発射した場合には集団的自衛権を行使し、迎撃することは法律上、可能との認識を示した。

 北朝鮮は、具体的な作戦計画を明らかにすることで、圧力を強める米国や日本を強くけん制した形だ。日本列島上空を通過する計画が遂行されれば、日本の安全保障が深刻に脅かされることになる。

金司令官は、ミサイル部隊を指揮する戦略軍が「八月中旬までに、グアム島包囲射撃計画を最終確定させて、核武力の総司令官である金正恩(キムジョンウン)同志(朝鮮労働党委員長)に報告、発射命令を待つ」と表明した。

発射する火星12は「射程三三五六・七キロを千六十五秒間(十七分四十五秒)飛行し、グアム島周辺三十~四十キロの海上水域に着弾する」と説明。グアムにある米軍基地を直接の攻撃対象にしておらず、「米国に厳重な警告信号を送るため」とした。

トランプ米大統領が八日に「見たこともない炎と怒りを受けることになる」と北朝鮮に警告したことについて、「情勢の方向を見極めることができずに、ぼけた考えを並べ立て、わが国の砲兵の神経を鋭く刺激している」と批判した。

北朝鮮の戦略軍報道官は八日付の声明で、今回のグアム周辺への弾道ミサイル発射準備を明らかにしていた。

(東京新聞)

 

2017年8月 8日