アピール

辺野古埋立て撤回に対し、繰り返された政府の行政不服審査法の濫用に抗議する声明

2018年10月18日

フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

事務局長 勝島 一博

10月17日、防衛省沖縄防衛局は、名護市辺野古の新基地建設に伴い、辺野古沖の埋め立て承認を県が撤回したことに対し、行政不服審査法に基づく不服審査請求に加え、県による撤回の効力停止を国土交通省に申し立てしました。

 これに先立ち、沖縄県では、翁長雄志前知事の方針に沿って、8月30日には沖縄県により、辺野古埋め立て承認の撤回が行われ工事は中断していました。また、9月30日に行われた沖縄県知事選挙では、翁長前県知事の遺志を継ぎ、辺野古新基地建設反対を訴えた玉城デニーさんが、与党の推薦を受けた相手候補に過去最多得票で勝利し「辺野古新基地はいらない」という大きな民意が改めて示される結果となりました。そして10月12日には、玉城新知事と安倍首相との会談ももたれています。

この会談は、選挙後、安倍首相や菅官房長官が選挙結果を「真摯に受け止める」と語っていたことや、選挙後に速やかにもたれたことから、新基地問題が政府と県との間で話し合いによる解決に向けての大きな一歩と期待が膨らむものでした。

しかし、対談からわずか5日後、政府は、対話による解決を踏みにじり、県民に何の説明もなく、突然法的な対抗措置に踏み出しました。

この行政不服審査法に基づく手法は、2015年、翁長知事の「埋め立て承認取り消し」に対して、沖縄防衛局が私人になりすまして「承認取り消しの執行停止」を国土交通大臣に請求したことと同様です。当時も多くの法学者から、「公平性・客観性を欠いた猿芝居」「安保法といい辺野古問題といい法の支配を無視した行政権力の行使」など多くの批判と問題点が指摘されていました。

再び繰り返された安倍政権の手口は、防衛省・沖縄防衛局が私人になりすまし、国土交通大臣に審査請求し、同じ内閣の国土交通大臣が審査するという、国民(私人)の権利・利益の救済を図ることを本来の目的とした行政不服審査制度の濫用であって、法治国家にはあるまじき行為です。さらに、選挙のたびに示されてきた「辺野古に基地はいらない」とする沖縄県民の民意を再び踏みにじっており、不当・不法の極みと指摘せざるを得ません。

私たち平和フォーラムは、玉城知事や沖縄県民の「新基地建設反対」の闘いを支持し、ありとあらゆる取り組みを沖縄や全国で展開するとともに、県民の民意を踏みにじり、国の機関の申し立てを国の機関が可否を判断するなど、安倍政権の暴走を断じて許さず、退陣を求めてさらに闘いを強化していきます。

                                 以上

総会アピール

憲法改悪を阻止し、戦争に反対しよう!

 

 いま私たちは、戦後最大の危機にあります。それは「平和憲法」の危機であり「戦争」の危機です。

 安倍政権は2012年12月に誕生して以来、「戦後レジームからの脱却」を謳い、「戦争できる国」をめざして数々の「戦争準備」を強行してきました。

 2013年12月、特定秘密保護法(軍事機密)、2014年1月、NSC:国家安全保障会議の設置(軍事・人事・法案の統括)、4月、防衛装備移転3原則の閣議決定(武器輸出の解禁)、7月、集団的自衛権の行使を合憲とする閣議決定(日米安保の双務化)、2015年9月19日平和安全法制(世界中で日米の軍事一体化を進める戦争法)、そして2017年6月、テロ等準備罪「改正」:共謀罪の新設(現代の治安維持法)を、多くの野党や文化人、知識人、労働者、市民の「反対」や「危惧」を一顧だにせず成立させました。

 一方で「教育」や「マスコミ」への介入を強め、「愛国教育」には補助金制度を悪用して「モリ・カケ疑惑」まで引き起し、それを「忖度」と「うそ」と「隠蔽」で乗り切り、「改憲」運動は自ら日本会議と連携するなど、まさに「戦前回帰」をあらゆる場面で進める「NSC主導の独裁型」政治と言わざるをえません。

 9月20日、自民党総裁選を「勝利」した安倍首相は今秋、いよいよ「9条に自衛隊明記と緊急事態条項の新設」を柱とする自民党改憲案を「臨時国会」に上程し、来年参院選前には「国民投票」を実施して「戦争する国の憲法」にするため、全力を集中してくることは間違いありません。

 同時に安倍政権は、米国・トランプ政権の「言い値」で「ICBM迎撃システム・イージスアショア」(2基6000億円)やF35戦闘機(42機6300億円)を購入し、水陸機動団の配備や辺野古新基地建設など「日米の軍事一体化」を推し進め、日本を対中国(北朝鮮、ロシア)の最前線基地にしようとしています。

 2019年度「防衛費」概算要求は戦後最大の5.3兆円(実質5.5兆円超)、後年度負担を含めると11兆円近くにもなり、まさに非核保有国では世界一となっています。しかも、米軍の「核戦略」に呼応し、いまや「専守防衛」など意に介さず「多国籍軍への自衛隊派遣」や「海自潜水艦による南シナ海での哨戒活動」まで行っており、「敵基地攻撃能力」強化のために、軍・産・学などの複合体を形成しつつ、射程1000キロを超える「極超音速巡航ミサイル」や「宇宙兵器」「ロボット兵器」の開発にまで手を染めようとしています。

 私たちは、これまで積み重ねてきた「反戦・平和」「護憲」「脱原発」「人権擁護」などの運動のすべてを結集し、労働者・市民とともに「憲法改悪阻止!」「戦争反対!」の一大運動を、職場、地域から作り出すために奮闘しようではありませんか。

 以上、アピールします。

                     2018年9月26日

              石川県平和運動センター第19回定期総会参加者一同

 

米空軍CV-22横田基地配備、陸上自衛隊MV-22佐賀空港配備に抗議する

2018年8月27日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 藤本泰成

8月22日日本政府は、今年4月に到着していた米空軍仕様のCV-22オスプレイが、2018年10月1日、米空軍横田基地に正式に配備されると発表した。当初5機、2024年までには10機の配備を予定しているとした。

横田基地周辺は東京のベッドタウンであり、基地周辺住民から不安の声があがっている。しかし日本政府は、「日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、日本の防衛およびアジア太平洋地域の安定に資する」と配備の必要性を強調するばかりで、周辺住民にしっかりと説明をすることはなく、不安の声に応えようとする姿勢も全く見られない。

そもそもCV-22は米空軍の特殊作戦部隊の輸送が任務だ。そして低空飛行、夜間飛行などを含む危険な訓練を、三沢対地射爆撃場(青森県)、関東信越に広がる空域(ホテルエリア)、陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)、沖縄県の訓練場などで実施するとしている。

米国内で米軍がCV22による低空飛行訓練を計画した際は、詳細な訓練内容や目的が記された環境評価書を米国住民に示していた。今回の横田基地配備においては、それら情報が極めて不十分である。米国政府の二重基準もさることながら、米国から言われるがままに配備を容認する日本政府の姿勢を厳しく糾弾しなければならない。

佐賀空港への陸上自衛隊MV-22オスプレイの配備(17機を予定)に関して、山口祥義佐賀県知事は8月24日、受け入れを正式に表明した。山口知事は、国防政策には基本的に協力する立場としながら、一方で、20年にわたって100億円の着陸料を佐賀県に支払うことを条件の合意している。これでは、住民の安全を金で売ったとの批判は免れない。2月5日に神埼市で、陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターが、民家に墜落した事故の記憶が生々しい。また地元漁業組合などの強い反対の声も根強い。佐賀県の地元住民の声を一切省みない受け入れ表明は、許すことはできない。

今後、九州地方では、陸上自衛隊の水陸機動団と米海兵隊との共同訓練がすすみ、オスプレイを運用する訓練も拡大していく。そして計画では全国で合計50機以上も、日米のオスプレイが配備されることとなる。オスプレイの危険性は、重大事故が多発していることに示されている。2012年、普天間基地配備段階の事故率1.93(10万飛行時間当たりの重大事故発生率)から、2017年末には2.94と、1.5倍にも増大している。訓練と配備の拡大で、私たちのいのちとくらしが脅かされることはごめんだ。

2013年1月27日、沖縄県のすべての市町村長、議会議長が、普天間基地へのMV-22オスプレイ配備反対を訴え日比谷野外音楽堂(東京)に集まった。そこには、亡き翁長雄志沖縄県知事(当時那覇市長)の姿もあった。このときMV-22オスプレイ配備撤回と米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念することを要求する「建白書」が提出されたが、日本政府は無視し続けている。

平和フォーラムは、オスプレイ配備撤回で、沖縄、横田、佐賀、そして全国でとりくんできた。住民の安全を一顧だにせず、民意に耳を傾けない政府の姿勢は絶対に許されない。オスプレイ配備撤回と米軍基地の撤去を求めて、とりくみを一層強化する決意を述べて、抗議とする。

                                                                                                                                                         以上

格差はつくられた!

2015年3月期の連結決算が、日本企業として初めて2兆円を突破したトヨタ。そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの大企業が、2009年から2013年の5年間、税金を払っていなかった事実をご存知ですか? 『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者で元国税調査官主で作家の大村大二郎さんがそのカラクリを暴露。やっぱり政治家はお金が大好きのようです。

なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?

トヨタ自動車は、2015年3月期の連結決算で、グループの最終利益が2兆円を超えました。利益が2兆円を超えたのは、日本の企業としては初めてのことです。

このトヨタ、2009年から2013年までの5年間、実は国内で法人税等を払っていませんでした。2014年3月期の決算発表の際に、豊田章夫社長が衝撃的な発言をしたのを覚えている方も多いかもしれません。

「一番うれしいのは納税できること。社長になってから国内では税金を払っていなかった」

この言葉に、度を失った人は多いのではないでしょうか? 日本最大の企業が、日本で税金を払っていなかったというのです。

トヨタはずっと赤字だったわけではありません。近年赤字だったのは、リーマンショックの影響を受けた2010年期、2011年期の2年だけです。それ以外の年はずっと黒字だったのです。

日本の法人税制には、決算が赤字だったら赤字金額が5年間繰り越される「赤字繰り越し制度」というものがあります。だから、2012年2月期に税金を払っていなかったというのは、理解できます。が、2013年3月期には、その赤字分は解消しているはずであり、税金を払わなければならなかったはずです。

また2009年3月期は黒字であり、赤字繰り越しもなかったので、この期には税金を払わなければならなかったはずです。なのに、なぜトヨタは2009年から2013年まで税金を払っていなかったのでしょうか?

トヨタが、5年間も税金を払っていなかった最大の理由は、「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度です。これは、どういうことかというと、外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされる、ということです。

たとえば、ある企業が、外国子会社から1000億円の配当を受けたとします。この企業は、この1000億円の配当のうち、950億円を課税収入から除外できるのです。つまり、950億円の収入については、無税ということになるのです。

トヨタは詳細を公表していませんが、この「受取配当の非課税制度」を利用して、税金を免れていたことは明白です。

トヨタは、2009年3月期は、営業利益は赤字だったのに、経常利益は黒字になっています。これはどういうことかというと、トヨタ本社の営業だけによる収支は赤字だったけれど、海外子会社からの配当などにより、黒字になったということです。

2010年3月期も、営業利益は3280億円もの赤字でしたが、経常利益では赤字額が771億円までに縮小されています。そして、2013年3月期は、営業利益では4398億円もの赤字だったのに、経常利益は231億円の黒字となっているのです。

これらも、海外子会社の配当などが大きく寄与していると見られます。そして、海外子会社の配当は、課税所得から除外されているので、税務上の決算書では赤字となるのです。つまり「本当は儲かっているのに、税務上は赤字」ということになっていたのです。その結果、2014年3月期まで日本で法人税を払わずに済んだのです。

海外子会社配当の非課税制度が導入されたのは、2009年です。それまでは、海外子会社からの配当は、源泉徴収された税金分だけを日本の法人税から控除するという、ごくまっとうな方法が採られていたのです。それが2009年から、配当金自体を非課税にするという非常におかしな制度が採り入れられたのです。

そして、トヨタは2009年期から5年間税金を払っていないのです。まさにトヨタが税金を払わなくて済むために作られたような制度なのです。

トヨタは、バブル崩壊以降、国内での販売台数が落ち込み、海外での販売にシフトしていきました。特に90年代に入ってからは、海外販売の割合を急激に増やしました。それまで50%程度だった海外販売の割合は、2000年代後半には80%前後で推移するようになったのです。2000年代後半、トヨタは完全に海外依存型の企業になったのです。

必然的に、トヨタは2000年代の後半から、海外子会社からの受取配当が「収入の柱」になっていきました。つまり受取配当の非課税制度というのは、トヨタの「収入の柱」を非課税にする制度なのです。

しかもトヨタの海外販売が激増した直後の2009年から、この非課税制度が始まったのです。単なる偶然では、到底、片づけられないモノだといえます。

実は、トヨタのための優遇税制というのは、この配当金非課税制度だけではありません。租税特別措置法には「研究開発費の税額控除」などトヨタのためにつくられたとしか思えないようなものが多々あるのです。

トヨタがここまで税制上、優遇されている最大の要因は「政治献金」にあるといえます。自民党への政治献金が多い企業団体のランキングでは、社団法人日本自動車工業会が1位で毎年6000万円~8000万円、2位がトヨタで毎年5000万円程度です。この順位は、長らく変わりません。日本自動車工業会というのは、自動車製造企業の団体であり、当然、トヨタは主宰格です。

つまり自民党の企業献金の1位と2位がトヨタ関係なのです。自民党にとって、トヨタは最大のスポンサーなのです。

そのトヨタに対して、有利な税制を敷くというのは、なんとわかりやすい金権政治なのでしょうか?

しかも、たかだか1億数千万円程度の献金で、日本全体の税制が変えられてしまうのです。日本の政治とはなんと貧弱なものなのだろうか、ということです。

金持ちや大企業というのは、こんなにずる賢いのです。我々も、ちゃんと税金について見張っておかないと、この国は大変なことになるでしょう。

ちなみに、最近、「税金を払わない奴ら~なぜトヨタは税金を払っていなかったのか~」という本を出しました。トヨタのことも、もっと詳しく書いております。よかったら手に取ってください。最後は宣伝かい。

image by: Wikipedia

『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋

快適さの目安「スフィア基準」

避難者:欧米では「体育館・公民館で雑魚寝」はしない

日本の避難所は世界的にも最低水準⁉

避難所というと、体育館に大人数で共同生活をして、床に直接布団を敷いて雑魚寝する、といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

当たり前に感じられる日本の避難所風景ですが、実は、他の先進国に比べて生活水準が著しく低いのです。その環境の悪さについて「ソマリアの難民キャンプ並み」と言う人もいます。

中には、汚くて臭いトイレに行くのが嫌で、水分を取るのを控えたり、トイレに行くのを我慢したりして、脱水症状などを引き起こしてしまうこともあるといいます。せっかく避難できたのに、避難所の衛生状態の悪さから病気に感染して亡くなってしまったり、避難所に行くのが嫌で逃げ遅れたりした人などの例もあるようです。

快適さの目安「スフィア基準」

実は、紛争や災害の際の避難所の環境水準を定めた国際基準に「スフィア基準」というものがあります。その中では、

・1人あたりの居住スペースは3.5平方メートル(およそ2畳分)以上、天井の高さは2メートル以上
・トイレは20人に1つ、男女比1:3の割合で設置

などが基準として示されています。これに対応するため、日本でも段ボールを使った組み立て式の簡易ベッドを導入して広いスペースを確保したり、持ち運びできる簡易トイレを準備したりするなど、工夫を凝らしています。

欧米諸国と異なり、日本には床に布団を敷いて寝るという習慣がありますが、これはスペースの問題のみならず、緊急の限られた設備では衛生面においても良くありません。避難所にベッドを導入するというのは一つのポイントとなりそうです。

欧米での避難所事情

火山国・地震国であるという点で日本と似たイタリアでは、災害時には家族ごとに大型テントが支給されたり、国の資金でホテルに宿泊させる体制が整えられたりしています。1つのテントは6人ほど収容できる広さがあり、エアコンやベッドも設置されているんです。

また、アメリカでは、ボランティアなどの支援体制が整っており、被災翌日から食料や日用品などの生活必需品以外にも素早い支援が受けられます。各避難所にテレビや新聞が支給され、映画上映を行ったり、子どもたちのためにピエロが遊びに来たりすることもあるようです。物資と比べて二の次にされがちな情報や娯楽も、精神的に追い詰められた環境では大事な救済手段ですよね。

こうした考え方を受けて、日本でも熊本地震の際には、登山のベースキャンプを参考にした「テント村」がつくられました。体育館や公民館での寝泊まりに比べてプライバシーを確保でき、公私・寝食など活動ごとにスペースを区切ることで、安心感や清潔さも保てます。

民間も支援の手を

体育館での生活が余儀なくされている場合でも、近隣の銭湯やホテルが大浴場を開放したり、美容院が無料シャンプーを行ったりして、行政だけでなく民間も支援に協力しているようです。

他にもペット同伴可の避難所を設けて、ペットを連れている人・動物が苦手な人が相互に嫌な思いをするのを防いだり、先の大雨被害に遭われた倉敷市でも、体育館に紙筒と布を使って間仕切りを設置したりするなど、いまある設備で最大限ストレスを軽減するための取り組みが現在進行形で行われています。

いまはほとんどの建物で耐震工事が行われているので、安全基準などを満たせば民間運営のイベント会場や宿泊施設などを利用してもいいかもしれません。被災した地域へは、予定していた旅行を自粛してキャンセルしてしまう人がどうしても多いのですが、この施策は空室を有効活用することにもつながります。

災害発生後の生活にも心のゆとりを

日本人は、「みんな大変な時だから、自分だけ不満を言うのは申し訳ない」と考えて、過酷な避難環境でも我慢する人が多いようです。しかし、災害時は肉体的にも精神的にも消耗し、ストレスが溜まるもの。命が助かることはもちろんですが、その後の心身の健康も考えた防災対策を考えなければいけません。

日本でも、多くのNPOなどが、こうした新しい考え方を自治体や一般向けに啓発して避難所の環境を少しでもよくし、災害に備える活動を行っています。冒頭でも書いたように、自然災害の多い日本では、避難所生活は、私たちの誰もが「他人事」ではないだけに、こうした動きへの理解と支援を積極的に行っていくべきではないでしょうか。

 

 

憲法理念の実現をめざす第55回大会(護憲大会)開催の呼びかけ

 

私たちは、1964年以来、「憲法理念の実現をめざす大会(護憲大会)」を毎年秋に開催し、憲法の平和と民主主義、人権尊重の理念を日本社会において実現するために、全国の人びとの奮闘を持ち寄り、その内容をより豊かなものとするべくとりくみを積み重ねてきました。55回目となる今年は11月17日(土)から19日(月)の日程で、佐賀県・佐賀市において開催します。すべての皆さんに、本大会への参加を呼びかけます。

 

昨年5月3日、安倍首相は改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「2020年改憲」を表明しました。スケジュールを逆算すると、今年の通常国会での改憲発議を強行することも想定されるものでした。3月25日行われた自民党大会において、「改憲4項目」(自衛隊明記・緊急事態条項・合区解消・教育の充実)の条文案を提示するところまではこぎつけましたが、最終決定には至りませんでした。

 

また、国民投票実施の前提となる「国民投票法改正案」について、与野党の一致をみることなく、自民・公明、日本維新の会、希望の党による国会提出となりました。ただし、通常国会での成立は見送られ、次期以降の国会で審議が予想されます。

 

当初の安倍首相の目論見からは、だいぶんズレが生じているのは、確かです。そのことを反映し、昨年同様改憲派集会で公開された安倍首相のビデオメッセージでは具体的日程については触れることがありませんでした。一方、安倍首相は改憲への意欲をあらためて表明しています。今なお改憲に向けた策動を止めることがないのは、一度取り下げてしまえば、政権そのものの求心力を失いかねない現実があるとみるべきで、けっして油断してはなりません。むしろ、なりふりかまわぬ強行を警戒し、改憲阻止のとりくみをすすめなくてはなりません。

 

安倍政権の改憲策動に対し、昨年9月に発足した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼びかける「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」は、約1350万筆を集約しています。諸団体・個人が全国各地でこの署名を通じ、広範な市民との対話を進めてきた結果として確認する一方で、改憲発議を断念させるため、目標として掲げる3000万筆達成に向け、よりいっそうの奮闘が求められています。

 

理由なき改憲のための改憲の策動は、「特定秘密保護法」(2013年)、「集団的自衛権」行使容認の閣議決定(2014年)、「戦争法」(2015年)、「共謀罪」(2017年)、「働き方改革」(2018年)、あるいは沖縄抑圧や歴史改ざん、教育への介入といった安倍首相自身の反憲法的性格に基づき行われてきた諸政策の総決算です。

 

私たちには、この安倍政権を打ち倒し、憲法違反の法律を廃止し、平和といのちと人権を私たちの手に取り戻し、未来に引き継ぐ責任があります。そのために、ともに考え、ともに行動しましょう。護憲大会をそのための重要なステップとして位置づけ、必ず成功させましょう。職場から、地域から、全国各地から、第55回護憲大会に結集しましょう!

 

2018年8月31日

憲法理念の実現をめざす第55回大会実行委員会

被爆73周年原水爆禁止世界大会・大会宣言

2018年08月09日

   1945年8月6日広島に、9日長崎に、米軍機によって投下された2発の原爆は、一瞬にして二つの都市を壊滅させ、その年の暮れまでに21万4千人余の命を奪いました。原爆投下後の地獄を生き抜いた人々も、原爆後障害や差別と偏見、経済的貧困など、筆舌に尽くしがたい苦難の道を歩んできました。
また、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、多くの人々の命を奪いました。さらに東京電力福島第一原発の事故により、大地は放射性物質で汚染され、多くの原発被災者を生み出しました。事故から7年以上経った今でも、被災者は放射能による健康不安に怯え、5万人近くの人々は、苦しい避難生活を余儀なくされています。様々な形で人権が侵害されています。
ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ。核の軍事利用と商業利用によって引き起こされた、二つの「核」の惨禍の被害と脅威は、チェルノブイリやスリーマイル島、そしてオーストラリア、ビキニ環礁なども含め、様々な場所で明確に存在しています。原水禁は、ヒロシマ・ナガサキの被爆者救済・支援の運動を展開し、国の責任を追及してきました。そのことの成果を共有し、チェルノブイリなど世界の人々の闘いとも連帯し、一刻も早い核時代からの脱却をめざします。
1万5千発とも言われる核兵器は、いつでも発射できる状態にあり、偶発的な核戦争や核爆発も懸念されています。戦争被爆国であるにもかかわらず、安倍政権は、核兵器廃絶に後ろ向きで、「核兵器禁止条約」に反対し、米・トランプ政権の核戦力の強化をめざす新たな核政策を、積極的に支持しています。私たちは、日本政府に対して、被爆者の思いに寄り添い、早期に核兵器禁止条約を批准することを求めます。
これまで緊張関係が続いていた東北アジアでは、朝鮮半島をめぐって南北首脳会談・米朝首脳会談が行われ、対話と協調を基本に、平和と非核化に向けた一歩を踏み出しました。私たちが求めて来た「東北アジアの非核兵器地帯」の実現に向けてのとりくみを開始し、そして非核三原則の法制化と「潜在的核保有」と批判されるプルトニウム利用政策の放棄を実現します。
一方、安倍政権は、国会における多数を背景に強引な政治を行っています。安倍政権の横暴は、集団的自衛権の行使を容認した安保関連法の制定や共謀罪の新設、沖縄の辺野古への新基地建設の強行などの様々な分野にわたり、平和や民主主義を破壊し、力の外交を基本に東北アジアの緊張を高めています。
安倍政権は、歴史修正主義をもって、戦後日本社会が選択した平和主義を破壊し、戦争をする国に変えようと憲法改「正」にまで踏み込もうとしています。このような動きを、私たちは決して許しません。
弱者を切り捨て、いのちや平和、人権を蔑ろにする安倍政権は、脱原発の世論が高まっているにもかかわらず、福島第一原発の事故の責任も取らず反省もなく、その被害も過小に評価し、被害者への支援も切り捨て、一方で次々と原発の再稼働をすすめています。脱原発社会を求める闘いを強化し、国の責任を明確にして福島事故被害者への補償と支援を勝ち取ります。
私たちは、今大会を通じ、「核」と向き合い、その廃絶にむけた確信と展望を確認しました。核兵器廃絶を求め、核被害への補償と支援を求め、平和を求める世界の人々と連帯し、「核と人類は共存できない」「核絶対否定」の原水禁運動をさらに発展させていきます。「核も戦争もない平和な社会」をつくるため、地域や職場において、それぞれの立場から運動を進めていきましょう。

ノーモア ヒロシマ ノーモア ナガサキ ノーモア フクシマ

ノーモア ヒバクシャ ノーモア ウォー

2018年8月9日
被爆73周年原水爆禁止世界大

 

避難指示中に宴会かよ!

2018年8月 1日

 7月3日から8日にかけて、原水禁代表団として中国を訪問している最中、日本は中四国地方を中心に「西日本豪雨」と呼ばれる未曾有の災害にみまわれた。台風7号の影響で梅雨前線が活発化したことで、北海道と九州から長野県にかけて、500ミリから1800ミリを記録する豪雨となった。7月14日現在で死者は200人、行方不明者が48人にのぼっている。繰り返される自然災害に胸が痛くなる。

7月5日の午前中には、兵庫県で作業員3人が流され1人が死亡している。午後1時には、神戸市で10万人、大阪府茨木市など3府県15市町村で計約20万人に避難指示・勧告が出された。神戸市灘区の神戸大学では裏山が崩れ、避難勧告が出され休校となった。

北海道岩内町でも、河川の氾濫が予想されるとして355世帯660人に避難勧告が出された。奥尻町や八雲町でも土砂崩れが起きて道路が不通となり、停電も発生していた。気象庁は、5日午後2時、臨時会見を開き、8日にかけて西日本と東日本で猛烈な大雨が降り続くとし、『今後、重大な災害の発生するおそれが著しく高くなり、大雨特別警報を発表する可能性があります』と警告を発した。

全国的に甚大な被害が想定される状況の中で、5日中には被害や避難が続出していたにもかかわらず、衆議院の赤坂議員宿舎では、安倍晋三首相を囲んで“赤坂自民亭”と称する宴会が開催されていた。岸田文雄政調会長や小野寺五典防衛相、上川陽子法相も参加し、自民党の国会議員たちが笑顔で酒を酌み交わしていた。小野寺防衛相は自衛隊の災害出動の責任者であり、岸田政調会長の地元の広島県の被害は甚大だ。上川法相は、オウム真理教事件に関わる死刑囚7人の死刑執行命令書に署名したばかりだった。

安倍政権は「命」をどのように捉えているのだろうかと疑問に思う。たくさんの人々が、豪雨の中で不安な避難を強いられていた。その後、災害は拡大し、多くの人々が土砂に埋まり家に潰され、洪水に流されて命を失っている。その最中の6日、参議院本会議で審議が始まったのは市民の7割が反対と言われる「IR実施法案」だ。私たちは馬鹿にされている。

思い出すことがある。2001年の「えひめ丸事件」だ。宇和島水産高校のえひめ丸がアメリカ海軍の原子力潜水艦に衝突され沈没し生徒と教員9人が死亡した。一報を受けた後もゴルフを続けた森喜朗首相(当時)は、支持率8%に低下する中で、結局総辞職を余儀なくされた。それが、まともな社会なのではないか。
(藤本泰成)

 

国は辺野古新基地建設を断念せよ!翁長雄志沖縄県知事の撤回表明を支持する声明

2018年7月30日

フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

事務局長 勝島 一博

沖縄県名護市辺野古への新基地建設工事に関して、翁長雄志沖縄県知事は7月27日の記者会見で、前知事が承認した埋め立て承認を撤回することを表明した。今後、撤回に向けた具体的な手続きを進めることになる。

沖縄防衛局は、8月17日から土砂を投入することを県に通知していた。辺野古崎南側の浅瀬で護岸に仕切られたところから土砂を投入しようとするものだ。いっぽう、北側にあたる大浦湾の埋立予定海域に、超軟弱地盤があることが市民による情報公開請求で明らかになった。2年前の沖縄防衛局のボーリング調査によって、国はこの事実を把握していたのだが、ひた隠しにしていたのだ。この軟弱地盤の存在は当初の新基地建設工事の設計条件とは全く異なる。このまま工事を進めるには、設計変更をし、あらためて県知事の承認を求めなければならないものであるはずだ。国は土砂投入で、埋立ての既成事実を作り上げ、県民のあきらめを誘い、11月に予定されている沖縄県知事選挙で、国の言うことを聞く知事を当選させようとしているのであろう。建設賛成の知事になれば、工事の設計変更の承認も得られる。そしていかなる環境破壊が伴おうと、がむしゃらに軟弱地盤を固めつくして、新基地建設を進めることができる。こんな目論見を絶対に許すわけにはいかない。

県知事によって撤回が行わると再び法廷での争いとなる。これまで国は、2015年の代執行裁判で国と県の和解の後、淡々と法的手続きを進め、埋め立て承認を取り消していた県知事に対してすぐさま「是正の指示」を出した。そして県が国と地方係争処理委員会に判断をあおいだところ、同委員会は、国と県が十分な話し合いを行うことを求める判断を下した。しかし十分な話し合いもないまま、「是正の指示に従わないのは違法だ」として、国は県知事に対し違法確認訴訟を提訴したのだ。このような沖縄県に対する国の対応をみると、菅義偉官房長官が述べる「国と県が互いに協力し、誠実に対応し、埋め立て工事を進めていく」という言葉が、いかに空々しく、不誠実なものであることか。県との話し合いを十分に行うこともなく、不利な情報は隠ぺいし、多数の県民が反対しているにもかかわらず新基地建設をごり押しする国の姿勢は、道義にもとることだ。

翁長県知事は、6月23日の慰霊の日のあいさつの中で、辺野古新基地建設は「沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりでなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行している」と安倍政権の姿勢を批判している。いっぽうの安倍政権は、防衛費の1%を大幅に超える拡大、巡航ミサイルも搭載可能なイージス・アショアの購入など、東アジアの平和的安定をめざすどころか、自らが「安全保障環境の悪化」を進めている。朝鮮半島の非核化と戦争状態の終結に向けた歴史的な米朝会談が開かれ、困難な課題を抱えようとも話し合いの場が設けられたという、今日の東アジアの流れに掉さすことができない始末だ。この翁長県知事と安倍首相の政治姿勢の違いは、為政者としての現実と歴史を見る資質の違いともいえるであろう。

平和フォーラムは、翁長県知事の撤回表明を支持する。そして、社会と誠実に向き合うことのない安倍政権を許さず、辺野古新基地建設を国が断念するまで、沖縄県民の総意とともに前進していく決意をうち固め、粘り強く闘いを続けていく。

 

被爆73周年原水爆禁止世界大会スローガン

〈メインスローガン〉

核も戦争もない平和な21世紀に!

くり返すな核被害! めざそう核兵器廃絶と脱原発社会!

〈サブスローガン〉

〇子どもたちに核のない未来を!

〇原発事故被害者の切り捨ては許さない!

安心して暮らせる福島を取り戻そう!

〇許すな!再稼働 止めよう!核燃料サイクル めざそう!脱原発社会

〇STOP!原子力推進政策 増やそう!持続可能なエネルギー

〇辺野古に基地をつくらせるな! めざそう基地のない日本

〇非核三原則の法制化を! 東北アジアに平和と非核地帯を!

〇核兵器禁止条約を批准し、早期発効を!

〇再びヒバクシャをつくるな! 全てのヒバクシャの権利拡大を!

〇憲法改悪反対! 安倍政権の暴走を許さない! 平和と人権を守ろう!

 

被爆73周年原水爆禁止世界大会基調

■はじめに

1945年8月6日、広島市に原爆投下、8月9日、長崎市に原爆投下。私たちは、そのことを決して忘れてはなりません。原水禁の運動の原点はその「被爆体験」にあります。原爆を投下したアメリカは、広島・長崎の甚大な被害に関する調査結果をも核兵器開発に利用しながら、1940年代末には水爆開発を準備し、1949年にソ連が原爆実験に成功してアメリカの核独占が崩壊すると、1950年には水爆の開発を公言しました。そして1954年は、広島原爆の約1000倍もの爆発力を持つ水爆実験をビキニ環礁で行い、マーシャル諸島の人々や第五福竜丸をはじめとする日本の漁船乗組員など、新たなヒバクシャを生み出したのです。度重なる大気圏核実験の「死の灰」による地球的規模の放射能汚染が広がる中で、原水爆禁止、核実験反対の国際運動が広がり、日本の原水禁運動も活動を始めました。

一方、「死の灰」に対する人々の不安を押さえ込みながら、原子力開発を進めるために、1953年にアイゼンハワー大統領は、国連で「原子力の平和利用」演説を行い、1955年に開催された「原子力平和利用会議」が母体となって、1957年には、国際原子力委員会(IAEA)を発足させました。その後の冷戦下においても核保有国の核軍拡が進む中、原水爆禁止を求める世界の人々の運動を背景に、1963年には部分的核実験禁止条約(PTBT)締結、1970年には核不拡散条約(NPT)を発効させ、1972年には核大国の米ソ間で戦略核兵器制限交渉を開始させました。しかし、その後も核兵器は増加の一途をたどり、世界の核兵器は、1986年に約64000発を数えました。核の脅威が増していく中にあって、米ソ両核大国は、1988年に中距離核戦力(INF)全廃条約を発効させ、1991年には戦略兵器削減条約(STARTⅠ)に調印しました。1993年にはSTARTⅡが、オバマ米大統領によるプラハ演説の後の2011年には新STARTが発効しています。国連も、1995年にNPTの無期限延長を決定し、1996年には包括的核実験禁止条約(CTBT)を採択しています。

この間、日本の被爆者は国際的な場で原爆の悲惨な実相について訴えてきました。国際反核法律家協会(IALANA)や、国際平和ビューロー(IPB)、国際反核医師の会(IPPNW)の3団体中心に、1992年に始まった国際法廷闘争は、全世界を巻き込む大運動に発展しました。米仏など核保有国が妨害する中、1995年、国際司法裁判所において、平岡敬広島市長と伊藤一長長崎市長が被爆の実相について訴えました。「国家の存続が危ぶまれるような状況では」との留保をつけながらも、国際司法裁判所は、賛成8、反対6の評決をもって「核兵器の威嚇や使用は、一般的に、国際法および人道法の原則に違反する」との勧告的意見を出しました。6人の反対の内、核保有国出身の裁判官が5人、後の1人は日本出身の裁判官であったことは、日本政府の核廃絶への後ろ向きの姿勢を象徴しています。

多くの人々の努力の結果、核兵器は減少の一途をたどりましたが、いまだ15,000発が世界に存在し、当初英米仏中ロの5カ国であった核保有国は、インド・パキスタン・イスラエルに朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を加えて9カ国に拡大しています。被爆から73年、核兵器廃絶へ被爆者に残された時間はありません。

■オバマ前大統領の「核なき世界」の挫折と日本

2009年4月5日、バラク・オバマ米前大統領は、チェコ共和国首都プラハにおいて、「核兵器を使用したことがあるただ一つの核保有国として、米国は行動する道義的な責任を持っている。私は明白に、信念とともに、米国が核兵器のない平和で安全な世界を追求すると約束する」として、ゴールはすぐに到達できないとしながらも、「核なき世界」をめざすことを宣言しました。この発言は、オバマ前大統領のノーベル平和賞受賞の大きな理由となりました。オバマ前大統領は、2016年05月27日に、現職大統領としては初めて広島の地を踏み、「私の国のように核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければなりません」と、再び「核なき世界」への強い意志を表明しました。

オバマ前大統領は、退任を前にして核兵器の「先制不使用」の宣言を検討しましたが、共和党トランプ大統領の勝利によって政策の継続性が不透明となったことや「中ロの情勢からも時期が不適切」「日本や韓国などの同盟国との関係を損ねる可能性がある」といった国内外からの懸念の声によって、残念ながら断念することとなりました。中国政府は、これまでも「どんな状況下でも先制不使用の原則を貫く」としており、米政府が「先制不使用」を宣言するならば、「核なき世界」へ向けた重要なアプローチになったに違いありません。しかし安倍首相は、「米国が『先制不使用』を宣言すれば、北朝鮮などに対する抑止力が損なわれ、紛争のリスクが高まる」との懸念を、ハリス米太平洋軍司令官(当時)に伝えたと報道されるなど、米国の核の傘の下で核抑止力に依存する安全保障体制の継続を願望しています。

■核兵器禁止条約の成立と安倍政権の姿勢

核兵器廃絶の運動は、平和団体を中心に世界に広がっていきます。被爆者や平和を求める人々の声に推されて、非核保有国は、核兵器禁止を求めて様々な議論を重ねてきました。そのようなとりくみの結果として、2017年7月7日、「核兵器禁止条約」が、国連加盟国193カ国中122カ国の賛成をもって成立しました。条約成立に向けた流れに繋がった三回にわたる「核兵器の人道的影響に関する国際会議」では、各国政府や国際赤十字などの国際組織、世界の反核市民運動とともにヒロシマ・ナガサキの被爆者やマーシャルなどの核実験被害者、医師や法律家などの専門家が集まり、医学、環境・気候変動、国際法など、様々な観点からの報告や議論がなされました。その中で特に、被爆者や核実験被害者が、自らの体験を語り、核兵器の「非人道性」、「非人間性」を訴えてきたことが、この条約作成に向けた源泉となりました。

条約は、「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)及び核兵器の実験により影響を受けた者にもたらされる容認しがたい苦しみと被害」の留意と、「先住民に対する核兵器活動の不均衡な影響」との認識にたって、「核兵器のいかなる使用も人道の諸原則及び公共の良心に反する」としました。その上で、第1条の(a)で、核兵器などの開発、実験、生産、製造、その他の手段での取得、占有、貯蔵などを禁止し、(d)で、核兵器などの使用、その使用の威嚇を行うことを禁止しています。また、第6条と第7条では、核兵器使用・実験の被害者の支援を受け取る権利を認め、核兵器を使用、実験した締約国の支援を提供する責任を明記しています。人類史上初の核爆弾投下から72年、核兵器を「国際人道法」に反する「非人道兵器」として、核兵器とそれに関わるすべてを国際法で「禁止」する、被爆者や原水禁運動が、長年にわたって求め続けている「核兵器廃絶」への歴史的一歩としてきわめて重要な条約です。また、「すべての国がいかなる時も」遵守すべき国際法として「国際人道法」だけでなく「国際人権法」を再確認することも最終案に追加されました。このように世界の核被害者を「国際人権法」によって救済していく道が切り開かれたことも、重要な前進です。

しかしながら、安倍政権は、核兵器廃絶には核保有国と非保有国の「建設的な協力」が必要不可欠としてこの条約に反対し、交渉に参加しませんでした。条約に調印した国は、2018年6月末現在で59カ国となり、批准書を国連に提出した国は10カ国となっています。50カ国の批准書が国連に提出されて後、90日で核兵器禁止条約は発効することとなります。安倍政権が、唯一の戦争被爆国として国際社会でたち振る舞うつもりならば、核兵器禁止条約への参加は当然です。被爆の惨禍を繰り返してはならないとの被爆者、市民の思いを、安倍政権はしっかりと受け止めて、非核保有国として、戦争被爆国として、核兵器禁止から核兵器廃絶への先頭に立たなくてはなりません。

■破綻するプルトニウム利用政策

原水禁運動は、意を同じくする運動組織と連携しつつ、「東北アジア非核地帯」の形成に向けて議論を展開してきました。朝鮮の非核化は、その構想の実現のためにきわめて重要です。私たちは、非核地帯構想には周辺各国から非難されている日本の「プルトニウム利用政策」(核燃料サイクル計画)の放棄が、絶対に必要であるとの立場で、ともすれば原子力エネルギー政策と考えられがちな「プルトニウム利用政策」を、核兵器廃絶の立場から批判してきました。使用済み核燃料の再処理と再処理によって生み出されたプルトニウムを高速増殖炉の燃料に使用するとする「プルトニウム利用政策」は、六ヶ所再処理工場の23回にもわたる完工延期(23回目は、2018年上半期完工を2021年上半期に延期)と高速増殖原型炉もんじゅの廃炉決定(2016年12月21日に廃炉正式決定)によって、その破綻が明らかになっています。現在日本は、使用済み核燃料の再処理によって国内外に47トンにも及ぶ分離済み核分裂性プルトニウム(長崎型原爆約6000発分)を所有しています。NPT加盟国の非核兵器保有国にあって、唯一再処理を行っている日本は、NPTに対してその使用目的を明らかにすることを求められています。2011年3月11日の福島原発事故以来、きびしい新規制基準の中で、54基あった国内の「運転中」商業用原発のうち、すでに19基(福島第二を含む)の廃炉が決まり、残る35基中、適合性審査「合格」は14基、うち5基(高浜1・2号、美浜3号、柏崎刈羽6・7号)は対策工事中で、実際の再稼働は9基(運転差止仮処分中の伊方3号を含む)にとどまっています。市民社会の脱原発を望む声や安全対策などによる原発建設のコスト増などによって、原子力発電の将来はきわめて不透明となっています。安倍政権は、高速増殖炉計画が実質的に破綻した中にあって、増え続けるプルトニウムをプルサーマル計画(プルトニウムとウランを混合したMOX燃料を軽水炉で燃焼させる)によって利用することとしていますが、再稼働したプルサーマル炉は4基(高浜3・4号、伊方3号、玄海3号の4基だが、関電社長は2018年6月27日、大飯3・4号でも申請を検討中と発表)にすぎません。

■批判される日本のプルトニウム保有 

米国においては、サウスカロライナ州サバンナリバーに計画していた米国唯一のMOX燃料加工工場(核兵器解体に伴う余剰プルトニウムをプルサーマル用に加工)の建設を2015年に断念しています。理由は、建設費の高騰とプルサーマルを引き受ける商業用原発がないことによるものです。日本国内においても、仏国からの輸入MOX燃料費は通常のウラン燃料費の10倍近くに達していて、国内調達(六ヶ所再処理工場での再処理や国内MOX燃料加工)ではその数倍にもなり、原発の発電コストに影響するのは必至です。他方、MOX燃料は制御棒の効きを悪くするため、通常の軽水炉では炉心燃料集合体の1/3程度までしか装荷できず、1基で消費できるプルトニウム量は最大でも年0.3~0.4トンにすぎず、経済性、安全性、プルトニウム保有量削減のいずれにおいても正当な理由になりえません。そのため、米国内からは、「再処理は経済性も合理性もない」「日本が再処理を断念することを望む」などとする声が、トーマス・カントリーマン米国務次官補、ジョン・ウルフソル国家安全保障会議(NSC)上級部長、ジョン・ホルドレン米大統領補佐官(科学技術担当)など、多くの人からあがっています。2018年7月の日米原子力協力協定の自動延長をめぐって、米カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン上級研究員は、日本が保有する使いみちのないままの47トンのプルトニウムに関して「核物質をテロ組織に奪われる安全保障上のリスクがある。核拡散につながりかねず、他国への悪い前例となり、中国や韓国など周辺国との緊張感を高めることにもなる」との懸念を表明しています。

このような中、米国家安全保障会議NSC等は日本政府に対し、プルトニウム保有量に上限を設け、削減策を公表することや日米原子力協力協定の自動延長に合わせて日米共同文書を発表するなどの適切な利用・管理を求めてきたと6月10日に報道されました。安倍政権は、7月3日閣議決定した第5次エネルギー基本計画で「プルトニウム保有量の削減に取り組む」と急遽追記しましたが、プルトニウム保有量の上限規制や六ヶ所再処理工場の竣工延期は避けられない状況です。7月5日に原子力委員会で決定された平成29年度版原子力白書でも「我が国のプルトニウム利用に関する取組(基本的な考え方の見直し)」の項を設け、「プルサーマルの実施に必要な量だけ再処理が実施されるよう国が再処理量を認可することや海外保有分のプルトニウムの着実な削減の必要性などの議論がされております」と明記しています。六ヶ所再処理工場が稼働すれば年間約8トンの余剰プルトニウム(核分裂性では約5トン)が生み出され、「利用目的のないプルトニウム」が増え続け、今以上に国際的な批判を浴びるのは必至です。これを回避するために、政府や電力会社は経済性のない危険なプルサーマルを強行・拡大することで、保有プルトニウム量を削減しようとしていますが、それでは問題の解決にはつながりません。全量再処理の計画を改め、直ちに再処理・プルトニウム利用の「核燃料サイクル計画」を放棄すべきです。

■矛盾する日本の核政策

オバマ前米大統領は、「核なき世界」へのアプローチとして、また、テロ対策として、核セキュリティーサミットを開催し、プルトニウムの削減を進めてきました。このような情勢の中で、日本のプルトニウム保有には、中国を中心に周辺諸国から批判の声があがっています。2016年6月、米国バイデン副大統領(当時)が、習近平中国国家主席に対して「日本は一夜で核兵器製造が可能」と発言したと伝えられました。2011年には雑誌『SAPIO』の対談で、自民党の石破茂政調会長(当時)が、「原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという『核の潜在的抑止力』になっている」「安全保障の面から、日本が核兵器を持てることを否定すべきではない」と発言し、日本が「潜在的核保有国」であることを肯定しています。

世界の核軍縮や環境問題で多くの提言を行ってきた米国のNGO「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラキー上級アナリストは、麻生政権時の2009年、「米国の戦略体制に関する米議会諮問委員会(座長:ペリー元国務長官)」に出席した秋葉剛男駐米公使(現外務事務次官)が、「米国が配備した戦略核の一方的削減は、日本の安全保障に逆効果」「米国は仮想敵国が核能力の拡張や近代化を諦めるのに十分な抑止力を持つべき」として、オバマ大統領の「核なき世界」へ向けたとりくみに反対する姿勢を示したことを明らかにしました。日本政府は、国連の場で核兵器廃絶を主張しながら、自国の安全保障については、米国の傘の下にあって成立しているとする核抑止の幻想に基づいて構築しています。自国の核兵器保有の潜在的能力を保持しながら、米国の核抑止政策の枠内で安全保障を確立しようとする日本政府の姿勢は、絶対に改めなくてはなりません。

■トランプ政権の核戦略と日本 

2018年2月2日、米トランプ政権は、2010年のオバマ政権以来となる「核態勢の見直し」(NPR2018)を発表しました。「力による平和」を主張するトランプ大統領の意向を反映し、ピンポイントで核兵器の使用を可能とする「小型核兵器の開発前倒し」とF35ステルス戦闘機等への核能力組込み(配備)を明記し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の搭載や水上艦搭載の核巡航ミサイルの新たな開発による戦術核兵器の米海軍再配備(1991年にブッシュ(父)政権が撤去していた)などをめざすもので、核軍縮への道と逆行するものとなっています。また、核兵器の使用条件も緩和し、核兵器以外の兵器での攻撃やサイバー攻撃をも核兵器使用の対象としています。オバマ政権が2010年新START条約の米議会批准時に、共和党の要求で認めざるえなかった「30年間に1.25兆ドル(約139兆円)の核兵器近代化計画」を拡大・継承する一方、オバマ政権が2013年大統領令で発効させた「10年間で政府支出を1.2兆ドル削減」(2013年度国防費13%削減)策は撤廃して2019年度国防費を7.3%増額させています。1980年代のレーガン核軍拡に次ぐ、非常に挑発的・好戦的で世界を核戦争の瀬戸際へ追い込みかねない、きわめて危険な大核軍拡だと言えます。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准の追求や「新たな核兵器開発は行わない」としていた前オバマ政権下でのNPR2010を全否定し、「核なき世界」をめざすとするオバマ前大統領の姿勢をも放棄したもので、決して許してはならないと考えます。

安倍政権は、米国の核抑止力を強化するものとして今回のNPR2018を「高く評価する」とし「核兵器による米国の抑止力維持は必要不可欠」との姿勢を示しました。核搭載可能なF35ステルス機(1機130億円)の空自用F35A・42機調達計画に20機以上を追加し、空母化を検討中の護衛艦「いずも」から短距離離陸・垂直着陸可能な海自用F35Bを10機以上追加発注するなど、トランプ政権による巨額のF35開発費を「分担」するとともに、日本の攻撃能力を高めようとしています。米国の新たな核政策を積極評価し、核兵器禁止条約にも背をむける安倍政権が「唯一の戦争被爆国」を標榜する姿勢は、全く説得力を欠くばかりか、核軍縮・核廃絶を願う世界の人々、とりわけ、ヒバクシャの希望を踏みにじるものとなっています。

今回のNPR2018には、NPR2010で退役した洋上発射核搭載型巡航ミサイル「トマホーク」の代替として、新たな洋上発射核巡航ミサイルの開発が明記されました。一方で安倍政権は、2017年12月に示した防衛大綱に、米国の拡大抑止は不可欠との姿勢から「その信頼性の維持のため米国と緊密に協力する」との文言が加えられました。2018年6月、米国務省が公開した外交文書から、1969年の佐藤栄作元首相とニクソン元米大統領との「核密約」に至る経過が明らかになりました。米国が、沖縄返還交渉の中で、沖縄の米軍基地への核兵器の「緊急時の貯蔵」と「通過する権利」を求め、交渉の過程で「再持ち込み」に表現が弱められていますが、当時のキッシンジャー国務長官は「アジアにおいて、深刻な核の脅威がある場合に役立つ」との視点を明らかにしています。日米政府双方のこのような考え方に立つならば、日本への核兵器持ち込みの懸念は一層深刻なものとなってきます。戦術核兵器の米海軍再配備方針を打ち出したトランプ政権下では、核搭載艦船が日本に寄港する現実的可能性が一層高まり、国是である「非核三原則」も有名無実化する危機にあると言っても過言ではありません。原水禁でこれまでとりくんできた「非核三原則法制化」の意義がかつてなく高まっていると言えます。被爆者と市民の思いに背を向け、これまでのとりくみを否定する安倍政権の姿勢は、許すことはできません。

■非核化へ動きだした朝鮮半島

2018年4月27日、大韓民国文在寅(ムン・ジェイン)大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、板門店において、11年ぶりの南北首脳会談を開催し「板門店宣言」を採択し署名しました。宣言は、①自主統一への未来を早める、②戦争の危険を実質的に解消する、③朝鮮戦争の終戦を宣言し休戦協定を平和協定に転換する、④完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するなど、相互信頼の下に南北の関係を改善し民族統一への一歩を記しています。私たちは、朝鮮の核兵器開発をきびしく批判し、東北アジアの非核地帯構想を主張してきました。その目標を踏まえ、朝鮮に対する制裁措置の解除、米韓・日米の軍事演習の停止、対話の再開を求めてきました。会談後の共同発表では、文在寅大統領が「民族の念願である統一のための大きな一歩を踏み出した」と述べ、金正恩国務委員長も、「我々は闘うべき異民族ではなく、仲良く生きるべき一つの民族だ」と述べました。植民地支配と侵略戦争の結果、南北分断の要因をつくった日本と朝鮮戦争の責任を負うべき米国両政府は、南北両首脳のこの言葉に真摯に向き合い、朝鮮半島の民族の繁栄に共に協力しなくてはなりません。

板門店宣言では、「南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」として、朝鮮政府は、5月24日、米英中韓露の取材団に公開の下で、咸鏡北道(ハムギョンブクト)豊渓里(プンゲリ)の核実験場の坑道を爆破・廃棄しました。専門家の立ち会いがないという不十分な面はあるにしろ、そもそも朝鮮の核開発が、米国からの軍事的脅威を背景にしたものであることを踏まえながら、「完全な非核化」の一歩として評価すべきと考えます。

■米朝首脳会談・共同宣言を生かせ

2度の南北首脳会談と中朝首脳会談を踏まえて、6月12日、シンガポールにおいてトランプ米大統領と金正恩国務委員長は、歴史上初めての米朝首脳会談に臨みました。会談後、両首脳は共同声明に署名し、朝鮮の安全保障の確約と朝鮮半島の完全な非核化への責務を相互に確認し、①両国民の平和と繁栄を希求する意思に基づく新たな米朝関係の構築の約束、②朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築への共同しての努力、③板門店宣言を再確認し朝鮮による朝鮮半島の完全な非核化にむけた努力、④戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収への努力を確認しました。具体的協議に関しては今後の高官協議に委ねられましたが、軍事的緊張の下にあった朝鮮半島情勢への劇的な変化をもたらすことが期待されます。また、トランプ米大統領が、会談後の記者会見において在韓米軍の削減や米韓軍事演習の中止に触れ、「米韓合同軍事演習は挑発的だ」「朝鮮との交渉中に『戦争ゲーム』をするのは不適切」と発言しました。この発言を受けて、米国防総省は米韓合同演習「フリーダム・ガーディアン」と「韓国海兵隊交換プログラム」(KMEP)の合同訓練などの中止を発表しています。国防総省のホワイト報道官は「生産的協議が続くならば」として今後の追加決定も示唆しています。毎年春に実施される大規模演習「フォール・イーグル」などの中止も期待されます。米朝両国は、朝鮮戦争の休戦状態を引きずり、長年にわたって対立を続けてきました。朝鮮からは、度々「休戦協定を平和協定へ」との主張がありましたが、実現に至りませんでした。今回の会談と共同宣言を生かし、東北アジアの非核化と平和の実現に向けて、両国は不退転の決意で臨まなくてはなりません。

■国交正常化交渉を基本に

安倍政権は、拉致問題の解決に拘泥するあまり、国交正常化への交渉は行き詰まったままに、無為に時を過ごしました。「全ての選択肢が机上にある」として、経済制裁と軍事的圧力強化で核実験やミサイル発射を繰り返す朝鮮に対抗する米トランプ政権と足並みをそろえ、結局、今回の南北、中朝、米朝と続く外交交渉の蚊帳の外に置かれました。このような状況は、政治の不作為と言っても過言ではありません。安倍政権は、直ちに国交正常化へ向けた議論を開始し、朝鮮半島の完全な非核化へのプロセスに、両国の信頼の醸成を基本にしながら、日本のプルトニウム政策の放棄を前提に、関与を深めていくことが重要です。この間、日本のメディアの姿勢は、安倍政権の姿勢を反映してか、朝鮮を「背信の歴史」と非難したり、共同声明は具体性がないとその意義を矮小化したりと、朝鮮敵視政策と軌を一にしているように見えます。米韓軍事演習中止などの動きに対しても、日米同盟の抑止力の低下を懸念する報道が散見されます。このような後ろ向きの姿勢では、東北アジアの平和を実現することはできません。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言に拘泥し、一歩も進まないのであれば朝鮮半島の非核化は実現できないと考えます。今必要なのは、非核化に向けたプロセスを一歩ずつ着実に進めることです。

米国は、トランプ政権の新たなNPRを見れば明らかなように、「米国第一」を掲げ、核大国として世界に君臨してきました。トランプ政権の挑発的な核軍拡を支持し、その核の傘に下に、拡大抑止の強化を主張する日本が、完全な非核化を朝鮮に求めることの矛盾を、私たちはしっかりと見据えなくてはなりません。非核三原則を法制化し核抑止の幻想を断ち切ってこそ、また、潜在的核武装能力の維持とも言える再処理・プルトニウム利用政策を放棄してこそ、日本は東北アジアの非核地帯化の一翼を担い、その平和に貢献することができるのです。

■福島原発事故後に浮かび上がる課題

 ①困難な廃炉作業と巨額な廃炉費用

東日本大震災・福島原発事故から7年半が過ぎようとしています。依然として事故の収束作業は難航し、先の見通しの立たないものとなっています。廃炉に向けて最も難関といわれる溶融燃料(デブリ)の取り出し作業は、格納容器内で毎時80Sv(わずか数分で急性死)もの極端に高い放射線に阻まれ、取り出しの技術確立の目処も立たず、全く先の見えない状況にあります。デブリの一部は確認できていますが、いまだその全容を把握するには至っていません。政府・東京電力は、デブリの取り出し開始を2021年内、廃炉完了の目標を2041年から2051年と時期を示していますが、これまでの経緯をみれば、さらに長期化するものと考えられます。デブリ取出しのために労働者が高線量かつ大量に被曝する事態は避けるべきであり、安全に取り出す可能性がないのであれば、福島原発事故を起こした東電と国の責任を踏まえた上で、超長期間安定的に安全を確保する方途を福島現地とともに模索すべきです。

経産省は、2016年12月に福島第一原発廃炉など事故処理にかかる費用が、それまでの2倍の21.5兆円になるとの試算結果を発表しましたが、あくまで「試算」であり、今後の推移次第では、莫大な費用負担が私たちに求められます。これら費用のうち損害賠償費7.9兆円の大半は「一般負担金」として9電力会社の電気料金から20数年かけて徴収され続けていて、2020年度からはその「過去分」と称して2.4兆円が新電力との契約者を含めた電力消費者の託送料金に転嫁され40年間かけて徴収されようとしています。その結果、東電が実際に負担する損害賠償費は特別負担金の約2兆円に留まります。にもかかわらず、国の原子力損害賠償紛争解決センターの裁判外紛争解決手続き(ADR)和解案を一方的に拒否しているのは許せません。また、廃炉費不足分6兆円については東電管内の託送料金を高止まりにして得た超過利潤を「廃炉等負担金」という費用とみなし(超過利潤隠し)て、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の「廃炉等積立金」に積立てるという消費者だましのテクニックで電力消費者から徴収するなど、一般消費者からの徴収を企図しています。

 ②避難生活と政府支援の打ち切り

被災地福島では、県内に1万5420人、県外に3万4095人、合計4万9515人(2018年3月5日復興庁調査)が、長期の避難生活を余儀なくされています。避難指示が出されている地域の住民でも、避難先で自宅を購入した人や、県などの住宅支援を受けずに東京電力から家賃の賠償を受けて賃貸住宅で暮らす人などは含まれていません。また、住宅の提供が打ち切られた自主避難者も含まれず、福島県・復興庁の調査では十分に避難の実態が反映されていません。

2018年6月29日に復興庁が発表した、同年3月末現在の震災関連死と認定された人の数は3676人で、約9割が66才以上の高齢者で占められています。このうち福島県の震災関連死と認定された人は、2227人で、全体の60%を超えるものとなっています。この数字は、福島県では自然災害である東日本大震災に加えて、人災である東電福島第一原発事故の影響が大きいことを明らかにしています。福島第一原発事故の影響によるふるさと喪失、生業を奪われ、長期にわたる避難生活や将来への不安などが原因にあげられます。

一方、帰還困難区域を除いた、居住制限区域・避難指示解除準備区域では、除染作業によって年間被ばく量20mSv/年を基準にそれを下回る地域から避難指示が解除されています。しかし、20mSv/年という数字は、国際放射能防護委員会(ICRP)が緊急時の基準として示しているもので、これまでの通常時の基準(1mSv/年)の20倍もあり許されるものではありません。避難指示解除に合わせて、帰還を強要するかのように住宅支援などの補償が打ち切られています。避難指示解除準備区域では、教育や医療、日常生活に必要な各種インフラの整備は追いついていません。被害者は、20mSv/年というこれまでに経験の無い高放射線量までのヒバク(実際には、日常生活を制限すれば2~5mSv/年程度に留まるが、ホットスポットに入ると高くなる)を覚悟して戻るか、補償が打ち切られても避難し続けるのかのきびしい選択を迫られています。そこには、政府の被害者に寄り添う姿勢が全くありません。

被害者それぞれの選択に対する支援の確立を求め、実現させなくてはなりません。「福島原発子ども被災者支援法」の第2条2項には「被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と記載されています。安倍政権が進めている原発事故被害者への施策は、これらの考え方を根底から否定するものです。それは東京オリンピックに向けて「復興」をアピールし、福島原発事故の早期幕引きと被害の矮小化を図り、被害者を切り捨てようとする「棄民」政策と言わざるを得ません。

原発事故被害者は、十分な補償と支援を求める訴訟を全国各地で起こしています。多くの場合、原告側が勝訴し、東京電力に賠償を命じる判決が出ています。東電は当初、「裁判外紛争解決手続(ADR)の和解案は尊重する」としていました。にもかかわらず、原発事故後に全村避難となった飯舘村の村民が東電に慰謝料の増額を求めたADRで、2018年2月、東電が和解案の受け入れを拒否したことが判明しました。東電は「20mSv程度の被爆の危険性は証明されていない」「精神的賠償は既存の金額で十分」などと主張しています。浪江町の町民15,000人以上を代理した「浪江町ADR集団申立て」に対しても、2018年3月には東電が6度目の拒否回答を行い、4月にはADR手続きが打ち切られています。現在原告・弁護団は、訴訟を検討しているとしています。訴訟になれば原告1500人以上の大きな訴訟となります。東電は、ADRに関連してこのような拒否を繰り返し、被害者の要求に真摯に対応していません。事故の責任を明確にせず放射能被害を認めない国と東電の姿勢が、全国各地での訴訟につながっていると考えられます。

自主避難者に対する数少ない支援が災害救助法に基づく住宅の無償提供でした。しかし、国と福島県が2017年3月で無償提供を打ち切り、住宅を追い立てられた多くの家庭が生活困難に陥っています。山形県の居住する自主避難者は、住宅の明け渡しを求める「高齢・障害・求職者雇用支援機構」から裁判に訴えられる事態となっています。被害者がいつの間にか加害者に仕立てられる事態を、許すわけにはいきません。

福島原発事故の刑事責任を求めて、被害者らが訴えた「福島原発刑事訴訟」は、検察庁が2度不起訴にするも、検察審査会が強制起訴しました。2017年6月30日に初公判が開かれ、刑事裁判がスタートしました。国を相手にした国賠訴訟も全国で起こされています。原発事故被害者への不誠実な国や東電の態度は、事故の原因は予想を超えた津波による自然災害にあるとして、原発の安全性に対して監督責任のある国や原発を運転する東京電力が事故の責任を免れていることにあります。国や東電は加害者であることを認め事故の責任を全うすべきであり、原発事故をなきもののように振る舞う姿勢は、被害者をさらに追い詰めるもので許すことはできません。このような意味から、国や東電の責任を追及することはきわめて重要であると言えます。

 ③子どもや住民の「いのち」を守れ

福島県では、福島第一原発事故による放射性物質の被害を踏まえて、県民の被曝線量の評価や県民の健康状態の把握、疾病の予防、早期発見、早期治療のために「県民健康調査」を実施しています。本来なら、原発事故による放射能汚染と被曝を強いられた全ての地域の住民について、国策の原発で重大事故を招き人々を被曝させた責任を国が認め、被害者全員の健康を守り被害者に寄り添う立場から、国の責任において直轄で健診と健康管理・治療を行うべきです。しかし「県民健康調査」は、福島県の事業であり、国は「財政的・技術的支援を行うのみ」とされています。また、健康診査については当初から避難区域等の住民約21万人のみを対象としており、その他の人々については既存の健診(特定健診、職場・学校健診など)を活用するとされる(特定健診は自己負担あり)など、被害者の健康を国が責任持って守る施策にはなっていません。

「県民健康調査」では、とくに2011年3月11日現在で概ね18歳以下であった子どもたちに甲状腺(超音波)検査を実施してきました。2018年3月末現在、3巡目の一次調査を終え、二次調査の途中の段階ですが、これまでに199人が甲状腺がん、またはがんの疑い、163人が手術を受け(うち一人は、術後良性腫瘍と診断)、さらに、少なくとも約1400人もの人々が、保険診療による経過観察等が必要と診断されたことが報告されています(2018年6月18日、県民健康調査検討委員会)。今後、長期にわたる公的なケアと医療面、経済面でのサポートが重要であり、県民の健康不安、特に子どもの健康にしっかりと向き合うことが求められています。2015年7月から福島県では、「19歳以上の甲状腺医療費支援」(甲状腺調査サポート事業)が始まりました。これは福島県と全国の運動がつながって実現させた、事故後初めての国による被害者への「医療支援」です。さらに「診療情報提供」を支援の条件としないこと、手続きの簡素化、甲状腺検査に関する「健康手帳」の交付など、施策の改善を国と県に対して求めるとりくみが続けられています。この運動の成果と力を、さらに充実した支援の実現につないでいくことが重要です。

事故後、避難指示区域等の人々に対して行われてきた、医療保険、介護保険の保険料と窓口負担の減免措置は、「避難解除」 が進む中で「自立」「復興」の名の下に、事故10年をメドに打ち切りが危惧されています。浪江町などは、自治体として住民に「健康手帳」を配布しました。そして、浪江・双葉町は、2012 年6月、無料の健診・医療、長期的な健康確保のための諸手当の支給、「放射線健康管理手帳」の交付など、「原爆被爆者手帳と同等の法整備」の要請を国に求めました。被曝による健康被害は、10年後以降も長期にわたって現れる可能性があります。被曝を強いられた人々の健康を守るために、「健康手帳」(無料の健診と医療、生活保障などの権利を伴う「手帳」)の交付など、より包括的な国の医療・生活支援策へと拡大させていくことが求められています。

一方で原子力規制委員会は「線量に大きな変動がなく安定しているため、継続的な測定の必要性は低いと判断した」として、福島県内にあるモニタリングポストの大幅な縮小に動いています。避難指示が出された12市町村以外にある約2400台を2021年3月までに順次撤去することしています。

原発事故はいまだ収束しておらず、溶融した燃料は手つかず、汚染水はたまり続けています。山野においては除染も手つかずの状態で放置され、生活の場の近辺にも除染土や除染ゴミが仮置きされています。事故や天災などにより再び放射性物質が飛散する可能性は否定できません。

原発事故の被災地に住む福島県民には、被曝をできる限り避け、健康に生きる権利があり、放射線の正確な情報を知る権利があります。モリタリングポストは、住民が放射線量の変化を知る大切な装置であり、被害住民の同意なく撤去することは許せません。原発事故が収束し、年間放射線量が1mSvという事故以前の生活を取り戻すまで、しつかりしたデータの提供を求めることが大切です。

■第5次エネルギー基本計画のごまかし

東日本大震災・福島原発事故によって、原発やエネルギー環境をめぐる情勢は大きく変わりました。民主党(当時)政権下では2030年代「原発ゼロ」の方針が打ち出されましたが、安倍自公政権に代わり、エネルギーの「BEST MIX」などの言葉や非現実的な原発輸出策などを掲げて、一部既存原発の再稼働を強行しながら元の原発推進政策に逆戻りしたかのようです。しかし、その政策は矛盾に満ちていて、思惑通りには進んでいません。

事故後、世界各国で原子力の新規建設費が高騰し、老朽炉も追加の安全対策費で発電単価を下げられない中、太陽光・風力など再エネ・コストの急激な低下などで、原発の価格競争力が失われ、原子力政策の見直しが相次いでいます。また、パリ協定成立と発効(2017年)により、脱炭素・再生可能エネルギー促進の方向に世界の流れが大きく切り替わっています。日本でも福島第一原発事故により世論は大きく変化し、7年後の今なお、原発の再稼働に反対し脱原発を求める声は過半数を超えています。

安倍政権は第5次のエネルギー基本計画の策定を進め、5月16日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改定案をとりまとめ、7月3日に閣議決定をしました。

再生可能エネルギーを「主力電源化」する方針を打ち出す一方で、原発と石炭は相変わらず重要なベースロード電源と位置づけ、原子力は「長期的な」電源とし、石炭は「長期を展望」して活用するエネルギー源と位置付けるなど、経済産業省の意向を強く反映したものとなっています。その結果、2030年度時点の発電電力量に占める原発の比率は20~22%とされ、第4次基本計画と同水準に据え置かれました。しかし目標達成に不可欠とされる原発の新増設や建て替えについては、「脱原発」の世論に押され、一言も言及されませんでした。その後の2050年の電力構成の中でも原子力は選択肢と可能性を残しましたが、具体的比率の目標数値を提示できませんでした。

今回の基本計画で示された原子力政策については、世論の動向や現下の安全規制、安全対策費用、再稼働の状況などから、実現性のきわめて乏しいものとなっています。しかし、安倍政権は、原子力・プルトニウム利用のスタンスを変えようとはしていません。原子力政策を延命させるだけのごまかしの基本計画では、将来的な実効性あるエネルギー政策をつくり出すことはできません。基本政策自体の矛盾が、再生可能エネルギーを中心とした社会の構築を拒んでいます。この矛盾を明らかにしていくことこそが、原水禁運動に求められています。

原発の再稼働を許さない

安倍政権は 原発推進政策を強引に進める中で原発の再稼働を強行してきました。今年に入って、3月14日に関西電力大飯原発3号機、3月23日には玄海原発3号機、5月9日には関西電力大飯原発4号機、5月15日には玄海原発4号機と次々と再稼働を強行させてきました。

福島第一原発の事故が示すように、原発の過酷事故は、地元はもとより非常に広範囲に渡って多大な被害を及ぼします。原発が集中する地域では、一基の原発に限らず、地震や津波などによって同時にまたは連鎖的に事故が起きることも予想されます。「新基準に適合したからといっても、安全とは言えない」と、田中俊一前原子力規制委員長は繰り返し表明していました。原発の安全性を監督する官庁の責任者が、原発事故の可能性を消し去ることができないと表明してきたということです。そのほかにも住民避難の課題、住民合意の課題、使用済核燃料の処分や原発の廃炉、破綻した核燃料サイクル計画など課題は山積しています。

昨年広島高裁で今年9月まで運転差し止めが命じられた四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)の10月再稼働を阻止することが重要です。また、40年を超えて老朽化している日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県)の60年運転延長問題もあります。今年11月末までに審査が通らなければ廃炉となりますが、その場合、原電は発電できる原発を持たないこととなり、会社そのものの存続まで危ぶまれる事態です。原電は、運転資金、廃炉費用などの資金不足のため、最低1740億円の対策工事費を東電や東北電力に頼らざるを得ない状況であり、危険な原発を運転する資格はもはやありません。一方、福島第一原発事故の収束費用もままならず、国や電力消費者からの援助を受けている東電が、原発存続のために他者への費用負担を検討すること自体許されるものではありません。

東電は、6月14日、福島第二原発の廃炉にむけて検討する方針を表明しました。遅きに失したとはいえ「原発のない福島を!」と訴え続けてきた県民の思いにかなう決定として、歓迎したいと思います。しかし、東電は、新潟県内において、柏崎刈羽原発の再稼働にむけて着々と準備を進めています。6月の新潟県知事選挙では、「再稼働の争点隠し」によって、再稼働反対派の候補が敗れはしたものの、新知事が再稼働へ突っ走ることはできない状況が生まれています。しかし自民党・公明党推薦の候補であり、「脱原発」を表明しているわけではなく予断を許さない状況は続きます。東電は、東電再生の名目で、柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を狙い、東電・東通原発の工事再開に向けた地質調査すら狙っています。このような東電の思惑を許してはなりません。中越沖地震(2007年7月)で大きな被害を出した原発が、再び地震に襲われないとはいえません。福島原発事故の補償や事故処理さえ満足にできない、また事故の責任も回避しようとする東電に、そもそも原発を動かす資格はありません。各地で進められる再稼働に強く反対し、島根原発3号機の運転開始や東電・東通原発と大間原発の工事再開に反対し、私たちの生活と命のために「脱原発」社会を実現しましょう。

破綻した核燃料サイクル計画-巨額な費用と未完の技術

安倍政権が進める原子力政策の重要な柱の一つに「核燃料サイクル計画」の推進があります。その核燃料サイクル計画の中核を占める高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)は、1995年12月8日のナトリウム漏洩・火災事故以来、機器の点検漏れや杜撰な管理が相次ぎ、2016年12月20日、その責任も総括も曖昧なままに関係閣僚会議で「廃炉」が決定され、今年3月28日に原子力規制委員会が廃炉を認可しました。国家プロジェクトと位置づけ、1兆円を超える国費を投入しながらほとんど稼働しなかったもんじゅの現実は、日本の原子力エネルギーの将来を予感しています。

発電しながら使った量以上の核燃料を生み出せる高速増殖炉は、「夢」の技術と宣伝され、プルトニウムは「純国産燃料」とも言われましたが、多くの研究者が指摘したように、その困難性と危険性を克服することはできまませんでした。もんじゅの冷却材として多量に使われているナトリウムは、水や空気に触れると激しく反応して爆発したり発火したりするため、その取り出しは困難が予想されます。特に1次冷却系のナトリウムは放射化しており、取り出しはより困難です。建設時に解体は予定されておらず、日本には高速炉解体技術はなく,仏との協力で進めようとしています。

文部科学省は、もんじゅが廃炉作業を終えるまでに最低でも3750億円かかると試算していますが、最難関の燃料・ナトリウム取り出しの具体的な作業工程は不透明であり、技術開発など廃炉費用の拡大は必至です。技術の困難性や危険性を説明せずに、国は「夢」だけを振りまいてきました。計画から50年、反対運動は長きにわたりました。1兆円を超える国費をつぎ込みながら何らの成果も上げることのなかったもんじゅに関して、国の責任は重大です。

原水禁および原子力発電に反対する福井県民会議が立ち上げた「もんじゅに関する市民対策委員会」(代表・伴英幸/原子力資料情報室共同代表)は、「もんじゅ」廃炉への過程と問題点、高速炉開発の問題点などについてまとめた提言を7月10日に原子力研究開発機構や福井県などへ提出しました。今後の廃炉作業については、敦賀市民・福井県民に対しての説明責任をしっかりと果たしつつ、安全を第一に進めなくてはなりません。

一方、政府は「もんじゅ」廃炉の決定と同時に、フランスの高速実証炉「ASTRID」の共同開発への参入を表明しました。「ASTRID」については、開発費用の総額や負担の割合、開発する炉の規模、運転の時期など見通しは立っていません。国は、この研究成果を将来の高速実証炉の独自開発につなげるとしています。ところが、肝心の実証炉建設主体が曖昧で、「新たな(オールジャパンの実証炉開発)体制」や「(費用面を含む)官民役割分担」はこれから検討するとしています。政府の期待していたASTRID計画も、仏原子力・代替エネルギー庁CEA担当者が6月に来日し、仏電力会社EDFが「2060年以前には高速炉に投資しない」と決めたため、ASTRID計画をシミュレーション・プログラム中心の計画へ変更し、建設予定の実証炉規模を60万kWから10~20万kWへ縮小するけれども、その建設費数千億~1兆円の半額を日本で負担してもらいたいと提案してきたのです。

「もんじゅ」開発の失敗から何も学ばず、高速炉計画に拘泥する姿勢はきわめて問題です。この高速炉開発については、内閣府の原子力委員会が、「民間主導で進めるべきだ」とする見解をまとめています(4月24日)。将来の原発発電方式は企業メーカーの主導で決めるべきだとして、「企業の負担も求めつつ、政府が支援する仕組みを導入すべきだ」と従来の政府の方針の見直しを迫りました。高速炉開発の不透明な見通しと開発費用などのコストを考えると電力市場での採算は見込めません。企業が採算性や導入展開の見通しの立たない「高速炉」に率先して投資をするとは考えられず、原発輸出で経営破綻した東芝をはじめ、きびしい経営環境の下で原子力メーカーに余裕はなく、事故処理・賠償に負われる東電だけでなく、他の電力会社も電力自由化で生残りに必死であり、人的・資金的余裕などありません。「民間主導」はもはや実現不可能な方針と言わざるを得ません。再生可能エネルギーの進展と「脱原発」の世論から、エネルギー基本計画における原子力の位置づけは低下するばかりです。もんじゅ廃炉や六ヶ所再処理工場の度重なる完工延期、諸外国からの余剰プルトニウムへの懸念などを考えると、高速炉や核燃料サイクルの存在意義はもはや考えられないと断定すべきです。そのような状況を市民に何ら説明することなく、巨額の税金を浪費し続けようとする国の姿勢は、決して許されません。すでに破綻した高速炉開発から即刻撤退し、六ヶ所再処理工場を閉鎖して、再処理・プルトニウム利用路線を放棄すべきです。

■再処理工場の破綻

6月30日、日本原子力研究開発機構は、東海再処理施設(2014年に廃止決定)の廃止措置作業に約70年を見込み、必要な費用の総額は約1兆円であるとの試算を明らかにしました。放射線量の高い多量の廃液や約7万1千トンもの放射性廃棄物が存在しますが、その状況さえ把握しておらず、現時点で処分の見通しは全く立っていません。作業期間や費用の試算は、今後膨らんでいくことが予想されます。

六ヶ所再処理工場の完工は、2021年上期へ延期(23回目)され、建設費は当初の7600億円から2017年7月現在2.9兆円と4倍近くに膨れあがり、総事業費も13.9兆円に上ると予想されています。抽出したプルトニウムを利用するMOX加工工場の完工も2019年度上期に延期され、その建設費も当初の2倍、2.3兆円に上っています。

通常の軽水炉を利用したプルサーマル発電に利用するMOX燃料のコストは、通常のウラン燃料より10倍近く(仏国からの輸入MOX燃料の場合、国産ではこの数倍)高くなります。電力自由化によって再生可能エネルギー業者など新たな企業参入が本格化し、電力をめぐる企業間競争はきびしくなっています。そのような中で、高額な燃料を使うプルサーマル発電は、あらゆる面から市場で利用する合理性はありません。「もんじゅ」が廃炉になり、高速増殖炉開発路線が破綻した今、高速増殖炉実用化までの「つなぎ」にすぎなかったプルサーマル発電によって再処理を正当化するのは筋違いです。六ヶ所再処理工場とMOX加工工場の計画を断念し、「核燃料サイクル計画」そのものを廃止すべきです。東海再処理工場よりさらに巨大な六ヶ所再処理工場の廃止は、巨額の費用と長期に渡る作業が必要であることは明らかです。東海再処理工場や六ヶ所再処理工場建設につぎ込まれた巨額の費用は、税金として、電気料金として、全て市民から徴収されたものです。無駄で危険な再処理は早急に止めるべきです。

現在日本が抱える約47トンものプルトニウムは、MOX燃料としてプルサーマル発電には利用せず、すべてを核拡散抵抗性の高い形態で密閉しきびしく管理すべきです。六ヶ所再処理工場で新たにプルトニウムを作り出すことは、危険性とともに核拡散の面からも国際的に大きな問題であり、被爆国日本として核拡散に繋がるプルトニウムをこれ以上つくり出すことも使うことも許されません。

■「核のごみ」の最終処分問題と原発の廃炉

昨年7月28日、政府は、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を選定するための「科学的特性マップ」(適地マップ)を公表しました。発表された適地は日本全土の約65%におよび、そこには全国の8割を超す約1500の自治体が含まれています。この「適地」マップは、放射能の半減期2万4000年の危険なプルトニウムを含む高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設が、日本の65%にもおよぶ地域で可能であり、希望すれば8割の自治体でその誘致が実現することを意味しています。政府は、これまでの原発政策同様に、「文献調査」「概要調査」への協力を名目として、自治体に対して多額の「交付金」を支給することで誘致の実現を図ろうとしています。

原子力発電環境整備機構(NUMO)が広報企業に委託して2017年10~12月に開かれた「科学的特性マップに関する意見交換会」では、学生のアルバイトを雇ってのやらせ参加などの不正な実態が明らかになっています。過去にも九州電力のやらせメール、やらせ参加などで大きな批判を浴びたにもかかわらず、相も変わらぬ不正は原発政策の行き詰まりを象徴しています。今年5月からは、広報企業への委託を取りやめ電力会社社員の動員もやめて、NUMO直営で「科学的特性マップに関する対話型全国説明会」(経済産業省資源エネルギー庁と共催)を全国各地で2~3日間隔で頻繁に開いていますが、様々な不正を行使して「国民合意」を取ったかのような強引な「適地決定」が許されるはずはありません。

いま必要なことは、「脱原発」を国の方針として確立させ、これ以上高レベル放射性廃棄物などの核のごみを増やさないことです。最終処分について決めきれないままに、原発の再稼働や六ヶ所再処理工場など核燃料サイクル計画を進め、あらたに多くの核のごみを生みだすことは、そのツケを将来世代に回すもので許されません。

その他にも、福島原発事故、や東海再処理工場やもんじゅなどの廃止に放射性廃棄物など核のごみ問題は山積しています。2015年4月27日に敦賀原発1号機、美浜原発1・2号機、玄海原発1号機に始まって、島根原発1号機、伊方原発1号機、大飯原発1・2号機、伊方原発2号機、福島第一原発1~6号機、第二原発1~4号機全てが廃炉となります。今や、原発は建設の時代から廃炉の時代に突入しています。火山・地震列島のため安定した地層のない日本で地層処分を強引に進めることなく、高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料の処理・管理については「脱原発」を実現した下で国民的議論に付すべきです。また、労働者被曝を避ける立場からも、汚染された原子炉建屋は数十年以上の長期間、密閉管理すべきです。国と電力会社の責任によって、長期にわたる管理体制を確立するとともに、最終処分の技術研究も同時に進めていく必要があります。

■原発輸出とアベノミクスの破綻

安倍政権が進めるアベノミクスの経済政策の中で重要な柱のひとつに位置付けられてきた原発輸出政策は、頓挫しています。

ウェスティングハウス社を買収し、インドや米国での原発建設に打って出た東芝は、経営破綻に陥りました。

日立製作所も、ホライズン・ニュークリア・パワー社を買収し、英国中部ウィルファで原発の新設計画を進めました。しかし、この計画も建設費用の高騰し現在135万kW級UK-ABWR2基で3兆円と見込まれています。資金の融資をめぐっては当初、日本政府が出資する国際協力銀行や日本政策投資銀行、融資の保証をめぐっては日本貿易保険などの名前が挙がり、原水禁は反対の立場を表明し、NGO組織の多くと署名などのとりくみをしました。英国政府は、2兆円超の資金融資への債務保証には積極的な一方、電力買取価格の高値設定や日立子会社(ホライズン社)への5割超出資(日立が子会社を非連結化する条件)には及び腰で、2019年中の着工判断には暗雲が立ちこめています。英国内では、南西部ヒンクリーポイントでの原発新設が進められていますが、費用高騰から電気料金への影響が懸念されています。日立製作所は、巨額の費用を電気料金で回収するとして、英政府に採算のとれる電力の買い取り保証を要求しているとされています。英国では、耐用年数が過ぎた原発の廃炉によって電力不足が懸念されていると言いますが、風力・太陽光など再エネ拡大の余地は多く、市場論理からはコストのかかる原発電力は排除される方向にあり、更なる紆余曲折が予想されます。

また、三菱重工とフラマトム(旧アレバ)の共同出資会社「アトメア」が開発した110万kW級新型原発「アトメア1」を、トルコのシノップに4基建設するとした計画から伊藤忠商事が撤退しました。この建設計画では、建設費が当初見積もりの約220億ドル(約2.2兆円)から2倍以上に膨張し、10%強の出資を計画していた伊藤忠商事は、発電による利益では建設費用の回収は困難と判断したと考えます。トルコ政府も資金調達には後ろ向きで、事業継続はきわめて困難と考えられます。

「アトメア1」は、ベトナムやヨルダンでも建設が構想されましたが頓挫しており、きびしい局面に立たされています。安全対策などによる原発建設コストの増大は、原発を市場経済から閉め出す方向に動いています。東芝、日立製作所、三菱重工の日本を代表する原発メーカーが、政府方針とともに原発建設に拘泥するならば、企業の将来に暗雲をもたらすだけでなく、日英両国民に原子力災害と経済的負担のリスクを高めることは必至です。

■エネルギー政策の転換を

福島第一原発事故を受けて、ドイツやイタリアなどに続きスイスでも脱原発の方針が決定されました。アジアでも蔡英文(ツァイ・インウェン)政権の台湾で2017年1月に2025年までに原発をなくす「脱原発法」が成立しました。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、大統領就任後、古里原発で演説し、福島原発事故に触れて「韓国はもはや地震安全地帯ではない。地震は原発の安全性に致命的だ」として、「脱原発に進む」と宣言しました。韓国では、運転40年目の古里1号機の廃炉や35年目の月城原発1号機の早期廃炉が決定しています。

欧米では、風力発電や太陽光・熱発電・バイオマスなど再生可能エネルギーが急速に普及して発電コストも下がっています。米国では安価なシェールガスによるLPG発電も加わって、電力コストは低下しています。そのような状況において、原発は市場における価格競争に勝つことができず、閉鎖が相次いでいます。原発大国のフランスでさえ、再生可能エネルギーのコストダウンによって大手電力会社の経営状態が悪化し、原子力産業複合企業・旧アレバの経営危機とも相まって、原発比率の75%から50%への低減を政策の中心に据えざるを得なくなっています。

世界のエネルギーは、原発ゼロ・再生可能エネルギー推進へと向かい、地球温暖化防止のパリ協定がこの流れを促進しています。日本でも、福島原発事故以降、原発が稼働しなくても電力は不足しませんでした。脱原発、脱炭素、再生可能エネルギーへの転換は、机上の論理ではなく現実的なものとなっています。

日本における太陽光・風力・バイオマス・地熱・潮力その他再生可能エネルギーのポテンシャルは非常に高いものです。その可能性を引き出す鍵は、私たち自身にあるといっていいでしょう。原発と石炭火力をベースロード電源と位置付ける「エネルギー基本計画」、2030年の電源構成(kWh)に占める原子力の割合を20%~22%、石炭火力の割合を26%とする「エネルギーミックス」を抜本的に改めさせ、脱原発、脱炭素、安全・安心の将来にわたる再生可能なエネルギー社会をつくり出すのは、私たちの力に任されています。2016年4月からは一般の家庭でも電気を選べる、電力の「小売り自由化」が始まり、2020年4月には発送電が分離されます。もっとも、「所有分離」ではなく別会社化して情報を遮断する「法的分離」に留まるため、送配電網の公平で中立的な管理運営がなされる保証はありません。

送配電網を独占する大手電力会社は、太陽光発電事業者(新電力)などからの再生可能エネルギーによる電力の接続を5月の連休など電力需要の低い時期には消費電力を上回る可能性があるという理由で拒否し、経済産業省と一体になって「接続可能量」を導入したのです。これは廃炉になっていない原発が、福島原発事故前の平均設備利用率で動くと仮定し、その電力量を「ベース電力」と仮定してあらかじめ枠取りする、それを基本に30日分の出力制御を条件として再生可能エネルギーの「接続可能量」を決め、これを超えた再生可能エネルギーの接続には無制限・無補償の出力制御を行うというものです。これを手始めに、送電線容量でも原発再稼働を前提に枠取りをして「送電網に空き容量がない」として再生可能エネルギーの送電線接続を拒否したり、送電線への接続点を自由に設定させず接続点までの高額の送配電網工事費の負担を求めたりするなど、新電力には様々な制限を課し、原発からの電力を優先する体勢を作っています。再生可能エネルギーの優先接続・優先給電など脱原発へのエネルギー政策の転換を掲げ、「法的分離」ではあっても中立的な送電網管理で再生可能エネルギーを2017年に35%程度へ高めたドイツなどの先進事例に学ぶことが必要です。

「脱原発」を進めるためには、再生可能エネルギー比率を高めていくことが重要です。閣内不一致がありながら7月3日に強行的に閣議決定されたとはいうものの、原発と石炭火力をベースロード電源として優先させる第5次エネルギー基本計画の抜本的な変更を求め、脱原発・反核運動と消費者運動を結びつけて粘り強く闘い、脱原発・再エネ優先のエネルギー基本計画へ転換させていかねばなりません。消費者の再生可能エネルギーによる電力選択を進めていくために、再生可能エネルギーに課された原発優先のさまざまな制約を撤廃し、再生可能エネルギーを一層普及させて、発電コストを大幅に引き下げていく政策が重要です。電力の電源構成の情報開示と新電力業者に課せられる高い託送料金など様々な制約を排除することも重要です。地方自治体では、再生可能エネルギー推進条例の制定などを通じて、新電力業者への優遇措置も行われていますし、地域での省電力発電へのとりくみもすすめられています。公立学校では太陽光パネルの設置なども少しずつ行われ、太陽光によって必要電力の約半分を賄おうとする大手コンビニストアのとりくみも報告されています。

再生可能エネルギー推進によってこそ、地域の経済が新しく豊かになります。地域分散型のエネルギーのあり方は、地方再生を謳う政府の政策とともにあるものであり、政府が地方再生を真剣に考えるなら、再生可能エネルギーの推進はその一端を担うものであること考えていかなくてはなりません。地域からのエネルギー革命が、日本の将来をつくり出すと言えます。

■重要性を増す「さようなら原発1000万人アクション」と原発ゼロ基本法案

福島原発事故以来、「さようなら原発1000万人アクション」は、作家の大江健三郎さんやルポライターの鎌田慧さんらの呼びかけで結成され、全国で「脱原発」の運動に粘り強くとりくんできた人々と市民をつなぐ運動として発展し、運動を進める中で「脱原発」を市民社会に根付かせてきました。引き続き各地の運動を結び付け、大きな脱原発の運動の原動力ともなっており、この運動を盛り上げることが重要です。大会後の9月17日にも東京・代々木公園で「さようなら原発全国集会」が開催されます。全国からの大きな結集つくりだすことによって、大衆的な脱原発の機運を作りあげることが必要です。

2017年10月の総選挙で誕生した立憲民主党が、市民との対話を各地で重ねながら、運転中の原発を速やかに停止し法施行後5年以内の廃炉を決定する、使用済み核燃料については再処理を行わないことなどを盛り込んだ「原発ゼロ基本法案」をとりまとめ、3月9日、社民・共産・自由の3党に呼びかけ、衆議院に共同提出しました。小泉元首相や細川元首相が顧問を勤める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」も「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を1月10日に発表しています。今後、国会での真摯な議論の展開を期待するとともに脱原発にむけた国民運動に結びつけていくことが重要です。

■ヒバクシャ・核被害者への援護と連帯を

 ① 急がれるヒバクシャ課題の解決

ヒ口シマ・ナガサキの被爆者の高齢化(平均年齢 82.06歳/2018年3月31日)は進み、その子どもである被爆二世も高齢の域に入りつつあります。 限られた時間の中で、被爆の実相を次世代につなげる課題、原爆症認定の課題、被爆体験者の課題、在外被爆者の課題、被曝二世・三世の課題などの解決が急がれています。援護対策の充実と国家の責任を求めることは急務です。

核兵器禁止条約は「第6条(被害者支援と環境改善)」の項で「締約各国は、核兵器の使用や実験に伴って悪影響を受けた管轄下の個人に関し、国際人道・人権法に従って、医療ケアやリハビリ、心理的な支援を含め、年齢や性別に適した支援を十分に提供。社会的、経済的な面についても同様。」と定めており、核兵器禁止条約を早期に発効させ、核の使用・開発に伴うすべてのヒバクシャに健康管理・医療保証・生活保障の権利を拡大させ、実施させることが重要です。

 ②原爆症認定の拡大を、後ろ向きは許されない

原爆症認定問題は、政府の被爆者援護への後ろ向きの姿勢から、裁判闘争を中心にとりくまれてきました。粘り強い被爆者のとりくみと裁判での勝利の結果として、被爆者団体と政府は解決にむけて合意し、「基金」の創設や日本被団協などとの「定期協議」が確認され、課題の前進が図られました。しかし、一方で、2013年に改定された「新しい審査の方針」に従って展開されている審査の中においても、多くの審査滞留や認定却下が生み出され、いまだ改善を要する課題が残されています。司法の場で国の認定却下の判断を取り消す判決が相次いで出されています。原爆の被害を過少に評価し、被爆者支援に後ろ向きの政府の姿勢は、裁判のたびに断罪されてきました。被曝70年を超えて、今もなお続く政府の姿勢を正していく必要があります。

 ③差別なき在外被爆者の援護を

戦後、祖国へ帰還した在外被爆者への援護は、日本の戦争責任・戦後責任と重なり、戦後70年を過ぎても重要な課題です。国内の被爆者同様、在外被爆者も高齢化して、その課題解決は急がれます。これまで在外被爆者の援護の水準は、国内に居住する被爆者の水準からは、大きな格差をつけられていました。原水禁は、「被爆者はどこにいても被爆者」であるとして、差別のない援護の実現に向けて被爆者支援にとりくみ、また在外被爆者自身裁判闘争にとりくんできました。在外被爆者を縛っていた厚生労働省公衆衛生局長の402号通達(被爆者手帳を交付されていても、外国に出国や居住した場合は、健康管理手当の受給権が失効する)は、その違法性が最高裁でも認められました。しかし依然として国内と国外の援護の水準には格差が残りましたが、2015年9月8日の最高裁において「在外被爆者にも医療給付がなされるべき」との判決が下され、制度上の不平等は大幅に改善しました。しかし、被爆したにもかかわらず、国外に移住したことにより被爆を証明する証人が見つけられない、国交がないことで在朝被爆者には実質的に適用されていないなど、いまだ課題が残されています。

在朝被爆者は、2007年段階で384人が確認され、被爆者支援の道を探ってきましたが、緊迫する日朝関係の中で困難な状況が続いています。しかし、米朝間、南北間での対話が進む中で、日朝交渉の進展も期待され、戦争責任・戦後責任とともに在朝被爆者問題の前進に向けたとりくみも急がれています。今後とも粘り強くとりくみを進めなくてはなりません。

 ④被爆体験者に被爆者援護法の適用を

被爆者援護法の枠外に置かれている被爆体験者は、自ら課題の解決を司法の場に求め、裁判闘争を続けています。

被爆体験者とは、被爆者と認められる12km圏内において、実際に原爆によって被災し放射線による被害を受けたにも関わらず、場所が「長崎市民」でなかったことを理由に、被爆者援護法に基づく被爆者と認められない人たちのことです。2007年と2011年初被爆体験者訴訟が提訴され、現在福岡高裁と最高裁で審理が続いています。裁判支援の継続と政府・政党への働きかけを強化しなくてはなりません。裁判の論点のひとつに「内部被曝を含む低線量被曝の影響」がありますが、これまでの原爆認定訴訟などでは、内部被曝も低線量外部被曝も、その影響を過小に評価されてきました。これは福島原発事故の被曝被害の過小評価にもつながるもので、決して許してはなりません。被爆地域の拡大と被爆者認定、被害の実態に見合った援護の強化を訴える必要があります。

残念ながら裁判では、2017年12月に最高裁で1人の入市被爆の審理が不十分として長崎地裁に差し戻され、残り387人は敗訴が確定しました。しかし被爆体験者はあきらめることなく再度長崎地裁に提訴し争っています。福岡地裁の控訴審の闘いとともに被爆体験者の権利確立に向けて支援を強化していかなければなりません。

 ⑤被爆二世・三世の人権確立を求める新たな運動への支援を

被爆者援護法の枠外に置かれている被爆二世・三世は、父母や祖父母の原爆被爆による放射線の遺伝的影響を否定できないなか、「健康不安」や「健康被害」、社会的偏見や差別などの人権侵害の状態に置かれています。被爆二世の全国組織である「全国被爆二世団体連絡協議会(全国被爆二世協)」は、このような被爆二世問題の解決のために、国家補償と被爆二世への適用を明記した「被爆者援護法」の改正、すなわち被爆二世・三世を「5号被爆者」として被爆者援護法に位置づけ援護法を適用することを国(厚生労働省)や国会に対して要求してきました。被爆二世の援護対策が進まない状況の中で、全国被爆二世協では、国連人権理事会の場で被爆二世の人権保障を日本政府に求める国際的運動をスタートするとともに、被爆二世に対する国家賠償を求め、2017年2月17日に広島地裁、2月20日には長崎地裁に「原爆被爆二世の援護を求める集団訴訟」を起こしました。この訴訟を通して、問題の所在を社会的に明らかにし、被爆二世を援護の対象とする国による立法的措置の契機とすることをめざしています。また、2018年4月末~5月初めにジュネーヴで開催されたNPT再検討会議準備委員会に全国被爆二世協として代表を派遣し、核廃絶と二世の人権保障を訴えるサイドイベントを開催するなど、自らも核被害者として、国際的な反核運動の中での役割を果たすための活動を開始しました。原水禁として、被爆二世の人権の確立に向けて、国連人権理事会へ向けたとりくみや集団訴訟への支援などを行っていくことが重要であり、被爆二世・三世の課題解決を、原水禁運動の重要な課題として押し上げていくことが求められています。

 ⑥次世代へ被爆体験の継承を

長崎から始まり全国に拡がってきた「高校生平和大使」の活動は、20年を超え、外務省からも「ユース非核特使」に認定されるようになりました。これまで集めた100万筆を超える署名はジュネーブの国連欧州本部に永久保存されるなど国連からも高く評価されています。高校生平和大使派遣委員会が全国各地で組織され、支援する会も積極的に動きだしています。これまで高校生平和大使の運動に参加したOG・OBで組織する高校生平和大使の会も発足し、平和大使の運動が「ノーベル賞」にノミネートされています。若い世代の主体的で積極的な、核兵器禁止・平和をめざすとりくみをさらに広げて、被爆体験を学び、継承し、広範な運動へと育てなければなりません。

継承には親世代と体験を共有してきた被爆二世・三世の役割も重要です。また、これまで学校でとりくまれてきた様々な平和教育を継続し、発展させなければなりません。地域や職場でも同様に、被爆の実相を学び、被爆体験を継承していくとりくみが求められます。憲法9条の「改正」も政治課題として浮上する中、被爆体験の継承は、平和の尊さを実感する大きな力となるに違いありません。このような課題も認識し、原水禁運動として積極的にとりくむことが重要です。

 ⑦被曝労働者との連帯を

福島原発事故によって、 住民の被ばくとともに、収束作業や除染作業にあたる労働者の被曝問題は大きな課題です。 高線量の中での作業や劣悪な労働環境がもたらす被曝は、労働者の健康に多くの有害な影響を与えるものです。原発労働者も事故の被害者です。「安心・安全」に働くための労働者の権利の確立は、事故の収束作業などの基本に据えなければなりません。福島原発に限らず、多くの原発・原子力施設に共通するものです。電離則・省令の改定で2016年4月から労働者の緊急時被曝限度は100mSvから250mSvへ引き上げられ、「通常被ばく限度を超えた者の線量管理(大臣指針事項)」の中で生涯被曝線量1000mSvが導入されてしまいました。労働者の大量の被曝を容認する電離則・省令・指針の改定撤回を求め、緊急時被曝状況や現存被曝状況を前提に労働者や公衆に一層の被曝を強要するICRP2007年勧告のさらなる導入の動きに反対し、線量引き下げを求めて努力しなければなりません。

収束作業や除染作業に働く労働者の大部分は、高次の下請け企業による雇用です。被曝だけでなく、危険手当てのピン撥ね、パワハラ、等々、労働者の基本的な権利が侵害される事例が日常的に起きています。また、外国人労働者や外国人技能実習生による被曝労働の問題が出ています。安全や権利が確保されずに、使い捨ての労働力としてしか見なされていないことは、大きな問題です。不当な労働を許さないことが必要です。

原発労働者をはじめ全ての被ばく労働者に健康管理手帳を交付し、個人被ばく線量を記録し、定期的に健康診断を実施し労働者の健康を管理することが重要です。法の遵守を含め、とりくみが必要となっています。

被曝労働者の権利の拡大や被ばく住民の健康管理や補償の課題については、当事者の協力が重要であり、支援する団体とともに、とりくみの強化をはからなくてはなりません。

 ⑧世界の核被害者との連帯を

私たちは、世界に広がる核被害者との連携も原水禁運動の重要な課題として位置づけ、長年とりくんできました。核の「軍事利用」や「商業利用」で生まれるあらゆる国のあらゆる核被害者の援護・連帯を追求してきました。アメリカやフランスの核実験による被害者やウラン採掘現場での被害者、チェルノブイリの原発事故での被害者など、これまで多くの核被害者との連携を深めてきました。今大会では、チェルノブイリの原発事故の被害者を招き、その実態を知り、現状を考え、交流を図ります。

放射能汚染とヒバクを押し付けられた核被害者の多くが、核のレイシズムともいわれる差別と人権抑圧の下で、政治から切り捨てられている実態を訴えてきました。私たちが進める原水禁運動では、今後とも、核被害者の人権と補償の確立のためにきびしい現実の中で闘っている住民や労働者と連帯し、共にとりくみをすすめることが求められています。

核社会のもたらす甚大な被害は、あらためて原水禁運動が訴える「核と人類は共存できない」ことを強く再認識させるものです。これ以上の核被害の拡大を、決して許してはなりません。原水禁運動は、差別と抑圧の中におかれている核被害者との援護・連帯をさらに強めていきます。

■日本政府に核兵器禁止条約の参加を求めよう

原水禁「運動はいかなる国の核兵器の製造、貯蔵、実験、使用、拡散にも反対し、その完全禁止と全廃をめざすものであり、どんな小さなことでも原水爆の禁止に役立つ政策および行動を支持し、どんな小さな原水爆の脅威をおよぼす政策および行動に反対」(1965年2月1日原水禁結成大会で確認された「原水爆禁止運動の基本原則」)してきました。核兵器禁止条約の採択によって、核兵器禁止から核兵器廃絶への道が開かれようとしています。日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求め、この道を推し進めることは原水禁運動の責務です。

日本被団協が提起し、私たちも協力してきた「ヒロシマ・ナガサキの被害者が訴える核兵器廃絶国際署名」のとりくみを続けていきます。「核兵器禁止条約」が国連で採択された中で、日本政府に条約を批准するよう求めるとともに、核兵器保有国の条約への参加を促し、ヒバクシャと国民の悲願である「核兵器禁止条約」の実効化を図らなくてはなりません。

■おわりに-安倍政権の命をないがしろにする核政策の暴走を止めよう

朝鮮の度重なる核実験やミサイル発射、米トランプ政権の「力による平和」「核戦力の強化」などによって、世界終末時計は2018年1月25日に残り2分を指しました。水爆実験が繰り返されていた1953年と並び最短となっています。米国とソ連(当時)が部分的核実験禁止条約を結んだ1963年は、12分前に戻っています。核兵器禁止条約が発効しようとしている今、私たちは、対話と協調を基本に、核兵器廃絶へ確実な一歩を踏み出さなくてはなりません。「核先制不使用宣言」「即時警戒体勢の解除」「核兵器の更新の禁止」など、核廃絶、平和へのとりくみに、やるべき事は多くあります。

「核と人類は共存できない」原水禁運動が発してきたこの言葉は、私たちの命の尊厳から生まれてくるものです。暴走する安倍政権は、特定秘密保護法・戦争法(安全保障関連法)・共謀罪法・働き方改革・IR法の制定、そして原因究明もおざなりに相次ぐ原発再稼動と、私たちの命をないがしろにする政策をすすめてきました。安倍政権が当初から主張していた「戦後レジュームからの脱却」は、平和と民主主義、基本的人権を叩き潰すものなのです。平和と民主主義、基本的人権の日本国憲法の理念の下、これまでの原水禁運動の正鵠に胸を張り、私たちの道をゆるぎない信念を持って進もうではありませんか。あらためて「核と人類は共存できない」ことを確認しましょう。原水禁運動は、安倍政権の核抑止による安全保障政策と原発推進政策に、最後まで闘い続けます。

ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・フクシマ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ

 

日米原子力協定の自動延長にともなう事務局長見解

 1988年に発効した日米原子力協定は、2018年7月16日に30年の期限を迎え、自動延長された。1988年当時、日本では33基の原発が稼働していた。その後、2011年の福島原発事故までに54基が稼働し、3基が廃炉、3基が建設中だった。しかし、福島原発事故以降、15基の廃炉が決定し、新規制基準に対応して再稼働している原発は5原発8基にとどまっている。原子力発電をめぐる状況は大きく変化した。

 一方で原子力開発の初期段階から、使用済み核燃料の再処理によって生み出すプルトニウムを利用する核燃料サイクル計画の確立のために、研究開発が進められてきた。1988年段階で、すでに高速増殖炉実験炉もんじゅの本体工事が進められ、1993年には六ヶ所再処理工場の建設が始まった。まさに国家プロジェクトとして事業は、そのスタートを迎えていた。しかし、もんじゅは1995年のナトリウム漏洩事故以来、様々な問題を抱えて2016年12月に廃炉が決定した。六ヶ所再処理工場は23回の完工延期を繰り返し、先の見通しは立っていない。国家プロジェクトは破綻したと言っていい。

 日本は、使用済核燃料の再処理をフランスやイギリスと契約するなどして、現在47トン(原爆約6000発分)ものプルトニウムを保有している。NPT加盟の非核保有国で再処理を行っているのは唯一日本のみだ。プルトニウムは核爆弾の原料であり、使用目的の明確でない余剰プルトニウム持つことは許されない。米国も具体的な削減計画を示すよう迫っていると伝えられている。

 日本政府は、第5次エネルギー基本計画に「プルトニウム保有量の削減に取り組む」との記述を加え、保有量の上限を示すとしている。しかし、核燃料サイクル計画を放棄したわけではない。六ヶ所の再処理工場が稼働すると年間8トンものプルトニウムが分離される。MOX燃料工場を建設し軽水炉によって消費するとしているが、再稼働9基(MOX燃料を使用するプルサーマル炉は4基)という現状が示す通り、今後も順調に再稼働が進むとは思われず、プルサーマルも順調に進むとは考えられない。電力自由化が進みコストの削減が厳しく求められる中で、ウラン燃料の十数倍ものコストがかかることはこの流れに逆行し、MOX燃料は市場価値がないと言わざるを得ない。

 いまや、コストの面からも、安全性の面からも、プルトニウムを利用する合理性はまったくないと言っていい。その中で、核燃料サイクル計画・プルトニウム利用に拘泥することは、「潜在的核戦力」保有という視点から周辺諸国の脅威とも言える。朝鮮半島の非核化の議論が始まってる中にあって、日本のこのような立場は、周辺諸国から納得を得るとは思えない。日米原子力協定の自動延長にともない、今後は一方の通告で協定は終了できる。米国は、日本の原子力政策、特に核燃料サイクル政策により強く意向を反映させることができることとなり、エネルギー安全保障の観点に立てば、核燃料サイクル政策を進めれば進めるだけ、危うい状況を作り出すことになる。日本は、エネルギー問題の視点から、核戦力の視点から「核燃料サイクル計画」を放棄し、プルトニウム利用の政策を改めるべきだ。

  2018年7月17日

原水爆禁止日本国民会議

電力自由化が進む中で事務局長 藤本泰成

 

 

 

 

2018年7月13日

小松基地司令 門間 政仁 様

石川県平和運動センター

                           小松基地爆音訴訟連絡会

小松能美平和運動センター

加賀地区平和運動センター

石川県憲法を守る会

社民党石川県連合

(各団体の公印省略)

日米共同訓練中止申入書

 報道によれば安倍政権は、小松基地をベースに、7月16日~20日の5日間、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機6機程度・隊員120名が、小松基地所属のF15戦闘機4機程度と日本海において共同訓練を実施するとしています。

安倍政権は、「国民の生命を守ることが国家の最大の使命」と主張していますが、この共同訓練は、自らが求めている戦争のできる国づくりと一体化した、「生命を危機に陥れる」軍事行為であり、私たちは絶対に認めることはできません。

しかも、列島の西半分を覆い平成史上最悪の豪雨被害となった西日本豪雨で、死者・行方不明者が200人規模、避難者1万人となり、全力で「国民の生命を守ること」が優先されなければならないときに、なぜ、不要不急の「軍事訓練」を強行するのでしょうか。

今、世界は、対話と協調へと大きく変化してきており、多くの国民も積極的な平和外交を望んでいます。共同訓練は、この流れに水を差す行為でしかありません。

第一次小松基地爆音訴訟が提訴されて42年。基地周辺住民は、未だ、騒音と墜落の危険による精神的、肉体的被害に苦しみ続けています。判決では、この間4回にわたり「受忍限度を超える騒音である。」と厳しく糾弾しています。更に、今年6月6日の全国公害総行動デーにおいて、全国基地訴訟原告団連絡会議と防衛省当局との直接交渉において、小松基地を離陸するジェット戦闘機が発する騒音は、環境基準を定めたいわゆる「10.4協定」が履行されていないことを自ら認め、謝罪しました。それにも関わらず政府・防衛省はいまだに放置しており、人間が人間らしく生きていく権利を無視し続けています。

私たちは、「平和で静かな空」を求めて以下について強く申し入れます。

1.平和を求める点からも、日米共同軍事訓練を中止すること。

2.  環境基準遵守を放棄していることを深く反省し、違法状態を速やかに解消すること。

大飯3,4号機差止め訴訟「控訴審」判決に抗議する

名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)は本日、大飯原発3、4号機の運転差止を認めた福井地裁判決(樋口英明裁判長)を覆し、再稼働を認める判決を下した。

本件は、基準地震動の想定の妥当性が最大の争点であり、昨年4月には島崎邦彦元原子力規制委員会委員長代理による「基準地震動が過小評価されている」という重大な証言があった。これを受け原告は、具体的に大飯原発の基準地震動策定の欠陥を明らかにする石井吉徳元物理探査学会会長の証人申請をおこなったが内藤裁判長はこれを却下した。さらに伊方原発差止訴訟広島高裁仮処分決定の根拠となった火山の影響評価についての山元孝広産業技術総合研究所主幹の証人申請も却下した。十分な審理を求める原告らの訴えを無視し、昨年11月20日、内藤裁判長は審理を打ち切り、強引に結審し、その後の再三再四に渡る原告からの弁論再開の申し立ても拒否し、今回の判決に至った。

司法が十分な審理を尽くそうともせず、原子力規制委員会の判断に追随する今回の判決は、司法の責任放棄と言わざるを得ない。結審後、西川福井県知事が再稼働の同意を表明し、今年3月14日には大飯3号機が、5月9日には4号機が再稼働した。まさに再稼働の動きと軌を一にした国策推進判決であり、福島第一原発事故を招いた司法の責任の欠片すらも意識しない今回の判決は、人権の砦としての裁判所の役割を自ら放棄するものである。

一方、志賀原発1、2号機の差止めを求める私たちの訴訟は早期の結審、判決を求めている。一見、正反対の主張とも映るが、根底にある問題は共通している。有識者会合の評価書は、志賀原発敷地内の断層が将来動く可能性は否定できないとし、活断層との評価で一致しているにもかかわらず、金沢地裁加島慈人裁判長は、原子力規制委員会の審査を見守るのが相当とし、司法の判断を回避する姿勢を示している。名古屋高裁金沢支部と同様、司法の責任放棄である。フクシマを忘れ去るかのような司法の逆行を私たちは絶対に許さず、「裁判で原発を止める」取り組みを強化しなければならない。

私たちはこの間、大飯3,4号機差止め訴訟を担ってきた「福井から原発を止める裁判の会」と連帯し、裁判の傍聴行動や弁論再開を求める裁判所包囲行動にも参加してきた。今回の不当判決に対して共に怒りの声を上げ、今後も志賀1,2号機、そして大飯3、4号機の廃炉を、さらには全原発の廃炉、原発のない社会の実現に向けて、福井の仲間と連帯し今後も奮闘する決意をここに表明する。

2018年7月4日

志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団

東京電力の福島県内全ての原発の廃炉決定に対する原水禁声明

東京電力の小早川智明社長は、6月14日、内堀雅雄福島県知事に対して、東京電力福島第二原子力発電所の4基全てを廃炉にすることで、検討に入ったことを表明しました。これにより、福島県内の10基の原発がすべて廃炉になることとなります。福島第二原発の「廃炉」決断に7年も要したことは、遅きに失しその責任は大きいと言わざるを得ません。   福島県民は、2011年3月11日の福島第一原発事故以来、「原発のない福島を!県民集会」を毎年3月に開催し、福島第一原発の廃炉のみならず、第二原発の廃炉も要求してきました。今回の東京電力の決定は、両原子力発電所の現状からいって当然の結果であり、福島県民の要求にかなうものです。原水禁は、脱原発社会への歩みの一段階として評価したいと考えます。東京電力は、今後、両原発の安全な廃炉に総力を挙げるとともに、再生可能エネルギーを中心とした福島県の復興に、尽力していくことを期待します。

一方で東京電力は、中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎刈羽原発5・6号機(新潟県柏崎市・刈羽村)の再稼働にむけて準備を進めています。また、建設中の東通原発(青森県東通村)の計画も放棄していません。福島第一原発の過酷事故は、多くの人々から日々の生活を奪い、地域の文化を奪い、故郷を奪い、そしてかけがえのない命を奪いました。どのように抗弁しようが、東京電力の責任は逃れることはできません。しかも、事故の収束の作業は、その端緒についたばかりで、今後、膨大な時間と費用が必要となります。国民負担も増え続け、国家財政に与える影響は極めて重大です。東京電力は、溶融した核燃料の取り出しなどについて、明確な作業方法や工程・終了時期なども明確にできないでいます。事故の収束は、今後の研究・開発に待つというきわめて不透明なものであり、増え続ける汚染水の解決策も見えていません。そのような中で、原発の再稼働や新規原発の建設などに着手するなどは、言語道断と言えます。

現在進められている「エネルギー基本計画」の改訂作業では、2030年度時点で原発の電源構成に占める割合を20%~22%する方針を堅持していますが、達成のためには原発30基程度の稼働が必要となりますが、福島第二原発廃炉でさらにその達成は現実的に困難となりつつあります。また、再生可能エネルギーの割合が22%~24%に押さえられ、化石エネルギー依存度の低減を図る姿勢も見えてきません。このような、政府の姿勢は、再生可能エネルギーの将来を塞いでいます。計画の根本的な見直しを強く求めます。

東京電力は、福島県内の全原発の廃炉という決断を機に、政府の方針の拘泥することなく、再生可能エネルギーを基本とした日本の将来を牽引する電力会社としての姿勢を明確にして、日本の市民社会の負託に応えていくことを希望します。加えて、福島第一原発事故の責任を回避することなく、誠実に事故による市民の被害に対する賠償に応じていくことを求めます。そのことは事故を起こした東京電力の責任であり、そのことによってしか市民社会の信頼を勝ち得ることはできません。原水禁は、東京電力が新たな道を歩むことを求めるとともに、脱原発社会へのとりくみをさらに強化していくことを表明します。

2018年6月15日

原水爆禁止日本国民会議

(原水禁)

議長  川野浩一

米朝首脳会談開催にあたっての平和フォーラム・原水禁声明

2018年6月13日

平和フォーラム発26号

各  中央団体・都道府県運動組織 御中

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

事務局長 勝島一博

 

米朝首脳会談開催にあたっての平和フォーラム・原水禁声明

6月12日、シンガポールにおいて、史上初の米朝首脳会談が、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との間で行われた。緊張感漂う中にあって、両首脳が笑顔で握手する姿を、東北アジアの平和と非核化を求めてきた平和フォーラム・原水禁は、心から歓迎したい。

会談後、両首脳は共同声明に署名した。声明では、トランプ米大統領の朝鮮の安全保障の確約と、金正恩朝鮮労働党委員長の朝鮮半島の完全な非核化への責務を再確認し、①両国民の平和と繁栄を希求する意思に基づく新たな米朝関係の構築の約束、②朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築への共同しての努力、③板門店宣言を再確認し、朝鮮による朝鮮半島の完全な非核化にむけた努力、④戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収への努力を確認した。今後、米朝高官による具体的協議を行うとしており、両国が大所高所に立って共通理解の下で朝鮮半島の平和、ひいては東北アジアの平和に向けて努力していくことを心から期待する。

トランプ米大統領が、会談後の記者会見において在韓米軍の削減に触れたことも大きく評価したい。「米韓合同軍事演習は挑発的だ」「朝鮮との交渉中に『戦争ゲーム』をするのは不適切」との言葉に、韓国政府も支持する考えを示した。この姿勢を継続していくことを希望する。

両国は、朝鮮戦争の休戦状態を引きずり、長年にわたって対立してきた。朝鮮戦争を終結し、休戦協定を平和協定に変えることが、東北アジアの平和と安定につながることは論を待たない。そのためには、戦争当事国である中国政府、韓国政府の姿勢もきわめて重要だ。侵略戦争と植民地支配によって、朝鮮半島の南北分断の要因を作った日本政府も、自らの役割を自覚しなくてはならない。

共同声明は、トランプ米大統領が「包括的」と表現したように、非核化への具体的方策に触れていない。朝鮮の核問題を「背信の歴史」などと非難する声もあるが、進み出す一歩が重要であることを忘れてはならない。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言に拘泥し、一歩も進まないのであれば非核化は実現できないと考える。必要なのは、非核化に向けたプロセスを一歩ずつ着実に進めることだ。そのことからも、具体性がないなどとして共同声明の意味を矮小化してはならない。

日本政府は、この間の朝鮮と韓国・中国・米国との外交交渉の蚊帳の外に置かれた。米朝会談は中止するとのトランプ米大統領の計算尽くの発言に、即座に支持すると安倍首相は発言した。これまでも、制裁の継続を唯一訴えてきた。そのような姿勢では、日朝首脳会談が開かれ対話が始まるとは考えられない。「拉致問題を取り上げた」とするトランプ米大統領に対して、「トランプ大統領の強力な支援をいただきながら、朝鮮と向き合い(拉致問題を)解決していく」と応えた安倍首相の姿勢は、主権国家の主体性と言う意味で大きな疑問を感じる。今大切なことは、日朝平壌宣言の誠実な履行を相互で確認し、国交正常化を優先することと考える。拉致問題など未解決な課題は、正常化後に考えられる戦後補償など未整理の課題と共に解決をめざすべきだ。平和フォーラム・原水禁は、東北アジアの平和と非核化に向けて、これまでのとりくみに邁進する。

2018年6月13日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福山真劫

藤本泰成

議長 川野浩一

声明「エネルギー基本計画は原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべき」

2018年5月15日
声明「エネルギー基本計画は原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべき」
原子力市民委員会

2011年3月の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)から7年が経過した。しかし、エネルギー政策は、福島原発事故の教訓を踏まえた方向に転換されておらず、エネルギーを取り巻く厳しい現実に対応しているとはいいがたい1。政府のエネルギー政策において重要な基準とされている「S+3E」の観点からも、福島原発事故のような過酷事故を、日本社会は受け入れることができない。現行の「エネルギー基本計画」における原発の位置づけを全面的に改める必要がある。
2017年8月からの総合資源エネルギー調査会基本政策分科会における「エネルギー基本計画」の見直しの審議では、現行の「エネルギー基本計画」を踏まえてつくられた「長期エネルギー需給見通し」(2030年のエネルギーミックス)を変更せずに、原発比率については20~22%の実現を前提に議論が進み、原発を「重要なベースロード電源」とする骨子案が示された2。さらに経産省の「エネルギー情勢懇談会」では、気候変動に関するパリ協定の発効を前提とした2050年以降を見据えた長期的な脱炭素のエネルギー戦略がテーマとなっているにも関わらず、未だに原発に固執する産業界寄りの議論が繰り返され、長期的にも原発を脱炭素化の選択肢として温存する提言が出されている3
このような政府内での原発の維持や延命政策を前提とする「エネルギー基本計画」の見直しの議論には多くの問題点がある。「エネルギー基本計画」は、以下の論点からあくまで原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべきである。

第一に、原子力発電の根本的な問題点を直視し、原発ゼロを目指すべきである。
これまでのエネルギー基本計画見直しの議論には、福島原発事故の教訓を活かし、パリ協定のもと国際的な気候変動問題への責任を果たし、中長期的に持続可能な社会を実現するというビジョンが欠けていた。政府は、非現実的な原子力維持目標に固執し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーを軽視している。そのため、本格的な気候変動対策を停滞させている。これでは、これまでのエネルギー政策の失敗を繰り返すだけである。
原発を取り巻く現実は厳しい。2014年度に原発の年間発電量はゼロとなり、その後の原発の再稼働も数基に留まり2016年度実績では総発電量の2%にも満たない。原発を維持することが、電力会社の経営にも重大な影響を及ぼしている。新規制基準や原子力規制行政における多くの欠陥、原子力損害賠償制度の不備、運転開始後40年を超えた老朽化原発の運転延長問題、放射性廃棄物の処理・処分の問題などの点でも、原発は困難に直面しており、経済的合理性も失われている。原発の持つこれらの根本的な問題点を直視し、原発ゼロを目指すべきである。
見直しの前提として総発電量に占める原発の割合を2030年に20%~22%にするとしているが、そのようなことは現実には不可能だと考えるのが合理的である。この前提の実現には、廃止が決まっている18基以外の原子炉42基(建設中の3基の原発を含む)のうち約8割を再稼働させ、さらに40年間と決められている老朽原発の運転期間をさらに20年間延長させる必要がある。しかし、再稼働や老朽原発の運転期間延長等で原発を維持することに実現性も国民的支持もない。各種の世論調査によれば、原発再稼働に関しては国民の過半数が反対している。これまで再稼働した原発は8基(2018年5月現在)に留まり、16基は適合性審査への申請の目途さえたっていない。まして、立地自治体や経済界が経済的理由で要望し始めている原発の新設やリプレースも、その実現の見通しはまったく無いのである。

第二に、新規制基準に基づく審査では原発の安全性が確保されない。
政府は、原発依存度を可能な限り低減するとする一方、「世界で最も厳しい水準の規制基準」に適合すると原子力規制委員会が認めた原発については再稼働させるという方針をもち、なし崩し的に再稼働を進めている。しかし、立地審査指針が採用されないなど新規制基準には多くの欠落項目や問題点がある4。こうした基準に基づく適合性審査は、原発の安全性の確保の観点からすれば不十分である。地震・津波・火山などの自然災害への対策や原子力防災を含めた原子力規制行政の問題点も、解消されていない。
さらに例外的にのみ認められるはずの20年間以内の運転延長がなし崩し的に認められ始めている。だが、老朽化した多くの原発には安全上の深刻な問題がある。さらに、原発のテロ対策も明らかに不十分である5。原子力防災に対する政府や自治体の危機管理対処能力もきわめて貧弱である。
多くの国民や周辺自治体などから原発再稼働に反対の意思表示がされているにもかかわらず、再稼働にあたっての同意は、立地自治体のみでよいとされている。これらにみられるように、政府が原発を稼働させる大前提としている「安全性の確保」はされていないし、国民の意見も無視されているのである。

第三に、原子力発電の真の発電コストは高く、隠された様々なコストとリスクがある。
福島原発事故の損害賠償や除染・中間貯蔵施設建設等のため、すでに10兆円を超える資金が東京電力支援のために使われている。また、事故収束や行政の事故対応にも多額の資金が投じられている。これらを合計すれば、福島原発事故による費用は現時点で20兆円を超える。総合資源エネルギー調査会発電コスト検証ワーキンググループは、新設の原発(モデルプラント)が火力よりも発電コストが安いという計算結果を2015年に公表した。だが、事故後に必要となった費用を適切に評価すれば、原発のコストは明らかに高い。また、実績値で評価した場合には、発電コストは火力発電を大幅に上回る6
コスト検証ワーキンググループの示した発電コスト計算は、新設の原発(モデルプラント)についての非現実的な前提に基づいている。実際には、原発の建設コストは福島原発事故後に急騰している。そのために、米ウェスティング・ハウス社は倒産し、日本の東芝は経営危機に陥った。このような現実を政府は改めて認識すべきであり、原発に関する経済性評価を一からやりなおすべきである。
実際には経済性がない原発を電力自由化の中で延命させるために、賠償費用等の一部を託送料金によって回収するなどの措置が政府によって講じられつつある6。加えて、原子力損害賠償法にさだめられた賠償額を有限にしようとする動きも政府に見られる。これらは、原発が国家の支え無しに自立できない、コストとリスクの高い電源であることを示している。

第四に、意思決定プロセスに、市民からの意見を聴取し、反映する努力を行っていない。
政府内で、非現実的な「エネルギーミックス」を前提にした議論が行われているのは、エネルギー政策形成において民主的な意思決定プロセスが欠けているからである。経済産業省が所管する審議会は、委員の構成をはじめ、原発を推進してきた産業界や電力会社の意向が色濃く反映されている。「エネルギー基本計画」の見直しに代表されるエネルギー政策の策定では、意思決定プロセスのあり方から見直す必要がある。3.11後のエネルギー基本計画の見直しでは前政権下で国民的議論が行われ、原発ゼロを目指すことが一旦は決定された。2010年のエネルギー基本計画の見直しの際には公聴会までは開催されたが、今回の見直し過程では意見箱の設置に留まり、また受け付けた意見に関する検討・分析や反映などは全くなされていない。

第五に、原子力発電が「ベースロード電源」という発想が電力システム改革を後退させている。
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の骨子案では、原子力を引き続き「重要なベースロード電源」として位置づけ、年間発電量に占める割合を2030年までに20%以上と2017年の約3%から大幅に増やそうとしている。原子力発電や石炭火力発電を電力供給の中で重要視して「ベースロード電源」とするという考え方は電力自由化や再生可能エネルギーの大量導入が進む中ではもはや時代遅れであり、欧州では、「ベースロード電源」という発想そのものすらなくなっている。むしろ電力システムの調整力が重要視され、硬直的な運用しかできない原発は調整力を阻害する存在になってきている。
原発を「重要なベースロード電源」に位置づけたことにより、再生可能エネルギーの導入が現実に阻害され、導入コストの低減を妨げている。原子力を含む「ベースロード電源」をフル稼働させることを前提にしているため、算定される系統の空き容量がゼロとなり、再生可能エネルギーの系統接続が大幅に制限されるという理不尽な事態が起きているのである。
すなわち、原発を無理に維持しようとするために電力システム改革そのものが後退している。日本では、電力システム改革の第一弾として電力広域的運営推進機関が2015年4月に発足し、2016年4月から電力の小売り全面自由化が行われた。しかしながら、他方で、電力システム改革の下でも原発を維持するための仕組みが次々に構築されている。これは、電力システム改革の理念を大きくゆがめている。

原子力市民委員会は、2014年の「エネルギー基本計画」や2015年の「エネルギーミックス」の策定に際し、国民的合意を得ながら原発ゼロ社会の実現を目指すよう提言してきた。また、2014年4月には『脱原子力政策大綱2014』7を、2017年12月には『脱原子力政策大綱2017』8を公表し、福島原発事故の被害の全貌や後始末をめぐる問題、放射性廃棄物の処理・処分や原発再稼働を容認できない技術的根拠を指摘した上で、原発ゼロ社会を実現するための行程を発表してきた。さらに新規制基準の様々な問題点について特別レポート5『原発の安全基準はどうあるべきか』も発表している。
「エネルギー基本計画」は、原発の様々な問題点を直視し、早期に原発ゼロ社会を実現することを前提におくべきである。その上で、「エネルギー基本計画」を、再生可能エネルギーの野心的な導入目標や国際的に責任のある温室効果ガスの削減目標を含む、日本社会を持続可能で真に豊かなものにするエネルギー基本計画へと全面的に作り直すべきである。

以上

いま、道徳の教科化を問う!

 いま、石川では教育委員会が、従来「教科としての道徳」が「過去の戦争」などを理由に「忌避」されてきたことを打破し、児童・生徒に徹底するため、「教育者」の意識改革と道徳の「教え方」について研修を強化しています。「特別の教科 道徳編」の解説を見ると、『道徳教育は、平和で民主的な「国家及び社会の形成者」として必要な資質を備え心身ともに健康な国民の育成を期すために行なわれる』とし、この「国民育成の基盤となるものが道徳性であり、その道徳性を育てることが学校教育における道徳教育の使命である」として「人が互いに尊重し協働して社会を形成していく上で共通に求められるルールやマナーを学び、規範意識などを育む」としています。

会社経営者も管理者も、レイシストやシオニスト、ナショナリストも区別することなく人として「相和シ」、文句を言わずに働き「社会」に貢献すること、互いに尊重し協働できない者、秩序を乱す者は取り締まる、つまり、「教育勅語」の「徳目」(現代語訳)を理想としているのです。

 

父母ニ孝ニ(親に孝養を尽くし)、兄弟ニ友ニ(兄弟・姉妹は仲良く)、夫婦相和シ(夫婦は互いに分を守り仲睦まじく)、朋友相信シ(友だちはお互いに信じ合い)、恭倹己レヲ持シ(自分の言動を慎み)、博愛衆ニ及ホシ(広く全ての人に慈愛の手を差し伸べ)、学ヲ修メ業ヲ習ヒ(勉学に励み職業を身につけ)、以テ智能ヲ啓発シ(知識を養い才能を伸ばし)、徳器ヲ成就シ(人格の向上に努め)、進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ(広く世の人々や社会のためになる仕事に励み)、常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ(法令を守り国の秩序に遵い)、そして、一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ(国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)。

 

現在、安倍政権は、NSC:国家安全保障会議のもと、監視・弾圧・戦争体制を強行し、「道徳(教育)」を徹底しようとしています。これを看過すると、「国民」が「ルールを守れ」と私たち労働運動の前に立ちはだかり、極めて恐ろしいファッショ社会となります。

現にいま安倍政権は、あらゆる分野で戦前回帰と民主主義破壊を強行し、愛国教育には「友人・知人を優遇」してまで推進しています。強権政治と官僚の“忖度”に支えられた安倍政権は、「100万の国民が死んでも“核”で北朝鮮を壊滅させる」ことを願望する「戦争屋」としての本性をさらけ出しています。

一方で、護憲を主張する国会議員に対しては、「国民の敵」となじる現職自衛官幹部を活用し、ネットでは「ネトウヨ」による個人攻撃を利用しています。まさに「日本会議」系の右翼が台頭し戦前の5.15事件を想起させる事態が現出しています。2020年に「自衛隊明記」の新憲法を施行したい安倍政権は、「北朝鮮危機」を最大限活用して10兆円規模(後年度負担含む)を予算化と軍備増強を成し遂げ、この「自衛隊」を「参戦」させることにより憲法9条を「死文化」させたいのです。

私たちは、労組の団結力と広範な市民との共闘により、「反戦・平和」「反安倍政権」の運動をつくり、「憲法改悪」と「戦争」、教育の国家的再編を阻止しなければなりません。

安倍政権の“最後の悪あがき”を許さず、労働者・民衆の力で打倒しようではありませんか。

2018年6月

 

18年度軍事費5.2兆円、これに匹敵する後年度負担5.0兆円  総額10.2兆円はGDP比1.9%だ

                                                               山口大輔  2018年3月31日

3月28日、参議院で今年度の防衛予算案●1が採決され、成立した。5兆1,911億円(SACO、米軍再編経費を含む。)が計上され、13年度以降6年連続の増額、3年連続の5兆円超えである。GDP1%枠というが国民が支払った税金を元にした18年度の国家予算は約98億円であり、5兆円はその5%になることを国民はもっと意識した方がいい。本欄昨年1月号で説明しているように防衛関係費は表のように、1)人件・糧食費、2)歳出化経費(17年度以前の契約に基づき18年度支払う経費)、3)一般物件費(18年度の契約に基づき18年度支払われる経費)に仕分けできる。

防衛費及び後年度負担額の推移

(参照)
『ファイナンス』「平成27年度防衛関係費について」(財務省、15年5月)、「平成29年度防衛関係費について」(同、17年5月)
2018年のみ「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省、17年12月)
2018年のうち合計後年度負担のみ宮本徹衆議院議員による防衛省提出資料等を元にした18年2月16日衆議院財務金融委員会提出資料(1)

高額装備一覧
今年度調達予定の高額の装備を上から7つあげると以下である。

  • 3,900トン級新型護衛艦2隻(922億円)
  • F-35A戦闘機6機(785億円)
  • 3,000トン型新型潜水艦1隻(697億円)
  • C-2輸送機2機(435億円)
  • V-22オスプレイ4機(393億円)。
  • KC-46A空中給油・輸送機1機(267億円)
  • E-2D早期警戒機1機(247億円)

国民的議論が必要な項目
注1で参照した「わが国の防衛と予算(案)」の中で国民的にもっと議論すべき部分に注意を喚起したい。
最初に「Ⅱ各種事態における実効的な抑止及び対処 1 周辺海空域における安全確保」の中で、敵基地攻撃能力に当たるのではないかとの議論がされている、相手の脅威圏外から発射可能なスタンドオフミサイルの導入に22億円が充てられている。これは憲法9条2項が専守防衛のための戦力のみを認めるという立場に立った場合に違憲となる疑いが極めて強い。
次に「同 2 島嶼部に対する攻撃への対応」のための経費を見る。この目的のために導入されるV-22オスプレイはご存じのとおり構造上の欠陥から事故率が下がらず、むしろ高くなる傾向がみられる。政府は、この理由を説明することができずにおり、構造上の欠陥から来ていると考えられる。警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊ないし地対艦誘導弾部隊を配置する予定の奄美大島、宮古島、石垣島の拠点建設に553億円を計上している。これは尖閣諸島の領有問題を抱える中国を刺激し、中国の軍事力増強を誘発する恐れがある。それに対応して日本がさらに軍事力を増強するという無限ループ(軍事力による安全保障のジレンマ)に陥る可能性がある。拠点が設置される島々は自衛隊部隊の配備により敵の標的となり、戦場となる恐れが高まる。日本政府は部隊を配備すれば抑止力が高まり安全になるという。しかし、住民の安全を考えた時に本当にそうなのか、一義的には該当島嶼の住民、そして日本の安全保障という意味では国民全員が考える必要がある。
最後に「同 3 弾道ミサイル攻撃への対応」に関する経費を見る。まず陸上配備型イージスシステム(イージス・アショア)の導入のための基本設計、地質測量調査等の実施のために7億円を計上している。イージス・アショアは1基1,000億円とも言われており東・西日本に各1基、計2基の導入が予定されている。そしてイージス艦搭載用日米共同開発のSM-3ブロックIIA、IBの取得に627億円を割り当てている。対弾道ミサイルSM-3ブロックIIAの試験は、発射の時間・場所が事前に知られていても100%は成功していない●2。ミサイル防衛の信頼性は未知数である。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)はミサイル防衛を無効にするため、ロフテッド軌道での弾道ミサイルの発射や複数ミサイルの同時発射を模索しているとされている。また3月1日、ロシアのプーチン大統領は年次教書演説でミサイル防衛を突破できる核搭載巡航ミサイルを紹介した。この巨額の費用を伴う楯と矛の競争にも終わりが見えないのは明らかである。
上記3点とは少し趣旨が異なるがⅥ「効率化への取り組み 2 維持・整備方法の見直し」の縮減見込み額685億円という記述が目を引いた。定期整備間隔の延伸等により、維持整備コストの効率化を追求、とされている。「平成30年度防衛関係予算のポイント」(財務省主計官、17年12月)によれば14~18年度で合計2,074億円が削減されている。効率化により費用が削減されること自体は歓迎すべきことである。安全を犠牲にして整備間隔を延伸していることはあり得ないと思うが、整備間隔を空けることは間違いなく整備状況の低下を招いているはずである。2月21日、佐賀県の陸自目達原(めたばる)駐屯地所属のヘリコプターが墜落し乗員2名が死亡したこと、昨年10月17日、静岡県の空自浜松基地所属の救難ヘリコプターが消息を絶ち乗員1名が死亡、3名が行方不明のままであることが思い出される。自衛官の命にかかわる必要な整備を削減して、不要な装備に資金を回しているということは絶対にないようにしてもらいたい。

後年度負担を分析する
本欄昨年1月号で取り上げた後年度負担について、今回は既定後年度負担(翌年度の支払いが前年度までに確定している分)、新規後年度負担(当年度に新たに発生した分)、その合計の年次推移を見てみたい。13年まで3兆円前後であった後年度負担の合計は14年度予算、15年度予算でそれぞれ12、20%と大幅にアップしている。その後も7、5、4%と比較的高い伸び率を示し続けている。18年度案の19年度以降の後年度負担は5兆円を越えており、18年度の防衛予算に匹敵する。その年の既定後年度負担の数字は例年5月に財務省広報誌「ファイナンス」に掲載されているので隠ぺいしているとまでは言えないが、例年、前年の夏に発表される防衛省の「わが国の防衛と予算」では13年以降は既定後年度負担の記載がされなくなっており、後年度負担がどれだけ積み上がっているのかを国民の目に触れなくしようとしているのではないかという疑念を禁じ得ない。
個別の装備について毎年の支払額がどうなっているか防衛省の資料で調べた。高額装備一覧に挙げた装備のうち、他費目との紛れが少ないと思われる新型護衛艦と新型潜水艦に注目した●3。ところが新型護衛艦は922億円のうち今年度の負担がなく、来年から3年間合計で142億円支払うことだけが記され、その後の支払い額の記述がない。新型潜水艦は697億円のうち今年度の負担がなく、2020年度に22億円を支払うことしか示されていない。情報公開で明らかにしていくべきところが多くあるという課題が残った。
本欄の昨年1月号でも説明したように日本は憲法86条により予算単年度主義を取っている。それでは不都合が生じる長期事業、例えば建設事業には、財政法の特例により5年の分割支払いが可能とされてきた。厳しい財政状況を理由として15年4月30日、「特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法」が施行され、これにより10年の分割払いが可能になった。これは直前の3月31日に成立した15年度予算にも適用可能とされている。ここで15年度の後年度負担とそれに対応する16年度以降の歳出化経費(もう一度説明すると「前年度以前の契約に基づき当年度支払う経費」)との関係について分析した。15年度の歳出化経費の額がその後4年間続いたと仮定してシュミレーションを行った(15~17年度まで歳出化経費は1兆8,260億円~1兆8,767億円の間にあるので妥当な仮定と考える。)。すると4年間合計で7兆3,040億円となり、表にある15年度後年度負担の4兆3,634億円は既にその60%となる。14年度予算で同じシュミレーションを行うと51%で、高額支出を続けるには5年を10年に延長せざるをえなかった状況が見て取れる。
続いて、直近の18年度の後年度負担と19年度以降の歳出化経費との関係について同じように分析した。歳出化経費は9年間合計で17兆82億円、18年度の後年度負担5兆768億円は既にその30%にもなる。仮に政権交代があったとしても、のちの政権もこれに縛られる。この特例措置法は来年19年3月31日に失効することになっている。長期にわたる軍事支出を固定化するこの法律の更新を絶対に認めてはならない。
今年度は13年12月17日に閣議決定された「中期防衛力整備計画(中期防)」の最終年度に当たる。今年の年末には次期中期防がまとめられることになっている。今国会での防衛費の議論が低調であるとの報道があった。16年3月の安保法制の施行後、間違いなく自衛隊と米軍の一体運用に向けた態勢づくりが進められている。今年度予算で増備される輸送機や空中給油機は、海外で戦争ができる態勢づくりという文脈で語られることは決してない。我々市民はこうした状況下で防衛費にこれまで以上に目を光らせる必要がある。

注   1 「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省17年12月)

在日本朝鮮人総連合会中央本部への銃撃事件に対する声明

2018年2月26日
                                                  フォーラム平和・人権・環境
                                                          (平和フォーラム)
                                                          共同代表 藤本泰成
2月23日午前3時50分ころ、在日本朝鮮人総連合会中央本部(以下朝鮮総連)に向けて、男2人が銃弾を撃ち込むという事件が発生した。当時本部には宿直者がいたが、幸にもけが人はなかった。
 朝鮮総連は、強制連行や植民地支配による生活苦などから日本社会での生活を余儀なくされた在日同胞の生活と権利のため、そして日本社会との友好と民族相互理解のために活動してきた。朝鮮総連の活動や朝鮮半島の歴史的経緯に目をむけず、日本で生活する朝鮮人社会に対する偏見と差別によって引き起こされた許しがたい暴挙を、平和フォーラムは満腔の怒りをもって糾弾する。
 実行犯は、在日コリアンが多く生活する地域社会まで押しかけて、ヘイトスピーチを繰り返してきたひとりである。言論の自由などを理由にして聞くに堪えないヘイトスピーチを許してきた日本政府は、その責任をきびしく自覚しなくてはならない。
 この間、日本政府は、朝鮮半島の軍事的緊張の原因が米朝、そして日朝の不正常な国家関係にあるにもかかわらず、圧力一辺倒の米トランプ政権を支持し、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)への制裁強化を主張してきた。北朝鮮による軍事的脅威を喧伝し、今にもミサイルが飛んでくるかのような言説をばらまき、市民や子どもたちに防災訓練を強要するとともに、そのことを理由にして、米国の言いなりに大量の米国製武器の購入を行っている。 一方で、高校の授業料無償化措置においては、朝鮮高校に通う子どもたちには全く関係のない外交上の理由を持ち出し、その適用から除外した。日本政府自らが、在日コリアンの子どもたちを差別して恥じることがない。国連は人権や民族差別の視点から、日本政府に対して在日コリアンに対する差別の解消を求めている。
 このような日本政府の姿勢は、様々な場面で在日コリアンへの差別を助長してきた。加えて保守メディアや右派の論客と呼ばれる人々、安倍首相周辺の政治家の言説は、そのような政府の姿勢に迎合し、根拠のないデマゴギーを垂れ流し続けている。日本政府の在日コリアンへの恣意的かつ差別的姿勢が、そしてそれに迎合する言論が、今回の暴挙の引き金のひとつであることは間違いない。平和フォーラムは、日本政府に対して、これまでの在日コリアンへの差別的扱いを止め、このような言説やヘイトスピーチに対してきびしく対応するように求める。
 貧困と格差が蔓延し、働く者の40%が不確実な非正規労働に追いやられている現実の中で、市民社会に差別と分断が持ち込まれている。障害者へ、生活保護世帯へ、1人親世帯へ、そして象徴的に在日コリアン社会へ、偏見と差別は広がり続けている。権力は、常に人々を分断してほくそ笑んできた。
 私たちは、分断を乗り越えなくてはならない。分断と闘わなくてはならない。平和フォーラムは、差別と闘う全ての人々と連帯し、新しい時代を築くとりくみを全力で進める。

 

トランプ政権の「NPR」と安倍政権の「評価」に抗議!

(通常兵器に対しても「核で反撃」するトランプ政権の核戦略、それを「高く評価する」安倍政権に断固、抗議します。)

2月2日、トランプ政権は、2010年のオバマ政権以来となる「核戦略の見直し」(NPR)を発表しました。

ピンポイントで核兵器の使用を可能とする小型核兵器の開発、潜水艦への新弾道ミサイル(SLBM)搭載、水上艦搭載の「新」核巡航ミサイル開発などをめざすとしており、さらには、核兵器の使用条件を大幅に緩和し、通常型兵器による攻撃やサイバー攻撃も対象から外していません。

包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准と「新たな核兵器開発は行わない」ことを方針としていた前政権の「核戦略」を全否定し、「全ての戦線で使える核」を押し出したこの「見直し」は、新たな「核軍拡」の開始を宣言するものであり、核兵器廃絶を求める世界的な流れに逆行し、核戦争の危機を一層増大させるものとして看過することはできません。

ところが安倍政権は、トランプ政権の「NPR」を「核抑止力を強化するものとして高く評価する」と、世界に先駆け支持しました。国連において世界122カ国が賛成して成立した「核兵器禁止条約」を、「全く非現実的な期待」と否定し、さらに、核兵器削減と核物質の最小化を求めてきた歴代政権の核政策さえ否定するトランプ政権。この核戦略を丸ごと評価しているのが安倍政権にほかなりません。

これに対し中国は、「断固反対!冷戦思考、捨てるべき」と、ロシアは、「対決的な内容に失望した」と、イランは「露骨な脅し」と、北朝鮮は「朝鮮半島の平和と安全が脅かされている」と批判しています。しかしいずれも「自衛のため必要な措置は取らざるを得ない」と「核軍拡」を正当化する姿勢を見せています。この論理は、冷戦時代の「核軍拡競争」と同じであり、許すことができません。

一方、今回のNPRでは、日本への核持ち込みが公然・隠然となされる危険性があります。既に、米原潜や米空母の入港・領海通過により形骸化されている「非核三原則」ですが、2017年8月下旬には、秘密裡に、かつ複数回に渡って、グアムを飛び立った米空軍B52「核」戦略爆撃機が日本上空(東北地方)を通過して、小松空自のF15戦闘機二機の護衛のもと、日本海西端で軍事訓練を行なっていたことが明らかになりました。日本政府は、「爆弾類を搭載していない」と米側に確認したとしていますが、米国の核政策は「有無をコメントしない」のです。まさにこの訓練は、日米一体となった北朝鮮への「核先制攻撃」訓練にほかなりません。

世界で唯一、核攻撃を受けた国であり、核兵器廃絶、ノーモアヒバクシャの思いに取り組んできた私たちは、安倍政権のこのような姿勢を絶対に許すことができません。「新たな核軍拡」と「核戦争の危機」を増大させるトランプ政権の「NPR」に強く抗議するとともに、「核」抑止論に立つすべての核保有国に対し、各国の労働者、民衆と連帯して、核廃絶の声をあげていきます。

私たちは、核の応酬によって破滅に至る道を黙って見過ごすことはできません。改憲阻止、「核」戦争反対、安倍政権打倒に向け、さらに取り組みを強化していきます。

                         2018年2月23日

             「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体

安倍政権の圧力一辺倒は、北朝鮮の声明

「有事の際には米国よりも先に日本の領土が焦土化され得ることを知るべきだ」を知りつつやっていること。

挑発には「挑発」で答える安倍政権は、

自ら進んで日本列島をミサイルの標的にしているとしか思えない。

そして世界のどの国より先にトランプ政権の「NPR=核戦略の見直し」を「高く評価」したことは、「核戦争も辞さず」という決意の表れである。

このような権力者は早く一掃しなければなりません。

 

「なんでおそらからおちてくるの?」

子どもたちの空を守る父母会

昨年12月7日、米軍ヘリのものとみられる部品が、沖縄県宜野湾市にある保育園の屋根に落下しました。さらに12月13日には、普天間第2小学校の校庭に米軍ヘリの窓枠が落下するなど、一歩間違えれば大惨事になりかねない事故が立て続けに起きています。

(そうした危惧のなか、2月5日夕刻、佐賀県神埼市の住宅に陸自のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、三人死傷の事故が発生した。軍用戦闘機が空を飛ぶ回数に比例して、また、訓練の激しさの度合いに応じて市民・子どもの死傷者は確実に増える。飛行訓練反対、軍用機撤去!)

今回、被害にあった普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園の父母会の方がたが上京され、子どもたちを守るため、このような事故が二度と起こらないように政府に対して陳情を行います。

政府への要請行動の後に、保育園の父母の方がたから直接うかがう会を開催します。いま、沖縄で起きていること、沖縄の現実について、園児・保護者の切実な声にぜひ耳を傾けてください!

日 時:2月13日(火)18:00~

場 所:衆議院第2議員会館・多目的会議室

内 容:◎お話し  神谷武宏さん(普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園園長)

    ◎父母の方がたの訴え 宮城智子さん(普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園父母会会長) 与那城千恵美さん(父母会副会長) 知念有希子さん(父母会副会長)ほか

 

2018年2月5日

米国トランプ政権の「核戦略見直し(NPR)」と

日本政府の姿勢に抗議する

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
議長 川野浩一

2月2日、米トランプ政権は、2010年のオバマ政権以来となる「核戦略の見直し」(NPR)を発表した。「力による平和」を主張するトランプ大統領の意向を反映し、ピンポイントで核兵器の使用を可能とする「小型核兵器の開発」を明記し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)への搭載や水上艦搭載の核巡航ミサイルの開発などをめざすものとなっている。また、使用条件も緩和し、核兵器使用の目的を核兵器以外の兵器での攻撃へも拡大し、サイバー攻撃も対象から外していない。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准の追求や「新たな核兵器開発は行わない」としていた前オバマ政権下でのNPRを全否定し、「核なき世界」をめざすとするオバマ前大統領の姿勢をも放棄したものである。「核と人類は共存できない」として核兵器廃絶の運動をすすめてきた原水禁は、米トランプ政権に対して強く抗議する。
トランプ政権の一連の政策は、これまで米国自身が積み上げ、オバマ政権で結実した「核なき世界」の理想を放棄し、米国があたかも世界の平和を支えているとする傲慢な考え方に基づくものである。世界122カ国の賛成で成立した「核兵器禁止条約」に対しても、「全く非現実的な核廃絶の期待である」として否定する姿勢は、世界から理解されることはない。自らが世界のリーダーたらんとするならば、長い歴史を顧みて、核兵器廃絶と核兵器物質の最小化、核兵器の役割低減を求めてきた声に耳を傾けなくてはならない。
一方で、日本政府は、米国の核抑止力を強化するものとして今回のNPRを「高く評価する」とした。米国のこのような姿勢を支持し核兵器禁止条約にも背をむける日本政府を、「唯一の戦争被爆国」として核兵器廃絶を主張しても誰が納得するというのか。今回のNPRには、退役した核搭載型巡航ミサイル「トマホーク」の代わりに、新たな核巡航ミサイルの開発が明記された。米国が、ロシアと中国、朝鮮民主主義人民共和国の核兵器を強く意識している以上、日本への核兵器持ち込みが懸念される。日本政府は、国是である「非核三原則」の危機に対しても沈黙している。被爆者の思いに背を向け、これまでのとりくみを否定する日本政府の姿勢は、許すことができない。
今回のNPRは、核兵器の限定的使用に明確に向かっている。使用可能な小さい核なら抑止力を拡大し世界平和に貢献するなどと言うのは、幻想に過ぎない。世界終末時計は、1月25日、残り2分を指した。水爆実験が繰り返されていた1953年と並び最短となっている。今回のNPRで、過去最悪を更新するのではないかと懸念される。米国とソ連(当時)が部分的核実験禁止条約を結んだ1963年は、12分前に戻っている。核の危機を訴えるのなら、核兵器廃絶への対話をつくり出す以外に方法はない。
原水禁は、米国と日本政府の姿勢に強く抗議するとともに、核兵器廃絶へ向けて更なるとりくみを強化する。

日本の破壊は続く~ 防衛予算をめぐって~

2018年1月 1日

2018年度防衛関係費の概算要求は、過去最大の5兆2551億円に達した。当初予算での増額は、安倍政権下で編成した13年度以降6年連続となる。防衛省が発表した「我が国の防衛と予算」における2018年度の概算要求の考え方では、「格段にきびしさの増す財政事情を勘案し、我が国の他の諸施策との調和を図りつつ」と記されているが、どのように調和を図っているのだろうか

義務的経費の増加分を除くならば、防衛費は突出している。その予算の多くが、米国からの軍備品購入に充てられる。1基1000億円のイージスアショア(地上配備型イージスシステム)を2基購入することを決定し、約115億円のオスプレイ17機や約150億円のF-35A戦闘機42機の購入を決定している。米政府に価格決定の主導権のある有償軍事援助(FMS)によって、防衛省が購入した装備品の額は、主に民主党政権時代の2008年から2012年までは3647億円だったものが、安倍政権になった2013年から2017年までで1兆6244億円にも上っている。

トランプ大統領は、米朝危機を理由に日本の軍備増強を求め、安倍首相は手放しで応じている状況だ。トランプ大統領訪日時のワシントンポストは「日本の指導者安倍晋三は、トランプの忠実な手下の役割を演じた」と報じている。「いまはまさに『すべての選択肢がテーブルの上にある』というトランプ大統領の方針を私は一貫して支持する」と発言する安倍首相は、まさにトランプの忠実な手下に違いない。

日本の防衛費は、専守防衛の旗の下で、長いことGDPの1%枠内に収めてきた。しかし、安倍首相は「GDPと機械的に結びつける考え方は適切ではない」と述べ、1%を超えての防衛費拡充をにおわせることとなっている。トランプ大統領の要求次第では、平和憲法の下での抑制的措置も失われかねない。

 厚生労働省の専門家会議の調査で、大都市で小学生と中学生のいる家庭では、生活扶助が18万5000円余りで、低所得世帯の収入を2万5000円上回ったとして、14%程度の大幅な引き下げを検討していることが報道されている。「他の諸施策との調和を図りつつ」としながらの防衛費の増額は、お粗末な日本の社会保障政策とどのように関連するのだろうか。敗戦から73年、米国による日本占領はいつまで続くのか。評論家の佐高信さんは、ある集会で「安倍首相と菅官房長官は、破防法違反だ」と言った。日本の破壊が続いている。

(平和フォーラム 共同藤本泰成)

 

2017年12月19日

航空自衛隊小松基地

司令 亀岡 弘 様

                            石川県平和運動センター

原水禁石川県民会議

石川県憲法を守る会

戦争をさせない1000人委員会・石川

小松基地爆音訴訟連絡会

小松基地爆音訴訟原告団

石川県勤労者協議会連合会

(代表者印・団体印省略)

 

本年8月、トランプ政権による北朝鮮「核威嚇」訓練と、

安倍政権によるF15戦闘機の訓練参加に抗議する

11月19日、複数の政府関係者によれば、米空軍の「核搭載」可能なB52戦略爆撃機が本年8月下旬、日本列島上空を横切り、日本海西端付近で北朝鮮に「圧力」をかける訓練を行なったことが明らかになりました。このB52を「護衛・支援」するため安倍政権は、小松空自基地からF15戦闘機2機を参加させたのです。これは、北朝鮮への「核」攻撃を想定した米軍の訓練に初めて参加したことを意味し、その問題性は重大です。一方、これらの演習を含め、実戦さながらの訓練強化により事故が多発しています。

米朝問題を平和的に解決させるため、そして、朝鮮半島及び日本を戦場とする「核」戦争を何としても阻止するため、憲法と国是に則り、以下のとおり要請します。

1 米国トランプ政権が行なった米空軍B52「核」戦略爆撃機による北朝鮮への「圧力=軍事威嚇」訓練に、安倍政権が自衛隊の戦闘機を派遣・参加させたことは、憲法9条一項「武力による威嚇又は武力の行使は、・・・、永久にこれを放棄する」に違反します。よって、安倍政権に強く抗議するとともに、憲法を順守することを強く要請します。

2 同「核」戦略爆撃機が日本上空を横切ったことに対し、日本政府は「爆弾類を搭載しない」と米側に確認した、としています。しかし、米国の核政策は「有無をコメントしない」のであり、「上空通過」は「非核三原則」違反と言わざるを得ません。「上空通過」を許可した安倍政権に強く抗議するとともに、「非核三原則」を順守するよう強く要請します。

3 小松空自基地への「緊急着陸」が最近8カ月で3回、延べ5機も続いています。墜落・落下、ミサイル誤射など事故の危険性が高まっています。現実離れした「核・ミサイル」危機に対処するとした「軍事威嚇」「先制攻撃訓練」を止め、核廃絶、軍備・訓練縮小を強く要請します。

2017年12月19日

小松市

市長  和田 慎司 様

                             石川県平和運動センター

原水禁石川県民会議

石川県憲法を守る会

戦争をさせない1000人委員会・石川

小松基地爆音訴訟連絡会

小松基地爆音訴訟原告団

石川県勤労者協議会連合会

(代表者印・団体印省略)

本年8月、トランプ政権による北朝鮮「核威嚇」訓練と、

安倍政権によるF15戦闘機の訓練参加に抗議する

11月19日、複数の政府関係者によれば、米空軍の「核搭載」可能なB52戦略爆撃機が本年8月下旬、日本列島上空を横切り、日本海西端付近で北朝鮮に「圧力」をかける訓練を行なったことが明らかになりました。このB52を「護衛・支援」するため安倍政権は、小松空自基地からF15戦闘機2機を参加させたのです。これは、北朝鮮への「核」攻撃を想定した米軍の訓練に初めて参加したことを意味し、その問題性は重大です。一方、これらの訓練を含め、実戦さながらの軍事訓練により事故が多発しています。

米朝問題を平和的に解決させるため、そして、朝鮮半島及び日本を戦場とする「核」戦争を何としても阻止するため、憲法と国是に則り、国に要請することを求めます。

1 米国トランプ政権が行なった米空軍B52「核」戦略爆撃機による北朝鮮への「圧力=軍事威嚇」訓練に、安倍政権が自衛隊の戦闘機を派遣・参加させたことは、憲法9条一項「武力による威嚇又は武力の行使は、・・・、永久にこれを放棄する」に違反します。よって、安倍政権に強く抗議するとともに、安倍内閣が憲法を順守するよう要請すること。

2 同「核」戦略爆撃機が日本上空を横切ったことに対し、日本政府は「爆弾類を搭載しない」と米側に確認した、としています。しかし、米国の核政策は「有無をコメントしない」のであり、「上空通過」は「非核三原則」違反と言わざるを得ません。「上空通過」を許可した安倍政権に強く抗議するとともに、安倍内閣が「非核三原則」を順守するよう要請すること。

3 小松空自基地への「緊急着陸」が最近8カ月で3回、延べ5機も続いています。墜落・落下、ミサイル誤射など事故の危険性が高まっています。安倍内閣の「核・ミサイル」危機への対処として進める「軍事威嚇」「核先制攻撃」訓練参加を止め、核廃絶、軍備・訓練縮小を要請します。

 

伊方原発 運転差し止め、高裁レベル初判断 広島高裁

毎日新聞2017年12月13日 13時46分(最終更新 12月13日 18時46分)

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島、愛媛両県の住民が求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四電に運転差し止めを命じる決定を出した。野々上裁判長は「阿蘇山(熊本県)の噴火で火砕流が原発敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できない」などとし、火山災害による重大事故のリスクを指摘した。高裁レベルの差し止め判断は初めて。差し止め期限は来年9月末まで。仮処分はただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定が覆らない限り運転できない。

 伊方3号機は定期検査のため今年10月に停止。四電は来年2月の営業運転再開を目指していたが、差し止め決定で稼働スケジュールに影響が出ることは避けられない。四電は近く決定の取り消しを求める保全異議と、仮処分の執行停止の申し立てを広島高裁に行う方針だ。

 伊方3号機は2015年7月、原子力規制委員会が東日本大震災後に策定した新規制基準による安全審査に合格し、昨年8月に再稼働した。住民側は、四電の安全対策は不十分で、事故で住民の生命や生活に深刻な被害が起きるなどとして広島地裁に仮処分を申請。地裁は今年3月に申し立てを却下し、住民側が即時抗告していた。

 高裁の審理では、基準地震動(想定する最大の揺れ)の妥当性や火山の危険性などが争点となった。

 野々上裁判長は決定で、規制委が作成した安全審査の内規「火山ガイド」が、火山の噴火規模が推定できない場合、過去最大の噴火を想定して評価すると定めていることを指摘。その上で、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山について「四電の地質調査やシミュレーションでは、過去最大の約9万年前の噴火で火砕流が原発敷地の場所に到達した可能性が十分小さいとは評価できない」などと述べ、原発の立地として不適と断じた。

 さらに、阿蘇山の噴火に伴う噴石や火山灰などの降下物についても、四電が想定した九重山(大分県)噴火の「2倍近くになる」と説明。「伊方原発から見て阿蘇山が九重山より遠方に位置することを考慮しても、四電の降下物の厚さや大気中濃度の想定は過小」と判断。「住民らの生命身体に対する具体的危険が推定される」と述べた。

 一方、火山災害以外の地震対策などは、新規制基準の内容や規制委の判断、四電が設定した基準地震動などを「合理的」として容認した。

 運転差し止めの期限を巡って野々上裁判長は、広島地裁で別途審理している差し止め訴訟の判決で「仮処分決定と異なる判断をする可能性もある」などと述べ、来年9月30日までとした。

 東日本大震災後、差し止めを認めた判決・決定(異議審含む)は、関西電力高浜原発3、4号機(福井県、3号機は当時稼働中)を巡る昨年3月の大津地裁の仮処分など4例。いずれも地裁の判断だった。【東久保逸夫】

 四電は「基準地震動の合理性や火山事象への安全性の確保について、裁判所に丁寧に主張・立証を行ってきた。主張が認められなかったことは極めて残念で、到底承服できない。早期に仮処分命令を取り消していただけるよう、速やかに異議申し立ての手続きを行う」とのコメントを発表した。

 

在日米軍の相次ぐ事件・事故に抗議する声明

2017年12月14日

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

共同代表 藤本 泰成

 またしても米軍機の部品落下事故が起きた。12月13日午前10時過ぎ、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地に隣接する普天間第二小学校の校庭に、米軍の大型輸送ヘリCH53Eの窓枠とみられる1メートル四方の物体が落下し、児童1名が怪我をした。7日にも今回事故を起こした輸送ヘリの同型機が、普天間市内の保育園に部品を落下させていた。この1週間に2件も立て続けに事故を起こすのは異常事態だ。

 部品の落下した校庭では、50名の子どもたちが体育の授業を受けていた。一歩間違えれば大惨事になるところだった。いつも頭の上を気にして走り回り、遊ばなければならない、この子どもたちの現実を許してはならない。

 しかしこの間、在日米軍の事件・事故が多発してはいないか。昨年12月名護市沖でのオスプレイ墜落事故以降も、オスプレイをはじめCH53E大型ヘリの緊急着陸事故が相次ぎ、10月には沖縄・高江の民間地に大型ヘリが、11月には嘉手納基地を離陸したC2輸送機が沖ノ鳥島沖で墜落事故を起こした。その他嘉手納基地などでは外来の米軍機の緊急着陸事故も多発している。この事態は沖縄だけではない。神奈川県米海軍横須賀基地においても、所属する米海軍イージス艦11隻のうち5隻が、衝突事故、座礁、乗員の行方不明などの事故・事件を起こしている。広島県の住宅街上空では米軍戦闘機がフレアを発射する事件も起きた。

 一連の事故の背景には何があるのか。米軍の事故報告書は、おしなべてパイロットなど乗組員の問題に事故原因を求めているが、そうではない。オスプレイは機体に構造上の欠陥を持っている。軍隊内では任務拡大によって、これまでに習熟していない役割をも課されている。そしてオーバーワークが日常的な現場でもある。これらが、米軍の機能強化が図られる中なかで蔓延している結果、機体の整備にも、操縦にも影響を及ぼし、事件・事故につながっている。

 軍隊というそもそも抑圧的な社会の中で、さらに軍務が過酷になれば外へのはけ口を求めることも明らかだ。米海兵隊員が飲酒運転をしたあげく、沖縄県民を死亡させる事故もつい11月にあったばかりだ。

 日本政府は、事件・事故が起こるたびに「再発防止」と「綱紀粛正」を米軍に求めてきた。しかし米軍は、その場しのぎの対策しかとっていない。日米の軍事一体化が進み、基地機能の強化が図られることになれば、同様の事件・事故はますます増えていくことだろう。基地周辺の住民のいのちとくらしを守るには、単に「再発防止」と「綱紀粛正」では済まされない。日米地位協定の改定を含め、在日米軍に対する規制を作り上げなくてはならない。

平和フォーラムは、相次ぐ在日米軍の事故に抗議するとともに、基地縮小・撤去を視野に入れつつ、危険と隣り合わせにある基地周辺住民、とりわけ沖縄の現状を改善させるための闘いを力強くすすめていく。

                                                                                                                                                     以上

 

リアリティを持って、戦争を 自衛隊を語ろう!

2017年12月 2日

 11月11日、横浜市にある「教科書・市民フォーラム」主催で、室蘭工業大学准教授の清末愛砂さんを呼んだ「賢明な選択としての平和主義」と題する講演会に参加した。   パレスチナのキャンプで活動していた清末さんは、ある日、イスラエル軍のまさに尋常ではない攻撃に目を開けた。その時、壁に銃弾が当たって窓枠に火の玉を見たという。ひたすら壁を打たれ続けている。パスポートを入れた鞄を手にしたが、腰を抜かして動けなくなった。「死にたくない人間が、生きられないと感じる恐怖と残虐性」、それは、イスラエル軍の自衛の名の下に行われる。清末さんは「自衛」とは、残虐になれない人間が残虐になるための手段だと述べる。

 紛争地はまさにこれが日常、現代の戦争なのだ。東京新聞に「改憲派からは、護憲派は空想論的平和主義者との批判があるが、私はとても現実的な平和主義者だ。パレスチナやアフガニスタンで非暴力運動や難民支援に取り組んだ経験があり、安倍晋三首相よりもはるかに戦闘地や紛争地の現実を知っている」「自衛の名の下に暴力が増大する。武力に抑止力なんてない」と、清末さんは書いている。

 多くの改憲派が安全保障の充実を取り上げる。武力の抑止力、安全保障が平和を作るといわんがばかりだ。しかし、清末さんは「人権のない平和は意味がない」という。私も同感だ。一人一人の命が守れなくて何の平和だろうかと思う。満州侵略も、対米開戦も、すべては「自衛」の名の下に行われ、日本を守るとして何百万という血が流され、命が失われた。「他国の脅威からわが国を守る」とする戦争法は、これまでの専守防衛論と違い、米国との集団的自衛権行使のなかで自衛官に多くの犠牲を伴うに違いない。それが戦争だ。だからこそ、平和憲法とそのことを具現化する平和外交がまさに重要だ。自衛隊を憲法に位置づけては、平和主義が意味を失う。

 「日本の美しい憲法をつくる会」(日本会議のフロント組織)は、「災害救助などでお世話になる自衛隊を日陰者にしていいのか」と主張する。自衛隊は災害救助隊なのか、違う。その本質は軍隊だ。ある日、一発の銃弾が人の頭を吹き飛ばす現実を、いかにリアリティを持って伝えるか。改憲阻止の闘いはそこにかかっている。災害救助などという欺瞞で自衛隊の本質を隠してはならない。
(藤本泰成)

 

11.26「志賀原発」再稼働を前提とした非現実的で実効性のない 「原子力防災」訓練に強く抗議する

抗議声明

2017年11月26日(日)

本日午前8時から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後6回目となる防災訓練である。この間、私たちは再稼働前提の訓練に抗議すると同時に、福島原発事故の教訓を踏まえた実効性ある訓練の実施を求めてきた。石川県はじめ関係自治体は、あろうことか今回も再稼働を前提とし、しかも非現実的で実効性のない訓練を実施した。強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

1. 再稼働ではなく「運転停止」の現実に向き合え

(1)志賀再稼働への地ならし

志賀原発直下の断層について、有識者会合は全会一致で活動層との評価書をまとめた。にもかかわらず北陸電力は志賀再稼働の方針をまったく変えていない。こうした中、県が繰り返し再稼働前提の訓練を繰り返すことは、北電の再稼働路線を容認し、あるいは期待しているかのようなメッセージを県民に送ることになる。「敷地内断層の問題の決着が最優先」との谷本知事の発言とも矛盾するものである。

(2)向き合うべきは停止中の原発の危険性

志賀原発は来年度も稼働しないことが確定している。しかし、停止しているとはいえ、使用済燃料貯蔵プールの過酷事故のリスクは変わらない。実際、昨年は雨水大量流入事故が発生し、原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)から冷却機能喪失で「重大事故につながる危険性があった」という深刻な指摘を受けている。雨水流入は論外だが、地震などの自然災害、さらには安倍総理が声高に叫ぶミサイル着弾の危険性や武装集団によるテロ攻撃、サイバーテロなど核燃料が存在する限り、住民は過酷事故のリスクにさらされている。

(3)リアリティのない訓練で緊張感が低下

停止中の原発の危険性に向き合わない訓練は、周辺住民に「停止しているからとりあえず安心」との誤解をもたらし、なにより防災業務従事者の緊張感の低下を招いている。防災訓練は回を積み重ね、習熟度を高めることが重要ではあるが、惰性で回数を重ねてもいざというときの役には立たないと指摘せざるをえない。

2. 実効性のない訓練を何度くり返すのか

(1)「スムーズな避難」ありきの避難訓練

原子力防災における避難訓練は時間との勝負。しかし、あらかじめ決められたごく一部の住民が参加する避難訓練では、避難指示の伝達漏れはなく、避難バスも事前に配車され、自家用車による避難の渋滞もなく、スクリーニングポイントでの順番待ちもない。避難訓練の基本的な流れを確認する訓練かと思えば、課題として残るヨウ素剤の配布や服用指示の訓練は今回もおこなわれない。スムーズな避難を印象付けることを目的とした訓練としか思えない。

(2)どうする?半島先端への避難

訓練全体に手抜き感が漂うが、半島先端方向への避難訓練の削減が顕著である。昨年はスクリーニングポイントを設けず、今回は元気な「要支援者」避難だけである。現実には避難車両の迅速な確保、スクリーニングポイントの場所の選定(能登空港駐車場は冬季や夜間の活用は非現実的)、人員、機材の素早い配置だけでも課題山積、要支援者の避難先での生活や医療面での支援も課題山積。避難路も里山海道が寸断されれば混乱必死である。計画の実効性を訓練で検証し、課題を明らかにすることが重要であるにもかかわらず、いまだ検証しようとしない。今回も課題から逃げた訓練である。

(3)課題から逃げまくる非現実的訓練

PAZ圏内、UPZ圏内それぞれの住民へのヨウ素剤の配布、服用指示は重要な課題であるが、いまだ必要な住民への配布が可能かどうか検証できていない。観光客など一時滞在者、特に近年増加する外国人旅行者への避難情報の伝達、避難、ヨウ素剤の配布等にも課題が残る。SPEEDIの使用を中止した中、緊急時モニタリングを迅速、的確に実施し、UPZ圏内の住民の避難行動につなげることができるのか、実践的な訓練も求められている。さらには防災業務従事者の被ばく対策と交代要員の確保も重要な課題である。課題を列挙するときりがない。この間実施されている訓練はやりやすい項目をつまみ食いする訓練と言わざるをえない。

3. 繰り返して指摘する「今こそ常識に立ち返れ」

一企業の電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発、6年8カ月停止状態が続いても停電にもならず経済活動にも支障がでない志賀原発、そして今後、稼働する可能性はほとんどないと思われる志賀原発のために今も多くの県民が命や暮らしを脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように防災訓練が繰り返されている。

私たちは毎回、すべての原子力防災関係者に常識に立ち返るよう訴え続けてきた。避難させるべきは住民ではなく核燃料である。北陸電力は人災である原子力災害を未然に防止すため、直ちに志賀原発の廃炉を決断し、活断層上にある核燃料を撤去するよう求める。

石川県平和運動センター

社民党石川県連合

社民党自治体議員団

賢く「記憶」をたどれ

2017年11月 1日

今年のノーベル文学賞は、日本生まれのイギリス人作家カズオ・イシグロさんに決定した。今年こそはと期待を持っていた村上春樹ファンを失望させたが、イシグロさんも日本人の両親を持つ長崎生まれだから、喜んでもいいのかもしれない。彼の小説の通底するのは「忘れたいけど忘れてはならない記憶。イシグロの受賞には優れて現代的な意味がある」と、生物学者の福岡伸一・青山学院大学教授は述べている。

「感情的なポピュリズムの嵐が吹き荒れる世相に対して、文学が立ち向かうには『ポピュリズムとは正反対の深く沈潜する純粋な美学と、知的な言葉』だという、まさに文学の本質に戻ろうとした」とは、作家の冷泉彰彦さんの言葉だ。ノーベル賞もまた現在の政治状況とは無縁ではない。

9月20日(現地時間)、安倍晋三首相はニューヨークの国連総会で発言し、北朝鮮の核問題の解決に必要なのは「対話ではない。圧力なのです」と述べた。私たちは、現在を語るために「忘れてはならない記憶」を呼び起こさなくてはならない。1940年9月、日本は先の見えない日中戦争を打開しようと、米英を敵に回して、北部仏印(インドシナ半島)進駐と日独伊三国同盟に踏み切った。

翌年、米国の英・中・蘭と協力した対日経済封鎖(ABCD包囲網)と、11月26日の強硬な米国提案(ハル・ノートまたはTENPOINTS)によって追い詰められた日本は、12月8日、真珠湾奇襲攻撃を敢行し、山本五十六・太平洋艦隊司令長官に「是非やれといわれれば、初めの半年や1年は、ずいぶん暴れてごらんにいれます。しかし2年、3年となっては、全く確信は持てません」と言わしめた対米戦争に突入した。結果は皆さんご存じの通りだ。北朝鮮が日本と同じ道をたどることはないのだろうか。ないと誰が断言できるのだろうか。

総選挙で安倍首相は「愚直に、誠実に、まっすぐに政策を訴えていく」と強調した。愚直にとは「正直すぎて気のきかないこと」と広辞苑にはある。愚直にトランプとともに戦争への道に一直線に進むのか。近衛内閣から東条内閣、愚直な人間の集まりではなかったか。記憶をたどればそう思う。愚直な人間は愚直に戦争の道を選んだ。
(平和フォーラム 共同代表 藤本泰成)

第48回衆議院議員総選挙の結果を受けて

                                フォーラム平和・人権・環境

                                代 表  藤本 泰成

 混乱の中で、第48回衆議院議員総選挙が終了しました。台風の影響から不在者投票
は1000万人を超えて過去最高となり、そのため投票率は53.60%と、過去最低を記録
した2014年の52.66%は超えたものの、民主党が政権交代を成し遂げた2009年の
67.51%には遠く及ばず、様々な課題があったにもかかわらず、有権者の関心が高
まったとは言いがたいものです。結果は、自民党が単独で284議席を獲得し、絶対安
定多数の261議席を超えました。連立与党の公明党を加えると、313議席と圧倒的多数
を占めています。
安倍晋三自民党総裁は、北朝鮮の脅威と少子高齢化を上げて、二つの国難に向けた
総選挙と主張し、北朝鮮への圧力を最大限に高め危機管理に全力を尽くして市民の生
命と財産を守り抜く、幼児教育の無償化と世代を超えた社会保障の充実へ向けて消費
税増税による財源を充てるとしました。しかし、米国と歩調を合わせる北朝鮮への圧
力強化には国際社会は同意していませんし、消費税増税分は財政再建に充てることを
決定していたはずです。この間、安倍政権は防衛費を増額しつつ生活保護規定の改悪
を繰り返してきました。また、民主党政権の高校の授業料無償化には「バラマキ」と
反対し、きわめて消極的姿勢をとり続けてきました。自民党の公約が、いかに選挙目
当ての実のないものかは明らかでした。
自民党は選挙公約に、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参
議院の合区解消の4項目を中心に、憲法「改正」をめざすと入れました。しかし、安
倍総裁は選挙期間中にそのことに触れることはほとんどありませんでした。希望の党
が「憲法9条をふくめ憲法改正論議をすすめます」としていることや、日本維新の会
が憲法「改正」を否定していないことなどを含め、これまでの安倍総裁の発言から
は、今後の政局において一気呵成に改憲に進み出すことが予想されます。改憲阻止に
向けたとりくみが、きわめて重要な段階にあります。
平和フォーラムは、安全保障関連法(戦争法)阻止のとりくみに向けて「戦争をさ
せない1000人委員会」を組織しつつ、より大きな広がりを求めて「戦争させない・9
条壊すな!総がかり行動実行委員会」に運動を拡大してきました。その中で、戦争法
を強行した安倍政権との闘いをすすめるとともに、総選挙に対しては、政権交代を基
本に安倍政権退陣を求め、民進党・社民党・共産党・自由党の立憲4野党共闘をすす
め、与野党1対1の構図をつくり出し、意見の相違を乗り越えて全力で闘うことをめざ
してきました。しかし、前原誠司民進党代表による民進党解党・希望の党合流、小池
百合子希望の党代表によるリベラル派排除の方針の中で、野党第一党の民進党の分裂
は必至となりました。枝野幸男衆議院議員を代表とした民進党リベラル派は、立憲民
主党を立ち上げ、安倍政権に不満を持つ市民層の期待に応え、短期間で大きな成果を
上げました。しかし、野党第一党の分裂は、結果として自民党の圧勝を許しました。
「改革保守」と称し、安倍政権の交代を求めるとして立憲野党の分岐を引き起こした
前原・小池両代表の責任は極めて大きなものです。
選挙後の立憲野党勢力は、細分された状況にあります。森友・加計学園問題の追
求、改憲の発議阻止、戦争法に反対し自衛隊の集団的自衛権行使を行わせないために
も、立憲野党の一致したとりくみが重要となっています。
今こそ、安倍政権の暴走を止め、個人主義に立った民主政治の実現をめざさなくて
はなりません。立憲野党勢力の共闘を基軸に、平和フォーラムは、改憲阻止に向けて
全力でとりくんでいくことを決意します。
以  上

2017年10月6日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福山真劫

 

第48回衆議院議員総選挙にあたって

 9月28日、安倍首相は、森友・加計学園問題の究明を求める野党の要求に応じないばかりか、臨時国会冒頭で衆議院解散を行いました。森友・加計学園問題などの市民社会の不信に向き合おうとせず、東北アジアにおける平和外交への議論も放棄し、自らの政権の維持を目的とした解散は、憲法に反する首相権限の濫用とも言えるものです。国会解散は、憲法第7条の天皇の国事行為における内閣の助言と承認を根拠にしたものですが、第7条は「国民のために」と規定されており、このような解散に大義はなく、主権者の権利を侵害し政治を私物化するもので、決して許されません。

総選挙を前にして、小池百合子都知事を代表とする「希望の党」に、野党第一党の民進党が合流しました。民進党の前原誠司代表は、合流の理由を「政権交代」に求め、すべての民進党衆議院議員の合流を示唆しましたが、小池代表は、候補公認のための政策協定書に「現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する」「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」「外国人に対する地方参政権の付与に反対する」などの条件を付し、意見の相違を認めずに民進党の一部議員を排除するとして、大きな政治的混乱をきたしました。前原代表の責任は重大です。

小池代表が示したこれらの条件は、憲法の平和主義を踏みにじり、排外主義を肯定するものです。小池代表は「しがらみのない政治を行い、日本をリセットする」と述べ、希望の党を「寛容な改革保守」としていますが、その政治主張はむしろ極右的なもので、安倍政権と何ら変わるものではありません。自民党の補完勢力でしかない大阪維新の会と連携し、安倍首相との連携は否定するものの、小池代表は選挙後の情勢の中では、自民党との連携にも含みを残しています。私たちはこうした希望の党の方針を、支持することはできません。

希望の党が示した政策協定を拒否し、これまで民進党が進めてきた政策を支持する枝野幸男民進党代表代行は、あらたに「立憲民主党」を立ち上げました。「まっとうな政治」を掲げて、9条改憲を許さず、原発ゼロを実現するなどの公約を掲げ、民主リベラルの旗を掲げました。

戦後日本の市民社会は、日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という理念の実現に向け努力を重ねてきました。この歩みを、道半ばにして止めてはならないと考えます。その立場から、私たちは立憲民主党の発足を歓迎するとともに、社民党などとの野党共闘の枠組みをいっそう強化し、安倍政権退陣に向けて、たたかいを進めていかなくてはならないと考えます。

改憲を主張する自民党、希望の党、維新の会の伸長は、改憲への一気呵成の道を開くものであり、そしてまた戦争への道を開くものです。平和フォーラムは、平和と民主主義、そして一人ひとりのいのちの尊厳を守ろうとする全国の仲間に対して、改憲と戦争への道を阻むためにも、総選挙勝利に向けて全力を尽くされることを呼びかけます。

以上

 

北、核攻撃なら死者210万人

米大推計、東京とソウル

北朝鮮の労働新聞が9月16日に掲載した、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練の写真(コリアメディア提供・共同)

 【ワシントン共同】米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は5日までに、北朝鮮と米国の間で軍事衝突が起き、北朝鮮が日韓両国の首都である東京とソウルを爆発規模25キロトン(TNT火薬換算)の核兵器で攻撃した場合、死者が計約210万人、負傷者が約770万人に上るとの推計値を公表した。

 米軍が北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃したり、核・ミサイル関連施設を攻撃したりし、北朝鮮が報復した事態を想定。北朝鮮が15キロトンから水爆規模の250キロトンまでの核弾頭を25発配備、全25発を弾道ミサイルで東京とソウルに発射したと仮定し、被害規模を算出した。

2017年10月3日

抗 議 声 明

柏崎刈羽6・7号機の再稼働を認める審査書案に抗議する

福島第一原発事故を引き起こした東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない

原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を認める審査書案のとりまとめと意見募集にかかろうとしている。私たちはこれに強く抗議する。東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない。柏崎刈羽原発の再稼働を認めてはならない。

◆東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない

原子力規制委員会は、福島第一原発の事故を起こした東電に対し、柏崎刈羽原発を運転する資格を問い、「廃炉をやりぬく覚悟と実績を示すこと」、「経済性よりも安全性を優先すること」を東電に要求した。これに対し、東電は、根拠となる実績を示すものはなにもなく、「やりぬく覚悟です」、「経済性を優先する考えは微塵もない」などと決意表明を並べるだけであった。規制委はこれを技術的能力の項で審査の対象とし、実績について何ら問うこともなく、了承した。

東電の資格を問うのであれば、福島第一原発の実情を見なければならない。最新の保安検査において、地下水をくみ上げる井戸(サブドレン)水位計の設定にミスがあり、約半年にわたり、建屋内の高濃度汚染水が周辺に漏れ出た恐れがあったことが明らかになった。他にも1,200トンの汚染土壌について金属容器で管理しなければならなかったものが、土のう袋に入れただけであったことなど、ずさんな実態が明らかになったばかりだ。

廃炉のメドはたたず、放射能の垂れ流しは続いている。汚染水はたまり続け、発生を止めることもできない。汚染は続き、避難を強いられた人も残った人も、各地で多くの人たちが事故の影響で苦しんでいる。東電は、事故を引き起こした責任をとっていない。

そればかりではない。東電が全責任を負うはずの事故の費用負担について、「このままでは債務超過に陥る」と居直り、公的資金の注入を要求した。国が、廃炉・賠償費用に公的資金などを注入できる仕組みを作った結果、東電はかろうじて破たんを免れている状況だ。この意味でも東電に柏崎刈羽原発を運転する資格などない。審査には経理的基礎の確認も含まれるが、経理的基礎はないとすべきだ。

◆安全性軽視は審査内容からも明らか

東電の安全性軽視の姿勢は、柏崎刈羽原発の審査内容からも明らかだ。東電は緊急時対策所として想定していた免震重要棟が基準地震動に耐えられないことを知りながら、それを隠し、虚偽の説明をしていた。結局東電は、5号機の建屋内に緊急時対策所を設けたが、免震構造ではない。これまで東電自身が何度も述べていたように、緊急時対策所を免震構造にすべきだというのは福島第一原発事故の大きな教訓ではなかったか。規制委はなぜこれを認めるのか。

審査の過程で柏崎刈羽原発1~4号機側の防潮堤が、液状化により使い物にならないことが明らかになった。9月27日の規制委会合で、規制庁担当者は「津波により1~4号機は水浸しになる」と平然と述べている。1~4号機の原子炉に燃料はなくてもプールには大量の使用済み燃料が保管されている。これらに影響はないのか、6・7号機に影響がなければよいのか、本当に影響はないのか、1~4号機の廃炉が先ではないか。6・7号機だからという理由で許可に走るべきではない。

敷地内の断層については、これが活断層である可能性について、新潟県内の地質専門家グループが、再三指摘している。規制委はこれを無視して、一方的に東電の主張を認めているばかりで、これらの指摘に耳を傾けようとしない。

福島第一原発事故で大きな問題となっている高濃度汚染水について、建屋外への放出防止策も拡散防止策もない。東電が海洋汚染防止策として設置する設備はシルトフェンスである。これだけでは対策にならないことを、東電は福島第一原発でさんざん経験したではないか。他にも多くの問題を抱えている。規制委は審査書案を撤回すべきだ。

◆柏崎刈羽原発を再稼働させてはならない

新潟県では、脱原発を求める県民の支援を受けた米山知事が誕生した。新潟県は「事故原因」「健康と生活」「避難」の3つの検証委員会を設置。検証ができないうちは再稼働の議論はできないとしている。もっともだ。本来であれば、これは規制委もしくは国会など国の機関が行うべき検証ではないか。

新潟県民の姿勢は、最近の新潟市長の再稼働反対表明にも現れている。冬場は雪に閉ざされる地域で避難は実際上不可能に近い。一方的な風向きと降雪が山野にもたらす放射能汚染の影響が福島のそれを大きく上回ることは必至だ。

首都圏に電気を送るために新潟県民の安全な暮らしが奪われるいわれはない。重大事故の影響は首都圏にも及び、首都圏の人たちが考えなければならない問題だ。さらに、柏崎刈羽原発の再稼働は、福島第一原発事故を引き起こした東電の復活を意味するものであり、全国的な問題でもある。脱原発を実現するために、悲劇を繰り返さないためにも、柏崎刈羽原発の再稼働を許してはならない。

(賛同:121 団体) ※提出後、3団体追加となりました

さよなら柏崎刈羽原発プロジェクト、柏崎刈羽原発反対地元三団体、原発反対刈羽村を守る会、原子力規制を監視する市民の会、国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、全ての原発を廃炉に 刈羽村生命を守る女性の会、柏崎刈羽原発再稼働を考える佐渡の会、脱原発をめざす新潟市民フォーラム、柏崎刈羽市民ネットワーク、福島原発震災情報連絡センター、原発いらない福島の女たち、脱原発福島ネットワーク、会津放射能情報センター、子ども脱被ばく裁判の会、南相馬・避難勧奨地域の会、特定非営利活動法人ふくしま地球市民発伝所、脱原発・東電株主運動、東電株主代表訴訟、福井から原発を止める裁判の会、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、No Nukes! 野にゆく会、日本キリスト教協議会「平和・核問題」委員会、日本山妙法寺、念仏者非原発の会、さよなら浜岡原発・焼津市民の会、未来といのちを守る会、「公正な政治を求め動く市民の会」、ベクレルフリー北海道、Mox反対伊方の会、グリーン・アクション、生命(いのち)を考える福島と鹿児島の会、被ばく医療を考える会かごしま、オールターナティブズ、原発ゼロプログラムの会、原発いらない人びとの会、原発震災を防ぐ風下の会、さよなら原発品川アクション、サヨナラ原発福井ネットワーク、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会、原発やめよう/つながろう関西・マダム会議、NPO R水素ネットワーク、花風香の会、リリウムの会、子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会、脱原発へ!関電株主行動の会、「脱原発」桜井の会、脱原発・滋賀☆アクション、おおい原発止めよう裁判の会、奈良脱原発ネットワーク、未来の福島こども基金、チェルノブイリ子ども基金、原子力いいんかい?@伊東、放射能のゴミはいらない!、浜岡原発を考える静岡ネットワーク、浜岡原発の広域避難を考える静岡県東部実行委員会、福島バッジプロジェクト、太田川ダム研究会、さよなら原発なら県ネット、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)、原発廃炉で未来をひらこう会、核のごみキャンペーン・中部、原発・核燃とめようかい、原発震災を考える風下の会、原発さよなら千葉、市原憲法を活かす会、避難計画を案ずる関西連絡会、絆Japon、大阪の公害問題を考える会、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、脱原発はりまアクション、脱原発の日実行委員会、脱原発とうかい塾、原発事故被害者団体連絡会、脱被ばく実現ネット、反原発・かごしまネット、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、エナガの会(戦争しないさせない市民の会・柏)、ふぇみん婦人民主クラブ、春を呼ぶ会、ピースムーブ・ヨコスカ、日本環境法律家連盟(JELF)、コトノネ、原子力資料情報室、ポレポレ佐倉、ティナラク織の会「カフティ」、脱原発アクション☆飯田、あしたの命を考える会、三陸の海を放射能から守る岩手の会、バスストップから基地ストップの会、緑の党グリーンズジャパン、ふるさとを守る高浜・おおいの会、環境教育ふくおか、千葉県原発訴訟の原告と家族を支援する会、原発なしで暮らしたい宮津の会、さよなら島根原発ネットワーク、みやぎ脱原発・風の会、3.11ゆいネット京田辺、玄海原発反対からつ事務所、川内原発30キロ圏住民ネットワーク、核のゴミキャンペーン、プルトニウムなんていらないよ!東京、さよなら原発★ちがさき、9の日スタンディング★ちがさき、一般社団法人大磯エネシフト、福島原発からの放射能放出をやめてほしいと願う阪大病院看護師の会、原発止めよう! 東葛の会、原発さよなら四国ネットワーク、原発設置反対小浜市民の会、原発いらん!山口ネットワーク、所沢「平和都市宣言」実現する会、原発避難計画を考える水俣の会、さいなら原発尼崎住民の会、おかとん原発いらん宣言2011、さよなら原発神戸アクション、放射能問題交流会岩手、千葉県放射性廃棄物を考える住民連絡会、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、さよなら!志賀原発ネットワーク、原発を考える品川の女たち

 

石川県平和運動センター第18回定期総会アピール  

「外交努力が失敗すれば、軍事的選択しか残らない」・・。

これは、米国権力者の言葉です。まさに「戦争挑発」と言わざるを得ません。みずからが核保有国であるにもかかわらず、北朝鮮には核実験するな、核兵器を開発するなと脅し、「やめないなら核攻撃するぞ」と威嚇する、こんなことが「国連」で通用していることに憤りを覚えます。経済制裁は、北朝鮮の国民を一層苦しめ、金正恩氏の「暴発」を招く危険性すらあります。核戦争の悲劇を何ら想像することなく、米・朝両権力者が繰り返す「核恫喝」は、核戦争の危機を増幅させるだけ、と言わなければなりません。

広島、長崎、ビキニ、フクシマを経験させられた私たちは、全ての国の核兵器・核実験に反対してきました。その悲惨さを一番知っている私たちだからこそ、核兵器の使用を絶対に繰り返してはならないのです。核保有国による「恫喝」、北朝鮮による「核・ミサイル」を私たちは絶対に認めることができません。

米・朝による「核恫喝」合戦は、東北アジアを「核の炎」で焼き尽くしてしまう危険を秘めたものであり、世界の労働者、民衆とともに、何としても「核開発・核戦争」を阻止しなければなりません。

「どこの国の総理か」と問われた「被爆国」日本の安倍首相は、アメリカの「戦争挑発」を「全面的に支持」し、アメリカの「核の傘」のもと、日米韓で「北朝鮮」先制攻撃訓練に参加し、戦争参加の機会を狙っています。米国に向いた「核ミサイル」を「これは日本の存立危機事態だ!」と叫ぶことは「戦争に巻き込まれる」ことを企図したものと言わざるを得ません。外交努力も要請していかなければなりません。

この危機は、まさに作られた危機であり「マッチポンプ」と言わなければなりません。この作られた危機に対して、私たちが、護憲、脱原発、教育の民主化などを含めた反戦・平和闘争に起ちあがること、これが平和への唯一の道であることを今一度確認する必要があります。イスラエル政府が「防衛」の名のもとパレスチナにミサイルを撃ち込んだとき、「隣人を殺すな!」とデモに起ちあがったイスラエルの労働者、民衆の闘いにいまこそ学ばなければなりません。

安倍政権は、この北朝鮮情勢を好機ととらえ、野党の足並みが整わないうちに「改憲派を2/3近くで維持」し、「自らの自民党総裁3選」をも勝ち取る、党利党略、私利私略の解散を強行しようとしています。今回の解散は、疑惑を隠蔽する「モリ・カケ」解散であり、ナショナリズムの高揚をねらう「北朝鮮」解散と言わなければなりません。「戦争の危機」を吹聴し、憲法改悪を企図する安倍政権を打倒するため、組織の総力を挙げて闘うことを決意し、総会アピールといたします。

2017年9月26日

第18回定期総会参加者一同

 

桐生悠々と防空演習 週のはじめに考える

2017.9.10 北陸中日新聞より

北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練も行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った桐生悠々なら何と評するでしょうか。

 きょう九月十日は明治後期から昭和初期にかけて健筆を振るった反骨のジャーナリスト、桐生悠々の命日です。太平洋戦争の開戦直前、一九四一(昭和十六)年に亡くなり、七十六年がたちます。

 本紙を発行する中日新聞社の前身の一つである新愛知新聞や、長野県の信濃毎日新聞などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた、われわれの大先輩です。

非現実の想定「嗤う」

 新愛知時代には、全国に広がった米騒動の責任を新聞に押し付けようとした寺内正毅(まさたけ)内閣を厳しく批判する社説の筆を執り、総辞職に追い込んだ気骨の新聞人です。

 その筆鋒(ひっぽう)は軍部にも向けられます。信毎時代の三三(同八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤う」です。

 掲載の前々日から行われていた陸軍の防空演習は、敵機を東京上空で迎え撃つことを想定していました。悠々は、すべてを撃ち落とすことはできず、攻撃を免れた敵機が爆弾を投下し、木造家屋が多い東京を「一挙に焦土たらしめるだろう」と指摘します。

 「嗤う」との表現が刺激したのか、軍部の怒りや在郷軍人会の新聞不買運動を招き、悠々は信毎を追われますが、悠々の見立ての正しさは、その後、東京をはじめとする主要都市が焦土化した太平洋戦争の惨禍を見れば明らかです。

 悠々の評論の核心は、非現実的な想定は無意味なばかりか、有害ですらある、という点にあるのではないでしょうか。

 その観点から、国内の各所で行われつつある、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた住民の避難訓練を見るとどうなるのか。

ミサイルは暴挙だが

 まず大前提は、北朝鮮が繰り返すミサイル発射や核実験は、日朝平壌宣言や国連安保理決議などに違反し、アジア・太平洋地域の安全保障上、重大な脅威となる許し難い暴挙だということです。

 今、国連を主な舞台にして、北朝鮮に自制を促すさまざまな話し合いが続いています。日本を含む関係各国が「対話と圧力」を駆使して外交努力を惜しんではなりません。軍事的な対応は憎悪が憎悪を呼び、問題の根本的な解決にならないからです。

 その上で、北朝鮮のミサイル発射にどう備えるべきなのか。

 政府は日本に飛来する可能性があると判断すれば、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使って避難を呼び掛けます。八月二十九日早朝の場合、発射から四分後に北海道から関東信越までの十二道県に警報を出しました。

 とはいえ、日本の領域内に着弾する場合、発射から数分しかありません。政府は、屋外にいる場合は近くの頑丈な建物や地下への避難を呼び掛けていますが、そうしたものが身近にない地方の都市や町村では、短時間では避難のしようがないのが現実です。

 八月の発射でも「どこに逃げるか、どのように身を隠せばいいか。どうしていいか分からない」との声が多く出ています。

 住民の避難訓練も同様です。ミサイル発射を想定した国と自治体による合同の避難訓練が今年三月以降、すでに全国の十四カ所で行われていますが、専門家からは訓練の想定や有効性を疑問視する声が出ています。

 北朝鮮は、在日米軍基地を攻撃目標にしていることを公言していますし、稼働中であるか否かを問わず、原発にミサイルが着弾すれば、放射線被害は甚大です。

 しかし、政府は米軍基地や原発、標的となる可能性の高い大都市へのミサイル着弾を想定した住民の避難訓練を行っているわけではありません。有効な避難場所とされる地下シェルターも、ほとんど整備されていないのが現状です。

 訓練の想定が現実から遊離するなら、悠々は防空大演習と同様、論難するのではないでしょうか。

原発稼働なぜ止めぬ

 戦力不保持の憲法九条改正を政治目標に掲げる安倍晋三首相の政権です。軍備増強と改憲の世論を盛り上げるために、北朝鮮の脅威をことさらあおるようなことがあっては、断じてなりません。

 国民の命と暮らしを守るのは政府の役目です。軍事的な脅威をあおるよりも、ミサイル発射や核実験をやめさせるよう外交努力を尽くすのが先決のはずです。そもそもミサイルが現実の脅威なら、なぜ原発を直ちに停止し、原発ゼロに政策転換しないのでしょう。

 万が一の事態に備える心構えは必要だとしても、政府の言い分をうのみにせず、自ら考えて行動しなければならない。悠々の残した数々の言説は、今を生きる私たちに呼び掛けているようです。

 

声明「朝鮮半島における戦争に反対し平和定着を求める」

この9月17日は、2002年の日朝平壌宣言から15周年にあたる日である。ところが、当時両国首脳が約束した日朝国交正常化への前進がはかられるどころか、日朝は人的・物的往来さえも断絶した状態にある。その上、北朝鮮と米国の間の緊張は極度に高まり戦争さえ憂慮される状況に至っている。

この緊張は直接的には、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が2017年に入って、米国に交渉を求め強い態度を取ってきたことがきっかけになっている。北朝鮮は、ミサイル発射を繰り返し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発成功を誇示し、9月3日には第6回の核実験を行ない、水爆実験成功を宣言した。これに対して米国は、国連安全保障理事会における度重なる制裁決議によって、北朝鮮に圧力を加え、屈服させようとしている。

とりわけ米朝の緊張を高めているのは、米国のトランプ大統領自身の言動にほかならない。トランプ大統領は、「死ぬのは向こうで死ぬ」「炎と怒りに直面する」など朝鮮半島における戦争を辞さないような無責任な発言を繰り返し、軍事的な選択肢がありうると北朝鮮を威嚇している。

これに対し日本の安倍晋三政権は、外交を通じた事態解決をめざすどころか、米国の政策を支持するばかりで、むしろ危機をあおるような姿勢が目立っている。だが、韓国や中国やロシアも主張するように制裁強化だけで北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させることはできない。米国が万一北朝鮮に軍事攻撃を加えるならば、北朝鮮は日本の米軍基地や原子力発電所をはじめとする各地をミサイルで攻撃し、また韓国も戦火に包まれることをまぬがれない。トランプ政権にとっては「向こう」であっても、東北アジア全体が壊滅的打撃を受けることになるのである。

このような事態がおこることは絶対に阻止しなければならない。日朝国交正常化は北朝鮮の建国以来70年になろうとする今日まで未解決の懸案である。その原則は15年前の日朝平壌宣言で与えられている。日朝国交正常化は、米朝間の緊張の極度の高まりの中で日本にもとめられる、また東北アジアの人びとと日本がともに安寧に生きるための、平和外交のかなめである。私たちは平和を求める世界の人びととともに、朝鮮半島における戦争に反対し平和を求める立場から、以下のように要求し、行動する。

1.米国政府は北朝鮮に対する脅迫的政策を中止し、大規模な米韓合同軍事演習を見直して、核を含む先制攻撃を行なわないことを入口に、北朝鮮との交渉に臨むこと。そして、キューバとの関係改善の前例にのっとり、国交正常化へと進むこと。同時に、朝鮮戦争の平和協定に至る関係国との交渉に応じること。

2.北朝鮮は交渉に向けた入口として、核・ミサイル開発を凍結すること。そして、交渉の過程で関係国との懸案解決のため努力すること。

3.日本政府は制裁一辺倒の政策を改め、米国に平和的対応を促すこと。そして日朝平壌宣言を再確認して直ちに日朝政府間協議を再開し、国交を樹立すること。その上で、植民地支配の清算のための経済協力、拉致、核・ミサイルなどの交渉を開始すること。そして、東北アジアにおける地域的信頼関係を構築しつつ、核兵器禁止条約に加入し、核廃絶に向けたアプローチを開始すること。

4.日本政府は朝鮮高校生への無償化不適用や在日朝鮮人へのヘイトスピーチの放置など、在日朝鮮人社会に対する差別の解消に向け人権尊重の政策を実現すること。

2017年9月17日

東北アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化連絡会

 

平和フォーラム責任者会議 共同代表あいさつ

2017年9月 8日

平和フォーラム責任者会議 あいさつ

フォーラム平和・人権・環境 共同代表 福山 真劫

現在、国内外情勢は激動しています。平和フォーラムのおかれている位置と役割を確認して、歴史的役割を果たす決意を固めましょう。数点提起させていただきます。
安倍政権の憲法と民主主義を破壊しての暴走が止まりません。また権力の私物化とその隠ぺいの実態が明らかになっています。そうした中で、さすがに市民、世論の怒りが拡大し、野党勢力の奮闘の結果として、都議選での惨敗、支持率の急落と続いています。内閣改造や北朝鮮の脅威のあおりで、求心力のアップを狙っていますが、原因が「安倍首相本人に対する不信感と怒り」の拡大にあるため、求心力の回復と政権浮揚は困難と予測されます。
安倍政権の本質は、基本的には「戦後レジームからの脱却・憲法破壊」の極右翼政権です。また、アベノミクス、原発政策、戦争法・共謀罪強行、沖縄への基地建設強行、森友・家計学園の隠蔽など重要な個別の政策では支持されていません。民進党、社民党、総がかり行動実行委員会、平和フォーラム、連合など野党勢力が、連帯の輪を広げて闘えば、安倍政権退陣・打倒・政権交代を展望することは可能です。私たちは安倍政権に勝ちに行くという決意を固めて、運動を作り上げましょう。

北朝鮮が6度目の核実験を行い、東アジアでは、軍事的緊張関係が一挙に高まっています。絶対に米朝間で戦争を起こさせてはなりません。もしそういうことになれば、日本は大混乱の中で、破滅に直面します。解決の方向は、対話と協議しかありません。
安倍政権はこうした事態の中で、共和国の脅威をあおり、「国民」の中に、「戦争勃発」の不安だけを拡大させています。共和国に対する制裁と軍事的脅迫の一辺倒では、事態は打開されません。戦争の危機を近づけるだけです。もちろん私たちは、共和国の核実験は絶対に許せません。共和国は直ちに核実験を中止し、核兵器を解体し、核不拡散条約(NPT)体制に復帰すべきです。また日本政府は、米国の核の傘から離れ、核兵器禁止条約に参加し、東アジア非核地帯化構想に取り組むべきです。世界終末時計は2分30秒前です。
2002年9月17日の「日朝平壌宣言」には、「国交正常化へあらゆる努力、核問題の包括的な解決のために関連するすべての国際的な合意を遵守」、2005年9月19日の「6者共同声明」には、「核兵器と既存の核計画の放棄、米朝、日朝の国交正常化、経済・エネルギー支援、北東アジアの平和と安定」をめざすとしています。その中に解決の方向が明記されています。もう一度「絶対に戦争・紛争を引き起こさせてはなりません。戦争を呼び寄せる制裁と圧力ではなく、対話と協議」を要請し続けましょう。

安倍首相は、5月3日、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と9条改憲提言を行いました。今回の提言は、従来の自民党案を変更して、公明党、維新の会などを巻き込み世論の多数派を形成しようとするものです。櫻井よしこや日本会議など改憲勢力の主流派は支持をしています。しかしこの改憲案の本質は、「憲法違反の戦争法」の追認と自衛隊を明記することにより、自衛隊の強化と米国の軍事戦略に基づく海外派兵・集団的自衛権行使への踏み出しであり、絶対に許せません。
安倍政権の支持率と求心力の低下の中で、当初のロードマップは揺れていますが、衆参で3分の2を確保している今しか、改憲の可能性はありません。総がかり運動の経過を踏まえて、総がかりを超える総がかり運動として、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」で反撃をしましょう。

次は沖縄課題です。連日キャンプ・シュワブの前で座り込み行動が展開されています。8月12日の県民大会で翁長雄志知事は、不退転の決意で闘うと決意表明しています。私たちは安倍の暴走が止まらないのは、東京、全国での闘いの弱さの結果であり、その責任を担っている私たちの責任であるということをわかる感性を持っています。引き続きがんばりましょう。東京では10月4日に大集会が予定されています。

原水禁課題も重要です。安倍政権は「核兵器禁止条約への不参加」を決め、世界が脱原発に踏み出し、脱原発が時代の流れであるにも関わらず、原発再稼働、核燃サイクル政策推進、原発輸出と原発推進政策を突き進んでいます。平和フォーラム・原水禁の役割が決定的に重要です。9月18日の集会の集会等が準備されています。

闘いの体制の強化が必要です。
まず、平和フォーラムの組織強化と運動強化が基本です。
次に、総がかり行動実行委員会は、従来の運動経過を超えて、日本の平和・民主主義運動の中にあった、非共産党系、共産党系、中立系の3潮流を一つにまとめた共闘組織です。そして戦争法廃案、参議院選挙、共謀罪廃案、沖縄との連帯運動等を闘ってきました。これは日本の平和・民主主義運動の長い経過の中で、画期的なことであり、運動は東京・全国で大きく拡大し、運動風景を一変させました。
全国的に見て、総がかり運動への結集に濃淡があり、東京のようにきれいに共闘組織ができているわけではありません。しかしこうした総がかり運動の強化の中にしか、日本の平和と民主主義の未来はないのも事実です。ここのことを運動をつくるうえでの基本認識とする必要があります。そして平和フォーラムのイニシャチブでつくることが重要です。
総がかり行動実行委員会は2014年12月に結成以来、早くも2年半が経過しました。構成団体の本気の総がかり運動への踏み出しが必要だと思われます。
そしてこの2年半の取り組みの中で、新しい運動課題も見えてきました。運動の段階を平和フォーラムの立場で、整理をすれば、第1段階は、市民運動との連携です。第2段階は、代々木系組織との共闘組織の形成、もちろんこの段階では1日共闘的共闘、恒常的組織を形成しての共闘、組織の統合とありますが、東京では、恒常的組織を形成しての共闘であり、総がかり行動は8月までに実行委員会を42回、運営委員会を19回開催しています。また取り組んだ諸行動は、100行動を超えています。
第3段階ですが、現在総がかり運動に求められているのは、総がかりを超える総がかり運動です。このことを踏まえた運動を作り上げなければ、安倍政権退陣・打倒の展望は見えてきません。この問題意識を共有することが重要です。これは従来の3潮流の共闘を超えることです。3潮流とも運動の弱点を持っていました。この弱点も克服していく必要があります。弱点を克服することの基本は総がかりの枠組みをさら拡大することです。非正規の労働者へ、生活困難者たちへ、「無党派」といわれる人たちへ、連合へ、安倍政治を許せないと思っている多くの人達へと運動を拡大することです。
そして8月31日、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」を立ち上げました。九条の会の実行委員会への参加が特徴です。3000万署名運動が行動提起の中心です

私たちの基本的立場は、政策実現めざして、民進党、社民党と連携することです。
選挙闘争では、平和フォーラムとしては取り組まず、中央組織、各県組織等の判断としてきました。しかし総がかり運動を引っ張るようになってから、政策実現のための野党との共闘、選挙での野党共闘の一翼を担うとして、一歩踏み出しました。野党と連携して、戦争法、共謀罪、沖縄との連帯、9条改悪阻止へと闘ってきました。
選挙闘争も市民連合に結集して、野党共闘で闘ってきました。参議院選挙、都知事選、新潟知事選と続きました。次は10月22日の3つの衆議院補欠選挙です。
安倍政権が揺れだしています。現状の野党への市民の評価・期待度を考慮すれば、野党が分裂して小選挙区で選挙戦を闘えば、一部の勝利はあったとしても、圧倒的に敗北することが予測されます。2014年の総選挙では、295選挙区の結果は、自民222、公明9、維新11、次世代2、民主党38、生活2、社民党1、共産党1、無所属9となっています。231対42の差です。野党共闘が成立して居れば、単純計算で59の選挙区で勝利できます。自公政権の最大の狙いは、野党共闘をつぶすことです。
主観的にはともかく、その戦略に手を貸してはなりません。安倍首相とお友達によって、戦後の平和と民主主義が崩壊の危機にある時、反共主義を掲げて、共産党を排除する理由はありません。また過去から今に至る共産党及び影響下にある諸団体への許せない経過に対する批判は継続しながらも、当面迫っている安倍ファシズムに対抗するため共闘が必須です。次の総選挙は野党共闘で闘うしかありません。その基本は、野党共闘に、連合、市民連合、全国各地に市民連合的組織、総がかり運動、市民の共闘体制を作り上げることです。
民進党の代表に、前原さんがなりました。どうするのか注目する必要があります。社民党は平和フォーラムの方針と重なり合います。連合も正念場です。労働組合のナショナルセンターであることを自覚して奮闘していただきたいと思います。
時代は、局面が変わりつつあります。連帯して闘えば勝てるという確信をもってがんばりましょう。

以  上

 

朝鮮民主主義人民共和国の6回目の核実験に 強く抗議し、
米国始め国際社会に冷静な対応を求める声明

                           2017年9月4日

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、9月3日に6回目の核実験を実施した。周辺各国の地震計による推定では、従来の出力の数倍から十倍程度で、北朝鮮の発表と同じく水爆実験と見られる。軍事衝突を招きかねない危険な行為であり、決して許容することはできない。世界各国が核兵器禁止条約を制定し、発効へ向けたとりくみを進めている中にあって、どのような理由であれ、核実験を繰り返す暴挙は許されることはない。原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は、ヒロシマ・ナガサキの悲惨な現実と向き合い、核兵器廃絶を目ざしたとりくみをすすめてきたものとして、北朝鮮政府に対して強く抗議するとともに、核兵器開発の即時停止を求める。
国際社会において、1994年の米朝枠組み合意以降、北朝鮮の核開発を止める機会が何度かあったにもかかわらず、そのすべてで実現に至らせることはできなかった。北朝鮮が自国の体制維持のために核兵器保有に至った責任を、世界各国が問われる事態ともいえる。きびしい経済制裁の中で、外交関係の再生を求める金正恩政権は、しかし、世界から孤立している。急速な核・ミサイル開発は、金正恩政権が追い詰められていることの証左とも言える。

そのような北朝鮮を見ながら、米国・韓国は、首脳暗殺を目的とする「作戦5015」や朝鮮有事を想定し核ミサイルにも対応する「乙支フリーダムガーディアン」などの大規模な合同軍事演習を繰り広げている。制裁措置の強化と軍事的圧力を強める米国・韓国そして日本の政治姿勢は、北朝鮮を追い詰めるだけで平和への道を開けるものではない。原水禁は、米朝対話と六カ国協議の即時再開を強く要請する。
2002年の日朝平壌宣言以降の日本と北朝鮮をめぐる外交関係も、全く破綻していると言わざるを得ない。先月29日の北朝鮮のミサイル発射に伴うJアラート騒ぎに見られる様に、軍事的緊張を煽るだけの安直な安倍政権の政治手法は、両国の関係を悪化させて来た。また、北朝鮮の核実験に抗議する日本政府が、米国の核抑止政策に依存している矛盾を、自らも解決しなければならない。その上で平和憲法の理念に基づいて日本政府がすべきことは、北朝鮮との対話へ関係各国が踏み込んでいく選択を促すことだ。そのためには、周辺国5カ国での話し合いも重要ではないか。

どのような状況であれ、軍事力行使だけはあってはならない。原水禁は、国際社会の冷静な対応と軍事力行使への強い自制を求める。同時に国際社会のあらゆる場で、東アジアの平和への話し合いが行われることを希望する。

原水爆禁止日本国民会議  議長 川野 浩一

 

2017年8月18日

石川県知事 谷本正憲 様

石川県平和運動センター

共同代表 柿平哲夫 南弘樹 本田良成 新明宏 森憲一

金沢平和運動センター議長 谷 光哉

社会民主党石川県連合代表 盛本 芳久

( 公 印 省 略 )

8.18「北朝鮮ミサイル-避難訓練-」中止の申入れ

石川県は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略す)のミサイル飛来に備えて8月30日に「避難訓練」を輪島市で実施するとしています。

知事は、本当に、北朝鮮のミサイルが日本に飛来するとお考えなのでしょうか。

北朝鮮は「自国防衛」のため「核・ミサイル」を開発していますが、照準は米国を向いています。それは、朝鮮戦争が停戦中であり平和協定が結ばれていないからです。5回の核実験と20回以上の弾道ミサイル実験を繰り返した北朝鮮ですが、米国は07年以降、10年間で41回の弾道ミサイル実験を行っており、北朝鮮の比ではありません。米韓合同演習では、戦略爆撃機、空母打撃部隊など圧倒的戦力を投入し、年二回、米特殊部隊1,000人を含む30万人で北朝鮮を威圧しています。

自衛隊もまた、米国の先兵として「核」空母打撃部隊や「核」戦略爆撃機B1を護衛し、北朝鮮を先制攻撃する訓練をやっています。これらに、フセインやカダフィの末路も重ねた金正恩政権は恐怖し、「体制延命には核しかない」と考えたのです。つまり、北朝鮮による「核開発」の主因は米国にあり、「核・ミサイル」を問題にするならば、米国にも抗議すべきなのです。

私たちは、「武力で平和はつくれない」として「核兵器・核開発」に反対しています。ミサイル実験や軍事訓練にも反対し、核実験には北朝鮮であれ米国であれ抗議声明を発しています。

石川県知事が成すべき事は、「いずれも、核開発を止めよ!」「国家予算を餓死寸前の国民に回せ!」と主張すべきではないでしょうか。そして、米軍とともに「戦争挑発」を繰り返す安倍政権に対し、「戦争行為はやめよ!」「国民を煽動するな!」と訴えることではないでしょうか。

内閣改造後の世論調査を見ても、安倍首相は「信じられない人」という評価が続いていますが、北朝鮮の「ミサイル」のみを対象とした「避難訓練」は、北朝鮮を丸ごと敵視することであり、かって、日本が「支配し蹂躙してきた」ことへの反省とは真逆の行為となるのではないでしょうか。まさに「ナショナリズムの鼓吹」であり「国民を総動員」する危険な行為と言わなければなりません。控えめに見ても「不安煽りと憲法9条改悪」の地ならしと言うほかありません。

そもそも、弾道ミサイルに対して、「伏せ」「地下へ」という対処が役に立つとお考えでしょうか。戦前、金沢市生まれのジャーナリスト桐生悠々が訴えた「関東防空大演習を嗤ふ」を思い出してしまいます。もし、ミサイル「落下」が危険とお考えならば、それは「隕石」落下に等しい絵空事と言わなければなりません。小松のジェット戦闘機の方がより現実的な危機であり(別紙を見よ!)、志賀原発事故の方が危機的です。これらを踏まえて、以下、4点について要請します。

1 北朝鮮の「核・ミサイル」開発に係る「避難訓練」は無意味なので、即刻、中止すること。

2 「避難訓練」に小・中学校の児童・生徒を動員することは、無用な恐怖心、敵愾心を煽り、差別を助長するだけなので絶対に参加させないこと。

3 日本政府が、北朝鮮を敵視している米国の軍事・政治に同調することは、危機を助長し恐怖心を煽り敵愾心を増幅させ、一触即発の「核」戦争的事態を招くだけなので、貴職は、日本政府に対し毅然とした態度で、米朝双方に「軍事的な行動・威嚇」を止めるよう要請すること。

4 貴職は、北朝鮮に対し、「核・ミサイル」開発は国民を餓死させることにつながり、対外的にも問題を「複雑化」「困難化」させるだけなので、開発を止めるよう直接、要請すること。

 

戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会 誓いの言葉(平和フォーラム・福山真劫共同代表)

72回目の暑い夏がやってきました。
 私たちは、今年も、みなさまの御霊を追悼し、平和への誓いをもう一度確認するため、ここに集いました。しかし安倍政権に代表される日本の政治は私たちのめざす政治からすれば、危機的状況にありますが、一方、新しい希望も確実に生れつつあります。
 憲法を破壊し、戦争する国・軍事大国への安倍政権の暴走が止まりません。戦争法強行、共謀罪強行、沖縄辺野古への基地建設強行、福島の切り捨てと続き、次は東アジアでの軍事的緊張をつくりだし、それをあおりながら、憲法9条改悪を狙っています。
 また画期的な核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、なんと日本政府は賛成せず、交渉会議にも参加していません。被爆者たちに対する裏切りであり、被爆国政府としての責任放棄です。怒りを通り越して、悲しくなります。
 8月12日、沖縄では、「辺野古に新基地をつくらせない県民大会」が開催され、安倍政権の県民無視の基地建設強行に、4万5千人の県民が怒りの声を上げています。沖縄の民主主義を破壊して進められる暴挙に対して、安倍首相の共犯になりかねない本土における私たちの責任を痛感します。
 そうしたことと合わせて、安倍政権の共謀罪の強行採決、森友学園・加計学園に代表される「権力の私物化」と腐敗の露呈、稲田や金田などお友達たちの大臣の無能ぶりを目の当たりにし、多くの市民は、安倍政治の本質とその危険性・でたらめぶりを理解し始めました。そして安倍内閣の支持率は各種世論調査で30%台へと一挙に急落、7月2日都議選での自民党惨敗と続き、一強多弱といわれた安倍政権が大きく揺れだしています。
 8月3日、安倍首相は、第3次内閣改造を行いましたが、そうした小手先の対策では政権の再浮揚・求心力の回復はできるはずがありません。問われているのは、安倍首相とお友達たちの米国追従・戦後レジームからの脱却という本質・路線・体質です。こんな安倍政権をいつまで続けさせるのでしょうか。野党と私たちの責任が問われています。
 私たちも「戦争させない9条壊すな総がかり行動実行委員会」に結集して、安倍の暴走をとめ、平和・民主主義・脱原発の政治を確立するために全力で闘ってきました。そして市民連合、野党共闘を作り上げてきました。そして今、総がかりを超える総がかり運動めざして、取り組みを開始し、運動は大きく拡大しようとしています。
 野党勢力とっても、絶好のチャンスです。立憲野党の奮闘が求められています。
時代は、戦後レジームの脱却・憲法破壊ではなく、平和・民主主義・脱原発・憲法理念の実現へと動き出しています。おもねるのでは無く、安倍政権の政策転換・退陣・打倒を明確にした野党と労働運動、市民運動、市民の連帯した闘いが確実に新しい政治をつくりだします。私たちはその一翼を担うという決意を申し上げて、「誓いの言葉」とさせていただきます。
2017年8月15日

      フォーラム平和・人権・環境  共同代表  福山真劫

石川県で最大20mの津波予想を報告

国交省分科会、3道県の浸水想定承認

日本海沿いの津波想定について話し合われた

国土交通省は2017年6月27日、社会資本整備審議会河川分科会の第54回会合を開催。日本海に面した北海道、富山県、島根県の津波浸水想定の設定や土砂災害防止対策基本指針の変更などを承認した。また石川県では最大20mの津波が想定されることが報告された。

津波浸水想定は津波防災地域づくりに関する法律に基づき設定。浸水域や浸水深を表示し、国交大臣に報告のうえ社整審河川分科会の意見を聞く必要がある。北海道は今回、稚内市から松前町にかけて日本海沿いの約1100kmが対象。日本海で地震が起こった場合、江差港は最大で6.2mの津波を予測。第1波は3分で来るという。

富山県は約150kmの沿岸。富山市に第1波が地震から1分で到達、最大5.5mの津波を予測している。島根県は隠岐諸島も含めた約1030km。松江市に6分で第1波が到来し、最大2.3mの津波が見込まれている。また5月に設定した石川県も参考として報告。対象は580kmの沿岸で、珠洲市は1分、輪島市は1分未満、原子力発電所のある志賀町は19分、金沢市は20分で第1波が到来。津波は最大で珠洲市が20.0m、輪島市が8.8m、志賀町が6.3m、金沢市が3.6mの予測。石川県は次回分科会で承認の予定。

土砂災害防止対策基本指針は6月に改正水防法が施行されたのを受けて変更。高齢者施設など要配慮者利用施設の管理者に避難確保計画作成と避難訓練実施を義務づけ。降雨状況に応じた防災行動の明確化のほか、特別警戒区域内の建築物について、人的被害が生じる可能性が高く、災害発生の可能性が高まっていることを行政による移転勧告の基本とした。移転勧告がある場合、補助金がおりるケースも今後考えられる。

また一級河川指定として北海道の奔別川の延長減1.9km、滋賀県の大津放水路2.4kmの新規指定、盛越川の延長増0.5km、徳島県の大津田川の延長増0.2kmも承認された。(了)

 

北のミサイル発射施設へ米軍が先制攻撃検討 米朝の戦争挑発反対!

2017年8月10日 14:38

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。

記事全文

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。 アメリカのNBCテレビは9日、国防総省が、北朝鮮への攻撃を指示された場合に向け準備している計画の内容を入手したと報じた。それによると、アメリカ軍が先制攻撃する場合、北朝鮮から約3400キロ離れたグアムの米軍基地に6機配備された戦略爆撃機が展開し、24か所のミサイル発射施設を攻撃することが検討されているという。

 戦略爆撃機は高性能な長距離巡航ミサイルを搭載でき、公海上から攻撃可能だという。こうした攻撃を想定した訓練は5月以降11回行われ、このうち4回は、爆弾の投下も行われたということだが、一方で、計画は、検討されている選択肢の1つに過ぎないとしている。

この訓練に、日本の空自隊基地からF2やF15戦闘機がコミット(B1戦略爆撃機を護衛する任務)しているのは間違いない。
 
 

 

米議員が国務長官に書簡「大統領の発言に強い懸念」

アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に対し、強い表現で挑発行為をやめるよう、警告し続けていることについて、アメリカ議会のおよそ60人の議員が共同でティラーソン国務長官に書簡を送り、強い懸念を示すともに、大統領の言動を自制させるため、国務長官が、あらゆる努力を払うべきだと訴えています。

この書簡は、アメリカ議会下院のグアム選出の議員を含む、およそ60人の民主党議員が、10日、ティラーソン国務長官に宛てて、送りました。書簡はまず、「トランプ大統領の発言は、北朝鮮との間の緊張を著しくあおり、核戦争の不安を高めており、強く懸念している」としたうえで「発言は無責任で危険だ」と非難しています。

そして、「トランプ大統領と政権の高官が、敏感なこの問題について、細心の注意と自制をもった言動をとる必要性を理解させるためにすべての方策をとるよう求める」として、大統領の言動を自制させるため、国務長官があらゆる努力を払うべきだと訴えています。

そのうえで、「われわれは、ティラーソン長官が、北朝鮮に対話を求め、アメリカの敵ではなく、戦争も体制の転覆も追求しないとした発言を強く支持する」として、アメリカは、最終的に対話を通じて、問題を解決する姿勢を貫くべきだとしています。

アメリカ議会では、トランプ大統領の北朝鮮に対する発言について、支持する声も一部にはあるものの、与野党の有力議員の間からは、無責任だとして、批判の声が上がっています。