「教育勅語」容認の閣議決定に対する平和フォーラム見解

2017年4月3日

「教育勅語」容認の閣議決定に対する平和フォーラム見解

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

共同代表 藤本泰成

 3月31日、安倍内閣は民進党初鹿明博衆議院議員の質問趣意書に答える形で、教育勅語は「憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との閣議決定を行った。教育勅語は、1948年に、日本国憲法や教育基本法に反するとして、軍人勅諭とともに衆議院で排除に関する決議・参議院で失効確認に関する決議が行われている。今回の閣議決定は、衆・参両院の決議との整合性がとれず、憲法違反の決定であることは明らかだ。

「朕惟フニ」で始まり「朕カ忠良ノ臣民タル」と呼びかけ「朕爾臣民ト俱ニ拳々服膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ」で終わる教育勅語は、主権在君の明治憲法下のものであり、主権在民の日本国憲法の理念とは相容れない。また、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」との文言が、国家への忠誠を強要し、徴兵制の下で戦争遂行の基となった。排除・失効の決議が軍人勅諭と一緒に行われたことの意味を考えるべきだ。

「爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ」との部分をさして「教育勅語の内容は現在でも通用する」との主張が聞かれる。根幹に流れる考えは、長幼の序を基本とした儒教的精神であり強固な家父長制度と長子相続制、男尊女卑にあることは間違いない。明治の時代性を現代に当てはめることの愚を犯してはならない。日本国憲法は、明治憲法下における侵略戦争の時代の反省に基づき「平和主義」「民主主義」「基本的人権の尊重」を基本に、主権在民、男女平等、個人主義に立脚している。何処をとっても教育勅語が憲法に反しない教材になり得る要素は存在しない。今回の閣議決定は、「ポスト・トゥルースの政治」そのものであり、日本政治における「知性の崩壊」と言わざるを得ない。

教育勅語を唱和し、軍歌を歌い、「安倍首相ガンバレ」を宣誓する塚本幼稚園の映像は奇異である。安倍首相は、当初国会答弁で「いわば私の考え方に非常に共鳴している方」「妻(ママ)から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と、塚本幼稚園の教育へ賛辞を送った。稲田朋美防衛大臣は、「道義国家をめざすとする教育勅語の精神は、取り戻すべき」と国会で述べた。日本会議とともに戦前回帰の国家主義をめざす安部政権の本質が象徴的に表れている。

教育基本法容認の閣議決定に先立って、小学校及び中学校の指導要領が改定になった。小学校用の道徳の教科書では、「パン屋」が「和菓子屋」に変えられ、「公園の遊具」が「和楽器店」に変更された。2006年の第1次安倍内閣で成立した改正教育基本法に示された「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」とする教育目標に沿った修正意見と思われるが、あまりにも偏見に満ちた浅薄な考え方でしかない。そもそも、伝統と文化を支える地域社会を壊してきたのは、戦後保守政権・自民党が進めてきた高度経済成長政策ではなかったか。古から諸外国の文化に学びながら、それを自らのものとして獲得してきた日本文化の本質を、安部政権はもっと真剣に学ばなくてはならない。

一方で、中学校の指導要領では「武道」に「銃剣道」が導入された。銃剣道はフランス軍隊から学んだ西洋銃剣術を基本に、日本の槍術などを組み入れて旧日本軍の戦闘訓練に取り入れられたものである。木銃を手に行う競技であり、その長さは旧陸軍の三八歩兵銃を基本にしている。自衛隊などでは訓練として導入され、競技人口の多くが自衛官でしめられている。地方の道場・クラブの多くが自衛隊駐屯地内に存在する。このような特異な競技を、中学生に教えることの意味が何処にあるのか。戦場における戦闘を想定する銃剣道の導入は、平和憲法の理念に反する違憲の教育と言わざるを得ない。

日本会議と結びついている安部政権の教育改革は、子どもたちを侵略戦争と植民地支配に明け暮れたアジア・太平洋戦争の時代、明治憲法下の天皇制の時代へと誘う。国家主義的な教育は、国家や「公」なるものに対する個人の犠牲を強要し、そのことを美化し、個人主義を否定してゆく。一方的・画一的な価値観を植え付け、多様な個性と多様な価値観を認めない社会は、衰退への歩みを進めるだろう。集団で一斉に教育勅語を唱和するような社会としてはならない。平和フォーラムは、安部政権の教育改革に抗し、平和と民主主義、基本的人権の尊重を基調とする戦後教育の更なる発展にとりくんでいく。

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辺野古ゲート前で座込み 石川の仲間も1000日目の座込みに参加

「私たちの島は私たちが守る」 辺野古ゲート前で座り込み1000日集会

2017年4月1日 11:05

「新基地建設断念せよ」とシュヒコールする集会参加者=1日午前10時37分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設で1日午前、「辺野古新基地建設阻止!ゲート前座り込み1000日集会・行動」が米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれた。早朝から雨が降り続く中、基地建設に反対する約400人が雨具を身に着けてゲート前に座り込み、基地建設反対の声を上げた。
集会では工事を止めようと大浦湾で連日抗議活動をしているカヌー隊や抗議船長、基地建設反対を訴える県議会議員や国会議員らがマイクを握ってあいさつした。「私たちの島は私たちで守っていく」「どれだけ工事が進められようと、最後に笑えるようにしよう」と呼び掛けた。
集会に訪れた糸満市の泉川京子さん(62)は「きょうからが新たなスタートだと思う」と述べた。【琉球新報電子版】

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アムネスティも「山城」不当勾留に抗議

山城さんの早期釈放訴え 乗松さん、アムネスティ声明朗読 那覇地裁前に70人超

2017年1月30日 15:02

「日本政府の市民弾圧は絶対に許されない」と訴える乗松聡子さん(右)=30日午後、那覇市の那覇地方裁判所前

名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設の抗議行動で、中心的役割を果たしていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が威力業務妨害容疑などで逮捕・起訴され、100日以上勾留が続いていることを受け、「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」は30日午後、那覇市の那覇地方裁判所前で緊急集会を開いた。「アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス」エディターの乗松聡子さん(51)は国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が26日に発表した山城さんらの即時釈放要求の原文(英語)を読み上げ「国際人権規約の批准国として、不当勾留を直ちに解消せよ」と訴えた。
雨が降りしきる中、裁判所前には70人以上の市民が集まり、シュプレヒコールを上げた。
乗松さんがブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソンさんらと共に、山城さんらが政府の弾圧を受け、不当に長期勾留されている実情をアムネスティ・インターナショナルに伝え働き掛けたことで、今回の緊急要請文書をはじめとする国際的なキャンペーンが始動した。
乗松さんは「人権運動の権威であるアムネスティ・インターナショナルだけでなく、世界の多くの主要紙が日本政府の沖縄いじめと弾圧を問題視している」と述べ、日本政府の非人道的な市民運動抑制策に警鐘を鳴らした。
声明文を読み上げた後、乗松さんは同会の仲宗根勇共同代表と那覇地裁にアムネスティ・インターナショナルの原文を提出した。【琉球新報電子版】

 

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2016.12.31までに「がん」または「がんの疑い」と診断された人は、1巡目で116人、2巡目で69人、計185人

原発事故後の甲状腺検査 がん診断の4歳男児報告されず

3月30日 20時24分

原発事故のあと、福島県は18歳以下の子どもを対象に甲状腺検査を行っていて、健康への影響を検証する専門家の委員会に報告しています。しかし、事故当時4歳の子どもががんと診断されたのに、委員会に報告されていないことがNHKの取材でわかりました。福島県は現在の仕組みでは、県の検査のあとにがんと診断された患者は報告の対象になっていないとしていて、専門家は「正確な情報を明らかにして分析するのが使命で、事実はきちんと報告し、公開すべきだ」と指摘しています。

原発事故のあと、福島県は福島県立医科大学に委託して、放射性ヨウ素の影響を受けやすいとされる事故当時18歳以下の子ども、およそ38万人を対象に、超音波でしこりの有無などを調べる甲状腺の検査を実施しています。

県は検査の結果を健康への影響を検証する専門家の委員会に報告し、昨年末までにがんやがんの疑いがあると診断された人が、当時5歳から18歳までの185人いると発表しています。

しかし、これまでで最年少の事故当時4歳の子どもが、この検査のあとにがんと診断され、甲状腺を摘出したことを県立医科大学が把握していたのに、委員会に報告されていないことがNHKの取材でわかりました。

検査は一次検査と二次検査の2段階で行われ、県や県立医科大学は「報告の対象は二次検査までにがんやがんの疑いと診断された患者で、二次検査で継続して推移を見守る『経過観察』とされたあとにがんと診断されたり、別の医療機関に移って、がんが見つかったりした患者たちを網羅的に把握することは困難なため報告していない」と説明しています。

2年前に委員会のメンバーが、こうした仕組みの問題点を指摘した際、県立医科大学は検査後にがんと診断された患者については「別途、報告になる」と説明していましたが、報告されていなかったことになります。

委員会の委員で、福島大学の元副学長の清水修二特任教授は「正確な情報を明らかにして分析するのが使命で、隠しているという疑念を生じさせないためにも、どういう経緯であっても患者が確認されれば、きちんと事実として公開すべきだ」と指摘しています。

甲状腺がんとは

甲状腺は、のどぼとけの下にあるちょうが羽を広げたような形をした、重さ10から20グラム程度の小さな臓器で、成長の促進に関わるホルモンを分泌する働きがあります。

原発事故後、懸念されたのが、この甲状腺が事故で放出された放射性物質の一つ、「放射性ヨウ素」を取り込んで引き起こす「甲状腺がん」です。

特に成長過程の子どもは体内で細胞が活発に分裂を繰り返しているため、傷ついた細胞の遺伝子の修復が進みにくく、影響を受けやすいとされています。

旧ソビエトのチェルノブイリ原発事故では、周辺地域の住民が主に牛乳や乳製品などを通じて「放射性ヨウ素」を取り込んだとされていて、国連の専門委員会は、およそ6000人が甲状腺がんになり、2006年までに15人が死亡したという報告書をまとめています。

当時18歳以下のすべての子どもが検査対象

原発事故のあと、福島県は福島県立医科大学に委託をして、事故当時、県内に住み、18歳以下だった38万人のすべての子どもたちを対象に甲状腺検査を行っています。

検査は国がおよそ780億円を拠出した基金を活用して行われ、20歳になるまでは2年に1回、その後は5年に1回実施されます。
検査は2段階にわけて行われ、学校などで行われる一次検査では、首に超音波をあてて甲状腺にしこりなどがないかを調べ、4段階の判定を行います。

一定の大きさ以上のしこりなどがあると判定されると二次検査を受け、詳しい検査を受けることになります。
二次検査では超音波検査や血液検査のほか、必要に応じて穿刺(せんし)吸引細胞診と呼ばれるしこりに直接針を刺す検査を受け、良性か悪性かを診断します。

平成23年10月から1巡目の検査が行われ、平成26年から2巡目現在は3巡目の検査が行われています。

先月(2017.2)公表された最新データでは、2016年12月31日までに「がん」または「がんの疑い」と診断された人は、1巡目で116人2巡目で69人合わせて185人います。

事故当時の年齢は5歳から18歳までで、最年少は去年6月に公表された5歳の男児とされています。

検討委員会委員「調査の信用落ちるおそれある」

検討委員会に報告されないがん患者がいることが明らかになったことについて、専門家は甲状腺検査に対する信頼性が揺らぐおそれがあると指摘しています。

甲状腺検査の検査結果は、がんの専門医や大学教授など専門家15人で構成される検討委員会に定期的に報告され、原発事故との関連性などについて科学的な立場で検討が行われています。

検討委員会はおととしと去年、原発事故後に福島県内で確認された甲状腺がんについて、「総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくい」とする取りまとめを公表しました。

報告書の中でその理由として、被ばく線量がチェルノブイリの原発事故と比べてはるかに低いこと、チェルノブイリで相次いだ5歳以下の子どもに甲状腺がんが発見されていないこと、それにチェルノブイリでは事故の5年後以降にがんの発見が相次いだのに対して、福島では1年から4年と短いことなどを挙げていました。

その後、去年6月の検討委員会で、5歳の男の子に初めて甲状腺がんが確認されたと公表しましたが、「放射線の影響とは考えにくい」という見解は変えていません。

検討委員会の委員で、福島大学の元副学長の清水修二特任教授は、これまでで最年少となる当時4歳の子どもにがんが見つかったことについて、「年数がたてばがんになる確率も上がるので、特に意外でも奇異なことでもない」と述べ、冷静に受け止めるべきだと強調しました。そのうえで、報告されていないがん患者がいたことについて、「正確な情報を明らかにして分析するのが使命で、どういう経緯であっても患者が確認されれば、個人情報に十分に配慮したうえで、きちんと事実として公開すべきだ。そうしなければ隠しているという疑念を生じさせ、調査全体の信用が落ちるおそれがある」と指摘しています。

福島県「委員会の議論を踏まえて公表を検討」

公表していないがん患者がいることについて、福島県立医科大学は、経過観察を行っている中で、がんが診断された場合や甲状腺検査以外のきっかけで、ほかの医療機関で検査や診療を受けてがんと診断された場合などは、検査の担当部署では情報を持っていないとしています。
そのうえで、医療機関にがん患者のデータの届け出を義務づけた「地域がん登録」の制度が、より精度の高い情報を収集、公表していると説明しています。

県立医科大学で甲状腺検査の責任者を務めた医師は、NHKの取材に対して「二次検査のあとの経過観察でがんと診断された患者の多くが、その後も県立医科大学で治療を受けているが、全員を網羅しているわけではない。公表によってかなり恣意的(しいてき)なことが起こるので慎重にするべきだ。患者のためということでは一点の曇りもなくやっている」と話しました。そのうえで、検査のあとの経過観察などで、がんと診断された患者を公表しない仕組みになっていることについて、「どう対応するかは課題で、私が責任者の時から問題点がずっと残っていた」と述べました。

甲状腺検査を県立医科大学に委託している福島県県民健康調査課は「検査のあとの経過観察などで、がんが判明した場合、公表データに入らないことは承知している。そういう患者がいる可能性はあるが、個別のケースは把握していない。委員会の議論を踏まえて、今後、公表を検討することになる」と話しています。

 

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2018年度用教科書検定に関わる平和フォーラム見解

2017年3月27日

2018年度用教科書検定に関わる平和フォーラム見解

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

共同代表 川野浩一

福山信劫

藤本泰成

 3月24日、文部科学省は2018年度から実施される「特別教科・道徳」の使用教科書および主に高校2・3年用教科書の検定結果を公表した。小・中学校で初めて正式の教科となる「道徳」は、小学校全学年で8社から24点(66冊)が合格し、2018年度から使用されることとなった。

検定では、誤記や事実誤認も含めて244の修正意見が付いたが、指導要領の細かな項目を反映しているかなど細部にわたるものが多く、「字面だけで判断している」との批判も聞こえる。パン屋を和菓子屋へ、公園を和楽器店へなどのように、教育基本法を意識した「わが国の郷土と文化」重視の視点が強調されている。また、文科省が使用してきた教材を全社が引用するなど「横並び感」が強まっている。道徳を教科とし評価することに、国家への忠誠を求め内心に踏み込んだ戦前の「修身」の復活と懸念されてきたが、多様性を否定する検定は、懸念をより深めることになっている。

同時に発表された、高校教科書の検定では、集団的自衛権の行使容認と安全保障関連法の記載に対して、行使の前提となる「存立危機事態」「他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使」という「新3要件」の記載を求めている。また、2015年末の「慰安婦」問題の日韓合意や領土問題での政府見解の記載、南京事件の犠牲者数については「通説的見解がない」と記載するよう検定意見がついた。2014年1月の検定基準の改定に伴って「政府見解」に基づく記載が強く意識されている。

この教科書検定に先立つ2月14日、2020年度から順次実施される小・中学校分の「学習指導要領」が発表された。「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の導入を柱として、知識や技能の獲得を中心とした現在のあり方から一歩進んで、自ら学ぶ姿勢を大切にする方針が打ち出された。個性重視の教育を中心に据えているが、しかし、今回の教科書検定のあり方は、多様な価値観を認めそれぞれの個性を重視し、自由で主体的であろうとする教育からはほど遠い。

世界の各地で紛争が絶えず、貧困と格差が蔓延し難民問題が各国を席巻する「不確実」で「不寛容」な世界にあって、多様な意見を認め合い、多面的に世界を捉え、主体的に物事を判断していく力は重要であり、そのことが現実の問題を解決し未来を切り拓くものであると考える。

今回の検定がつくり出した道徳の教科書は、型にはまった常識的な価値観を強要するものであり、高校の歴史教科書などは日本政府の一方的なものの見方をすり込むものとしか見えない。「いじめは悪い」と教えられ、「年寄りには席を譲る」と教えられて、人間は成長するだろうか。「尖閣諸島(釣魚群島)や竹島(独島)は日本の領土」と一方的に教えられて、中国や韓国などと一緒にアジアの未来を切り開けるのだろうか。一定の価値観や歴史観、規範意識を国が押しつけることの危険性を、私たちは歴史の中で学んできたはずではないか。国定教科書が廃され教科書検定制度に変更されたことの意味を考え、そこにもう一度立ち戻って教科書とは何か、教育とは何かを考えなくてはならない。

平和フォーラムは、教科書検定制度の弾力化・透明化を求め、主権者としての個人の自立を求める民主教育の確立に向けて、今後も粘り強くとりくんでいく。

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大阪高裁の高浜原発運転差し止め仮処分取り消しの決定に抗議する

2017年3月29日

大阪高裁の高浜原発運転差し止め仮処分取り消しの決定に抗議する

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

議長 川野浩一

2016年3月9日に、大津地裁(山本善彦裁判長)が出した関西電力高浜原発3・4号機の運転差し止めの仮処分決定に対して関西電力が運転再開を求めた保全抗告について、3月28日、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は、関西電力の訴えを全面的に認める決定を行った。

「基準値振動700ガル」「耐震補強工事」、解析によって確認したとする「耐震性」「津波は原発の重要施設に影響しない」など、関西電力の主張のほとんどを「相当の根拠に基づいている」として追認している。大津地裁が「福島第一原発事故の原因究明が不十分な中で作られた規制基準」として「基準を満たしただけでは不十分」とした国の定めた新規制基準についても、大阪高裁は「事故原因は一部未解明だが基本的なことは明らかであり、教訓を踏まえた新規制基準は合理的」との判断を下した。原発再稼働へ一点の曇りもないとする、新たな「安全神話」をつくり出そうとしている。原子力規制委員会は、新規制基準は「最低限の条件」であり、田中俊一委員長自ら、新規制基準を満たしても「安全とは言わない」と表明してきた。新規制基準を絶対視するような司法判断を許すことはできない。

大阪高裁は、様々な問題を抱え一旦過酷事故が起きれば混乱必至の避難計画さえ「いまだ改善の余地がある」としながらも、検討していることを理由に追認している。そして、避難計画を規制対象にしていないことも合理的と言い切っている。市民の「いのち」に対する視点は完全に欠如している。また、大阪高裁は、「新規制基準が不合理だとする立証責任は住民側にある」とした。これまで、国策として実施されてきた原子力政策は、その情報のほとんどを市民に知らせることなく、秘密主義を貫いてきた。未だに福島第一原発事故の原因究明が進まない理由の一つに、その秘密主義が上げられる。秘密裏に原発は運用され、その結果としての事故によって被害を受けるのは市民であり、事故収束や賠償の費用を賄うのも市民である。その市民に、立証責任を求めることこそ不合理ではないのか。

これまで原発の危険性が数多く指摘され、原発の運転や建設を止めようとする多くの訴訟が起こされてきた。そこには、自らの「いのち」を守ろうとする市民社会の思いがある。司法は、原発停止による電力不足など社会的・経済的影響に鑑みて、原発の停止や建設を止める判断を回避してきた。しかし、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故以降、全国全ての原発が停止しても電力不足は起こらず企業活動への影響もほとんど見られなかった。一方で放射性物質の拡散した地域における経済活動や市民生活、文化とコミュニティーに対する影響は計り知れないものがあった。6年を経て、帰還困難区域ではいまだ避難生活を強いられ、帰還が許されたとされる地域においても、いまだに元の生活に戻ることはできない。その中で「脱原発」の声は市民社会を圧倒する意見として定着しつつある。原発には、高レベル放射性廃棄物処分やプルトニウムを利用する核燃料サイクル計画など多くの問題が付随している。司法は、原発政策の全体を俯瞰し、日本社会の将来を展望し、そして真摯にフクシマと向き合って、市民の「いのち」を守るところから判断しなくてはならない。

大阪高裁判決は、司法の責任や立場・役割を省みることなく、国の政策や企業の営利活動を全面的に支持する全くの「不当判決」である。原水禁は、この決定を普遍なものとしないように、そして「脱原発社会」を実現するように、全力でとりくんでいくことを確認する。

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~体制翼賛化する報道~ 共同通信客員論説委員 岡田允さん

20170324120013尖閣と領土ナショナリズム  チラシ

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「組織犯罪処罰法等一部改正案」の閣議決定に関する連合事務局長談話

2017年03月21日
「組織犯罪処罰法等一部改正案」の閣議決定に関する談話

日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

    1. 安倍内閣は、本日、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画の罪(テロ等準備罪)」を創設する組織犯罪処罰法一部改正案を閣議決定した。政府は、本法案について、過去3回廃案となった同法改正案に盛り込まれた「共謀罪」をテロ対策の必要性を強調した罪名に変更しながら、衆議院予算委員会などにおいて従来の共謀罪とはまったく別のものであるかのような説明を繰り返してきた。こうした政府の対応は、本法案への国民の疑念に真摯にこたえておらず、遺憾である。
    1. 本法案は、(1)テロ等準備罪の新設、(2)証人等買収罪の新設、(3)犯罪収益の前提犯罪の拡大や贈賄罪及び関係罰則の国外犯処罰規定の整備などを主な内容としており、その立法目的を、2000年11月に採択された「国際犯罪防止条約(TOC条約)」を批准するための国内法の整備としている。同条約では、凶悪化する越境組織犯罪を撲滅するため、重大な組織的犯罪への参加や合意、資金洗浄や贈収賄、司法妨害等の行為を犯罪化することを求めている。
    1. 連合は、過去廃案となった組織犯罪処罰法改正案に盛り込まれた「共謀罪」の創設について、(1)行為の団体性の明確化、(2)団体の犯罪的性格の明示、(3)行為の越境性の要件化、(4)顕示行為を必要とすること、(5)密告制度を導入しないこと、(6)対象犯罪を限定すること、の6項目にわたる修正を求めるとともに、TOC条約の趣旨と現行国内法との関係を整理することが国会審議の前提であるとしてきた。テロ対策の重要性が高まる中、国民生活の安全・安心の確保に向けた法整備は必要であり、また、TOC条約が目的とする越境組織犯罪の防止は積極的に推進すべきものであるが、本法案は前記の整理が不十分なまま提出されている。一般の企業や労働組合、団体などが処罰の対象となりうる懸念や、拡大解釈の恐れ、行きすぎた捜査手法による人権侵害が起こりうる可能性など、多くの不安が払拭されていない。
  1. 連合は、これまでの考え方を堅持しつつ、今後の国会審議において、労働組合や市民団体などの正当な活動が不当に監視や処罰の対象となることがないよう、民進党と密に連携し、すべての不安の払拭と十分かつ慎重な国会審議が行われるよう全力で取り組んでいく。
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盗聴・盗撮・GPS捜査など、警察にフリーハンドを与える「共謀罪」

2017年03月21日共謀罪の閣議決定について(持論公論)

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GPS捜査、違法 「個人の行動を継続して網羅的に把握する捜査・・・プライバシーを侵害する」

2017年03月15日 (水)

「GPS捜査で最高裁判決 捜査と人権の両立は」(時論公論)

清永 聡  解説委員

  • 令状がないまま容疑者の車にGPS端末を取り付ける捜査に、最高裁判所大法廷は「違法だ」という判断を示し、新たな法律を整備するよう求める判決を言い渡しました。
    ●個人情報を収集する技術が急速に進む中で、捜査と人権をどう両立させるか。最高裁大法廷の判断が持つ意味を考えます。

【解説のポイント】

解説のポイントです。
●GPS端末を使って居場所を確認する捜査。どのように行われていたのでしょうか。
●こうした捜査を「違法」だと判断した大法廷の判決と、「令状主義」について。
●最後に司法によるチェック機能のあるべき姿を考えます。

【事件のGPS捜査と裁判】
●今回裁判で争われたのは、大阪や九州で発生していた窃盗事件でした。大阪府警は、裁判所の令状を取らずに、被告などの車やオートバイ19台に密かにGPS端末を取り付け、居場所を把握していました。期間は長いもので3か月、位置情報の検索は1200回に及びました。
●争われたのは、GPS端末を捜査に使うなということではありません。猛スピードで走行する捜査対象の車を無理に追いかければ事故の危険もあり、安全に居場所を把握できる手法としては有効だとする考え方もあります。
●裁判で議論になったのは、その際に裁判所の令状を取るべきか、警察だけの判断でできる令状が不要な捜査かということでした。
●被告の弁護士は「24時間居場所が特定される」「日常生活や交友関係まで把握されるのは深刻なプライバシーの侵害だ」などと主張していました。これに対して検察は「いわば尾行の補助的な手段だ」「プライバシー侵害の程度は小さい」などと反論していました。
●1審は「重大な違法があった」と判断し、2審は逆に「重大な違法ではない」と正反対の判断になりました。同じような裁判は全国で起こされ、各地で判断が分かれてきました。

【大法廷の判断は】
●最高裁判所大法廷の寺田逸郎裁判長は判決で、令状がないままGPS端末を使った捜査を行うことを「違法」だとする初めての判断を示しました。最高裁大法廷が警察の捜査を違法だと判断したのは異例です。
●この判決には2つポイントがあります。1つは、「個人の行動を継続して網羅的に把握する捜査手法はプライバシーを侵害し、憲法が保障する重要な権利も侵害する」と指摘したことです。さらにもう1つは「GPS端末を使った捜査が今後も広く使われるのであれば法律を作ることが望ましい」と新たな立法を求めた点です。
●判決を受けて警察庁はGPS端末を使った捜査を今後控えるよう、全国の警察本部に指示する通達を出しました。判決によってGPSによる捜査はストップすることになりました。

【大法廷が取り上げた「令状主義」】
●最高裁判所の中でも大法廷が開かれるのは年数回。憲法違反かどうかや極めて重大なケースの場合などに限られます。窃盗事件の捜査手法をめぐってなぜ大法廷が開かれたのかと疑問に思う人もいるかもしれません。
●これは「令状主義」という憲法に関わる内容が含まれたことが、理由の1つと見られます。令状主義は捜査機関による肉体的、精神的な自由に制限を加える強制処分は、裁判所が判断した令状が必要だという考え方です。司法が中立的な立場でチェックすることで、乱用に歯止めをかけ、基本的な人権を保護するという意味があり、憲法にも記されています。

【進む技術と令状主義】
●今、個人を識別する技術は急速に進んでいます。特に携帯電話やスマートフォン、タブレット端末は、いわば個人情報の塊です。
●携帯電話などには、GPS機能が搭載され、端末の位置を把握できるものも多くあります。また、通話を傍受し、メールやSNSをのぞき見れば、その人の考え方、趣味、交友関係、宗教など、あらゆる個人情報が丸裸にされてしまいます。
●こうした情報も捜査ではすでに使われています。ただし、その際にも令状主義は前提になっていて、対象によってはさらにルールが設けられています。
●このうち、捜査機関が携帯電話の位置情報を知りたいときは、令状を取ることがすでにガイドラインで定められています。
●また、通話などはプライバシー侵害の程度が大きいため、「通信傍受法」でさらにルールが定められています。令状を取ることに加え、対象になる犯罪を限定し、毎年、実施状況を国会に報告することなどが決められています。それでもこの法律は、去年対象となる犯罪の数が増えたため、プライバシーの侵害を懸念する声が少なくありません。
●今回最高裁が求めた、GPS端末の捜査についての法律の整備も、裁判官だけでは、チェックが不十分になる恐れがあると判断したためで、今後は、行きすぎた情報の取得にならないよう、ルール作りを急ぐ必要があります。

【司法のチェック機能は】
●最後に、令状主義について指摘しなければならない点があります。それは裁判所が、どこまでチェック機能を果たしているのかということです。
●GPSの捜査などで用いられる検証許可状、それに捜索、差し押さえなどといった令状を求められた件数は、去年1年間に全国で24万7千件近くあります。
●これに対し裁判所が認めずに却下した件数は48件でした。単純に割合を計算すると0.02%になります。
●個別の事件ではそれぞれ事情があり、件数ですべてを評価することはできません。また、このほかにも、捜査側が自ら取り下げたケースが5600件ほどあります。この2つを足したとしても、2.3%です。
●どこまでチェック機能を果たしているか、疑問も残ります。
●私は今回の判決が、最高裁から令状を出す全国の裁判官に対して、チェック機能と「人権の擁護」いう司法の役割を、もっと自覚するよう促す意味もあると考えます。
●今回の判決でも3人の裁判官が補足意見を述べ、「今後、法律ができるまでの間、GPS捜査に対して令状を出すことがあるとしても、判決の内容も十分配慮した上で、慎重に判断をしてほしい」と求めています。
●もし、裁判官が捜査当局に言われるまま、求められるままに令状を出してしまえば、憲法の令状主義も、今回の判決も、骨抜きになってしまいかねません。

【捜査と人権の両立を】
●テロなど、組織的な犯罪を防止することは、今後、ますます重要になってくると言われています。一方で、こうした新たな技術を、捜査対象の「監視を強める」ために使うこともありえます。それだけに、国民の安全を確保する一方で、乱用を防ぐチェック機能は欠かせません。
●今回の最高裁の判決は、どれだけ技術が進歩しても変わらない、捜査による「公共の福祉」と「基本的な人権」を両立させることの大切さを示したのではないでしょうか。

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