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石川県平和運動センターは労働組合とPEACEネット会員で構成し、議員、市民団体などと連携する反戦・平和団体です。1989.9県評センター2000.9連帯労組会議を経て誕生 平和憲法を活かし反戦・平和 反核 脱原発 環境 教育 人権などを取組む。信条の一つに「信頼は専制の親である」:国民が政府を信頼すると専制政治を生み出してしまう、「猜疑心こそが民主主義国家を作る」がある。画像は改憲に反対する集会 米軍B1爆撃機と共に「核威嚇」する空自小松の戦闘機 「戦争法」成立により「参戦」準備を進め「先制攻撃」体制を強化している。絵は抽象画 熊谷守一氏の紫陽花、蟻・・、辺野古、友禅作家志田弘子さんの母と子・・。団結して平和人権環境を破壊する政権を倒し平和で自由な世界を創ろう!

〈福島復興〉の声がかまびすしい。来年の東京五輪のせいがおおきい。福島はアンダーコントロールと公言して招致した手前もあって、政府は放射能禍が無かったことにしたい。それは、明らかに、被害者を切り捨てることだ。環境に放出された放射能のうち、半減期が約2年のセシウム134は、満8年して4半減期が経過した今日、(1/2)を4回掛けあわせて(1/16)に減った。しかし、セシウム137は半減期が30年なので、あと22年待たないと、(1/2)にならない。
そもそも、フクシマ事故は解明されたのか。事故後、世に4種の事故調報告書が出されたが、いずれも、未完である。しかし、国会事故調に加わった人たちの中に「もっかい事故調」グループができて、その後も事故の因果関係を明らかにする努力が続けられている。議論は新潟県技術委員会の場で公にされつつあって、検証総括委員会(池内了委員長)に有力な知見を提示するだろう。
去る1月末、日本原子力学会「未解明事項フォローWG」の山本章夫幹事は新潟県技術委員会に出席して、73項目に抽出された課題について調査結果の概要を報告した。それによれば-
A:合理的な説明がなされていると判断されるもの、45%
B:既存発電所の安全対策高度化や廃炉作業の進捗の観点から重要でないと考えられるもの、8%
C:重要度は高いが、現時点では、これ以上の調査が困難であるもの、4%
D:重要であり、今後も継続した検討が望まれるもの、43%
だという。本誌今号の石川徳春論文は、Dに属すると思われるが、原子力学会はAだと言うのかもしれない。新潟県技術委員会のメンバーとの今後の真摯な議論を望みたい。原子力学会の言い分を、そのまま受け入れることはできないが、CとDを合わせて、47%もある。あまく見ても、半分しか説明できていないというわけである。
放射能被害に関して幾つか重要な事実が浮かびあがってきた。
①伊達市における住民被ばくに関する分析論文で、住民の同意を得ないデータを用いて、しかも、線量評価が3分の1と低く見積もられていたことが、発覚した。すでにイギリスの専門誌に公表された論文である。また、この論文は放射線審議会における審議で資料として使われていた。
②事故直後、双葉町の11歳の少女が甲状腺等価線量で100ミリシーベルト(全身では4ミリシーベルト)被ばくしていたことが判明した。把握できていないが、ほかにも多数あったはずである。
③三春町では、県の指示に従わずにヨウ素剤を配布し、子どもたちに服用させたことが知られている。実際どうだったか。この1月の京都大学などの研究グループの発表によると、0~2歳児で約半数、3~9歳児で約3分の2だった。
④郡山市の放射能汚染の詳細が私家本『毒砂』(2017年12月刊)で明らかにされた。県職員として事故対応に奔走した故・安西宏之さんが2015年5月から8月にかけて、市内480か所の空間線量率を克明に測定したもの(資料紹介を参照)。
事故被害者たちの受けた底知れなく深い傷は金銭で償えるものではないが、それにしても、東電には責任をとる姿勢がない。浪江町、飯舘村などのADR集団申し立て事件で、東電が賠償金額に同意せず、仲介和解案を拒んだ。損害賠償の解決の見通しが立たない。東電が宣言していた3つの誓い*に真っ向から反している。
東電の責任を問う福島原発被害者たちの集団訴訟は全国で約30提訴がされている。また、東京電力の元会長らに対する刑事訴訟は3月中旬の最終弁論で結審する。
あらためて問う。〈復興〉とは何を指すのだろうか。
*3つの誓い:①最後の一人まで賠償貫徹、②迅速かつきめ細やかな賠償の徹底、③和解仲介案の尊重
(山口幸夫)
2017年4月2日、医学博士の崎山比早子さん(写真)の講演会が、さいたま市で行われた。主催は「原発問題を考える埼玉の会」。埼玉県に避難している福島の人や、除染・原発作業に携わった経験者など、60名が集まり、熱気あふれる質疑応答が続いた。折しも、3月31日に浪江町、飯館村、川俣町、4月1日には富岡町が避難解除になったばかり。これによって、3万2千人が「自主避難者」となり、住宅提供や精神的慰謝料が打ち切られることになる。「帰れるんだから帰ればいいじゃないか」という人もいるかもしれないが、避難を解除する基準になっているのは“年間20ミリシーベルト以下”。それを正当化する学者や研究者が居座っていることを、崎山さんは「この国の病だ」と断じた。
●年間20ミリシーベルトの意味するもの
一般の人の被ばく線量限度は、年間1ミリシーベルトである。20ミリシーベルトは放射線作業従事者の年間線量限度である。放射線作業者が働く放射線管理区域に18歳未満は立ち入ってはいけないし、飲食、喫煙、就寝などはしてはならない。そもそも事故前には、65%以上の放射線作業者の数年から十数年間の平均累積被ばく線量は0・7ミリシーベルト、20ミリを超えた人は17%だという。放射線作業者が働くのと同じ線量下で普通の生活を帰還する人たち(子どもを含む)に強いるのが今回の避難解除なのだ。もちろん最初は、1ミリシーベルトの基準を目指し除染してきた。しかし、フレコンバックの耐用年数は3~5年。入っているのは土なので、草の根っこが袋を突き破ってしまい封じ込めることができない。3・11後、大気中や水に交じったヨウ素やセシウムで、関東は汚染されているのだが、6年たった今も、福島第一原発の敷地内には事故時に放出された800倍の放射性物質が滞留しているそうだ。これは広島の原爆の13万4千発分の死の灰に相当すると計算されている。
●健康被害の実態
崎山さんは、低線量被ばくのメカニズムを、医学博士の立場から説明した。はっきりわかったのは、遺伝子は傷がついても修復されるものだが、放射線による傷は複雑なのでなおしにくく、なおしても間違いやすいということだ。間違えるとこれががんの原因になることがある。
被ばく者にみられる疾患は、がんだけではない。『チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)によると、消化器系疾患(慢性胃腸炎、胃潰瘍、肝炎等)、神経系疾患(頭痛、てんかん、学習障害等)、泌尿生殖器疾患(腎障害等)、循環器系疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)多岐にわたり、同時に4~5種類の疾病にかかったりするのが特徴で、老化が早まったように見える。
検討委員会は「事故当時5歳以下の子どもからの甲状腺がんが見られないからチェルノブイリとは違う」と言い続けていたが、実は事故の時5才と4才の子どもも発症していた。4歳であった子どもは県立医大で手術を受けていたが、県民健康調査検討委員会に報告されていなかった。検討委員会も甲状腺がん患者が増えているとこと自体は認めている
*帰還政策を急ぐ政府のキャンペーン
●放射線教育の問題点
崎山さんは、「放射能の安全性に閾値はなく、ゼロでなければ安全とはいえない。これは科学者なら誰でも認めていること。にもかかわらず、『不安にさせてはいけない』という理由で公にしない。住民をあまりにも馬鹿にしている」と憤る。福島県内では環境省作成の『なすびのギモン』というパンフレットが、コンビニやスーパー、役所などに置かれている。ネットで観ることもできるし動画にもなっているのだが、ここには「100ミリ㏜以下では他の要因に隠れてがんの増加を証明することは難しい」等といったことが書かれている。また、放射線教育フォーラムの報告書には「原子力の安全性とは、つまるところ放射線の安全性に他ならない。」「現状を放置しておくと人々が僅かな放射線を恐れて、原子力の需要が進まず、エネルギー問題の観点から日本の前途が危うくなる」という記述があり、この価値観のもとに学校教育が行われているということだ。ベラルーシでは小学校に入学する前の子どもたちに、放射能の危険性や食べてはいけないものなどを教えているというのに、福島県では子どもたちに、手袋もマスクもなしで国道六号(福島第一原発から最も近い国道)の清掃をさせている。何ということだろう。
●不安を持つ人が追い詰められないように
会場には、いわき市から埼玉に避難しているお母さんが「甲状腺がんでアイソトープ治療が必要になった場合、将来子どもを産めるのか」といった切実な質問もあった。「福島県内の人は不安を感じていないようなので、県外に避難している自分が発信しないといけない」との思いを強く持っているという。崎山さんは、福島県以外でも甲状腺がんと診断された人のために「甲状腺がん子ども基金」を立ち上げた。「通院に交通費がかかったり、母親が仕事を休まなければならないといった問題を持つ人を支援するための基金だ」という。原発の危険性や放射線の影響については『よくわかる原子力』」というウェブサイトを作っているので、危険性を把握し、対策をたてるのに役立ててほしいと語った。
この報告を書いている矢先に、復興大臣の「原発自主避難は自己責任」発言が飛び込んできた。崎山さんの言葉で締めくくりたい。 「除染作業で数兆円をかけ、作業員を大量に被ばくさせても年間1ミリシーベルト以下にはならない。住民を安全なところに移住させても、数兆円なんてかからないのに。ICRPの放射線防護体系のどこにも、現在の被ばく線量よりも高いところに住民を移動させる政策は見当たらない。日本政府は放射線防護とは逆の政策をし、多くの研究者もそれを批判しない。自分たちの健康を守るためには一人一人が考え、決めていくことが必要。民主的で原発のない社会を築くのは、最終的には個人の力だ」。【有森あかね】
–新防衛大綱と中期防–
装備や運用で専守防衛政策を突破
―「いずも」型護衛艦の空母化とミサイルの敵地攻撃化- 湯浅一郎 2019年2月28日2018年12月18日、政府は、防衛政策の基本指針となる新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)と防衛大綱に則って2019年から5年間に調達する装備などを定めた「中期防衛力整備計画」(中期防)を閣議決定した。宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域と従来からの陸海空能力を合わせた「多次元統合防衛力」なる新たな基本概念を提示した。また、政策上は専守防衛の継続の姿勢を示してはいるが、護衛艦の空母化やスタンド・オフ・ミサイル導入によって、装備上の観点から見れば専守防衛を突破し、運用態勢にも航行領域の飛躍的な拡大を日常化することで、大きな疑問を残した。
■宇宙・サイバーなど新領域を重視■
防衛大綱は、1976年に基盤的防衛力構想として初めて策定され、今回が安倍政権下で2度目、通算で6回目になる。76年の基本概念は、「自らが空白となり、周辺地域における不安定要因にならないよう、必要最小限度の防衛力を保有する」という基盤的防衛力であった。その後、基本概念は、動的防衛力(2010年)、統合機動防衛力(2013年)と変わり、時代状況に応じて拡張の一途をたどっている。今回は、新たに多次元統合防衛力という概念が掲げられた。この内容については後述する。
大綱は、Ⅱ「わが国を取り巻く安全保障環境」で、「情報通信等の分野における急速な技術革新に伴い」、「現在の戦闘様相は、陸・海・空のみならず、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたものとなり」、また、中国や北朝鮮の動向を危機感をもって受け止め、「我が国を取り巻く安全保障環境は、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増して」いると情勢を分析する。全体として大綱は、宇宙、サイバーなどの領域(ドメイン)を重視し、中国を強く警戒する姿勢で書かれている。これらは、2015年4月に合意された「日米防衛協力新ガイドライン」に沿った内容である。
そのことは、Ⅲ「防衛の基本方針」において、防衛体制において強化すべきとして挙げられている3つの分野にも反映している。
- 宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化する。その上で、これらの新たな領域と、従来からの陸海空の防衛力を多次元に統合し融合させる領域横断作戦等を可能とする「多次元統合防衛力」を構築する。
- 新ガイドラインの役割分担の下、引き続き日米同盟を強化していく。
- 「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを踏まえて、防衛力を活用しながら、多角的・多層的に安全保障協力を推進する。
■核兵器中心の拡大抑止・日米協議の深化■
核兵器政策については、Ⅲの前文で次のように述べている。
「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、我が国は、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していくとともに、総合ミサイル防空や国民保護を含む我が国自身による対処のための取組を強化する。同時に、長期的課題である核兵器のない世界の実現へ向けて、核軍縮・不拡散のための取組に積極的・能動的な役割を果たしていく。」
13年の前大綱では「弾道ミサイル防衛」としていたが、今回は弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機などの経空脅威を総称して「総合ミサイル防空」に変わっているが、13年の前大綱とほぼ同じ文言である。
しかし、重要な変化が見られる。日米同盟強化の文脈において「日米同盟の抑止力及び対処力の強化」の項目があり、その中で「拡大抑止協議の深化」が明記された。日米拡大抑止協議は2010年から定期化されているが、以前には、日本が米国の核巡航ミサイル廃棄に反対した秋葉文書が暴露された経過がある●1。拡大核抑止協議の深化は、日本が米国の核兵器やその使用政策に関与を深めることを意味するであろう。外交分野において日本の核兵器廃絶への努力どころか、核軍縮政策さえあいまいになっていることと合わせると、大綱の変更は注視する必要がある。■中期防における主な装備品■
同時に決定された中期防は、新防衛大綱に則して米軍との軍事一体化、さらにはトランプ大統領のディールに迎合した装備がいくつも盛り込まれた。報道され関心の高い装備が中期防でどのように書かれているかを以下に示す。
- 太平洋側をはじめ、「防空態勢を強化するため、有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処等、必要な場合にはSTOVL機●2の運用が可能となるよう検討の上、海上自衛隊の多機能のヘリコプター搭載護衛艦(「いずも」型)の改修を行う」。
- 上記に対応して、F35を45機、新規に購入し、そのうち18機は、短距離離陸・垂直離着陸機能を有する戦闘機とする(別表)●3。これが、改修された「いずも」型護衛艦に搭載される。
- 陸上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」2基を整備する。
- 相手方の脅威圏の外から対処可能なスタンド・オフ・ミサイル(JSM、JASSM及びLRASM●4)の整備を進める。
- 中期防の水準は、おおむね過去最高の27兆4700億円となった。
■専守防衛を破る「いずも」型護衛艦の空母化とスタンド・オフ・ミサイル■
新大綱と中期防は言葉の上では専守防衛を守るとしている。しかし、実際には専守防衛を破る装備の導入や運用方法が示された。
第一の問題は、「いずも」型護衛艦をSTOVL機を搭載できるよう改修し、事実上、空母化することである。改修後の「いずも」型護衛艦は、世界中のどこの海からも戦闘機を離発着させることのできる空母となる。
18年12月18日、岩屋防衛大臣は記者会見で(資料1に抜粋)、専守防衛の保持は、専守防衛を越える装備・能力を持たないことによって担保するのか、もしくは政策として攻撃的な用途に使わないと担保するのかとの記者の質問に、岩屋大臣は、「専守防衛というのは憲法から導き出され、その考え方が今後変わることはない」と答えるとともに、「いずも」にSTOVL機は常時搭載せず、必要な場合にのみ運用するので専守防衛を逸脱しないと答えた。さらに攻撃型空母と見なされない担保はあるのかとの問いに、防衛大臣は、与党協議による修正により、常時搭載しないとすることによって攻撃型空母ではない担保になると説明した。一方、米軍機が離着陸する可能性について、緊急着陸や共同訓練ではありうるとしている。
専守防衛の担保は3つの分野において必要である。①防衛政策・教義(ドクトリン)、②態勢(ポスチャー)と訓練、③装備の能力である。
政府の政策として専守防衛を継続することは重要であり、大綱はそれを守ったことになっている。しかし、専守防衛を貫くためには、まずは「先制攻撃が可能な能力を持たないことで専守防衛を担保する」という原則をとるべきである。にもかかわらず大綱は、その点を大きく踏み外している。さらに、大綱は態勢において専守防衛を危うくした。常時搭載しないことは重要な態勢ではあるが、F-35という高度の攻撃能力を持つ装備を、必要時に搭載できるという態勢だけで専守防衛は揺らぐ。しかも、大綱は、インド太平洋派遣訓練に示されるように、自衛艦の平時からの海外プレゼンスを重視する方針を初めて打ち出している。航行範囲に制限をかけないまま、戦闘機が離着陸できる艦船を保有する態勢をとることは専守防衛の観点からしてはならないことであろう。
第二の問題として、大綱はスタンド・オフ・ミサイルの整備を盛り込んだ。これは「島嶼しょ部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇や上陸部隊等に対して、脅威圏の外からの対処を行うため」のスタンド・オフ防衛能力の強化として、敵の射程外からの長距離攻撃ができる巡航ミサイルである。今回ミサイルの射程距離について明らかにしてないが、小野寺・前防衛大臣は、記者会見(資料2に抜粋)で、ジェーン年鑑によれば、それぞれF-35に搭載するJSMが射程500km、F-15に搭載するJASSM及びLRASMはともに射程900kmであるとした。これらのミサイルを搭載した戦闘機は、防衛大臣はその目的を否定するが敵基地攻撃能力を持つことになる。上記の議論で言えば、③装備能力が専守防衛を超えることは否定できない。この間の自民党国防部会で敵基地攻撃能力の保有が主張されてきたことを重ねると、態勢や訓練の透明性が担保されない限り専守防衛の担保にはならないであろう。
「いずも」空母化、スタンド・オフ・ミサイルのいずれにおいても、装備能力が専守防衛を明確に超えようとしている以上、運用態勢や訓練の情報公開による透明性を高める(例えば航泊日誌、訓練シナリオなどの情報公開など)ことなしに、専守防衛を担保することは困難になる。注:
●1 本誌546-7号に関連記事。
●2 Short Take-off and Vertical Landing aircraft。短距離・垂直離着陸機。
●3 12月18日、政府は、F35は、将来的に147機体制とし、そのうち42機はSTOVL機能を持つ戦闘機とすることを閣議了解している。これらの文書には明記されてないが、STOVL機能を持つ戦闘機とはF35Bと見られる。
●4 JSM=対艦/対地/巡航ミサイルJoint Strike Missileの略称。JASSM=長距離空対地ミサイルJoint Air-to-Surface Standoff Missleの略称。LRASM=長距離対艦ミサイルLong Range Anti-Ship Missileの略称。[資料1] 岩屋防衛大臣記者会見Q&A(抜粋)18年12月18日
Q:日本の専守防衛というのは、専守防衛を越え得る装備・能力を一切持たないことによって、物理的に専守防衛を担保するという考え方なのか、もしくは用途を変えれば、他国の攻撃等、専守防衛を越えるものに使い得るけれども、日本の意思として、政府の政策として、そういう用途には使わないのだということで専守防衛を担保するのか?、つまり能力を持たないことで専守防衛を担保するのか、意思として専守防衛を担保するのかに関しての大臣のお考えは?。A:専守防衛というのは憲法から導き出される、言ってみれば受動的な防衛の方針。その考え方が今後変わるということはない、変えてはいけないと思っている。軍事技術が想定以上のスピードで進んできている時に、どのような装備であれば専守防衛の枠内に入るか、あるいはどのような運用の仕方であれば専守防衛という枠内に入るか、ということは、常時検討して専守防衛という考え方・方針を逸脱することがないようにしていかなければいけない。「いずも」で言うと、先ほど申し上げたような運用の仕方であれば、それは憲法の精神や専守防衛の方針を逸脱するものではないと考えている。
Q:(前略)攻撃型空母と見なされないような運用をしっかりする歯止めの担保というのは、何か制度とか文書で作るお考えはおありでしょうか。
A:中期防の記述については、与党協議を通じて、一部修正があった。そこには、STOVL機の運用について (中略)具体的に記述をさせていただいたところでございます。当然、この方針に基づいて、運用をしていくということになりますので、これがしっかり歯止めになっていく。
Q:その中に「等」という言葉がある。今後、改修されたいずも型護衛艦に米軍機がそこから発艦したり、あるいは着艦することも可能性としてはあり得るのか。
A:例えば、米軍機が事故で緊急着陸する基地が周辺にない、そこに「いずも」型の護衛艦があるといった場合には、当然、救助のために緊急着艦を認めるということはあると思っておりますし、それから(中略)共同訓練の際には米軍の航空機が「いずも」から離発着するということはあり得ると思います。(後略)。
[資料2] 小野寺防衛大臣記者会見 2017年12月8日
今般、一層厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境を踏まえ、自衛隊員の安全を確保しつつ、わが国を有効に防衛するため、相手の脅威圏外から対処できるスタンドオフミサイルとしてF-35Aに搭載するJSM等を導入することとし、本日、防衛省として追加的に予算要求を行う予定です。(前略)スタンドオフミサイルは、あくまでわが国防衛のために導入するものであり、いわゆる「敵基地攻撃」を目的としたものではありません。(後略)。
(中略)
Q:JSM等の導入についてお伺いいたします。まず、JSM等ということは、他にも同様のミサイルを導入するのか、JASSM-ER等も指摘されておりますが、他にも検討をされているのでしょうか。
A:今回、追加要求で検討しておりますのは、F-35に搭載するJSM、F-15等に搭載するLRASM及びJASSMを導入することとし、そのために必要な経費を計上すべく、追加的な要求を行うと考えております。細かいことですが、よくJASSM-ERという言い方がありますが、今JASSMはこのJASSM-ERしか作っておりませんので、このERのことをJASSMと私どもは呼んでおります。
Q:関連ですけれども、それぞれのミサイルの最大射程距離についてはどのように分析をしておりますでしょうか。
A:ミサイルの射程距離は、これを明らかにすることになれば、わが国の具体的な防衛能力を露呈することになりますので、これは従来からお答えは差し控えさせていただいておりますが、その上であえて申し上げれば、例えばジェーンズ年鑑のような公刊資料によれば、JSMは約500km、JASSMは約900km、LRASMは約900kmと承知をしております。これはあくまでも、公刊情報ベースのものであり、自衛隊が導入した場合における実際の射程距離を示すものではありません。
Q:スタンドオフミサイルという言い方をされましたけれども、これはどのような定義で、どの程度の脅威圏外、距離という意味で使っているのでしょうか。
A:これは、私どもが想定しています相手の脅威圏外という考え方で装備するミサイルですので、スタンドオフミサイルと私どもは呼んでおります。
Q:JSMとLRASM、JASSMはそれぞれどのような運用の仕方を想定されているのでしょうか。
A:JSMについては、導入予定のF-35A、ステルスタイプの戦闘機ですが、これに装着する予定になります。JASSM、LRASMにつきましては、F-15に、これは機体の改修等が必要ですが、回収した上で装着する予定と私どもは考えております。
再び示された沖縄の民意を尊重し
名護市辺野古新基地建設の中止を求める声明
平和フォーラム
2月24日、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が投開票された。その結果、投票資格者の過半数を超える投票によって、新基地建設反対72%、賛成19%どちらでもない9%の結果となり、新基地建設に対する県民の圧倒的反対という意思が示されることとなった。
国土の0.6%に在日米軍施設の70%が集中することによって、沖縄では自由、平等、人権、民主主義がはく奪され、日本がアメリカの属国であるかのようなしわ寄せが、理不尽に沖縄に集中してきた。
この間、2度にわたる沖縄県知事選挙で「基地はいらない」とする民意が示されてきたが、ことあるごとに安倍政権は、これらの公職選挙では新基地建設以外にも「様々な争点がある」ことを理由に無視し、また、法律を濫用し基地建設を強行してきた。
しかし、今回の県民投票はまさに新基地建設のみを対象にしたものであり、いかなる言い逃れも許されない。政府は新基地建設反対の圧倒的な民意に向き合わなくてはならない。
また、辺野古新基地建設については、埋め立て海域の軟弱地盤や活断層の存在、360件に及ぶといわれる高さ制限を超えた基地周辺建造物の存在など物理的に建設が不可能なことは明らかであり、さらに、埋め立て工費についても当初防衛省が示していた2400億円の10倍にも上る2兆5.500億円に膨らむと、沖縄県が試算していることからも、政府は速やかに建設計画を中止すべきである。
一方、来る2月27~28日に、第2回米朝首脳会談が開催されるなど東アジアは非核・平和の実現に向けて大きく動き出している中で、新基地建設がこうした流れに逆行するものであることも強く指摘しなければならない。
平和フォーラムは、この度の県民投票をしっかり受け止め、引き続き新基地建設反対の取り組みを日本の民主主義、立憲主義、地方自治を取り戻す闘いと位置づけるとともに、普天間基地の「5年の運用停止」という政府と県との約束履行を求め闘いを強化していく。
| 首相官邸の質問制限に抗議する |
| 2019年2月5日 日本新聞労働組合連合(新聞労連) 中央執行委員長 南 彰 |
| 首相官邸が昨年12月28日、東京新聞の特定記者の質問行為について、「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定し、「官房長官記者会見の意義が損なわれることを懸念」、「このような問題意識の共有をお願い申し上げる」と官邸報道室長名で内閣記者会に申し入れたことが明らかになりました。 記者会見において様々な角度から質問をぶつけ、為政者の見解を問いただすことは、記者としての責務であり、こうした営みを通じて、国民の「知る権利」は保障されています。政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです。官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の「知る権利」を狭めるもので、決して容認することはできません。厳重に抗議します。官房長官の記者会見を巡っては、質問中に司会役の報道室長が「簡潔にお願いします」などと数秒おきに質疑を妨げている問題もあります。このことについて、報道機関側が再三、改善を求めているにもかかわらず、一向に改まりません。
なにより、「正確な事実を踏まえた質問」を要求する官邸側の答弁の正確性や説明姿勢こそが問われています。2017年5月17日の記者会見で、「総理のご意向」などと書かれた文部科学省の文書が報じられた際に、菅義偉官房長官は「怪文書のようなものだ」と真っ向から否定。文書の存在を認めるまで1カ月かかりました。こうした官邸側の対応こそが、「内外の幅広い層に誤った事実認識を拡散させる」行為であり、日本政府の国際的信用を失墜させるものです。官邸が申し入れを行った18年12月26日の記者会見でも、菅官房長官は「そんなことありません」「いま答えた通りです」とまともに答えていません。 日本の中枢である首相官邸の、事実をねじ曲げ、記者を選別する記者会見の対応が、悪しき前例として日本各地に広まることも危惧しています。首相官邸にはただちに不公正な記者会見のあり方を改めるよう、強く求めます。 《追記》 そもそも官邸が申し入れのなかで、東京新聞記者の質問を「事実誤認」と断じた根拠も揺らいでいます。 と質問したことに対して、官邸側は申し入れ書のなかで、 「沖縄防衛局は、埋立工事前に埋立材が仕様書どおりの材料であることを確認しており、また沖縄県に対し、要請に基づき確認文書を提出しており、明らかに事実に反する」「現場では埋立区域外の水域への汚濁防止措置を講じた上で工事を行っており、あたかも現場で赤土による汚濁が広がっているかのような表現は適切ではない」 ――と主張しました。 しかし、土砂に含まれる赤土など細粒分の含有率は、政府は昨年12月6日の参議院外交防衛委員会でも「おおむね10%程度と確認している」と説明していましたが、実際には「40%以下」に変更されていたことが判明。沖縄県が「環境に極めて重大な悪影響を及ぼすおそれを増大させる」として立ち入り検査を求めていますが、沖縄防衛局は応じていません。「赤土が広がっている」ことは現場の状況を見れば明白です。偽った情報を用いて、記者に「事実誤認」のレッテルを貼り、取材行為を制限しようとする行為は、ジャーナリズムと国民の「知る権利」に対する卑劣な攻撃です。 新聞労連は今年1月の臨時大会で、「メディアの側は、政治権力の『一強』化に対応し、市民の「知る権利」を保障する方策を磨かなければなりません。(中略)いまこそ、ジャーナリストの横の連帯を強化し、為政者のメディア選別にさらされることがない『公の取材機会』である記者会見などの充実・強化に努め、公文書公開の充実に向けた取り組みを強化しましょう」とする春闘方針を決定しています。今回の東京新聞記者(中日新聞社員)が所属する中日新聞労働組合は新聞労連に加盟していませんが、国民の「知る権利」の向上に向けて、共に取り組みを進めていきたいと考えています。 |
| 以上 |
フクイチ(福島第一原発事故)の被ばく線量測定、「意図的」な「測定せず」「問題なし」、経産省の強い指導か。
20190218複数の内部告発 放医研の苦悩 採られなかった被ばくデータ 結論ありき、国の避難者支援版の文書 原発事故一カ月で幕引き準備 詳しく調べず「問題なし」
1969.2.8ジェット機墜落に関する国会答弁
○議長(重宗雄三君) 日程第三、緊急質問の件。
杉原一雄君から、自衛隊機墜落事故に関する緊急質問が提出されております。
杉原君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。発言を許します。杉原一雄君。〔杉原一雄君登壇、拍手〕
○杉原一雄君 私は、社会党、公明党、民社党を代表いたしまして、緊急質問をいたします。
それは、二月八日正午、金沢市の住宅密集地帯のどまん中に自衛隊機F104ジエット機が墜落し、自衛隊機の事故として最大の被害を与えた、惨たんたるF104ジェット機の墜落事故についてであります。
まず、被害者の皆さんに心からのお見舞いを述べるとともに、とうとい命を失われた四人の犠牲者の冥福を心から祈ります。そしてまた、二度とこんなおそるべき事故が起こらぬように心から念願しながら質問に入りたいと思うのであります。
まず第一に、なぜこのような大事故が起こったのかということであります。
私は、二月十日、社会党の堂森代議士を団長とする調査団に参加いたしました。それより先、先発隊の一人として、事件の起こった当日、二月八日午後三時に現地に入り、社会党石川県本部の協力で調査に入りました。爆発三時間後の現地は、氷雨降る中に、金沢市消防隊の努力にもかかわらず、もうもうと煙が立ち上がり、黒焦げになって倒壊した人家、へし折られた電柱、倒れかかっている人家の姿は、悲惨そのものであったのであります。この悲惨な廃墟の中から、被害者は怒りをこめて訴えました。ある人は、パイロットはどこへ行ったのだ、パイロットは無事だそうだ、どうして機体を海上か田や畑へ向けるように最善の努力をしなかったのだ、そしてまた、パイロットを警察に渡すことなく小松基地に連行したのは警察権の侵害ではないか、といった怒りであります。そしてまた、ある者は、自衛隊はかけつけてきた、しかも、カービン銃を肩にしながらかけつけてきてくれた、だが、消火などの努力をしないで、散乱する機体の破片を集めることに一生懸命であったのは一体どうしたのか、現場検証も終わっていないのに実にけしからぬという、素朴な疑惑と激しい怒りであったのです。
二月十日、防衛庁発表の見解によりますと、「経二尉の操縦する事故機は、小松基地に対し着陸姿勢に入った時点において落雷を受け、操縦不能になり、墜落したものと思われます」と述べています。現地をたずねた有田長官も談話の中で、「墜落は落雷のためだ」と述べておられるのであります。それはF104ジェット機に問題はない、そしてまた機体を放棄し、脱出した経二尉にも刑事上の責任がないという決定的判断を下そうとしておるのではないでしょうか。だが、はたしてそうだろうか。
第一点として、気象の判断に絶対ミスがなかったのかどうか。私たちの調査によると、気象観測は小松基地が独自に行ない、小松軍事基地に隣接する民間航空に対し、航空気象協定なるものによって、常にその情報を提供いたしておるのでありますが、民間航空飛行場をたずねたときに、金沢気象台の出張所の所長は、この情報をいただいて、その情報の判断に基づいて、東京羽田を立った民間飛行機を名古屋空港に着陸させることに決定し、現に着陸して無事であったと言っているのであります。なお重大なことは、二月十一日、経二尉が、金沢中警察署において取り調べを受けている中において、経二尉は、気象予報班から雷雲発生の連絡はなかったと言っているのであります。しからば、気象判断と、その気象についての緊急連絡の責任が欠けていたのではないだろうか。とすれば、その責任は一体どこにあるのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
第二点として、飛行訓練計画に重大なミスがあったのではないか。と申し上げますのは、従来、日本と同様にF104ジェット機を採用している西ドイツでは非常に事故率が多い。そうして、日本は幸いにして事故率年間五ないし六であるということが伝えられているが、はたしてどうか。それは一体なぜか。西ドイツと日本とを比較検討したことがあるのかどうか。私のつかんでいる情報では、昭和三十八年三月二十日、わが党の大森創造議員が、国会の中で、政府委員伊藤三郎との間における問答の中で、西ドイツでは空中から地上の目標に向かって降下爆撃、低空飛行などの訓練が多いので、事故がどうしても多発するおそれがある。だが、日本は従来、空対空、敵機の侵略を迎えて撃つということに重点を置いて訓練計画をしたから事故が少なかったのだと、説明をしているわけであるけれども、その説明を是とするならば、最近の訓練計画に重大な変更を来たし、迎撃戦から海外攻撃に向けての戦略戦術のおそるべき転換があるのではないかと思われる節があります。すなわち、防衛から海外攻撃への戦術転換は一体ないのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
第三点として、機体についてであります。ジェット機についてであります。
現地において高橋中部方面航空隊司令官が、F86は雷に強いけれども、F104ジエツト機と民間のフレンドシップ機は雷に弱いという、記者団に対する公表をしているのであります。はたして、F104ジェット機が雷に弱いのかどうか、もしそうだとするならば、一昨年の十二月、小松基地において落雷により海上に自衛隊機が墜落しております。パイロットはヘリによって助けられておるのでありますけれども、その時点においても、そのことによって、すでにF104の弱点がはっきりしているはずであります。しかるに、今日まで、それに対する機体改造の努力がなされたのかどうか。もしかりに、なされていないとするならば、その責任はきわめて重大であると思います。
第四点として、なぜ金沢に落ちたかということである。一つは、小松基地は市街地に近接しております。二つには、滑走路の方向と気象条件等から、どうしても金沢を含む市街地上空を通らねばならぬと、調査の結果、判断されるのであります。しかもまた、現地において、基地の責任者の一人である佐藤一佐にいろいろ質問をした中で、彼は、市街地上空を通らぬということを皆さんに約束することはとてもできませんと、告白いたしておりました。だが、有田長官が、困難な国会事情の中から、当日現地に飛んでいかれたことに対し、私は敬意を表します。しかし、その中において、また、その後の国会の中においても、今後市街地上空を通らぬという言明をしているが、はたして、それが可能かどうか。この点、明確に答弁をしてほしいと思います。現に、昭和三十四年十二月四日、防衛庁名古屋建設部長と小松市小松飛行場対策協議会長との間にかわされた約定書があります。その約定書第二十二項の中に、飛行中、学校、工場、特に市街地上空の通過を避けることの確約が、すでに十年前に、小松市長、小松市議会議長立ち会いのもとにかわされているが、現実にほとんどそれが守られていないのであります。それは、問題の本質は、基地と市街地との距離の問題であります。大きくは、日本列島の持っている自然地理的条件がそうさせているのではないか。要するに、飛行機墜落事故ゼロへの道を進むためには、自衛隊基地をゼロにすることではないだろうか。小松はじめ付近の市町村が、熱烈な陳情を防衛庁当局にかけられると思うが、それに対し、どのように対処するか、伺いたい。
次に問題は、事故に対する調査と処理の問題であります。防衛庁発表のように、事務次官を長とする事故対策委員会はすでに設置されました。しかし、その機能、運営ともに、国民に納得させ信頼させるには不十分ではないかと考えます。だから、あえて提案いたします。委員会を拡大強化し、学者、科学者等、第三者を加えて、国民の不安と疑惑を解消する意思はないかどうか、伺いたいのであります。
次に、死亡者四名を含む被害者の補償についてただしたいと思います。すでにどのような緊急措置をとられたかを、まず伺いたい。事故の当日、被害者の一人が、千円の金にも困り、夕食の準備もできず、親類から届けられた冷たい握りめしをかじりながら、寒風の中でふるえて一夜を過ごしたことを訴えました。今後いろいろ論議はありましょう。一日もすみやかに、そして最大限のあたたかい補償を心から期待するのであります。とともに、大まかな具体的な方針を示してほしいと思います。
自治大臣にただしたいことがあります。基地と町づくりの問題であります。
先ほどの質問と問題提起でおわかりと思うが、小松基地側と小松市代表との間に取りかわされた約定書も一部不履行であります。すなわち、要望地上空の通過を避けるという確約はみごとにじゅうりんされているのであります。地方自治のサービス機関である自治省、そうして地域住民の命と暮らしを守る計画と努力に指導助言を与えるべき自治省が、小松市民のこの不満、この不安に対し、同一政府内の防衛庁に対し、いかなる勧告と措置要求をとってきたか、その経過を承りたい。
第二点として、基地と町づくりの問題です。基地ができて市街地ができる場合も、市街地があって基地ができる場合もありましょう。いずれにしろ、基地との関連においての都市計画について何らかの基準を設定し、行政指導を行なった実例があるかどうか、あればその具体例を簡単に示してほしい。この大事故が密集地帯に起こったという高価な教訓に対し、今後、都市計画、町づくりに対し、いかなる助言と指導をしようとしているか、大体でよろしいが、大臣の所感を伺いたいと思います。
最後に、最高責任者である佐藤首相の所信を伺いたい。あなたは、私の論理と言外の言を十分に政治的に洞察されるとともに、有田、野田各大臣の答弁をしんしゃくされ、高邁な政治的判断に基づき、最後に答弁されることを要求したい。
あなたが総裁である自民党調査団は、十一日、現地において、敏速に最大の補償を実現させるため政府に働きかけますと、池田清志代議士が言明しています。御承知でしょう。最大の補償実現に努力中であると信じます。いかがでしょうか。しかし、一人の生命は地球より重いといいます。また、小松市長佐竹弘造氏が、十万市民を代表して、小松基地司令永田良平に対し、二月十日、次の四項目の申し入れをしているのであります。
一、離着陸はすべて海側で行ない、更に訓練飛行は一切海上で行なうこと。
二、緊急な場合といえども市街地上空の飛行は絶対さけること。
三、気象状況の悪い場合は飛行を中止する等安全確保に万全を期すること。
四、飛行器材の整備点検を一層厳格にし、更に飛行時間を消化するための無理な運用を行なわないこと。
これはぎりぎりの要求だと思います。そうしてまた、小松市民はもとより、被災地金沢市四十万市民の熱望であると言わなければなりません。総理は、あなたのかつての部下である佐竹弘造氏が、自民党員であることを十分自覚しながら、声なき声、市民の不安と怒りを代表してぎりぎりの要求をしているのであります。小松基地司令が回答できるものとは思いません。最高責任者であるあなたの決断が要求されていると思います。誠意ある回答を要求いたします。今日の金沢の悲劇は、あすの東京の危険であることを否定する者は一人もないでしょう。金沢四十万の不安は、全国民の不安であり、怒りであります。総理、あなたも、私も、太平洋戦争の悲劇とその自己批判の中から、非武装、絶対平和主義の条項を持つ日本国憲法の精神に立ち返り、この惨害を天から与えられた教訓として、四名の死者を含むこのとうとい教訓を生かしながら、米軍基地を含む基地撤去、軍備撤廃の方向に向かって、英知と勇気を持って立ち向かう考えがないか、この際、議場を通じて全国民に明らかにされんことを期待申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
あるいは私が最後に演壇に立ってお答えするほうがいいのかと思いましたが、いま議長から指名されましたので、一応お聞き取り願いたいと思います。
過日の自衛隊機が金沢市上空におきまして雷撃にあい、これが墜落事故を起こし、とうとい人命並びに財産に多大の被害を与えましたことは、私はまことに残念、遺憾に存じております。まず、この機会に、とうとい生命を失われた方々に対しまして御冥福を祈り、御遺族の方々にもつつしんでお悔やみを申し上げる次第であります。また、負傷された方も多数ございます。これらの方々が一日も早く全快され、また、多数の家を焼かれた、あるいはこわされた、こういうような方々に対しましても、心からお見舞いを申し上げる次第であります。
次に、ただいまのお尋ねでありますが、まず、この事故から私どもがなさねばならないことは、ただいまのような被害をこうむられた方々に対する補償をできるだけ早くやることであります。池田清志代議士が詳細に現場の報告もしておりますし、また、政府といたしましても、さっそくこれと取り組む決意でございますし、話は円満なうちに、そういう点を、十分罹災者の方々の実情を考え、そうしてこれに対処するつもりであります。また、自衛隊自体におきましても、その原因の調査にただいま取りかかっておりますから、これまた隊内だけでなく、御指摘のように、皆さん方が納得のいくような調査、これを行ないたいと、かように私は考えております。そうして原因を究明して、再びこの種の事故が起こらないように最善を尽くすこと、これは政府の使命だと、かように心得ておりますので、その点ではいろいろ御心配でもございますが、この上とも努力したいと思います。
また、佐竹市長からの要求書、小松市民の要求書、これについていろいろ出ております。佐竹君は、もと私のところで一緒にいた関係もありますし、率直に話のできる間柄であります。私は、これらの要求書につきましても、自衛隊の航空隊の現地司令が申しておるような点もありますし、全部が要求どおりのものができるとは思いませんが、とにかく最善を尽くしてこの要求にこたえるつもりでございます。次に、わが国の自衛隊について考えろ、もう少し基地を撤去しろ、こういう御意見でございますが、いわゆる非武装中立とは違いまして、私どもは、いわゆる自衛権、その範囲において最小限のものは持つつもりでございます。したがって、自衛隊のいまあります基地を全部はずすということは、遺憾ながら社会党と立場が違いますので、それに賛成するわけにはまいりません。この機会にはっきり申し上げておきます。(拍手)
〔国務大臣有田喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(有田喜一君) 答弁に先立ちまして、一言申し上げます。
去る二月八日の航空自衛隊機F104Jの金沢市墜落の事故によりまして、地元住民の方々のとうとい生命財産に多大の被害を与え、各方面に御迷惑をおかけいたしましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。ことに、不幸にしてとうとい生命を失われた四名の方々に対し、ここにつつしんで哀悼の意を表し、その御冥福をお祈りいたしまするとともに、負傷された方々が一日も早く全快されるよう心から祈念してやみません。ここに、被害を受けられた方々はもちろんのこと、広く国民の皆さまに対して深くおわびを申し上げる次第でございます。
政府といたしましては、何よりもまず、御遺族をはじめ被害を受けられた方々に対する補償について最善の措置を講じ、誠意をもってこれに当たるとともに、鋭意事故の原因を究明し、再びこのような事故が発生しないよう万全の策を講ずる所存でございます。
事故の当時の気象判断がはたして適切であったか、飛行訓練計画に無理はなかったかというお尋ねでございますが、当日、百里基地出発前に小松地方の気象を検討いたしました結果、一たんは出発を延期したのでありますが、その後、飛行可能な程度に天候が回復したとの通報を受けたので、約一時間後に出発いたしたものであります。自衛隊機と一般旅客機との間には趣を異にいたす点もありますけれども、しかし訓練を終わったあとでの帰り道において発生したのでございますから、もっと気象条件に周到な注意を払うべきでなかったか、こういう考え方もできるのでありまして、今日、事故調査委員会におきまして、今回の飛行訓練計画及び気象条件の判断の当否につきまして、目下鋭意検討中であるのでございます。で、われわれは、航空自衛隊があくまで防衛的の立場であることは、これはもう十分御承知のことと思います。
次に、F104J機が機体そのものに事故の原因があったのではないか、こういうお尋ねでございますが、今回の事故はF104Jの機体構造上の欠陥によるものとは思われません。しかしながら、事故の直接の原因が落雷にあったことは確かのようでございます。かつてこのF104Jが落雷で事故を起こしたこともありますので、その後、落雷に対する防護装置の改善をはかっておったのでございますが、まだ十分でなかったと思うのであります。したがって、落雷に対する防護対策について別途専門家に研究をさせることといたしておりますので、その結論を待って善処いたしたいと思っております。
次に、市街地と基地の関係についてでございますが、自衛隊の航空基地の設定にあたりましては、防衛上の見地ばかりでなくて、周辺地域への安全なども十分配慮することといたしておりまするが、今後一そう進入経路の選定などにつきましては、各基地の総点検をやりまして、そうして市街地住民の安全について一そうの留意をいたしたいと考えております。
次に、事故調査会に一般の学識経験者を入れたらどうか、こういうお尋ねでございまするが、とりあえず防衛庁におきまして事務次官を長とする事故対策委員会を設けまして、原因の究明と将来の対策について徹底した調査をいま実施しておりますが、国民の皆さんの納得の得られるようなことをいたしたいと考えております。さらに、今回は特に落雷対策、それから気象条件の変化に対する技術的見地からの検討を進めるために、先ほどの事故対策委員会とは別に、特別の機関を設けまして、部外の学識経験者にも委嘱いたしまして、徹底的に対策を講ずることといたしておりますから、事後措置については広く国民の納得が得られるものと期待しております。
死亡された方々その他の被害者に対する補償の問題でございますが、先ほど来申しますように、私どもは誠意をもってこれに当たっておるのでありまして、地元の要望もございまして、金沢市長を窓口として話をせよということでございまして、明日金沢市長も上京してくれることになっておりますが、とりあえず内金といたしまして、死亡者一名に対しまして三百万円、火災でこわれた家屋について平均百万円、入院されておる方々に二十万円をとりあえず支払いをいたしまして、引き続き現地における被害の状況を調べまして、そうして誠意をもって、しかも迅速なる解決をはかっていきたいと考えておるのであります。さようなことでありまして、私どもは今後万全の措置を講じて、御迷惑をふたたびかけないようにやっておるのでございます。
右、御了承願いたいと存じます。(拍手)
〔国務大臣野田武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(野田武夫君) お答え申し上げます。
地域住民の安全、福祉の観点からいたしまして、今回の事故はまことに遺憾千万に存ずる次第であります。なお、この事故は自衛隊に関連するもので、直接は防衛庁の所管ではございますが、自治省といたしましては、地域住民の安全にかかる重大な問題でございますから、今後このような事故が起きないように、特に地域住民の意向を尊重して、関係省庁と連絡いたしまして、十分対策を講じてまいりたいと存じております。
次に、お尋ねのございました基地周辺市町村の町づくりの問題でございますが、従来から基地周辺整備事業が行なわれていることは御承知のことと存じます。で、自治省といたしましても、基地の特殊性から生ずる障害を防止し、これを軽減するように、基地交付金及び特別交付税の増額をはかることにより、基地市町村の一般的な振興整備を一そう推進してまいりたいと存じております。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十一分散会
米国のINF廃止条約からの離脱に抗議する
原水爆禁止日本国民会議
議 長 川野浩一
事務局長 藤本泰成
米国ポンペオ国務長官は、2月1日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃止条約からの離脱を正式に表明した。2日には条約履行義務を停止し、ロシア側に通告した。米国は、オバマ前政権時代からロシアに対し、「条約に反して中距離ミサイルの開発を続けている」と非難してきた。トランプ大統領は声明で「ロシアは長きにわたり条約に違反してきた」「米国は一方的に条約に縛られる唯一の国ではいられない」と主張している。米ロ両国は、次官級協議を重ね、ロシアは今年1月23日に条約違反とされる新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」を報道陣などに公開したが、両国の主張はかみあわず議論は平行線に終わっていた。米ロ両国は、しかし、首脳会談などを行おうとはせず、米国の今回の判断となった。原水禁は、短慮とも思える米国政府の判断に強く反対し、抗議する。
INF廃止条約は、1987年に米ロ(旧ソ連)両国で調印され、91年までに両国合わせて2692基のミサイルが廃棄された。地上配備の中距離ミサイルに特化された同条約は、核軍縮の潮流を形成し、アジア・ヨーロッパ地域の安全保障に貢献してきた。今後、米国は中距離ミサイルの本格的開発に入ると考えられ、昨年発表された「核体制の見直し(NPR)」に示された核弾頭の小型化や海洋発射型巡航ミサイル(SLCM)の開発を加えて、オバマ前政権の掲げた「核なき世界」への構想から大きく後退する。ロシアのプーチン大統領は、条約破棄の通告に対して「自国の安全を強化する追加措置をとる」と述べ、条約の義務履行を停止すると表明した。INF廃棄条約に加盟していない中国の、中距離弾道ミサイル「東風」の配備なども含め、アジア・ヨーロッパ地域の安全保障の後退は必至と言える。また、2021年には米ロで結ばれた新戦略兵器削減条約(新SATRT)の期限を迎え、その協議にも大きな影響を与えることが予想され、軍拡競争の時代に戻ることさえも懸念される。
トランプ政権は、イランの核兵器開発を大幅に制限する「イラン核合意」や地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」からの離脱など、 自国の利益最優先する「アメリカ・ファースト」の姿勢に終始している。国際協定を順守し、発展させて平和を構築しようとの姿勢は見られない。圧倒的軍事力を誇る米国は、第2次大戦後も1950年の朝鮮戦争に始まりベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン・イラク戦争と繰り返してきた。そのいずれもが、平和をつくり出したとは言えない。米国は、構造的暴力を排除する「積極的平和」を立ち位置として、持続可能な社会の構築のためにこそ、その国力を国際社会へ惜しみなく注ぐべきだ。
米国とロシア・中国の対立は、「アジアでのミサイル配備競争のドアを開く」(米シンクタンク「軍備管理協会」ダリル・キンボール会長)との指摘もある。その時には日本も蚊帳の外にいられまい。INF廃止条約離脱に際して、日本を含む同盟国の協力と政治的問題の克服を求める声もある。日本への配備要求が高まっていくことが懸念される。米国が国際社会でのリーダーとしての役割を失いつつある今、日本は、毅然とした態度で、米国と中国・ロシアの対話と協調を図り、アジアの平和への視点を持って対処しなくてはならない。河野太郎外務大臣は、「条約が終了せざる得ない状況は、世界的に望ましいものではない」との立場を表明している。被爆国日本としての役割を自覚し、条約の維持と拡大に向けての努力を怠ってはならない。
原水禁は、米国政府のINF廃止条約離脱を許さず、日本政府に対してその維持に努めるよう要請する。加えて、核兵器禁止条約への署名・批准が進む中にあって、核廃絶への道を決して後戻りさせないようとりくみの強化をめざす。