「台湾有事」で日本を戦場にする政府に反対しよう (NewsPaperより)

「台湾有事」で日本を戦場にする政府に反対しよう!

中国への米戦略は1990 年代から2010 年頃までは攻撃して潰すものでした。しかし、中国は経済成長が続き 2010 年に当時世界第2 位の日本を追い越して軍事力も強大になり、中国領土への攻撃は戦争をエスカレートさせ核弾道ミサイルが米本土に打ち込まれる可能性があることから、忌避されるようになりました。台湾を含む第一列島線内の米国覇権を維持するために同盟国に戦わせるオフショアコントロール戦略(2012年)や第1列島線に自 衛隊などがインサイド部隊として展開し、第2列島線上に米軍がアーウトサイド部隊として展開する海洋圧力戦略(2019年)へ変わってきました。いずれの米戦略も米国の覇権を維持するために沖縄・日本を戦場にするものであり、日本国民と自衛隊に犠牲を強いるものです。米軍は中国領土を攻撃しないので、日本を守るはずの日米安保が日本を戦場にする安保に変質しているのです。

尖閣諸島での日中対立を台湾防衛に取り込む米国

2010 年 9 月、尖閣海域での中国漁船の海保巡視船衝突事件以降に中国公船の尖閣周辺海域の航行が急増し、日本国内で不満も高まる中、石原東京都知事 (当時)が尖閣購入を検討すると表明し、当時の民主党政権が2012年9月11日に尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島の3島を国有化し、中国との関係が決定的に冷え込むことになりました。この尖閣諸島をめぐる日中対立を利用して、米国において台湾防衛戦略で日本を取り込む動きが起きます。「アメリカ流非対称戦争」の論文でした。内容は、南西諸島の島々、特に宮古島や石垣島に陸上自衛隊の地対艦ミサイル 部隊を展開して配置し、中国艦船を太平洋に通させ ないようにするものです。中国艦船を東シナ海に閉じ込めることで、台湾への太平洋側からの攻撃を封じることを目的としています。この米論文には「尖閣」の文字はありません。台 湾と中国はともに尖閣諸島の領有権を主張しており、米国も尖閣諸島を日本領土とは認めていないからです。ただし、行政権を行使していることから、日本への説明では日米安保条約の適用化にあるとする立場です。

安倍政権による戦争できる国づくり

尖閣諸島問題が厳しくなる中、2012 年末の総選挙で政権に復活したのが安倍政権でした。安倍首相は翌2013 年の訪米での保守派ハドソン研究所講演会で米国に「集団的自衛権の行使」と「南西諸島の軍事化」を約束します。翌年2014年5月15日 に「集団的自衛権の行使」に向けた「憲法解釈」の見直しを指示し、7月1日に「集団的自衛権の行使」は可能だとする「解釈改憲」の閣議決定を行いました。2015 年通常国会に「安保関連法案 (戦争法案)」を提出し、同年7月16日に衆院本会議で強行可決し、9月19 日に参院本会議で強行可決成立させました。同月30日に公布、2016 年3月29日に施行されました。これで、日本は戦争ができる国になりました。

南西諸島の軍事化

安倍政権は、同時に沖縄県政が反対し困難視されていた辺野古新基地建設を抑止力の維持を理由に、沖縄選出自民党国会議員や自民党沖縄県連をねじ伏せて認めさせ、仲井真県政に辺野古埋立承認申請を2013 年末に承認させて翌2014 年に埋立て工事を着手しました。  2016年には南西諸島の軍事化に着手します。沖縄本島の北部訓練場にオスプレイ離発着場の建設、伊江島にF35ステルス戦闘機の着艦訓練場の建設、与那国島に陸自沿岸監視隊基地、奄美大島、宮古島、石垣島への陸自地対艦ミサイル基地の建設に着手し、石垣島以外は既に建設して部隊配備済みです。さらに安倍政権は島々での戦争のために長崎県の相浦駐屯地に水陸起動団をこれまでに2 部隊を立ち上げ、2022 年には1部隊を近隣駐屯地に追加する予定です。オスプレイ17機と水陸両用装甲車52台も購入し、佐賀空港へのオスプレイ配備計画や種子島近くの馬毛島で飛行場と着岸桟橋等を整備する計画を進めています。併せて、九州の自衛隊航空基地を米軍が使用できるように滑走路の新設・強化、駐機場の整備、宿舎建設が築城基地や新田原基地、鹿屋基地などで進んでいます。国内的には、尖閣諸島防衛を名目にしていますが、2013年以来の安倍政権の取り組みは、危惧される中国による台湾統合=「台湾有事」において、日本が前面に出て中国と対峙しようとするもので極めて危険であり、南西諸島や九州を含む西日本を戦場にして中国ミサイルの攻撃に晒すものになります。

米軍の「遠征前方基地作戦構想」と「機敏な戦闘展開構想」

現在、米国の海洋圧力戦略で米海兵隊は「遠征前方基地作戦(ExpeditionaryAdvanced Base Operations:EABO)構想」、米空軍は「機敏な戦闘展開(Agile Combat Employment:ACE)構想」を 採用しています。

既に、中国のミサイル網は日本列島や南西諸島、台湾を射程圏内にしており、対艦弾道ミサイルもグアムあたりまでの射程圏を持っています。ですから、 在日米軍基地の戦闘機などの米軍航空機部隊と第7 艦隊の戦艦部隊は、「台湾有事」の予兆を察知して、事前にグアム以東に退避します。これまでは同盟国に戦闘を任せて退避するだけでしたが、米空軍の「機敏な戦闘展開」ACE 構想では、10~15の小さいユニットに分かれてグアム以東の幾つもの飛行場で部隊を維持して分散し遠距離から「台湾有事」に加わる訓練が始まっています。具体的な作戦は米海兵隊が米空軍や第七艦隊と連携して取り組む遠征前方基地作戦 (EABO)などです。EABO は太平洋の島々を転進し移動を繰りかえしながら洋上の中国艦船を攻撃する作戦で、硫黄島や伊江島などで訓練を繰り返しています。現在、沖縄県内で問題になっている米軍機による低空飛行訓練、パラシュート降下訓練、吊り下げ訓練、夜間飛行訓練や、ブルービーチ演習場における着上陸訓練、嘉手納・普天間飛行場への外来機の飛来、嘉手納・普天間・伊江島などの基地機能強化などは、多くがEABOとACE の訓練の一環といえます。

土地規制法の成立

EABO や ACE にとって、島々の空港や港湾を軍事拠点として確保することは必要不可欠です。そのために、安倍政権が2013年から準備してきた「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」(土地規制法) を、菅政権が2021年3月26日に閣議決定して国会に提出し、国会会期最終日の6 月16 日未明に参院本会議で可決、成立させました。この「土地規制法」は、自衛隊基地・米軍基地の周辺1 キ ロを規制するだけでなく、有人国境離島を規制できる法律です。沖縄県の50の有人離島すべてが対象になっており、規制区域に指定されかねません。二度と戦場にさせないために沖縄では島ぐるみのたたかいが求められています。

海洋圧力戦略で米軍地上発射地対艦ミサイルの配備をねらう米国

米軍の海洋圧力戦略では、「台湾有事」において 第1列島線で戦う自衛隊など同盟国のインサイド部隊と第2 列島線上には米軍が主体のアウトサイド部隊を想定していますが、米軍は、日本国内にインサイド部隊として米軍の地上発射ミサイル部隊を配備しようとしています。自衛隊は歓迎していますが、この米軍ミサイル配備は日本全土を戦場にするものです。一方、日本国土における限定戦争で「台湾有事」を乗り切って、台湾を含む第1列島線の権益を守りたい米国の目的に合致するのです。

日中関係を破綻させてはならない

米軍が「遠征前方基地作戦」EABO で日本国内の離島からハイマース・ロケットを中国艦船に発射した時、あるいは日本国内に配備された米軍の地上発射型ミサイルが中国艦船に発射された時には、1972 年の「日中共同声明」と1978 年の「日中平和友好条約」は破棄されることになります。日本国内からの攻撃は日米安保条約の事前協議の対象とされており、日本が攻撃を同意したとみなされるからです。そうなれば、日中関係は一変します。  今、日本にとって中国は全貿易の24%を占める最大の貿易相手国です。米国は14%です。中国、ASEAN、韓国、台湾、香港を合わせると日本の貿易総額の52%で、米国はその3割もありません。中国、韓国を含む「地域的な包括的経済連携協定(RCEP)」も 2021今年4 月に可決成立したばかりですが、日中が戦争に入れば全てを失うことになります。中国との戦争は沖縄・西日本の住民の生命を 危険にさらすばかりでなく、日本経済に壊滅的な被害を生じさせて日本の国益を大きく損なうもので す。もはや、日米安保条約は日本を守るのではなく、日本を戦場にするものに変わろうとしています。一方、中国の経済成長は続いており、2030年までにはアメリカを追い越して世界一の経済大国になるだろうと予測されています。日本を戦場にしてはなりません。しかし、対米追従するしか日本に道はないというのが、今までの自民党政府の考えです。日本国土を戦場にする米軍戦略に抗えずに従う日本の政府と政治を変えていかなければなりません。

 伊波洋一 ( 参議院議員 )(いは よういち)

平和フォーラム/原水禁・ News Paper 2021.10 5

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11.3憲法改悪NO!改憲発議NO!戦争NO!市民アクションいしかわ集会  

集会アピール(案)

 過去最短の選挙期間で突入した「政権選択」の総選挙は、自公政権が絶対多数を維持し与党の「大勝利」で終わりました。しかも「日本維新の会」「国民民主党」が現有議席を大幅に伸ばし、「改憲」の危機が増す結果となりました。これにより改憲発議が可能となる3分の2(310議席)を楽々と上回り、岸田政権はこれらを活用して、憲法審査会を開催し「改正原案」の採決と国民投票の実施に向け、動きを加速してくることは間違いありません。

「改憲前夜」とも言えるときに海上自衛隊は、今秋、台湾に近い沖縄南西沖で、米・英3空母や、蘭、加、ニュージランドの艦艇まで加えた共同訓練を実施し、中国包囲網づくりを積極的に担っています。沖縄、南西諸島へのミサイル配備はまさにこれらとリンクしており、日本の参戦準備と言わなければなりません。

中国は同時期、これらに対抗して延べ149機もの最新鋭戦闘機や長距離爆撃機を台湾防空識別圏に進入させたり、中・ロ海軍が日本列島を一周する訓練を強行するなど、東北アジア一帯は「一触即発」の戦争的危機にあると言わなければなりません。

一方、陸上自衛隊は、9月15日から11月下旬までの2カ月半にわたり、28年ぶりの全国・全部隊による10万人規模の「起動展開(移動)」訓練を強行しています。北海道、東北及び香川県の部隊(12,000人の自衛隊員、200台の車両、戦車、弾薬などの武器、医療衛生、食料)を九州へ縦断させる大訓練であり、普段の生活に使用する高速道路やJRやフェリーなども使う異常なものとなっています。他の部隊は、それぞれの基地で「出動準備訓練」を実施するものであり、海自、空自、在日米陸軍までが支援・参加する一大演習を強行しています。

これらは、公布75周年のこんにち、私たちが守り育てた平和憲法に対する重大な挑戦であり、断じて容認できません。私たちは、憲法が許容しない「台湾有事」を想定した「戦争参加」に反対し、岸田政権による憲法破壊をストップさせるため、闘いを強く、大きくつくっていかなければなりません。

本日、ここに集まった私たちが声を上げ、仲間と論議し、行動を始めていこうではありませんか。そのことを確認し、集会アピールとします。

2021年11月3日

平和憲法公布75周年記念石川県民集会参加者一同

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11.3「護憲集会」(金沢市役所前広場)

集 会 ア ピ ー ル(案)

 10月31日に行われた第49回衆議院議員選挙において、自公政権が絶対安定多数を維持するとともに、日本維新の会が41議席へと大幅に議席を伸ばしました。これにより、衆議院の改憲勢力は、310議席を超えて再び3分の2に達しました。総選挙直前に成立した岸田政権は、信任を得たとし、総裁任期中の憲法改正を明言しています。私たちは、日本国憲法公布75週の節目にあたり、安倍傀儡と呼ばれる「岸田改憲」に対する危機意識を共有します。

現在落ち着きを見せている観のある新型コロナウイルス感染症ですが、5波にわたる感染拡大を繰り返し、人命とくらし、地域経済を脅かしてきました。医療の逼迫は、生存と健康の権利を保障すべきこの国の医療・保健の体制がいかに脆弱化していたのかを突きつけました。また、自粛や休業要請に伴う保障の原則がないがしろにされ、経済的な苦境が若年層、女性の自殺を増加させました。まさに、生存権の危機が進行しました。

こうした中、菅政権を引き継いだ岸田首相は、台湾をめぐる米中の緊張激化を安全保障上の脅威と煽動し、現在単年度予算額5兆4千億円(後年度負担を加えれば10兆円規模)に上る軍事予算の倍増方針を表明しました。「台湾有事」には、集団的自衛権を行使し、自衛隊を米軍の同盟軍として参戦させるシナリオが現実化しています。

陸上自衛隊は、9月15日より11月下旬にかけて、全部隊約10万人が参加する過去最大規模の演習を行っています。28年ぶりのこの演習には、航空自衛隊、海上自衛隊に加え、在日米軍が支援部隊として参加し、中国を念頭に置いた南西地域での有事を想定した実働演習を展開するものです。予備自衛官の召集、陸自車両2万台、航空機120機に加え、民間のフェリーの活用も行われます。金沢市内でも、野田駐屯地周辺での軍用車両の往来が頻繁となっています。憲法の平和主義に背き、再びアジアの人々を敵視する「戦争挑発」は容認できません。抗議し、即時中止を要求します。

不再戦を誓う平和憲法が保障する人権の中で、最も基幹的な権利は、表現の自由であり、集会の自由であるとされています。私たちは、2017年、金沢市庁舎前広場で護憲集会の開催が不許可とされたことに対し、不許可処分の違憲性を申し立て、現在上告審での実質審査を最高裁に求めているところです。憲法遵守義務を負う金沢市が、公用財産に対する市長の裁量権を縦に市民の集会・表現の自由を排除することは許されません。市の主張に忖度した不当な地裁、高裁判決を乗り越え、憲法論争に勝利することを再度確認し合います。「武力で平和はつくれない」

76年前の歴史の教訓と日米安保体制によるアメリカの戦争への加担の戦後史をも振り返り、憲法改悪阻止、憲法に基づく社会の建設を目指し私たちは力を合わせます。以上、集会アピールとします。(※外部に出さない約束のため、見え消しとしました。<(_ _)>)

2021年11月3日

石川県憲法を守る会 公布75周年記念護憲集会参加者一同

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「ヒヤリ」「ハット」を大切にして!

ヒヤリやハットが300続くと29の重大事故が起きる。

11年前の全国の原発事故の教訓でした。

しかし事故後、非常用電源室の管理、非常用電源車の点検という「かなめ」で「致命的な」「重大」事故を起こしています。

わずか時間雨量30ミリの雨で地下にある電源室に「6.6トン」もの雨水を溢水させ、非常用電源を麻痺させる一歩手前までいったこと。また、非常用電源車で火災を起こすなど、3.11以降であるにもかかわらず「水」に関する重大事故を起こし続けています。

そんな「重症」の電力当局に対し、「要請」や「申入れ」や「抗議」の行動を、当該職場で働いているものを代表して電力労組は行なっているのでしょうか。

私たちにはまったく情報が届きませんが、そのような立場でがんばってください。

 

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立憲民主党の提案、国民投票法「改正」の「附則」(自民党丸飲み)

立憲民主党の修正案は、2019年の改正公職選挙法により追加された投票環境の向上に関する

(1)商業施設や駅などで投票できる「共通投票所」の創設

(2)期日前投票の宣誓書にある事由(理由)の中に学業や旅行、病気の他に「天災または悪天候により投票所に到達することが困難である」ことの追加適――の2項目を適用することや、

(3)公平公正な国民投票を実施するための広告規制や、外国人による寄付の規制を求めています。

今回の修正案は、スポットCMの煽情的な影響力や、インターネット広告も含めCMに投じる資金の多少が投票結果に与える影響等を踏まえ、「法律の施行後3年を目途に、国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規正、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるもの」としています。(2021.6.6)

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NewsPaper 2021 10月号

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「最高裁裁判官国民審査」のビラ

第25回最高裁裁判官国民審査(修正版)

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北朝鮮の「弾道ミサイル」実験に抗議!同時に思うこと

むかし、ソビエトの宇宙ロケット打ち上げられ、初めて人間を乗せて宇宙を周回して地球に帰って来ました。「宇宙は青かった」の言葉を残したガガーリンさんです。

でも、1991年にソ連が崩壊していこう、当時の人々、労働者の生活が明るみに出されました。「ガガーリンは宇宙を飛んだけれど、私には食べる肉がない」と。

スターリン体制の悲劇の一幕ですが、北朝鮮や中国もそのような現状にないのでしょうか。香港や台湾への圧力、東・南シナ海での軍事基地建設、新疆ウイグルに対する報道などは、日本や世界の国々の労働者に「幻滅と恐怖」を与えるだけになっていないのでしょうか。

いま、北朝鮮の人々は、労働者はどうなのでしょうか。弾道ミサイル実験の「成功」に喜々としている金正恩氏。「空腹と寒さ」は無縁でしょう。しかし、労働者は「寒さと飢え」をしのいでいるのでしょうか。あったかい「団らん」はあるのでしょうか。

そして、「弾道ミサイルの標的」とされているアメリカの労働者や、日本の労働者は、それぞれの政府=支配者が流布する「こわい国」「戦争屋の金正恩」というレッテルを100%信じて、「防衛力の強化」さえ主張しているのではないでしょうか。

つまり「弾道ミサイル」発射は、自国の労働者を苦しめ、他国の労働者を支配者の側に追いやる、「敵」にまわしてしまう最悪の行為ではないでしょうか。

北朝鮮「弾道ミサイル」の発射実験抗議!それを口実とした自衛隊の増強反対!「新」ミサイル開発反対!日・米一体化反対! 日米英豪などの中国包囲網づくり反対!「台湾有事」反対!  自衛隊の「参戦」反対!

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2021年クィーンエリザベス来航の意味、日・米の軍事一体化の実態

2021年 平和軍縮時評

2021年08月31日

木元茂夫

2021年クィーンエリザベス来航の意味、日・米の軍事一体化の実態

2015年9月に安保法制が強行成立されてからまる6年になろうとしている。この間、自衛隊の活動領域が飛躍的に拡大し、日米軍事一体化が進む一方で、その活動の不透明な部分が増え続けており、今も形式的には掲げている「専守防衛」の理念が揺らいでいる。成立から6年、活動領域を拡大する自衛隊の動向を振り返る。

空母クイーンエリザベスのアジア来航

イギリスの空母クイーンエリザベス(以下、QE)打撃群は2021年7月6日、地中海からスエズ運河を通過してアデン湾に出てきた。「打撃群」とは空母を中心に、これを防衛する駆逐艦などの水上戦闘艦、燃料、弾薬などを搭載した補給艦などから構成される艦隊のことである。しかも、QE打撃群はイギリス海軍単独ではなく、アメリカ海軍のイージス駆逐艦「ザ・サリバンズ」(8,950トン)、オランダ海軍のフリゲート艦「エファーツェン」(6,050トン)などを含む、多国籍打撃群であった。空母QE(満載排水量67,669トン、全長284メートル、乗員約1,600名)の艦載機F-35B戦闘機もアメリカ海兵隊所属機とイギリス海軍機の計18機を搭載していた。新型コロナの感染者を出しながら艦内で隔離したまま航海を続けている。補給艦も大型の「タイドスプリング」(37,000トン)と「フォートビクトリア」(36,580トン)の2隻を引き連れての作戦行動である。

同艦隊は、7月27日、マラッカ海峡を抜けて南シナ海に入った。ここで中国海軍の原子力潜水艦の追尾を受けたと英紙は報道している。8月6日、グァム島に入港。14日頃出港、8月24日に沖縄南方海域で強襲揚陸艦「アメリカ」、海自のヘリ空母「いせ」、護衛艦「あさひ」と共同訓練を実施、25日から28日にかけて沖縄南方から東シナ海で日米英蘭共同訓練を実施した。26日には中国海軍のイージス艦2隻、フリゲート艦1隻が宮古島の東方120キロの海域を航行したと統合幕僚監部は、発表している。ここでもQE打撃群が中国海軍の対応を引き出している。

8月30日~9月1日まで空母QEは日本海で韓国海軍との演習を行った。強襲揚陸艦独島やイージス艦など大型の艦艇が参加した。日韓関係の現状を反映してか、海上自衛隊は参加していない。

しかし、訓練はこれだけではなかった。空母QEが日本海で訓練していた8月31日、航空自衛隊は「日米同盟の抑止力・対処力を強化するべく、米軍との共同訓練を実施」した。訓練目的を「航空自衛隊の戦術技量及び日米共同対処能力の向上 」とし、 日本海から東シナ海及び沖縄周辺までのかなり広い空域で行っている。北から千歳、百里、小松、築城、新田原、那覇の各基地から、F-15戦闘機あるいはF-2戦闘攻撃機が2機~4機出動して、米軍のB-52戦略爆撃機1機の護衛飛行を行っている。この訓練は2017年からはじまった。最初は「編隊航法訓練」だけだったが、最近では「要撃戦闘訓練」が加わっている。「要撃」とは接近してきた相手を攻撃することであるが、訓練としては具体的にどういう形式になるのだろうか。8月31日、海上では空母QEが、上空ではB-52が飛行していたのである。これは「武力による威嚇」ではないのか。日朝国交正常化交渉が停滞したままなのに、こうした軍事行動だけがエスカレートしている。

韓国の「中央日報」(電子版8月30日付)は、「韓国国防部は人道主義的支援と災害救護中心の演習としているが、参加戦力の規模が相当なものという点で演習の様相は多様だと予想される」と批判的に報じ、朝鮮外務省が「英国がアジア太平洋地域に軍艦まで動員して情勢を激化させようとしている。英国空母戦団の朝鮮半島域内進入計画は挑発」と反発したと紹介している。

そして、航空自衛隊のこの訓練では1995年の安保関連法で追加された、自衛隊法第95条の2(自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織の部隊であって自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第36条(正当防衛)又は第37条(緊急避難)に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない)が、発動されている可能性が高い。

拡大する米軍艦艇・航空機の防護

実は、安保関連法の中で最も多く発動されているのが、自衛隊法第95条の2、米艦艇と航空機の防護である。この4年間の実績は下記のとおり。今年3月に防衛省交渉で詳細なデータの公開を求めたが、防衛省の担当者は「米軍との関係もあり、いつ、どこで発動したかは公表しないことにしている」と言い放った。驚くべき対応である。安保関連法が成立した時、誰もここまで自衛隊の行動が隠されてしまうとは思っても見なかったし、当然、国会報告があると思っていた。

しかし、防衛省は毎年2月に発動件数だけを発表している。限定された情報からわかるのは、海自による米艦艇の防護では、2017年の1回をのぞき、「弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動」の場面で、つまり、実際の任務の中で発動されているということだ。

よくよく考えてみると、海自艦艇の日常的な行動は基本的に公開されない。艦艇の動きを監視していてわかるのは、多くが1週間以内の短期間の出動を繰り返しているが、1ケ月以上出動している艦艇もある。どこで何をしているかはわからない。日米共同訓練などは一応発表されているが、ほとんどが事後発表であり、すべての訓練が発表されているわけではない。潜水艦も訓練で1回だけ南シナ海に行ったのか、日常的な行動なのかは不明である。日本海と東シナ海での共同パトロールの時に「防護」が発動されているのではと推測するが、実態はわからない。

対照的に空自による米航空機の防護は、「共同訓練」だけで発動されていて、実際の任務での発動はいまのところない。そして、訓練の内容が問題。2017年3月から日本上空に飛来する米戦略爆撃機(B-52、B-1)と航空自衛隊機の編隊航法訓練がはじまった。最初は「九州上空」に限定されていたが、次第に空域が拡大し、「日本海、沖縄北方を含む東シナ海上の空域」となった。参加する機数も拡大した。2021年4月22日の訓練では、B-52爆撃機2機、空自機15機と大規模なものになった。訓練内容も「要撃戦闘訓練」が加わった。どうやらこの訓練で「防護」が発動されているようだ。つまり、爆撃機が攻撃されそうになったら、自衛隊機が迎撃戦闘をやるということだ。場所によっては、中国やロシアの戦闘機が出てくるかもしれない。そんな危険な訓練なのに詳細は非公開、私たちがその実態を知ることができるのは、実際に衝突が起きて報道された時だけである。

自衛隊法第95条の2による米軍の艦艇及び航空機の警護状況    出所 防衛省の各年発表のデータによる

安保関連法施行後、日本政府がやったこと

少し視点を拡大して、この5年間に安倍‐菅政権がやったことを整理しておきたい。安保関連法の国会審議がはじまる少し前の2015年4月27日に「新たな日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)が合意された。1978年、1997年に続く3度目のガイドラインである。安保法制と新ガイドラインはセットになっている。新ガイドラインに「平時からの協力措置」として列挙された項目とその実施状況を確認する(「→以降」の太字は、当該項目のその後の動向を示す)。

A.平時からの協力措置

日米両政府は、日本の平和及び安全の維持を確保するため、日米同盟の抑止力及び能力を強化するための、外交努力によるものを含む広範な分野にわたる協力を推進する。自衛隊及び米軍は、あらゆるあり得べき状況に備えるため、相互運用性、即応性及び警戒態勢を強化する。このため、日米両政府は、次のものを含むが、これに限られない措置をとる。

1.情報収集、警戒監視及び偵察  →準天頂衛星(測位衛星、長距離ミサイルの誘導には不可欠)の打上げ、これまでのイージス艦よりレーダーの探知範囲が広いイージス艦「まや」、「はぐろ」の就役。空自に航続距離の長い電波情報偵察機RC-2を導入

日米両政府は、日本の平和及び安全に対する脅威のあらゆる兆候を極力早期に特定し並びに情報収集及び分析における決定的な優越を確保するため、共通の情勢認識を構築し及び維持しつつ、情報を共有し及び保護する。これには、関係機関間の調整及び協力の強化を含む。 自衛隊及び米軍は、各々のアセットの能力及び利用可能性に応じ、情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動を行う。これには、日本の平和及び安全に影響を与え得る状況の推移を常続的に監視することを確保するため、相互に支援する形で共同のISR活動を行うことを含む。

2.防空及びミサイル防衛  →イージスアショア導入が中止となり、イージスシステム搭載艦を検討中。空自戦闘機による米軍爆撃機の護衛飛行を実施

自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル発射及び経空の侵入に対する抑止及び防衛態勢を維持し及び強化する。日米両政府は、早期警戒能力、相互運用性、ネットワーク化による 監視範囲及びリアルタイムの情報交換を拡大するため並びに弾道ミサイル対処能力の総合的な向上を図るため、協力する。さらに、日米両政府は、引き続き、挑発的なミサイル発射及びその他の航空活動に対処するに当たり緊密に調整する。

3.海洋安全保障  →南シナ海、インド洋等海上自衛隊の訓練海域の拡大、インド太平洋方面派遣訓練を毎年実施、南シナ海での対潜水艦戦訓練の実施、海賊対処部隊派遣の継続、中東へ情報収集のための艦艇派遣、2021年イギリスの空母QE打撃群のアジア来航

日米両政府は、航行の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持するための措置に関し、相互に緊密に協力する。自衛隊及び米軍は、必要に応じて関係機関との調整によるものを含め、海洋監視情報の共有を更に構築し及び強化しつつ、適切な場合に、ISR 及び訓練・演習を通じた海洋における日米両国のプレゼンスの維持及び強化等の様々な取組において協力する。

4.アセット(装備品等)の防護 →米軍艦艇および航空機(特に爆撃機)の防護を実施

自衛隊及び米軍は、訓練・演習中を含め、連携して日本の防衛に資する活動に現に従事している場合であって適切なときは、各々のアセット(装備品等)を相互に防護する。

5.訓練・演習  →二国間訓練の増加、多国間訓練は日米豪印の枠組みでの訓練が増加

自衛隊及び米軍は、相互運用性、持続性及び即応性を強化するため、日本国内外双方において、実効的な二国間及び多国間の訓練・演習を実施する。適時かつ実践的な訓練・ 演習は、抑止を強化する。日米両政府は、これらの活動を支えるため、訓練場、施設及び関連装備品が利用可能、アクセス可能かつ現代的なものであることを確保するために協力する。

6.後方支援  →日本海、東シナ海での米軍艦艇への燃料補給、日豪・日英・日仏・日カナダ・日インド物品役務提供協定の締結

日本及び米国は、いかなる段階においても、各々自衛隊及び米軍に対する後方支援の実施を主体的に行う。自衛隊及び米軍は、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(日米物品役務相互提供協定)及びその関連取決めに規定する活動について、適切な場合に、補給、整備、輸送、施設及び衛生を含むが、これらに限らない後方支援を相互に行う。

7.施設の使用 →最近の事例、2月~8月厚木基地に米陸軍のCBRN部隊が展開、6月米空軍のオスプレイが山形空港に緊急着陸。7月陸自奄美駐屯地に米陸軍のPAC3ミサイル部隊が展開

日米両政府は、自衛隊及び米軍の相互運用性を拡大し並びに柔軟性及び抗たん性を向上させるため、施設・区域の共同使用を強化し、施設・区域の安全の確保に当たって協力する。日米両政府はまた、緊急事態へ備えることの重要性を認識し、適切な場合に、民間の空港及び港湾を含む施設の実地調査の実施に当たって協力する。

麻生副総理の台湾有事‐存立危機事態発言

安保関連法の施行から5年が経過したが、幸いなことに重要影響事態、存立危機事態が発動されることは一度もなかった。しかし、7月5日、麻生太郎副総理兼財務相は、自民党衆議院議員の会合で講演し、「台湾で大きな問題が起きると、存立危機事態に関係してくると言ってまったくおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾を防衛しなければならない」と発言。軽率の極みと言わざるを得ない。

存立危機事態は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」することが前提となっている。中国が台湾に侵攻し、日米が軍事力でこれを阻止するということを想定しているなら、自衛隊がどのくらいの戦死者を出すか、数百人というレベルではすまないと私は考える(レーダーによる情報収集・米軍への情報提供のために派遣したイージス艦(1隻あたり乗組員約300名)、燃料の洋上補給のために派遣した補給艦(1隻あたり乗組員約140名)など複数の艦艇が、中国の対艦弾道ミサイル、巡航ミサイル等で撃沈され乗組員が全員死亡することを想定した数字)。

さらに、在日米軍基地が攻撃された場合の民間人も含めた人命の損傷、経済的な影響などを考慮して発言されていますか、と言いたくなる。

アメリカのミリー統合参謀本部議長の上院歳出委員会で、「中国が台湾全体を掌握する軍事作戦を遂行するだけの本当の能力を持つまでには、まだ道のりは長い」「中国による台湾の武力統一が「近い将来、起きる可能性は低い」」と発言しました(6月19日付「朝日新聞」)。これは一部の米軍幹部の発言を牽制し、修正する狙いがあったと思う。麻生氏の発言は報道されたが、水面下の日米の動きもあるだろうし、今後の台湾をめぐる動向は要注意である。

進んだ日米軍事一体化

安保関連法を一言で要約すると、自衛隊の武器の使用を拡大し、米軍などへの補給の制限を取っ払うものであった。PKO法には「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」が追加され、南スーダンでの実際の発動が懸念されたが、2017年に施設部隊は撤退、司令部要員だけが派遣され続けている。幸いなことに自衛隊が発砲する場面はなかった。一方、国連PKO活動ではない、シナイ半島多国籍監視軍(MFO)に2019年から2名の自衛官が派遣されるようになった。「国際連携平和安全活動」の実働化である。

そして、自衛隊の行動の地理的拡大である。東シナ海から南シナ海、さらにはインド洋、オーストラリア、ペルシア湾にまで拡大してしまった。日米安全保障条約第6条は「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」と地理的な限定をしている。それが、「自由で開かれたインド太平洋」戦略のもとで、野放図に拡大していったのがこの5年間だった。自衛隊の活動は、日本がこれまで掲げて来た「専守防衛」とは、まったく異なるものになりつつある。

6月25日には「日豪空中給油に関する覚書」が調印され、7月11日には「日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定」が発効した。自衛隊の活動は、さらに拡大しようとしている。

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「島根原発2号機の安全審査合格」に強く抗議する

9月15日、原子力規制委員会は、新規制基準を満たすとして、中国電力島根原発2号機の安全審査合格を正式に決めた。しかし、私たちは、島根原発がさまざまな問題点を抱えていると考え、このまま再稼働を許すことはできない。

 島根原発は、全国にある原発の中で、唯一県庁所在地にあり、避難計画策定が必要となる30km圏内には、全原発の中で3番目に多い約46万人が住んでいる。このことは、かねてから住民を安全に計画通りに避難させることができるのかが問題視されてきた。また、敷地の南側約2kmの所に東西に走る宍道断層があり、危険性が指摘されてきた。基準地震動が当初の600ガルから820ガルに引き上げられたが、果たしてそれで済むとは思えない。過去には、他の原発ではあるが、基準地震動をはるかに上回る地震動を受けた原発がいくつもあった。津波対策についても高さ15mの防波壁を約1.5kmに渡り建設したが、果たして十分と言えるのだろうか。今回の安全審査合格は、このような不安を払拭できたとは言えない。審査を合格したからと言って、安全・安心が担保されたわけではないことは言うまでもない。

 島根原発2号機は、東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型」で、これまでに合格した同型の4基は、地元同意が得られていないなどの理由で、未だ再稼働には至っていない。島根県と松江市をはじめとする周辺自治体の同意や動向が今後の焦点となる。自治体は、住民の安全・安心を最優先すべきであり、再稼働ありきの判断は許されない。中国電力が地元と結んでいる安全協定により、再稼働には立地自治体である島根県と松江市の事前了解が条件となっているが、さらに住民避難計画の策定が必要な原発から30km圏内にある周辺自治体との対応も焦点になっている。現に、島根県の出雲・雲南・安来の各市と、鳥取県、同県米子・境港の両市には、事前了解権(同意権)が与えられておらず、立地自治体並みの「事前了解権」のある安全協定の締結を中国電力に求めている。住民の生命と財産を守るのは自治体の責務であり、当然のことだ。中国電力は、自治体や住民の声を真摯に受け止めるべきである。

 国は、福島原発事故後、原発から30km圏内にある自治体に避難計画の策定を義務付けている。一度事故が起きれば、深刻な影響を被る恐れがあり、実際、福島原発事故では、30km以上離れた飯舘村にも放射性物質が飛散し、全村が避難区域になったことを忘れてはならない。事故の教訓を踏まえ、中国電力は事前了解権を拡大するべきである。

 大規模な事故を想定して策定する広域避難計画にも懸念は残る。島根原発は、30km圏内に約46万人が生活している。自力避難が困難な高齢者や障がい者など「避難行動要支援者」が5万人超で、サポートにあたる人員を確保できるかも課題だ。当然、避難のための交通手段・避難場所の確保、また今は、新型コロナウイルス対策も必要となる。当該自治体の判断と指示に従って住民は避難することになるが、実際に事故が起きた時に、計画通り対応できるかどうか、その実効性に大きな疑問が残る。これらを放置したままの再稼働は絶対にあり得ない。

 島根原発をめぐっては、低レベル放射性廃棄物処理の虚偽記録問題や、廃棄物保管などに使う建物の法定に関する虚偽報告など、不祥事が相次いでいる。テロ対策施設に関する機密文書の廃棄も明らかになった。組織と安全意識の劣化というべき状況が起きていて、地域と住民の信頼は取り戻せないと考える。それ以前に、原発を運転する資格そのものが問われている。

2021年9月17日

原水爆禁止日本国民会議

共同議長 川野 浩一

     金子 哲夫

     藤本 康成

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