5.28原水禁石川県民会議2026年度総会

 2026年度原水爆禁止石川県民会議

総会アピール(案)

2024年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、ノーベル平和賞を受賞しました。被爆者の高齢化が進む中、長年にわたる核兵器廃絶の草の根運動と、被爆の目撃証言を通じて核兵器の非人道性や「核のタブー」を世界に訴え続けてきた功績が高く評価されました。

また、2021年に発効した「核兵器禁止条約」(TPNW)は、核兵器を「非人道兵器」として、その開発、保有、使用あるいは威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止した国際条約です。条約の前文では、広島・長崎の被爆者や世界の核実験被害者がこうむった受け入れがたい苦しみと、核兵器廃絶に向けたこれまでの運動・努力について言及しています。

しかし、残念ながら核兵器は全世界で1万発以上存在し、人類滅亡をイメージした「終末時計」は過去最悪の85秒を示しています。

日本は唯一の戦争被爆国でありながら、「核保有国と非核保有国との橋渡し」役に徹することを理由に核兵器禁止条約を批准していません。さらに、昨年10月に発足した高市政権は、これまで国是としてきた非核三原則(持たず、造らず、持ち込ませず)の「持ち込ませず削除」や「原子力潜水艦の保有」、安全保障担当の「日本の核保有」(オフレコ)発言など、もはや「核のタブー」に挑戦しているのではないかという言質が続いています。決して許すわけにはいきません。

一方、3.11原発事故の教訓を無視した「原子力最大限活用」を高市政権は強力に推進しています。今年2月には圧倒的な新潟県民の声を無視して過酷事故を起こした福島第一原発と同型の、しかも2007年中越沖地震で外部電源火災を起こすなどガタガタの柏崎刈羽原発の再稼働を強行しました。これが「地元同意」の実態です。志賀原発では、国土地理院が敷地内に推定活断層が存在すると発表しましたが、北電は何の根拠もなくそれを否定しました。しかし、原子力規制委員会の追加調査指示に従わざるを得ませんでした。活断層に囲まれた志賀原発の再稼働を許さず、実効性のない避難計画に苛(さいな)まれる住民とともに志賀原発の廃炉を勝ちとろうではありませんか。

広島・長崎の被爆から81年をむかえる今日、いまだ核廃絶には至っていません。それどころか無制限に続けられる核軍拡は「核戦争の危機」をはらんでいます。このことは被爆の悲劇を繰り返すことになり「人類滅亡」を意味します。核と人類は共存できない、二度と被ばく者を出さないために、世界の仲間と連帯して闘おうではありませんか。

2026年5月28日

総会参加者一同

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2026被爆81年「反核・平和」行進がスタート! (トップは6.1かほく集会)

 被爆81年「反核・平和」富山県引き継ぎ かほく集会

2026年6月1日18:00~18:30

主催:原水爆禁止石川県民会議

於:内灘町役場前

次   第

(1)司会あいさつ  (清水文雄常任執行委員 内灘町議)

(2)『反核・平和』横断幕の引き継ぎ(富山県から石川県へ)

(3)主催者あいさつ    原水禁石川県民会議(田村光彰 代表委員)

(4)原水禁富山県民会議あいさつ (岡﨑信也富山原水禁会長・富山県議会議員)

(5)来賓あいさつ  (生田勇人内灘町町長、七田満男内灘町議会議長)

(6)スローガン採択  (福島誠一内灘町勤労協顧問、内灘町議会議員)

(7)集会アピール   (県教組河北支部  次郎間 敏子さん)

(8)団結ガンバロー  (松田 聡 内灘町勤労協会長)

スローガン(案)

核兵器を廃絶しよう!

新たな核開発に反対しよう!

核兵器禁止条約を批准させよう!

志賀原発を廃炉にしよう!

新たなヒバクシャをつくらない!

平和憲法を守ろう!

核兵器のない平和な社会をつくろう!

田村光彰原水禁石川代表委員            原水禁富山岡﨑信也会長

来賓あいさつ  生田勇人内灘町町長     七田満男内灘町議会議長

  

 

― 集 会 アピール(案)―

    本年2月5日、米・ロ間で唯一残っていた新START(新戦略兵器削減条約)が失効しました。世界の核弾頭(12,450発)の9割を占める米・ロ間のこの事態は、世界が核軍縮から核軍拡へ、無制限・無秩序の時代に突入したことを意味します。二年連続で核が増加に転じたことはその証左です。唯一、核保有国に核軍縮を課したNPT(核兵器不拡散条約)体制の再検討会議(2026.5開催)は、根本的矛盾(核保有国の肯定と不平等)を抱えたまま3度目(15年間)の「成果文書」なしとなりました。

唯一の戦争被爆国であり、原爆によって何が起きるのか、放射能被害のなんたるかを誰より知っている日本政府はこれらに異議を申し立てているでしょうか。高市政権はそれどころか、「核」をふりかざし侵略を繰り返しているイスラエル・アメリカを全面的に支えているのが実態です。

私たちは、世界が歯止めのきかない無法状態にあることに「憤り」と「悔しさ」をもって、“核兵器廃絶”“戦争反対”“軍事基地撤去”を取組む各国の人々と連帯していかなければなりません。それが唯一の平和を実現するあり方だと確信します。そのためにも、原爆の悲惨を追体験する「被爆81年世界(広島)大会」に参加するとともに、核兵器の原材料を供給する原発の廃炉を求めていかなければなりません。

2024年元日の能登半島地震は、志賀原発に深刻な損傷を与えました。震度5弱、最大加速度399ガルという「基準地震動内」であったにもかかわらず、外部電源5系統中2系統が喪失し全電源喪失という言葉がよみがえった人も多かったのではないでしょうか。過酷事故になると住民避難は不可能となります。志賀原発を絶対に再稼働させてはなりません。
一方、アメリカでは、「AIクロード・ミュトス」なる人工知能が開発され、あらゆるシステムのセキュリティホール(プログラムの脆弱性)を見つけ出せると言います。このことはシステムが「乗っ取られる」危険性があることを意味し、「核兵器」や「宇宙衛星」「原発・電力」などのシステムが「(他国に)牛耳られる」可能性が高まるのです。私たちはこのことにも危機感を持って原水禁運動を創っていかなければなりません。

全ての人々が改めて、核兵器廃絶!反核・平和の闘いを創ることを決意し、行動しようではありませんか。

2026年6月1日

かほく集会参加者一同

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核不拡散条約(NPT)再検討会議「成果文書」を採択できずをうけた原水禁声明

4月27日からアメリカ・ニューヨークの国際連合本部で開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議は、まとめとなる「成果文書」を採択することができず、5月22日に閉会しました。2015年、2022年に続き3回連続で、「成果文書」を採択できなかったことによる落胆の声が大きく上がっています。

NPTは1970年に発効した、191か国が加盟する核軍縮・核廃絶にとって重要な国際条約です。核不拡散・核軍縮・原子力の「平和」利用を3つの柱とし、アメリカ・ロシア・フランス・イギリス・中国の5か国に核兵器の保有を認める一方で、加盟国(核保有国)に核軍縮に向けた交渉を誠実に行うことを課しています。核兵器禁止条約(TPNW)においても、NPTを「補完する」としており、核軍縮・核廃絶のあゆみを進めるなかでは、NPT体制を中心に据えながらこれまでの交渉・協議が行われてきました。

核保有国と非核保有国が現実に存在する限りは、その隔たりを埋める努力を欠かすことができません。NPTでは第6条で「すべての締約国に対して、核軍備競争の早期停止、核兵器の削減、そして最終的な『全面完全軍縮』に向けて誠実に交渉する義務」を明記されていることが、これまでの交渉・協議の基となってきました。一方で非核保有国からは、核保有国がこの第6条の軍縮義務を十分に果たさないだけでなく、近代化をおし進める姿勢に長年強い不満が示され続けています。こういった不満が、そもそも核兵器廃絶を明確にしたTPNW発効の背景の一つとなったことは事実です。だからこそ今回のNPT再検討会議では、核軍縮に向けた「成果文書」の採択を望む声が高まっていました。

アメリカ・イスラエルによるイランへの攻撃、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に端を発した戦争に見られるように、それまで「強国」として存在してきたアメリカとロシアによる国際法を無視した武力による現状変更の動きは、国際社会全体の混迷の度合いをより一層深めることになり、次はどこが攻撃対象になるのかといった不安を増大させています。

日本を含めた各国政府は、こういった情勢を引き合いに軍備増強を声高に謳い、「安全保障」には軍事力増強による抑止力を高めることが不可欠だと喧伝しています。戦争被爆国であり、「橋渡し役」を自任する日本政府が果たすべき役割は、こういった動きとは違う、毅然としたものであるべきです。

軍事力増強に留まらず、核拡散・核増強の動きまで国際社会全体で止めることができなければ、再び核兵器開発競争に陥ってしまい、偶発的な核兵器使用の危険性が高まることは容易に想定できます。たとえ「成果文書」が採択できなかったとしても、NPTは条約として存在し続けており、引き続き加盟国にはその遵守が責任として課せられている事実を改めて確認すべきです。そして11月末に開催予定のTPNW第1回再検討会議に向けて、私たちは決してあきらめることなく核廃絶を訴えていかなくてはなりません。

広島・長崎の被爆から間もなく81年を迎えようとしています。これまで多くの被爆者が世界各国で語ってきた被爆の実相は、これからも三度核兵器使用を許さないうえでは欠かすことができません。国内における被爆の実相の継承は、厳しさを増す国際情勢という観点から見ても、重要な意味を持ちます。その重さをしっかり受け止める原水禁運動が、必要であり続けています。

今回のNPT再検討会議に原水禁は26人の代表団を派遣しました。各国市民との交流を通して訴えた核兵器廃絶の声は、確かなものとして発信することができました。私たち市民が決して黙することなく訴えていく重要性を確認しながら、今夏の原水禁世界大会・TPNW第1回再検討会議へとつなげていくとりくみを引き続き進めていきます。

私たちは、決して下を向きません。被爆者との約束である核兵器の廃絶と世界平和の実現をめざし、今後も原水禁運動を進めていく決意です。

2026年5月29日

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

共同議長 川野浩一

金子哲夫

染 裕之

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核軍縮時代の終焉! 加速する戦争準備!

核軍縮時代の終焉、加速する戦争準備  市民は戦争への道を阻めるか  渡辺洋介

1.新STARTの失効:54年ぶりに米ロ無条約時代へ

2026年2月5日、米ロ間における唯一の核軍縮枠組みであった「新戦略兵器削減条約(新START)」が失効した。ロシアのプーチン大統領は2025年9月22日、条約失効後も少なくとも1年間は規定の上限数を自主的に維持する方針を提案していたが、米国のトランプ政権はこれに応じず、後継条約の交渉も停滞したままである。

これにより、1972年の第一次戦略兵器制限交渉(SALT I)合意以来、54年ぶりに米ロ(ソ)間で核兵器を規制する条約が存在しないという異例の事態を迎えた。本来、核兵器はその絶大な破壊力ゆえに、抑止以外には合理的な活用が困難な「使えない兵器」である。そのため、無制限な軍拡競争に陥るよりも、軍備管理を通じて相互の軍事バランスを安定させる方が合理的利益にかなうと考えられてきた。しかし今、そうした「常識」さえ失われようとしている。

2025年に発足した第2次トランプ政権は、既存の国際秩序や国際法を無視し、圧倒的な軍事力を背景に自国の国益を最優先する姿勢を鮮明にしている。こうした米国の動向を受け、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて軍拡に転じていた各国は、さらなる軍備強化を加速させている。本稿では、トランプ再登板後の核兵器をめぐる状況を概観し、今後の展望について考察したい。

2.トランプ再登板と欧州への関与縮小

第2次トランプ政権の誕生は、既存の国際秩序を根底から揺るがし、各国をさらなる軍備強化へと駆り立てた。とりわけ米国が欧州安全保障への関与縮小を打ち出したことで、欧州各国で急速に軍拡が進んだ。

その嚆矢は、2025年2月13日にブリュッセルで開かれたNATO国防相会議であった。ヘグセス米国防長官は、欧州の防衛は欧州自身が主たる責任を負うべきだと述べ、防衛費を従来の目標を大きく上回る「GDP比5%」へ引き上げるよう求めた。さらに2月28日の米ウクライナ首脳会談の決裂は、米国の欧州への関与縮小を象徴する出来事となった。米国は停戦後のウクライナへの大規模派兵を拒否し、その安全保障の主要な責任は欧州諸国が担うこととなった。

こうして欧州諸国は米国に依存した安全保障政策の見直しと自主防衛力の強化を余儀なくされた。欧州連合(EU)は3月4日に「欧州再軍備計画」を発表し、総額8,000億ユーロ(約125兆円)規模の防衛投資を可能にする財政枠組みを示した。さらに北大西洋条約機構(NATO)加盟国は6月24日の首脳会議で、防衛費をGDP比5%へ引き上げることで合意した。

米国の関与縮小は核兵器政策でも欧州独自の動きを促した。7月10日、イギリスとフランスは「ノースウッド宣言」を発表し、核戦略・運用の統合を強化する「核運営グループ」の設置に合意した。フランスのマクロン大統領は3月5日、フランスの核戦力による欧州同盟国の防衛について、戦略対話を始める方針を発表し、欧州独自の核抑止力強化に向けて一歩踏み出した。一方、英国は「NATOファースト」を掲げ、フランスと協力しつつも米国の核抑止力を含むNATOの枠組みを重視する姿勢を維持している。

3.米ロ核軍縮協議、進展見られず

トランプ政権はバイデン政権よりロシアに対し融和的な姿勢を示しているものの、2025年を通じて米ロ関係は不安定なまま推移した。同年1月、トランプ大統領はダボス会議へのビデオメッセージで米中ロ3か国による核軍縮協議への意欲を表明した。ロシアも呼応したが、その後、具体的進展は見られなかった。

最大の問題は、新STARTの後継条約に向けた交渉が進まなかったことだ。既述の通り、プーチン大統領は2026年2月の条約失効後も、戦略核保有数の上限を少なくとも1年間は相互に遵守するよう提案していた。しかし、米国側がこの提案を真剣に検討した形跡はなく、後継条約の交渉すら開始されないまま、2026年2月に新STARTは失効を迎えた。

以前よりトランプ政権は、中国を含めた米中ロ3か国による新たな核軍縮枠組みに意欲を示してきた。しかし、具体的な対話の進展は見られず、多国間軍縮協議への言及も、既存の二国間枠組みを解消するための方便に留まっているとの見方も強い。

こうした状況の下、米ロ両国は新たな戦略兵器の開発を続けた。2025年5月20日、トランプ大統領は全方位ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」を発表した。これは、従来の弾道ミサイルだけでなく、中国やロシアが開発を進める極超音速滑空兵器(HGV)など、あらゆる空の脅威から米本土を完全に保護することを目指すものである。

そもそもHGVは、既存のミサイル防衛網を突破することを目的として開発された兵器であり、「ゴールデン・ドーム」の構築はそのHGVによって生じた「防衛の穴」を塞ぐことを意図している。仮にミサイル防衛が完全なものとなれば、敵国からの核による報復を無力化できるため、理論上は一方的な核攻撃を躊躇なく行える環境が整うことになる。したがって、「ゴールデン・ドーム」の開発は、とりわけ米中ロ3国の核抑止政策や軍備管理に対し、大きなインプリケーションがある。

一方、ロシアは10月末、新型原子力推進巡航ミサイル「ブレベストニク」と新型原子力推進魚雷「ポセイドン」の実験成功を発表した。いずれも米国が所有していない核運搬手段である。これらは核爆発を伴う実験ではなかったが、トランプ大統領は核実験と誤認したのか、直後に自身のSNSで「核実験再開を指示した」と投稿する騒ぎが起きた。後にライト米エネルギー省長官が核爆発を伴う実験再開を否定したものの、実際に米国が核実験を再開していれば、核軍拡のエスカレーションを招きかねない危険な事態となるところであった。

4.中国の核実験疑惑を巡る米中の応酬

2026年2月、新STARTが失効した直後のジュネーブ軍縮会議において、米国のトーマス・ディナノ国務次官は「中国が2020年6月22日にロプノール実験場で秘密裏に核爆発実験を行った」と主張した。米国側は、地下空洞を利用して地震波を減衰させるデカップリング技術が導入されたと述べ、マグニチュード2.75の地震波データをその根拠として提示した。これに対し中国側は、「米国の核実験再開を正当化するための捏造だ」と反発している。

専門家の分析によれば、中国が核実験を行ったという確たる証拠はない。包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)は、「検知された地震波は極めて微弱であり、核爆発と断定するには不十分である」との見解を示している。また、戦略国際問題研究所(CSIS)が行った衛星画像分析でも、当時の実験場における大規模な爆発を裏付ける決定的な証拠は見つからなかった。(注1)

こうしたトランプ政権による中国の核実験疑惑の主張は、中国が主張している通り、米国の核実験再開に向けた「大義名分」作りという側面があるのではないかと危惧される。あるいは、米国は中国を核軍縮交渉に引き込むための外交カードとして利用しているのかもしれない。

5.中国の核軍拡と軍幹部粛清

このように米国側は攻勢を強めるが、中国の核戦力増強ペースは緩まっているという報告もある。米国防総省の「中国軍事力報告書」によれば、中国の核弾頭数は2022年の約400発から、2023年に約500発、2024年には600発超に達したと推定され、2030年には1000発に及ぶと予測されている。しかし、2025年版報告書では核弾頭数の増加ペースが鈍化したとの指摘がなされた。その直接的な理由は明示されていないが、ロケット軍を含む中国軍全体での汚職摘発と幹部粛清が軍指導部の混乱を招き、それが核軍拡の停滞につながった可能性も考えられる。2025年、中国軍内部では「反腐敗」を名目とする大規模な粛清が進行した。2023年に始まったロケット軍幹部処分は2025年には軍全体に拡大し、何衛東中央軍事委員会副主席ら指導層が共産党から除名された。軍関係中央委員の約20%が解任または汚職調査の対象となったとされている。こうした指導部の混乱が、急速に進められてきた核軍拡の停滞を招いた可能性は否定できない。

一方で、軍事力増強のペースに変化は見られるものの、中国政府の核兵器政策そのものに大きな変更はない。中国政府は2025年11月、核兵器政策に関する白書を公表し、核兵器の「先行不使用」など従来の基本方針を改めて確認した。また、トランプ政権が提起した米中ロ3か国による核軍縮条約については、米ロが大幅な核軍縮を行わない限り協議に応じないとの立場を維持した。

6.戦争準備を加速する高市政権

2025年10月、自民党総裁に高市早苗氏が就任した。その後、公明党が連立を離脱し、日本維新の会が政権に参加したことで、政権の安全保障政策は大きく右旋回した。10月20日に公表された自民党と維新の会の連立合意書には、安全保障関連三文書の前倒し改訂、原子力潜水艦の導入検討、武器輸出規制のさらなる緩和などが盛り込まれ、憲法の平和主義とは対極の軍事強国路線をさらに進める方針が示された。

こうした中、核兵器政策にも変化の兆しが見られた。高市首相は11月11日の国会答弁で、安保三文書改定時の非核三原則堅持について「確定的に申し上げる段階にはない」「あらゆる選択肢を排除しない」などと述べ、見直しの可能性を示唆した。なお、「持ち込み」の際の事前協議の必要性をめぐっては、核搭載艦の寄港・通過を含むとする日本側と含まないとする米側との間で理解の相違があったことが指摘されている。

さらに深刻なのは、12月18日、国家安全保障・核軍縮不拡散担当の尾上定正首相補佐官が、オフレコの場で「日本は核兵器を保有すべきだ」と発言したことである。この発言に対し、メディアや市民社会からは強い批判の声が上がったが、高市政権は口頭注意のみで同氏を続投させた。こうした対応は、日本の核武装に対する警戒心を呼び起こし、近隣諸国に軍備拡張を正当化する口実を与えかねない。

7.いま、市民社会の真価が問われる

第2次トランプ政権下で米ロ軍備管理体制は崩壊し、世界は「力による支配」が横行する無秩序な時代へと逆行した。日本を含む各国が戦争準備を加速させ、核兵器という「負の力」への依存を強める中、人類は再び世界戦争への道を一歩一歩進んでいる。もはや政治の営みにのみ委ねていては、この破滅的な歩みを止めることは困難と言わざるを得ない。

これまで、力に依拠する国際社会に歯止めをかけてきたのは、市民社会による国際的な連帯運動であった。対人地雷禁止条約(1997年)、クラスター爆弾禁止条約(2008年)、そして核兵器禁止条約(2017年)の成立において、市民社会は決定的な役割を果たした。今こそ平和を希求する世界の市民が連帯し、第三次世界大戦という破局への道を阻むため、行動を起こすべき時が来ている。

注1:戦略国際問題研究所(CSIS)HP
https://www.csis.org/analysis/satellite-imagery-analysis-chinas-alleged-2020-nuclear-test-lop-nur

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5.23志賀原発を廃炉に!訴訟原告団2026総会

原告団HPより無断掲載
5月23日(土)午後1時30分より、石川県地場産業振興センター3F研修室に原告・サポーターら約90人が集まり、原告団の2026年度総会が開催されました。前年に引続き、Zoomを使ったオンラインでも多くの原告・サポーターが参加しました。

最初に、北野原告団長があいさつしました。
北野さんはこの裁判(金沢訴訟)が始まってから15年目になるが、その間変化しなかったところも見ていかなければならないとして、日本の原発のうち24基の廃炉が決まっていて、その平均運転期間は37年であることを指摘しました。そして高市政権は再稼働を加速すると言っており15基が再稼働を目指しているが、その過半数の8基は運転40年を越え、うち2基は50年を超えていることを明らかにしました。そして、志賀原発1号機は33年、2号機は20年2箇月と比較的若い原発であり、「私たちの運動の力で廃炉への引導を渡そう」と力強く呼びかけました。

次に、岩淵弁護団長が来賓としてあいさつしました。
岩淵さんは、北陸電力が13年前から裁判所でのやり取りを密かに録音していた報道について、法廷では「録画録音するときには裁判所の許可を得る」という法律上の定めを知っていながら秘密録音していたことを指摘し、「自社の都合を最優先して法律を無視する」のは中部電力が再稼働のために基準地震動のデータを偽造していたのと同根であり、電力会社共通の病巣であることを明らかにしました。
そして、4月から裁判体が一新されたので、「裁判所の求めに応じて、いちばん重要な論点を整理し、そこを集中的に審議して判決に持込みたい」と決意を述べました。

続いて議案審議に入り、第1号議案として柚木事務局長が1年間の活動報告を、岡崎副事務局長が決算報告を行いました。
活動報告では、11月の第三次提訴の意義を再確認するとともに、3月の3.28県民集会の成果を明らかにしました。また富山訴訟の控訴審が名古屋高裁金沢支部で行なわれることについて、全力で支援していくことを表明しました。
決算報告では、25年度の収支が残念ながら赤字になったことを報告し、23、24年度に寄せられた「被災地カンパ」にもう頼ることはできないことを、具体的な数字で示しました。

続いて第2号議案・新年度活動方針が北野原告団長から提案され、3号議案(役員改選案)とともに、会場の参加者と参加できなかった原告やサポーター(Zoom参加者を含む)の書面議決書とともに、圧倒的多数で承認されました。

その後記念講演として、おしどりマコ&ケンさんが「なぜ芸人が原発事故の取材を始めたか―いつのまにか15年、東電会見1600回」と題して講演しました。

講演終了後、「総会アピール」が原告の山本由起子さんから提起され、満場の拍手で確認されました。
最後に新役員を代表して旭 泰子さんの決意表明と「団結がんばろう!!」によってこの日の集会が締めくくられました。

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5.23「志賀原発を廃炉に!」原告団総会の記念講演 「おしどりマコケン」さんです\(^O^)/

260523チラシ(マコ・ケンポスター確定版)

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2026.5.3~憲法施行79周年~護憲集会 憲法9条を破壊して戦争準備にひた走る高市政権に反対! ~県民集会~平和な社会をつくろう!

集会アピール(案)

総選挙で圧勝した自由民主党は、党大会を開き「憲法改正」を70年ビジョン及び活動方針に明記しました。総裁演説に立った高市早苗氏は、「立党から70年、時は来た。『憲法改正』に向け、国会においては、『結論のための議論』を進めよう。そして、改正の発議について『なんとか目途が立った』状態で来年の党大会を迎えたい。」と煽り立てました。狙いは第9条への自衛隊明記と緊急事態条項の創設です。

現職首相のこの発言そのものが憲法遵守義務違反であり、立憲主義を破壊する暴論として強く糾弾します。憲法を守る会は、とりわけ衆議院で与野党を越えて改憲勢力が大多数を占めている国会状況にも鑑み、憲法の危機を宣言するものです。

核交渉の最中に、イスラエルと米国が一方的な先制攻撃で戦端を開いたイラン侵略戦争は、イラン国内だけでも3,000人を優に超える尊い命を奪い、周辺中東地域でも多くの死傷者を出しています。ホルムズ海峡をめぐる緊張は一触即発の状況にあり、世界経済にも大きな混乱をもたらしています。高市首相は、国際法、国連憲章に違反するこの蛮行に、「法的評価は控える」とG7で唯一擁護する姿勢を変えず、国際法秩序を自らも否定する態度は決して許されてはなりません。

しかしながら、名うての改憲論者の高市首相でも、ホルムズ海峡への自衛隊艦船の派遣要求を受け入れることはできませんでした。米国が関与した幾多の戦争においても、日本の参戦を食い止めた歴史的経過を思い起こし、憲法第9条の現実的な力を確認し、今後の政府の動きを監視します。

他方、反憲法的な政策が数の力で強引に進められています。天井知らずの防衛予算、沖縄・南西諸島の軍事要塞化に加え先制攻撃可能な長射程ミサイルの配備、殺傷能力兵器輸出の規制撤廃、兵器産業の育成、非核三原則の見直しなど枚挙にいとまはありません。重武装を支える防衛増税や福祉社会保障分野へのしわ寄せは、人間らしい暮らしを圧迫します。戦争当事国となれば、沖縄・南西諸島は言うに及ばず、小松基地をはじめ全国の軍事基地、原発、周辺市街地までもがたちどころに標的となり、市民の尊い命が犠牲になります。若い世代は、戦争に駆り出されるかもしれないとの当事者意識を高め、イラン戦争反対、ロシア・ウクライナの停戦、ガサ市民の尊厳回復を求め、各地で反戦と憲法9条改憲反対の声を上げています。

こうした平和を求める労働者や市民の抵抗を封じるため、自民党・維新連立政権は、参政党など一部野党と連携し、国家インテリジェンス法制、スパイ防止法、国旗損壊罪法などの治安立法を急いでいます。基本的人権に照らし、これらの立法を阻止する国民的な運動を急がねばなりません。

私たちは、衆参両院で改憲議席3分の2を確保される中、安倍改憲の危機を乗り越えてきました。国民各層に、非戦平和主義への賛同が深く浸透してきたからに他なりません。平和憲法施行80周年となる2027年が決して改憲の年とならないよう、私たちは不退転の決意を持って立ち向かいます。以上、アピールとします。

2026年5月3日

憲法施行79周年護憲集会 参加者一同

 

高市政権は、「厳しさを増す安全保障環境、インド太平洋の危機に対処するため、日米安保を基軸に、より一層防衛力の増強を図る」と常套句のように主張します。
しかし中国との軋轢は、「尖閣列島」の国有化に端を発し、「台湾有事」に自衛隊が「参戦」すると明言したことでさらに高まったのです。
つまり、日本が米中対立の尻馬に乗り「危機をあおっている」面が多々あるのです。
※中国習近平政権の「武力で現状変更」を強行している様々な事実(南シナ海での島嶼埋め立て、軍事基地化など)、そして共産党政権への批判は絶対に許さないという強権政治(香港やウイグルなど)の問題性はここでは論じません。一方、北朝鮮との関係では、金正恩政権が「アメリカ敵視」政策から「核こそがアメリカの侵略を防ぐ」と、核武装に突進しているわけですが、この問題性もここでは論じません。
北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦中であるアメリカを敵視しています。それなのに高市政権は、アメリカの危機を「日本の危機」として、北朝鮮と軍事的、政治的に対峙しようとしている。日本政府(権力者)が「危機をあおっている」と言わざるを得ないのです。
この真実抜きに、威勢のいい人の一面的な主張にだまされないようにしなければなりません。政治的背景、憲法の条文では何と言っているのか、以前の政府解釈はどうなのか、反対している人の主張は?など、多面的に検討し、戦争で常に犠牲になるのは市民、老人、女、子どもたちです。「戦争反対」の声をあげなければなりません。
このホームページのトップ画像の人が語っているように、戦争をあおる人は「いつも後方に隠れている」のであり、「大人のおもちゃ=軍艦や戦車で遊んでいる」のです。そんなことに巻き込まれてはいけません、騙されてはいけません。
では、平和はどのようにして創るのでしょう。
それは、日本でもわずか170年ほど前にあった江戸幕府の時代を見ればヒントになります。それまでは、武士が帯刀しており「藩」単位で分かれていました。しかし明治以降、武器を携行する人がいなくなり、藩の境界(関所)がなくなりました。
つまり、国々は武器を捨て、国境を無くすることが「平和」への道なのです。

ましてや、F35Aステルス戦闘機を導入したり、新基地を建設したり、継戦能力を高めるとして弾薬庫やミサイルを増強しても、住民や労働者・市民は犠牲になるだけです。シェルターに7000万人の労働者・家族は入れないのです。

軍備増強は決して平和に繋がりません。スパイを防止するとして「盗聴」や「盗撮」するのは、「戦争に反対し」「原発に反対し」「人権を大切にし」「憲法改悪を阻止する」人々を「政府に抗う危険な人」として摘発するためのものです。国と国が争う世界でスパイが生まれるのであり、争い合う世界を変えなければならないのです。
それを創るのは、社会の暮らしを支えている労働者・市民です。国家権力者ではありません。

第二章 戦争の放棄

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

   

 

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AIに核のボタンを持たせたら、「フラッシュウォー(核戦争)」

AIに核のボタンを持たせたら「フラッシュウォー(核戦争)」になった

【この記事でわかること】
・AIに核保有国として仮想戦争させると?
・核戦争を回避したAIの開発元は?
・制御不能の「フラッシュウォー」とは

人工知能(AI)に「核のボタン」を握らせると何が起きるのか。英キングス・カレッジ・ロンドンのケネス・ペイン教授が2月に公表したシミュレーション(模擬実験)結果は、安全保障に関わる専門家らに衝撃を与えた。

21回の対戦ゲームのうち3回が核戦争に

実験では米アンソロピックと米オープンAI、米グーグルのAIに核保有国の指導者の役割を演じさせた。互いの行動を先読みしながら領土を奪い合う対戦ゲームを繰り返したところ、21回の対戦のうち3回が全面的な核戦争に発展した。

核兵器の発射手順書などを納めた米軍のブリーフケース(2017年、米ワシントン)=ロイター

互いが核の脅威をちらつかせる中、核戦争を回避したのはアンソロピック製だけだった。オープンAI製は決断を迫られると急激に攻撃性を高めた。グーグル製は相手国との駆け引きの過程で民間人への核攻撃を示唆した。

表向きは相手国に友好的な態度を示しつつ、裏では攻撃準備を進めるといった振る舞いもみられた。「計算高いタカ」「ジキルとハイド」「マッドマン」。ペイン教授は実験結果をまとめた論文の中で3社の製品にあだ名を付け、AIに大量破壊兵器を委ねる危うさを強調した。

人間を上回る認知と判断スピードを持つAIは戦争の姿を一変させた。米国防総省は強力なAIを使い、人手がかかっていた軍事標的の選定や作戦計画の立案を自動化した。ベネズエラ奇襲やイランとの軍事衝突でもAIを採用したとみられている。

一部のテクノロジー企業は制約のないAIの軍事利用に懸念を示す。アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は完全自律型の兵器について「適切な安全装置を伴って配備される必要があるが、現時点ではそのような装置は存在しない」と言い切る。

核保有国の多くは規制に反対

より恐ろしいのは、米国の対立国までもが強力なAIを実戦に使い始める事態だ。AI同士が主導する戦争は判断の速さが趨勢を決める。人間が制御できないスピードで攻防がエスカレートする「フラッシュウォー(瞬間的戦争)」に至る可能性がある。

世界の覇権を争う2つの超大国はかつてはそのリスクを十分に認識していた。バイデン前米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2024年11月にペルーのリマで開いた首脳会談で、核兵器の使用決定において人間の管理を維持する必要性を確認している。

トランプ氏の米大統領復帰後、状況は様変わりした。

国連総会で軍縮問題を扱う第1委員会が25年に同様の提案を採決した際には、米国など8カ国が反対票を投じた。京都産業大学の岩本誠吾教授は「核保有国などが自らの手足を縛られることを嫌った結果だ」と解説する。

「AIはしばしば、実行するつもりがない行動を装った」。仮想戦争を実験したペイン教授は論文の中でAI同士の腹の探り合いが疑心暗鬼を生み、対立に拍車をかけたと解説している。互いを出し抜こうとしてより危険な賭けに手を出してしまうAIは、人間社会の映し鏡でもある。

2026年4月7日 2:00[日経新聞会員限定記事]

 

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米国イランが2週間の停戦 日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交、「完全失敗」とバッサリ

「日刊ゲンダイ」公開日:2026/04/09 10:20 更新日:2026/04/09 10:20

あの“抱きつき”に何の効果があったのか(米ホワイトハウスXから)この記事の画像を見る(2枚)

【写真】高市外交は「日本の恥」! 夕食会で踊り狂う写真をホワイトハウスが“さらし上げ”

米国とイランが2週間の停戦合意に至り、ひとまず国際社会には安堵が広がっているが、この間、ただ手をこまねいていたのが高市政権だ。

先月19日の日米首脳会談で高市首相トランプ大統領にいきなり抱きつき、手を腰に回したかと思えば、大好きな曲の演奏に狂喜乱舞。サナエ・スマイル全開で媚を売っていた。

ところが、停戦合意直前の今月6日、トランプはイラン情勢を巡って「(日本は)米国を助けてくれなかった」と批判。「北朝鮮から守るために5万人の米兵が日本にいる」と言い、日本への不満をぶちまけてみせた。

高市首相のゴマすりは一体何だったのか。「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と歯が浮くほどヨイショしまくったうえ、日本円で約87兆円もの対米投資を“献上”。それで「助けてくれなかった」とディスられているのだから、何しに行ったのかという話だ。

一方、イランへの対応もお粗末である。高市首相はきのう(8日)、ようやくペゼシュキアン大統領との電話会談を実施。停戦合意を「前向きな動きとして歓迎」と評価し「最も重要なことは今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られること。外交を通じて最終的な合意に早期に至ることを期待している」と、無難な発言に終始したという。

 

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自由法曹団は2026年3月30日、「国家情報会議設置法案に反対し、国民監視体制の拡充を許さない声明」を発表

国家情報会議設置法案に反対し、国民監視体制の拡充を許さない声明

 2026年3月30日

自  由  法  曹  団
団長 黒 岩 哲 彦

 政府は、内閣に首相を議長とする「国家情報会議」を設置し、その事務局として内閣情報調査室を「国家情報局」へ格上げする国家情報会議設置法を特別国会に提出した。日本の情報機関(インテリジェンス機関)としては、内閣情報調査室のほか、防衛省情報本部、警察庁警備局、各道府県警・警視庁の警備局・公安部、公安調査庁、自衛隊情報保全隊などがあるが、同法は、これら情報機関に対し国家情報会議へ情報や資料を提供する義務を定め、国家情報局に情報機関の有する情報を集約する統合調整権を与えるものである。自由法曹団は、以下にのべるように、国民監視体制強化の第一歩となる同法案に反対するものである。

 政府は、同法の目的をインテリジェンス機能の強化とするが、昨年8月に石破内閣により「日本はスパイ天国とはいえない」旨の答弁書が閣議決定されているように、具体的な立法事実(立法の基礎となりそれを支える事実)が示されているとは到底いえない。
一方、各情報機関はそれぞれの組織の目的にしたがって情報を収集しているところ、同法により情報の集約が図られるようになると、各情報機関が有する情報が統合され、個人の全体的な人間像が国家により把握されることになる。情報機関による違法な人権侵害行為はこれまで幾度も明らかになってきたが、同法により、違法な情報の収集や利用によって個人の人権が侵害される危険性が高まることになる。

 政府は、国家情報会議設置法に続いて、外国代理人登録法、スパイ防止法、対外情報庁設置法などの制定を目論んでいる。これらの制度が導入されれば、国家情報会議設置法と一体となって、市民や団体の活動に対する監視が行われ、表現の自由や結社の自由に対する重大な制約をもたらすことになる 。
国家による情報収集については、現状、個人情報を安全かつ適正に管理するための何らの規制もなく、取得、保有及び利用について濫用防止のための何らの制度的保障もない(令和6年9月13日大垣警察市民監視事件名古屋高裁判決参照)。そのような規制・制度もないまま情報機関の権限のみを強化することは、情報機関による人権侵害事件を数多く担当してきた自由法曹団として、到底容認できない。
自由法曹団は、国家情報会議設置法案に強く反対するとともに、国民の基本的人権を脅かす一切の監視体制の拡充に抗議し、同法案の撤回を求めるものである。

 

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