10.21国際反戦デー58周年集会(23.10.26開催)

ロシアによるウクライナ侵略が600日を超え、プーチンの軍隊による暴虐が尽きず、世界の労働者・市民の「ロシアは侵略やめろ!」「直ちに撤退しろ!」という声が響いているなか、10月7日、突然(我々からすれば)パレスチナ国家建設とアラブの解放をめざして「天井のない監獄」を打破するためのハマスによるロケット弾攻撃が行なわれ、それに対し、イスラエルが「新たなナチによるファシズムだ」と自衛権を盾に反撃を開始する新たな「戦争」がはじまった。米・ソの冷戦支配下、双方の影響にあった世界がその歪みを爆発させ、現代を揺るがす「戦争の危機」にあることを実感せずにいられません。そのようななか、この10.21国際反戦デー集会を開催する意義は大きいと思います。主催者を代表して本田良成事務局長は、「ウクライナ戦争の歴史的背景と、なぜ侵略なのかを批判的視点で見てほしい、そしてイスラエルとパレスチナの『戦争」も歴史的背景を押さえて、侵略し占領し暴虐をつくしているのはだれか、実態を直視してほしい」と訴えた。(歴史的背景、それぞれの主張などを学習し、声明を発するための準備をいましている最中です。)

「小松基地の現状」と題して講演していただいた池田喜久さんは、長年、高教組運動を担い、県下の反戦・平和に大きくかかわってこられた先輩です。大変貴重な、そして機知にとんだ話をしていただいたとおもいます。

特に、第二滑走路問題については、航空自衛隊小松基地の現地を隅々まで知っている人でなければ指摘できないものでした。単に「北朝鮮と最先端で対峙する先制攻撃の拠点」というだけではなく、岸田政権にとって「先制攻撃の拠点」にふさわしい基地へ、どのような策をねり、どのように市民を巻き込んで、物理的にも目的を貫徹して基地機能の強化を成し遂げるか、にかかわる論点、視点の提起だったと思います。

 参加者の感想文では、「基地のあるところが最初の攻撃の的になる」に衝撃を受けた女性組合員、「軍隊は民間人を助けてくれない、自らの命を守るために必死だ」にハッとした男性組合員、「知らず知らずのうちに、戦争できる国に加担させられている」と反省する女性組合員、「小松基地が戦争する方向へ進んでいることを知りませんでした」と今後の頑張りを決意する男性組合員、「(DVDで戦争の事実を知りとても悲惨で)心が痛みました」と男性組合員・・・。

これらを見ると、日ごろいかに「仕事」に追われ、忙殺されているのか分かります。人間性、感受性、そして感性そのものがマヒさせられていると感じます。でも最後の感想のように「心が痛む」という感性が大事なのだろうと思います。学習の重要性、組合運動の重要性を再認識した思いです。

一方、ロシアのウクライナ侵略については、「侵略を避けられなかったゼレンスキーとウクライナの権力者が悪くないはずがない」とか「ロシアだけが悪いわけではない、でもそういうとロシアを喜ばすことになる、だれとも争わないのが中立だけど難しい」とか「被侵略国もロシアと同様にクラスター爆弾などを使っている」と判断で悩んでいる様子が窺えます。悩んで大きくなるのでしょう。

私たちは労働組合を主体とする反戦・平和団体は、労働者の側に立って物事を見、分析し、政府・権力者の問題点、横暴を暴き指摘することが使命であると考えます。

従って、ウクライナのゼレンスキーを私たちは評価しません。もちろん、ウクライナに侵略したロシアのプーチンも全く評価しません。しかも、ロシアの平和なデモを弾圧し、指導者を牢獄に閉じ込めるやり方は、まさに「ナチ・ファシスト」そのものです。

ゼレンスキーについては、NHKスペシャル「大統領府 緊迫の72時間」で明らかなように、「ロシア軍に勝てるわけがない、逃げろ、亡命しろ、脱出用ヘリをまわす」などと退避を迫る欧米権力者の誘いに逡巡したであろうが、ウクライナ民衆の決起や抵抗(特にキーウ北西のブチャやボロジャンカで民衆の命がけの抵抗)を情報で知り、それに「勇気づけ」られて「私たちは(逃げないで)ここにいる」という名シーンにつながったのだと確信します。それゆえ、民衆とともにある大統領として圧倒的支持があるのでしょう。(「大統領府 緊迫の72時間」 HP後段「DVD講座」に50号として11/6発行予定。

ほかに、反戦・平和に関する多くの書籍、漫画、絵本、DVDなどを保有しています。県平和センター構成組織の組合員、PEACEネット会員はいつでも無料で借りることができます。)

いずれにしても、私たちはときの政府や権力者、ましてや国家に寄り添うとか、支持するとかというスタンスは全くありません。虐げられ、抑圧され、支配された労働者・市民に寄り添い、権力者の圧政と抑圧に対して闘うのです。これでしか未来は切り開けないと考えます。

 

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