第51回衆議院議員選挙の結果を受けて【声明】

第51回衆議院議員選挙の結果を受けて【声明】

2月8日に投開票された第51回衆議院議員選挙(小選挙区289、比例代表176)は、与党・自民党が公示前から一気に118議席を増やして316議席となり、少数与党の参議院で法案を否決されても衆議院で再可決できる3分の2を超える議席を獲得するという結果となりました。単独政党が3分の2にあたる議席を確保するのは戦後初めてとなります。

自民党と連立を組む日本維新の会は、公示前から2議席を増やして36議席となり、与党は衆議院の過半数(233議席)を大きく上回る352議席となりました。一方、公示日直前に結党された新党「中道改革連合」は、公示前勢力の167議席から大きく減らし、49議席にとどまりました。旧公明党系議員を比例選挙区の名簿順位で優遇し、小選挙区で旧立憲民主党系議員を支援することとしましたが、当選者は旧公明党系議員が公示前の21人から7人増えたのに対し、旧立憲民主党議員は公示前の144人から21人と8割以上も減らしました。大勝した自民党以外でも日本維新の会や国民民主党、参政党やチームみらいも議席を増やし、主要政党では旧立憲民主党が「独り負け」という結果になりました。

 

高市首相は昨年の臨時国会中は「解散を考えている暇はない」と繰り返していましたが、年が明けるや一転して通常国会冒頭の解散を決めました。歴代首相は当初予算案や関連法の年度内成立を優先して年明け早々の解散を避けてきましたが、高市首相が通常国会冒頭の衆議院解散を決断したのは、野党の選挙準備が整わず内閣支持率が高いうちに選挙に打って出て、自民党の議席を増やし政権基盤を安定させる狙いがあったはずです。さらに昨年11月の台湾有事に関する国会答弁により、日中関係はかつてないほど悪化しています。今後の中国の対応次第では、高市政権が看板政策として掲げる経済にも多大な悪影響を及ぼす可能性があります。その他にも本人は否定していますが、旧統一教会との深い関係を週刊誌に報じられるなど、国会で予算委員会が始まると野党から厳しい追及を受け、支持率が低下する可能性がありました。

 

1月19日、記者会見で解散を表明した高市首相は、解散の理由を「国論を二分する政策に挑戦する」と4度も繰り返しましたが、国論を二分する政策が何を指すのかは明らかにせず、「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく。それしかない」と胸を張ってみせました。「国論を二分する政策」を自民党と日本維新の会の連立政権合意書にある主な政策から推察すると、「スパイ」防止法、対外情報庁の創設、防衛装備輸出制限「5類型」の撤廃、防衛力の抜本的強化、日本国国章損壊罪、皇室典範改正、旧姓使用の法制化、外国人政策の厳格化、そして自民党が党是とする憲法「改正」などが考えられます。これまでの自公政権でブレーキ役だった公明党が連立を解消し、保守色の強い政策を掲げる日本維新の会と連立を組んだことにより、これまでの自公政権では示されなかった保守色の強い、国の根幹にかかわる重要政策の大転換を図っていく狙いは明らかです。

昨年12月18日には、首相官邸の幹部が個人の見解と断りながらも「日本は核兵器を保有すべきだ」との考えを示しました。世界で唯一の戦争被爆国である日本は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を堅持してきました。日本が核開発に乗り出せば、日本も加盟する核不拡散条約(NPT)体制崩壊の引き金を引くことになりかねず、国際社会からの批判は必至です。事態を重く見た原水爆禁止日本国民会議は、この官邸幹部の発言に対しただちに抗議声明を発出しました。

2026年度予算の年度内成立が極めて困難となり、極寒の雪国では選挙活動や投票行為の困難さが指摘され、「大義なき解散」という批判も相次ぎました。高市首相は各党の党首が集まる討論番組では直前の連絡で欠席を伝え、欠席の理由を「手の治療」としましたが、その後の遊説活動は予定どおりに行っているばかりか、討論番組の2日前から何人かの自民党議員に代役を打診していたことも明らかになっています。

2月1日に行われた高市早苗首相の街頭演説では、進行する円安について輸出産業の利益などに触れ、「今、ホクホク状態だ」と発言したことに「物価高で家計が苦しいなかで、為替は一般市民に直接の関係はなく、呑気すぎる」と批判を浴び、みずほ銀行は、「みずほマーケット・トピック高市演説を受けて〜危うい現状認識〜」(2026年2月2日) で、「前時代的な発想」だと警鐘を鳴らす異例のリポートを発出しています。

 

今選挙の公示日の1月27日から7日間で、SNSなどの自民党の動画再生回数は昨年の参議院選挙よりも4割近く増え、その内容は高市首相への言及が多く、高い内閣支持率が背景にあるとみられます(毎日新聞)。自民党は今回の選挙戦で、“高市推し”や“サナ活”など社会現象にまでなった党首人気を最大限に利用しました。高市人気で無党派層を掘り起こし、終盤に向かうに従ってその勢いは増しました。「失われた30年」と言われる社会全体の閉塞感の中で、強い物言いや対外的にもひるまない姿勢を演出する高市首相の高い支持率は、「現状を変えてくれるかもしれない」という有権者の期待の表れです。

新党「中道改革連合」は中道勢力の結集を掲げましたが、「中道」が何を指すのかも明確に伝わらず、与党への対抗軸として有権者が期待を寄せる存在にはなりませんでした。突然の解散から新党結成と政治情勢が大きく動く中、中道改革連合の理念や政策を浸透させることが困難であったとはいえ、一強与党対多弱野党の政治情勢に戻した責任は重いと言わざるを得ません。しかし、野党のチェックアンドバランスがなければ民主主義は機能しません。わかりやすい包摂的な言葉で、多くの市民に伝わる形で現政権の問題を指摘することが、野党には求められています。

 

今回の選挙結果は、これからの日本の進路の大きな分岐点となる可能性があります。私たちはそのことを重く受け止めなければなりません。今問われているのは、分断と対立を煽るポピュリズムや右傾化する政治の流れにどうブレーキをかけるかです。戦後80年が過ぎ、この間日本は一度も戦禍にまみれることはありませんでした。一貫して平和国家としての道を歩み、経済成長を遂げました。私たちの運動の成果であることに自信と確信を持てるものです。

しかし、世界では依然として多くの戦争や紛争が起きています。終戦から80年の節目の年が過ぎ、戦争の記憶を継承し平和な未来を築くための運動はより重要視されています。「フォーラム平和・人権・環境」の結成から四半世紀が過ぎました。誰一人取り残さない、軍備拡張ではなく市民の生活第一、対立ではなく対話の政治を取り戻すために、対米追従を強め軍備拡張や憲法「改悪」を目論む高市政権に真正面から対峙し、これまでの取り組みをさらに強化する決意を明らかにします。

2026年2月10日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 染 裕之

共同代表 丹野 久

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アメリカ・トランプ政権によるベネズエラ軍事攻撃糾弾!

鈴木達治郞(NPO法人ピースデポ代表)

 2026年1月3日、世界は衝撃的なニュースで新年を迎えることになった。米国がベネズエラに軍事攻撃を加え、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束したのである。昨年6月にはイスラエルに続いて、米国はイランの核施設を軍事攻撃して破壊している。今回のベネズエラ軍事攻撃に対し、「国際法違反」と批判しているロシアもウクライナ侵攻という国際法違反を犯して軍事行動を行った。米ロという核保有国である大国が国際秩序を崩壊させようとしている現実を、我々は直視しなければいけない。果たして、国際社会は今後どう対応していけばよいのか。今回のベネズエラ軍事攻撃を機会に検討してみる。

軍事行動を規制する国連法(国連憲章と国際人道法)

 そもそも、国連憲章は世界の平和と安全保障を守るための国際条約として、1945年10月24日に発効した国際条約で、全ての加盟国が従う義務を負うものとされている。軍事行動を規制している重要な項目は、第2条第4項である(注1)

「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」

これにより、加盟国は原則として武力による威嚇や武力の行使をしてはいけないことになっているが、実は例外的に軍事行動を認めているのが、次の第51条である。

「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利(注2)を害するものではない。」

今回の米国の行動が、これらの国連憲章に違反するかどうかが問われることになる。今回、ベネズエラが米国に対して、武力攻撃を行ったという事実はなく、自衛権で今回の軍事行動を説明することはできない。これは、昨年6月に行ったイラン核施設への攻撃も同様である。ロシアによるウクライナ侵攻の場合は、領土を奪うなど異なる側面もあるが、武力行使・侵略禁止という点でやはり国連憲章違反といえる。

 さらに、自衛権に基づく軍事行動であったとしても、その軍事行動には「国際人道法」による制約がある。1977年に採択された「ジュネーブ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書」(第1追加議定書)(注3)において、基本原則として文民を保護する目的で「均衡(比例)性原則」(proportionality)」が定められている。これは先行武力攻撃に対する自衛目的の武力行使であっても、その措置は先行攻撃と自衛攻撃で「均衡がとれている」ことを求めるもので、過度に文民の被害をもたらすことのないよう、攻撃対象を限定することが求められている。また追加議定書56条には「危険な力を内蔵する工作物(ダム、堤防、原子力発電所)の保護(軍事施設であっても攻撃をしてはいけない)」が規程されている。ロシアによるチェルノブイリ、ザポリージャ原発への攻撃は、まさにこの56条違反の疑いがある。イランのウラン濃縮施設はその対象ではないものの、2009年に国際原子力機関(IAEA)の総会決議 (注4)「全ての民生用原子力施設への攻撃を禁止する」に違反する行為であると判断される。

ベネズエラ軍事攻撃に関する米国の見解

 これに対して、米国はどのような見解で軍事攻撃を正当化しているのか。イランのウラン濃縮施設攻撃に対しては、「我々は戦争を求めているのではないが、米国市民や同盟国の利益が損なわれると判断したら素早くかつ決定的に行動する」(ヘグセス国防長官)として、「『自衛権』での攻撃だ」との解釈を示している。さらに「正確な攻撃により、イラン軍や市民を攻撃対象とせず、核プログラムを完全に破壊した」(同長官)として、人道法にも違反していないとの説明を行っている(注5)

 ベネズエラ攻撃については、米国内法による「麻薬取り締まり」の延長で、「麻薬の元締めであるマドゥロ大統領を逮捕することが目的であり、軍事行動でも侵略でもない」、との主張である。また、「マドゥロ大統領は正当な大統領選挙で選ばれたのではなく、ベネズエラ国民にとっても、望ましい結果だ」(ルビオ国務長官)との説明である(注6)

 今回の米国の軍事行動を理解する上で、2025年11月に発表された「米国家安全保障戦略」を読み解くことが必要だ。その中で、「西半球における米国の支配を回復するという『モンロー主義』を再び主張する」と述べており、ドナルド・トランプ大統領の頭文字をとって「ドンロー主義」と呼ばれている。また、「武力こそ最善の抑止力である」と明言しており、軍事力による支配を絶対視している点が注目される。さらに、トランプ大統領は、米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、「私を止めることができるのは私自身の道徳心、精神だけだ。(中略)国際法など不要だ」とのべたのである(注7)。国際法を守ることより、武力で自国の利益を追求することが、トランプ大統領の「国家安全保障戦略」であり、このままでは戦後80年継続してきた「法に基づく国際秩序」は崩壊していくと懸念される。

 さらに驚くのは、米有力紙のウォール・ストリート・ジャーナル紙は社説で、今回のベネズエラへの軍事行動を支持する意見を以下のように述べている(注8)

「米国が長い時間をかけ、多大な努力をして構築してきた国際法の集大成を捨て去るのは賢明でないが、それをねじ曲げる行為はもはや無視できない。世界のならず者たちは全てのルールを破っている。そして彼らは違法行為を続ける手段の一つとして、法を順守する民主主義国家にそれを押しつけるようになっている。(中略)世界のならず者国家に対する防御策として機能しているのは、西側諸国の軍事的抑止力だけだ。米国の決意と軍事能力を示すことは、自由世界を防衛し、ロシア、中国、イランを躊躇させる上で、国連の千の決議よりも大きな効果を持つだろう。」(2026/01/06)

これが米国の主流を占める意見だとすれば、なお恐ろしい。

高まる国際批判と懸念

 米国がイランの核施設を攻撃したときも、グテーレス国連事務総長は「世界の平和と安全保障に対する直接的な脅威である」(2025年6月21日)(注9)と述べていたが、今回も強い言葉で米国のベネズエラ攻撃を次のように批判した。

「米国のベネズエラ軍事行動により、世界は深刻な時代を迎えている。(中略)国際法を尊重しない1月3日の軍事行動に対し、強い懸念を表する。(中略)国際安全保障と平和は、全ての加盟国が国連憲章を全面的に遵守することにより保たれる。軍事による威嚇の禁止、法の力が支配する世界であるべきだ」(2026/01/05)(注10)

 世界の有識者も同様の懸念を表して、米国の行動を批判している。以下、国内外からの意見を簡単にまとめた。

・どのような国際法に照らしても、今回の米国軍事行動を説明することはできない。結論は明白だ。米国は主権国家に対する軍事行動という形で2026年を開始したのだ。これには法的正当性は全くない。(注11)(Jannia Dill, Blavatnik School of Government, University of Oxford, UK, 2026/01/07)
・米国憲法においても、戦争を開始する権限は議会にあり、大統領にはない。さらに、軍の行動を規制する権限も議会にはある。今回の行動には国内法からみても全く正当化できない。(注12)(Katherine Yon Ebright, Brennen Center for Justice, New York University Law, US 2026/01/06)
・あらたな賭けは行き過ぎたり、意図せぬ結果を招いたりするリスクをはらんでいる。(イラン・ブレマー 米国際政治学者(26/01/09, 長崎新聞評論))
・これまで米国は一方で国際法違反をしつつも、他方で世界最大の対外援助や自国市場へのアクセス供与で、世界の安定と繁栄に貢献してきた。今やそれらの「善行」はみられない。『米国の時代』の終わりがさらに早まりかねない。(石井正文 りそな総合研究所理事2026/01/07、長崎新聞評論)

国際社会はどう対応すべきか

 超大国が国際法を軽視し、核兵器をはじめとする巨大な軍事力を背景に世界を支配するような時代が目前にせまっている。そのような危機感を代表して、カナダのカーニー首相が1月に開催された「ダボス会議」で行った演説 (注13)を引用して、本論のまとめとしたい。

「本日私は、世界秩序の断絶、美しい物語の終焉(しゅうえん)、そして大国間の地政学が一切の制約を受けない残酷な現実の始まりについて話します。しかし同時に申し上げたいのは、カナダのようなミドルパワー(中堅国家)をはじめとする他の国々が無力ではないということです。これらの国々は人権尊重、持続可能な開発、連帯、主権、領土の一体性といった、私たちの価値観を体現する新たな秩序を構築する能力を持っているのです。(中略)率直に申し上げます。私たちは移行期ではなく、断絶の真っただ中にいます。(中略)ミドルパワーは結束して行動しなければなりません。強い者には強い者の力があります。しかし、私たちにも力はあります―偽りを止め、現実を直視し、国内で力を蓄え、共に行動する力です。」

 カーニー首相の言うとおり、大国に依存するだけではなく、ミドルパワーが国際法・秩序に基づき、連携していくことが、現在の危機を乗り越える唯一の道かもしれない。

 

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【原水禁声明】原子力事業者の適格性欠如と原子力政策の根本的破綻を訴える

【原水禁声明】原子力事業者の適格性欠如と原子力政策の根本的破綻を訴える

柏崎刈羽原発は、2011年に東京電力福島第一原発事故を引き起こした当事者である東京電力が運転主体となる原発である。事故の収束は見通せず、廃炉作業の先行きは不透明で、被災者に対する補償も不十分である。「ALPS処理水」や高濃度汚染の廃棄物処理、除染土と、廃炉作業を進める中でさらに問題は深刻化してきている。原発事故を引き起こした当事者として自らの責任を果たしていない東京電力に原発を動かす資格はない。まず東京電力がなすべきは、再稼働ではなく、福島第一原発の安全で確実な廃炉措置を進めることである。

今回の柏崎刈羽原発再稼働にあたって「地元合意」が強調されているが、その実態は知事の判断を県議会が追認したに過ぎない。「再稼働の条件は整っていない」「東電による運転を不安視する」という県民意識調査で多数を占めた声に応えることなく、住民投票による意思表示さえさせないまま再稼働への判断が下されたことは、民主主義のあり方としても大きな疑問を残す。

東京電力は当初1月20日の再稼働を予定していたものの、直前で制御棒の警報不具合で延期とし、21日未明に点検を終え、その日のうちに柏崎刈羽原発6号機を再稼働させた。しかし稼働から5時間で、原子炉から制御棒を引き抜く作業中にトラブルが発生し、作業を中断、その原因の特定に時間がかかるとして、原子炉を停止する判断となった。一連のお粗末な対応は、15年前の原発事故の教訓を忘れ、再稼働ありきで、安全最優先という基本姿勢を蔑ろにする企業体質を明白なものとした。

原子力発電事業者の不祥事、トラブルに関しては枚挙に暇がない。

中部電力も安全意識の欠落が明らかである。浜岡原発再稼働に向けた審査で、安全対策の水準となる基準値振動のデータ捏造問題が発覚した。

さらに、外部通報がなければわからなかったという事実は、原子力規制委員会の安全審査の信頼性そのものまでも疑念を生じさせる。再稼働を渇望する原子力事業者への「お墨付き」を与えているのみで、原子力規制庁・規制委員会の審査に限界があることはだれの目にも明らかになった。

東京電力福島第一原発事故の発生からまもなく15年となるが、今なお多くの人びとが避難を強いられ、ふるさとや生活を奪われたままである。事業者の安全管理体制が十分ではないにもかかわらず、日本政府は原発推進、積極活用へと再び舵を切った。私たちは被害者の苦しみに背を向け、原発事故をなかったかのように政策を推し進めようとする政府の姿勢を決して許すことはできない。

もはや原子力災害に対する「想定外」など存在しない。経済一辺倒で、安全を二の次にするような原子力政策そのものを今すぐ撤回すべきである。

2026年1月23日

原水爆禁止日本国民会議

共同議長 川野浩一

金子哲夫

染 裕之

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立憲民主党と公明党の新党結成について【事務局長談話】

    1月15日、立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表は国会内で会談し、「中道改革」勢力の結集をめざし、新党を結成することで合意したと報じられました。政局が大きく動こうとする数十年に一度の大きな転換点で、両党の判断と挑戦の決意を「フォーラム平和・人権・環境」は重く受け止めます。
2025年10月21日、高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に任命されました。保守的な政策を掲げる日本維新の会との連立政権は、日本政治を大きく右傾化させる危険性をもつことが懸念され、先の臨時国会ではGDP比2%とする防衛費増の目標について、2年前倒しして補正予算と合わせて2025年度中に達成させました。連立政権合意書には、憲法9条「改正」に向けた条文起草協議会の設置や「スパイ防止法」の制定、長距離ミサイル保有の推進など平和や暮らしを脅かす「戦争する国づくり」につながる政策が明記されています。連立政権が進めようとするさらなる防衛費増は、今でも不十分な教育費や社会保障費などの予算にしわ寄せが行き、暮らしが立ち行かなくなる懸念が強まるばかりです。
台湾有事をめぐる国会答弁は、間違いなく高市首相の軽率な失言であったにもかかわらず、政権発足以降、各社の世論調査では75%以上の高い内閣支持率を維持しています。しかし高い支持率の背景は、大国にもひるまない高市首相の強いリーダー像に捉えられ、不安定さを増す安全保障環境や閉塞する社会に不安をもつ市民に根拠のない期待を抱かせ、一斉に同じ方向に走り出させる「スタンピード現象」に他ならず、実態のない支持率は高市政権の危険性でもあります。
立憲民主党は、2017年10月の「希望の党騒動」の際に、希望の党を立ち上げた小池都知事の「排除する」発言に反発した有志議員で結党されました。「立憲」という文字に込められた党の思いや、排除ではなくすべての市民を包摂する精神を支持する市民の得票で、直後の衆議院選挙で野党第一党となりました。この結党時の姿勢のまま党勢の拡大を期待しましたが、その後の8年余りで、日本政治と立憲民主党を取り巻く環境は劇的な変化を遂げました。極右勢力の台頭、分断をあおる政治、目先の利益に訴える悪しきポピュリズムの流れによって、歴代政権の中でも特に保守的な高市政権が誕生するに至りました。
今問われているのは、分断と対立を煽るポピュリズムや右傾化する政治の流れにどうブレーキをかけるかです。新党が掲げる「中道」について立憲民主党の野田代表は、勇ましいことを言う政治に対抗して国民の暮らしに直結した課題を実現し、人道や平和、人権に力を入れていく政党だと述べています。また公明党の斉藤代表は、分断と対立の政治手法ではなく、異なる意見を聞き、そして合意形成を図っていく政治手法、大きく包み込む包摂主義、共生社会を目指していくということも中道主義の一つの側面だと述べています。
高市首相は1月23日開会予定の通常国会冒頭で衆議院を解散し、早ければ2月8日にも投開票が行われると報道されています。高市首相は高支持率を背景に、単独過半数を狙うための「大義なき早期解散」に打って出ます。私たちは高市政権の姑息な目論見を打ち砕き、誰一人取り残さない、軍備拡張ではなく市民の生活第一、対立ではなく対話の政治を取り戻すために、来る衆議院選挙では高市政権に代わる、私たちのめざす方向性を共有できる政権の枠組みに向けて、これまでの取り組みをさらに強化する決意を明らかにします。

2026年1月16日
フォーラム平和・人権・環境
事務局長 谷 雅志

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ひのえ午 年賀状 2026年を平和で安全で住みよい年に!

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2026.1.6「新春の集い」 ANAホリディイン金沢スカイ18階

司会の岩㟢純一副代表

主催者挨拶   橘広行県平和運動センター代表

知事代理の挨拶後、挨拶する連合石川小水康史会長

 

 

 

近藤和也衆議院議員・立憲民主党県連代表

盛本芳久社民党県連代表 岩淵正明社会法律センター理事長

挨拶に聞き入る各界の面々 今村憲一第7次小松基地爆音訴訟原告団長 北野進志賀原発を廃炉に!訴訟原告団長 乾杯の音頭    平田和伸県勤労者協議会連合会会長 闘う方向を確認した団結がんばろう!

※ご参加、ありがとうございました。話は早すぎますが、来年は、ANAホリディイン金沢スカイは建て替え工事に入るとのこと。別会場になる可能性大です。

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武力攻撃によるベネズエラの政権交代を目論むアメリカを非難し、平和な世界の実現に向けた奮闘を決意する【声明】

武力攻撃によるベネズエラの政権交代を目論むアメリカを非難し、

平和な世界の実現に向けた奮闘を決意する【声明】

 トランプ米大統領は3日、アメリカ軍がベネズエラの首都カラカスで軍事作戦を行い、ニコラ・マドゥロ大統領とその妻を拘束したと発表した。トランプ米大統領は、ベネズエラへの攻撃とマドゥロ大統領拘束の表向きの理由を「麻薬流入対策」としているが、明確な根拠も示さず「麻薬密輸船」とする船舶を攻撃して乗組員を殺害するというこれまでの軍事行動は、明らかな国際法違法である。軍事力の行使による他国への侵攻となればなおさら法的に正当化できる理由は見当たらない。ベネズエラがアメリカを攻撃したわけでもなければ、国連安全保障理事会による決議も経ていない。アメリカの真の狙いは、マドゥロ政権の転覆であることは明らかである。世界最大規模の原油埋蔵量を誇るベネズエラの石油利権への関与について、トランプ大統領はあからさまに意欲を示している。ベネズエラの今後の先行きは不透明で、権力の空白によって地域情勢が不安定になる恐れも指摘されている。

マドゥロ大統領が不正な選挙で大統領に就任し、違法な麻薬取引や権力の私物化、自国民の基本的自由を踏みにじる冷酷な独裁者だとしても、一方的な武力攻撃や身柄の拘束は決して許されない暴挙である。トランプ米大統領はマドゥロ大統領拘束後の記者会見で、アメリカにとって望ましい政権に移行するまで今後はアメリカがベネズエラを「運営する」とまで述べ、協力しなければ再攻撃もあり得ると警告している。

日本の高市首相は自身のSNSに「日本政府としては私の指示の下、邦人の安全確保を最優先としつつ、関係国と緊密に連携して対応にあたっている」と投稿。さらに「これまでも一刻も早くベネズエラに民主主義が回復されることの重要性を訴えてきた。情勢の安定化に向けた外交努力を進めていく」と述べるにとどまっている。

昨年の臨時国会で台湾有事を日本の存立危機事態とした高市首相の国会答弁で、日中関係はかつてないほど冷え込んでいる。高市首相はその後、中国に対する姿勢について「建設的かつ安定的な関係の構築」という考えに一切変わりはないと繰り返している。さらに年頭の所感では、「我々が慣れ親しんできた自由で開かれた国際秩序は揺らぎ、覇権主義的な動きが強まっている」と世界における不安定要因を挙げ、「世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を実現するため、絶対に諦めない覚悟をもって、国家国民のために懸命に働いてきた」と強調した。高市首相がこうした姿勢を堅持するならば、「ならず者」のように振る舞うアメリカに対しても毅然とした姿勢で、真の平和的解決に向けて働きかけるべきである。そして米欧はもちろん、アジア各国とも意思疎通や連携を図り、世界の課題解決を進める年にすべきである。世界平和に向けた日本の使命や責務は大きい。

世界情勢が地政学的にも経済的にも混迷を深めたまま新たな年を迎えた。先行きが見通せないからこそ外交努力による交渉力、対話力が求められる。力による現状変更に訴える大国・アメリカの国際法違反の武力行使を糾弾し、日本政府がアメリカ追随の外交姿勢を改めることを強く求め、2026年の年頭にあたり「フォーラム平和・人権・環境」は、平和な世界の実現に奮闘する決意を表明する。

2026年1月5日

フォーラム平和・人権・環境

 共同代表 染 裕之

 共同代表 丹野 久

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機関紙「PEACE石川」No67 高市「存立危機事態」発言に反対! スパイ防止法は戦時体制づくり・現代の治安維持法だ!

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泊原子力発電所3号機にかかる北海道知事の再稼働同意に対する北海道平和運動フォーラム声明

泊原子力発電所3号機にかかる北海道知事の再稼働同意

に対する北海道平和運動フォーラム声明

鈴木北海道知事は、安全を第一としながらも、原子力規制委員会の審査合格、地域住民の避難対策、再稼働後の電力料金の値下げ、脱炭素電源の確保による道内経済の成長および雇用の確保、温室効果ガスの削減を理由に挙げ、「当面取りうる現実的な選択」として、12月10日の道議会予算特別委員会において、北海道電力泊原子力発電所3号機の再稼働に同意した。

後志管内の各町村や道内6か所での説明会では、道に対して「原子力発電所を運転することによる放射能汚染の心配」や「地震などの自然災害による発電施設の事故の心配」など、再稼働に対する不安や反対する多くの声が寄せられている。

また、「12.5万年前以降の活動を否定できない活断層であること」「泊原発の重要施設の大部分が埋立地で大地震時には液状化・地割れ・不等沈下の危険がある」など地層学者の指摘もあり、泊発電所本体の安全性が担保されていないなかで、住民の不安は払しょくされておらず、道民の命よりも、現実的な選択が優先される判断は断じて容認することはできない。

さらに、原発を稼働することに伴って生じる放射性廃棄物、いわゆる核のゴミ処理の問題や使用済み核燃料のリサイクルの問題、最終的に必ず訪れる廃炉の問題などを総合的に判断するならば、泊原発3号機を再稼働させるべきではない。

北海道平和運動フォーラムは、道民の安全・安心を最優先に、すべての市民団体や労働組合などと連携するとともに、再稼働に不安を感じている地域住民の声を受け止めながら、泊原発3号機再稼働を許さない取り組みについて、粘り強く進めていくことを表明し、声明とする。

以 上

2025年12月10日 北海道平和運動フォーラム

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防衛大学校いじめ国賠訴訟、東京高裁不当判決に抗議する声明

東京高裁不当判決に対し抗議する声明

2025年12月8日 防衛大学校いじめ国賠訴訟弁護団

1(判決の結論)

2013年4月に防衛大学校に入学した元学生が、 上級生から学生間指導に名を借りた理不尽な仕打ちや嫌がらせを受けるなどのいじめを受けたことで適応障害やうつ病、さらにはPTSDまでも発症し、言葉を発することが困難になったことについて、 国及び上級生1名を被告として損害賠償を求めていた訴訟において、東京高等裁判所第11民事部(三木素子裁判長)は、2025年12月8日、元学生の控訴をいずれも棄却する判決を言い渡した。

2(判決の理由)

判決は、上級生からの元学生に対する不法行為、及び、教官らの安全配慮義務違反のいずれについても、いじめとは認められないとの理由で、違法性を否定している。しかしながら、上級生からの元学生に対する不法行為には、暴行などの有形力を行使したものや当時の教官らも不適切な指導と評価するものがあった。

また、元学生が2年生の時に上級生からの不適切な指導を原因として過呼吸を発症 したことを、教官らは認識していたにもかかわらず、 加害者である上級生に対して不 十分な指導しか行わなかったことで、 元学生が3年生に進級した直後にも同じ上級生 から不適切な指導を受けて、同じように過呼吸を発症することを防止できなかったと いう出来事があった。

元学生に対する理不尽な仕打ちや不適切な指導をいじめと評価しないとしても、こ れらの行為の違法性は当然に認められるべきであったが、判決はこれらの行為につい ても、いじめではないとの理由で違法性を否定したのである。

3 (最後に)

防衛大学校では、上級生が下級生を指導する学生間指導が広く行われているが、 学 生間指導では指導に名を借りた理不尽な仕打ちや嫌がらせが蔓延しており、いじめの 温床となっている。しかも、学生間指導として理不尽な仕打ちや嫌がらせを受けた下 級生が上級生になると、今度は自分が受けた理不尽な仕打ちや嫌がらせを下級生に対 して繰り返すという、負の連鎖が絶えることなく続いている。

防衛大学校は、 幹部自衛官の養成機関である。 幹部自衛官の養成課程において、 人 権意識が欠落した理不尽な仕打ちや嫌がらせがまかり通る現状を許すのでは、 自衛隊 全体において人権意識を涵養し、ハラスメントをはじめとした人権侵害を防止、根絶 することは到底実現できない。

東京高裁の判決は、 防衛大学校における規律の乱れや不祥事の横行に目をつぶり、 被害者の救済を拒否する極めて不当な判決である。 弁護団としては、このような不当 な判決に断固として抗議するものである。

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