15:30~ 志賀原発について県、北電に申し入れ
県平和運動センターは10日、社民党石川県連合、県議会会派スクラム喜望の議員とともに、志賀原発の安全管理体制の見直しなどを求め石川県と北陸電力に対して申し入れを行った。定期検査で配管6箇所に12本のひび割れが見つかったほか、原子炉格納容器内で4.3トンの水が漏れるなど定検中の作業ミスが相次いでいるためで、県は東方環境安全部長が、北電は尾山部長、奥谷部長らが対応した。
東方環境安全部長は定検時の作業ミスについて遺憾としたが、ひび割れ配管の実測検査については、改良型超音波探傷試験の測定結果は信頼できるものであるとし、北陸電力に対し実測検査を求める考えは示さなかった。北陸電力では奥谷部長らが問題の配管は新しい配管に取り替えるので実測検査をする考えはない、国の検討委員会の報告に基づいて対応しているので信用して欲しいとのことであった。また、これまでの水漏れ事故等についての報告を求めたが把握していないとのことで、一同唖然とする一幕もあった。すべてを把握していないということと訂正があったが、具体的な事故件数の報告はなく、実測検査の問題も含め、基本的には我が社を信用してくれという一点張りであり、県民に安心してもらおうという姿勢は相変わらず感じられなかった。
2003年10月10日
石川県知事 谷本 正憲 殿
石川県平和運動センター
代 表 嶋 垣 利 春
社会民主党石川県連合
代 表 宮 下 登詩子
申 し 入 れ 書
9月25日、原子炉格納容器内で制御棒駆動機構の取り付け作業中、約4.3㌧もの原子炉水が漏れ出すトラブルが発生した。5月31日、6月9日、26日、27日につづいて5度目の定検作業中のトラブルであり、しかも今回は原子炉から直接の漏水である。幸い運転停止から5ヶ月以上経っていたものの、放射能量も430万ベクレルに達している。
北電は法律、通達上の報告対象ではないとしているが、これだけ連続すると定検作業の実態はどうなっているのか疑問である。毎回、「再発防止策を策定し、作業管理を徹底する」としてきたが、マスコミ発表をみても北電は事態を深刻には受け止めていない。こうした安全軽視の姿勢が相次ぐトラブルの背景にあると考えざるを得ない。
また、再循環系配管ひび割れの再点検については、9月3日時点でBポンプ系は10ヶ所、Aポンプ系は2ヵ所のひび割れが判明し、いずれも該当配管個所を取り替えることとなった。いずれも超音波探傷検査の結果によるものだが、5月28日の申入れでも明らかにしたように、超音波探傷検査の正確さについては十全とはいいがたい事実がある。
その後、新たに採用された超音波探傷検査の有効性を実証する上でも、切り取った配管の実測検査が不可欠である。切り取った配管は貴重な資料でもある。
そこで以下のとおり申し入れますので、貴職の誠意ある回答を求めます。
記
1. 定検作業全体の安全管理体制の見直しを行うこと。
2. 今回、炉水をかぶった2名の作業員のヒバク検査内容とデータを明らかにすること。
3. 今回の定検以前に水漏れ事故はなかったのか、あれば事実経過を明らかにすること。
4. 切り取った配管の実測検査を早期に実施し、そのデータを公表すること。
以上