美浜原発事故で県へ申し入れ

美浜原発事故で県へ申し入れ

県・申し入れ


2004年8月12日

石川県知事 谷本 正憲 殿

石川県平和運動センター代表 嶋垣 利春

社会民主党石川県連合代表  宮下登詩子

申し入れ書

 関西電力美浜原発3号機タービン建屋での配管破断・蒸気噴出事故は、作業員4人が死亡、2人が重体、5人が負傷するという日本の原発史上最悪の大惨事になった。これまで多くの重大事故は突然起きたのではなく、幾つかの小さな事故が先行しており、手抜き・効率優先などの安全軽視が背景にあった。今回もまったく同様であり、過去の教訓が生かされなかったことは、実に残念である。
 とくに問題なのは、余りにも危険で巨大な放射能が炉心部にあることに目を奪われ、原発が無数の配管とシステムでつながっている施設であることを忘れてしまうことである。詳細な原因究明はこれからとしても、背景に2次系配管の点検の軽視や同原発2号機の相次ぐ冷却水漏れ事故や炉型は違うが浜岡原発1号機の配管破断事故の軽視があったのではないのか。
 また、本当に原因究明と再発防止のためには、自主点検をふくめ原発の点検の全体を明らかにすることが必要である。私たちは、99年6月の非常用発電機のひび割れ事故時から定検マニュアルの公開を何度も訴えてきた。事故のたびに当該部分だけを小出しにする今までの対処では、重大事故と取り返しのつかない惨事を繰り返すだけである。
 「幸いにも放射能漏れがなかった」が、それは加圧水型原発だったからである。炉心からの蒸気で直接タービンを回す沸騰水型原発で、今回のような事故が起きれば、事態はいっそう深刻である。「あれは関電のこと」「事態の推移を見て」などという対応は許されない。他山の石としなければ、必ずや禍根を残すことになるであろう。
北陸電力も98年1月、前代未聞の寸法ミスと手抜き溶接の結果、給水加熱器の防熱板が落下して復水器を損傷、運転停止する事故を起こしている。昨年6月には、復水器内の配管とさや管の溶接部でひび割れ(長さ13㎝、深さ8mm)、同じく復水器配管溶接部2ヶ所にひび割れ(長さ26㎝と15㎝、配管を貫通)が判明している。また定検中のことではあるが、昨年6月、連続6回の水漏れ事故があった。うち2回はタービン建屋でいずれも8名の作業員があふれた水をかぶっている。急ぎ冷却系統を緊急点検すべきである。
そこで、以下のとおり申入れますので、貴職の迅速かつ誠意ある対応を切に要請いたします。

1.北陸電力に対し、志賀原発1号機の冷却系統の全面的な点検を求めること。

2.国及び北陸電力に対し、自主点検を含む点検内容の全体を明らかにするよう求めること。
以上

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