在日米軍の相次ぐ事件・事故に抗議する声明
2017年12月14日
フォーラム平和・人権・環境
(平和フォーラム)
共同代表 藤本 泰成
またしても米軍機の部品落下事故が起きた。12月13日午前10時過ぎ、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地に隣接する普天間第二小学校の校庭に、米軍の大型輸送ヘリCH53Eの窓枠とみられる1メートル四方の物体が落下し、児童1名が怪我をした。7日にも今回事故を起こした輸送ヘリの同型機が、普天間市内の保育園に部品を落下させていた。この1週間に2件も立て続けに事故を起こすのは異常事態だ。
部品の落下した校庭では、50名の子どもたちが体育の授業を受けていた。一歩間違えれば大惨事になるところだった。いつも頭の上を気にして走り回り、遊ばなければならない、この子どもたちの現実を許してはならない。
しかしこの間、在日米軍の事件・事故が多発してはいないか。昨年12月名護市沖でのオスプレイ墜落事故以降も、オスプレイをはじめCH53E大型ヘリの緊急着陸事故が相次ぎ、10月には沖縄・高江の民間地に大型ヘリが、11月には嘉手納基地を離陸したC2輸送機が沖ノ鳥島沖で墜落事故を起こした。その他嘉手納基地などでは外来の米軍機の緊急着陸事故も多発している。この事態は沖縄だけではない。神奈川県米海軍横須賀基地においても、所属する米海軍イージス艦11隻のうち5隻が、衝突事故、座礁、乗員の行方不明などの事故・事件を起こしている。広島県の住宅街上空では米軍戦闘機がフレアを発射する事件も起きた。
一連の事故の背景には何があるのか。米軍の事故報告書は、おしなべてパイロットなど乗組員の問題に事故原因を求めているが、そうではない。オスプレイは機体に構造上の欠陥を持っている。軍隊内では任務拡大によって、これまでに習熟していない役割をも課されている。そしてオーバーワークが日常的な現場でもある。これらが、米軍の機能強化が図られる中なかで蔓延している結果、機体の整備にも、操縦にも影響を及ぼし、事件・事故につながっている。
軍隊というそもそも抑圧的な社会の中で、さらに軍務が過酷になれば外へのはけ口を求めることも明らかだ。米海兵隊員が飲酒運転をしたあげく、沖縄県民を死亡させる事故もつい11月にあったばかりだ。
日本政府は、事件・事故が起こるたびに「再発防止」と「綱紀粛正」を米軍に求めてきた。しかし米軍は、その場しのぎの対策しかとっていない。日米の軍事一体化が進み、基地機能の強化が図られることになれば、同様の事件・事故はますます増えていくことだろう。基地周辺の住民のいのちとくらしを守るには、単に「再発防止」と「綱紀粛正」では済まされない。日米地位協定の改定を含め、在日米軍に対する規制を作り上げなくてはならない。
平和フォーラムは、相次ぐ在日米軍の事故に抗議するとともに、基地縮小・撤去を視野に入れつつ、危険と隣り合わせにある基地周辺住民、とりわけ沖縄の現状を改善させるための闘いを力強くすすめていく。
以上