2016年5月19日、先月から行方不明になっていた、うるま市の20歳の島袋里奈さんの遺体が見つかり、元海兵隊員で米軍属の男性が死体遺棄の容疑で逮捕されたと報道があった。容疑者は殺害を示唆する供述をしているとも報道されている。
まだ20歳の未来ある彼女が、突然に人生を終わらされたことが口惜しくてならない。どれほどの恐怖の中、無念の死を遂げただろうか。彼女の無事を祈っていた家族、恋人、友人など周りの人たちの悲しみは計り知れない。
私たちは、この事件に強いショックと憤り、深い悲しみを覚え、このような痛ましい事件を引き起こし続ける米軍基地を撤退させないアメリカ合衆国政府、日本政府に満腔の怒りをもって抗議する。
軍隊は、そもそも人を傷つけ、殺すために存在している。
1955年に幼い少女を米兵が強姦し殺害した事件がおきたのも石川市、現在のうるま市だった。
1995年に小学生の少女を米兵が集団強姦した事件の際にも、日米地位協定によって加害者の米兵に対して実効的な捜査ができなかった。この事件を機に、日米地位協定の運用の改善が合意されたものの、その後も凶悪事件が後をたたない。
子どもや女性に対する暴力、人権侵害はもちろん、ひき逃げ、タクシー強盗など、米兵による事件事故の被害は、老若男女とわず降りかかり得る。軍隊は結局、何を守っているのだろうか?少なくとも、住民の安全は守られていない。先日、観光客の女性が被害にあったことを思えば、同じ場所にいるだけで危険きわまりない。
米軍は何度となく、「遺憾の意」を示し、「綱紀粛正」を図るが、いつもいつも、それを忘れたかのように悲惨な事件事故が引き起こされるのだ。
基地と隣り合わせの生活であるからこそ引き起こされてきた、このような残酷な事件を根本的になくしていくためには、基地の撤去しかありえない。たしかに事件事故は米兵、米軍属でなくても起こすことがあるだろうが、基地さえ無ければ起きなかった事件事故は、そもそも起きなくてもよかった事件事故なのだ。
しかし、日米両政府は、基地を撤去するどころか、「危険な普天間基地の代替」と称して、新たに最新鋭の設備を備えた基地を、同じ沖縄県の名護市辺野古に建設しようとしている。辺野古周辺の住民は危険にさらされてもいいというのだろうか。どこに住んでいようが、誰の命も、軽く扱われてはならない。
私たちの住む京都にも米軍のXバンドレーダー施設が建設され、米兵や米軍属が闊歩するようになってきており、彼らのからむ事件・事故も発生してきている。
沖縄に押し付けられてきた基地の痛みは、私たちにも通じるものである。
すべての基地の撤去を!
NoBase!沖縄とつながる京都の会