おしどり「マコ・ケン」の東電記者会見場でのやりとり(2011.4)

【参考資料】2011年、大気中にどれだけ放射性物質を放出しているか引き出したとき

(1回目)

Q:私がいないところで既出でしたら申し訳ないで すけども、夜間放出されている水蒸気に含まれる概算の Bq 数を教えてくだ さい。

A:まず東京電力からお答させていただきますが、ご質問が夜間、水蒸 気、白い煙で出ているが、その放射能がいくらかというご質問だと思いま すが、そういった内訳では評価しておりませんで、先般ご報告させていた だいているのは現在原子炉建屋からどれぐらい放射性物質が放出されてい るかという形で評価させていただいております。概要は現在西門のところでダストを分析しておりますが、ダストとして観測されている放射能が原 子炉建屋から全て飛んできたものという形で評価させていただきますと現 在 1,2,3 号機、原子炉建屋から 3 基合わせて約 10 億 Bq/h ということで セシウム 134、137 が放出されていると評価しています。

Q:分かりました。ありがとうございます。夜間出てくる白い煙のおおよその 普通に通常出る放射性物質、核種と余り変わりはないという認識でよろし いでしょうか。

A:(東電)はい、水蒸気の形で出ておりますので、例えば使用済燃料プールの いわゆるセシウムの濃度がそのままの形で出ているというよりも何分の 1 かで移行する割合で出ていると思います。が、現在での夜間ということで あれば昼夜憚らず出ているというふうに見ていただいた方がいいと思いま す。

(2回目)

Q:私が 4 月 19 日 から各原子炉から出ている放射線物質、水蒸気のものとかを質問してたん ですけれども、その時に建屋の上にモニタリングを置いてその値を評価す るのに時間がかかるとお答えをいただいてたんですけれども、今回この 10 億 Bq/h というのは、西門のダストサンプリングということで以前からおっ しゃってた建屋の上のモニタリングというのは活用されなかったんでしょ うか。

で、あと 4 号炉の使用済燃料プールから煙が上がっているのではな いかとも質問していたんですけれども、この 10 億 Bq/h というのは、1 号炉 から 3 号炉ということで、4 号炉からは何も放出されていないということで しょうか、お願いします。

A:まず今回の方法は西門でのダストから算定したものでござい ますが、ご質問にあったとおりコンクリートポンプ車等使って原子炉建屋 の上のサンプリングも行っております。ただ、こちらの値を直接使うにあ たりましては、結局、原子炉建屋から直接出てきているものと既に風等に 飛んできて原子炉建屋の上にあるものを分離しないと正確な評価ができま せんので、これが全量原子炉建屋から出ていると仮定して計算もできます けれども、そういう意味では今回使用しなかったということになります。 それから、1 号機 2 号機 3 号機と 4 号機でございますが、4 号機は使用済燃 料プールの中に、全ての燃料が入っておりまして、原子炉側は空でござい ます。したがいまして四号機から放出されるとすると、使用済燃料プール の溶け込んでいますセシウムが水の蒸発等にしたがって一緒に出てくると いうことでございますけれども、こちらは 1、2、3 号機から直接出てくる ものと比べますと相当割合としては小さいというふうに見ておりますので、 評価上は 1、2、3 号機で十分ではないかと思っています。

Q:4 月に聞いていた時には、4 月、5 月と聞いていた 時にはその建屋のモニタリングを考慮するということでまだ評価できない というお答えだったんですけれども、西門のダストサンプリングで大体の 概算が出るのなら、その時点でお答えいただけたと思うんですけれどもい かがでしょうか。

A:おっしゃるとおりでございまして、当時それぞれの段階で西門のダ ストから算定できるというところは可能であったというふうに思っていま す。ただ、西門のダストもですね、万一空気中の放射性物質の濃度を記載 させていただいておりますけれども、かなり値としては横ばいの状態がず っと続いておりますので、どの時点で評価するかによりまして、余り変わ らないという状況になっています。したがいまして、当時 4 月、5 月の段階 では、もっと別の方法があるのではないかというふうに見ておりましたけ れども、今回やはり何らかの方法で原子炉建屋から放出された放射能の量 の評価が必要であろうということで、今回は西門のダストから評価すると いう方法を選択したものになります。

Q:分かりました。では、4 月、5 月の段階で放出される概算の Bq 数は 10 億 Bq/h より大きいのでしょうか、小さいのでしょうか。

A:そうですね、はっきりしたことはちょっと評価してみないと分かり ませんけれども、現在手元にあるデータですが、5 月 25 日までしかござい ませんので、その前を遡って、今回使用した数字は 1×10 のマイナス 5 乗 をベースに評価しておりますので、それの値が 10 倍になれば 10 倍の値と いうことで評価は可能だと思っています。

Q:分かりました。では、西門のダストサンプリングから出る概算の Bq 数を 4 月の分も遡った分も公表していただきたいと思うんですけれども如何でし ょうか。

A:ちょっと準備はさせていただきたいと思いますけれども、4 月分等 に関しましては、既に原子力安全委員会さんの方で評価が行われておりま して、4 月の 4 日から 6 日、4 月の 4 日の午前 9 時から 4 月 6 日の午前 0 時 ですと、2.9×10 の 11 乗 Bq/h というような評価結果が出ておりますので、 その間を埋めていくということになろうかと思います。

Q:分かりました。よろしくお願いいたします。

 

【資料まとめ】大気中に放出される放射性物質の推移

(毎月、東京電力から出される「原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果」より、《評価》を抜粋)(赤字は増加に関する評価、青字は減少に関する評価)

【2015年4月の評価】

3号機について,従前の評価手法では月一回(4/7)の流量と濃度の測定結果より放出量を評価していた。

今回は従前の評価手法と比べて,4/1~4/30 までの流量と濃度を評価した結果,機器ハッチの濃度が約3 倍,漏洩量が約7倍となったことにより放出量が増加した。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_150525-j.pdf

【2015年5月の評価】

4月と比較すると1号機は,連続ダストモニタ値の月間平均が高めであったことから,連続性を考慮した評 価により放出量が増加した。

3号機は,機器ハッチにおける連続ダストモニタ値の月間平均は変わらないが, 連続ダストモニタ値のばらつきにより,月一回の空気中放射性物質濃度測定値と連続ダストモニタ値の比 が減少したため,放出量が減少した。

なお,2号機及び4号機は,先月の放出量評価結果と同等であった。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_150610-j.pdf

【2015年6月の評価】

5月と比較すると1号機は,連続ダストモニタ値の月間平均は変わらないが,連続ダストモニタ値のばらつき により,月一回の空気中放射性物質濃度測定値と連続ダストモニタ値の比が増加したため,放出量が増加 した。

2号機は,ブローアウトパネルの隙間における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が増加したた め,放出量が増加した。

3号機は,原子炉直上部における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が減少 したため,放出量が減少した。

4号機は,先月の放出量評価結果と同等であった。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_150710-j.pdf

【2015年7月の評価】

1号機について,建屋カバー解放に伴う放出量評価を追加した。

建屋カバー解放後の放出量は,前回カバ ー解放時(2014 年 11 月)とほぼ同等であった。

6月と比較して,建屋カバー解放前の 1 号機は,連続ダスト モニタ値の期間平均が低下したこと及び連続ダストモニタ値のばらつきにより,月一回の空気中放射性物 質濃度測定値と連続ダストモニタ値の比が減少したため,放出量が減少した。

2号機は,ブローアウトパネ ルの隙間における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が減少したこと及び当該箇所の月間漏洩率が 減少したため,放出量が減少した。

3号機及び4号機は,先月の放出量評価結果と同等であった。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_150812-j.pdf

【2015年8月の評価】

7月と比較して1号機は,連続ダストモニタ値のばらつきにより月一回の空気中放射性物質濃度測定値と連 続ダストモニタ値の比が減少したため,放出量が減少した。

2号機は,先月の放出量評価結果と同等であっ た。

3号機は,機器ハッチにおける連続ダストモニタ値の月間平均と月間漏洩率が増加したため,放出量が 増加した。

4号機は,月一回の空気中放射性物質濃度測定について試料採取時間を延ばすことにより,検 出限界値を下げる取り組みを行い,放出量(評価値)はわずかに減少した。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_150915-j.pdf

【2015年9月の評価】

8月と比較して1号機原子炉直上部,1号機建屋隙間,3号機機器ハッチは,連続ダストモニタ値のばらつき により月一回の空気中放射性物質濃度測定値と連続ダストモニタ値の比が増加したため,放出量が増加し た。

また2号機は,ブローアウトパネルの隙間における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が増加した ため,放出量が増加した。

4号機は,先月の放出量評価結果と同等であった。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2015/images/handouts_151009_05-j.pdf

【2015年10月の評価】

9月と比較して1号機,3号機及び4号機は,先月の放出量評価結果とほぼ同等であった。

2号機は,ブロー アウトパネルの隙間における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が減少したため放出量が減少した。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_151124-j.pdf

【2015年11月の評価】

10月と比較して1号機及び4号機は,先月の放出量評価結果とほぼ同等であった。

2号機は,ブローアウト パネルの隙間における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が増加したため放出量が増加した。

3号機 は,原子炉直上部における月一回の空気中放射性物質濃度測定値が減少したため放出量が減少した。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/additional_amount_151217-j.pdf

【2015年12月の評価】

11月と比較して1号機及び4号機は,先月の放出量評価結果とほぼ同等であった。

2号機は,建屋内の除 染作業に伴い排気設備入口の空気中放射性物質濃度が増加したため,放出量が増加した。

3号機は,機 器ハッチにおいてサンプリング時間を延伸したことにより,検出限界値が下がり放出量評価値が減少した。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2016/images/additional_amount_160119-j.pdf

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