オスプレイの日本国内での飛行禁止を求める
11月29日午後2時45分、米空軍横田基地所属のCV-22オスプレイ一機が、鹿児島県屋久島沖の海上に墜落した。米軍人らしき遺体も収容されている。国内では、2016年12月に米海兵隊普天間基地所属の MV-22オスプレイが沖縄県名護市の浅瀬に墜落している。その後も、米軍所属のオスプレイは、日本各地の民間空港に緊急着陸を繰り返してきた。
平和フォーラムは、2012年の普天間基地へのオスプレイ配備から一貫して反対し、その危険性を指摘してきた。これまでも米軍機は日本上空で傍若無人に振る舞い、1959年の沖縄県石川市(現・うるま市)の宮森小学校や1964年の大和市上草柳の鉄工所、そして1977年の横浜市青葉区の住宅への墜落事故など多くの市民の命を奪ってきた。今回の事故がもしも市民の生活圏内であったならば重大な被害を及ぼしたに違いない。米国政府および日本政府は、安全確保を最優先し、オスプレイの飛行停止を決断すべきだ。
オスプレイは、その開発段階から安全性が懸念され、重大事故を繰り返してきた。一昨年はノルウェーと米国カルフォルニア州で墜落、合計9人が死亡している。今年も8月にオーストラリアで墜落し乗員3人が死亡した。今回事故を起こしたCV-22 は、昨年8月クラッチの不具合での事故が相次ぎ、一時全機を飛行停止とした。今回、事故当時の天候は晴れ時々曇り風速1.9メートルと飛行に問題はないとされている。事故を目撃した市民の情報を集めると、断定はできないが「機材トラブル」が要因と考えられる。
オスプレイ配備以来、私たちの反対の声をよそに、米軍は、普天間基地に24機、横田基地に6機を配備し、日本全国を飛び回っている。また、2014年には安倍政権の下で、オスプレイ17機の陸上自衛隊への導入が決定、現在陸自木更津駐屯地に14機が暫定配備され、今後駐屯地を建設中の佐賀県佐賀空港へ配備されることとなっている。
オスプレイは10万飛行時間を越えて「クラスA」(死亡または200万ドル以上の損害)の事故率は、17年度 4.05、18年度5.84、20年度は6.58と毎年上昇している。「クラスB」(重い後遺症または 50万ドル以上の損害)の事故率は、2位の B-1爆撃機の 18.30を大きく引き離し35.70となっている。普通、事故率が年々上昇することはあり得ない。このことは、防衛省への交渉時に度々指摘し、根本的に欠陥があるのではないかと指摘してきたが。私たちの声に耳を貸さなかった。
平和フォーラムは、オスプレイの危険性と地域住民の命、そして運用する自衛官の命の重さを、日本政府は十分に認識し、日本国内でのオスプレイ(当然、CV22もMV22も)の(永久に)飛行を禁止することを強く要請する。
2023年11月30日
フォーラム平和・人権・環境
代表 藤本泰成