集会アピール(案)
2011年3月に起きた東京電力福島第一原発事故では、通常運転時の管理目標値を はるかに上回る大量の放射性物質が放出されました。たった一度の大事故で広い範囲 にわたって町や村が、そして海も農地も山林も放射能で汚染されて、今も帰還困難区 域が残っています。その後、メルトダウンした原子炉からも廃炉作業現場からも放射 能が漏れ続けているのが現状です。 現在、問題になっているのは福島原発サイト内で大量に貯蔵されている放射能汚染 水の処分方法です。政府と東京電力は、取り除くのが困難な放射性物質が残っている 汚染水を「処理水」と称して、海洋放出すなわち海洋投棄しようとしています。 政府は2021年4月、「処理水」を海洋放出して処分することをすでに閣議決定して いました。この決定は、「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という文 書による約束をほごにし、福島県の7割の自治体会議の反対・慎重の意見書や多くの 福島県民をはじめとする市民の反対の声を無視するものでした。 原子力市民委員会など多く市民団体が汚染水の海洋放出の危険性を指摘し、代替案 の提案をしてきたにもかかわらず、政府はそれらを真摯に検討することなく「海洋放 出の結論ありき」を変えず、ついに今月末にも放射能汚染水の海洋放出=海洋投棄を 強行しようとしています。いったん海に放出してしまえばもう取り返しはつきません。 しかも、放出される放射性物質の総量は明らかにはされておらず、30年程度と言わ れている放出期間も実際にはどうなるのか分かりません。 国際原子力機関(IAEA)が海洋放出を正当化する報告書を出し、地元マスコミは安 全PRを連日流し、「理解醸成を図るため」として政府閣僚が相次いて東北を訪問。に もかかわらず、福島県漁連をはじめ隣接県の漁連などは反対の姿勢を堅持しています。 漁業関係者だけが「関係者」ではありません。「放出ありき」の政府の強行姿勢に対 する反対の声は、国内各地からも、近隣諸国や太平洋の国々からもあがっています。 全国各地で連日、「放射能汚染水を海に流すな!」と抗議行動が続き、8月17日に は【貯蔵中の汚染水の海洋放出方針を撤回し、地上でも保管と固化方針への切換えを 求める署名】提出および政府交渉が行われ、翌18日には【汚染水を海に流すな!8. 18首相官邸要請行動】が行われています。 私たち【ストップ放射能汚染水放出!!緊急アクション】参加者は、この学習会で 海洋放出の問題点・トリチウム危険性を学び、代替案によって「海洋放出阻止は可能」 であることを確認し、あらためて海洋放出の阻止にむけて決意を新にしたところです。 北陸からも全国の仲間と連帯して「これ以上、海を放射能で汚すな!」の声をあげ ていきましょう。
2023年8月19日
【ストップ放射能汚染水放出!!緊急アクション】参加者一同