私たちは四者は、10月14日15時県庁舎5階会議室で馳 浩石川県知事に対し申入れを行なった。これに対し、石川県渋谷総務部長が応対した。(3人の一番右)
部長は、申入れの趣旨は国及び知事に伝えるが、国防に関することは国の専権事項であるため、地方自治体が関与できない。10.4協定の内容については常日頃からその遵守を国に申し上げていると回答した。
私たちは、国防が国の専権事項であるとはいかなる法律にもなく、住民に最も近い存在である地方自治体が、住民の安全、安心に関与することが重要であり、法的にも国と自治体は対等とある。しかも、憲法や判決からも、騒音や環境整備、住みよい環境、平和的生存権が守られておらず、破壊すらされている現状を見るべきである、と反論した。
しかも、「自衛のための必要最低限度の実力」と国は言うが、戦力はとっくに自衛のためを超え、「ミサイルに燃料注入したとき」や「ミサイルが起立したとき」や、はては軍司令部や中枢組織を殲滅させるための「戦力」を装備しだしている。それがF35ステルスであり、空母であり、長距離巡航ミサイルであり、1000個の人工衛星である。これらは地方自治体も、憲法違反と言うべきである。
小松からは、「国に申し上げている」というが、40数年間まったく改善されていない。だから裁判では「受忍限度を超える騒音被害」として私たちの主張を認め、1次から6次まで国は「お金で勘弁してほしい」と賠償金を支払ってきたのである。そのことが総務部長は分かっていないと追及した。騒音被害の現状把握、実態を第一に「調査」してほしい。
さらに、第二滑走路問題では、20年ほど前にこのような議論を県議会でもした。その結論は、他の公共組織のエリアを壊さなければ建設できない、滑走路二本は無理となった。
県は、そのようなことも含め、検討するための調査費を付けたのです、と理解を求めてきた。このようなやり取りをして15時50分すぎに申入れを終えた。
2022年10月14日
石川県知事 馳 浩 様
小松基地爆音訴訟連絡会
石川県平和運動センター
石川県憲法を守る会
社会民主党石川県連合
(各団体の公印省略)
申 入 れ 書
9月27日付報道によると、27日から約一週間、日本海空域で小松基地のF15戦闘機と三沢基地のF35Aステルス戦闘機(8機)が、戦闘訓練を行うという。これを「移動訓練」と称して防衛省は正当化していますが、その内実は「台湾有事」に米軍とともに「参戦」するための訓練であり、看過できません。
同じ日本海では、26日から米軍と韓国軍が「対北朝鮮」で合同訓練を行い、10月からは日米韓の合同訓練も行なっており、中国やロシアを念頭に置いた「軍事威嚇」と連動したものと言わなければなりません。
F35Aの配備は、現在のF15・50機体制を25年度から順次入れ換え、27年度には20機をF35Aにするものであり、F15の改良(射程1000㎞の長距離ミサイル搭載可能)と併せて「台湾有事」に米軍とともに「先制(スタンドオフ)攻撃」をかけるための強化です。断じて許せません。
平和で安全な社会は、憲法9条で謳われているように、世界の全ての国が軍備を放棄するしかないのです。
一方、9月2日付の報道によると馳石川県知事は9月補正に小松空港の「第二滑走路」に関する「基礎調査費1000万円」を計上しました。
知事は、「小松空港中期ビジョン策定検討委員会」を本年6月に開催し、委員も補強して「賛同」を得たことを基礎にしているようです。8月18日には「(第2滑走路は)空自用と民間用が必要」とその狙いを語っています。
委員会の設置目的では、「北陸新幹線敦賀延伸やさらなる国際化の進展といった環境の変化を見据え、小松空港が将来に向けて日本海側の拠点空港として発展していくために、今後30年程度先を見据えた空港のあり方を示す中期ビジョンを策定する」となっていますが、民間空港のビジョンなどかまわず、軍事空港として存続させることを狙っています。
このように、F35AとF15との訓練は、「台湾有事」に備えた先制攻撃力を強化するため、また、第2滑走路も先制攻撃力を増すための「軍備増強」と言わなければなりません。これらの行為は、平和憲法の主旨及び第9条、そして基地と住民、自治体との基本的な関係を示す「10.4」協定、更には小松基地爆音訴訟判決の全てに違反するものと私たちは断定します。以下について真摯に検討し、回答するよう要望します。
記
1 「先制攻撃」のためのF35Aステルス戦闘機とF15戦闘機の戦闘訓練をやめること。
2 F35Aの配備計画は、平和憲法の主旨及び第9条、そして「10.4」協定、更には小松基地爆音訴訟判決にも違反するものであり、市民、県民の安全、安心につながらないので直ちに撤回すること。
3 「小松空港中期ビジョン策定検討委員会」の目的を否定して「軍事利用」することはやめること。
4 「第2滑走路」構想は「民間空港ビジョン」を利用した軍事利用であり、先制攻撃力の強化となるので、第2滑走路構想は白紙撤回すること。