放射能汚染水の「海洋放出」に反対する!
4月13日朝、菅政権は、関係閣僚会議で東京電力福島第一原発内で増え続ける放射能汚染水を福島沖へ「海洋放出」する方針を決定した。
この決定に先立つ4月7日、菅首相自らが全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と会談し「海洋放出がより確実に実施できるとの専門家の提言に踏まえ、政府の方針を決定したい」と伝えたが、全漁連の岸会長は「絶対反対という考えはいささかも変わらない」と答えていることはマスコミでも広く報道されている。
しかも、経済産業省が公募したパブリックコメントでは、放射能汚染水の安全性に対する懸念や、陸上保管などの処分方法の見直し、合意プロセスの懸念などが寄せられ「海洋放出」に対しては多くの問題を抱えたままであり、理解は得られていないし、2015年8月24日には福島県漁連に対し経済産業省は「関係者の理解なしには、いかなる処分も行いません」と文書回答をしていることにも反している。
放射能汚染水を「海洋放出」することは地球規模での海洋汚染・環境破壊につながり、すでに海外諸国からも批判の声が上がっている。今、菅政権が関係閣僚会議で決定した放射能汚染水の「海洋放出」は、単に福島県漁業者の問題にとどまらず、放射性物質を海にまき散らす犯罪行為であり、自然や私たちの生命そのものにかかわることからも私たちは絶対に看過できない。
そもそも、東電福島第一原発事故は、直接の当事者である東京電力をはじめ、原発政策を推進してきた誰も責任を取っていない。原発事故から10年を経たが、故郷に帰れない避難者が未だに数万人に上る。この状態が何ら改善されていない。にもかかわらず今回のような菅政権の暴挙は認められるものではない。
政権発足以来菅政権は、自らの政権運営に対し異を唱える者を排除し無視し続け、“有無を言わさず押し通す”という強権的姿勢で一貫している。私たちはこのような強権的手法に対して抗議し、放射能汚染水の「海洋放出」に反対し撤回を強く求める。
2021年4月21日
- 原水爆禁止石川県民会議
- 代表委員 滝山田 庄治(石川県平和運動センター代表)
- 代表委員 盛本 芳久 (社会民主党石川県連合代表)
- 代表委員 野村 夏陽 (石川県社会法律センター理事)
- 代表委員 田村 光彰 (元北陸大学教授)
- 代表委員 佐野 明弘 (加賀市光闡坊住職)
- 代表委員 糸矢 敏夫 (元県平和センター代表)