「改正」コロナ対策関連法成立に抗議する!

「改正」コロナ対策関連法成立に抗議する!

    菅政権は、新型コロナウイルス対策関連法の「改正案」を2月1日当初の刑事罰をはずすなどの修正の上、衆院を通過させ、2月3日には参院本会議で可決・成立させました。わずか4日間の国会審議で与党と立憲民主党などで押し通したのです。

“感染拡大防止の取り組みを効果的に進める”として、改正感染症法にある入院拒否や保健所の疫学調査を拒んだ人に「協力しない場合は、応じるよう命令でき、それでも正当な理由なく応じない場合は」行政罰の罰金刑を課すとしています。しかし、罰則の判断基準が曖昧であり、どのようにでも活用できる恐ろしい内容となっています。新たに創設した「まん延防止重点措置」では政府対策本部長に菅首相が就くことになっています。

そもそも、感染症の専門家や医療現場からの声を聞かずに医療崩壊を招き、生活保障を十分に行なうことなく中小零細事業者に営業時間の短縮を求めて廃業に追い込み、GOTOキャンペーンに固執してコロナ感染を拡大した”張本人“は菅首相ではありませんか。

それにもかかわらず、自らの責任を棚上げにし、感染者に罰則を用いて取り締まることなど到底納得がいくものではありません。

このコロナ関連法の「改正案」に対して、次々と怒りの声が上げられています。1月30日には、70人以上の憲法学者が「政府の失態を個人責任に転嫁するものだ」と反対の声を上げました。2月1日には、医療問題弁護団が「入院を拒んだ人らへの罰則による人権制約を正当化する根拠がなく、感染者への差別、偏見の助長や検査回避の誘発につながる」と声を上げ、ハンセン病違憲国家賠償訴訟原告団協議会は「罰則は、感染者を人権制約の対象とするもの」と批判しています。また、薬害オンブズマン会議は「罰則で入院などを強制すること自体、問題がある」と反対の声を上げているのです。

菅政権は、「5人以下の静かなマスク会食」を呼びかけながら、首相自らが8人で「ステーキ会食」を行っていました。与党の国会議員は“夜の街”に出かけていることが暴き出されています。

コロナ感染が拡大の一途をたどる本年1月7日首都圏一都三県に、1月13日には大阪、愛知、福岡など七府県にさらに拡大して緊急事態宣言を再発令しました。 いま、内閣支持率も急降下し、このことに危機感を嵩じさせた菅政権が自己保身と責任逃れのために閣議決定し、推し進めているのがコロナ関連法「改正案」にほかなりません。

私たちは、菅政権が「感染拡大防止」の名のもと、私権を制限し罰則を導入して強権的に「入院・隔離」することを、野党を巻き込みながら行なっていることに最大限の注意を払わなければなりません。このことは、憲法を改悪し「戦争のできる国」へと突き進む素地づくりであり反対していかなければなりません。

2021年2月5日

石川県平和運動センター

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