5.1 日本国憲法施行73周年 憲法擁護声明

新型コロナウイルス特措法にもとづく「緊急事態宣言」下における

日本国憲法施行73周年 憲法擁護声明

 新型コロナウイルス対策特別措置法にもとづく緊急事態宣言が発令中というかつてない情勢の下で、73回目の憲法記念日を迎えます。いま、新型コロナウイルス感染が世界的に止まらず、日本においてもその終息が見えない中、“不安と委縮”が社会全体を覆っています。

まずもって、懸命の努力を続けている医療・保健機関をはじめ社会機能を支える広範な現場従事者の奮闘に敬意を表します。私たちもまた、一日も早いウイルス感染症の終息と安心して暮らせる社会を取り戻すために最大限の努力を惜しまないことを表明します。

さて、安倍内閣は、4月7日に発令した新型コロナウイルス特措法にもとづく「緊急事態宣言」の対象地域を16日に全都道府県に拡大し、石川県は「特定警戒県」に位置付けられました。それに先立ち谷本知事は県独自の「非常事態宣言」を発令し、県民に不要不急の外出自粛を求め、19日からは100業種に休業要請を行いました。県内においても、イヴェント、外出や営業の自粛などにより小規模事業者や中小零細企業が経営危機に直面し、労働者の解雇や失職により生活困難者が続出しています。その補償や不当解雇の歯止めが急がれます。

他方、各地で医療崩壊の危機が叫ばれています。検査体制の脆弱さや医療・衛生資機材、スタッフの不足などは、未知なる感染症対策の難しさがあるとはいえ、この間進められた医療・福祉の抑制政策のつけが表面化したものと指摘されています。安倍政権によるウイルス感染対策も、財界・大企業に配慮するあまり、最も大切な人々の命とくらし、即ち人権を守ることが後回しにされ、感染拡大を止めるべき政策が後手後手になっていると言わざるを得ません。感染と生活の先行き不安から、感染者やその家族に対する中傷など人権侵害も後を絶ちません。増大の一途をたどる莫大な軍事費と、アベノミクスにより大企業を中心に440兆円以上に膨れ上がった内部留保金を生活補償の原資に回す国民救済措置をこそ求めます。

私たちは、憲法が保障する基本的人権を根底に据えた対策の徹底を呼びかけます。

看過できないのは、安倍政権が新型コロナ禍を利用し、安倍改憲4項目の一つである「緊急事態条項」を「改憲」の突破口にしようとしていることです。自民党内では新型コロナ禍と改憲を結びつける発言が続きました。1月30日、自民党二階派の総会で伊吹文明元衆議院議長は「緊急事態の一つの例、憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」と発言しました。また、党選挙対策委員長の下村博文氏は2月1日の講演で「人権も大事だが、公共の福祉も大事だ。直接関係ないかも知れないが(国会での改憲)論議のきっかけにすべきではないか」と述べている事実がこのことを示しています。

緊急事態宣言発出に先立ち、安倍首相は国会議院運営委員会に出席し、「国難に対処するために緊急事態条項の創設は極めて重く大切な課題である」と憲法審査会での議論を促しました。自らの失策を棚に上げ「緊急事態措置に強制力がなかったから感染が蔓延した」かのような論調を作り出し、「改憲」論議を誘導することは許されません。憲法に緊急事態条項を書き込めば、恣意的に行使できる独裁権限を首相が掌握できることになります。そうなれば、市民の移動や表現の自由をはじめ基本的人権が歯止めなく強制力をもって統制される全体主義国家に道を開くことになりかねません。

日本国憲法は、大日本帝国憲法(明治憲法)が戒厳令によって国家が発出する緊急権が濫用され軍国主義を止められなかった反省から、あえて国家緊急権(緊急事態条項)を設けていません。大規模災害や新型感染症などによる非常事態への対策には、平時から個別の法律によって準備することで、国家が緊急権を濫用する危険を避けてきたのです。

「緊急事態条項」の創設は、憲法に制約された特措法緊急事態宣言とは一線を画するものであり、民主主義国家を崩壊させる危険性をもつものであることをひろく国民・市民と共有したいと思います。緊急事態宣言に慣らされることなく、憲法改悪に対する警戒心を研ぎ澄ませようではありませんか。

 

いま新型コロナ禍の世界的な拡大を前にして政府・国会がするべきことは、国内感染の拡大を防止し自粛要請に伴う経済補償に万全を期す体制の確立であり、改憲議論になど時間を充てる場合ではない事態であることを認識すべきです。

憲法施行73周年にあたり、私たち「安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ」は改めて、ウイルス感染拡大に乗じた安倍政権による憲法改悪を絶対に許さない決意を表明します。

以上

2020年5月1日

安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ

新聞記事 20200502「緊急事態条項に危機感」 北中記事、北国記事

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