(CNN)フランス大統領府によると、仏軍は27日、シリア領内で初めて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆を実施した。
フランス大統領府によると、仏軍は9月27日、シリア領内で初めて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆を実施した。
フランスは約1年前からイラクでISISへの空爆に加わっていたが、最近になって対象をシリアまで拡大する方針を表明していた。
シリア上空で2週間前から偵察飛行を実施し、収集された情報に基づいて空爆を実施したという。大統領府は声明で、ISISの脅威に立ち向かう同国の意志を確認し、「我が国の安全が脅かされる時はいつでも攻撃する」と強調した。
オランド大統領も国連総会出席のため訪れているニューヨークで、ISISは「我が国への脅威」との見方を示した。そのうえで「我々は目的を果たし、訓練キャンプ全体が破壊された」と述べた。
大統領によると、空爆には航空機6機が出撃した。仏軍が主導し、米主導の有志連合軍との緊密な連携の下で実施したという。
オランド大統領はシリア情勢について、ISISが「恐ろしい行為」を繰り広げているが、「主な責任はアサド大統領にある」と主張。「アサド大統領の下でシリアに未来はない」と述べた。
フランスでは今年1月、週刊紙「シャルリー・エブド」の本社などを狙った連続テロが発生。6月に南東部リヨン近郊の工場が襲撃され、8月にはパリ行きの国際特急列車内で発砲事件が起きた。
またバルス首相は、シリアなどから欧州へ殺到する難民の問題はISISに原因があるとの見方を示し、「根本的な解決策が必要だ」と述べていた。
フランスは一方で、シリア情勢の政治的解決に向け、アサド政権を支援するロシアやイランとも交渉を試みている。