7.20「海上自衛隊」のミサイル艇「うみたか」「はやぶさ」寄港抗議!11年ぶり歓迎式典中止!

抗議声明

 安倍政権による集団的自衛権の行使容認の閣議決定に対する国民の批判が強まる中、7月20、21日、海上自衛隊舞鶴地方隊所属のミサイル艇「うみたか」と「はやぶさ」が飯田港に入港する。一般公開を目的とした海上自衛隊艦船の入港は従来から行われてきた。自衛隊の装備を秘密のベールに包むことはあってはならないが、一般公開の狙いが市民への情報の公開ではなく、武器のPRの場となり、さらには市民社会の軍事化を意図するならば絶対に許されるものではない。    

そういう意味において、従来の一般公開も問題なしとはしないが、今回の入港は従来と異なる以下3点の特徴がみられ、看過できない内容となっている。

 一点目は、公開対象の装備の拡大である。ミサイル艇がはじめて2隻入港し、さらに陸自車両「81式自走架柱橋」も来港する。

二点目は、祭礼への参加である。20、21日は珠洲市飯田町の燈籠山(とろやま)祭りであり、今回の入港日程は祭礼に合わせたものである。地元の祭礼委員会の要請という方式を採用し、一般公開だけではなく、自衛隊員が組織として祭礼にも参加する。

三点目は、子どもたちの参加である。20日の体験航海では地元小学校の児童2名がはじめて一日艇長として任命されることになっている。市内小中学校にも一般公開の案内文書が届けられている。

 集団的自衛権の行使にあたっては、海外での武力行使で殺し、殺される自衛隊を物心両面で支える「戦争する国づくり」を名実ともに完成させなければならない。安倍政権にとって、今後予定される法改正だけでなく、軍民の一体感の醸成、そして戦争に反対しない人づくり、戦争に協力する人づくりに向け、教育へのさらなる介入が重要課題となっている。

 燈籠山祭りは江戸時代から続く飯田町の春日神社の祭礼であり、近年は能登の観光資源の一つとしても注目を集めている。地域住民が一体となり、旅人も招き入れて盛り上がる祭礼は、ある意味では軍民の一体感の醸成に格好の場かもしれない。しかし、こうした祭礼の悪用は地域住民に混乱をもたらし、地域行事の破壊にもつながりかねず、地域の伝統を冒涜する行為に他ならない。

 子どもたちを巻き込んだ一日艇長任命や一般公開も悪質な意図を指摘せざるを得ない。子どもたちはその発達段階に応じて、戦争の歴史や平和構築への人類の歩みを学びつつ、平和の実現に向け主体的に考察し、行動する力を養うことが求められる。一面的な武器のPRの場に勧誘することは許されない。

 今回のミサイル艇の飯田港入港は、安倍政権が推し進める「戦争する国づくり」の一環と言わざるを得ず、ここに強く抗議し、中止を要求する。

 2014年7月18日 

石川県平和運動センター     

代表代行 糸矢 敏夫   

珠洲市平和運動センター     

代表   坪野 宏文   

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