志賀原発新燃料搬入に対し抗議声明発表(7月2日)

志賀原発新燃料輸送に対する抗議声明

 北陸電力は本日早朝、志賀原発1号機用の新燃料88体を神奈川県横須賀市の㈱グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF-J)と茨城県東海村の原子燃料工業㈱から搬入した。首都圏、東名高速、北陸自動車道、能登有料道路を経由しての輸送である。
 今回の輸送について、以下の問題点を指摘し、強く抗議する。

1.核物質防護を名目とした秘密裏での輸送である。
かつて実施されていた輸送の事前公開は、そもそも住民の安全確保の観点から住民の要望を受けて実現したものである。一方、自治体も安全協定に基づき輸送情報を入手していた。自主・民主・公開を基本原則とするはずの原子力行政が、情報の非公開・国への一元化を進め、住民と自治体の権利を侵害し続けることは許されない。
2.放射線をまき散らしながらの輸送である。
過去の新燃料輸送において、私たちは放射線測定器(たんぽぽ、Rダン)による測定をおこなってきた。かつては6マイクロシーベルト/時前後であったが、近年は7マイクロシーベルト/時前後(最高は9,7マイクロシーベルト/時)を記録している。当初の7×7燃料から8×8燃料へ、さらに9×9燃料へと、燃焼度を高めた燃料へと変更してきたことが原因と推察できる。法定値を下回っているとはいえ、今回も9×9燃料の輸送であり、非公開の中、他の高速道路利用者を被曝の危険にさらし続けることは絶対に許されない。
3.輸送経路にある自治体の防災体制が整備されていない。
輸送中の交通事故は過去においても発生している。積荷である新燃料は、上記の通り、高い放射線を放っており、警察や消防関係者、周辺住民も含め接近すれば被爆の危険にさらされる。沿線自治体は原子力防災計画を策定し、必要な防護機材を整備すべきである。

 北陸電力は先般、2015年のプルサーマル計画実施に向けて取り組みを強化する方針を明らかにした。プルサーマル計画の実施前には、より危険なMOX燃料の搬入が行われる。上記のような問題点を抱えた燃料輸送を既成事実化し、プルサーマル実施に突き進むことは、絶対に許されない。石川県平和運動センターは、本日の新燃料輸送に対し強く抗議するものである。
 
 2009年7月2日

石川県平和運動センター
代 表  柚 木  光

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