小松基地への米軍訓練移転に反対する申し入れ 石川県、小松市
2006年1月23日
石 川 県 知 事
谷 本 正 憲 様
石川県平和運動センター
代 表 嶋 垣 利 春
社会民主党石川県連合
代 表 宮 下 登詩子
小松基地爆音訴訟原告団
団 長 広 瀬 光 夫
小松能美勤労協単組協議会
議 長 庭 田 茂 男
加賀江沼平和運動センター
議 長 山 田 一 郎
小松基地への米軍訓練移転に反対する申入書
米軍が世界的に進める軍の変革・再編(トランスフォーメーション)の一環である在日米軍再編が、関係地域住民の意向など全く聞くことなく、日米両国政府間の協議のみで強引に押し進められようとしています。昨年10月に公表された「日米同盟 未来のための変革と再編(中間報告)」で明らかになったように、この動きは米軍再編と言いつつも実態は自衛隊や自衛隊基地をも巻き込んだ再編であることは明白であり、自衛隊基地が存在する自治体あるいは周辺自治体にとっても重大な関心事となっています。
小松基地も再編協議の中で米軍嘉手納基地のF15戦闘機訓練移転の候補地として名前があがっており、大きく報道もされました。しかし、防衛庁からは、昨年暮れに協議の中間報告についての説明があったものの、十分な情報提供もなく、訓練移転先に決定したのか、どのような訓練が移転するのか、全くわからないままです。こうした中、今月17日には嘉手納基地で訓練中のF15が墜落事故を起こしました。嘉手納基地のF15は2002年の嘉手納弾薬庫地区墜落事故や2004年の空中接触事故など重大事故が相次いでおり、小松基地周辺住民はもちろんのこと、県民の不安は募るばかりです。
この「中間報告」に対し、沖縄や神奈川、山口など関係する7県の知事をはじめ、普天間基地の移転先である名護市や米陸軍第一師団司令部の移転先である座間市など市町村の段階では議会決議を含めると60以上の自治体が、基地機能の強化や騒音の増大などを理由に反対や疑念を表明しています。嘉手納基地のF15訓練移転先として名前のあがった千歳、百里、新田原、築城の各基地の地元自治体でも同様です。この間の「新防衛計画の大綱」(04年12月)や「共通戦略目標」(05年2月)、そして今回の「中間報告」等から判断するに、現在の動きはミサイル防衛構想や先制攻撃戦略などアメリカの世界戦略の一環であり、日米安保条約の質的転換、日米同盟の強化、拡大を目指すものです。この間の各自治体の動きは、まさに基地の性格が変わることを見抜いての対応だと思われます。
小松基地への訓練移転についても、従来の日米共同訓練の延長などと楽観視することはできません。自衛隊基地の米軍基地化、訓練移転はまさにその既成事実づくりと言わざるをえません。騒音被害のさらなる拡大、危険性の増大、基地の強化・恒久化はもちろんのこと、平和憲法の理念を根本から覆すものであり、強くこの米軍再編案とそれに基づく訓練移転に反対するものです。
貴職におかれましても、県民の安全の確保と平和憲法尊重し擁護する立場から、小松基地への米軍訓練移転に対し断固反対していただきますよう申し入れます。