石川県国民保護計画閣議決定への抗議声明
抗 議 声 明
本日、石川県国民保護計画が閣議決定された。平和憲法の理念に真っ向から対立する有事体制を石川県において具体化するものであり、計画決定に対し強く抗議する。
石川県平和運動センターは昨年3月15日、石川県に対し国民保護計画は県民を有事体制に組み込むものであるとして反対の申し入れをおこなってきた。加盟単産・単組、地区平和運動センターの組合員からもパブリックコメントを通じて、国民保護法や計画内容に対する多くの批判的意見が提出されてきた。にもかかわらずこのような計画案をまとめた県、そしてそれを了承した県国民保護協議会の責任も重大である。
そもそも国民保護法の上位法である武力事態対処法や関連する一連の有事法をみれば、有事法制の狙いとするところは明白である。つまり、自衛隊だけではなく市民や労働者、自治体や民間企業、さらには道路や港、空港など全国土も含め、まさに国をあげての米軍支援総動員体制の確立であり、「専守防衛」から「予防先制攻撃」への防衛政策の大転換である。アメリカと一体となった「戦争のできる国づくり」であり、これは昨年の日米安全保障委員会による「共通戦略目標」や「日米同盟 未来のための変革と再編(中間報告)」の中でより一層鮮明になっている。
計画の閣議決定を受け、来年度には国民保護計画の実動訓練実施の方針が示されている。銃後の備えを平時からおこない、県民を戦争態勢に駆り立てるものである。昨年11月の福井県美浜原発を舞台にしての実動訓練でも明らかになったように、国民保護計画による実動訓練は、自然災害の防災訓練とは全く異なり、周辺諸国に対する危機感をいたずらにあおり、自衛隊を街の中、市民のそばに登場させることが目的の訓練である。あのような訓練を石川県で再びおこなうことは絶対に容認することはできない。
来年度には市町国民保護計画の策定も予定されている。自治会、町内会レベルで住民を戦争態勢に駆り立てることになるであろうことは容易に想像がつく。県平和運動センターは地区平和運津センターとも連携し、計画策定を阻止するために全力で取り組むことを表明する。
国民保護計画策定など一連の有事体制の確立は、昨今の憲法改悪の動きを先取りするものであり、極めて密接な関係のなかにある。また、小松基地への米軍戦闘機訓練移転など米軍再編の動きとも連動したものである。県平和運動センターは国民保護計画に引き続き反対し、撤回を求めると同時に、平和を脅かす一連の動きに対し全力で反対し続けることをここに表明する。
2006年1月20日
石川県平和運動センター