18:15~ 九条の会・石川ネット発足集会 教育会館
「九条の会・石川ネット」500人が結集し発足集会
と き:12月15日(水) 18時15分~
ところ:石川県教育会館 3階ホール
12月16日、教育会館3階に約500人が結集し「九条の会・石川ネット」の発足集会が行なわれました。呼びかけ人は岩淵正明弁護士ら法曹関係者をはじめ大学関係者や宗教者、芸術家、医師など県内各界各層で活躍されている方々です。
集会は、東大教授で「九条の会」事務局長を務める小森陽一氏の記念講演にはじまり、各呼びかけ人からのアピールや賛同人の声、そして「九条の会・石川ネット」アピールが発せられました。今後、賛同人を募るなど改憲阻止に向けた運動を展開していくことになります。
この会は個人参加を原則とし、会の目的に賛同する団体にも協力を求めるとしており、県平和運動センターは憲法を守る会の一構成団体として、守る会からの呼びかけを受けて行動していきます。
(発足集会配布資料より)
□ 「九条の会・石川ネット」アピール
□ 賛同のお願い
□ 確認事項
□ これまでの経過
「九条の会・石川ネット」連絡先:金沢市大手町9-29 社会法律センター
076-231-1800
「九条の会・石川ネット」アピール
石川県民のみなさんへ
私たちは、いくたの戦争、そしてヒロシマ・ナガサキへの原爆投下など残虐な兵器によって世界中に多大な犠牲を生み出した2つの世界大戦をへて、国際紛争の解決であっても武力を使ってはならないという教訓を導き出しました。とりわけ先の侵略戦争で戦争責任を負った日本は、戦争放棄と戦力を持たないことを定めた第9条を含む平和憲法を世界に先駆けてつくり、世界の人々の平和を願う思いを実現しようと決心しました。
しかし、今、この第9条を中心とした日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。憲法上の拘束を実際上破って自衛隊の海外派兵と武力の行使、集団的自衛権を容認し、さらに非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。また、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするため、教育基本法をも変えようとしています。これらは、アメリカ政府に従って日本を「戦争をする国」に変えようとするものに他なりません。
石川県内の自衛隊基地からも隊員がイラクに派兵されています。さらに小松基地や志賀原発が攻撃対象となるおそれが現実のものとなっています。
そもそもアメリカ政府によるイラク軍事攻撃は、国際法に違反するのみならず、その後の占領の泥沼状態も、あらためて武力による紛争解決がいかに非現実的であるかを明らかにしています。1990年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。だからこそ、東南アジアやヨーロッパなどでは、紛争を外交と話し合いによって解決するための、地域的枠組みをつくる努力が強められています。
私たちの国も、憲法を「改正」してこの国を「戦争をする国」につくりかえるのではなく、今、あらためて第9条を外交の基本にすえることこそが、求められています。第9条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させ、アメリカ政府との軍事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主性を発揮して現実的にかかわっていくことが急務です。第9条を持つ国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面からの協力ができるのです。
私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて第9条を激動する世界に輝かせたいと考えます。そのためには、この国の主権者である私たち一人ひとりが、第9条を持つ日本国憲法を、自分のものとして獲得し、日々行使していくことが必要です。多くの県民のみなさんが、「改憲」のくわだてを押しとどめるために、平和主義、基本的人権の尊重、国民主権をかかげる日本国憲法を守るという一点で心を合わせ、一人ひとりができるあらゆる努力を、いますぐ始められることを心から訴えます。
2004年12月15日
呼びかけ人 莇昭三(特養ホームやすらぎ福祉会理事長・医師)、海部公子(九谷焼画工)、荒井源空(天徳院住職)、五十嵐正博(神戸大学大学院教授)、井沢宏夫(石川県保険医協会会長・医師)、岩淵正明(弁護士)、漆崎英之(日本キリスト改革派金沢教会牧師)、かつおきんや(児童文学者)、鴨野幸雄(金沢大学名誉教授)、佐野明弘(光闡坊住職)、菅野昭夫(弁護士)、塚本真如(円龍寺住職)、西田美昭(金沢大学教授)、硲紘一(硲伊之助美術館館長)、水野スウ(エッセイスト)、山村勝郎(元金沢星稜大学学長)
「九条の会・石川ネット」賛同のお願い
日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。
小泉首相をはじめとして政府の閣僚たちは、日本国憲法を「アメリカの押しつけ憲法だ」とか「時代に合わない」ことを理由として「変えるべきだ」と公言しています。政府は、第99条の「憲法を尊重し擁護する義務」を平然と侵しています。最近では「国連常任理事国入りするためには9条を見直すべきだ」という新手の9条改正論さえ持ち出しています。
国民の過半数が反対したにもかかわらず、小泉内閣は「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上軍を派兵せよ)」というアメリカ政府の要求に追従するかたちで、イラクへ自衛隊を派兵しました。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落し、しかも米軍が事故の真相を隠すために日本の警察さえ排除して機体を持ち去ったにもかかわらず、小泉内閣はアメリカ政府に抗議さえしませんでした。彼らが第9条を「改正」しようとする意図は「アメリカから押しつけられた」からではなく、平和の実現を高らかに謳うたっている第9条の理念を受け入れたくないからに他なりません。
「憲法は時代遅れ」? 決してそうではありません。「こんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。……もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。」(「あたらしい憲法のはなし」文部省、1947年)。
第9条は「ふたたび戦争を起こさない」という日本国民の切実な願いにもとづくものです。「自衛権の名において戦われた」二度にわたる大戦の惨禍の歴史をふまえて、「国際紛争を解決する手段」としての「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」を一切禁じたのです。「戦争の20世紀」をくりかえすのではなく、「平和の21世紀」を築くための道筋を世界に先駆けて示したものこそ第9条です。未来の世界を担う子どもたちに第9条を継承させていくことこそ私たちの責任ではないでしょうか。
このような思いをこめ、「九条の会」をはじめ、全国各地で取り組みを進めている人びとと手を携えて、私たちは「九条の会・石川ネット」の発足を呼びかけます。自民党は第9条の改悪を意図した国民投票法案を次期通常国会に提出しようとしています。私たちは憲法学習や講演活動などを通して、第9条を中心とした改憲に反対し、憲法を守り生かすことを広く県民に訴えていきます。12月15日には発足集会を開催します。あなたも、ぜひ「九条の会・石川ネット」の賛同人になってくださいますようお願い申し上げます。
呼びかけ人 莇昭三(特養ホームやすらぎ福祉会理事長・医師)、海部公子(九谷焼画工)、荒井源空(天徳院住職)、五十嵐正博(神戸大学大学院教授)、井沢宏夫(石川県保険医協会会長・医師)、岩淵正明(弁護士)、漆崎英之(日本キリスト改革派金沢教会牧師)、かつおきんや(児童文学者)、鴨野幸雄(金沢大学名誉教授)、佐野明弘(光闡坊住職)、菅野昭夫(弁護士)、塚本真如(円龍寺住職)、西田美昭(金沢大学教授)、硲紘一(硲伊之助美術館館長)、水野スウ(エッセイスト)、山村勝郎(元金沢星稜大学学長
確 認 事 項
1.この会は、九条の会・石川ネットと呼び、事務所を金沢市大手町9番29号社会法律センター内におきます。
2.この会は、第9条を中心とした日本国憲法の改悪に反対し、憲法を守り生かすことを目的とします。
3.この会は、2項の目的を達成するため必要な研究・宣伝活動、講演会などの活動を行います。
4.この会は、会の目的に賛同する個人によって運営されます。会の目的に賛同する団体にも協力を求めていきます。
5.この会は、一口1,000円以上の募金をもって運営します。
但し、1,000円以下の募金も運営にあてます。
6.この会は、賛同人の自主的な活動を尊重し、賛同人は、他の賛同人の活動を中傷しないこととします。
「九条の会・石川ネット」発足に向けてのこれまでの経過
戦後半世紀以上にわたり、日本国憲法の「国際平和主義」「戦争放棄」の規定と理念のもとで、わたしたち主権者は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやう」(憲法前文)、政府に働きかけてきました。しかし今、平和の源泉である憲法第9条は大きな試練にさらされています。
こうした中で、2004年6月10日、井上ひさし(作家)、梅原猛(哲学者)、大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、小田実(作家)、加藤周一(評論家)、澤地久枝(作家)、鶴見俊輔(哲学者)、三木睦子(国連婦人会)の9名の方々によって「九条の会」アピール(別紙参照)がだされました。
そこに表明された、先の戦争の歴史に対する認識とそこから引き出された教訓、現代への警鐘、平和を求める世界の市民を結びつける絆としての第9条の持つ普遍的、絶大な価値の認識等、アピールは多くの人々の心をとらえています。全国各地で「九条の会」などが発足し、互いに自由でありつつ、第9条を守るための取り組みが始まっています。
石川県においても、9月28日、青年法律家協会北陸支部によって第9条を守るための呼びかけが関係各位に発信されました。これを受けて岩淵正明氏(弁護士)、五十嵐正博氏(神戸大大学院教授)、菅野昭夫氏(弁護士)の3名を準備会世話人として準備が進められてきました。
「九条の会・石川ネット」は、呼びかけの趣旨からも明らかなように、幅広いネットワーク組織を作り上げ、第9条の改悪阻止に向けて積極的な活動を、さまざまな垣根を乗り越えて協力しあうことを目的としています。
「九条の会・石川ネット」が県民全体と世界の市民に仕える会として立ち上がり、その目的を達成することができますよう、皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。