2007年度総括

2007年度 活動の総括

Ⅰ.はじめに

                     
1.私たち石川県平和運動センターは、昨年の9月25日、安倍内閣の退陣、福田内閣の発足という保守政治の1つの節目の中で第8回定期総会を開催し、「いまこそ平和勢力の結集で、攻めの平和運動を展開しよう!」のスローガンのもと、具体的な活動方針を確認し、この1年間、石川県における平和運動の先頭に立ち、全力でたたかいを展開してきました。
2.この1年間の国際情勢をふり返ったとき、基本的には昨年の総会で確認したように、ブッシュ・ネオコンの行き詰まりと政権のレームダック化、イラク・アフガン戦争の泥沼化、中東全域への軍事的緊張の拡大などが進み、各地で反米・反自由主義の動きが強まりました。さらに加えて、米国発の金融危機、エネルギー危機、食糧危機、地球環境の危機は、米国の国際的地位の低下を一層加速させました。他方では、BRICsに代表される新興国の台頭は目覚ましく、世界の経済地図が大きく塗り替えられると同時にパワーバランスにも大きな変化が生まれはじめました。世界は米国一国集中から多極構造へ、新冷戦時代へと激しい地殻変動を起こしています。
3.歴史的変革期にあり、しかも危機的な国際情勢にもかかわらず、福田政権はブッシュ政権にひたすら追随する世界的には稀な政権として、米軍再編やミサイル防衛(MD)計画を押し進め、イラク・アフガン侵略戦争への参戦も続け、世界の危機を加速させてきました。憲法の空洞化がますます進んでいます。米印原子力協力協定への対応でも米国追随でインドの核保有を容認しました。核廃絶の国是を放棄し、核拡散防止条約(NPT)体制を空洞化させるものです。国内政治では、ガソリン税や道路特定財源の強行採決、後期高齢者医療制度の導入に見られるように、その視点に国民の生活はなく、国民の審判を経ない、自民党たらい回し政権の限界を露呈しました。原子力政策でも、耐震問題に対する国民の不安が増大するなかにあっても、核燃料サイクル路線に突き進み、地球温暖化問題を原発推進に利用してきました。
4.こうした中で私たちは、改憲に反対し憲法の空洞化を許さないたたかいを進め、特に県内で相次いで展開された小松基地への米軍戦闘機訓練移転や国民保護計画の実動訓練、市街地での自衛隊の武器携行徒行訓練に対し、地域や生活の場に軍事優先思想を浸透させ、戦争のできる国づくりを進めるものであるとして、全国の運動とも連帯しながら全力でたたかいを展開してきました。臨界事故隠しで停止した志賀原発の再稼働を阻止するたたかいは、全国署名運動を軸として、今年度の最重点課題として全力を注ぎました。
5.昨年7月の参議院選挙で与野党逆転という新たな政治情勢が生まれました。野党勢力に対する期待とはがゆさ、二大政党化への懸念が入り乱れたこの1年の政局でしたが、安倍首相に続き福田首相も政権を投げ捨てたことは、自民党政治の劣化を象徴しており、その限界は明らかです。平和運動センターのたたかいは、政権交代に期待を寄せる世論とも軌を一にしたものであり、この1年間の数多くのたたかいは、組合員はもちろんのこと、多くの市民の共感を得てきたものと確信します。私たちの役割は依然大きく、たたかいのさらなる強化のためにも、この1年間の活動を総括し、教訓を共有化し、さらなる前進を図っていかなければなりません。

Ⅱ.憲法改悪を許さない取り組み

              
10月26日(金) 改憲反対のラジオCM(~11月2日・憲法を守る会)
11月 2日(金) 第44回護憲大会(~4日・東京)  14人派遣(全体約4,000人)
3日(土) 11.3憲法公布61周年記念集会(主催:石川県憲法を守る会) 約200人
輝け9条!平和憲法公布61年記念石川県民集会(主催:九条の会石川ネット) 約350人
11月26日(月) 憲法を守る会 総会 (講師:前田哲男氏)         105人   
3月22日(土) シンポジウム「格差社会を考える」(主催:金沢弁護士会)
 4月28日(月) 改憲反対のラジオCM(~5月2日・憲法を守る会)
5月 3日(土) 5.3憲法集会(主催:石川県憲法を守る会)       約300人
 輝け9条!許すな改憲!5.3石川県民集会(主催:九条の会・石川ネット)約1,500人

1.憲法施行61年を迎えました。戦後の日本は、平和を希求する人々の努力によって、戦前のように日本の軍隊が他国の人々の命を奪うという事態には至っていないものの、平和や人権課題をめぐっては、いまだ憲法理念の実現とはほど遠い情勢にあります。戦後レジームからの脱却と改憲を掲げた安倍政権の崩壊によって、改憲勢力は2010年の明文改憲路線の修正を余儀なくされ、福田政権下では表だった改憲論議は後退しました。しかし、新テロ特措法の強行採決や米軍再編、そしてMDシステムを実戦的に展開することによって、平和憲法の空洞化は一段と進んでいます。
2.一方、今春の報道各社の世論調査では、改憲世論が後退していることが浮き彫りとなりました。朝日新聞では9条改憲反対派が66%を占め、改憲の旗振り役を務めてきた読売新聞では15年ぶりに改憲反対派が改憲派を上回りました。昨年5月には改憲手続法の成立が強行されましたが、それを受けて衆参両院で設置された憲法審査会は、このような世論の力で、いまだに構成メンバーも運営の規則も決まっていません。
3.もちろん改憲派は、このような世論の動向と政局絡みで路線を修正しただけであり、改憲を断念したわけではありません。3月には民主党議員14人を含む国会議員191人が参加する新憲法制定議員同盟が総会を開き、民主党・鳩山由紀夫幹事長は顧問に、前原誠司副代表は副会長に就任するなど、与野党の改憲勢力の再結集が図られようとしています。5月1日には改憲推進大会を開催し、あいさつに立った民主党・長島昭久副幹事長は「民主党も憲法改正を党是としている」と発言し、休止状態にある憲法審査会について、始動を求める決議を採択しています。明文改憲に向け、改憲勢力は虎視眈々と次の機会を狙っているということを忘れてはなりません。
4.4月17日、名古屋高裁はイラクへの自衛隊派兵違憲訴訟で、自衛隊のイラクでの活動は、武力行使などを禁じた憲法9条1項に違反するとの判決を下しました。自衛隊の海外派兵に対する初の憲法判断です。自民党改憲案では、9条2項の戦力不保持は変更するが、戦争放棄を掲げた1項は現行通りとしてきました。あたかも「戦争放棄」はこれまでも、そしてこれからも堅持するかのような誤解を国民に与えますが、実態はすでに戦争をしている国だと断罪したのです。さらに判決は平和的生存権の具体的権利性も認めました。特に注目すべきは、戦争遂行による被害や恐怖だけでなく、戦争の遂行への加担・協力の強制も平和的生存権の侵害とした点です。被害だけでなく加害も拒否できる権利を認めたことは極めて画期的であり、憲法学者をして「この判決は憲法を超えていないが、憲法学は超えた」と言わしめました。国内外の平和運動が勝ち取った大きな成果であり、私たちの運動にもしっかりと生かしていかなければなりません。
5.こうした中、私たちは憲法公布61年となる11月3日、そして施行61年となる5月3日に、憲法を守る会主催の集会・デモ行進と九条の会・石川ネット主催の集会に参加し、改憲をめぐる情勢を学び、平和憲法を守り抜く私たちの決意を広く市民に訴えました。
福田内閣が発足して1ヶ月余り、テロ特措法の期限が切れ、インド洋から海上自衛隊が撤退した中で開かれた11月3日の憲法集会では、嶋垣利春代表が主催者を代表して、改憲を巡る情勢は決して楽観できるものではなく、特に新テロ特措法の制定でインド洋での給油活動を継続しようとしていることを厳しく批判しました。引き続いての石川県民集会では、中日新聞北陸本社の窪田眞編集局長が講演し、2010年国民投票の可能性も消えていないと楽観論に警鐘を鳴らし、社会への絶望や歴史的な知識や反省の無さが人々を改憲や戦争に向かわせると指摘しました。
5月3日の憲法集会では、集まった300人を前に主催者を代表して岩淵正明弁護士は、イラクでの航空自衛隊の活動に対する違憲判決やイージス艦衝突事故をめぐる政府対応を批判し、改憲阻止への結束を訴えました。嶋垣利春代表も、派兵恒久法を狙う福田内閣を批判し、憲法空洞化への危機を訴えました。集会後、参加者は改憲反対を訴え市内をデモ行進し、引き続き厚生年金会館で開かれた九条の会・石川ネット主催の県民集会に合流していきました。県内各地から1,500人が結集した石川ネットの集会では、九条の会呼びかけ人でもある作家の井上ひさしさんが、100ヶ国以上が参加したハーグ平和市民会議の議論を紹介し、憲法9条が世界の流れの先頭にたっていると指摘し、9条を守る世界的な意義を、ユーモアも交えながらわかりやすく参加者に伝えました。
6.第44回護憲大会は11月2~4日の日程で、東京で開催され、平和運動センターは石川県憲法を守る会の構成組織として14人を派遣しました。
今回の大会は、1日目は開会集会とシンポジウム、2日目は午前に分科会、午後は市民団体とともに「武力で平和はつくれない!11・3市民集会」(約4,000人が結集)を開催し、終了後には都内をデモ行進、3日目はフィールドワークという、例年とは違った構成でおこなわれました。この時期が、改憲を掲げた安倍政権に対する改憲阻止のたたかいの大きなヤマ場になるとの想定のもと、護憲大会過去最大規模の集会を首都東京で実現し、改憲反対を強くアピールしようという狙いで企画されたものです。
  結果的には、参議院選挙の与野党逆転、安倍首相の政権放棄で情勢が変わりましたが、福田政権の下で進む、なし崩し改憲の動きへの危機感を共有化し、新テロ特措法廃案への決意を固め合い、憲法理念を実現する大切さを都民に大きくアピールする大会となりました。一方、大会期間中に突然開催された福田-小沢会談は参加者に大きな衝撃を与えました。参議院与野党逆転を「新しい可能性を秘めた時代」の始まりと積極的に評価する大会基調に対し、多くの参加者は大連立構想が浮上した二大政党化の流れに危惧を抱いて大会を終えることになりました。
3日目のフィールドワークでは、横須賀基地コースへ4人、靖国神社コースへは7人が参加しました。

Ⅲ.米軍訓練移転を阻止し、日本の戦争国家化を阻止する取り組み

9月14日(金) 小松基地航空祭で抗議の申し入れ(小松市、小松基地) 
20日(木) 小松基地騒音調査(~22日)  
      陸自第14普通科連隊の市街地武器携帯徒行訓練に抗議声明
   30日(日) 斉藤貴男講演会(主催:九条の会・七尾、共催:七鹿平和運動センターなど)
10月 5日(水) 北朝鮮への制裁延長反対を求める在日朝鮮人中央集会へのメッセージの送付
10日(水) テロ特措法の廃止を求める全国署名・集約
   18日(木) 「米軍は百里から出て行け!日米共同訓練反対!百里基地抗議集会」 
  22日(月) 第2回国民保護実動訓練反対自治体申し入れ(石川県、七尾市)
23日(火) 岩国基地米海兵隊委員の女性暴行事件に対する抗議の打電行動
11月 5日(月) 小松基地・第2回日米合同演習抗議行動        
          日米合同演習反対の申し入れ(小松基地、小松市)
11日(日) 国民保護実動訓練抗議行動(七尾市)            約200人 
13日(火) 七尾市内での陸自の武器携行徒行訓練の中止を求める申し入れ(七尾市)
14日(水) 七尾市内での陸自武器携行徒行訓練に対する抗議声明
新テロ特措法の衆議院での可決に抗議する打電行動の要請
   19日(月) 横須賀への原子力空母母港化反対関連訴訟支援の署名運動の取り組み
25日(日) 小松基地爆音訴訟・判決確定報告会・レセプション(小松市)
12月 9日(土) 学習討論会「無防備地域宣言条例を軸とした平和のまちづくり」(主催:社民党一区支部)
   22日(土) 石川県国民保護フォーラム(会場:小松市)の傍聴行動要請
1月11日(金) 新テロ特措法衆議院再可決抗議の街宣行動        約50人
        テロ特措法衆議院再可決抗議の打電行動    
 18日(金) 新宿御苑でのPAC3演習に抗議する平和フォーラム声明の送付     
 19日(土) エンプラ闘争40年~九州ブロック反基地集会(~20日)
 26日(土) 第8回非核・平和条例を考える全国集会(~27日・東京) 4人派遣         
2月13日(水) 沖縄米兵少女性暴力事件に対する抗議文の送付・打電行動の要請 
14日(木) 第5次小松基地爆音訴訟原告団募集開始の記者会見 
3月 6日(木) 住基ネット差し止め訴訟最高裁判決に対する抗議声明(住基ネット訴訟原告団・弁護団)
3月18日(火) すべての派兵を許さない!3.18イラク開戦5周年反戦集会
4月21日(月) 名古屋高裁判決についての平和フォーラム声明の送付
23日(水) 九条の会・石川ネット名古屋高裁判決を受け記者会見・声明発表
 5月23日(金) 宇宙基本法成立に抗議する平和フォーラム声明の送付
6月 1日(日) 「第9回非核・平和条例金沢集会in金沢」実行委員会結成集会
23日(金) 住基ネット差し止め訴訟最高裁判決報告集会
 7月 8日(火) 米イージス艦マック・キャンベルの新潟港寄港反対の打電行動
   10日(木) 米原子力空母ロナルド・レーガンの佐世保港寄港反対の打電行動
19日(土) 原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会 石川から5人代表派遣

1.米軍再編・小松基地への米軍戦闘機移転阻止の闘い

1.米国は世界的規模での国防態勢の見直しを進めています。その目的は①米軍の組織運用に柔軟性をもたせて小さな部隊で広範な領域をカバーする、②そのために同盟国の軍隊を積極的に活用する、の2点にあります。これを受け、日本における米軍再編は、①在日米軍基地の再編・強化、②在日米軍基地と自衛隊基地の一体化した使用、③米軍と自衛隊の一体化した活動、④対テロ戦争、ミサイル防衛、大量破壊兵器拡散防止に対する共同の取り組み、という観点から進められています。米軍戦闘機の訓練移転や辺野古でのヘリ基地建設への準備作業強行、キャンプ座間での米陸軍第一軍団前方司令部の発足など2007年には具体的な再編の動きがスタートしました。
これに対し、米軍再編を押し進めてきた安倍政権は参議院選挙で大敗し政権を放棄し、防衛省に関しても、米軍再編の実質的な推進者であった前防衛省事務次官・守屋武昌容疑者の収賄事件による逮捕、太平洋での米軍との共同演習に参加していたイージス艦「あたご」の漁船撃沈事件の発生、イージス艦情報流出による自衛隊員逮捕などが相次ぎ、国民の批判がかつてなく高まりました。米軍再編計画を吹き飛ばすほどの事件、不祥事、疑惑の続発でしたが、残念ながら福田政権下でも再編の動きにブレーキをかけることはできず、ミサイル防衛システムの実戦配備などで、米軍との一体化はむしろ加速しています。多くの敵失と参議院での与野党逆転という状況がありながら、政策転換へ十分活用できなかったことは、平和運動側の反省点として残りました。
2.小松基地では、5月に続き、11月5~16日に2回目の米軍戦闘機の訓練移転がおこなわれると発表されました。タイプⅡと言われる長期間(12日間)かつ大規模な訓練で、参加する米兵は180人、米軍F15は12機。しかも今回の訓練は、陸海空3自衛隊と在日米軍が同時期に日本各地の基地や周辺空、海域で行う日米共同統合演習の一環と位置づけられており、米軍嘉手納基地からだけではなく、百里基地の第七航空団と偵察航空隊、入間基地の中部航空警戒管制団、小牧基地の第一輸送航空隊、美保基地の第三輸送航空隊、新潟救難隊、そして小松基地の第六航空団が参加するものでした。当初、日本政府から語られた沖縄の基地負担軽減とは全くかけ離れた訓練であり、米軍の世界戦略の下、自衛隊を米軍の指揮下に置き、小松基地の戦略的重要性を高めていくための訓練だと言わざるをえません。
平和運動センターは小松能美単組協や加賀地区平和センター、爆音訴訟原告団、社民党県連合にも呼びかけ、訓練初日である11月5日早朝、基地正面ゲート前で抗議行動を展開し、さらに小松基地司令と小松市長に対し、訓練中止の申し入れをおこないました。
  この申し入れ時点で、訓練に参加する嘉手納基地所属のF15が機体の不具合で到着が遅れているとの報告があり、後日、その不具合は11月2日にアメリカ・ミズーリ州で起きた墜落事故によって判明したF15の構造的な欠陥であることが明らかとなりました。これにより小松基地所属のF15も点検のため飛行中止となり、11月19日までの15日間、小松の空には束の間の静寂が戻りました。
3.昨年成立した米軍再編特措法を受け、米軍再編交付金45億7千万円が予算化され、小松基地周辺自治体では小松市が3億300万円、加賀、能美両市が1億5100万円、川北町が3000万円、計6億3500万円が今年度から交付されることになりました。米軍再編に反対する岩国市や名護市、座間市は交付対象外とする政府の露骨なアメとムチの政策と言わざるをえません。なお、後日、名護市は辺野古移転のアセス受入を条件として、岩国市は空母艦載機受け入れ容認の市長誕生により、座間市も7月に座間市基地反対協議会を解散したことにより、交付対象となりました。自治体財政が厳しさを増す中、政府の予算攻撃を前に、平和運動側が反基地自治体(首長)を支えきれていない現実が浮かび上がっています。
4.百里基地の米軍訓練移転抗議集会(3人)や横須賀への原子力空母母港化反対集会(5人)など全国各地の平和運動とも連帯し、代表を派遣してきました。また、米兵の暴行事件や米軍艦船の民間港入港に抗議し、打電行動を展開してきました。

2.有事体制阻止の闘い

1.石川県と七尾市は11月11日、第2回となる石川県国民保護実動訓練を七尾市内の石油ガス備蓄基地と七尾港を舞台としておこないました。全国数カ所で同時爆破テロが発生し、県内でも警戒配備体制を執る中、石油ガス備蓄基地に対し不審船から攻撃があり配管に命中、火災が発生し、さらに不審船からテロリストが上陸した可能性もあるという想定で訓練ははじまりました。
  これに対し、平和運動センターは監視行動をおこない訓練の実態を把握すると同時に、約200人が結集して七鹿労働会館で「武力で平和はつくれない!実動訓練反対11.11七尾集会」を開催、引き続き市内デモもおこない、市民を戦争に巻き込む実動訓練への反対を訴えました。
  国民保護計画は、基本的には武力事態攻撃法を上位法とする戦争法体系の中に位置づけられた計画であり、銃後の備えを平時からおこない、県民を戦争に巻き込んでいくものです。当然ながら近隣諸国の敵視政策が大前提となっており、平和外交の推進にも逆行するものです。加えて、今回の訓練の問題点を具体的に整理すると、①地域住民を巻き込んだ有事訓練である(今回は230人の地域住民が参加し、自衛隊が地域社会に入り込み、住民を有事の想定下においていく)、②自衛隊の登場場面が拡大した(1回目と比較し、あらたに海上避難や化学剤処理にも自衛隊が参加し、舞鶴基地からはミサイル艇も参加した)、③軍民分離の原則に反している(自衛隊の避難民誘導は、国際人道法の軍民分離の原則に反し、住民を危険にさらす行為である)、④露骨な武力行使がおこなわれた(保安庁の巡視艇が不審船を挟み撃ちにし、銃撃する。海上保安庁法に照らしても行き過ぎ)、といった点が指摘されます。
  監視行動については報告書を後日まとめ、構成組織や全国の都道府県平和運動センター、報道機関、関係自治体などへ送付しました。
2.陸上自衛隊による市街地での武器を携行した徒行訓練が県内で相次ぎました。9月19日から20日にかけては羽咋市を出発し、かほく市内で野営し、金沢駐屯地へ、他の部隊も9月20日に能美市から小松市へ、さらに11月14日には七尾市内の集落を縫うコースでの徒行訓練の計画が明らかになりました。小松、能美両市は市民への周知不足を理由に中止を要請し、陸自は中止を決定。羽咋-金沢コースは、内灘町の要請を受け内灘町内は市街地を通らず海岸へ、金沢市内でも金沢平和運動センターと社民党一区支部の抗議もあり、野田-専光寺線から犀川河川敷へとルートが変更されました。七尾市は、平和運動センターの訓練中止の要請を受け、武器携行の中止を陸自に要請しましたが、陸自は予定通り訓練を強行しました。平和運動センターは羽咋―金沢の徒行訓練と七尾市内の徒行訓練の強行に対し、抗議声明を発表しました。
  これらの動きは報道機関も大きく取り上げ、県民に対して日常生活の軍事化の危機をアピールすることができました。今回は、いずれも直前の情報入手で緊急の対応となりました。情報の事前把握が課題となる中、金沢市は社民党一区支部の要請を受け、駐屯地から市へ訓練実施の通知があればすみやかに市議会全会派に報告するというルールが確認されました。県も含め他の自治体にもルール化をさせなければなりません。
3.住基ネット差し止め訴訟は3月、最高裁が国の主張を無批判に、全面的に受け入れた上告棄却の不当判決を出し、残念ながら5年余りに及んだ訴訟は終結しました。しかし1審で画期的違憲判決を勝ち取った意義は大きく、6月23日には判決報告集会をおこない、引き続き住基ネットの運用を監視していくこと、そして全国でたたかわれている訴訟と引き続き連帯していくことが確認されました。
4.非核・平和条例を考える全国集会は、民間港への相次ぐ米軍艦船の入港や米軍再編の動きに対し、地域や自治体のたたかいの情報を交換し、共有化することによって平和運動の力を強めていくことを目的としています。過去、平和運動センターは新潟集会に22人、長崎集会に3人、そして今年の東京集会に4人を代表派遣してきました。
  第9回となる次期集会の開催地を金沢でという要請が平和フォーラムからありました。金沢港が13メートルの大水深岸壁工事をおこなっており、完成すればイージス艦の入港が可能となること、小松基地では米軍再編による訓練移転がおこなわれ反対運動が展開されていること、国民保護実動訓練が2年続けておこなわれており、それに対する抗議行動や監視行動がおこなわれていることが金沢開催の理由です。
第3回運営委員会で引き受けることを確認し、6月1日には実行委員会の結成集会を開きました。桑原豊元代議士を相談役、共同代表には平和運動センター嶋垣利春代表、社会法律センター・岩淵正明弁護士、大学教員の田村光彰氏の3人が就任する役員案などを承認し、11月22,23日に開催する金沢集会の成功に向け、力を合わせていくことが確認されました。議事に先立ち、ヨコスカ平和船団の新倉裕史さんから「これまでの非核・平和条例制定運動の取り組みと金沢開催の意義」と題して講演を受け、平和憲法と戦後民主主義のさらなる可能性について学ぶことができました。

3.イラクへの自衛隊派兵反対、即時撤退を求める闘い

1.イラク開戦5年をむかえ、イラク情勢はますます泥沼化しています。ブッシュ政権は3万人の増派で治安回復に向かっていると成果をアピールしていますが、市民を無差別に大量虐殺してきた結果にすぎず、むしろ夫を殺害された女性の自爆テロが急増するなど究極の悲劇が街を覆っています。また、「戦場の民営化」が進み、ペンタゴンの業務を請け負いイラクに駐留する民間業者は、米兵の16万人に対し18万人にものぼっています。民間軍事会社は、米国の軍法会議にもかけられず、イラク国内法にも規制されないため、「自由に」イラク市民を殺傷しています。
2.平和運動センターは3月18日、県内各地から300人が結集し「すべての派兵を許さない!3.18イラク開戦5周年反戦集会」をおこないました。航空自衛隊のイラク派兵は続き、1月には新テロ特措法の衆議院再可決でインド洋の給油活動も復活、さらに派兵恒久法制定への動きが強まる中の集会であり、米兵の暴行事件やイージス艦「あたご」の漁船撃沈事件への怒りの中、全ての派兵を許さない、米軍も自衛隊も許さないという決意を固め合う集会となりました。
3.4月17日の名古屋高裁での自衛隊派遣違憲訴訟は、小泉内閣以来、憲法など関係なしと言わんばかりに、なし崩しに進めてきた自衛隊派兵を厳しく断罪した画期的判決です。政府がひた隠しにしてきた航空自衛隊の活動の実態を地道な調査と豊富なデータで暴き、その実態が米軍の武力行使と一体化したものであることを立証した原告団・弁護団の努力の賜であり、平和運動の積み重ねによって勝ち取った判決だといえます。判決の意義を全国各地の運動に活かしていくことが大切であり、平和センターは直ちに即時撤退を求める平和フォーラムの声明を構成組織に送付しました。九条の会・石川ネットも記者会見をおこない、その判決内容を高く評価した声明を発表しました。
4.インド洋での給油活動については、テロ特措法の延長阻止によって、11月1日をもって海上自衛隊のインド洋からの撤退が実現しました。そもそもアフガン戦争は、ブッシュ政権が、9.11同時多発テロの首謀者とみなしたウサマ・ビン・ラディン(FBIは容疑者とはしていない)をタリバン政権が保護しているとして、米国の個別的自衛権の発動として開始された侵略戦争です。彼が容疑者ならばFBIが国際指名手配すべき事案であり、開戦の大儀はありません。しかもタリバン政権の崩壊、ビン・ラディン消息不明の中、米国が作り上げた開戦の理由さえなくなっています。際限のない「テロとの戦い」であり、加えて自衛隊の活動をめぐっても、米艦船への給油のイラク戦争へ転用や海上自衛隊艦船の航海日誌の不正廃棄、不明朗な燃料購入契約なども明らかになっており、撤退は当然のことです。
5.福田内閣はインド洋での給油活動に限定した「新テロ特措法案」提出し、参議院では野党の反対で否決されましたが、57年ぶりの衆議院の再可決で法案を強行成立させました。米国追従の戦争加担政策の継続であり容認できないのはもちろんのこと、新たに国会承認を削除したことが重大な問題点として指摘されます。平和運動センターは1月11日に香林坊で街宣・ビラまき行動をおこない、抗議の打電行動も展開しました。

4.小松基地爆音訴訟の取り組み

1.第3次、4次訴訟が2007年4月16日に確定したことを受け、原告への賠償金の配分など残務作業が終了した11月25日、小松基地爆音訴訟判決確定報告会・レセプションが開かれ、訴訟の成果や意義を確認しあい、5次訴訟に向けた方針が示されました。
2.その後、平和運動センターも参加する爆音訴訟連絡会の中で5次訴訟に向けた規約や事務局体制、原告募集のスケジュール等が確認されました。平和運動センターとしても、原告募集説明会の開催を該当地域の構成組織に呼びかけるなど、原告団への参加呼びかけに協力してきました。

Ⅳ.改悪教育基本法の実効化を許さず、歴史認識の歪曲を許さない取り組み

10月 4日(木) 「高校歴史教科書検定での沖縄戦『集団自決』に関する記載内容」への
修正指示撤回を求める署名の要請
19日(金) 県教研全体会記念講演(講師:尾木直樹さん)
12月 5日(水) 南京大虐殺から70年 幸存者証言集会
  14日(金) 沖縄戦「集団自決」に関し、文科省へ「検定意見」の撤回を求める抗議の打電行動
 2月 4日(月) 日教組教研集会に開催妨害に関する平和フォーラム声明の送付
11日(月) 第6回建国記念日(「紀元節」)を考える市民集会
26日(火) 日教組教研集会全体会開催妨害に関し、プリンスホテルへ抗議文を送付
 4月 2日(水) 映画「靖国」上映中止に関する平和フォーラム声明の送付
 6月 7日(土) 韓国禮山郡月進会尹圭相会長平和講演会
   20日(金) 教科書検定制度の透明性を求める平和フォーラム声明の送付
   26日(木) 尾山台高等学校の解雇無効の決定を求める団体署名の要請
 7月28日(月) 不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する署名の取り組み要請
8月 1日(金) 哀しみの南京上演
   2日(土) 第8回「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める全国集会

1.改悪教育基本法の実効化を許さない闘い

1.教育基本法の改悪とそれを具現化させる教育3法の改悪は、愛国心の強制と競争主義、成果主義にもとづく教育へと公教育のあり方を180度転換させるものです。その先には戦争国家づくりがあることは明白であり、これら悪法の実効化阻止に向けた取り組みが何より求められています。教育の右傾化を先導した安倍内閣は崩壊し、安倍内閣の教育改悪を支えた教育再生会議もその役割を終えました。しかし福田内閣のもとでも、3月28日に公表された「次期学習指導要領」では、愛国心や国際貢献の追加、道徳の強化などが盛り込まれるなど、教育改悪が確実に押し進められています。
2.高校歴史教科書での沖縄戦「集団自決」をめぐる記述問題について、前年度の署名行動に続き、文科省の修正指示撤回を求める取り組みや、検定意見の撤回を求める打電行動に取り組みました。沖縄県民の大きな怒りや全国的な署名運動などによって、教科書会社の訂正申請に応じる形で日本軍の関与が一定認められることになったものの、「日本軍の命令による『集団自決』」という事実の記述は認められていません。
3.「憲法・’47教育基本法の理念の実現を目指す石川県民の会」に参加し、県民の会が両教組とともに共同開催した県教研全体集会の記念講演に参加してきました。また、日教組教研集会への妨害行為に対しては、両教組と連携し、抗議文の送付などに取り組みました。

2.歴史認識の歪曲を許さず、戦争責任を明らかにする取り組み

1.戦後63年を経て、戦争体験の証言者はますます高齢化しています。その体験を継承していくことは平和運動の重要な課題となっています。「南京大虐殺から70年 幸存者証言集会」や「第6回建国記念日(「紀元節」)を考える市民集会」、「第8回『大東亜聖戦大碑』の撤去を求める全国集会」に参加し、「哀しみの南京」の上演にも協力してきました。
2.石川県においては七尾港における中国人の強制連行・労働をめぐって謝罪と賠償を求める裁判が提訴され、平和運動センターも「支援する会」の団体会員として勝訴に向けて協力をしているところです。また富山県でも朝鮮半島からの強制連行・労働をめぐって謝罪と補償、未払い賃金の支払いを求める第2次不二越訴訟がたたかわれています。現在、名古屋高裁金沢支部に控訴中で、第2次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会から控訴審のたたかいに向けた署名の提起があり、富山県平和運動センターより協力の要請がありました。七尾訴訟とも基本的な目的を同じくした裁判であり、平和運動センターとしても署名運動に協力してきました。

Ⅴ.反核・脱原発の取り組み

              
9月 5日(水) 志賀原発差し止め訴訟第3回控訴審 
 17日(月) 地震と原発を考える全国集会(東京)       
18日(火) 耐震問題で原子力安全・保安院交渉        
10月 1日(月) 志賀原発差し止め訴訟第4回控訴審 
   6日(土) 全国署名運動街頭署名行動(香林坊)     
13日(土) 全国署名運動街頭署名行動(香林坊)
15日(月) 「地震大国日本の原発を考える集会」主催:金沢地区センター(18:15~・労済会館)
20日(土) 志賀町全戸ビラ入れ行動                  約30人
   30日(火) 全国署名運動、石川県申し入れ(374,307筆)     
11月 5日(月) 志賀原発核燃料輸送に対する監視行動
    6日(火) 志賀原発核燃料輸送に対する抗議行動           約150人
   全国署名運動、志賀町、北陸電力申し入れ(403,814筆) 
   28日(水) 志賀原発核燃料搬入(11/29)に対する抗議声明発表
12月 8日(土) もんじゅを廃炉へ!全国集会(福井市)石川103人、計約1,500人
原水禁全国交流集会              
 10日(月) 志賀原発差し止め訴訟第5回控訴審
 18日(火) 北陸電力の活断層隠しに対し抗議声明発表
2月 9日(土) 2.9志賀現地講演集会
15日(金) 「喜友名正さん労災認定署名」要請
「柏崎刈羽100万人署名」要請
22日(金) 全国署名運動県申し入れ(518,107筆)・原子力行政改革案の提言 
23日(土) 「北陸電力に原発運転の資格なし!志賀原発を動かすな!北電包囲行動」
(富山市)               石川142人、計約500人
27日(火) 志賀原発視察       
 3月 4日(火) 再発防止対策検証委員会報告書に対し抗議声明発表   
全国署名運動志賀町申し入れ(518,407筆)  
14日(金) 北電の志賀2号機再稼働申し入れに対し抗議声明発表
17日(月) 志賀原発の運転再開に反対する打電行動要請
20日(木) 志賀原発の運転再開を許さない!志賀現地緊急抗議集会   約200人
21日(金) 知事の志賀原発再稼働了承に抗議し記者会見・抗議声明発表
24日(月) 志賀原発差止め訴訟第6回公判        
25日(火) 全国署名運動東京行動(519,458筆)
4月 2日(水) 志賀原発原子炉手動停止に関する抗議声明発表
  7日(月) 志賀2号機停止に関し、北電・県へ申し入れ
  18日(金) 「被爆62年原水禁世界大会報告書」発行
 5月 8日(木) 志賀2号機の再稼働への抗議声明       
   19日(月) 原水禁石川県民会議総会
   31日(日) 「52万人にありがとう!全国署名運動まとめ集会」  
 6月 4日(水) 原爆症認定訴訟緊急打電行動の要請
7日(日) 6.7止めよう再処理!全国集会、交流集会(青森)
    8日(日) 持続可能な地域をつくるエネルギーシンポジウム(青森) 
          市民サミットG16in青森(青森)         
   11日(水) 志賀原発2号機営業運転開始に対する抗議声明発表   
          原水禁平和行進・富山県からの引き継ぎ(倶利伽藍峠)   10人
13日(金) 原水禁奥能登地区集会(会場:珠洲労館前)       120人
14日(土)  〃 中能登地区集会(会場:志賀原発団結小屋前)   100人
   16日(月)  〃 金沢地区集会(会場:駅西中央公園)       145人
           〃 白山地区集会(会場:白山市役所前広場)     185人
   17日(火)  〃 南加賀地区集会(小松市役所前広場)        80人
   28日(土) 柏崎刈羽原発を廃炉に!安全なくらしを!全国集会   
   石川40人、計約1,000人      
29日(日) 同集会分科会         
 7月 2日(水) 志賀原発差し止め訴訟第7回公判
30日(水) NPT体制を覆す米印原子力協力協定に反対する緊急打電行動
 8月 4日(月) 原水禁世界大会広島大会(~6日)            19人
    7日(木)    〃   長崎大会(~9日)            16人
 9月 3日(水) 志賀原発差し止め訴訟公判

1.核兵器廃絶への取り組み

1.北朝鮮による2006年10月の核実験強行は、東北アジアはじめ世界に大きな襲撃を与えました。東北アジアの平和実現への取り組みと、そのための議論がいままで以上に重要性を増しています。その一方で政府や与党幹部の中からは核保有議論発言が相次ぎ、2007年6月には久間防衛大臣(当時)の原爆投下容認発言などもありました。これらは、ヒロシマ・ナガサキの経験の風化と、被爆国日本としての核廃絶への決意がゆらいでいることを示しており、原水禁運動の力量が今あらためて問われています。六ヶ国協議への関心をさらに高め、国内で核兵器を容認する動きにも敏感に対応していかなければなりません。
2.ブッシュ政権が打ち出した核の先制攻撃、小型核兵器の開発、ミサイル防衛計画の推進などが核拡散の流れを生み出し、インド、パキスタン、イスラエルに加え、北朝鮮やイランの核保有も予断を許しません。さらにブッシュ政権は、自国の原子力産業の利益のため、NPT体制の例外としてインドの核保有を容認し、原発輸出を可能にする米印原子力協力協定の締結を承認するようNPT加盟国に働きかけました。協定に国際的承認を与えるための審議は、国際原子力機関(IAEA)理事会と原子力供給国グループ(NSG )でおこなわれます。日本は、IAEAの理事国であり、また、コンセンサスで決定を行うNSG のメンバーでもあることから、日本政府が反対を貫けば協定は承認されません。核廃絶という被爆国日本の国是を踏まえ、協定に反対するよう被爆者団体や広島、長崎両市はじめ全国の反核・平和団体が政府に働きかけを展開しました。石川原水禁と平和運動センターも原水禁国民会議の要請を受け、緊急打電行動を展開しました。しかし福田政権は早々と米国追随で協定を容認する方針を固め、9月6日、NSGは協定承認を決定しました。核廃絶を目指す日本の立場を放棄し、NPT体制を危機に陥れた福田政権は厳しく批判されなければなりません。
3.米印原子力協力協定は核兵器と原発が不可分の関係にあることを改めて示しています。国内でも六ヶ所村再処理工場ともんじゅに端的に示されている通り、商業利用と軍事利用が一体として押し進められようとしています。平和・核軍縮、ヒバクシャ援護、脱原発という3本の旗を掲げた原水禁運動がますます重要となっています。このような情勢を踏まえ、運動課題について原水禁石川県民会議の構成組織内で意思統一を図り、県内外の平和団体との連帯をさらに深め、原水禁運動を強化するため、長年開催してこなかった総会を5月19日に開催しました。
4.被爆63周年非核平和行進は、例年通り、富山県からの引き継ぎを受け、珠洲、志賀、金沢、白山、小松の県内5会場で、地区平和センターと石川原水禁の共催として取り組まれました。社民党議員団は全員が石川原水禁の役員として名を連ねており、それぞれの会場で連帯のあいさつを受けました。参加者は各会場でいずれも昨年を大きく上回り、それぞれの地域で核廃絶をいままで以上に大きく市民にアピールすることができました。金沢会場では金沢市長(代理)や金沢市勤労協、連合金沢、民主党一区総支部、被爆者友の会からあいさつを受け、白山会場では白山市長、野々市町長のメッセージが、小松会場では小松市長と連合小松能美地協のメッセージが紹介されました。
5.2008原水禁世界大会へは、広島大会19人、長崎大会16人の代表団を派遣しました。全体集会や分科会、フィールドワークやまとめ集会への参加し、さらに被爆者の悲惨な体験を直接聞き、原爆資料館や被爆遺構の見学などを通じて、核について学習を深め、核廃絶への決意を固めあうことができました。
1日目の全体集会については、両大会とも60周年大会以降、原水禁、連合、核禁会議の3団体共催で開かれています。三団体共催のため、集会内容は三団体で一致できる範囲に絞り込まれるため、憲法問題や米軍再編、日米安保、脱原発などの課題には全く触れられません。参加者からも、労働界の数合わせに終始しており、核戦争の危機を打破する力を結集する大会になっていないとの指摘があります。この問題点については60周年大会終了後に北信越ブロックとして原水禁国民会議に意見書を提出しています。核開発や戦争、原発推進につながるあらゆる動きを直視し、論議を深め、平和運動の強化・前進につながる大会の実現へ、引き続き働きかけを続けなければなりません。
6.高齢化する被爆者の課題解決は急務となっています。原爆症認定訴訟では、大阪地裁、広島地裁、名古屋地裁、仙台地裁、東京地裁、熊本地裁と次々に国の認定制度の欠陥が司法によって裁かれています。石川原水禁と平和運動センターは、国の控訴断念、認定基準の見直しを求める打電行動を展開しました。

2.脱原発、反核燃料サイクル路線の闘い

1.2006年10月以降、志賀原発の臨界事故隠しも含め、全国の原発で1万件を超える事故隠し、データ改ざんが発覚しました。さらに能登半島地震や新潟県中越沖地震では国や電力会社の想定を大きく超える揺れが原発を襲い、安全神話は崩壊しました。核燃料サイクルの要である六ヶ所村再処理工場や「もんじゅ」もトラブル続きで、スケジュールは大幅に狂っています。しかし国は、再処理工場の本格稼働やもんじゅの運転再開に向けて、なお突き進もうとしています。プルサーマル計画も玄海、島根、伊方など多くの原発で実現に向けて手続きが進められています。原発の新増設についても、地球温暖化問題に絡めて推進派は反転攻勢に出ています。脱原発の実現へあと一歩という情勢がある一方で、プルトニウム社会へ突き進む危機的な情勢でもあります。推進・反対両派にとって正念場のたたかいを展開した1年でした。
2.地震・断層問題では、2005年の宮城県沖地震、2007年の能登半島地震、中越沖地震によって国の安全審査の前提は覆りました。あり得ないとされた「設計用限界地震」を超える揺れが原発を襲ったのです。各電力会社は新耐震設計審査指針にもとづき、新たな断層調査と耐震調査をおこない3月には中間報告を発表しました。依然として断層の過小評価や断層隠しが指摘されますが、その不十分な調査を前提にしても、全ての原発で、計画段階で想定した最大地震を上回る地震が想定されています。原発の設置許可の前提が崩れたわけですから、本来ならば全ての原発の設置許可を取り消すべきです。
その後も、六ヶ所村核燃施設や大間原発、もんじゅ、敦賀原発、島根原発などで次々と新たな活断層の存在が専門家によって指摘されています。「活断層の近くに原発はつくらない」、「敷地内に活断層はない」といった過去の電力会社の発言がウソだったことが次々と明らかになっています。さらに「死んだ活断層」「未知の活断層」が動いたとも言われる中国・四川大地震や岩手・宮城内陸地震など現実の大地震の発生は、原発の耐震論争を根底から覆すものです。地震・断層問題は脱原発を実現する重要な切り口になりました。
平和運動センターは、志賀原発の運転再開阻止のたたかいに全力をあげると同時に、柏崎原発の廃炉に向けたたたかいに連帯し、柏崎刈羽100万人署名に取り組み、6月28日に柏崎現地で開催された「柏崎刈羽原発を廃炉に!安全なくらしを!全国集会」にも参加しました。
3.六ヶ所村再処理工場の本格運転開始ともんじゅの運転再開は、日本の原子力政策の根幹であり、原子力推進勢力はその実現に向け闇雲に突き進んでいます。私たちにとっても、両施設の運転阻止は原子力政策の転換に直結するものであり、全国的な脱原発運動の最重要課題として全力でたたかいを展開しています。福井市内で12月に開催された「もんじゅを廃炉へ!全国集会」へは例年の倍の103人を派遣し(全国一般の独自参加を含む)、県庁包囲行動にも参加しました。6月に青森市内で開かれた「6.7止めよう再処理!全国集会」にも参加し、全国の運動との連帯を深めました。この集会は青森市内で開催されたG8エネルギーサミットに対抗した企画でもあり、マスコミにも大きく報道され、青森県民に核燃阻止をあきらめるなという強いメッセージを贈ることができました。
4.「原発は地球温暖化対策の切り札」というキャンペーンが展開され、原発メーカーは国内だけでなく東アジアやアメリカなどへの原発輸出の動きを強めています。洞爺湖サミットでも原発推進が叫ばれ、首脳宣言では原発の拡大に向けて国際協力を強化する方針が盛り込まれました。しかし、原発依存の温暖化対策は大量エネルギー消費社会を前提としており、本来おこなうべき対策を遅らせ、温暖化を逆に進めることとなります。原子力開発に偏ったエネルギー開発予算を、再生可能エネルギーや省エネルギーの研究開発や導入に投入することこそ必要です。
5.原発被爆労働者問題では「喜友名正さん労災認定100万人署名」に取り組みました。原発労働者の被爆による労災認定は過去に1人だけであり、喜友名さんの労災認定を勝ち取ることは、原発被曝労働者の労災認定の狭い門をこじ開け、40万被曝労働者の補償を前進させることにもつながります。さらには被曝労働者の存在なしには原発は運転できないという原発問題の根幹を問うたたかいでもあります。

3.志賀原発に反対する取り組み

1.志賀原発2号機は運転開始から3ヶ月余り、2006年7月にタービン・トラブルで停止、1号機も昨年3月に発覚した臨界事故隠しで国から停止命令を受けました。いずれも、北陸電力に原発を扱う能力も資格もないことを示すもので、平和運動センターは「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動」を軸にして、志賀原発の運転再開阻止のたたかいに全力をあげました。
2.北陸電力は当初、2007年内の運転再開を目指していました。臨界事故隠し発覚からわずか1ヶ月足らずで急遽2本の報告書をまとめあげ国に提出。これを受けた原子力安全・保安院は、報告書の内容を基本的に了承したうえ、「保安規定の見直し」という行政処分のみで、事実上の処分なしとして一気に事件の幕引きを図ろうとしたのです。そこで6月30日に立ち上げた署名運動は、全国署名としては短期集中型となりますが、10月20日を一次集約日として、原水禁や各都道府県の平和運動センター、中央組織、社民党や全国の市民団体に呼びかけて、運動を展開しました。
3.署名運動開始直後の7月18日に中越沖地震が発生、原発震災が現実の危機となりました。臨界事故隠しへの怒りから立ち上げた署名運動でしたが、志賀原発の耐震危険性にも大きく焦点を当て、マンガパンフレットの作成や学習会を開催するなど、市民の関心に沿った運動を展開しました。こうして10月末の一次集約では約40万筆の署名が集まり、これを受け、県や志賀町、北陸電力に申し入れ行動をおこないました。中越沖地震への対応や私たちの運動もあり、年内の再稼働は見送られました。
北陸電力は年度内再稼働に目標を切り替えました。これに対し、私たちは県議会当初議会が大きなヤマ場になるとの判断から2月末を最終集約として設定し、署名への協力要請を続けました。ここで寄せられた約52万筆の署名は、行政や北陸電力に対する再稼働反対の申し入れや、北電本店や志賀現地での抗議行動に大きな力を発揮しました。
4.北陸電力は2号機で耐震裕度向上(耐震補強)工事を実施するともに、3月14日には新耐震設計審査指針にもとづく「耐震バックチェック」の中間報告を公表しました。16本の活断層の評価を見直し、490ガルという従来の基準地震動も600ガルに引き上げました。しかし、福浦断層など原発周辺の断層は依然何本も消されています。600ガルの数字自体、その妥当性を検証しなければなりません。また、その揺れを前提にした場でも、果たして志賀原発は耐えられるのか、住民の不安は高まります。北陸電力は、余裕をもって設計・建設してあると逃げますが、安全審査の前提を覆す評価が示された以上、設置許可の取消が大原則です。
5.2007年度内の再稼働に向け、焦る北陸電力は県や志賀町を巻き込み再稼働へのシナリオを練り上げました。社外委員からなる再発防止検証委員会の報告や2号機全設備の健全性の確認結果報告で、対策は100点満点、完璧との評価を連発し、議会や地元住民、原子力環境安全管理協議会などの了承を一気に取り付け、3月25日、再稼働にこぎつけました。
ところがその1週間後には気体廃棄物処理系の水素濃度異常上昇で、再び原子炉停止に追い込まれました。原子炉停止に至る間、警報が鳴り響き、水素濃度の測定限界値を4回も超える事態を招きながら、北陸電力はその報告を後回しにしていました。停止せずに復旧させることを模索したのは明白で、安全軽視、隠す体質がまったく変わっていないことが示されました。設備の健全性を確認したという報告も実態が伴っていないことが明らかとなりました。
6.残念ながら2号機の運転再開を許しましたが、最終的には520,203筆というたくさんの署名を集めた全国署名運動には大きな成果がありました。①北陸電力の運転管理能力の無さや志賀原発の危険性を全国にアピールし、志賀原発の運転中止を全国的な脱原発の運動課題の一つに押し上げた。②原因究明や再発防止対策の問題点をあばくことにより、行政が北陸電力追随で、安全面のチェック体制が全く機能していないことを県民の前に明らかにした。③市民グループや全国の仲間との共闘関係を築くことができた。このような成果を踏まえ、今後は年度内に予想される1号機の再稼働の阻止に向け、さらにとりくみを強化していかなければなりません。
7.能登原発差止め訴訟の控訴審は、相次ぐ地震が1審判決の正しさを裏付けていく中、控訴人である北陸電力からは反論らしい反論も展開されない(できない)中、10月に結審、年度内判決の見通しが強まりました。この間の公判には、事務局が可能な限り傍聴行動に参加してきました。

Ⅵ.政党、議会、選挙との関わり

                
9月29日(土) 民主党いしかわ県連パーティ
 10月20日(土) 元気印ミーティング 保坂展人のミニ国会報告会
11月30日(金) 長田孝志さんご苦労さん会(小松市)         
 1月12日(土) 社民党県連合・1区支部旗開き           
 7月21日(月) いのち・平和を語る「六輔+1」

1.社民党県連合や民主党石川からの集会やパーティ等の呼びかけには積極的に対応してきました。また、平和運動センターの新春の集いでは社民、民主両党に来賓あいさつをお願いし、集会、街宣行動などでも必要に応じて協力を求めてきました。
2.小松基地や志賀原発に関する自治体申し入れ、記者会見などでは、社民党議員団の協力を得ておこなってきました。

Ⅶ.関係団体と共同行動を広げる取り組み

             

1.石川県勤労者協議会連合会との連携について

1.「車の両輪」として連携していくことを方針としており、「新春の集い」は2005年以降共催で開催しています。平和運動センターが主催する集会等についても連帯のあいさつを要請し、参加も呼びかけてきました。
2.県勤労協の総会へはメッセージをおくりました。また、県勤労協が取り組む物販活動については、平和運動センター代表との連名で地域勤労協・単産・単組へ協力を呼びかけています。

2.連合石川との連携について

1.連合との関係が密になるよう努力する方針を確認しています。総会や新春の集い、「国民保護実動訓練反対11.11七尾集会」、「3.18イラク開戦5周年反戦集会」では連合石川・上田弘志会長から連帯のあいさつを受けました。
2.原水禁の取り組みでも協力を求めており、総会では上田弘志会長から連帯のあいさつを受けました。金沢での原水禁平和行進でも連合金沢地協から連帯のあいさつを受けています。また原水禁世界大会では、原水禁、連合、核禁会議の三団体で開会集会を開いていることから、広島大会、長崎大会ともに開会集会後の夕食・懇親会を合同でおこなっています。

3.護憲諸団体との連携の拡大にむけて

【石川県憲法を守る会】
1.2004年の総会で態勢を強化し、従来の平和運動センター、社民党県連合、社会法律センターに、県勤労協、がんばれ社民党石川の会、瑞穂と一緒に国会へ行こう会が加わり、2005年からは金沢地区平和運動センターも参加しています。代表委員は社会法律センター(岩淵弁護士)、平和運動センター(嶋垣代表)、社民党県連合(宮下代表)、そして澤信俊金沢星陵大学教授の4人とし、事務局長は社民党県連合(清水幹事長)、事務局次長は平和運動センター(北野事務局長)から出しています。
2.戦後62年の護憲大会へは11月2~4日、東京で開催され、憲法を守る会は平和運動センターからの14人を含む20人を派遣しました。
3.県内では11月3日に金沢市役所前広場で「11.3憲法公布61周年記念集会」開催し、約200人が参加。福田内閣に代わっても改憲を巡る情勢終了後、市内デモをおこないました。5月3日にも同じく金沢市役所前広場で「5.3憲法集会」を開催し、300人が参加し、市内デモをおこないました。また、両集会の直前の1週間はラジオCMをおこない、多くの県民に改憲反対を訴えました。
4.11月26日には総会を開催し、会員の拡大など活動方針を確認しました。総会後には「海を渡った自衛隊は何をしたか・・・テロ特措新法を考える」と題して前田哲男さんの講演があり、前田さんはテロ特措法以降の6年間を、対米協力ありきで出口戦略を示さないまま派兵が継続されていると批判、インド洋給油活動についても240億円の燃料が闇活動や違法給油にも回されている実態を指摘、こちらから対案として「対抗構想」を打ち出す必要があるとし、平和基本法制定して憲法前文と9条の具現化すべきという持論を展開されました。

【原水禁石川県民会議】
1.長く総会を開催できずにきましたが、5月19日に開催することができました。
総会には96人が参加し、共同代表の1人である宮下登詩子社民党県連合代表のあいさつに続き、上田弘志連合石川会長、藤田利男県勤労協会長、奥田建民主党石川幹事長、西本多美子石川県被爆者友の会事務局長から連帯のあいさつを受けました。議事では2007年度経過報告が提案・承認され、2008年度の活動方針案、会則改正案が提案・採択されました。役員体制については、代表委員に平和運動センター・嶋垣代表、社民党県連合・宮下代表とともに新たに社会法律センター・川本蔵石弁護士が就任し、事務局長は引き続き平和運動センター・北野事務局長が就任しました。非核平和行進や自治体賛助金の要請、世界大会への参加などで全面的な協力を受けてきた社民党議員団には、代表委員はじめ特別執行委員など全議員に役員に就任していただき、体制を強化しました。
総会の記念講演では、全国被爆2世団体連絡協議会の山崎幸治会長から「“援護なき差別”から“差別なき援護”へ」という演題で、被爆二世三世が抱える問題を通じて政府の被爆者行政を批判的に学び、被爆者問題に取り組む重要性について認識を深めることができました。
2.原水禁平和行進は、県内5会場で取り組み、各会場でいずれも前年を上回る参加者がありました。世界大会へは広島大会19人、長崎大会へは15人を派遣しました。これらの取り組みには、石川県も含め17の自治体から賛助金を受けています。
3.世界大会終了、参加者の報告文を中心にした報告集を作成し、参加者や構成組織、自治体、広島原水禁、長崎原水禁、平和フォーラム、北信越ブロック各県平和運動センターなどに送付しています。

【石川県社会法律センター】
12月10日(月) 総会
7月12日(土) くらしの相談(珠洲、輪島、七鹿、羽咋、河北)
  13日(日)   〃   (金沢、白山、小松、加賀)

1.石川県社会法律センターは1978年10月7日、当時の石川県評や社会党議員団と協力関
係にある弁護士有志等により設立され、県下労働者・市民の生活と権利を守り、民主主義の擁護、発展に向けて労働運動、住民運動を法律面から支えることを目的にしてきた組織です。登録されている弁護士は、新たに長井竜也弁護士を加え14人となりました。主たる活動として無料の法律相談と平和運動センターとタイアップした「くらしの相談」があり、さらに小松基地爆音訴訟や志賀原発差止め訴訟の弁護団としてもたたかっています。理事長は北尾強也弁護士、平和運動センターからは副理事長に嶋垣代表、理事に北野事務局長を送っています。
2.12月10日には第30回定期総会が開かれ、経過報告、決算報告、今年度の活動方針と予算案が提案通り承認されました。議案審議あと、理事の奥村回弁護士から「志賀原発と地震」と題して、能登半島地震の解析結果を中心に、地震による志賀原発の危険性について講演がありました。
3.7月12、13日におこなった「くらしの相談」は、今年は55件(昨年は66件)の相談がありました。広報手段については、従来の新聞折込チラシ(10万部)による案内を、昨年から新聞広告欄への掲載(発行部数30万部)に変更。テレビ、ラジオの無料イベント案内は昨年同様活用しました。奥能登や加賀方面は少なく、金沢やその近郊が増加するという近年の傾向が今年も見られました。担当弁護士を、七尾会場は2人から1人とし、金沢会場を2人から3人に増員して対応しました。
4.憲法や有事法制の問題について、法律センターの弁護士に講師を依頼して学習会を開催して                                 
います。

【「聖戦大碑」撤去の会】
1.2000年8月に護国神社横の都市公園に建立された「大東亜聖戦大碑撤去」の撤去を求
め、2001年5月26日、「大東亜聖戦大碑の撤去を求め戦争の美化を許さない石川県民の会」が設立されました。「県民の会」はその後、運動を全国展開していくことが確認され「大東亜聖戦大碑の撤去を求め戦争の美化を許さない会」(略称:「聖戦大碑」撤去の会)として活動を続けてきました。
2.平和運動センターは「会」の趣旨に賛同し、当初から3人の共同代表の一角を担っており、  
現在は嶋垣代表が共同代表を務めています。12月5日の「南京大虐殺から70年 幸存者証言集会」、8月2日の第8回「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める全国集会に参加してきました。

【住基ネット差し止め訴訟を進める会・石川】
1.2002年8月に稼動を開始した住民基本台帳ネットワークシステムは、2003年8月から本格稼動を開始しました。個人情報の流出、悪用の懸念が消えないだけでなく、国民の管理が一段と強化されます。全国各地で差止め訴訟が起こされる中、石川県でも2002年12月、社会法律センターなどの呼びかけにより26人を原告として金沢地裁に差止め訴訟が提訴されました。
2.提訴の前の11月26日には裁判を支える組織として「住基ネット差し止め訴訟を進める会・石川」が結成されました。県平和運動センターとしては、「進める会」からの呼びかけで運営委員や単産役員が原告団に加わり、「進める会」にも積極的に参加してきました。
3.2005年5月30日には一審勝訴判決を勝ち取りましたが控訴審で逆転敗訴、最高裁でも国の主張を全面的に採用した不当判決が出されました。6月23日には判決報告集会が開かれ、裁判は敗訴という形で結審しましたが、引き続き住基ネットの運用を監視し、全国でたたかわれている訴訟と引き続き連帯していくため、会は存続させることが確認されました。その後、記念講演として、国立市の上原公子前市長が「私が住基ネットを切断した理由」という演題で国立市のたたかいを報告、参加者は住基ネット反対のたたかいを続けていく決意を固め合いました。

【憲法九条を広める会】
1.五十嵐正博神戸大学大学院教授と岩淵正明弁護士が共同代表を務めます。
2.平和運動センターが取り組む集会等への参加を呼びかけ、また、広める会が主催する学習会についても広報に協力してきました。

【九条の会・石川ネット】
1.岩淵正明弁護士はじめ62人の呼びかけ人が賛同人を募る運動形態をとります。2004年12月15日の発足集会はじめ各行事では県内護憲団体に協力を呼びかけており、平和運動センターは憲法を守る会の構成団体として協力をしてきました。運営は呼びかけ人、賛同人が参加する運営委員会の協議のもとで進められていきます。事務局には北野事務局長が参加しています。
2.年2回県民集会を開催しています。今年度は11月3日の集会では中日新聞北陸支社の編集局長、5月3日は九条の会の呼びかけ人であるの井上ひさしさんと戯作者松崎菊也さんを招いて、9条をめぐる情勢や9条を守る意義などについて学習を深めました。また毎月9日には「9の日行動」として香林坊で街宣・ビラまきをおこない、その他、情勢に応じて記者会見や声明を発表しています。賛同人は791人となっています。

【七尾強制連行訴訟支援会】
1.2005年7月19日、第二次世界大戦末期に中国から日本へ強制連行され、強制労働させられた中国人399人のうち4人が原告となり、国と七尾海陸運送(株)を被告として損害賠償請求と謝罪を求める裁判を金沢地裁におこしました。
2.「七尾強制連行問題を調査する会」が中心になってこの裁判を支えようとの呼びかけがあり、2005年7月18日に「七尾港に強制連行・労働させられた中国人の戦後補償を求める訴訟を支援する会」が発足しました。平和運動センターは団体会員として参加しています。
3.3月28日に結審し、10月31日に判決言い渡しの予定です。

【小松基地と戦争に反対する小松市民と県民の会(反基地県民の会)】
1.小松基地への米軍の訓練移転が今後も予想されます。米兵による被害も危惧され、全国的な連携を強化しなければなりません。また、爆音訴訟団は年内に第5次訴訟を提訴する方向で準備を進めており、法廷外闘争の強化も求められています。たたかいの強化に向け、会の再建が課題となっています。
2.今年度は会計について、小松能美単組協との間で調整をおこないました。組織の再建には至りませんでした。

Ⅷ.組織財政の立て直しと運動の裾野を広げる取り組み

        

1.加盟組織について

1.JPU北陸が10月で組織解散、印刷労連が11月で財政事情により脱退、ホクレンからも 11月に会費納入中止の通知があり、12月18日の第2回運営委員会で脱退を承認しました。
これにより構成組織は16となりました。登録組合員数は7,672人で、前年度を1,083人下回りました。
2.2005年度に平和センターを脱退した自治労県本部へは、再度の加盟を働きかけており、12月6日には文書をもって要請をおこないました。

2.運営体制について

10月10日(水) 第1回運営委員会 
12月18日(水) 第2回運営委員会 
 1月28日(水) 第3回運営委員会 
 3月14日(水) 第4回運営委員会 
 4月18日(水) 地区代表者会議
 7月 4日(金) 第5回運営委員会
 9月 8日(月) 第6回運営委員会(~9日)
   29日(月) 第7回運営委員会、第9回定期総会

1.運営委員会を7回、地区代表者会議を1回開催しました。引き続き構成団体の意思統一を図るため、状況に応じて必要な会議を開催していきます。
2.発文書数は106回(9月8日現在)でした。今後も方針に沿って必要な発文をおこないます。
3.限られた事務局体制のもと、拡大していく課題に対応していかなければなりません。運動課題の重点化、加盟組織の実態をふまえた行動提起、事務作業の簡素化・効率化等など様々な角度から常に事務作業の点検をしつつ、事務局体制の強化を図ります。
4.「新春の集い」は県勤労協との共催としました。参加者は146人、谷本知事や連合石川・上田会長ら多くの来賓の皆様にも参加していただき盛況に開催することができました。

3.組織財政の立て直しについて

1.加盟組織の見通しが不透明だったため、組織財政検討委員会を開催できませんでした。加盟組織、登録組合員数がいずれも減少する中、基金会計からの繰り入れを前年度比230万円増の800万円として運営してきました。経費削減の努力はさらに重ねなければなりませんが、現状の運動を前提に考えた場合これ以上の削減は限界に近く、収入増の努力が不可欠となっています。
2.小松基地爆音訴訟3次4次訴訟確定による賠償金(協力金)1,500万円は、運営委員会での了承を得て「小松基地訴訟第3次」会計に繰り入れました。
3.PEACEネット石川の会員募集については、会費は引き続き3,000円とし、各単産・単組の協力をえて前年度から取り組み、当初の77人から115人に拡大しました。しかし、会費納入率伸びず、PEACEネット会員費は272,000円にとどまりました。会費納入の要請方法について、さらに工夫が必要です。

4.教宣活動について

      
1.「PEACE石川」は12月、7月の2回しか発行できませんでした。最低年4回、運動の展開とかみ合った迅速な発行体制が求められます。ホームページには集会等の活動案内や申し入れ書、打電の文書を随時掲載しており、「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動」開始後からアクセス件数は数倍増加しました。今後とも新鮮な情報を掲載し、組合員に活用される内容となるよう努めます。
2.学習用教材としては、止めよう再処理1全国実行委員会発行「動かしていいの?六ヶ所再処理工場」、長崎原爆マンガ「夏の残像」、原水禁発行「第五の被爆者」、原水禁発行「原発で地球は救えない」を購入、斡旋しました。

5.署名運動の取り組み

今年度は以下の署名運動に取り組みました。

        名称                  集約日      集約数
テロ特措法の廃止を求める全国署名         10月10日   10,594筆
     〃      団体決議                      19組織
横須賀への原子力空母母港化反対関連訴訟支援の署名 12月20日    4,287筆
北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名       2月 末日   37,973筆
                             (全体 520,203筆)
喜友名正さんの労災認定を求める署名         4月 末日   14,541筆
柏崎刈羽原発の廃炉を求める署名(首相・経産大臣宛) 6月10日   11,555筆
     〃         (東京電力宛)    6月10日   12,633筆         
尾山台高等学校の解雇無効の決定を求める団体署名   7月21日 7組織
不二越訴訟を支援する署名              8月25日    6,786筆

6.地区平和運動センターとの関わりについて

1.各地区平和運動センターは独立した運動体として組織され、活動しています。県平和運動センターとの上下関係はなく、お互い連携しながら運動を展開しています。「地区平和運動センター」はそれぞれ「地域勤労協」と協力関係を築いており、地区によっては財政を一本化しているところもあります。今後も、地域事情に応じた、活動しやすい形態を追求するという観点から、独自性を尊重していきます。
2.地区平和センター総会の開催状況
白山(4.25)羽咋(5.16)珠洲(5.22)金沢(6.5)小松能美(6.24)
能登(6.27)野々市(7.10)加賀(8.20)七鹿(9.5)
※未開催地は輪島、穴水、門前、河北となっています。
3.4月18日には地区代表者会議を開催しました。平和をめぐる運動課題が拡大し、厳しさを増すなか、県平和運動センターと地区平和運動センターが共通認識にたって行動できるよう意見交換しました。また、原水禁総会、原水禁世界大会、非核平和行進、およびくらしの相談の取り組みについても意思統一を図りました。
4.原水禁平和行進は珠洲、志賀、金沢、白山、小松の各会場で、地区センター石川原水禁の共催で取り組みました。世界大会へは珠洲(1人)、七鹿(1人)、羽咋(1人)、金沢(5人)、白山(2人),小松能美(2人)、加賀(2人)から代表を派遣しています。くらしの相談は珠洲市、輪島市、七尾市、羽咋市、かほく市、金沢市、白山市、小松市、加賀市の9会場で実施し、55件(昨年66件)の相談がありました。
5.金沢地区平和運動センターは10月15日、元刈羽村村議の武本和幸氏を招いて地震国日本の原発を考える集会を開催しました。

7.青年・女性部への支援・援助について

10月 5日(金) 青年・女性部総会 
10月23日(火) 青年・女性部10.23反戦平和を考える集会
           「福田政権と憲法改悪」講師:岩淵正明弁護士   
12月 7日(金) 12.8反戦平和を考え行動する会
       「沖縄戦教科書問題から見る日本のゆくえ」講師:森一敏金沢市議
2月 7日(木) 2.8反戦・平和を考える青年女性集会
6月23日(月) 6.23反戦・平和を考える青年女性集会
           「福田政権による『戦争のできる国づくり』反対にむけて」講師:川本蔵石弁護士
  
1.03年度より青年・女性部が結成され、平和運動センターの専門部として位置付けられまし た。青年・女性部の代表者1名は平和運動センター運営委員会の委員に入っています。
2.平和運動センターは青年・女性部の自主性を尊重しつつ、必要な指導・援助をおこなってきました。

8.平和フォーラム、北信越ブロックについて

9月29日(土) 全国基地問題ネットワーク総会(~30日・旭川市)
11月20日(火) 平和フォーラム北信越ブロック会議(~21日・長野)
   22日(木) 原水禁国民会議常任幹事会               
1月28日(月) 平和フォーラム北信越ブロック会議(~29日・福井)
2月29日(土) 平和フォーラム全国活動者会議(~3月1日・静岡)
3月 1日(土) 全国基地問題ネットワーク幹事会(静岡)
4月 3日(月) 原水禁国民会議常任幹事会、原水禁世界大会実行委員会  
25日(金) 平和フォーラム・原水禁総会    
 5月24日(土) 北信越ブロック地域活動交流集会(~25日・福井)       9人
                                                   
1.フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム・江橋代表)が提起する活動にも可能な限り 
参加してきました。特に「もんじゅを廃炉に!全国集会」へは103人を派遣しました。また平和フォーラム総会、全国活動者会議にも参加しました。
2.「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名」は平和フォーラムや北信越ブロックの協力も得て展開しました。2月23日の「北陸電力に原発運転の資格なし!志賀原発を動かすな!北電包囲行動」は、富山県平和運動センターを中心に北信越ブロックの協力のもと成功させることができました。
3.今年度は北信越5県の平和運動センターで構成する「北信越ブロック会議」の幹事県は福井  
県が務め、5月には福井県あわら市と池田町を会場に地域活動交流集会が開催されました。石川県からは9人を派遣しました。