武力によらないイラク復興支援訴えた高校生に対する首相発言への抗議

2004年2月5日

内閣総理大臣
小泉 純一郎 様
石川県平和運動センター
代表 嶋垣 利春

武力によらないイラク復興支援訴えた
高校生に対する首相発言への抗議

一人の高校生が、武力によらないイラク復興支援と自衛隊の撤退などを求める請願を、自分で集めた5,358人分の署名とともに首相に提出しました。小泉首相は請願を読むこともせず、学校で自衛隊派遣の意義を教えるべきだと、教育のあり方に注文をつけたと報道されています。以下の理由で重大な問題をはらんだ発言だと考えます。
まず、請願に対する不誠実な態度です。憲法16条では何人も請願権を有することが明記されており、行政の最高責任者である内閣総理大臣は誠実にこれを受け止める義務があると考えます。内容を読もうともせず批判するなど、もってのほかです。
次に高校生の政治的発言を蔑視する態度を指摘せざるをえません。子どもの権利条約を持ち出すまでもなく、子どもの意見表明権は当然尊重されるべきです。世間を知らない高校生が何を言ってるんだという姿勢では首相としての資質が改めて問われるといわざるをえません。
三点目として、まさに政治の教育への不当な介入です。イラクへの自衛隊派兵は「大量破壊兵器の存在」という大義もいまだ証明できず、「非戦闘地域へ派遣」というイラク特措法も政府自ら踏みにじるものです。国論が二分されていることは首相自身認めざるを得ない状況です。こうした中で内閣の方針を教育現場で教えるべきだという発言は、政治の教育への不当な介入に他なりません。戦前・戦中の軍国主義教育につながるものであり、戦争国家へ突き進む小泉内閣の本音が露呈した発言と言わざるをえません。
以上、今回の小泉首相発言に対して断固抗議するとともに、発言を即刻撤回し、請願者に対し謝罪することを求めます。