1. 2006年度 活動方針
Ⅰ.私たちを取り巻く情勢
1.冷戦崩壊後、米国は、国家意思としてはまさに世界の「覇者」として君臨しています。しかし、その実態は「覇者」とはほど遠いものがあり、この落差が、あるときは米国の単独行動主義の引き金となり、あるときは国際政治を読み解く鍵になっています。
アフガンやイラク侵略戦争を見るまでもなく米国が行動した地域には秩序ではなく新たな無秩序が生まれます。いま新たに米国はユーラシア大陸の南部を「不安定な弧」と位置づけた軍事戦略を構築し、次の戦争を狙っています。この地域は単に大規模な軍事的衝突の可能性があるだけではありません。米国にとって豊富な資源をもつ軍事的な競争相手が出現する可能性があるからこそ影響力を行使しようとします。しかし、片や中国、ロシアが連携した上海協力開発機構にインドやイラクもオブザーバー参加し、相互依存関係を深めて米国一国集中を阻止する動きがユーラシア大陸全体で広まっています。国際的批判が集中した米印原子力協定はインドの切り離しを狙った米国の苦肉の策です。
米国に従っていた数多くの「盟友」も、いま次々と国際政治の舞台から消えつつあります。スペインのアスナール首相やイタリアのベルルスコーニ首相は政権交代を経て姿を消しブレア政権も来年には退陣の方向です。いまや欧州世論はイランやイラクよりブッシュ政権を世界への脅威と受け止めています。ラテンアメリカではベネズエラのチャべス政権誕生を機に、周辺諸国を巻き込んで反米、反新自由主義の闘いが急速に広まっています。
米国は世界の経済システムのグローバル化を進め、貧困、差別、人権侵害など「格差社会」を作り出し、核の先制使用も含めた軍事戦略で優位に立とうとしていますが、世界各国がその動きに同調しているわけでは決してありません。むしろ米国は孤立化の道を歩んでいます。
2.世界の潮流を読み誤るとき、国の将来は危うくなります。先の大戦の教訓です。いまあらためてポスト9.11時代の日本の選択が問われています。
小泉前首相は「世界の中の日米同盟」をキーワードに、「日米同盟が強固であればあるほど、アジアとの関係も良好」になると強弁してきました。世界の潮流を大きく踏み外していると言わざるをえません。この誤った認識の下、米軍とともに再編強化された軍事力、米国と一体化した経済、そして日本独自の精神的支柱の確立、すなわち靖国神社参拝や愛国心を強制することによって、アジアの中の大国として生き抜こうとしています。これは安倍新内閣にも引き継がれていく国家像であり、改憲の基本的な方向です。
3.しかし、小泉から安倍へ、これは単純な政権継承ではありません。政治生命をかけて実現したい政策は郵政民営化だけで、劇場型政治を駆使し民主主義を空洞化させた小泉前首相に対し、安倍新首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)対応で明らかなように、「確信犯」的タカ派政治を内外で展開していくことが予想されます。
「非戦闘地域がどこかと聞かれても私に分かるわけがないじゃないですか」と煙に巻く小泉前首相に対し、安倍新首相は究極の解釈改憲で集団的自衛権を容認したうえで派兵を正当化することでしょう。また、自ら戦争犯罪人と認めるA級戦犯が合祀されている靖国神社になぜ参拝するのかとその理由を問われ、小泉前首相は不戦の誓い、心の問題という抽象的理由を繰り返すだけでした。安倍新首相は明確に東京裁判を否定し、侵略戦争を肯定する立場にたちます。
安倍新政権は改憲と教育改革を政権の重要課題として掲げました。もちろん米軍再編やMD構想の推進、自衛隊のインド洋とイラクへの派兵延長、さらに自衛隊の恒久派兵、共謀罪の新設など治安立法の強化、核燃料サイクル路線やプルサーマル計画の推進などもいままで以上に強力に推し進め、さらにナショナリズムを煽りアジア蔑視の政策も展開していくものと思われます。
4.時代は戦後から戦前へ、そして戦中へと確実に舵を切ろうとしています。
この時代に立ち向かう平和運動の担い手、労働者を取り巻く環境の厳しさも認識しておかなければなりません。「格差社会」をさらに押し進める大増税政策や社会保障制度改悪が次々と労働者を襲っています。景気は回復基調にあると言うものの、それはリストラをおこなった一部大企業のものであり、中小企業の業績には依然厳しいものがあります。特に全労働者の3割を占める非典型労働者の賃金は正規雇用労働者の半分にも満たず、劣悪な労働条件を強いられています。働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない「ワーキングプア」と呼ばれる“働く貧困層”も急激に拡大しています。
一方、マスコミも巻き込んだ公務員バッシングもとどまるところを知りません。「総人件費改革」は公務員の自然減を上回る削減案であり、公務労働者潰しが露骨に推し進められようとしています。様々な制度改悪が、平和運動を担う労働運動全体にかけられた攻撃と受けとめなければなりません。
5.私たちは、国内的には厳しさを増す情勢を怒りと危機感をもって受け止めつつ、反戦・平和、環境、人権と民主主義擁護の立場は世界の大きな潮流そのものであり、確信をもって、以下、具体的な活動方針を提起していきたいと思います。今年の運動作りにあたっての基本姿勢として以下の3本の柱を掲げたいと思います。
まず、組織・財政面が極めて深刻な状況をむかえる中、平和運動の「センター」として、より効果的な運動の前進を目指さなければなりません。平和運動センターが自ら主体的に取り組むべき課題、他団体と連携して取り組むべき課題、他団体の活動に委ねるべき課題を整理しなければなりません。2点目として、政策への一層の影響力拡大が求められます。平和運動センターへの結集力の強化を図るとともに、議員団をはじめとした他団体との連携を強めます。3点目として組織・財政問題の展望を明らかにしなければなりません。現状では現体制を維持できるのは数年であり、加盟単産・単組の協力も得ながら、勤労協や地区平和運動センターとの関係も含めた組織・財政の見直しを進めていかなければなりません。
Ⅱ.組織財政の立て直しと運動の裾野を広げる取り組み
1.冷戦崩壊後、米国は、国家意思としてはまさに世界の「覇者」として君臨しています。しかし、その実態は「覇者」とはほど遠いものがあり、この落差が、あるときは米国の単独行動主義の引き金となり、あるときは国際政治を読み解く鍵になっています。
アフガンやイラク侵略戦争を見るまでもなく米国が行動した地域には秩序ではなく新たな無秩序が生まれます。いま新たに米国はユーラシア大陸の南部を「不安定な弧」と位置づけた軍事戦略を構築し、次の戦争を狙っています。この地域は単に大規模な軍事的衝突の可能性があるだけではありません。米国にとって豊富な資源をもつ軍事的な競争相手が出現する可能性があるからこそ影響力を行使しようとします。しかし、片や中国、ロシアが連携した上海協力開発機構にインドやイラクもオブザーバー参加し、相互依存関係を深めて米国一国集中を阻止する動きがユーラシア大陸全体で広まっています。国際的批判が集中した米印原子力協定はインドの切り離しを狙った米国の苦肉の策です。
米国に従っていた数多くの「盟友」も、いま次々と国際政治の舞台から消えつつあります。スペインのアスナール首相やイタリアのベルルスコーニ首相は政権交代を経て姿を消しブレア政権も来年には退陣の方向です。いまや欧州世論はイランやイラクよりブッシュ政権を世界への脅威と受け止めています。ラテンアメリカではベネズエラのチャべス政権誕生を機に、周辺諸国を巻き込んで反米、反新自由主義の闘いが急速に広まっています。
米国は世界の経済システムのグローバル化を進め、貧困、差別、人権侵害など「格差社会」を作り出し、核の先制使用も含めた軍事戦略で優位に立とうとしていますが、世界各国がその動きに同調しているわけでは決してありません。むしろ米国は孤立化の道を歩んでいます。
2.世界の潮流を読み誤るとき、国の将来は危うくなります。先の大戦の教訓です。いまあらためてポスト9.11時代の日本の選択が問われています。
小泉前首相は「世界の中の日米同盟」をキーワードに、「日米同盟が強固であればあるほど、アジアとの関係も良好」になると強弁してきました。世界の潮流を大きく踏み外していると言わざるをえません。この誤った認識の下、米軍とともに再編強化された軍事力、米国と一体化した経済、そして日本独自の精神的支柱の確立、すなわち靖国神社参拝や愛国心を強制することによって、アジアの中の大国として生き抜こうとしています。これは安倍新内閣にも引き継がれていく国家像であり、改憲の基本的な方向です。
3.しかし、小泉から安倍へ、これは単純な政権継承ではありません。政治生命をかけて実現したい政策は郵政民営化だけで、劇場型政治を駆使し民主主義を空洞化させた小泉前首相に対し、安倍新首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)対応で明らかなように、「確信犯」的タカ派政治を内外で展開していくことが予想されます。
「非戦闘地域がどこかと聞かれても私に分かるわけがないじゃないですか」と煙に巻く小泉前首相に対し、安倍新首相は究極の解釈改憲で集団的自衛権を容認したうえで派兵を正当化することでしょう。また、自ら戦争犯罪人と認めるA級戦犯が合祀されている靖国神社になぜ参拝するのかとその理由を問われ、小泉前首相は不戦の誓い、心の問題という抽象的理由を繰り返すだけでした。安倍新首相は明確に東京裁判を否定し、侵略戦争を肯定する立場にたちます。
安倍新政権は改憲と教育改革を政権の重要課題として掲げました。もちろん米軍再編やMD構想の推進、自衛隊のインド洋とイラクへの派兵延長、さらに自衛隊の恒久派兵、共謀罪の新設など治安立法の強化、核燃料サイクル路線やプルサーマル計画の推進などもいままで以上に強力に推し進め、さらにナショナリズムを煽りアジア蔑視の政策も展開していくものと思われます。
4.時代は戦後から戦前へ、そして戦中へと確実に舵を切ろうとしています。
この時代に立ち向かう平和運動の担い手、労働者を取り巻く環境の厳しさも認識しておかなければなりません。「格差社会」をさらに押し進める大増税政策や社会保障制度改悪が次々と労働者を襲っています。景気は回復基調にあると言うものの、それはリストラをおこなった一部大企業のものであり、中小企業の業績には依然厳しいものがあります。特に全労働者の3割を占める非典型労働者の賃金は正規雇用労働者の半分にも満たず、劣悪な労働条件を強いられています。働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない「ワーキングプア」と呼ばれる“働く貧困層”も急激に拡大しています。
一方、マスコミも巻き込んだ公務員バッシングもとどまるところを知りません。「総人件費改革」は公務員の自然減を上回る削減案であり、公務労働者潰しが露骨に推し進められようとしています。様々な制度改悪が、平和運動を担う労働運動全体にかけられた攻撃と受けとめなければなりません。
5.私たちは、国内的には厳しさを増す情勢を怒りと危機感をもって受け止めつつ、反戦・平和、環境、人権と民主主義擁護の立場は世界の大きな潮流そのものであり、確信をもって、以下、具体的な活動方針を提起していきたいと思います。今年の運動作りにあたっての基本姿勢として以下の3本の柱を掲げたいと思います。
まず、組織・財政面が極めて深刻な状況をむかえる中、平和運動の「センター」として、より効果的な運動の前進を目指さなければなりません。平和運動センターが自ら主体的に取り組むべき課題、他団体と連携して取り組むべき課題、他団体の活動に委ねるべき課題を整理しなければなりません。2点目として、政策への一層の影響力拡大が求められます。平和運動センターへの結集力の強化を図るとともに、議員団をはじめとした他団体との連携を強めます。3点目として組織・財政問題の展望を明らかにしなければなりません。現状では現体制を維持できるのは数年であり、加盟単産・単組の協力も得ながら、勤労協や地区平和運動センターとの関係も含めた組織・財政の見直しを進めていかなければなりません。
Ⅱ.組織財政の立て直しと運動の裾野を広げる取り組み
1.平和運動センターへの結集力を強化する取り組み
1.この1年間、総括で明らかにしたように反戦・平和、環境、人権と民主主義擁護をめぐる諸課題について積極的に取り組み、デモや街宣・ビラまきなどの行動を通じて直接県民、市民に訴えてきました。さらに私たちの取り組みはマスコミを通じても広く県民に伝えられ、平和運動センターの存在意義と役割を示してきました。
引き続きこれらの諸課題に対し積極的に闘争を提起し、全単産・単組の参加のもとで実現することによって、平和運動センターに対する理解や結集力・求心力が強まるようさらに努力していきます。これらの諸課題は労働運動の基本でもあり、各単産・単組との連帯を深めることによって、組織の強化と運動の拡大をはかっていきます。
2.運営委員会や四役会議での議論と合意形成をはかり、指導性を発揮できる体制を確立します。さらに拡大運営委員会や単産・単組代表者会議を開催しながら運動の全体化をはかっていきます。
3.四役を中心に、運営委員としての日常活動を強化し、構成組織との連携強化に努めます。
4.平和運動センターと組合員をつなぐ重要な媒体として、機関紙「PEACE石川」の定期発行と紙面充実に努めます。ホームページも常時新鮮な情報が掲載されるよう努めます。また、時々の闘争課題の理解を深めるための学習会を適宜開催します。
5.ベテランの役員が相次いで退任されます。闘いの経験の継承が課題となります。貴重な経験を話してもらう機会、活字に残してもらう機会を積極的につくります。
2.組織・財政の立て直しについて
1.組織財政検討委員会の中間報告を受けて、まずその着実な実施が求められます。支出の削減については登録組合員数の減少から、さらなる検討が求められます。収入の増加については、未加盟組合への加盟への働きかけ、PEACEネット石川の会員の獲得を中心に取り組みます。
2.継続的かつ将来的活動に向けた財政基盤の確立にはさらなる検討が必要です。組織財政検討委員会を引き続き開催し、組織財政再建3ヵ年計画の立案にむけて取り組みます。
3.脱退した組織に対しても、再考を願い、再結集への働きかけを続けます。
3.政策への影響力の強化を目指して
1.平和運動センターの運動課題をみたとき、小松基地への米軍戦闘機の訓練移転阻止、国民保護計画実働訓練反対、プルサーマル阻止など、平和フォーラムのもとに連帯して闘いつつも直接的には自治体を相手とした闘いも増えています。自治体の政策決定に影響力を持たなければなりません。
2.政党や議員団との情報交換、連携を密にし、運動を組み立てていきます。
4.地区平和運動センターとの連携を強化する取り組み
1.県内13地区に地区平和運動センター組織があります。県平和運動センターと上下関係はありませんが、原水禁平和行進や「くらしの相談」などの運動展開ができるよう代表者会議を開催しながら関係強化に努めます。また原水禁世界大会や護憲大会、北信越ブロックの地域活動交流集会へも積極的に参加してもらえるよう働きかけます。
2.地区平和センターは加盟単組の減少や組合員の減少、財政問題、勤労協との連携などの様々な地域的課題があります。統合を検討する動きもあります。それぞれがもつ課題の解決のために県平和運動センターとしての役割が発揮できるよう努力します。
3.昨今の代表者会議では県平和運動センターからの積極的な行動提起を求める声が多く出されます。地区平和運動センターと連携し、県内全域への運動の拡大を目指します。
5.青年・女性部の育成、強化について
1.青年・女性部は反戦平和の課題に積極的に取り組み、平和運動センターの運動にも積極的に参加しています。引き続き青年・女性部の代表は平和運動センターの運営委員として参画することとします。
2.青年・女性部は毎年2.8ジェット機墜落事故抗議・反基地闘争、6.23反安保・反戦平和闘争、10.21国際反戦平和闘争、12.8反戦平和を考える女たちの集会(連合や社民党などと実行委員会を結成)を継続して取り組んでいます。反戦・平和の運動を職場から作り出していく推進役という意味で、また各単産・単組の時代を担う活動家を育成する組織という意味で、平和運動センター、そして各単産・単組にとって大きな役割を果たしています。引き続き自主性を尊重しつつ必要な指導・援助をおこないます。
3.各単産・単組の青年女性組織は、最近の新規採用の抑制によって対象となる組合員が減少し、役員の選出や活動の継続が困難になっています。各単産・単組は青年女性の運動を積極的に援助するとともに、平和運動センター青年・女性部への役員派遣および運動への参加を指導していくものとします。
6.平和フォーラム、北信越ブロックについて
1.平和フォーラムが提起する会議には可能な限り参加し、情報交換、意見交換を積極的におこないます。平和フォーラムが提起する全国行動については、全国情勢と地域での闘争日程を勘案し、参加態勢を組んでいきます。「もんじゅを廃炉に!全国集会」は今年も参加していきます。
2.北信越ブロック会議や地域活動者交流集会には積極的に参加し、5県の連帯を深めます。小松基地への米軍戦闘機訓練移転抗議集会の実施にあたっては5県での取り組みも追求します。
Ⅲ.関係団体との共同行動を拡大する取り組み
1.県勤労協との連携強化を目指して
職場と地域の運動をつなげることは平和運動の強化につながるものであり、双方が意識的に連携を深めていくことは重要な事です。特に県平和運動センターと県勤労協は運動面においても財政面においても共通する課題が多く、また、地区平和運動センターと地域勤労協も一体化、あるいはそれに近い形態で活動しているところが多くみられます。
連携をさらに深めるため、意見交換会や学習会の共同開催などに取り組みます。
2.連合石川との連携について
1.連合が結成されて17年が経過しました。この間「連合運動への一元化」がめざされてきました。しかし、平和や政治課題をめぐっては一致できない部分が残っています。こうした中、小泉政権発足から5年5ヶ月、「9.11」から5年、そして平和運動センター発足から6年という歳月を振りかえったとき、平和運動センターを取り巻く情勢は激変しています。
2.平和運動センターは発足時にすべての政治活動の一日も早い連合への一元化を目指すとしつつ、一方で「平和運動センター」の名に相応しい行動展開に「当面」全力をあげるとしてきました。一見矛盾するかのような方針を抱え、運動体としては過渡的存在という印象をもたれるまま、現在の平和を巡る危機的な情勢に中心的な役割を果たし続けることは困難です。
そこで、一元化問題については新たな政治情勢、社会情勢を迎えた段階で再度議論することとし、平和運動センターは直面する危機的情勢に対処するため、加盟単産・単組、地区平和運動センター、そして個人会員の協力を得て、平和運動の「センター」として、全力でその役割を果たしていきます。
3.これは連合石川との関係に必ずしも距離を置くものではありません。平和運動センターの役割や労働界の中での位置づけをより明確にする中で、連合石川とのより積極的な協力関係を築いていきます。
3.政党、議会、選挙との関わり
1.2000年9月の第1回総会で確認したとおり、議員や政党との連携は運動面にとどめることを基本とし、特別の場合を除いて選挙闘争(候補者の推薦行為など)から撤退します。
2.平和を巡る運動課題は政治そのものであり、平和運動センターとして地域で政策的な影響力を強化していくため、社民党、民主党および議員団と積極的な情報交換、協力関係の構築を進めていきます。
4.護憲・平和諸団体との連携強化について
1.石川県憲法を守る会
5.3憲法集会の開催や護憲大会への参加に取り組みます。今年の護憲大会は大分県で開催(11/3~5)され、代表を派遣します。また、憲法公布60年を迎える11月3日にも集
会と金沢市内のパレードを計画しています。
2.原水禁石川県民会議
原水禁世界大会広島・長崎大会に代表を送るとともに、各地区平和運動センターと連携し、県内5ヶ所で平和行進を実施します。原水禁国民会議が提起する諸行動にも可能な限り参加していきます。
3.食とみどり、水を守る石川県民会議
県民会議が提起する諸行動に参加していきます。県民会議は現在、連合石川を軸とした組織への移行に向けて協議を重ねています。その結論を尊重していきます。
4.石川県社会法律センター
地区平和運動センターと連携し「くらしの相談」を実施します。無料法律相談を積極的にPRします。登録弁護士には、学習会の講師を依頼していきます。
5.「聖戦大碑」撤去の会
聖戦大碑の撤去を求める闘いに連携して取り組むとともに、会が主催する集会にも積極的に参加します。
6.住基ネット差し止め訴訟を進める会・石川
控訴審は結審をむかえ、12月11日が判決となります。進める会の要請に応え傍聴行動に取り組みと同時に、住基ネット反対の運動に連携して取り組みます。
7.憲法九条を広める会
憲法改悪反対の闘いを連携して進めます。広める会が主催する学習会を積極的に広報し、参加者の拡大にも努めます。
8.九条の会・石川ネット
石川ネットが呼びかける集会等には憲法を守る会の構成組織として積極的に参加していきます。賛同人の拡大にも取り組みます。
9.七尾強制連行訴訟支援会
団体会員として訴訟を支援していきます。
Ⅳ.反戦・平和、護憲、民主主義擁護の運動強化に向けて
1.憲法改悪を許さない取り組み
1.新憲法制定を掲げた安倍新政権の誕生で改憲に向けた動きはさらに加速するものと思われます。「新憲法の制定」を掲げ、昨年10月の公表された「新憲法草案」をさらに見直し、前文の書き換え、集団的自衛権の明記などにも踏み込んで来る可能性があります。いずれにしても当面、臨時国会で憲法改悪の手続法である国民投票法が争点であり、制定阻止にむけ全力を注がなければなりません。平和フォーラムの行動提起を受け、全国的な法律制定阻止の運動に連帯をしていきます。
2.安倍新政権で警戒を深めなければいけないのは、明文改憲の前にさらに解釈改憲を積み重ねようとしていることです。集団的自衛権しかり、武器使用を緩和した自衛隊派兵恒久法しかり。安倍氏の著書「美しい国へ」を読めば明らかですが、憲法と安保条約の間で矛盾があれば、彼は当然のこととして彼の祖父岸信介が締結した安保条約を根拠に物事を判断します。憲法解釈の限界を感じさせないタカ派的立場に単純かつ明快に立脚しています。今後の改憲論議の推移に注目し、警戒しなければなりません。
3.11月3日は憲法公布60年という節目であり、全国各地で改憲賛成派・反対派が様々な行動を展開すると思われます。県内でも憲法を守る会や九条の会・石川ネットが集会を予定しています。憲法を守る会の構成組織として、護憲諸団体とともに参加していきます。また国会情勢等も勘案しながら集会や街宣行動を展開していきます。
2.イラク戦争に反対し、日本の戦争国家化を阻止する取り組み
1.米英軍を中心に最大時39ヶ国で構成されていた有志連合のうち16ヶ国がすでに撤退し、撤退中もしくは撤退を考慮中の国を加えると過半数を超えています。米国内での撤退論も確実に高まっています。小泉内閣は空自の派兵延長を決定しましたが、もはや「イラク復興支援」という大儀名文のない露骨な米軍支援でしかありません。また、テロ特措法に基づく海自のインド洋派兵も延長されました。私たちは、自衛隊が「日常業務」として支援している米軍がイラクやアフガンで民衆を殺戮していることをはっきり認識しなければなりません。イラク戦争反対と自衛隊の即時完全撤退、海自のインド洋からの撤退を求め、引き続き運動を展開していきます。
2.小泉内閣はイラク派兵の過ちを認めるどころか、自衛隊派兵恒久法制定 防衛庁の省昇格法の制定を目指しており、これらは新内閣の課題として引き継がれ、さらに武器使用基準の緩和まで議論されています。「戦争のできる国づくり」を進めるものとして反対運動を強化します。
3.小松基地への米軍戦闘機の訓練移転反対闘争は、小松市長の受け入れ表明で終わるものではありません。受け入れの撤回、移転中止の日まで続けなければなりません。今秋にも再編計画に基づく第1回の訓練がおこなわれようとしており、北信越ブロックの他県にも呼びかけ、抗議行動を展開していきます。
4.小松基地航空祭に反対する取り組みや騒音調査などを爆音訴訟原告団や小松能美平和センター、加賀平和運動センターと連携して取り組みます。
5.全国基地問題ネットワークへの加盟を継続し、各地の情報交換、闘いの交流を図り、全国の反基地闘争と連帯した運動を進めます。
6.国民保護計画の実動訓練が今秋、金沢港を舞台としておこなわれます。国民保護の名の下で県民を戦時体制に組み込むものであり許すことはできません。抗議行動をおこなうとともに監視行動も実施し訓練の問題点を県民の前に明らかにしていきます。
7.住民基本台帳ネットワークシステムや共謀罪、監視カメラなど、プライバシーを侵害し、監視社会を押し進める動きに反対してきます。共謀罪は今秋の臨時国会でふたたび大きな争点になるものと思われます。学習会を計画していきます。
3.反核・脱原発の取り組み
1.志賀原発に対する長年の粘り強い闘いが、いま新たな局面を生み出しました。昨年の志賀原発差止め訴訟の勝利は、動いている原発でも止められる、危険ならば止めるべきだという極めて常識的な判断を住民の前に示しました。一度動き出したら止められない、そんな諦め観を払拭する画期的判決でした。さらに判決は旧態依然とした耐震設計指針に依存した原発の実態を明らかにしました。日進月歩の地震学とは無縁の世界に存在していたのです。私たちも止められる、止めなければいけないと言う確信と信念をもって闘い続けなければなりません。
2.運転差し止め判決を受けても止めなかった北陸電力でしたが、国(原子力安全・保安院)は6月30日、2号機の運転を停止し、点検するよう指示をしました。新品のタービンが設計ミスの欠陥品だったのです。最新の技術を駆使して作ったと日立は自負していましたが、国の技術基準を満たしていませんでした。そして国の安全審査はそれを全く見抜けずフリーパス状態でした。
3.金沢地裁判決とタービン破損問題は安全性に対する信頼を根底から突き崩しています。北陸電力は依然2010年プルサーマル計画の導入を断念していません。しかし、いま問われているのは、プルサーマル導入の是非ではなく原発の運転自体の是非です。2号機は原因の究明、対策の検討、新しいタービンの設計、製造、安全審査という経過を経ることになり、数年は停止状態です。この運転停止の間に差止め訴訟の控訴審も開かれます。相手の大きな失策を最大限活かした運動を展開しなければなりません。プルサーマル計画の中止、欠陥2号機の廃炉要求も含めた闘いを進めます。原告団の要請に応えて傍聴行動も続けていきます。
4.一方で1号機はフル稼働となります。核燃料の搬入、搬出に反対する運動、防災体制についても引き続き調査・提言活動に取り組み、「命のネット」をはじめとした自主防災運動を支援します。以上の取り組みは羽咋郡市平和運動センターや原告団と連携して進めます。
5.全国的には原子力政策大綱の策定を受け、プルトニウム社会に突き進もうとしています。六ヶ所村再処理工場の稼働、各地でのプルサーマル計画の押しつけ、もんじゅの運転再会への動きなどは原水禁や全国反対運動と連帯しなんとしても阻止しなければなりません。12月の「もんじゅを廃炉に!全国集会」にも参加していきます。
6.世界の核兵器廃絶運動は、ブッシュ政権の核先制使用論によって極めて厳しい状況にあります。原水禁国民会議の呼びかけに応え全国の核廃絶運動と連帯するとともに、日本の核開発、核武装化を阻止するためにも核燃料サイクル路線に反対していきます。原水禁世界大会、平和行進にも積極的に取り組みます。
4.教育基本法改悪を阻止し、歴史認識の歪曲を許さない取り組み
1.教育基本法改悪阻止の闘いがいよいよ最大のやま場をむかえようとしています。安倍新内閣は真っ先に教育の抜本的改革を手がける意向を表明しました。先の通常国会で継続審議となっている教育基本法改正案の早期成立を新政権の浮沈をかけた重要課題と位置づけてくることが予想されます。今秋の最重点課題の一つとして全力で改悪阻止に向けて闘わなければなりません。
2.中日新聞社の世論調査では取り組むべき教育改革として「教育基本法改正案の早期成立」と答えた人は複数回答にもかかわらずわずか17.2%で、選択項目の中では11番目でした。国会と国民の間には大きなギャップがあります。両教組や幅広い市民が結集して組織している「憲法・教育の理念実現を目指す石川県民の会」に引き続き参加し、「教基法『政府法案』の成立を許さない11.18石川県民集会(仮称)」の成功にむけて協力し、改悪反対を訴えていきます。
3.政教分離の原則を侵す靖国神社参拝に今後も反対していきます。また「聖戦大碑」撤去の会が呼びかける集会にも積極的に参加し、歴史認識を歪曲する動きに反対していきます。七尾強制連行訴訟支援会には団体会員として引き続き参加します。