2009年6月12日
内閣総理大臣
麻 生 太 郎 様
石川県平和運動センター
代 表 柚 木 光
抗 議 文
衆議院憲法審査会の委員数や議事運営などを定める「憲法審査会規定」が昨日の衆議院本会で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、制定されました。与野党間の合意もなく憲法審査会の始動に向けて強行採決した暴挙は許せません。石川県平和運動センターはここに強く抗議します。
そもそも「憲法審査会規定」の根拠となる「改憲手続法(国民投票法)」は、安倍政権下の2007年通常国会で、衆議院では強行採決され、参議院では18項目もの附帯決議がついてできた欠陥法です。どの法にもまして憲法の理念に立脚すべきにもかかわらず、それに反した「憲法改悪のため」のものであり、廃止する以外にない法律です。
今回の採決は、自公が多数をしめる衆議院で、解散によって与野党が逆転する前に審査会を始動させる環境をつくろうとするものです。加えて、目前に迫った総選挙での野党分断を狙った、極めて政治的思惑の強い採決と言わざるをえません。
本来、憲法は時々の政権の方針に左右されることなく、逆に、内閣や国会など国家権力を常に拘束する国の基本法です。現憲法が憲法改正の発議の用件として衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成を求め、改正には国民投票の過半数の賛成が必要としているのも、時の政権の思惑や国会の多数派の横暴で憲法が変わることがあってはならないからです。そういう意味において、現在の改憲手続法自体、立憲主義に対する挑戦として制定されましたが、今回の「憲法審査会規定」採決も同様に立憲主義に反する動きと言わざるをえません。
石川県平和運動センターとして重ねて今回の採決に抗議すると同時に、「憲法審査会規定」の廃止を要求します。