2025年7月17日
馳 浩 石川県知事 様
石川県平和運動センター
石川県憲法を守る会
社会民主党石川県連合
(各団体の公印省略)
護衛艦の(自治体管理)港湾への来航に関する申入れ
防衛省(海上自衛隊)は、7月19日(土)に金沢港無量寺ふ頭に護衛艦「みくま」を、20日(日)に七尾港大田3号岸壁に護衛艦「さわぎり」を接岸し、一般公開することを大々的に宣伝しています。しかも、事前申し込みによる「特別公開」が20日に「みくま」で、21日に「さわぎり」で行われ、「県内在住の中学1年生から32歳とその保護者」を対象に一般公開では見られない特別ルートでの公開を行なうとしています。明らかに自衛隊入隊に適した年齢の人々を意識したものです。
政府は今年4月、金沢港を「特定利用空港・港湾」に指定しました。有事(戦争的事態)に備えたインフラ整備や機能強化のために、また、イージス艦や大型艦船(アメリカ軍を含む)がいつでも接岸できるようにするためです。すでに同指定を受けた北九州空港(民間空港)では、空自築城基地のF2戦闘機が6月27日午後2時、民航機が駐機するなかで「タッチ&ゴー」(連続離着陸訓練)を強行したことが報じられています。
このように、港湾の軍事利用を追及しながら、イベントでは見た目のかっこよさを強調し、「特別公開」で特別感を煽り、海上自衛隊への勧誘、ひいては「戦争に命をかける」若者たちを募るためであると言わなければなりません。
石破政権は、陸・海・空の三自衛隊を一本化した統合作戦司令部を新設し、アメリカ軍の指揮の下に三自衛隊を運営し、「(台湾有事には)最前線にたつ」先制攻撃準備を進めようとしています。こうした中で、世界の軍艦と共同訓練を重ねている護衛艦が堂々と県民の前に姿を現し、しかも若者たちをターゲットとしていることに強く反対します。
6月20日、羽咋市立羽咋中学校では自衛隊による「出前授業」において、校舎の出入口に装甲車両を展示し、生徒たちが車両に触れたり上に乗ったりしながら「災害救助」で活躍する自衛隊の活動を前面に押し出す授業が行われています。自衛隊自身が言っているように第一の任務は「防衛(=戦争)」であり、「災害救助」は第二、第三の任務なのです。このような本質を隠すような行為を子どもたちに行うことは許されるものではありません。
戦後80年、かつての戦争の悲惨さを体験した人々が少なくなっていく中で、「戦前のような事態」が学校で、港湾で、空港で、堂々と行われていることに、迫りくる“戦争の危機”を感じざるを得ません。軍艦である護衛艦の来航に反対します。
あらゆる戦争政策に反対し、この声を日本のみならず世界に広げることが戦争を止める力となることを申し上げ、今回の「申入れ」といたします。
甲部港湾課長は、「港湾は平等に(誰でもに)開かれているため、護衛艦はダメとか言えません」と終始繰り返しました。
申し入れた方は、「管理者は石川県です。管理者として主体的に対応するべきである」とか、「憲法の主旨に照らし、三権分立、権力分散なので、その主旨を生かし、国家権力に対し地方権力を発揮するべきである」とか、「我々は決して、幻の、幻想をもって主張しているのではない、現実の変転からいまや『戦争する国』にひた走っている現実を捉えて言っているのです。いまや『平時ではなく、戦争準備をしている時だ』という危機感をもって、想定して対応をとるべきだ」と申し上げているのだ。