2023原水禁石川県民会議定期総会 記念講演「志賀原発を廃炉に!」訴訟原告団長 北野進さん

2023年度原水禁石川県民会議定期総会 ~報告~

                                        (5.16  18:00地場産業振興センター本館)

山本由起子常任執行委員(元金沢市議)の司会ではじまり、議長に糸矢敏夫代表委員(元平和運動センター代表)を選出、田村光彰(元北陸大学教授)代表委員の挨拶に移った。田村さんは、82年前にアジアと太平洋を戦争で汚したことの自覚も無く、当然、反省も無く、またぞろ「放射能汚染水」を太平洋に流そうとしている。この汚染水は当然、アジアの海を巡ることになる。自民党政権の政策には「反省」という言葉がないのでしょうか。「呆れ」をとおり越えて「怒り」が涌いてきます。このこのようなアメリカ一辺倒の、そして原発回帰に舵を切る政府を正すことも私たちの任務と言わなければなりませんと、私たちの置かれている現状を訴えた。

来賓の社民党県連盛本芳久代表は、「2003年、関電・中電の珠洲原発を断念させたことは、地元を含めて反対運動の担った方々のおかげであり、本当に敬意と感謝を申し上げたい。この教訓を志賀原発でも語れるようにがんばりましょうと挨拶した。連合石川、立憲民主党からはメッセージがきています。

2022年度の経過報告と諸取組みの総括を本田良成事務局長(石川県平和運動センター)が、監査報告を坊 真彦さんが報告し、承認を求めた。満場の拍手で経過報告、総括議案、監査報告は承認された。引き続き、2023年度方針と予算を本田事務局長が提案し、参加者の挙手で採択された。

記念講演は、現在、12年目をむかえる「志賀原発を廃炉に!」訴訟の原告団長北野進さんから、「志賀原発を巡る情勢~膠着状態から大きな山場へ~」と題して行なってもらった。

ロシアのウクライナ侵略の影響から「天然ガス」カット、「原発回帰」が流れのように見えるが、決してそうではないことをグラフや図で説明し、「脱原発」が世界の潮流であることを再確認した。また、電気料金値上げも「石油や天然ガスの供給不足」や「安い原発が稼働していないから」のように言っているが、実は、各電力会社とも「原発再稼働」のために多額の「安全対策費」を費やしており、それを電気料金の値上げで回収しようとしていることが本質なのだなど、原発と電気料金、そして断層問題に切り込んだ。そして、この原発を止めるためには、市町村など自治体の力を十全に活用することが重要であるとして、電力会社と結ぶ「安全協定」の必要性を説いた。とても分かりやすく勉強になる講演でした。講師に感謝いたします。あとは実践するのみです。

最後に、総会アピール、運動スローガンを確認して閉会しました。総勢48名の参加に感謝いたします。

総会アピール(案)

5月5日、珠洲市を襲った震度6強の地震は、死傷者・住宅倒壊・断水等の被害をもたらし、余震は今なお続いています。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

さて、メルトダウンから12年が経過した福島原発では、未だに原子力緊急事態宣言は発令中であり、一号炉では、圧力容器を支えているコンクリート製の台座が大破しており、いつ「崩落」してメルトダウンになるか分からない危険な状態にあります。さらには、汚染水の海洋放出など、まだ多くの問題が残されています。

こうした中で岸田政権は、2月10日に「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、3.11フクシマ以降に「原発の依存度を低減」するとしていた原発政策を180度転換し、再稼働の推進と新・増設、運転期間の延長など「最大限活用」に舵を切りました。そして2月13日、原子力規制委員会は、「最長60年の規制撤廃」を異例の多数決で決め、老朽原発の稼働延長を決定したのです。

奥能登の群発地震をはじめ、日本全土で地震が多発していますが、原発推進の一機関となった原子力規制委員会は3月3日、志賀原発の原子炉直下の断層を「活動性は認められない」として、2016年に有識者会合が示した「活動性は否定できない」を覆したのです。それを再稼働させようとする規制委員会・北陸電力の「無責任さ」を見逃すことはできません。

一方、昨年2月のロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略は、原発攻撃が「核戦争」を現実のものにする危険性があると世界を震撼させました。しかし各国の権力者は、「ウクライナのようにならないため」として、労働者・市民を監視・弾圧し、軍事同盟の強化と軍事費増大をすすめ、世界戦争の危機に拍車をかけています。

米・中対立が激しくなっている今日、岸田政権による原発政策の大転換は単なるエネルギー問題にとどまらず、日本の潜在的な核保有能力の維持を狙っていることを見ておかなければなりません。世界で唯一の戦争被爆国である日本が、2021年1月に発効した国連の「核兵器禁止条約」を批准していないだけでなく、米国の「核の傘」の下で「抑止力、対処力」なる戦争準備を一層強化しているのが、「平和の使者」を装った岸田政権といわなければなりません。

被曝78年目を迎えた私たちは、「核のない平和な世界」を実現するために、そして「核兵器の廃絶」に向け、ねばりづよく声を上げ世界の仲間と連帯して闘っていくことを確認し、総会アピールとします。

2023年5月16日

原水禁石川県民会議2023年度総会 参加者一同

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