平和な世界の実現に向けた取り組み強化を確認する特別決議(案)
イギリスによる保有核弾頭数の上限引き上げ公表や、ロシアによる核兵器使用を認めた「核抑止力の国家政策指針」の決定、さらには、朝鮮の「核戦力強化」を掲げた、新たな国家建設の方針決定など、核兵器保有国は再び核兵器増強へと舵を切ろうとしています。この背景には、「新冷戦」と例えられる、米中の対立の激化があります。
2021年4月16日におこなわれた日米首脳会談では、日米同盟の強化が改めて確認されるとともに、中国への対抗が強調され、日米共同文書において「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されました。アメリカのバイデン政権は「同盟国との連携を強化し、中国に対抗する」という姿勢を鮮明に打ち出しており、いま、台湾海峡がその「最前線」となっています。
アメリカは、九州を起点として、沖縄からフィリピンを結ぶ「第1列島線」への地上発射型長距離ミサイル網の構築を目論んでおり、与那国・石垣・宮古・奄美大島・馬毛島など南西諸島で進む自衛隊の新基地建設も、アメリカの対中国戦略と連動しています。さらには、米軍B2戦略爆撃機と航空自衛隊機の合同軍事訓練、九州地方でたびたび実施される海兵隊と水陸機動団との共同演習など、各地で行われる日米共同軍事訓練の回数も格段に増加しています。
これら日米軍事一体化の流れと、自衛隊と米軍の統合軍化の動きによって、日本は、アメリカの対中戦略の先頭に立たされており、かつてなく、戦争の危険性が高まっています。いまこそ、私たちは平和な世界の実現に向けた取り組みを、強化しなければなりません。日本政府は、安全保障政策におけるアメリカ追従の姿勢を改めるべきです。また、核兵器禁止条約への署名・批准も進めていく必要があります。
平和フォーラムは、憲法に示された平和主義を再確認し、各地における反基地闘争のとりくみや、核廃絶に向けた運動を結合させ、東アジアの非核・平和の実現に向けて、さらに全国でのとりくみを強化していきます。
以上、決議します。
2021年4月23日
フォーラム平和・人権・環境
第23回総会