周りの人たちに憲法改悪阻止をどう伝えるか 「山形高教組新聞」より
5.3憲法学習会の中で、「憲法改悪阻止を訴えたくても様々なタイプの方々がいるので難しいという話を聞いて講師の白神優理子(しらが ゆりこ)さんより、伝え方を4つのパターンに分け、その人がどのパターンに当てはまるかを考えて声かけしていくことが話されました。ぜひ参考にして下さい。
パターン1「何はどうあれルールは守らなきゃね!」という方に
まずは「なによりも1番に強調したいこと
中身はどうであろうと、首相の改憲発言は「それ自体が憲法違反!!」→憲法99条「憲法擁護義務違反」 ☆立憲主義にも民主主義にも反する動きである |
「憲法改正国民投票法」の問題点
※2010年に施行された「憲法改正国民投票法」ですが、下記の通り自由な表現活動の制限、公平性に欠ける部分があるため、国民投票はさせてはならない ①国会発議後から国民投票までの期間 →60日間と短いため、国民への周知ができない可能性がある。 ②公務員、教育者に対する運動規制 →教育者の「地位利用」禁止とすれば、大学の憲法学者が自由に講義やテレビで意見することができず、高校の「公民」等で生徒に質問された場合には答えられなくなる。主権者教育ができなくなる。 ③組織的多数買収、利害誘導罪の設置 →きわめて不明確な要件の下、広汎な規制を招く恐れがあり、自由な表現活動を萎縮させる危険性がある。 ④有料意見広告放送のあり方 →投票の14日前までの有料意見放送には規制がなく、お金のある団体等がCMを次々と放送できるため、公平性が確保されない ⑤最低投票率について →最低投票率が規制されていないため、ごく一部の国民だけで改憲が行われてしまう恐れがある。 |
パターン2「損をするのは嫌!」「自分の生活を守りたい」生活実感が大事な方に
☆国民99%が貧困になるのが安倍9条改憲
☆増大する軍事費
→2013年度4.8兆円だったものが集団的自衛権を閣議決定した後は、年々増え続けて2018年度は5兆円突破
=消費税、医療費、保険料は増加、生活保護や年金受取額は減少
社会保障費を圧迫→生存権の破壊
☆経済的徴兵制=アメリカでは防衛費が社会保障費を圧迫している
→アメリカでは医療費が高額で支払えないために医療が受けられないことも
→アメリカの軍隊志願理由のトップ「奨学金」「医療サービス」
=アメリカでは入隊すると教育費、医療費が無料になる
パターン3「情に厚い」「何よりも命が大切」という方に
9条2項=陸海空その他の戦力はこれを保持しない
☆個別的自衛権=自国が襲われたら戦う
→今の憲法があるから自衛隊は「軍隊」になりきれなかった
→「必要最小限のもの」となっている(これは事実に反している。毎年、10兆円 規模の軍隊は世界では米中ロ(サウジ)に次ぐ第5位!)
→自衛隊員の命が守られてきた
☆集団的自衛権=「他人の県下に首を突っ込む」
→自国は襲われていないが、同盟国アメリカが襲われたら戦う
→大国委(アメリカ)が小国を攻撃する。そのときに参加する
→相手から見ると侵略国家である
→日本もテロのターゲットとなる=より一層日本を危険にする
☆自民党9条改憲案
「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため必要な自衛の措置」
→9条1項2項の網をくぐる
→「必要最小限」をカット=自衛という名の下で「フルスペック」になる
→必要な自衛の措置のための実力組織として「自衛隊を保持する」となっている
パターン4「いろいろな人がいて良い」「何より自由が好き」という方に
☆緊急事態条項と9条改憲とセットで使うことにより、「あらゆる自由がなくなる」
☆緊急事態条項の創設
→首相の一言、「緊急事態宣言」をすれば法律と同様の命令を内閣のみで発令
罰則付きも可能
→他国の例としては、トルコでは政府に批判的なメディア131社を閉鎖など
☆自民党の改憲案
政令(法律と同様の効力)で制限できる人権について範囲が限られていない
新聞・出版・放送・映画の上映、演劇の上演の制限まで可能
→強制される戦争への協力=国家総動員体制をつくることが可能になる
☆他の制度とともにセットで「思想統制」
→特定秘密保護法や共謀罪とセット=メディア規制、表現への抑制
→18歳選挙権と教育統制=政治活動規制や教科書検定・道徳の教材化、教員への罰則導入
=ありとあらゆる、憲法上の権利が破壊されてしまう