政府の日本版海兵隊「水陸機動団」新編に抗議
政府は3月6日に日本版海兵隊「水陸機動団」の新編を閣議決定しました。3月27日には同機動隊を陸上自衛隊に新編し、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に2個連隊を配備し、大分・玖珠駐屯地にも水陸両用車を運用する部隊を一部配置すると報じられました。
「水陸機動団」とは尖閣諸島や南西諸島などで敵に奪われた離島奪還を担い、上陸作戦を担当する部隊で、水陸両用車を運用する部隊のほか、偵察、通信、施設、後方支援、教育など役割ごとに編成されます。
これまでも日米共同訓練において、日本の陸上自衛隊がアメリカ海兵隊とともに水陸両用訓練を実施しており、在沖縄米海兵隊に派遣・研修を実施していました。これを本格的な部隊として編成されたものです。
「水陸機動団」の任務は、敵に奪われた離島奪還とされていますが、米海兵隊の任務でみると、敵地に乗り込む先制攻撃部隊でもあり、専守防衛の基本原則を踏み越える機能をもつ部隊となります。自衛隊の護衛艦「いずも」を改修して「空母」とし、短距離離陸・垂直着陸可能なF35Bを搭載可能とする計画とも一体のものです。
安倍政権はこの間、集団的自衛権行使を容認し、安保関連法(=戦争法)を成立させ、9条改憲を策動してきましたが、水陸機動団新編は、これらの動向と一体を成すものです。戦争する国づくりは、とうてい許すことはできません。
改憲の先取りである水陸機動団新編に断固抗議するものです。
2018年4月12日
「憲法改悪阻止!戦争法7廃止!」を呼びかける八団体
石川県憲法を守る会、石川憲法会議、石川県平和運動センター、
石川県労働組合総連合、九条の会・石川ネット、戦争をさせない石川の会、
戦争をさせない1000人委員会・石川、青年法律家協会北陸支部
緊急抗議声明 自民党改憲(素)案の危険性 3月25日、自民党は党大会を開催し、憲法「改正」の基本的な方向性を確認しました。もともと同党は、この大会で党としての改憲案をとりまとめ、今年中の改憲発議にはずみをつける思惑がありました。 しかし、自民党内では復古的改憲論が存在し、党内意見の調整に手間取り、加えて森友問題の財務省公文書改ざん発覚により、「国民の信頼が揺らいでいるとき、改憲案を発表できない」という自民党内の批判に抗しきれず、自民党素案として確認したにすぎないものでした。 このような改憲(素)案ではありますが、基本的な方向性について多くの問題点と危険性を指摘せざるを得ず、抗議声明としてここに発表します。 1.9条を死文化させる9条の2追加 自民党の改憲(素)案は、9条2項は維持した上で、9条の2として、自衛の措置をとるための実力組織として、自衛隊を保持することを追加する案ですが、 この案は、9条の2を書き加えることにより、「自衛の措置をとることを妨げない」としているものの、自衛隊の行動と権限について何らの限定もつけられていないため、敵基地攻撃を含め、あらゆる戦争が可能となり9条1項の「戦争放棄」を死文化させることになります。 また、安倍首相は、9条を変えても「自衛隊の任務・権限は変わらない」としていますが、今回の案では自衛隊の任務・権限は大幅に強化され、全面的な集団的自衛権の行使もできる軍隊となる危険性があります。 2.いつでも適用可能な緊急事態条項 「緊急事態条項」については、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」の際の内閣による政令制定権(非常事態権限)について定めています。しかし、大地震などの自然災害に対応するための措置権限は、すでに災害対策基本法や大規模地震対策特別措置法などによって規定されており、憲法で、内閣に全権を委ねることなどあってはなりません。非常時に、法律と同等の権限を持つ政令を内閣が制定し、基本的人権などを制約する緊急事態条項は、自然災害にとどまらず、軍事的な緊急事態における内閣の権限拡大と人権の大幅な制限に適用される危険性があります。 他の2項、参院合区解消と教育の無償化は、法律改正でできるものであり、そもそも改憲の必要性はありません。 今回の自民党の改憲素案の基本的な方向性は、日本国憲法の平和主義、国民主権、議会制民主主義、基本的人権の尊重などの基本原理を変質させ、破壊する性格の強いものです。そのような改憲を断じて許してはなりません。 私たち、「安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ」は、県民世論を喚起し、安倍改憲を葬り去るために、「改憲素案」に抗議し、声明とします。 |