玄海3号機が再稼働 新基準5原発7基目
しかし、安全性は「抜け!ぬけ!」 誰も見抜けぬ1センチの穴!!
県内6年3カ月ぶり 発送電あす3月25日再開 3/24 10:34
佐賀県の玄海原子力発電所の再稼働をめぐる仮処分の申し立てについて、佐賀地方裁判所は3月20日、「差し止めを認めない」決定をした。
九州電力は23日、玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)を再稼働させた。2011年12月に4号機が定期検査で停止して以来、約6年3カ月ぶりに玄海原発が動き出した。東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準下での再稼働は、九電川内1、2号機(鹿児島県)などに続き5原発7基目になる。玄海4号機は5月に再稼働する予定。
3号機(加圧水型軽水炉・出力118万キロワット)自体の再稼働は10年の定検停止以来、7年3カ月ぶり。核燃料193体のうちプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料32体を使うプルサーマル発電を行う。23日午後11時10分、核分裂反応が安定的に続く臨界に達した。25日に発電と送電を再開し、4月下旬に営業運転に移る。
発電所入り口前では、再稼働に反対する住民約150人が抗議の声を上げた。
九電は当初、今年1月の再稼働を目指していたが昨年10月以降、神戸製鋼所や三菱マテリアルの製品データ改ざん問題が発覚し、部品の安全性確認で2カ月遅れた。
避難計画が義務付けられる半径30キロ圏には佐賀、福岡、長崎3県の8市町が入り、人口は約26万2千人、うち佐賀県内は約18万7千人に上る。全国の原発周辺で最も多い17の離島があり、避難が海路か空路に限定されるなど、計画の実効性に関する不安は根強い。
玄海原発を巡っては、二つの原告団が計3件の運転差し止め訴訟を佐賀地裁に起こしている。両団体が地裁に申し立てていた仮処分2件は、昨年6月と今月20日に却下され、福岡高裁で審理される見通し。
九電は玄海3、4号機の再稼働を目指し13年7月、新規制基準に基づく適合性審査を原子力規制委員会に申請、17年1月に合格した。玄海町の岸本英雄町長は同3月7日、佐賀県の山口祥義知事は同4月24日にそれぞれ同意した。
九電管内以外の稼働中の原発は、関西電力の高浜3、4号機(福井県)、大飯3号機(同)。四国電力伊方3号機は昨年12月、火山リスクを重視した広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定した。
佐賀県の玄海原発3号機で微量の蒸気が漏れたトラブルで、3月1日に行われた点検で、配管に直径1センチほどの穴があいていたことがわかった。
佐賀県の玄海原発3号機では、先月30日夜、発電タービンを回すための配管から微量の蒸気が漏れているのが確認された。配管は格納容器の外にあり、蒸気に放射性物質は含まれていないという。九州電力によると、1日午後2時20分から配管の点検をしたところ、直径1センチほどの穴があいているのが見つかったという。
九州電力は30日、玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)の2次系設備の配管から、微量の蒸気漏れを確認したと発表した。放射性物質の漏れはないという。3号機は23日に再稼働したばかり。25日に再開した発電と送電を停止すると明らかにした。原子炉の停止は漏えい箇所の調査をして判断する。4月24日予定の営業運転復帰は遅れる見通し。
今月23日、2010年12月に定期検査で停止して以来、約7年3カ月ぶりに再稼働し、25日には発電と送電を再開。徐々に出力を上げ27日に50%に達し、30日は75%で調整運転していた。
30日午後7時ごろ、2次系の水に含まれる酸素などのガスを取り除くための設備である「脱気器空気抜き管」から微少な蒸気漏れがあった。定期巡視中の運転員が目視で確認した。今後は準備が整い次第出力を下げ、31日早朝にも発送電を停止する。
3号機は4月5日にも約100%の定格出力運転になり、原子力規制委員会の最終的な検査を経て営業運転に復帰する見通しだった。九電佐賀支社は「いったん発電を停止して補修を行うため、発電開始までの必要な期間は延びる」と説明した。