なんとおそまつな発電所か! 家庭より低レベルの漏水・漏電対策!

6トンの雨水が原子炉建屋に漏れ! 照明用分電盤ショート、漏電!

安全性向上対策工事の最中

9月28日、安全向上対策工事の最中、排水路付替え工事現場付近の道路が冠水し、排水ポンプ能力を上回ったため、通信ケーブルや壁のすき間から2号機原子炉建屋地下の放射線管理区域に雨水が流入・漏水し、照明用分電盤がショートし漏電した。その量は6.6トンにもなる。

あわや重大事故か、その引き金にもなりえる事態であったのだが、北陸電力はまたもや事実関係をすぐさま公表せず、9日後の10月7日になってようやく毎月の「定例報告(マンスリーレポート)」に、事実事項として(こっそりと)載せたのが最初です。(10月8日付け北陸中日新聞に掲載された)

話は前後しますが、10月3日にはなんと県の原子力環境安全管理協議会が開催されている。しかしこの事故についての報告はありませんでした。ところがその翌日、10月4日には原子力規制庁において、北陸電力の東京支社原子力・技術チーム統括(課長)らが「志賀原発2号機建屋への雨水の流入による地絡警報の発生について」説明を行なっている。規制庁はどのルートでいつ知ったのでしょうか。県の原子力環境安全管理協議会は北陸電力が「隠蔽」すれば何も機能しない機関でしかないのでしょうか。それにもかかわらず、北陸電力は10月7日マンスリーレポートに掲載しただけです。

北陸電力はことの重大性を認識していたのか、いなかったのか。軽微なこととして認識していたのか。工事中の事故対策を甘くみたのか、工事会社に丸投げしていたのか。また、原子力規制委の現地駐在員はどのような対応をしたのか。雨水流入の「事実」はだれが規制委に知らせたのか。

監督すべき石川県はこの事態をいつ知ったのか。もし知らなかったとすれば様々な教訓化があると考えます。知っていたとすれば「同罪」です。10月7日の公表以降、石川県は何をしたのでしょうか。

不正と隠蔽と嘘を重ねる北陸電力には、志賀原子力発電所を県民の安全安心を担保・監視するため、脱原発の民間人を置かなければ、「改善」などありえないのではないでしょうか。

10/19には、原子力規制委と北陸電力との意見交換が予定されており、そこで規制委員から、北陸電力の「甘さ」、事故発生後の対応等々について相当に厳しく指摘されたようです。北陸電力のホームページにはこの事故に関する記事はまったくなく、規制委でのやりとりが10/20の各紙報道となったのです。北陸電力は10/24になってようやく、10/28までに原子力規制庁に中間報告せよとの指示を受けたことを掲載しました。

国会事故調報告書189ページには、北陸電力のような規模の会社が原子力事故を起こしてしまった場合には、収拾させるプロセスにおいても著しい困難を経験をすることとなり、自力で完遂が頓挫する可能性さえ現実的であると、名指しで指摘しています。

原子炉建屋には可燃性の電源コードが配線が不燃性のものと混在していることも判明した。こんな「あきれた」対応をしていて「さらなる安全対策をした」など言ってきたのが北陸電力なのです。10年近く前には、配線を間違えたことが発覚しました。町の電気屋さんは、私でもあのような初歩的なミスはしないとおっしゃたものです。しかし、金井社長は未だに「反省ししっかり改善したい」と繰り返すのみです。

あらめてと言います。北陸電力は原子力発電所を動かす能力も、資格も、そして責任体制も、気力も、肝心の倫理もないと言わざるを得ません。「臨界事故隠し」という二重三重の犯罪を犯したにもかかわらずいまだ「情報隠蔽が体質化」している。「蛍光灯が切れても報告する」という姿勢は単なる言い逃れだったのか!?

以下は北陸電力のサイト情報

10月7日  志賀原子力発電所2号機 原子炉建屋内への雨水流入について(北陸電力サイト マンスリーレポート)

志賀原子力発電所2号機(第3回定期検査中)において、平成28年9月28日(水)、電気設備に漏電があったことを示す警報が発生しました。
現場を調査したところ、2号機原子炉建屋内にケーブルが通る地下通路と建屋の接続部から雨水が流入し、照明用の分電盤に水がかかっていることを確認しました。また、この部屋から下の階へも水が流入していることを確認しました。
原因は、当日未明からの大雨と原子炉建屋周辺での工事により、ケーブルが通る地下通路に大量の雨水が流入したためです。
なお、今回の雨水流入により照明用の分電盤で一時、漏電を示す警報が発生したものの、設備への影響及び外部への放射能の影響はありませんでした。

10月24日

志賀原子力発電所2号機における雨水流入事象に対する 原子力規制庁からの指示について

当社は、10月21日、原子力規制庁より、志賀原子力発電所2号機原子炉建屋内への雨水流入事象に関して報告書を提出するよう指示を受けましたので、お知らせしま す。

当社は、9月28日に発生した志賀原子力発電所2号機の原子炉建屋内への雨水流入事象に対して、以下の項目について原子力規制庁へ報告することを指示されました。

(指示事項)

・調査及び原因究明の結果並びに再発防止対策

・雨水流入が継続した場合の影響評価

・外部から原子炉建屋の貫通部を通して水が浸入する可能性のある箇所の調査と対策

・過去の原子炉建屋内における水漏れ対策で、今回の事象の発生を防止できなかった理由

・雨水流入事象の詳細時系列

・雨水流入事象の対応に関する社内ルールと適用実績

なお、事実関係等については10月28日(金)までに中間報告を求められています。当社は、今回の原子力規制庁からの指示に対して適切に対応してまいります。

志賀原子力発電所1号機 外部からの流入水に関する実態調査の指示について

平成28年10月25日 北陸電力株式会社

当社は、昨日(10月24日)、原子力規制庁より、志賀原子力発電所2号機原子炉建 屋内への雨水流入事象を踏まえ、1号機における雨水等の流入に対する対策の実態を 調査するよう指示を受けましたので、お知らせします。

当社は、以下の項目について、11月7日(月)までに原子力規制庁に調査結果を提出するよう指示を受けました。 (調査事項)

・原子炉建屋の地表面もしくは地下部にある外部からの貫通部の箇所

・上記の貫通部を通じた原子炉建屋内への水の浸入を防ぐ措置

・水の浸入を防ぐ措置をしていない貫通部については、当該貫通部から侵入した水の影響を受ける可能性のある安全機能を有する機器・系統

当社は、今回の原子力規制庁からの指示に対して適切に対応してまいります。 以 上

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