あってはならない「事故」が連続で起こっている。
一つの事故が起こるとその背後には「29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」という。(ハインリッヒの法則)
その予測は残念ながら当たっている。放射能を含む水漏れがあっても「重大視」せず、再稼働を急いだ関電の「無責任体質」は、空恐ろしい事態を招かなければ良いが・・・。
高浜原発4号機、緊急停止 今後の工程に遅れも
3月1日 18時16分
再稼働したばかりの福井県にある高浜原子力発電所4号機で2月29日、原子炉が自動停止したトラブルで、関西電力は、設定された値を超える電流が送電設備に流れたとみて、なぜこのような現象が起きたのかさらに詳しく調べています。一方、原子力規制委員会は、関西電力が報告する原因と対策について評価を行うとしており、今後の工程は遅れる見通しです。
先月26日に再稼働した高浜原発4号機では29日発電機と送電設備をつなぎ発電と送電を始める予定でしたが、中央制御室で運転員が開始の操作をしたところ、発電機や変圧器の故障を示す警報が鳴り、原子炉が自動停止しました。これまでの調べで、変圧器と送電設備の間に、設定された値を超える電流が流れそれを検知した機器が原子炉などを停止させる信号を出していたことが分かりました。
関西電力によると、送電線側から外部の電流が流れ込んだことも影響しているとみているが、通常の発電所でも外部から電流が流れ込むことはあることから、検知機器の取り付け方や設定した値に問題がなかったかなどをさらに調べている。
高浜原発4号機について関西電力は29日発電と送電を開始して、3日には原子炉の出力が100%のフル稼働とし、今月下旬に営業運転に入る計画を示していた。
一方、原子力規制委員会は今回のトラブルについて今後、関西電力が行う原因と対策の報告について定例会で議論したうえで評価を行う方針です。関西電力は、規制委員会に報告するまで原子炉を再び起動するなどの作業を行わないとしているため、再稼働の今後の工程は当初の予定より遅れ、営業運転は来月にずれ込む可能性があるとしている。(NHKニュースウエブより)
緊急停止の8日前、 放射能を含む(6万ベクレル)汚染水漏れ
関西電力は2月20日、再稼働の準備が進む高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)の建屋内で、放射性物質を含む1次系の冷却水約34リットルが漏れた、と発表した。
放射性物質の量は約6万ベクレルで、国への報告基準(約370万ベクレル)を下回っていた。作業員らの被曝(ひばく)や、外部への影響はないという。
関電は4号機を今月26日にも再稼働させる予定で、21日から「起動試験」を行う計画だった。原因究明に手間取れば、工程に遅れが出る可能性もある。関電は「漏れた原因は調査中。再稼働への影響は(20日深夜時点では)わからない」としている。
関電や福井県によると、20日午後3時40分頃、再稼働の準備で、1次系冷却水の系統につながる配管に水を流していた際、警報が作動した。現場を確認したところ、床面に約8リットルの水たまりを発見。漏れた後に床下の容器などに流れ込んだ分も含めると、約34リットルになるという。
(続編)高浜原発4号機、冷温停止
安定状態で原子炉停止の原因究明
2016/3/2 11:04
関西電力高浜原発4号機(福井県)の原子炉が緊急停止した問題で、関電は2日午前、核分裂反応を抑えるため原子炉に全制御棒を挿入し、1次冷却水の温度を93度以下にして安定状態を維持する冷温停止状態になったと発表した。
関電は緊急停止の詳しい原因を調査する中で、原子炉をより安全な状態で保つ必要があると判断。1日午後から1次冷却系の温度や圧力を下げる作業を開始し、電流の検知器や発電機で緊急停止時に何が起こったかを調べる。3日に予定していたフル稼働は中止した。
原子炉を再び起動させるには、あらためて原子力規制委員会の検査を受けなければならない。