谷本正憲知事に“さよなら志賀原発ネット”が「廃炉の英断」を要請 

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2015年5月22日

申 入 書

 石川県知事 谷本正憲 様

さよなら!志賀原発ネットワーク

共同代表  岩淵 正明

南  高広

中垣 たか子

5月13日、北陸電力志賀原発の断層問題に関して、原子力規制委員会の有識者による評価会合が「敷地内のS-1,S-2,S-6断層は13~12万年前以降の活動が否定できない」との見解を全員一致で出しました。すなわち、志賀原発は敷地内の重要施設の直下に、原子力規制委員会が定めた新規制基準の規則の解釈(2013年6月19日規制委員会決定)における「将来活動する可能性のある断層等」があると認定されたのです。北陸電力は断層調査に3年近く費やしても、結局、専門家を説得できるような、活断層でないことを示す証拠を見つけ出すことができなかったわけです。

この規制委員会の評価会合の判断は、地震や断層に関する科学には限界があることを認めた上で、原発が抱える潜在的リスクの大きさを考慮し、安全側にたって判断を下したものであり、私たちは、この判断はあくまでも安全を最優先で考えるべき原子力規制としては当然のものであると考えています。また、評価会合委員は、全員が過去の安全審査の際の個別の原発の活断層評価等には関わっておらず、予断を持たずに客観的審査をすすめるための妥当な人選であると判断しています。

敷地内だけでなく志賀原発の周辺にはいくつも活断層があります。北電がごく最近まで活断層とは認めなかった福浦断層、3本の断層に分割して評価していたものが2007年3月の能登半島地震で一体となって動き、北電の評価が誤りだったことが判明した笹波沖断層、金沢地方裁判所の志賀原発2号機差止め判決の根拠となった邑知潟断層帯、あるいは北電の評価よりも長い可能性が指摘されている富来川南岸断層など多くの活断層に囲まれていて、耐震安全性の観点から不適当な場所に立地しているのが志賀原発なのです。

2011年3月11日以降、志賀原発は2基とも停止しても電力需給に何ら問題はなく、経営面でも3年連続の黒字が続いています。ところが北電はいまだに原発再稼働に固執し、結論の先延ばしを図ろうとしています。断層の活動性に関する調査や審議をまだ続け、さらなる耐震補強工事を進めるなら、その間、危険性は放置され、膨大な調査費や工事費はいずれ消費者が負担することになります。

このような状況にもかかわらず、県が県民の安全を守る立場よりも、むしろ北陸電力の側に立って、原子力規制委員会の有識者会合の見解に異議を唱えようとしていることは、到底、納得できません。そこで、私たちは、石川県に対して、下記の要望をいたします。

 記

1.北陸電力に対して、これ以上、調査に時間を費やすようなことはせずに、原発に依存しない電力会社へ経営方針の転換を求め、廃炉に向けた検討を速やかに開始するよう申入れること。

2.原発に頼らない新たな地域振興策など、廃炉に向けた環境整備に着手し、県として必要な措置の検討作業を始めるとともに、必要に応じ国および志賀町などとも協議すること。

3.原子力環境安全管理協議会とその下に設置されている原子力安全専門委員会については、過去に志賀原発の安全審査などに関わった委員を交代させること。

また、「地域住民の安全を確保し、生活環境の保全を図る」という原子力環境安全管理協議会の設置目的を再確認し、協議会および専門委員会の協議の内容が県民の安全確保と環境保全に資するものとなっているか、抜本的な見直しと検討を行なうこと。

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