「高浜原発の再稼働を認めない」仮処分決定に対する声明

高浜原発の再稼働を認めない仮処分決定に対する声明

本日、福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、「関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜市)の再稼働差し止めを求めた仮処分の申し立て」に対して、申し立てを認める決定を下しました。原子力規制委員会は、今年2月に安全審査の「合格証」にあたる「審査書」を決定していますが、今回の仮処分の決定は、審査に「合格」した原発の再稼働を認めないとする画期的な司法判断といえます。これにより原発の運転は禁じられ、高浜原発は関西電力の異議申し立てなどによって、決定の取り消しや変更、仮処分の執行停止定が行われない限り再稼働はできないことになりました。

今回の仮処分の決定は、昨年12月、福井、大阪、京都、兵庫4府県の住民9人が「運転を差し止めないと、生命を守り、生活を維持する人格権が侵害される危険が顕在化する」として再稼働の差し止めを求めた申し立てに基づいたものです。原告は、「地震の想定が低すぎるうえ、設備の安全性に問題があり、深刻な事故が起きるおそれがある」とし、関西電力の「地震の対策を充実させ、設備の安全性も確保している」などとする「安全論」をことごとく論破しました。

司法が住民の声に真摯に向き合い、客観的な判断の下での画期的な決定は、司法本来の良心の表出であり、今後日本社会が進むべき方向性を示し、脱原発の運動に対して大きな励ましとなるものです。この決定を、政府や原子力規制委員会、関西電力などは真摯に受け止め、原発によらない社会の構築に向けてスタートを切るべきです。

昨年5月には、関電大飯原発3、4号機(福井県大飯町)をめぐる訴訟でも、運転の差し止めが命じられており、「安全性」に対する司法の判断はゆるぎないものになっています。関西電力はもとより、電力各社は原発の再稼働を断念し、直ちに再生エネルギーを中心とした脱原発による新しい電力供給の方向性を示すべきです。

原水禁は、この決定を心から歓迎し、脱原発社会をゆるぎないものにするため、今後も全力でとりくんでいくものとします。

2015年4月14日

原水爆禁止日本国民会議

議 長 川野 浩一

 

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