北陸電力が「週内に2号機を申請」と報道

北陸電力が「週内に2号機の(適性検査を受けるための)申請を行う」と10日15時、報道された。(8月10日15時北国新聞Web版より)

北国新聞ウェブ版によると、
志賀原発2号機の安全審査を週内申請へ 北陸電、断層調査と並行で
北陸電力が、志賀原発2号機の再稼働の前提となる安全審査を、週内に原子力規制委員 会に申請する方針を固めたことが9日分かった。規制委は、志賀原発の敷地内断層に活断 層の疑いがあるとして活動性の有無を調べているが、北電は断層調査と並行して安全審査 を進め、できるだけ早く原発を再稼働させたい考えである。

 安全審査では、規制委が原発の規制基準に適合しているかどうかを評価する。北電の久 和進社長は6月の株主総会後の会見で「規制基準への適合性を確認することは、地元の皆 さんに安心してもらう一つの材料になる」と強調し、申請に意欲を示していた。

 全国でこれまでに審査が申請されたのは12原発の19基で、原発を持たない沖縄電力 を除く大手電力9社のうち、申請していないのは北電のみとなっている。審査に事実上合 格したのは九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)だけで、志賀2号機の 審査は長引くとの見方もあり、再稼働の先行きは見通せない状況だ。

 北電が敷地内断層の活動性の有無について結論が得られる前に申請に踏み切るのは、東 北電力が6月、敷地内断層に活断層の疑いが指摘されている東通(ひがしどおり)原発1 号機(青森県)の審査を申請したことが参考になっている。規制委は当初、東通原発1号機について、断層の結論が出るまで審査に入らない考えを 示していたが、方針を転換し、実質的な審査に着手することを決めた。志賀2号機が東通 1号機と同じ沸騰水型の原発であり、同様の扱いになる可能性があると判断したとみられ る。

 北電は申請と同時に、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の想定を、従来 の600ガルから引き上げ、厳格化する見通し。志賀原発の出力は1号機が54万キロワ ット、2号機が135万8千キロワットで、北電は出力が大きい2号機を先行して再稼働 を目指す。志賀原発の断層をめぐっては、北電が昨年12月、敷地内断層の活動性を否定する調査 の最終報告書を規制委に提出したが、活断層かどうかの結論は出ていない。

北陸電力のこの決定は、「追いつめられて」か?「焦って」か? はたまた安倍政権の「強行」を真似た「専制」か、いずれにしても「愚行」といわなければならない。

 志賀原発は、その建設当時から「活断層隠し」が行われ、内部告発の写真も多々ある。
3.11事故以降、原発の「安全神話」は崩壊し、かっての「審査」が妥当なものであったか疑義が持たれ、「何度も活断層では」と疑問が持たれた志賀原発が「着目」されたのです。かの原子力ムラの「拠点」であった安全保安院からようやく、建設当時から25年間放置され続けた「S-1活断層」問題が2012年7月、再再度、疑念を持たれ、「追加調査」を指示された曰く付きのものだったのです。
「原子力ムラ」から「活断層でないことを証明せよ」と指摘され北陸電力は、かつて「活断層ではない」と診断した「身内」同然のコンサル会社による掘削調査を2012年8月に開始した。そして2012年12月、再調査指示を受けた中間報告をしたが、「念のため」「あらゆる可能性を調査する」などと称して最終報告を年明けの1月、3月、そして最終報告とした6月報告を「データ不足」を言われ「中間報告」と言いなおす醜態を繰り返しながら、9月へと再々再延期し、そして12月、満を持してだされたのがこの「最終報告書」なのです。その報告では、いままで「活断層ではない」としてきた福浦断層を「活断層の疑いがある」として、ようやく認めたおまけ付きでした。
 しかし、その「最終報告書」は「活断層」関係では疑義だらけ。規制委員会の評価会合では、「防戦一方」(北国新聞)と書かれた北陸電力であった。そして「データが足りない」として再々再度調査を指示されたのです。このことは「活断層でないデータが、ない」ということなのです。
志賀原発は、1号機の原子炉直下に問題となっている「断層」が、S1からS6まで縦横無尽に走っており、再稼働なんてあり得ないが、その隣りにある2号機(断層がかすめている)を再稼働させるという、姑息な手段を弄したのである。
志賀原発(1,2号炉とも)は、3.11メルトダウンした東京電力福島第一原発と同形の沸騰水型であり、その原子炉の現状さえ分かっておらず、ましてや事故原因の解明などは「高線量」に阻まれて全く行うことができない中、再稼働申請するということは、「営利のためには安全は無視する」という「公共事業体」としてあるまじき行為であると断罪せざるを得ません。
志賀町当局や町民も「驚き」「あわてて」いるのではないでしょうか。そして、8月5日には原子力環境安全管理協議会で
「(北陸電力はデータ不足ばかり指摘されており)一体なんのための再調査だったのか」と、副知事自らが「叱咤激励」した
県当局でさえ、あまりの豹変に「驚き」なのではないでしょうか。それとも、ようやく目覚めた「金目」企業にうれしいのでしょうか。
多くの県民の「脱原発」感情や「安全性だけはしっかりと」という姿勢さえ恐れぬ、大胆不敵な「申請」宣言に断固抗議すると共に、申請することの撤回を求めていきます。
カテゴリー: 住民の暮らしに直結する課題, 反核・脱原発, 志賀原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染) パーマリンク

コメントは停止中です。