2009年1月16日
駐日イスラエル特命大使
ニシム・ベンシトリット 様
石川県平和運動センター
代 表 柚 木 光
イスラエル政府のガザ地区侵攻に対する抗議文
昨年12月27日から強行されているイスラエル政府によるパレスチナ自治区ガザの市民に対する空爆、艦砲射撃、砲撃攻撃は、子どもたちも含む多くの一般市民が犠牲にしており、到底、自衛権を口実として正当化できるものではありません。石川県平和運動センターは、イスラエル政府に対し、この間の非人道的な殺戮行為に強く抗議し、ただちに戦闘を中止し、イスラエル軍をガザ地区から撤退させるよう要求します。
1948年、国連決議により領土を分割してからもイスラエル政府は領土拡大を行ない、1967年の第3次中東戦争でガザを軍事占領し、以来、ガザではイスラエルによる暗殺攻撃や侵攻が繰り返し行なわれてきました。2008年からは、さらに食料、燃料の搬入が厳しく制限され、医薬品の持ち込みどころか病人の搬送さえできず、蔓延する貧困のなかで150万人のパレスチナ人が高いコンクリートの分離壁に囲まれたこの狭い区域に閉じ込められてきました。
イスラエルはガザ地区侵攻を、ハマスのロケット弾攻撃に対する自衛戦闘だとしていますが、ガザ地区のこのような現状を見れば、自衛戦闘が自衛戦闘を、報復が報復を呼んでいることは明らかです。私たちは、報復の連鎖の中でパレスチナとイスラエルの市民が犠牲となっていることを、見過ごすことはできません。
特に1月9日、ザイトゥン地区で行なわれた殺戮は、1軒の民家にパレスチナ人110人を押し込め、そこに複数回砲撃を加えて子どもを含む30人以上が殺害されました。さらに骨までの溶かしてしまうと言われる白リン弾の使用も明らかになりました。繰り返される凶行、戦争犯罪を断じて許すことはできません。
国際連合憲章は、紛争解決は平和的手段により正義と国際法原則に従って実現すること、武力による威嚇や武力の行使を慎まなければならないことを謳っています。またジュネーブ条約第1追加議定書は、平和的住民と戦闘員とを区分し、平和的住民を保護しなければならないと定めています。私たちは、国際紛争に関するこれらの原則を支持します。
イスラエルでは1月3日、自国政府のガザ地区侵攻に反対する市民のデモが行われました。また世界各地で、イスラエルのガザ侵攻に反対し停戦を求める抗議行動が行われています。即時停戦を求める市民の声は諸国政府を動かし、国連安保理決議となって表れました。
私たちはあらためてイスラエル政府のガザ侵攻に強く抗議し、以下3点を要求します。
1.イスラエル政府は、ガザ地区への攻撃を直ちに中止し、兵力をガザ地区から撤退させること。
2.イスラエル政府は、民間人を標的とした攻撃を行わないこと。
3.イスラエル政府は、被災民支援を行う国際機関やNGOの活動と安全を保障すること。
2009年1月16日
内閣総理大臣
麻 生 太 郎 様
石川県平和運動センター
代 表 柚 木 光
イスラエルのガザ地区侵攻の中止と被災民救済を求める要請書
パレスチナ自治区・ガザ地区では、イスラエルとパレスチナ解放勢力ハマスとの間で戦闘が続いています。報道によれば、イスラエル軍がガザ空爆を開始した12月27日から20日間で、パレスチナ側は1,000人以上が死亡し4,000人が負傷、イスラエル側は13人が死亡しているとのことです。私たちは、多くの市民が戦闘の犠牲になっていることを憂慮します。また私たちは、戦闘によってガザ地区内で食料や水、電気やガス、医療品などが不足し、国際機関やNGOは活動を制限され、負傷した人々は治療を受けることができず、子どもたちの健康状態が悪化していることを危惧します。
イスラエルはガザ地区侵攻を、ハマスのロケット弾攻撃に対する自衛戦闘だとしています。またハマスはイスラエルへのロケット弾攻撃を、ガザ地区封鎖と、ガザ地区に対する攻撃への自衛戦闘だとしています。ガザ地区の現状を見れば、自衛戦闘が自衛戦闘を、報復が報復を呼んでいることは明らかです。私たちは、報復の連鎖の中でパレスチナとイスラエルの市民が犠牲となっていることを、見過ごすことはできません。
国際連合憲章は、紛争解決は平和的手段により正義と国際法原則に従って実現すること、武力による威嚇や武力の行使を慎まなければならないことを謳っています。またジュネーブ条約第1追加議定書は、平和的住民と戦闘員とを区分し、平和的住民を保護しなければならないと定めています。私たちは、国際紛争に関するこれらの原則を支持します。
パレスチナだけではなく、アフガニスタン・イラク・ソマリアなど、世界の各地で紛争・戦闘が続いています。これらの紛争・戦闘は、当事者が武器を手放さない限り、終わらないことを教えています。日本政府は、武力で平和は作れないことを、ハマスとイスラエルの両者に全力で訴えるべきです。
イスラエルでは先日、自国政府のガザ地区侵攻に反対する市民のデモが行われました。また世界各地で、イスラエルのガザ侵攻に反対し停戦を求める抗議行動が行われています。即時停戦を求める市民の声は諸国政府を動かし、国連安保理決議となって表れました。
日本政府は、イスラエル政府とパレスチナ自治政府の双方に対して良好な関係を保っており、国際社会で果たすべき役割は決して小さくありません。そこで日本政府に対して以下の事項を呼びかけます。
1.イスラエル政府に対し、ガザ地区への攻撃を直ちに中止させ、兵力をガザ地区から撤退させること。分離壁によるガザ地区の封鎖を解除すること。
2.ハマスは、イスラエルへのロケット攻撃を中止すること。イスラエル国家の存在を認めること。
3.イスラエル政府とハマスは、民間人を標的とした攻撃を行わないこと、また被災民支援を行う国際機関やNGOの活動と安全を保障すること。
4.日本と各国の政府は、停戦のためのあらゆる努力を行うこと、また被災民に対しての生活・医療支援を行うこと。