新テロ対策特措法改正案の衆議院再可決・成立に対し抗議文を送付(12月12日)

2008年12月12日

内閣総理大臣
麻 生 太 郎 様

石川県平和運動センター
代 表  柚 木  光

新テロ特措法改正案の再可決・成立に対する抗議文

衆議院本会議は本日、新テロ特措法改正案を、自民党・公明党による3分の2の賛成多数で再可決しました。改正案の成立により、日本政府が海上自衛隊の艦船をインド洋に派遣し、米同盟軍の艦船に燃料等の補給を行う活動は、2009年の12月まで延長されることになりました。
 日本政府と海上自衛隊の進める燃料補給活動は、米国の進める「対テロ戦争」の支援であり、憲法に違反することは明らかです。石川県平和運動センターは、新テロ特措法の改正を絶対に認めることはできません。

 昨年末から本年1月にかけての新テロ特措法案の審議にあたっては、海上自衛隊から燃料補給を受けた米海軍艦船のイラク戦争への参加など、給油活動の実態について野党から政府に対して様々な疑問が提起されました。しかし、いまだ日本政府は国民に対して明確な説明をおこなっていません。また審議の中で、インド洋に派遣されていた自衛隊艦船の航海日誌が違法に処分されていたなど、新たな問題も明らかになりました。
 野党が提起した様々な疑問点は、今国会でも解明されませんでした。日本国政府と自衛隊が、自衛隊の活動実態を国会に報告しないことは、文民統制の根幹に関わる大問題です。

 今臨時国会会期中には、田母神俊雄・前航空幕僚長が現職時に、憲法改正や侵略戦争の賛美を行っていたことが明らかになりました。またこうした考えに同調する一定の勢力が、石川県の小松基地第6航空団を中心として幹部自衛官の中に多数存在していることも明らかになりました。自衛隊の内部に、民主主義と平和憲法を根底から覆そうという勢力が生まれ、文民統制のあり方が厳しく問われているときに、その自衛隊を海外に派遣するほど危険なことはありません。しかも新テロ特措法は、派兵にあたっての国会の事前承認を削除した、まさに文民統制放棄の重大な欠陥法でもあります。
 いま重要なことは、海外で活動している全ての自衛隊部隊の撤退と自衛隊内部に存在する反民主主義的勢力の調査、そしてそれに基づく処分も含めた責任の明確化です。

 旱魃と飢餓に苦しむアフガニスタンの民衆にとって必要なことは、早急な食料と医療の支援です。海外政府やNGOが支援活動を行うためには、紛争各派が共同のテーブルにつき和平協議を進め、停戦を実現しなければなりません。
 私たちは日本政府に対して、給油支援活動を直ちに中止し、和平協議や停戦協議実現に向け、国際的な働きかけを積極的に展開されるよう求めます。

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