志賀原発2号機の営業運転再開に対する抗議声明(6月11日)

志賀原発2号機の営業運転再開に対する抗議声明

 本日(6月11日)、北陸電力は志賀原発2号機の営業運転を再開した。住民の安全に関わる数多くの重大な問題を放置したままの営業運転再開であり、到底容認することはできない。強く抗議すると同時に、改めて運転中止を求める。

そもそも2号機は、安全性を置き去りにし、経済性を徹底追求した国内最大級の改良型沸騰水型軽水炉であり、その危険性を私たちは計画段階から指摘してきた。2号機運転中止の直接の原因となった欠陥タービンの発覚は、最新の技術を導入し安全性・信頼性を向上させたという北陸電力やメーカーである日立の主張を、事実をもって覆した。さらに巨大技術を前にして国の安全審査がなんら機能しない実態も明らかにした。ところが本日の営業運転再開は、欠陥タービンの抜本的対策を後回しにし、整流板設置という応急処置を施す中で強行された。まさに住民の安全を軽視し、経済性を徹底追求した2号機を象徴している。

加えて営業運転を停止していた約1年11ヶ月の間に志賀原発の安全性に関する論議は大きく変化した。昨年3月に発覚した臨界事故隠しは、北陸電力の原発運転管理能力を根底から否定するものであった。北陸電力の隠ぺい体質がその後もなんら変わっていないことは、昨年12月に発覚した褶曲活断層隠しで証明された。社内の安全意識の低さは、再起動後にも相次いでいるトラブルを見ただけで明らかである。

また、昨年3月に発生した能登半島地震や、原発沖合のマグニチュード7.6の地震を起こす活断層の存在は、志賀原発の安全審査の前提を覆すものである。志賀原発の耐震安全性は、すでに2006年3月の金沢地裁判決で明確に示されたところであるが、中越沖地震や中国・四川大地震なども経験する中で、原子力施設の耐震安全性は根底から問い直されようとしている。志賀原発の使用済み核燃料が保管され、さらに今秋には低レベル放射性廃棄物も持ち込まれようとしている青森県六ヶ所村の核燃料サイクル施設の直下にはマグニチュード8クラスの大地震を引き起こす活断層の存在も指摘されている。福田政権は、福田ビジョンを公表し、温暖化対策を口実にした原子力の推進に躍起であるが、地震を巡る最新の知見こそ踏まえ、原子力政策の転換を図るべきである。

このような中で営業運転を再開した2号機は、今後も事故、トラブル、不祥事が続発することは間違いなく、原発震災の恐怖も現実のものとなっている。使用済み燃料や放射性廃棄物の行方も不透明さが増している。私たちは重ねて2号機の運転中止を強く要求する。

今後は1号機の運転再開も大きな焦点になると思われる。臨界事故を起こし、抜本的再発防止対策がなんら示されなかった欠陥原発であり、再稼働は絶対に認められない。秋には使用済み燃料の搬出、青森への核のゴミの押しつけが計画されている。さらに1号機の運転再開を許せば、次はプルサーマル計画の浮上も間違いない。私たちは、2号機問題だけではなく、これら一連の動きに対しても、引き続き全力で反対していくことをここに表明する。

 2008年6月11日

石川県平和運動センター 
  代表 嶋垣 利春

原水爆禁止石川県民会議
代表委員 嶋垣 利春
〃   宮下登詩子
〃   川本 蔵石

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