臨界事故隠しで抗議声明(3月15日)

抗議声明

本日、志賀原発1号機で1999年6月の定期検査中、原子炉が誤って臨界に達し緊急停止していたことが明らかになった。同年6月18日午前2時18分、制御棒が手順ミスで原子炉から抜けたため、原子炉が制御不能の臨界状態となり出力が上昇、15分後の同18分、制御棒が全挿入となり、ようやく事態は収束したとのことである。日本の商業炉における初の臨界事故である。まさにあってはならない原子炉心臓部の大事故であり、ひとつ間違えば大惨事であった。
北陸電力はこの重大事故を認識しながら事実関係を国に報告せず、引き継ぎの資料にも記載していなかった。発電所の所長と部下などの関係者の判断とのことである。真相は今後の調査に委ねるが、いずれにしてもかつてない悪質な隠ぺい工作であることには間違いない。
石川県平和運動センターはこの間、毎年のように起こる北陸電力の事故、トラブル、不正行為について、県や北陸電力に申し入れをおこない、再発防止を訴えてきた。98年1月には1号機の給水加熱器の防熱板が、前代未聞の設計ミスと手抜き施工が原因で落下、復水器配管を破断する事故が発生。昨年3月には営業運転を開始した志賀原発2号機で、早々とタービンの羽根258枚の損傷が確認されるなど、県民に大きな衝撃を与えた事故も少なくない。北電はその都度「品質管理における初歩的ミス」を認め、体制強化を表明してきた。
しかし、なんら体質改善がおこなわれていないどころか、逆に深刻な根深い問題が残っていることがいま明らかになった。今回の臨界事故は従来の事故やトラブルとは比較にならない深刻な事故である。そして悪質な隠ぺい工作である。北陸電力の信用は地に落ちた。あらためて明確になったのは北陸電力には危険な原子力発電所を運転する技術的能力が備わっていないということであり、利益優先で安全確保の経営思想がないということである。さらにいえば基本的・初歩的企業倫理を備えていない企業であるということである。監督官庁や県もこのような事態を8年間も見逃し、北陸電力に原発の運転を許してきた責任は重大である。
石川県平和運動センターは1号機の運転停止はもちろんのこと、5月に運転再開を予定している2号機についても運転再開中止を要求する。プルサーマル計画の中止は当然のことである。
北陸電力が原子力発電所を運転する能力も資格もないことが明らかになったいま、多くの県民と共に原発の運転再開を二度と許さず、志賀原発の廃炉を求め全力でたたかい続けることをここに表明する。

2007年3月15日
石川県平和運動センター

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