弾道ミサイル避難訓練は必要なのか

弾道ミサイル避難訓練は必要なのか、

その意味と他国の例

北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が高まる中、日本政府は弾道ミサイルが着弾した際に国民が取るべき避難行動を広報することに力を入れ始めました。基本的な指針はJアラートによる警報が鳴った後には建造物や地下街に逃げ込む、間に合わない場合は物陰に隠れる、伏せるといったものです。また弾頭が通常炸薬か核・化学・生物など種類の違いによって最適な避難行動が異なるので、その説明もされています。

武力攻撃やテロなどから身を守るために:内閣官房 国民保護ポータルサイト

ガザからのロケット攻撃に身を伏せる市民 2014年7月9日 イスラエル国防軍
ガザからのロケット攻撃に身を伏せる市民 2014年7月9日 イスラエル国防軍

この武力攻撃事態における避難行動の基本指針は他国のものとほぼ同じです。そして韓国では年数回の「民間防衛訓練の日」で全国民に戦争を想定した一斉避難訓練を実施させます。またイスラエルでは訓練も勿論ですが実戦でこの避難行動を最近でも実施していることから、決して時代遅れというわけでも意味が無いというわけでもなく、戦争の脅威が現実的となっている国では今も当たり前に行われてる有効な対策だといえます。

そこで疑問となるのは、本当に朝鮮半島で戦争の危機が高まっていると言えるのか、弾道ミサイルが日本に着弾する可能性は高まっているのか、なぜ今この時期にという点です。今年の春、北朝鮮のICBM発射や核実験を許さないとするアメリカの強い声明と空母の派遣から、朝鮮半島の危機レベルは確かに高まりました。しかし実際に行われたことは日本海に空母2隻が一時的に入っただけで、在韓米軍や在日米軍の基地に空軍の戦闘機や陸軍戦力の増援は来ておらず、とても戦争を始められる状態ではありませんでした。シリアやリビアと異なり開戦すれば韓国や日本に手痛い反撃が行われるであろう朝鮮半島では、空母や巡航ミサイルだけで仕掛けるのは無謀な行動です。地上の基地に大量の増援が送られてこない限りは開戦の可能性は低い。そうであるならば、本格的な避難訓練の実施はその時が来た後でいいのではという議論が為されてもと思うのですが、そういった指摘よりも目に付く批判は「避難訓練など無意味だ」という主張です。

「避難訓練など無意味だ」という主張の元祖と言えるのは、昭和8年に信濃毎日新聞に掲載された桐生悠々の「関東防空大演習を嗤う」というコラムです。現在の弾道ミサイル避難訓練を批判する主張でもよく持ち出さますが、このコラムは実は戦争を否定したものではありませんでした。「敵爆撃機を関東上空に入る前に全て撃墜すれば防空訓練など必要ない」という迎撃戦闘の重要性を指摘する主旨の事が書かれており、これを現在に当て嵌めると「敵弾道ミサイルはMDで全て撃墜すれば防空訓練など必要ない」という事になります。つまり桐生悠々を持ち出せば持ち出すほど、THAADやイージス・アショアといった政府が進める新しいMD(ミサイル防衛)の整備を肯定する事になるのですが、それに気付いている人はあまり居ません。

敵機を関東の空に、帝都の空に、迎え撃つということは、我軍の敗北そのものである。この危険以前に於て、我機は、途中これを迎え撃って、これを射落すか、またはこれを撃退しなければならない。

出典:「関東防空大演習を嗤う」 桐生悠々:青空文庫

後の太平洋戦争で関東はB-29爆撃機により焼き払われ負けました。桐生悠々の先見の明は正しかった、防空訓練など無意味だったと日本人が思い込むのはある意味で当然です。しかし同じように首都への大規模な爆撃を許したイギリスは最終的に戦争に勝利しました。ロンドンは爆撃機だけでなく、V1巡航ミサイルやV2弾道ミサイルの攻撃も受けています。そのイギリスでは防空訓練は意味があったという評価がなされています。つまりこの評価の違いは戦争に勝利したか敗北したかの差なのだろうと考えると、桐生悠々のコラムが普遍的に正しかったとは言えません。

日本だけを見た狭い視点では防空訓練など意味が無いと思い込んでしまいがちです。しかし韓国の民間防衛訓練、イスラエルの実戦での避難行動、第二次世界大戦で空襲を受けた日本とイギリスの対比など、視野を広げれば防空訓練それ自体は意味があると認めることが出来ます。防空訓練は政治的に国民へ危機感を高め士気高揚効果が期待されている、一部の訓練内容には無駄なものもある、それらは正しい指摘です。しかし避難の基本的な指針「隠れる、伏せる」は現代の実戦でも確かに有効なものです。その上で日本が今、防空訓練に力を入れる必要性があるのか、戦争の脅威は本当に高まっていると言えるのかを議論すべきだと思います。

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 弾道ミサイル避難訓練は必要なのか はコメントを受け付けていません

戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会 誓いの言葉

戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会 誓いの言

葉(平和フォーラム・福山真劫共同代表)

 

72回目の暑い夏がやってきました。
 私たちは、今年も、みなさまの御霊を追悼し、平和への誓いをもう一度確認するため、ここに集いました。しかし安倍政権に代表される日本の政治は私たちのめざす政治からすれば、危機的状況にありますが、一方、新しい希望も確実に生れつつあります。
 憲法を破壊し、戦争する国・軍事大国への安倍政権の暴走が止まりません。戦争法強行、共謀罪強行、沖縄辺野古への基地建設強行、福島の切り捨てと続き、次は東アジアでの軍事的緊張をつくりだし、それをあおりながら、憲法9条改悪を狙っています。
 また画期的な核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、なんと日本政府は賛成せず、交渉会議にも参加していません。被爆者たちに対する裏切りであり、被爆国政府としての責任放棄です。怒りを通り越して、悲しくなります。
 8月12日、沖縄では、「辺野古に新基地をつくらせない県民大会」が開催され、安倍政権の県民無視の基地建設強行に、4万5千人の県民が怒りの声を上げています。沖縄の民主主義を破壊して進められる暴挙に対して、安倍首相の共犯になりかねない本土における私たちの責任を痛感します。
 そうしたことと合わせて、安倍政権の共謀罪の強行採決、森友学園・加計学園に代表される「権力の私物化」と腐敗の露呈、稲田や金田などお友達たちの大臣の無能ぶりを目の当たりにし、多くの市民は、安倍政治の本質とその危険性・でたらめぶりを理解し始めました。そして安倍内閣の支持率は各種世論調査で30%台へと一挙に急落、7月2日都議選での自民党惨敗と続き、一強多弱といわれた安倍政権が大きく揺れだしています。
 8月3日、安倍首相は、第3次内閣改造を行いましたが、そうした小手先の対策では政権の再浮揚・求心力の回復はできるはずがありません。問われているのは、安倍首相とお友達たちの米国追従・戦後レジームからの脱却という本質・路線・体質です。こんな安倍政権をいつまで続けさせるのでしょうか。野党と私たちの責任が問われています。
 私たちも「戦争させない9条壊すな総がかり行動実行委員会」に結集して、安倍の暴走をとめ、平和・民主主義・脱原発の政治を確立するために全力で闘ってきました。そして市民連合、野党共闘を作り上げてきました。そして今、総がかりを超える総がかり運動めざして、取り組みを開始し、運動は大きく拡大しようとしています。
 野党勢力とっても、絶好のチャンスです。立憲野党の奮闘が求められています。
時代は、戦後レジームの脱却・憲法破壊ではなく、平和・民主主義・脱原発・憲法理念の実現へと動き出しています。おもねるのでは無く、安倍政権の政策転換・退陣・打倒を明確にした野党と労働運動、市民運動、市民の連帯した闘いが確実に新しい政治をつくりだします。私たちはその一翼を担うという決意を申し上げて、「誓いの言葉」とさせていただきます。
2017年8月15日

      フォーラム平和・人権・環境  共同代表  福山真劫

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 反基地, 反戦・平和, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会 誓いの言葉 はコメントを受け付けていません

北朝鮮が演習を批難 「韓米軍事訓練、韓半島情勢をさらに破局へ」

北朝鮮「韓米軍事訓練、韓半島情勢をさらに破局へ」

2017年08月18日
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

写真拡大
2016年の韓米連合軍事訓練UFG。昨年8月22日、忠清北道清州(チョンジュ)空軍第29戦術開発訓練飛行戦隊ではUFG訓練の一環として、韓国空軍の単独大規模空中総合戦闘訓練「ソアリングイーグル(Soaring Eagle)」が実施された。

  北朝鮮の国営メディアが来週から始まる韓米連合軍事訓練を対し、韓半島(朝鮮半島)情勢をさらに破局に向かわせると批判した。韓国と米国は21日から連合軍事訓練「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」を始める。 

  朝鮮中央通信は17日、「反共和国圧殺野望を実現しようという凶悪な企み」と題して、「乙支フリーダムガーディアン合同軍事演習は朝鮮半島(韓半島)情勢をさらに破局に向かわせる」とし「南北間に取り返しがつかない事態を招く深刻な結果の責任は全面的に傀儡(南側)が負うことになるだろう」と批判した。 

  続いて韓国政府に向かって「共和国の大陸間弾道ロケット(ICBM)試験発射を取り上げて保守政権の前轍をそのまま踏む愚昧なことを続ければ、すべてのものを失うことになるという我々の警告を思い出すのがよい」と脅迫した。 

  これに先立ち北朝鮮の対外用ラジオの平壌(ピョンヤン)放送も前日、UFGについて「今でも緊張している朝鮮半島情勢を戦争勃発の局面に向かわせる容認できない犯罪行為」と非難した。

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反基地, 反戦・平和, 反核・脱原発, 核兵器・放射能・核開発, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 北朝鮮が演習を批難 「韓米軍事訓練、韓半島情勢をさらに破局へ」 はコメントを受け付けていません

8.18「北朝鮮ミサイル-避難訓練-」(桐生悠々の「関東防空大演習を嗤ふ」を想起)

「避難訓練」の

中止要請をする森共同代表

2017年8月18日

石川県知事 谷本正憲 様

石川県平和運動センター

共同代表 柿平哲夫 南弘樹 本田良成 新明宏 森憲一

金沢平和運動センター議長 谷 光哉

社会民主党石川県連合代表 盛本 芳久

( 公 印 省 略 )

8.18「北朝鮮ミサイル-避難訓練-」中止の申入れ

石川県は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略す)のミサイル飛来に備えて8月30日に「避難訓練」を輪島市で実施するとしています。

知事は、本当に、北朝鮮のミサイルが日本に飛来するとお考えなのでしょうか。

北朝鮮は「自国防衛」のため「核・ミサイル」を開発していますが、照準は米国を向いています。それは、朝鮮戦争が停戦中であり平和協定が結ばれていないからです。5回の核実験と20回以上の弾道ミサイル実験を繰り返した北朝鮮ですが、米国は07年以降、10年間で41回の弾道ミサイル実験を行っており、北朝鮮の比ではありません。米韓合同演習では、戦略爆撃機、空母打撃部隊など圧倒的戦力を投入し、年二回、米特殊部隊1,000人を含む30万人で北朝鮮を威圧しています。

自衛隊もまた、米国の先兵として「核」空母打撃部隊や戦略爆撃機B1を護衛し、北朝鮮を先制攻撃する訓練をやっています。これらに、フセインやカダフィの末路も重ねた金正恩政権は恐怖し、「体制延命には核しかない」と考えたのです。つまり、北朝鮮による「核開発」の主因は米国にあり、「核・ミサイル」を問題にするならば、米国にも抗議すべきなのです。

私たちは、「武力で平和はつくれない」として「核兵器・核開発」に反対しています。ミサイル実験や軍事訓練にも反対し、核実験には北朝鮮であれ米国であれ抗議声明を発しています。

石川県知事が成すべき事は、「いずれも、核開発を止めよ!」「国家予算を餓死寸前の国民に回せ!」と主張すべきではないでしょうか。そして、米軍とともに「戦争挑発」を繰り返す安倍政権に対し、「戦争行為はやめよ!」「国民を煽動するな!」と訴えることではないでしょうか。

内閣改造後の世論調査を見ても、安倍首相は「信じられない人」という評価が続いていますが、北朝鮮の「ミサイル」のみを対象とした「避難訓練」は、北朝鮮を丸ごと敵視することであり、かって、日本が「支配し蹂躙してきた」ことへの反省とは真逆の行為となるのではないでしょうか。まさに「ナショナリズムの鼓吹」であり「国民を総動員」する危険な行為と言わなければなりません。控えめに見ても「不安煽りと憲法9条改悪」の地ならしと言うほかありません。

そもそも、弾道ミサイルに対して、「伏せ」「地下へ」という対処が役に立つとお考えでしょうか。戦前、金沢市生まれのジャーナリスト桐生悠々が訴えた「関東防空大演習を嗤ふ」を思い出してしまいます。もし、ミサイル「落下」が危険とお考えならば、それは「隕石」落下に等しい絵空事と言わなければなりません。小松のジェット戦闘機の方がより現実的な危機であり(別紙を見よ!)、志賀原発事故の方が危機的です。これらを踏まえて、以下、4点について要請します。

1 北朝鮮の「核・ミサイル」開発に係る「避難訓練」は無意味なので、即刻、中止すること。

2 「避難訓練」に小・中学校の児童・生徒を動員することは、無用な恐怖心、敵愾心を煽り、差別を助長するだけなので絶対に参加させないこと。

3 日本政府が、北朝鮮を敵視している米国の軍事・政治に同調することは、危機を助長し恐怖心を煽り敵愾心を増幅させ、一触即発の「核」戦争的事態を招くだけなので、貴職は、日本政府に対し毅然とした態度で、米朝双方に「軍事的な行動・威嚇」を止めるよう要請すること。

4 貴職は、北朝鮮に対し、「核・ミサイル」開発は国民を餓死させることにつながり、対外的にも問題を「複雑化」「困難化」させるだけなので、開発を止めるよう直接、要請すること。

関連 関東防空大演習を嗤う(1933年) 北ミサイルは「存立危機事態」?? トランプ発言は無責任で危険だ アメリカより 北ミサイルへ米軍が先制攻撃を検討 「北ミサイル-避難訓練-」 桐生悠々氏 弾道ミサイル避難訓練は必要か 北朝鮮「悪い子?」、米国「良い子?」 「北ミサイル-避難訓練-」参加者は小中学校の児童・生徒 北ミサイル発射に断固!抗議! 「敵」ミサイル迎撃は、戦争行為! 北朝鮮の6回目となる核実験に強く抗議! 朝鮮半島における戦争、反対! 北朝鮮と休戦状態にある米軍艦船に「給油」、自衛隊は恰好の標的 北朝鮮、核攻撃なら少なくとも死者210万人 対北朝鮮「迎撃ミサイル」のお粗末さ NGO ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)にノーベル賞 米軍ヘリの高江「不時着・炎上」に抗議! 望月衣塑子氏、なぜ記者会見で疑問をぶつけないの? 魚雷を「池ポチャ」2億円の損失、海上自衛隊 17年8月末、核搭載型B52爆撃機と小松F15が「秘密裡」に訓練 戦争の足音には「過敏に怯えなきゃ」 教育勅語「現代語訳

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 8.18「北朝鮮ミサイル-避難訓練-」(桐生悠々の「関東防空大演習を嗤ふ」を想起) はコメントを受け付けていません

 被爆72周年原水爆禁止世界大会・大会宣言

2017年8月 9日

 被爆72周年原水爆禁止世界大会・大会宣言

 人類の頭上に初めて原爆が投下されて72年がたちました。未曽有の惨禍によって、被爆者は、今日まで、差別や貧困にさらされ、様々な健康被害と闘い、苦しい生活を強いられてきました。しかし、被爆者は、原爆後障害の不安に怯えながらも、辛い身体にむち打って、核兵器の被害の実相とその非人道性を訴え、核廃絶を求めて声をあげ続けてきました。今年7月7日、国連総会で「核兵器禁止条約」が採択され、被爆者の願いが実を結びました。条約は、前文で被爆者や核実験被害者の「受け入れがたい苦痛と被害」に触れながら、核兵器が国際人道・人権法の原則と規則に反するとして、その製造や使用のみならず威嚇の行為なども法的に禁止する画期的なもので、核保有国の論理を許さないものとしています。
しかし、唯一の戦争被爆国である日本政府は、本来ならば核兵器廃絶に向けて積極的にリーダーシップを発揮する立場にあるにもかかわらず、この条約の交渉に参加せず、いまも条約の批准・発効に反対し続けています。8月6日、広島の平和祈念式典で、安倍首相は「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを着実に前に進める努力」を口にしながら、核兵器禁止条約には一言も触れませんでした。安倍首相が言いう平和は、政治的ポーズに過ぎません。日本政府(安倍政権)の姿勢は、核兵器廃絶を求めている世界の多くの国々、とりわけ被爆者を失望させるものです。私たちは、日本政府が「核兵器禁止条約」を直ちに批准し、核兵器保有国に対して、戦争被爆国としての言葉で参加を促していくことを強く求めます。
安倍首相は、広島の平和祈念式典で、「被爆者の方々に対しましては、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策の充実を行ってまいりました。今後とも、被爆者の方々に寄り添いながら援護施策を着実に推進してまいります」と述べました。しかし、被爆者への国家補償や原爆症の認定、在朝被爆者をはじめとする在外被爆者、被爆体験者、被爆二世・三世の問題などで様々な課題が残されています。原水禁は、国家補償に基づく被爆者援護法の制定を長きにわたりとりくみ、「原爆被爆者援護法」を勝ち取りました。しかし、国家補償は未だ明記されず、政府は、被爆者の具体的要求には何ら答えず、ただ裁判で敗訴したことのみ改善するという消極的姿勢に終始しています。被爆者が高齢化する中にあって、安倍首相は、自らの言葉を、自らが具現化しなくてはなりません。時間との闘いの中で、早期の解決に向けた運動の強化が求められています。
世界各国は、2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故を契機に、脱原発に舵を切りました。ドイツ・イタリア・スイスなどが脱原発を選択しました。アジアにおいても台湾が脱原発を決定し、韓国でも脱原発をめざす政権が誕生しています。原子力産業は、米原子炉メーカーウェスティングハウスを買収した東芝の破たんに見るように、原発建設など原子力産業の推進が企業の経営破綻をまねく状況が現出しています。一方で福島原発事故の処理費用は、現時点でさえ約22兆円と試算され、原発推進が市場経済の論理にそぐわないものとなっています。
しかし、安倍政権は、除染が終了し、年間被ばく量20mSvを下回ったとして、避難指示の解除を進め、住民に帰還を強要しています。20mSv/yは、一般公衆の被ばく限度の20倍であり、さらなる被ばくを押しつけながら、原発推進のためにフクシマをなかったものにしようとする姿勢は許せません。安倍政権は、脱原発を求める民意を無視し、福島原発事故被害者を切り捨て、原子力推進政策に邁進し、原発再稼働、核燃料サイクル計画・プルトニウム利用路線の推進、原発輸出などを推し進めています。事故の原因の調査も、責任の所在も曖昧にしたまま、原発推進に舵を切ることを許してはなりません。国策として原発を推進し、津波の想定を見直すことなく、事故を引き起こした東電・国の責任をきびしく追及していかなくてはなりません。
安倍政権は、安全保障関連法(戦争法)や共謀罪を新設し、憲法改「正」に踏み出そうとしています。沖縄・辺野古や高江では、新基地建設を強行しています。日本中の空をわが物顔に飛ぶオスプレイは、各地で事故が頻発し市民社会に大きな不安を与えています。戦後レジームからの脱却という安倍首相の主張は、憲法の規定する国民主権、平和主義、基本的人権の保障という戦後一貫して私たちが守ろうとしてきた日本社会のあり方を、根本から変えようとするものです。決して許してはなりません。
脱原発を決定させましょう。核燃料サイクル計画を放棄させましょう。米国の傘の下にあって、核武装を担保しておこうとする日本の核政策を根本から変えましょう。核兵器禁止条約の批准を求めましょう。国の責任を明らかにして、フクシマの支援を確実にしましょう。戦争法・共謀罪廃止、憲法改悪阻止、「命の尊厳」を基本に、地域から大きな声を上げていきましょう。
ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ、ノーモア フクシマ、ノーモア ヒバクシャ、ノーモア ウォー
2017年8月9日
被爆72周年原水爆禁止世界大会
カテゴリー: トピックス, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 |  被爆72周年原水爆禁止世界大会・大会宣言 はコメントを受け付けていません

「ヒロシマアピール」

被爆72周年原水禁世界大会・広島大会

「ヒロシマアピール」

2017年8月 6日

  1945年8月6日午前8時15分、広島に投下された原子爆弾は、強烈な「熱線」、「爆風」、「放射線」のもと、その年の内に14万人もの生命を奪い去りました。あの日から72年、被爆者の高齢化は進み、限られた時間の中で、援護対策の充実と国家の責任を求めることが急務となっています。さらに、親世代の原爆被爆による放射線の遺伝的影響を否定できない、被爆二世・三世の援護を求める運動も重要です。

7月7日、国連本部で「核兵器禁止条約」が採択されました。私たちが願う「核兵器廃絶」へ向けての歴史的瞬間でした。この条約の前文において「核兵器の使用による被害者(ヒバクシャ)に引き起こされる受け入れがたい苦痛と危害に留意する」や「核兵器に関わる活動で先住民に対する不釣り合いに大きな影響を認識」と、私たちが訴え続けてきた「核廃絶なくして被爆者(ヒバクシャ)の救済なし」や「核絶対否定」の理念が込められており、原水禁運動が国際的に認められた証でもあります。これからは、日本政府に、唯一の戦争被爆国として、全世界の条約批准へ向け、核兵器保有国とその同盟国をリードしていく責任を認識させなければなりません。

東日本大震災による福島第一原発の事故から6年が経過していますが、いまだ約8万人近い福島県民が避難生活を余儀なくされています。しかし、安倍政権が進める原子力政策では、福島原発事故の反省もなく、12基の原発再稼働が認可され、その内、5基が私たちの強い反対にも関わらず再稼働を強行しました。それどころか、原発の新・増設の可能性すら追求し始めています。フクシマを決して忘れてはなりません。福島県民と周辺県で放射能汚染を強いられた人々の健康不安、特に子どもの健康にしっかり向き合うよう、「被爆者援護法」に準じた法整備を国に求めるとともに、原発の再稼働や新・増設を許さず、全ての原発の廃炉、再生可能エネルギーへの転換を求めます。

安倍政権は、安全保障関連法制(戦争法)や組織犯罪対処法改正(共謀罪)を、市民の多数の反対を押し切って、国会での数の力により強行採決させてきました。さらに、2020年までには憲法を改「正」する構えを見せています。戦争により何が起こったのか思い起こすとともに、被爆地ヒロシマを体験した私たちは、9条を守り憲法を守り一切の戦争を否定し、二度と悲劇が繰り返されないよう訴え行動していきましょう。

これまで私たちは原水禁を結成し、52年にわたり一貫して「核と人類は共存できない」、「核絶対否定」を訴え続け、核のない社会・世界をめざして取り組んできました。現在、暴走し続ける安倍政権の戦争への道、原発再稼働への道に対抗していくことが喫緊の課題であり、未来ある子どもたちに「核も戦争もない平和な社会」を届ける取り組みを全力で進めます。

○核兵器禁止条約で核兵器廃絶を実現しよう!
○フクシマを繰り返すことなく、全ての原発の再稼働や新・増設に反対し脱原発社会をめざそう!
○原発事故の被災者と被曝労働者の健康と命と生活の保障を政府に強く求めよう!
○非核三原則の法制化を実現しよう!
○憲法改「正」を許さず、戦争法や共謀罪の廃止をめざそう!
○ヒバクシャ援護施策の強化ですべてのヒバクシャ支援を実現しよう!
○被爆二世・三世の援護を実現しよう!
○すべての核兵器をなくし、核と戦争のない21世紀をつくろう!

ノー モア ヒロシマ、ノー モア ナガサキ、ノー モア フクシマ、ノー モア ヒバクシャ

2017年8月6日
被爆72周年原水爆禁止世界大会・広島大会

カテゴリー: トピックス, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 「ヒロシマアピール」 はコメントを受け付けていません

北のミサイル発射施設へ米軍が先制攻撃検討

北のミサイル発射施設へ米軍が先制攻撃検討

2017年8月10日 14:38

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。

記事全文

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮についてアメリカ軍が、戦略爆撃機で北朝鮮内のミサイル発射施設への先制攻撃を検討、訓練を行っていると報じられた。

 アメリカのNBCテレビは9日、国防総省が、北朝鮮への攻撃を指示された場合に向け準備している計画の内容を入手したと報じた。それによると、アメリカ軍が先制攻撃する場合、北朝鮮から約3400キロ離れたグアムの米軍基地に6機配備された戦略爆撃機が展開し、24か所のミサイル発射施設を攻撃することが検討されているという。

 戦略爆撃機は高性能な長距離巡航ミサイルを搭載でき、公海上から攻撃可能だという。こうした攻撃を想定した訓練は5月以降11回行われ、このうち4回は、爆弾の投下も行われたということだが、一方で、計画は、検討されている選択肢の1つに過ぎないとしている。

この訓練に、日本の空自隊基地からF2やF15戦闘機がコミット(B1戦略爆撃機を護衛する任務)しているのは間違いない。
カテゴリー: トピックス, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反基地, 反基地, 反戦・平和, 反核・脱原発, 小松基地, 核兵器・放射能・核開発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 北のミサイル発射施設へ米軍が先制攻撃検討 はコメントを受け付けていません

トランプ発言「北朝鮮との間の緊張を著しくあおり、核戦争の不安を高めており、強く懸念」「発言は無責任で危険だ」

米議員が国務長官に書簡「大統領の発言に強い懸念」

アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に対し、強い表現で挑発行為をやめるよう、警告し続けていることについて、アメリカ議会のおよそ60人の議員が共同でティラーソン国務長官に書簡を送り、強い懸念を示すともに、大統領の言動を自制させるため、国務長官が、あらゆる努力を払うべきだと訴えています。

この書簡は、アメリカ議会下院のグアム選出の議員を含む、およそ60人の民主党議員が、10日、ティラーソン国務長官に宛てて、送りました。書簡はまず、「トランプ大統領の発言は、北朝鮮との間の緊張を著しくあおり、核戦争の不安を高めており、強く懸念している」としたうえで「発言は無責任で危険だ」と非難しています。

そして、「トランプ大統領と政権の高官が、敏感なこの問題について、細心の注意と自制をもった言動をとる必要性を理解させるためにすべての方策をとるよう求める」として、大統領の言動を自制させるため、国務長官があらゆる努力を払うべきだと訴えています。

そのうえで、「われわれは、ティラーソン長官が、北朝鮮に対話を求め、アメリカの敵ではなく、戦争も体制の転覆も追求しないとした発言を強く支持する」として、アメリカは、最終的に対話を通じて、問題を解決する姿勢を貫くべきだとしています。

アメリカ議会では、トランプ大統領の北朝鮮に対する発言について、支持する声も一部にはあるものの、与野党の有力議員の間からは、無責任だとして、批判の声が上がっています。

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反基地, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | トランプ発言「北朝鮮との間の緊張を著しくあおり、核戦争の不安を高めており、強く懸念」「発言は無責任で危険だ」 はコメントを受け付けていません

「あなたはどこの国の総理ですか」

「あなたはどこん国の総理ですか」

安倍晋三首相(左)に要望書を手渡す被爆者5団体の代表者=長崎市内のホテルで2017年8月9日午後0時23分、矢頭智剛撮影

被爆者団体、安倍首相の「核兵器禁止条約」に批准しないことに対し

 長崎への原爆投下から72年の「原爆の日」を迎えた9日、長崎市の平和公園で平和祈念式典が開かれた。平和祈念式典後に長崎市内で安倍晋三首相と面談した被爆者団体代表は、核兵器禁止条約に日本政府が批准しない方針を示していることに強く憤った。

 「あなたはどこの国の総理ですか」。長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長を務める川野浩一さん(77)は被爆者団体からの要望書を安倍首相に手渡した際に迫った。「ヒバクシャの願いがようやく実り、核兵器禁止条約ができた。私たちは心から喜んでいます。私たちをあなたは見捨てるのですか」

 面談は式典後に首相らが被爆者団体から援護策などの要望を聞く場として設けられている。通常は冒頭で静かに要望書を手渡すが、川野さんは「子や孫に悲惨な体験をさせてはならないというナガサキの72年間の訴えが裏切られたという思いがあった」と異例の行動に出た理由を話す。川野さんは安倍首相に「今こそ日本が世界の先頭に立つべきだ」とも訴えたが、明確な返答はなかった。

 式典に参列した被爆者も、あいさつで条約に言及しない首相への失望を口にした。8歳の時に爆心地から約2・8キロで被爆した嶺川洸(たけし)さん(80)は「核兵器禁止条約が採択され、今が一番大事な時だ。わざわざ東京から来てあいさつするのに、なぜ被爆者に寄り添った言葉を語らないのか」と語った。【樋口岳大、加藤小夜】

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 反戦・平和, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 脱原発・核燃, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 「あなたはどこの国の総理ですか」 はコメントを受け付けていません

存立危機事態として「集団的自衛権でミサイルを迎撃」可能と認識

「集団的自衛権で迎撃可能」北ミサイル 防衛相

認識

2017年8月10日 14時01分

 北朝鮮は、具体的な作戦計画を明らかにすることで、圧力を強める米国や日本を強くけん制した形だ。日本列島上空を通過する計画が遂行されれば、日本の安全保障が深刻に脅かされることになる。

金司令官は、ミサイル部隊を指揮する戦略軍が「八月中旬までに、グアム島包囲射撃計画を最終確定させて、核武力の総司令官である金正恩(キムジョンウン)同志(朝鮮労働党委員長)に報告、発射命令を待つ」と表明した。

発射する火星12は「射程三三五六・七キロを千六十五秒間(十七分四十五秒)飛行し、グアム島周辺三十~四十キロの海上水域に着弾する」と説明。グアムにある米軍基地を直接の攻撃対象にしておらず、「米国に厳重な警告信号を送るため」とした。

トランプ米大統領が八日に「見たこともない炎と怒りを受けることになる」と北朝鮮に警告したことについて、「情勢の方向を見極めることができずに、ぼけた考えを並べ立て、わが国の砲兵の神経を鋭く刺激している」と批判した。

北朝鮮の戦略軍報道官は八日付の声明で、今回のグアム周辺への弾道ミサイル発射準備を明らかにしていた。

(東京新聞)

衆院安全保障委の閉会中審査で、報告する小野寺防衛相=10日午前9時4分、国会で(小平哲章撮影)

衆院安全保障委の閉会中審査で、報告する小野寺防衛相=10日午前9時4分、国会で(小平哲章撮影)
カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 反基地, 反戦・平和, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 存立危機事態として「集団的自衛権でミサイルを迎撃」可能と認識 はコメントを受け付けていません