2007年度活動報告

2007年度 活動報告(2006.9.1~2008.5.19)

[反核・脱原発の県内の取り組み経過]
10月 9日(火) 北朝鮮核実験に対する抗議声明発表 
  10日(水)    〃      抗議文送付(金正日国防委員長宛)
   13日(金) 志賀原発金属粒混入トラブルに対する声明        
12月 5日(火) 「原爆被爆二世の援護を求める署名」の取り組み要請  
9日(土) もんじゅを廃炉へ!全国集会 (敦賀市)         79人
 18日(月) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第1回公判)     
  22日(金) 志賀原発2号機タービン問題で申し入れ(対県・北陸電力)
1月29日(月) 東洋町の高レベル放射性廃棄物最終処分施設誘致の応募の白紙撤回を
求める緊急打電行動
 2月17日(土) 高レベル廃棄物地層処分反対全国交流集会(岡山市・~18日)
 20日(火) 志賀原発給水加熱器損傷問題で県申し入れ      
 3月15日(木) 志賀原発臨界事故隠しで抗議声明発表        
   20日(火) 北陸電力への抗議の打電行動の要請        
   28日(木) 志賀原発臨界事故隠しで北陸電力へ抗議の申し入れ   
 4月12日(木) 臨界事故隠しで原水禁国民会議とともに原子力安全・保安院交渉 
   13日(金) 「核暴走事故」と事故隠しに対する「声明」の発表   
20日(金) 原子力安全・保安院の北電処分発表に抗議声明  
23日(月) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第2回公判)
5月19日(土) 臨界事故学習会(講師:小林圭二)       
31日(木) 原水禁国民会議常任幹事会            
6月 1日(金) 志賀原発運転再開反対で県申し入れ
 13日(水) 原水禁平和行進(富山県からの引き継ぎ・天田峠)  
15日(金) 原水禁平和行進(珠洲)                100人
   16日(土)   〃     (志賀)                 110人
          原発立地県会議(青森市)            
反核燃集会(青森市)              
   18日(月) 原水禁平和行進(金沢)                150人
〃   (白山)                150人
 19日(火)    〃   (小松)                 60人                     
 22日(金) 北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動準備会        
 30日(土) 北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動出発集会  100人
 7月 4日(水) 久間防衛大臣「原爆投下容認」発言に対し抗議の打電行動
    7日(土) 全国署名運動、街頭署名   
23日(月) 新潟県中越沖地震を受けての原発問題申し入れ(対県、北電)
8月 1日(水) 原爆認定訴訟熊本地裁判決を受け、国に控訴断念を求める打電行動
4日(土) 原水禁世界大会広島大会(~6日)
  7日(火) 原水禁世界大会長崎大会(~9日)
   26日(日) 全国署名運動、「みえない雲」上映会
 9月 5日(水) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第3回公判)
   17日(月) 地震と原発を考える全国集会(東京)
   18日(火) 原発の耐震問題で保安院交渉
10月 1日(月) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第4回公判)
6日(土) 全国署名運動、街頭署名
  13日(土) 全国署名運動、街頭署名
15日(月) 「地震大国日本の原発を考える集会」主催:金沢地区センター
         講師:武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会)   150人
20日(土) 全国署名運動、志賀町全戸ビラ入れ行動
30日(火) 全国署名運動、石川県申し入れ(374,307筆)
11月 6日(月) 志賀原発核燃料搬入に対する監視・抗議行動    150人
           全国署名運動、北陸電力、志賀町へ申し入れ(403,814筆)              
11月22日(木) 原水禁常任幹事会
   28日(水) 志賀原発2号機用核燃料輸送に抗議声明発表      
12月 8日(土) もんじゅを廃炉へ!全国集会           103人参加
          原水禁全国交流集会
10日(月) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第5回公判)
18日(火) 北陸電力の活断層隠しに対し抗議声明を発表(県平和センター) 
  2月 9日(土) 2.9志賀現地講演集会(主催:羽咋郡市勤労協等)
            演題:「すべての原発を廃炉に!-中越沖地震の惨状にみる-」
            講師:武本和幸さん(元刈羽村村議)
    15日(金) 「喜友名正さん労災認定署名」、「柏崎刈羽100万人署名」要請
    22日(金) 全国署名運動、石川県申し入れ(518,107筆)
原子力行政改革案の提言を発表
    23日(土) 北電本店包囲行動
(富山市・主催:平和フォーラム北信越ブロック、全国署名運動)
  3月 4日(火) 再発防止検証委員会報告書に対する抗議声明発表(県平和センター)
           全国署名運動、志賀町申し入れ(518,407筆)
14日(金) 北電の志賀2号機再稼働申し入れに対する抗議声明発表・記者会見
17日(月) 志賀原発の運転再開に反対する打電行動要請
20日(木) 志賀原発の運転再開を許さない!志賀現地緊急抗議集会
21日(金) 知事の志賀原発再稼了承に抗議し記者会見・抗議声明発表
24日(月) 志賀原発差止め訴訟控訴審(第6回公判)   
25日(火) 全国署名運動東京行動、保安院申し入れ(519,458筆)
4月 2日(水) 志賀原発原子炉手動停止に関する抗議声明発表
   7日(月) 志賀2号機停止に関し、北電・県へ申し入れ(22人)
  18日(金) 「被爆62年原水禁世界大会報告書」発行
5月 8日(木) 志賀2号機再稼働に対し抗議声明発表
1 核兵器廃絶へのとりくみ
1.北朝鮮による2006年10月9日の核実験強行という事態は、東北アジアはじめ世界に大きな衝撃をあたえました。県平和運動センターは当日、ただちに抗議声明を発表すると同時に、翌日には金正日国防委員長宛に抗議文を送付しました。
2.国内においては、ブッシュ追随の安倍政権内の麻生太郎外務大臣、そして自民党の中川秀直幹事長、中川昭一政調会長らによる「非核三原則」を無視する「核保有容認発言」、さらに長崎県出身の久間章生防衛大臣による「原爆投下容認発言」など核廃絶と逆行する発言が続きました(いずれの肩書きも発言当時のもの)。平和フォーラムからの呼びかけに応え、その都度抗議の打電行動をおこなってきました。
3.核をめぐる情勢が厳しさを増す中、石川原水禁は被爆62周年非核平和行進をおこない、珠洲から加賀まで県内5会場、約600人が参加しました。いずれも社民党議員団の協力があり、金沢会場では金沢市長や金沢市勤労協、連合金沢、被爆者友の会からも連帯の挨拶を受けました。
  各会場での取り組み状況は次の通りです。
①富山県からの引き継ぎ 
  日時  6月13日(水)午後6時~
  会場  天田峠
②奥能登集会 
  日時  6月15日(金)午後6時~
  会場  珠洲労働会館前広場で集会 → 市内デモ
③中能登集会   
  日時  6月16日(土)午後3時~
  会場  赤住団結小屋で集会 → 原発周辺をデモ
④金沢地区集会 
  日時  6月18日(月)午後1時半~
  会場  駅西中央公園で集会 → 市内デモ → 市役所前で集会
⑤白山地区集会 
日時  6月18日(月)午後6時
  会場  白山市役所前広場で集会 → 周辺デモ
⑥南加賀地区集会 
日時  6月19日(火)午後6時半
   会場  小松市役所前 → 市内デモ

4.原水禁世界大会へは、広島大会21人、長崎大会14人の代表団を派遣しました。開会大会は60周年大会以降3年連続で原水禁、連合、核禁会議の三団体共催で開催されました。三団体共催については、一昨年、北信越ブロックとして被爆者援護の運動の拡大を評価しつつも、憲法問題や脱原発の課題が抜け落ち、核廃絶と脱原発が密接不可分の課題だという認識も欠如すると問題点を指摘してきました。両大会とも、まとめ集会では私たちが指摘した問題点も踏まえた総括がなされており、次回以降の大会も「いかなる核も許さない」「核と人類は共存できない」という原水禁運動の原点に立脚した大会の実現へ、働きかけを続けなければなりません。
  2004年の大会以降、毎年、参加者の感想を中心とした大会参加報告書を作成しており、今年も作成しました。

2.ヒバクシャの権利確立のとりくみ
1.被爆後63年をむかえ、高齢化する被爆者の課題の解決は急務となっています。原爆認定訴訟では、大阪地裁、広島地裁、名古屋地裁、仙台地裁、東京地裁、熊本地裁と、次々に国の認定制度の欠陥が司法によって裁かれました。今年4月には、国の制度の根拠となっていた「原因確立」が被爆者の努力などで破棄され、制度の見直しが図られましたが、新しい審査基準でも、司法によって認められた被爆者が切り捨てられる現実があります。認定基準の抜本改正にむけ、運動の強化が求められています。
  県内では、昨年8月、原爆認定訴訟の熊本地裁判決を支持し、国に控訴しないよう求める打電行動もおこないました
2.被爆二世・三世問題も重要な課題であり、原水禁国民会議は「日韓被爆二世シンポジウム」の開催や被爆二世・三世問題の理解を広めるブックレット「第5の被爆者」の共同発行に取り組んでいます。
県内では、原水禁からの呼びかけに応え「原爆被爆二世の援護を求める署名」に取り組み、4,221筆が集まりました。また「第5の被爆者」も購入・配布し、各組織での購入を呼びかけました。
3.核開発の過程で生み出されるヒバクシャや原子力の商業利用の過程で生み出されるヒバクシャとの連携強化は、「核と人類は共存できない」というスタンスを強化するものです。
  原水禁国民会議からの呼びかけに応え、原発労働者であった喜友名正さんの労災認定を求める署名運動に取り組んでいるところです。この運動は、過去1人しか認定されていない原発被曝労働者の労災認定の狭い門をこじ開け、40万被曝労働者の補償を前進させるものであり、さらには被曝労働者の存在なしには原発は運転できないという原発問題の根幹を問うたたかいでもあります。

3.脱原発、反核燃料サイクル路線のとりくみ
1.2006年10月以降、1万件を超える事故隠し、データ改ざんが発覚しました。とくに東京電力、北陸電力の臨界事故隠しは大事故につながる危険なもので、事故の深刻さと隠ぺいの悪質さは日本の原子力史上最悪と言えるものでした。能登半島地震と新潟県中越沖地震も加わり安全神話を崩壊させた1年でした。
一方で国は、今年夏の操業開始に向け、トラブル続きの六ヶ所村再処理工場の試験運転を強行しています。玄海、伊方、島根の各原発では、プルサーマル計画そのものの危険性に加え、耐震安全性が指摘されるにもかかわらず計画の実施に向かって突き進んでいます。
もんじゅは今秋の再稼働にむけて改造工事が進んでいます。4月には新たにナトリウム漏えい検出器の施行ミスが発覚しましたが、原子力機構は今秋の運転再開に向け突き進もうとしています。2007年12月の「もんじゅを廃炉へ!全国集会」には石川から79人が参加しました。 
2.高レベル放射性廃棄物の地層処分問題は、1昨年、滋賀県余呉町での拒否に続き、昨年4月には高知県東洋町でも町長選挙で住民が拒否の意思を明確に示しました。国はさらに交付金を釣り上げ(文献調査だけで年間10億円)、自治体を懐柔しようとしています。2007年2月に岡山市で行われた「高レベル廃棄物地層処分反対全国交流集会」に参加しました。
3.3年前の宮城県沖地震による女川原発、昨年3月の能登半島地震による志賀原発、そして7月の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発と、いずれもあり得ないはずの「設計用限界地震」を超える揺れが原発を襲いました。柏崎刈羽原発では変圧器が黒煙を吹き上げ燃え続け、モニタリングポストはすべて故障して表示なし。そこに排気筒や放水路からの放射能の放出情報。敷地内外は波打つ道路や土砂崩れで寸断された道路。壊れた橋桁。逃げることも助けに向かうこともできません。まさに原発震災と紙一重の状況がありました。平和運動センターと社民党は市民団体とともに、地震直後に県と北電に対し、耐震指針の破綻を指摘し、志賀原発の再稼動反対の申し入れをおこないました。9月には「地震と原発を考える全国集会」に参加し、保安院交渉にも臨みました。

4.志賀原発に反対するとりくみ
1.1昨年7月にタービントラブルによって停止した2号機に続き、1号機も昨年3月15日、臨界事故を8年間隠していたことが発覚し、国から停止命令を受けました。この間、2号機は金属粒の混入と給水加熱器内部のマーキングペン置き忘れ、1号機も中性子計測器のケーブルの接続ミスが発覚し、それぞれ単独で見ても品質管理のずさんさ、安全意識の低さがを現れています。臨界をコントロールできなかったということは原子力事業者として失格を意味します。北陸電力には原発を扱う能力・資格がないことを自ら証明する事故でした。 
2.これに対し北陸電力は、1ヶ月足らずで急遽2本の報告書をまとめあげ、原子力安全・保安院に提出しました。しかしその内容を見れば、事実関係の解明は不十分、したがって原因究明と再発防止策にも大いに問題ありと言わざるをえないものでした。ところが原子力安全・保安院は、報告書の内容を基本的に了承したうえ、「保安規定の見直し」という行政処分のみで、事実上の処分なしとして一気に事件の幕引きを図ろうとしました。
3.志賀原発の事故隠しは、危険性・悪質性からして北電の原発運転資格なしを証明するものであること、BWRの構造的欠陥を示すものという意味において原子炉の設置許可の取消処分に値するものであり、まさにこれは全国的な運動課題であるとの判断から平和運動センターは社民党、市民グループにも呼びかけ全国署名を展開することとしました。「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動」は、県平和運動センター嶋垣代表を共同代表の一人とし、事務局長には北野事務局長が就き、県内外の呼びかけ人・団体の協力のもとスタートしました。
4.全国署名運動は県内外に、志賀原発の危険性をアピールし、再稼働反対の世論を確実に浸透させていきました。さらに署名運動スタート直後の7月、中越沖地震が柏崎刈羽原発を襲い、原発震災が現実の危機となりました。臨界事故隠し問題への怒りからスタートした全国署名運動ですが、志賀原発の耐震危険性にも大きく焦点を当て、マンガパンフレットの作成や学習会を開催するなど、市民の関心に沿った運動を展開しました。こうして10月末の中間集約を経て、2月末の最終集約では約52万筆の署名が寄せられ、行政や北陸電力に対する再稼働反対の申し入れや、北電本店や志賀現地での抗議行動に大きな力を発揮しました。
5.北陸電力は3月、新耐震設計審査指針による耐震バックチェックの中間報告を公表しました。新しい基準時震動を600ガルとするなど、志賀原発の安全審査の前提を覆す評価が示され、私たちの不安はさらに高まりました。
これに対し2007年度内再稼働へ焦る北陸電力は、県や志賀町を巻き込み再稼働へのシナリオを練り上げました。社外委員からなる再発防止検証委員会の報告や2号機全設備の健全性の確認結果報告で、100点満点、対策は完璧との評価を連発し、議会や地元住民、原子力環境安全管理協議会などの了承を一気に取り付け、3月25日、再稼働に至りました。ところがその1週間後には気体廃棄物処理系の水素濃度異常上昇で原子炉停止に追い込まれました。原子炉停止に至る間、警報が鳴り響き、水素濃度の測定限界値を4回も超える事態を招きながら、北陸電力はその報告を後回しにしていました。停止せずに復旧させることを模索したのは明白で、安全軽視、隠す体質がまったく変わっていないことが示されました。設備の健全性確認も実態が伴わないことも明らかとなりました。
6.残念ながら再稼働を許しましたが、52万筆というたくさんの署名を集めた全国署名運動には大きな成果がありました。①全国に北陸電力の運転管理能力の無さや志賀原発の危険性をアピールすることができた、②北電は再稼働に向け、安全対策を誇張せざるを得なくなり、自らを追いつめることになった、③行政の北陸電力追随の姿勢を浮き彫りとした、④市民グループや全国の仲間との共闘関係を築くことができた。このような成果を踏まえ、さらにとりくみを強化していかなければなりません。

5.中央行動への参加
1.原水禁世界大会広島大会、長崎大会への参加をはじめとして、原水禁国民会議からの呼びかけに応え可能な限り全国集会に参加してきました。
2.北野事務局長が原水禁国民会議の常任執行委員に就任しており、総会や常任執行委員会に出席してきました。

6.自治体への働きかけ
1.自治体議員の協力も得ながら、毎年、各自治体の首長と議長に賛助金の要請をおこなって 
います。2007年度は総額396,895円となり、石川原水禁の貴重な収入源の一つとなっています。自治体合併の実施と各自治体の厳しい財政状況のため、賛助金は減少傾向にあり、一部支出いただけない自治体もありますが、原水禁への賛助金支出は、自治体にとっては非核平和行政の一環となるものであり、働きかけを継続していかなければなりません。
2.原水禁国民会議の要請で、「非核自治体アンケート」をおこないました。非核自治体宣言はしたが、その具体化への施策が全くない自治体がほとんどであり、担当者さえ不明確な自治体も見受けられました。原水禁運動に自治体を巻き込んでいくことが大きな課題であることが浮かび上がりました。