2004年度総括

2004年度 活動の総括

Ⅰ.はじめに

1.広島・長崎を襲った筆舌に尽くしがたい惨劇から60年。そして日本がアジア・太平洋の多くの人々に大きな惨禍
を与えた侵略戦争が終結して60年。取り返しのつかない国策の過ちを犯した日本の戦後の出発点は国是としての「反戦・平和」であり、被爆者に対する使命としての「核廃絶」の実現でした。しかし60年を経たいま、この二つの決意がブッシュ政権とそれに追随する「小泉ファシズム内閣」によってかつてない危機にさらされています。
2.04大統領選挙に勝利し2期目に入ったブッシュ大統領は、一段と単独行動主義を強めて
います。核軍縮分野も例外ではなく、核兵器削減どころか小型核兵器の開発や核の先制使用を正当化し、さらに自衛隊と一体となったMD(ミサイル防衛)計画の推進を図っています。「不戦の誓い」はまさに風前の灯火です、石油資源の争奪と軍事産業の要請で仕掛けたイラク侵略戦争の延長線には、中東から朝鮮半島までを「不安定の弧」と位置付け、自衛隊も巻き込んだ米軍再編を進め、世界の資源独占を狙うブッシュ政権の世界戦略があります。
弱肉強食の米国型経済のグローバル化は、貧困であえぐアフリカ諸国に見られるとおり、地球上に猛烈な貧富の格差をもたらします。それに対抗する新たな地域共同体モデルとして進められたEUも国民投票によるEU憲法の相次ぐ否決で暗礁に乗り上げました。米国の単独行動主義を抑制、転換させる展望はいまだ不透明です。
3.日本の戦争国家づくりは基本的には米国の世界戦略に既定されています。しかし、日本経済のグローバル化とアジアにおける大国主義路線も戦争国家に向かう大きな要因です。
日本は平和憲法を戴きながらも自衛隊という名の軍隊を擁し、日米安保条約を締結し、核の傘の下で高度経済成長をとげ、「先進国」の仲間入りをしてきました。しかし日本経済のグローバル化は自衛隊、安保、核の傘を再編強化し、集団的自衛権を行使し米国と共に戦争ができる国づくりを求めています。
また、急激な経済成長を遂げるアジアの中において自らの存在感を発揮し、経済進出を押し進めるため、アメリカの強大な軍事力との一体化を追求し、さらに独自の精神的支柱、すなわち小泉首相の靖国神社参拝や教科書問題にみられるような誤った歴史認識、偏狭なナショナリズムを広める動きを強めています。
米軍とともに再編強化された軍事力、米国と一体化した経済、そして日本独自の精神的支柱を確立することがアジアの中の大国として生き抜く道であるという国家像のもと、改憲に突き進もうとしています。
4.このような情勢のもと、平和運動センターはこの1年、憲法改悪阻止を大きな柱に据えつつイラク反戦、反基地、反核・脱原発、教育基本法改悪反対など平和を巡る重要課題について、小泉内閣と全力で対峙してきました。残念ながら小泉改革の悪政はとどまるところを知りませんが、内政・外交あらゆる分野で矛盾は拡大しており、反戦・平和、人権と民主主義の擁護の立場を明確にする平和運動センターの闘いは、着実に多くの市民の共感を得ているものと確信します。
5.この間の闘いを振り返ったとき、全面的な国家再編への攻撃の中、運動課題の拡大が大き
な特徴としてあげられます。全国的にも平和フォーラムの運動課題は広がっています。県内においても陸自金沢駐屯地からのイラク派兵があり、石川県国民保護計画の策定、志賀原発のプルサーマル計画など地域課題にも引き続き取り組んでいかなければなりません。一方で様々な平和問題に取り組む団体も相次いで結成されています。平和運動センターは県内最大の動員力をもつ運動体であり、かつ闘う姿勢を鮮明にした平和運動の「センター」として、その役割の大きさを自覚しつつ、自ら主体的に取り組むべき課題、連携して取り組むべき課題、他団体に委ねるべき課題を整理し、より効果的な平和運動を展開していかなければなりません。
6.昨年9月30日に開催した第5回定期総会において今年度方針を確認し、この1年間、各
単産・単組、地区平和運動センターの全面的な協力と各運営委員の献身的努力を得ながら闘いを進めてきました。今回の総選挙は小泉ファシズム内閣の姿を明らかにしました。改憲問題を中心に平和運動も剣が峰に立たされます。闘いを一層強化するためにも、この1年間の闘いを総括し、教訓を共有化し、さらなる前進を図っていかなければなりません。

Ⅱ.憲法改悪を許さない取り組み

11月 1日(月) 護憲大会(~3日・奈良市)              17人派遣
5日(金) 平和学習会(公企労)
17日(水) 憲法を守る会総会
19日(金) 憲法と平和を考える集会(全国一般)
12月15日(水) 九条の会・石川ネット発足集会              450人
2月10日(木) 活動家労働講座「憲法と私たち」(北鉄労組)
3月18日(金) 「終わらせようイラク占領、撤退させよう自衛隊、阻止しよう憲法改悪石川集会」218人
4月11日(月) 憲法・教育基本法に反した教科書検定に対する抗議文を送付
26日(火) 憲法を守る会ラジオCM(~5月3日)
5月 3日(火) 憲法集会(憲法を守る会主催)             400人
憲法9条フェスティバル(九条の会・石川ネット主催)  350人
15日(日) 澤地久枝さんと憲法を語る会(九条の会・石川ネット主催)600人
6月18日(土) 講演「有事法制、国民保護法と憲法」(北信越ブロック地域活動交流集会)
9月17日(土) 市民集会「憲法改正の是非を考える」(金沢弁護士会主催)

1.4月には衆参両院憲法調査会が5年間にわたる「調査」の報告書をまとめました。衆議院
は調査会の規定に反し、改憲派の意図通り改憲の方向性を強く打ち出しました。これに先立ち自民党は12月21日に小泉総裁を本部長とする「新憲法制定推進本部」を設立し、今年11月の結党50年での新憲法草案公表向けて突き進んでいます、7月8日には改憲要綱、8月1日にはついに条文化した第一次案を公表しました。9条を全面的に書き換えて、自衛軍の創設、戦力不保持を削除、海外での武力行使を可能にする方針を条文化したのです。平和主義を放棄し、近代立憲主義を否定する新憲法をいよいよ国民の前に公表し、憲法改悪へ大きく踏み込んできた1年でした。
国民投票法案の通常国会上程は見送られました。しかし自民党案はすでにまとまっており、総選挙の自公連立内閣の圧勝で次期通常国会上程はほぼ間違いないと思われます。反対運動の構築を進めていかなければなりません。
2.「創憲」を掲げる民主党は改憲案のたたき台となる「憲法提言」作成に向けた中間提言を
4月23日にまとめました。しかし「憲法提言」の最終取りまとめ時期については政権戦略も考慮し、また党内の意見集約に時間を要することから明示していません。社民党は3月10日、「憲法をめぐる論議の論点整理」を発表しました。憲法を護り、活かし、広げる方針を明記しています。ただし、専守防衛に徹した最小限の自衛力=自衛隊を憲法の中に位置付ける立場をあらためて表明しており、あいまいさが残ります。平和フォーラムは戦争放棄と憲法の3大原則の変更は絶対に認めないという基本的立場を明らかにしつつ、憲法と現実との乖離を埋めるため「平和基本法」の制定に向けた取り組みを進めることとしています。自衛隊を最小限防御力として容認するため、平和勢力内では危険性を指摘する声もあり、北信越ブロック各県でも批判的な声、現在の情勢下で踏み込むべきでないという声、あるいは議論不十分という声があります。
3.平和運動センターは過去の総会で一貫して護憲の立場を明らかにし、憲法改悪阻止を訴えてきました。この基本方針のもと、この1年間も各集会や街宣行動で憲法改悪を大きく訴えてきました。あわせて11月17日には「憲法を守る会」の再確立のための総会に取り組み、土井たか子社民党前党首を招いての5月3日の憲法集会にも参加してきました。また、青年法律家協会の呼びかけに応じて憲法を守る会の構成組織として「九条の会・石川ネット」の発足準備にも関わり、12月15日の発足集会、5月3日の憲法9条フェスティバル、5月15日の「澤地久枝さんと憲法を語る会」にも憲法を守る会の構成団体として参加してきました。また、平和フォーラム発行の学習用パンフなども積極的に配布、斡旋してきました。
4.改憲阻止の運動の展開には、一つは国民投票を警戒しつつ改憲反対の幅広い世論形成を図
ること、もう一つは解釈改憲、立法改憲も含め実質的な「戦争のできる国づくり」を許さない理論の深化と闘いの強化が要求されます。
解釈改憲によって自衛隊という名の軍隊を擁し、日米安保条約を締結し、核の傘の下で暮らしてきた戦後日本の矛盾、憲法理念と現実の乖離、いわゆるダブルスタンダードの存在が護憲運動に突きつけられています。各党派で見解が異なるダブルスタンダードの存在に踏み込まず、現憲法の歴史的、人類的価値を評価し、憲法を守ろうと訴えているのが「九条の会・石川ネット」です。思想・信条を超え、幅広い市民が参加しての運動の広がりが見られます。
しかし一方で、イラク派兵に象徴されるように、憲法理念を踏みにじる行為に対する闘いなくしては、平和憲法は空洞化の一途です。憲法を守る会や平和運動センターとしては理論の深化と闘いの強化を担うべきです。
5.北信越ブロック地域活動交流集会での各県報告や山口弁護士の講演は平和基本法について学び、学習資料として講演録も作成し活用しました。引き続き安全保障基本法など九条を巡る論点について積極的に学習活動を展開していくことが大切です。

Ⅲ.イラク戦争に反対し、日本の戦争国家化を阻止する取り組み

10月 2日(土) 全国基地問題ネットワーク総会(横須賀)
原子力空母横須賀母港化阻止全国集会(横須賀)
7日(火) 米海軍イージス艦「レイクエリー」の新潟港入港反対の要請文送付
28日(木) イラクでの日本人人質事件に関し政府に要請文を送付
11月 1日(月) 小松基地爆音訴訟控訴審第1回公判傍聴行動
30日(水) 普天間基地・辺野古移設反対の緊急署名       4,010筆
12月 7日(火) 自衛隊のイラク派兵期間延長に反対する要請文を送付
14日(火) 自衛隊のイラク派兵延長反対の街宣・ビラまき行動     40人
24日(金) 住基ネット差し止め訴訟公判
2月 2日(水) 陸自金沢駐屯地からのイラク派兵に抗議する街宣・ビラまき行動 40人
3日(木) 陸上自衛隊金沢駐屯地からのイラク派兵に反対し、抗議の申し入れ
7日(月) 陸自金沢駐屯地からのイラク派兵に抗議するテープ街宣
10日(木) 陸自金沢駐屯地からのイラク派兵に抗議するテープ街宣
18日(金) 全国基地問題ネットワーク幹事会(東京)
19日(土) 「第一師団は来るな!2.19キャンプ座間包囲行動」(座間市)
25日(金) 陸自金沢駐屯地の「回答」に対する抗議文を送付
3月 4日(金) 住基ネット差し止め訴訟結審
10日(木) 陸自金沢駐屯地による事務局員不当拘束事件で抗議の申し入れ
公安調査事務所の諜報工作に対する抗議の申し入れ
15日(火) 石川県国民保護計画作成に反対する申し入れ
5月30日(月) 住基ネット訴訟判決傍聴、報告集会
6月18日(土) 講演「有事法制、国民保護法と憲法」(北信越ブロック地域活動交流集会)
7月14日(木) 「沖縄米兵による女児強制わいせつ事件に対する抗議文」を送付
23日(土) いまこそ住基ネットを廃止に!7.23金沢集会
25日(月) 小松基地爆音訴訟控訴審第3回公判傍聴行動
8月11日(木) 米海軍イージス艦「カーティス・ウィルバー」の新潟港入港反対の要請文送付
15日(月) 毎日新聞「戦後60年平和祈念特集」に広告掲載

1.イラクへの自衛隊派兵反対、即時撤退を求める闘い

1.米軍は大量破壊兵器を発見できず、アルカイダとフセイン政権との関係も証明できません
でした。明らかな侵略戦争であったにもかかわらず米軍は「対テロ戦争」の名のもと、「占領」を継続しています。ベトナム戦争終結30年の今年、第二のベトナム戦争ともいうべき泥沼化した状態に突入しました。米国内のイラク反戦世論は超大型ハリケーン「カトリーナ」の被害も重なり、かつてなく高まっています。侵略・占領を原因とするイラク人死者は10万人を越え、米兵の死者も1,900人に迫ろうとしています。他方、有志連合からの脱退は10カ国にのぼります。
昨年6月28日に連合軍暫定当局からイラク人暫定政府へ政権が委譲され、1月30日には国民議会選挙が実施されました。現在は10月15日の憲法案承認の国民投票に向けて準備が進められていますが、憲法草案の作成・承認過程で石油利権をめぐりクルド人、シーア派、スンニ派の対立が浮き彫りになり、内戦も危惧されます。
2.昨年12月には国民の6割が派兵延長に反対しましたが、ブッシュ大統領の再選で小泉首相は日米同盟強化に突き進み、自衛隊の派兵延長を決定しました。平和運動センターは12月14日、派兵延長に抗議し街宣・ビラまき行動を展開しました。この間、日本人旅行者香田証生さんが誘拐され、小泉政権は事実上、香田さんを見殺しにするという痛ましい事件も起きました。平和運動センターは救出を求める要請文を首相官邸と外務省に送りました。英国系警備会社に勤める斉藤昭彦さんの殺害事件も発生し、戦争ビジネスの実態が浮かび上がりました。
3.2月、陸自金沢駐屯地から65人の隊員が派兵されました。平和運動センターは街宣・
ビラまき行動、駐屯地への抗議の申し入れ、テープ街宣を行い、抗議の声をあげました。事前の情報収集不足から派遣日程を直前まで把握できず、集会の中止など計画変更で構成組織に迷惑をかけたことは大きな反省点です。
4.1月26日、駐屯地周辺の下見をしていた平和運動センター役員が駐屯地隊員に拘束され、正面入り口を写した写真を消去させられるという事件が起きました。さらに2月17日には石川公安調査事務所の人物が平和運動センター役員に接触を図るという事件がありました。平和運動センターは、対応の遅れはありましたが、3月10日、社民党県連合と憲法を守る会と合同で、駐屯地ならびに公安調査事務所に抗議の申し入れを行いました。自衛隊のイラク派兵が続く中、全国的に微罪逮捕が相次いでおり、マスコミの注目も高く、県民に対し治安体制の強化に警鐘を鳴らす効果がありました。
5.イラク派兵を契機として県内の教育現場にも自衛隊が入り込んでいます。通信制高校で学
ぶ隊員がイラクに派兵されるとき、職員室で壮行会が開かれたり、卒業式や入学式に招かれた航空自衛隊小松基地の幹部が制服のまま出席したり、定時制高校で隊員の生徒が答辞を読む際、上官が事前に内容をチェックしていたことなどがありました。
6.現地情勢は一段と危険性が高まっています。自衛隊のイラク派兵は日米同盟の維持が目的
であり、イラクにいることだけに意味を見いだしているのが現実です。派兵延長反対が世論調査では7割を超えます。平和フォーラムなど全国の平和団体と連帯し、即時撤退を求める運動を強化しなければなりません。

2.戦時体制阻止・反基地の闘い

1.米軍は世界的にフォース・トランスフォーメイションを推進し、その一環として在日米軍
基地の再編・強化のための日米協議を行っています。冷戦対応型の在外基地を削減し、「テロとの闘い」と中国・北朝鮮の抑止、石油資源の確保を戦略的な重要課題にしています。日本も12月には新防衛計画大綱発表し米軍と自衛隊の一体化を進める方針を鮮明にし、2月には米軍との間で中国、北朝鮮を共通の脅威とする「共通戦略目標」を確認しています。米国の要求は日米同盟の変革・強化であり、自衛隊の強化です。MD構想の導入も打ち出され、自衛隊の新しい任務と位置付けられました。
2.日本海では昨年秋から米海軍のイージス艦二隻が配備され、新潟港や酒田港へ寄港しています。日本海常駐の地ならしであることは明らかです。日本海を軍事的緊張下に置くものであり、環日本海交流の推進に逆行するものです。平和運動センターは新潟県平和運動センターの要請に応え、寄港反対の打電行動を展開しました。自治体の消極的な歓迎姿勢が入港中止につながるという実績を残しています。
金沢港は水深13m岸壁が整備されます。大型米軍戦闘艦船の入港も可能となります。港湾管理権をもつ石川県の平和行政を一段と厳しく求め、監視していかなければなりません。
3.米軍は日米同盟強化の方策として、米空軍と航空自衛隊との間で、相互運用性や情報の共有をさらに進めることを狙っています。小松基地強化につながる動きであり警戒が必要です。
4.昨年の有事法制定を受け、今年は石川県でも国民保護計画の策定作業が進められています。県民を戦時体制に組み込むものであり断じて許すことはできません。県平和運動センターはスクラム喜望の協力も得て、3月15日、石川県に対し計画策定に反対し、抗議の申し入れを行いました。危機感を煽り、計画策定を押し進めるため、国はすでに計画策定を終えた福井県の美浜原発で11月に武力攻撃を想定した実働訓練を行います。
5.住民基本台帳ネットワークシステムからの離脱を求めた住基ネット差し止め訴訟の判決
の言い渡しが5月30日、金沢地裁でありました。住民の自己情報コントロール権を根拠に、選択制を認めない現在の制度は憲法13条に違反するとの判断を示し、原告住民の離脱を認めました。住基ネットは管理社会、戦争国家づくりの中核を担うシステムであり、国策を真っ向から否定・批判したという意味で、今回の勝訴判決は画期的です。
6.10月2日の全国基地問題ネットワーク総会、2月18日の全国基地問題ネットワーク幹事会に参加しました。あわせて原子力空母横須賀母港化阻止全国集会、「第一師団は来るな!2.19キャンプ座間包囲行動」にも参加しました。

3.小松基地爆音訴訟の取り組み

1.控訴審第1回公判が11月1日に、第3回公判が7月25日に開かれ、小松能美平和運動センター、加賀江沼平和運動センターとともに傍聴行動を行いました。
2.5月30日から6月3日にかけて行われた騒音調査には参加できませんでした。

Ⅳ.反核・脱原発の取り組み

10月18日(月) 秋期原発関連集会の取り組み相談会(京都)
11月 2日(火) 志賀2号機初装荷燃料第二回搬入に対する監視・抗議行動  65人
6日(土) 止めよう再処理!全国集会(~7日・青森)
13日(土) 第10回フォーラム石川「エネルギー政策の転換を考える」
20日(土) 原発震災を防ぐ全国交流集会(~21日・静岡市)
12月 2日(火) 志賀2号機初装荷燃料第三回搬入に対する監視・抗議行動  100人
4日(土) 原発立地県会議(敦賀市)   9人
5日(日) もんじゅを廃炉に!全国集会(敦賀市)   130人
13日(月) 核燃料サイクルとエネルギー政策を考える集会(金沢地区平和運動センター)140人
1月20日(木) 核兵器廃絶1000万人署名、直加盟組織に取り組み要請
2月 4日(金) 原水禁国民会議結成40周年の集い(~4日・広島)
15日(火) もんじゅ最高裁訴訟ハガキ行動要請
3月17日(木) もんじゅを廃炉に!最高裁でも勝利を!全国集会(東京)
24日(木) 原子力防災訓練調査行動   30人
4月22日(金) 原水禁国民会議総会(東京)
23日(土) 志賀原発2号機試運転開始反対!4.23総決起集会    200人
5月30日(月) もんじゅを廃炉に!最高裁判決に対する全国行動(東京)
6月21日(火) 六ヶ所村再処理工場稼働中止を求める署名要請(締切10月20日)
24日(金) 原水禁平和行進奥能登集会(珠洲)     150人
25日(土) 原水禁平和行進中能登集会(志賀)     200人
27日(月) 原水禁平和行進金沢地区集会        250人
原水禁平和行進白山地区集会        250人
28日(火) 原水禁平和行進南加賀地区集会(小松市)   50人
原水禁平和行進南加賀地区集会(加賀市)   20人
7月 7日(木) 原水禁常任執行委員会(東京)
9日(土) もんじゅ最高裁判決報告とこれからの運動を考える市民集会(福井市) 21人
12日(火) 原水禁平和行進富山県との引き継ぎ式     20人
8月 4日(木) 原水禁広島大会(~6日)   20人派遣
7日(日) 原水禁長崎大会(~9日)   13人派遣
9月 9日(金) 能登原発2号機差し止め訴訟結審傍聴行動および報告集会

1.核兵器廃絶への取り組み

1.ブッシュ政権が02年に打ち出した「国家安全保障戦略」、「大量破壊兵器と闘う国家戦略」
「核態勢の見直し」などの報告書が核保有の正当化だけでなく核の先制攻撃、小型核兵器の開発、MDの推進など核軍拡の流れを生み出し、今年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議の失敗にまでつながりました。核保有国の核軍縮は進まず、一方で核拡散の動きも広がっています。NPT未加盟国のインドやパキスタン、イスラエルに続き、2月には朝鮮民主主義人民共和国も核兵器の製造、保有を表明しました。
2.NPT再検討会議では核廃絶を訴える日本の姿勢にも疑問や批判の声が相次ぎました。米
国の核の傘に入りながら核廃絶を訴えるという矛盾、そして六ヶ所村再処理工場を稼動し、プルトニウム抽出(再処理)を続けながら核不拡散を唱える矛盾。日本は核政策でも世界の信頼を失いつつあります。
3.国家間の核軍縮への協議は闇の中ですが、他方でNGOや自治体の動きはかつてなく活発
になっています。NPT再検討会議には世界から4万人の市民が集まりました。また、広島・長崎両市長が呼びかけ、世界1080都市の市長が結集した「平和市長会議」が提唱している2020年の核兵器廃絶に向けた「2020年ビジョン」は大きな支持を得ています。
4.被爆60年にあたり、中央では原水禁、連合、核禁会議3団体で核兵器廃絶1000万署
名に取り組み、NPT再検討会議でも共同行動を行いました。核兵器廃絶とヒバクシャの権利拡大を求める運動の幅が広がったのは成果です。この流れを受け、ヒロシマ・ナガサキ世界大会も開会式と平和シンポジウムは三団体共同開催となりました。石川県でも原水禁石川県民会議、連合石川、核禁会議石川県民会議の三団体で実行委員会を組織し世界大会に参加しました。原水禁石川としては広島大会へ20人、長崎大会へ13人を代表派遣しました。三者の一致点で取り組みを進めるため、開会総会から基調報告は消え、脱原発の訴えもなくなりました。平和や核軍縮をめぐる議論でも不十分さが残りました。
平和行進は県内6会場で920人が参加しました。いずれも社民党議員団の協力があり、
金沢会場では民主党一区支部からのメッセージと被爆者友の会からの連帯のあいさつを受けました。志賀原発や小松基地の問題等があり3団体の共同行動は実現しませんでした。

2.脱原発、反核燃サイクルの闘い

1.原子力政策の行き詰まりが明らかになりつつも、原子力推進派のあがきが至る所で見られました。再処理路線からの撤退が期待された新原子力利用・開発長期計画では、再処理・プルサーマル路線の堅持が盛り込まれ、5月30日のもんじゅ判決では設置許可を有効とする不当判決が下されました。用地未買収の上関原発では詳細調査が強行されました。脱原子力の世界的潮流を国政でも原発現地でもさらに押し進めていかなければなりません。
2.10回目を迎える「もんじゅを廃炉に!全国集会」に石川県から130人が参加し、さらに東京でのもんじゅ最高裁訴訟の傍聴や全国集会にも代表派遣し、最高裁へのハガキ行動も行ってきました。5月30日に不当判決がありましたが、7月9日の「もんじゅ最高裁判決報告とこれからの運動を考える市民集会」に16人を派遣するなど、引き続き廃炉に向けて全力で取り組んでいきます。
3.珠洲原発は1昨年12月に電力会社が撤退を表明し、昨年3月には電源開発基本計画からも削除されました。電力会社が確保していた用地の地元住民への売却も進んでいます。しかし、電力会社の用地が依然残っており、原発誘致政策に何ら反省の弁のない貝蔵市政も継続しています。「核のゴミ捨て場」にさせないよう引き続き監視が必要です。

3.志賀原発に反対する取り組み

1.昨年度の1号機核燃料搬入(6月)、2号機第1回初装荷燃料搬入(9月)に続き、第2
回初装荷燃料搬入(11月)、第3回初装荷燃料搬入(12月)と、わずか半年間に4回も核燃料搬入が行われましたが、これら全てに対し監視・抗議行動を展開し、2号機運転開始反対の声をあげました。3月24日には原告団や社民党議員団とともに原子力防災訓練調査行動を行いました。4月23日には試運転開始を目前に控えた志賀原発2号機に対し、県下各地から200人が結集し、「試運転開始反対!4.23総決起集会」を行いました。
2.北陸電力は2010年にプルサーマル計画を導入する方針を表明しています。11月13
日には県勤労協が九州大学大学院教授の吉岡斉氏を招いて第10回フォーラム石川「エネルギー政策の転換を考える」を開催、12月13日には金沢地区平和運動センターが京大原子炉実験所の小出裕章氏を招いて「核燃料サイクルとエネルギー政策を考える集会」を開催し、原子力政策について学習を深めました。今後も学習活動を積み重ねるとともにプルサーマル反対の声をあげていかなければなりません。
3.志賀原発建設差し止め訴訟の傍聴行動をおこなってきました。

Ⅴ.教育基本法改悪を阻止し、歴史認識の歪曲を許さない取り組み

11月20日(土) 「11.20STOP!the教育基本法改悪石川県集会」      700人
12月 6日(月) 南京大虐殺証言集会
2月11日(金) 連続学習討論集会「なぜ小泉は靖国に参拝するのか?」
15日(火) 下村文科大臣政務官の「近隣諸国条項」批判に対して抗議文を送付
5月22日(日) 第5回「大東亜聖戦大碑」撤去の会総会ならびに連続学習討論集会
24日(火) 夏休み帳購入受付開始
6月 9日(木) 歴史・公民教科書を考えるつどい
10日(金) 禮山郡郡主代表団レセプション
7月 1日(金) 「憲法・教育基本法の理念にそった教科書採択を求める要望書」を県教育長らに提出
12日(火) 「扶桑社教科書を採択しないよう求める要請書」大田原市教委へ
14日(木) 「扶桑社教科書の採択に抗議し撤回を求める要請書」大田原教委へ
18日(月) 「七尾強制連行訴訟支援会」結成総会
8月 7日(日) 第5回「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める全国集会

1.教育基本法改悪阻止を巡る闘い

1.愛国心の押しつけや誤った歴史認識の導入、国の学校教育への介入などを狙った教育基本
法改悪の動きが進められています。今年度の通常国会への法案提出は、全国各地での反対運動の展開と与党内での調整不足、郵政法案を巡る混乱から見送られました。
2.石川県内では教育基本法改悪の動きに対し、県平和運動センターも参加し11.20石川県集
会実行委員会が設立されました。11月20日にはMROホールで約700人の参加を得て「子どもたちの未来が危ない!」~教育基本法が変わってしまう!?~11.20石川県集会を開催しました。さらに2月6日には北陸中日新聞全面広告を掲載しました。県内各地区で県教組各支部が中心となって対話集会も開かれ、地区平和運動センターも協力していきました。
小泉内閣は次期通常国会への法案上程を目指し着々と準備を進めています。教科書問題の取り組みの成果を教育基本法改悪阻止の闘いにつなげていかなければなりません。

2.教科書問題の取り組み

1.今年は2006年から使用される中学校教科書の採択年でした。保護者や地域住民、教員、労働者、研究者などが、戦争国家の人づくりをめざす新しい歴史教科書をつくる会の歴史・公民教科書(扶桑社版)が採択されないよう全国的に運動を展開してきました。石川県では県平和運動センターも参加し、「憲法・教育基本法の理念の実現をめざす石川県民の会」が設立され、6月9日には歴史・公民教科書を考えるつどいの開催、7月1日には「憲法・教育基本法の理念にそった教科書の公正・公平な採択を求める要望書」を県教育長、教育委員長に提出、さらに県内各教科書展示会場での意見反映の取り組みをおこなってきました。
2.「つくる会」は全国で10%の採択を目標に、政治的圧力を文科省や教育委員会に圧力をかけ、自民党も党本部、地方議員一体となった運動を展開し「教科書の偏向是正」を掲げて「つくる会」が有利になるような請願の採択などを強行してきました。残念ながら石川県議会でもこのような趣旨の請願が採択されました。戦争国家づくりを目指す自民党が前面に出てきたのが今回の教科書採択問題の大きな特徴です。
3.このような厳しい情勢の中でしたが、石川県内は私学も含め全ての採択区で「つくる会」
教科書の採択はゼロ。全国的にも歴史教科書の採択率は0.4%(77校)、公民教科書は0.2%(43校)、となりました。「つくる会」が目指した10%を完全に阻止し、2001年に続いて惨敗させることができました。文科省は「つくる会」教科書を検定に合格させ、アジア諸国をはじめ世界各国から激しい批判と不信感を招きましたが、政府が失った信頼を市民がつなぎとめる結果にもなりました。今後の教育基本法改悪阻止、さらに憲法改悪阻止の闘いにつなげていかなければなりません。
4.教科書問題は終わったわけではありません。「つくる会」は4年後の教科書採択に向けて
三たび挑戦することを宣言し、地理や国語、家庭科への新規進出も検討するとしています。また、この間の「つくる会」の不当な教科書攻撃によって他の教科書も日本の侵略戦争や加害の記述を大幅に後退させています。現場教員の意見を排除して教科書を採択する動きも強まりました。検定の密室化も進んでいます。今後の大きな課題です。
5.県内の重要課題として夏休み帳問題があります。いしかわ教育総合研究所が編集した「い
しかわの夏休み帳」の普及にも協力してきました。

3.歴史認識の歪曲を許さず、戦争責任を明らかにする取り組み

1.聖戦大碑撤去の会主催の連続学習討論集会「なぜ小泉は靖国に参拝するのか?」、第5回
「聖戦大碑」撤去の会総会ならびに連続学習討論集会、第5回「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める全国集会に参加してきました。また、南京大虐殺証言集会にも参加しました。
2.第二次世界大戦中に中国から日本へ強制連行され、強制労働させられた中国人399人の
うち4人が、国と七尾海陸運送(株)を被告として損害賠償請求等を求め金沢地裁に提訴しました。この訴訟を支援する「七尾強制連行訴訟支援会」の結成が「七尾強制連行問題を調査する会」を中心に呼びかけられました。中国人の強制連行、強制労働は決して許されることではなく、生存者や遺族が日本に対して補償と謝罪を求めるのは当然のことです。他方、今回の訴訟は、判決内容によってはその影響が全港湾七尾支部にも及ぶことが予想され、「支援会」への参加については県平和運動センターとして慎重に協議を重ねてきました。最終的に財政面では団体年会費10,000円の支払のみの協力とすること、加盟単産・単組の対応については各組織の判断に委ねること等を条件とし、「支援会」への団体会員としての参加を決定しました。

Ⅵ.政党、議会、選挙との関わり

1.政党、選挙、議会

10月17日(日) ゆたかネットワーク総会、躍進パーティ
26日(火) 社民党との懇談会
12月 2日(火) 志賀2号機初装荷燃料搬入の監視・抗議行動への参加を民主・社民へ呼びかけ
14日(火) 自衛隊のイラク派兵延長反対の街宣行動への参加を民主・社民へ呼びかけ
1月 6日(木) 「2005年新春の集い」への参加を民主・社民へ呼びかけ
2月 2日(水) 陸自金沢駐屯地からのイラク派兵に抗議する街宣行動への参加を民主・社民へ呼びかけ
3月15日(火) 石川県国民保護計画作成に反対する申し入れ行動への参加を民主・社民へ呼びかけ
18日(金) 「終わらせようイラク占領、撤退させよう自衛隊、阻止しよう憲法改悪石川集会」への参加を民主・社民へ呼びかけ
24日(木) 原子力防災訓練調査行動への参加を民主・社民へ呼びかけ
4月17日(日) 「今こそ社民党!元気アップ2005」
23日(土) 「志賀原発2号機試運転開始反対!4.23総決起集会」への参加を民主・社民へ呼びかけ
7月28日(木) 社民党との懇親会
8月19日(金) 第44回総選挙にあたり、連合石川から桑原豊、奥田建、一川保夫への協力要請を受ける
連合石川から協力要請を受け、各単産・単組、地区センターに総選挙への協力要請を発文
21日(日) 桑原ゆたか後援会事務所開き
27日(土) 桑原ゆたか3区合同選対会議
30日(火) 「桑原ゆたか」、「おくだ建」、「一川保夫」各選挙事務所開き
9月11日(日) 衆議院選挙投票日

1.平和運動センターは原則選挙闘争から撤退していますが、衆議院選挙では、とりわけ3区においては、連合石川から平和運動センターに、さらに連合地協から地区平和運動センターに協力要請があり、選挙戦の重要な一翼を担いました。結果は下記の通りでした。

小選挙区
小選挙区 1区 奥田 建(民主) 99,397票 次点
2区 一川保夫(民主) 83,905票 次点
3区 桑原 豊(民主) 77,463票 次点
比例区
政 党 県内得票 北信越ブロック 議席(全11議席)
民主党 203,361 1,414,392
社民党 23,164 272,649
自民党 306,233 1,665,553
公明党 57,699 403,203
共産党 30,623 293,045
国民新党 31,725 300,140

 

2.平和運動センターは原則選挙闘争から撤退を決めていますが、政党との関係を断つものではありません。政党と労働組合とは一線を画すべきことはいうまでもありませんが、平和を巡る運動課題は極めて政治的性格を有していることも事実です。民主、社民両党とは今後も連帯を深めていかなければなりません。集会、街宣行動では必要に応じて両党に協力を求めてきました。
両党から政治活動上の協力要請を受けることもあります。この場合は平和運動センターの運動方針に照らして妥当かどうかを運営委員会において諮り、了解が得られた場合のみ、協力をしてきました。

Ⅶ.護憲諸団体との連携の取り組み

1.原水禁石川県民会議

1.原水禁県民会議は県平和運動センターと社民党県連合で構成され、役員も慣例で代表委員
は県平和運動センター(嶋垣代表)と社民党(宮下代表)、事務局長は県平和運動センター(川口事務局長)から出しています。
2.原水禁県民会議としての主要な活動は原水禁広島・長崎大会への代表派遣と県内平和行進
です。被爆60周年を迎えた今年、広島には20人、長崎には13人の代表団を派遣しました。平和行進は県内6会場(南加賀は荒天のため小松と加賀の別会場で開催)で920人が参加しました。いずれも社民党議員団の協力があります。これらの活動には21の自治体からの賛助金も受けています(8月末)。
3.長年、総会の開催ができていません。検討課題です。

2.石川県憲法を守る会

1.憲法を守る会は平和運動センターと社民党県連合、社会法律センターで構成されていま
す。11月17日に再確立ための総会を開催しました。役員は代表委員に岩淵正明弁護士、宮下登詩子社民党代表、嶋垣利春平和運動センター代表、そして澤信俊氏の4人、事務局長には清水文雄社民党幹事長が就任しました。主要な取り組みは憲法集会の開催と護憲大会への参加ですが、憲法改悪阻止へ様々な取り組みを進めると同時に会員の拡大、郡・市段階での「会」結成も課題です。
2.「憲法理念の実現をめざす第41回護憲大会」は11月1~3日に奈良市で開催されました。石川県からは17人が参加しました。護憲集会は5月3日、土井たか子社民党前党首を招いて開催しました。また5月3日に向けラジオCMも行いました。
3.石川県社会法律センター
1.社会法律センターは1978年10月7日、当時の石川県評や社会党議員団と協力関係に
ある有志弁護士等により設立され、県下労働者・市民の生活と権利を守り、民主主義の擁護、発展に向けて労働運動、住民運動を法律面から支えることを目的に活動してきた組織です。登録されている弁護士は13人です。主たる活動として無料の法律相談と平和運動センターとタイアップした「くらしの相談」(今年は82件-昨年は68件)があり、さらに小松基地爆音訴訟や志賀原発差止め訴訟の弁護団としても闘っています。
2.12月3日には第27回総会が開かれ、理事長には引き続き北尾強也弁護士が選任され、
平和運動センターからは副理事長に嶋垣代表、理事に川口事務局長と北野事務局次長を送っています。
3.憲法や有事法制などの問題について、法律センターの弁護士に講師を依頼し学習会を開催
しています。

4.大東亜聖戦大碑撤去の会

1.2000年8月に護国神社横の都市公園に建立された「大東亜聖戦大碑撤去」の撤去を求
め、2001年5月26日、「大東亜聖戦大碑の撤去を求め戦争の美化を許さない石川県民の会」が設立されました。「県民の会」はその後、運動を全国展開していくことが確認され「大東亜聖戦大碑の撤去を求め戦争の美化を許さない会」(略称:「聖戦大碑」撤去の会)として活動を続けてきました。
2.平和運動センターは「会」の趣旨に賛同し、当初から三人の共同代表の一角を担ってお
り、現在は嶋垣代表が共同代表を務めています。12月6日の南京大虐殺証言集会、8月7日の第5回聖戦大碑の撤去を求める全国集会に参加してきました。

5.食とみどり、水を守る県民会議

11月 9日(火) 食とみどり、水を守る県民会議第15回総会
12月 8日(水) 食とみどり、水を守る全国集会(~9日・豊橋市)
2月25日(金) アジア・アフリカ支援米発送式
5月21日(土) ふれあい農業・田植え体験
6月 6日(月) 消団連総会
9月23日(金) 稲刈り

1.県民会議は、国内農業を守る立場からのWTO農業交渉に対する各種取り組み、アジア・
アフリカ支援米づくり、森林を守る取り組みなどを行い、消団連の活動にも参加しています。県平和運動センター構成団体からも多くの組合員が各種事業に参加しています。役員には事務局次長に北野事務局次長が入っています。
2.12月11~12日、豊橋市で全国集会が開催され、全農林を中心に県平和運動センター
加盟の単産・単組からも多くの参加者がありました。

6.住基ネット差し止め訴訟を進める会・石川

1.2002年8月5日に稼動を開始した住民基本台帳ネットワークシステムは、一昨年8月
25日から本格稼動を開始しました。個人情報の流出、悪用の懸念が消えないだけでなく、国民の管理が一段と強化されます。全国各地で差止め訴訟が起こされる中、石川県でも2002年12月19日、社会法律センターなどの呼びかけにより26人を原告として差止め訴訟が提訴されました。
2.提訴の前の11月26日には裁判を支える組織として「住基ネット差し止め訴訟を進める
会・石川」が結成されました。県センターとしては、「進める会」からの呼びかけで運営委員や単産役員が原告団に加わり、「進める会」にも積極的に参加しています。「進める会」の要請に応え、傍聴行動にも取り組んできました。
3.5月30日には一審勝訴判決を勝ち取りました。被告である石川県と地方自治情報センタ
ーが控訴したため、引き続き控訴審での勝訴判決を目指して闘いを進めていかなければなりません。

7.九条の会・石川ネット

1.岩淵正明弁護士はじめ16人の呼びかけ人が賛同人(個人)を募る運動形態をとります。2004年12月15日の発足集会等各行事では県内護憲団体に協力を呼びかけており、平和運動センターは憲法を守る会の構成団体として協力をしてきました。
2.運営は呼びかけ人、賛同人が参加する運営委員会の協議のもとで進められていきます。事務局には北野事務局次長が参加しています。

8.七尾強制連行訴訟支援会

1.2005年7月19日、第二次世界大戦末期に中国から日本へ強制連行され、強制労働させられた中国人399人のうち4人が原告となり国と七尾海陸運送(株)を被告として損害賠償請求と謝罪を求める裁判を金沢地裁におこしました。
2.「七尾強制連行問題を調査する会」が中心になってこの裁判を支えようとの呼びかけがあり、2005年7月18日に「七尾港に強制連行・労働させられた中国人の戦後補償を求める訴訟を支援する会」が発足しました。県平和運動センターは団体会員として参加し、世話人の1人として川口事務局長が参加しています。

9.勤労協

11月13日(土) 第10回フォーラム石川「エネルギー政策の転換を考える」
6月 3日(金) 県勤労協との懇談会
2月26日(土) 県勤労協総会
9月24日(土) 県勤労協研修会

1.「車の両輪」として連携していくことを方針としていますが、不十分な関わりしかもてま
せんでした。
2.6月3日の懇談会で今後の連携強化について協議をしました。①県勤労協(代表幹事会)への役員派遣②県勤労協研究集会での平和運動センターの活動報告③平和運動センター総会での来賓あいさつの3点について確認しました。

Ⅷ.組織強化、運動拡大のとりくみ

1.組織の拡大について

1.7月5日付けで全自交ハイタク連合会より8月末日をもって脱退したいとの申し出があり、8月23日の四役会議、9月8日の運営委員会で了承しました。これにより加盟組織は21団体となりました。

2.運営体制について

9月30日(木) 第5回定期総会
10月 6日(水) 「総会に関するマスコミ報道について」発文
1月 6日(木) 「2005年新春の集い」               109人

1.運営委員会を10回、緊急運営委員会を1回開催しました。また、四役会議を4回、3役
会議を1回、事務局会議を3回、事務局打ち合わせを1回開催しました。引き続き構成団体の意思統一を深めるため、状況に応じて必要な会議を開催していきます。
2.発文書数は91回(9/12現在、昨年は合計86回)でした。今後も方針に沿って必要な発文をおこないます。加盟単産・単組、地区平和運動センターとの連絡体制の効率化・迅速化を図るため、現在のFAX、郵便による連絡体制からEメールを基本にした連絡体制への切り替を検討します。
3.社民党県連合、1区支部の共催でおこなっていた「新春の集い」を今年度は平和運動センター単独の開催としました。
4.限られた事務局体制のもと、拡大していく課題に対応していかなければなりません。他方、職場環境が厳しさを増しており、組織の実態を踏まえた行動提起が求められます。運動課題の重点化、課題前進を目指して連帯の輪の拡大を進めていきます。

3.教宣活動について

1.「PEACE石川」は、ほぼ3ヶ月に1回、17号から20号まで発行できました。運動の
展開とかみ合った迅速な発行体制が求められます。ホームページには、集会等活動の案内や申し入れ、打電行動等の報告等随時掲載してきました。アクセス件数はこの1年間で約2300件と伸び悩んでおり、組合員に十分利用されているとは言い難い状況です。新鮮な情報を常にアップできるようにしなければなりません。
2.平和フォーラム発行の「平和のための資料集(2)」、「戦後・被爆60年を前に憲法理念
の実現を」、「新防衛計画の大綱と在日米軍再編の問題点」、「米軍再編と在日米軍基地」、連合通信社発行の憲法漫画「9条の消えた朝」、社民党ブックレット「なぜ、いま憲法改悪」、   の各パンフを学習資料として、加盟単産・単組、地区平和運動センターに配布しました。また、北信越ブロック地域活動交流集会での山口弁護士の講演「有事体制、国民保護法と憲法」を講演録としてまとめ学習資料として配付しました。

4.地区平和運動センターとの関わり

10月25日(月) 能登地区平和センターと単産、県平和センター懇談会
4月13日(水) 白山市平和運動センター結成記念パーティ
5月13日(金) 地区センター単産・単組代表者会議(~14日・和倉)
17日(火) 能登町平和運動センター発足総会

1.各地区平和運動センターは独立した運動体として組織され、活動しています。県平和運動
センターとは上下関係はなく、お互い連携しながら運動を展開していきます。「地区平和運動センター」と「勤労協」が併存している地区もありますが、独自性を尊重していきます。
2.従来16組織あった地区平和運動センターが市町村合併にともない内浦町、能都町、柳田村の3地区平和運動センターが能登町平和運動センターとして1本に、松任市と鶴来町の両平和運動センターも統合し白山市平和運動センターとなり、13地区平和運動センターとなりました。
3.地区平和運動センター総会の開催状況
・ 白山市(4.13)・七鹿(4.28)・能登町(5.17)・羽咋郡市(5.20)
・ 珠洲(5.27)・野々市(5.31)・穴水(6.3)・金沢(6.9)
・ 加賀江沼(8.2)小松能美(6.24)
・ 未開催地は輪島、門前、河北となっています。
4.金沢地区平和運動センターは12月13日、京大原子炉実験所の小出裕章氏を招いて「核燃料サイクルとエネルギー政策を考える集会」開催しました。また、七鹿地区平和運動センターは12月21日、社民党七尾支部、七鹿勤労協との共催で、松崎菊也氏を招いての「憲法問題を考える学習会」を開催しました。
5.5月13日に地区平和運動センター役員と県平和運動センター役員が集まっての「地区センター単産・単組代表者会議」を和倉温泉で開催し、原水禁世界大会および平和行進、くらしの相談等について意思統一を図り、さらに平和運動の強化に向けて意見交換を行いました。
6.原水禁平和行進は珠洲、志賀、金沢、松任、小松とつなぎ、世界大会へは金沢(4人)、
穴水、七鹿、羽咋、白山、小松能美、加賀江沼、から代表を派遣しています。くらしの相談は珠洲市、輪島市、七尾市、羽咋市、津幡町、金沢市、白山市、小松市、加賀市の9会場で実施し、82件の相談がありました。
7.10月25日に能登地区平和運動センター、単産・単組代表者、県平和運動センター役員計29人が参加しての「能登地区平和センターと単産、県平和センター懇談会」を和倉温泉で開催し、組織の見直し、地域組織の強化という観点から意見交換をしました。県平和運動センターから積極的な行動提起をしてほしいという要望がありましたが、今年度は具体的な提起ができませんでした。反省点であり、来年度の重点課題です。

5.青年・女性部への支援・援助

10月 6日(水) 青年・女性部第2回定期総会
21日(火) 10.21国際反戦デー
2月 8日(火) 2.8反戦・平和を考える青年女性集会
6月28日(火) 6.28反戦・平和を考える青年女性集会

1.03年度より青年・女性部が結成され、平和運動センターの専門部として位置付けられ
ました。青年・女性部の代表者1名は平和運動センター運営委員会の委員に入っています。
2.平和運動センターは青年女性部の自主性を尊重しつつ、必要な指導・援助をおこなって
きました。

6.平和フォーラム・北信越ブロック

12月20日(月) 北信越ブロック会議(魚津)
2月23日(水) 北信越ブロック会議(金沢市)
3月 1日(火) 平和フォーラム全国活動者会議(~2日・静岡市)
4月22日(金) 平和フォーラム第7回総会(東京)
6月17日(金) 北信越ブロック地域活動交流集会(~18日・小松市・加賀市、再掲)63人

1.フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム・江橋代表)が提起する活動にも可能な限
り参加してきました。特に「もんじゅを廃炉に!全国集会」へは130人を派遣しました。また平和フォーラム総会(4.27)、全国活動者会議にも参加しました。
2.今年度は北信越5県の平和運動センターで構成する「北信越ブロック会議」の幹事県を務
め、6月には小松・加賀を会場に地域活動交流集会を開催しました。石川県からの21人を含む63人が参加しました。

第2号議案 

1.2005年度 活動方針(案)

Ⅰ.私たちをとりまく情勢の特徴

1.石油地帯である中東の支配を狙って強行されたアメリカ・ブッシュ政権によるイラク侵略戦争は、反米のゲリラ戦やイスラム諸国の抵抗によって事実上破綻しています。アメリカの有志連合諸国も次々とイラクから撤退しており、同盟国のイギリスでさえ撤退を示唆しています。こうした状況の中でブッシュにつき従っているのが世界で小泉政権のみだといっても過言ではありません。こうした苦境に立たせられながらもブッシュ政権は、軍事力による世界支配の野望を持ち、とりわけ中国に対する封じ込めを日米共同の共通戦略目標とする(2月・日米安全保障協議委員会)ことを日本に押し込んでいます。更にMD(ミサイル防衛)システムの開発や米軍の司令部の一部を在日米軍基地(神奈川県キャンプ座間)に移転することや岩国基地沖に新滑走路を建設するなど、北朝鮮や台湾海峡情勢に対処するため日米軍事同盟は飛躍的に強化されようとしています。
一方、こうしたブッシュ政権による世界支配の動きに対して、中国・ロシアによる初の軍事演習やフランス、ドイツなどのEU諸国も警戒を強めています。
他方、小泉首相の靖国参拝や教科書問題に対する中国・韓国の反発や、竹島問題での韓国の反発、また日本での北朝鮮政府による拉致事件など、それぞれの政府によってナショナリズム(民族主義、排外主義)が煽られ、国家間の対立(国益)であるにもかかわらず労働者・勤労国民の対立であるかのように、反中国・反韓国・反日本の意識が宣揚されていることに私たちは危機感を持たなければなりません。
2.小泉首相は「郵政民営化に賛成か否かを問う」として衆議院を解散し、総選挙を強行しました。造反議員には「刺客を送り」叩きつぶすという手法は、小泉式ファッショ政治であり、まさに強権政治だと言わなければなりません。そして選挙結果を受けて小泉首相は、自衛隊のイラク駐留延長、憲法改悪へと突き進もうとしているのです。小泉政権によってもたらされた政治・経済の閉塞状況にもかかわらず、小泉首相の「トップダウン、強力な指導」に何となく希望をつなぐ国民の意識がマスコミ操作によって流布され、小泉流国民操作術に国民・労働者が騙されてしまったのであり、その欺瞞性を暴く野党の非力さでもあります。
この間、小泉政権は憲法9条を踏みにじりインド洋への自衛隊派遣やイラクへの派兵を強行してきました。それでも9条が障害になっていると観念している小泉首相は、アメリカと共に戦争のできる国をつくるため、憲法9条を全面的に改悪する、自衛隊を軍隊として保持する、集団的自衛権の行使も合憲とするため、憲法改悪に向けた動きを加速させ、国民投票法の国会上程も狙っています。
他方、憲法9条の改悪を叫ぶ日本経団連などの財界もまた武器輸出三原則の見直し主張しているように、「死の商人」として兵器生産で莫大な利益を得ようとしています。
3.総括で明らかにしたように私たち平和運動センターがとりくんだ自衛隊のイラク派兵反対の闘いに対して、自衛隊による不当・不法な弾圧や非公然のスパイ組織である公安調査庁による接触・介入という攻撃は、イラク派兵反対のビラをまいただけで逮捕されるという事態と同様、私たちがまぎれもなく「戦時体制下」に置かれているということを示しています。
また通信制の高校でイラクへ派兵される生徒の壮行会が校長の司令で強行されたり、定時制の高校では自衛隊員である生徒の答辞を上官がチェックしていたという事実など、教育現場に自衛隊が公然と入り込んでいるという事実もまた、「戦時体制」が着々と進んでいることの現れです。私たちは危機感と警戒心をもってこの情勢に立ち向かう必要があります。
4.また国民を戦争に強制的に協力させることを目的とした国民保護法が成立し、これをもとに各県で保護計画が策定されつつあります。その現実的な動きとして、福井の美浜原発で対テロを想定した実動訓練が計画されており、まさに「国家総動員体制」がつくられようとしているのです。防災訓練も同じですが協力しない国民は「非国民」としてあぶり出していく監視体制が、住民基本台帳ネットワークや監視カメラやNシステムなどの導入とも合わせ強化されています。他方、扶桑社の教科書採択の圧力や「愛国心」「公共への奉仕」を子供達に植えつけるための教育基本法の改悪、小泉首相の靖国公式参拝など侵略戦争を賛美し肯定する風潮がつくられようとしています。
5.私たち労働組合にとって「平和」は労働運動を進めていく上で、すなわち組合員の雇用や生活、権利を守る闘いの大前提です。しかしその「平和」が脅かされ、ヒタヒタと戦争に向かっている今日、戦後から今日まで長きわたる闘いによって築いてきた社会保障制度や労働基準法、労働者派遣法など労働者を保護する制度が規制緩和の名のもとに次々と改悪されてきました。そして今日では大阪市職員の「優遇問題」や「ヤミ専従問題」などを口実とした異常な形での公務員攻撃は、公務員組合の弱体化を狙ったものであることは明らかですが、それにとどまらず労働運動全体にかけられた攻撃です。そういう意味では決して個別産別の問題ではないのであり、私たち自身の課題として受け止め、闘っていかなければなりません。
6.小泉政権による構造改革、規制緩和、弱肉強食の経済政策によって、企業の選別淘汰は進みトヨタに代表される「勝ち組」と倒産に追い込まれる中小企業、国民の富むものと貧しきものの格差は極端に拡大し、かつての「総中流」社会は崩壊してしまっています。実際、年収200万円以下の世帯が18%、貯蓄ゼロ世帯が20%となっていることが示しています。
日本経団連や各企業が進めてきた「多様な雇用形態」「労働者のニーズ」などを口実とした正社員の首を切り、パートや派遣、契約社員に置き換えることによって非正規労働者が今や雇用労働者の3割を越えています。また日本経済を支えてきた終身雇用制度や年功序列型賃金は、国際競争力の弊害として否定され、すべてを「業績」「成果」で評価する制度に変えられ、社会問題となっている長時間のサービス残業や過労死、過労自殺が急増しているのです。過 労自殺を含む自殺者は依然として3万人を越え、労働者生活が破壊されているのです。
7.労働組合の組織率はついに20%を割り込み、労働組合の社会的影響力の低下を示すものとして、私たちも危機感を持たなければなりません。とりわけ私たちは平和・護憲・環境運動の必要性、重要性を組合員に訴え、運動の前進に努力しなければなりません。
8.地球規模で進んでいる環境破壊は、先進国の大量生産・大量消費による石化エネルギーの消費と二酸化炭素の排出、大量の産業廃棄物、後進国の工業開発と自然破壊、戦争による大量破壊、劣化ウラン弾などの核兵器の使用による環境破壊、処理方法が未確立な原発からの放射性廃棄物など、私たちの生活に深刻な影響をもたらしています。
私たちにとって環境問題は上記の現実と対決した闘い、運動がより重要となっています。

Ⅱ.具体的な活動方針

1.組織強化と運動のすそ野を広げるとりくみ
〈1〉平和運動センターへの結集力を強化するとりくみ

1.この1年間私たちは総括で報告したように、憲法改悪反対や自衛隊のイラク派兵と金沢駐 屯地からの出兵反対、即時撤退を求める大衆行動や街宣行動、志賀原発核燃料搬入抗議、国民保護計画策定に関する県への申し入れ、もんじゅ現地闘争などを積極的にとりくみ、またマスコミを通じて私たちの闘いを県民、市民に訴えることも行ってきました。こうしたとりくみを通じて平和運動センターの存在意義と役割を内外に示してきました。
同時にこれらの諸闘争を積極的に提起し、全単産・単組の参加のもとで実現することによって平和運動センターに対する理解や結集力・求心力が強まるよう更に努力します。平和運動センターは反戦平和・護憲、反基地、脱原発といった課題を中心とした運動体ですが、これらの課題は労働運動の基本でもあり、各単産との日常的な交流や連帯を通じて組織の強化と運動の拡大・強化をはかっていきます。
2.四役会議、運営委員会での論議と合意形成を図り指導性を発揮できる体制を確立し、拡大運営委員会や単産代表者会議を開催しながら、運動の全体化を図っていきます。
3.専従役員を中心に四役、運営委員としての日常活動を強化し、構成組織との連携強化に努めます。
4.平和運動センターと組合員をつなぐ重要な手段として機関紙「PEACE石川」の定期発行と紙面の充実に努めます。また時々の闘争課題の理解を深めるための学習会を適時開催します。
5.各単産のOBや地方議員を対象とした個人加盟の「PEACEネット石川」の会員拡大と運動への参加を呼びかけていきます。
6.私たちの平和運動センターの運動に共鳴していただける諸団体との協力関係を維持・強化し、県内における平和運動のすそ野がより一層拡大するようとりくみます。

〈2〉地区平和運動センターとの連携を強化するとりくみ

1.県内13地区に地区平和運動センター組織があります。それぞれの事情により平和センターに名称(組織)移行していない地域や総会が開催されていない地域も若干ありますが、他方では、地区平和センターとして独自の平和集会や決起集会、学習会などをとりくんでいる地域もあります。県平和運動センターと上下関係はありませんが、原水禁運動、平和行進、くらしの相談などの闘争課題の共有化と運動展開ができるよう代表者会議を開催しながら関係強化に努めます。特に本年度は憲法改悪に反対する闘いにとって重要な年であり、各地区センターで学習会などを統一的に取り組めるよう進めます。
2.地区平和運動センターでは組合員の減少と財政問題、主体性を持ちつつ地域勤労協との関係などの地域的課題もあります。それぞれがもつ課題の解決のために県平和センターとしての役割が発揮できるよう努力します。
3.市町村合併が進んでいく中で、地区平和運動センターの統合、エリアの見直し問題もあり、地区平和運動センターと協議しながら対応していきます。
また各地での活動やとりくみの交流を進め、地区組織の活性化につなげていくため、交流会を企画します。
4.毎年開催されている北信越ブロックの地域活動交流会に各地区平和運動センターから参加できるようとりくみます。

〈3〉県勤労協との連携強化をめざして

1.「車の両輪」として連携していくことを方針化していますが、実態は全く不十分な関わりしか持てていません。職場と地域の運動をつなげていくことは重要なことです。
2.従って平和運動センターとして県勤労協に役員を派遣します。地区平和運動センターと地域勤労協の連携をつくりだしていくため、意見交換会や学習会の共同開催などを検討し進めます。

〈4〉連合との関係について

1.連合が結成されて16年が経過しました。この間「連合運動への一元化」がめざされてきましたが、平和や政治課題をめぐっては一致できない部分が残っています。また連合政治センターが発足し、連合が主体的に選挙闘争を取り組むこととなっています。9月の衆議院総選挙では、とりわけ三区においては私たち県および地区平和運動センターに対して連合より協力要請があり、選挙戦の重要な一翼を担いました。今後とも連合からの要請があれば積極的に対応していきます。
2.私たち平和運動センターが提起する諸行動を連合と一緒にやれないのか、という意見があります。私たちとしては全く異論はありません。ただ連合と一致できない課題は、平和運動センターと連合だけでは解決できるものではなく、構成組織間の論議と合意形成が何よりも必用ですが、連合との関係が密になるよう引き続き努力していきます。

〈5〉青年・女性部の育成、強化について

1.青年・女性部は反戦平和の課題をまじめにとりくみ、平和運動センターの運動にも積極的にとりくんでいます。引き続き青年・女性部の代表を運営委員として県平和運動センターの役員に参画してもらいます。
2.青年・女性部は毎年2.8ジェット機墜落抗議・反基地闘争、6.23反安保・反戦平和闘争、10.21国際反戦闘争、12.8反戦・平和を考える女たちの集会(連合や社民党などとによる実行委員会)などを通年的にとりくんでいます。反戦・平和の運動を職場から作り出していく推進役として、また各単産の次代を担う活動家として育成していくことは平和運動センター、各単産・単組の共通課題です。そういう立場から自主性を尊重しつつ必要な指導・援助を行います。なお、10月24日(月)に国際反戦デーの一環として反戦平和の集会とデモを計画しています。
3.各単産・単組の青年女性組織は、最近の新規採用の抑制によって対象となる組合員が減少し、役員の選出や活動の継続が困難になってきています。各単産・単組は青年女性の運動を積極的に援助すると共に、平和運動センター青年・女性部への役員派遣および運動への参加を指導していくものとします。

2.反戦・平和、護憲、民主主義擁護などの大衆運動を更に強化しよう
〈1〉戦争のできる国づくりと憲法改悪に反対する闘い

1.「有事関連法三法」「イラク特措法(イラク参戦法)」「有事関連7法」などを成立させてきた小泉政権は、遂に戦地イラクへの自衛隊派兵を強行しました。05年1月には第5次部隊として金沢駐屯地からも出兵しました。小泉首相は自衛隊が活動している地域が「非戦闘地域」であると強弁してきたサマワは、自衛隊の駐留基地に迫撃弾やロケット弾が打ち込まれたり、反日デモが起こるなど戦闘の危険性が日増しに高まっています。私たちはブッシュ政権のイラク侵略、軍事占領に反対すると共に、これに協力する小泉政権の自衛隊派兵に引き続き反対し、自衛隊の撤退を求めて闘います。
武力攻撃事態法にもとづく指定公共機関として自治体の他運送(JR、私鉄、バス、トラック、航空)、放送(NHK、民放)、電気通信、港湾など160法人が閣議で決定されました。まさに関係する労働者が戦争に強制的に協力させられることになります。更には「国家総動員体制」を構築していくことを目的とした国民保護法とこれにもとづく都道府県の国民保護計画が策定されようとしています。福井県ではこの国民保護計画にもとづいて美浜原発で、武力攻撃(テロ攻撃)を想定した実働訓練が行われようとしています。福井の平和運動センターと連携して現地闘争をとりくみます。私たちは石川県に対して国民保護計画の策定に反対する申し入れを行ってきていますが、市町村での策定にも地区平和運動センターと連携して反対のとりくみを行います。
2.改憲に向けた動きが加速しています。憲法調査会の最終報告、今年11月には自民党の改憲案が出されると言われています。自民党の改憲姿勢は現行憲法に手を入れるということではなく、「新憲法の制定」「押し付け憲法ではなく自主憲法制定」と言っているように、焦点である憲法前文と9条を根底から否定し、自衛隊および集団的自衛権の行使を憲法で明記し、米軍と共に武力行使を合法化しようとしているのです。私たちは憲法前文や9条の改悪には断固反対して闘います。同時にマスコミ報道に対する規制や公務員の言動制限、成立要件の緩和などを盛り込んだ国民投票法にも反対して闘います。
平和フォーラムは昨年の護憲大会で「平和基本法の制定」を運動として取り組んでいくと提起しています。この「平和基本法」は憲法と現実の乖離を埋めていくための代案として位置づけられています。しかし最小限の防御力を持つ自衛隊を認めるような内容が含まれており、改憲攻撃に棹さす危険性が指摘されています。また連合本部は秋の大会で「国の基本政策に関する連合見解」を決定すると言われています。この「見解」をめぐっては各産別で論議され、意見書が出されています。しかし新労働通信によれば三役会議での論議として「護憲論はなくなった」とも言われており危惧するところです。
私たちは小泉政権による憲法改悪を何としても阻止するため、平和基本法に関する学習会や大衆行動を平和フォーラム、憲法を守る会、社会法律センター、9条を広める会などと連携して積極的にとりくみます。なお、11月3日(木)に青年法律家協会主催、憲法を守る会など4団体協賛で「憲法集会」が計画されており、私たちは県憲法を守る会の一員として参加していきます。
3.「日の丸」「君が代」の強制と抵抗する教師の懲戒処分など教育現場の反動化は「教育改 革」「愛国心教育」をめざす教育基本法改悪の先取りした攻撃です。私たちは教育の国家統制と戦争を担う国民の意識づくり、教育基本法の改悪に反対して闘います。
4.国民保護の名目で「個人情報保護法」を成立させ、「住基ネット」の本格稼働や監視カメラなどによって国民のプライバシー管理を徹底しようとしています。これらは国民を戦争に駆り立てていく体制強化の一環であり、住基ネット差し止め訴訟では画期的な判決を勝ち取りました。高裁での闘いを支援し「進める会・石川」の活動に積極的に参加していきます。
ICチップを組み込んだ「住基カード」の交付に反対します。

〈2〉反基地闘争のとりくみ

1.アメリカ・ブッシュ政権は軍隊を精鋭化して再配置する「米軍の変革(トランスフォーメイション)」を世界的規模で進めており、その中軸をなすのが在日米軍基地の再編です。韓国や欧州に配備してきた基地を縮小する一方で、在日米軍基地の機能は飛躍的に強化されようとしています。国内の75%の米軍基地が集中する沖縄では、昨年8月の米海兵隊の大型輸送ヘリが沖縄国際大学の構内に墜落した事件や今年7月の少女に対する強制わいせつ事件など、米兵による事件は後を立ちません。こうした中、沖縄県民の怒りや日米地位協定の見直しや普天間基地の返還を求める声が再び高まっています。私たちは日米安保条約にもとづく沖縄を含む在日米軍基地(横田・厚木・キャンプ座間・岩国など)の固定化、基地機能の強化に反対し、米軍基地の縮小・撤去をめざし、沖縄をはじめ全国の労働者や地域住民と連帯して反基地の闘いを強化します。
2.航空自衛隊小松基地の撤去をめざし小松基地爆音訴訟原告団の闘いを支援して闘います。また輪島のレーダーサイトなど軍事基地の機能強化や能登空港の軍事利用には反対します。
3.小松基地航空祭や日米合同演習に反対するとりくみ、騒音調査や監視行動などを原告団、小松能美平和センターや加賀江沼平和センターと連携してとりくみます。
4.全国基地問題ネットワークへの加盟を継続し、各地の情報交換と闘いの交流を図り、全国の反基地闘争と連携した運動を進めます。(第9回全国基地問題ネットワーク総会、9/22~23、沖縄)

〈3〉反核・脱原発のとりくみ

1.長年の粘り強い闘いで珠洲原発計画を断念させました。しかし志賀原発1号機に続いて2号機が試運転を始めています。私たちは志賀1号機の運転中止、プルサーマル計画の中止を要求すると共に、2号機の建設中止を求めた差し止め(運転差し止め)訴訟の支援を継続します。核燃料の搬入、搬出に反対する運動も継続します。防災体制については県の防災訓練の調査・提言活動にもとりくみ、「命のネット」をはじめとした周辺住民の自主防災運動を支援します。以上のとりくみは羽咋郡市平和センター、原告団と連携して進めます。
2.ところで昨年の8月9日、関西電力美浜原発3号機で5名の作業員が死亡するという原発史上最悪の事故が起こりました。その後も全国の原発でも事故やトラブル隠し、配管破断、水もれ事故はあとを断ちません。私たちは全国の脱原発運動と連携し核燃サイクル・プルサーマル計画の中止、すべての原発運転中止、廃炉を要求して闘います。また原子力へのテロ対策を口実とした住民や反原発運動への監視強化に反対して闘います。
3.去る5月30日、最高裁は「安全審査を違法・無効」と認めた高裁判決を破棄するという反動判決を下しました。私たちは福井の平和運動センターと連携し「もんじゅを廃炉に」の闘いを更に強化すると共に、全国の原発闘争と連携して闘います。
4.日本の原発推進政策は、イランや北朝鮮に対する原発建設への圧力を見るまでもなく、日本自身の核開発、核武装化につながっており、これらに反対して闘います。

3.関係団体との共同行動を拡大するとりくみ

1.私たち平和運動センターが直接、間接に関係する諸団体との連携を維持・強化しながら運動を進めます。

(1)石川県憲法を守る会
憲法集会の開催や護憲全国大会への参加をとりくみます。本年の護憲大会は埼玉県で開催(11/3~5)され、代表を派遣します。また本年度の総会は11月16日(水)に開催されます。
(2)原水禁県民会議
原水禁広島・長崎世界大会に代表を送ると共に各地区平和センターと連携しながら県内平和行進を実施します。中央の原水禁国民会議の諸行動にも参加していきます。
(3)石川県社会法律センター
くらしの法律相談を実施すると共に私たちの学習会の講師を依頼していきます。
(4)大東亜聖戦大碑撤去の会
聖戦大碑の撤去を求める運動と会が主催する集会に参加していきます。
(5)食とみどり、水を守る石川県民会議
県民会議が提起する運動に積極的に参加します。
(6)住基ネット差し止め訴訟を進める会・石川
訴訟を支援するため会員拡大と運動にとりくみます。
(7)憲法9条を広める会
憲法改悪反対の闘いを連携して進めます。会員の拡大にも取り組みます。
(8)9条の会・石川ネット
憲法を守る会や憲法会議、市民団体の広範な個人、団体で構成されており、9条改悪反対の一致点で共同行動に参加します。賛同人の募集にも協力していきます。
(9)強制連行の戦後補償を求める訴訟を支援する会
賛同会員として訴訟を支援していきます。

2.私たちが掲げる運動を前進させていくため社民党、民主党および議員団との連携を強め、随時情報交換などを行いながら共同行動を強化していきます。