石川県平和運動センターとは

2015年度第15回定期総会(役員名簿、総会アピール)

2015年度役員名簿

代 表   欠 員
代表代行  2015.4.1より南  高 広 (北陸鉄道労組)
副代表     南  高 広 (北陸鉄道労組)
〃        糸 矢 敏 夫 (高教組)
〃          本 田 良 成 (全国一般)
〃        赤 玉 善 匡 (県教組)
〃      森  憲 一 (全港湾)
事務局長 中 村 照 夫 (専従)
運営委員  2015.6.1より高森 正史 (全農林)
〃            2015.4.1より田 村 武 司 (金沢市公企労)
〃            槻  美 明 (北日本観光自動車労組)
〃       高 木 正 宏 (JR総連石川県協議会)
〃       丹 後 敏 明 (七鹿平和センター)
〃          谷  光 哉 (金沢平和センター)
〃          吉 田 幸 裕 (小松能美平和センター)
〃        甲 谷 徳 幸 (青年・女性部)
会計監査 北 村 謙 二 (北陸交通労組)
〃          森  暢 一 (高教組)

第13回定期総会

2011年度 活動の経過と総括

Ⅰはじめに                        

2009 年9月、私たちは非自民勢力の結集で「悪政・自公政権」から民主党を中心とした連立政権へ交代を果たしました。しかし今、巷で語られているのは「自民党政 権より悪い・・・」。民主党は国民の信頼を失い、四分五裂のときを迎えようとしています。  「コンクリートから人へ」に代表される民主党。憲法は為政者を縛るものと言っていた民主党。しかし、「憲法改悪」に手を染めようとしています。米政府と財 界の強い要求を受けて、弱者切り捨ての「消費税を倍増」させようとしています。

福島第一原発事故は「ありえない事故」でした。しかし、 「10万年に一回」の過酷事故は一気に3つの原子炉を溶かす大惨事となりました。このことは、私たちが主張してきた原子力の危険性が残念ながら「実証」さ れたのであり、それを「無視」して「原子力ムラ」の利権を優先させてきた自・公政権、それを引き継いだ民主党政権によってひき起こされた「人災」であると して断罪しなければなりません。

90万テラベクレル(海を除く 広島型原爆168発分)もの放射能を空にまき散らし、多くの人々を放射能に 曝しました。鼻血を流し下痢に苦しんだ多くの子どもたち、膿疱やしこりが発生しても「直ちに問題なし」と不問に付される子どもたち・・。今後、誰が責任を とるのでしょうか。

このように危険な原発を、事故の原因も明らかになっておらず、安全対策もいいかげんなまま、米政府と財界の強い要望に答えて野田内閣は、傲慢にも「十分な安全対策を講じた。国民生活を守るためだ。責任は私がとる」として、「活断層」の上にある大飯原発を再稼働させました。この無責任な決定に憤りを禁じ得ない市民たちは、官邸前に毎週数万人が結集しています。全国でも「再稼働撤回!」「野田首相は止めろ!」の声が轟いています。

9 月19日、原子力規制委員5人を野田首相の職権で任命しようとしています。うち3人は原子力ムラの出身であり、特に田中俊一委員長は、前原子力委員会の委 員長代理を勤めており、3.11福島原発事故はまさに当事者であり責任者であったのです。その責任もとらずにあらたな「規制委員会=原子力推進」の委員長 に収まることは許せません。

一方、2030年の原子力比率を問う意見聴取会やパブリックコメントが募集されましたが、7~9割の国民が「即 時」を含めて「原発ゼロ」を選びました。この世論を民主党政権は「議論を整理する」とか「精査する」などの理由で先のばしし、原発推進の「本音」を見せて います。断層専門家の立場から「原発の再稼働」に警鐘を鳴らしている渡辺満久教授によれば、「活断層の影響を1/10から1/100」に矮小化してその 「二倍の揺れに耐える」と診断しても「安全」が確保されたとは言えないと指摘しています。

福島原発事故の解明も不十分な中、小手先の安全対策で再稼働を進めようとする動きに対峙していかなければなりません。引き続き、ノーモア・ヒバクシャを実現するため、脱原発・核兵器廃絶・原子力施設の即時閉鎖などを求めていきます。

戦 後67周年。アジアで2000万人以上の死者を出した太平洋戦争の反省から、「戦争放棄」の憲法を私たちは選択しました。多くの人は、もう戦争はいやだ、 二度と起こしてはならないと語ります。でも、軍備増強と日米安保の強化が続く中で、「反戦・平和」の運動が高揚しているでしょうか。

私たち は、わが国が日米安保に基づき、米軍とともにアジアで戦争をする危険性があることを危機感を持って訴えます。「戦場」は尖閣列島であり東シナ海であり、ま さに日本列島となるのです。まさに、オスプレイの沖縄配備は、東アジアの平和と友好どころか、それぞれがナショナリズムをあおる主戦場となってしまいま す。

自民党の改憲案は、「天皇を元首化」し、強大な指揮・統制権のもとに「自衛隊=国防軍」が相手国軍を「撃破」することをイメージさせま すが、総選挙で仮に自民党が勝つようなことがあれば、これらが現実化する危険性があります。さらに国内治安体制を強化するため、「秘密保全法」や「共通番 号制」の導入と「教育の国家統制」をもって民主主義を骨抜きにする動きさえあります。

航空自衛隊小松基地では昼夜問わず戦闘訓練が繰り返さ れています。最近では市街地での急上昇や急降下が増加しており、これまであまり経験したことがない事態です。これも米軍の新戦略とリンクした事象であり、 まさに「戦争のできる国」づくりが日々繰り返されていると言わなければなりません。

一方、「新自由主義」の行き詰まりである金融資本主義の 破綻は世界を覆い、グローバル化の中で経済をブロック化しようとあがいています。社会の諸矛盾を市民・労働者に転嫁して乗り切ろうともしています。これら に対し、99%の人々が生み出した富を1%の富裕層が独占することに抗議する市民・労働者が、「グローバル化反対」「賃金カット反対」で立ち上がっていま す。

私たちは「生命と平和」を守るため、「戦争のできる国」づくりに反対します。そして、世界の仲間たちと手を取り合ってこれらの「企て」 を阻止していきます。石川県平和運動センターは、構成組織及びPEACEネット会員などの支えにより成り立っています。組織された労働者・市民の力を結集 し、戦争反対と脱原発、民主主義を守る闘いを堂々と力強く展開していこうではありませんか。

Ⅱ経過と総括

⒈ 志賀原発の運転再開を阻止し、反核・脱原発をめざす取り組み

(1)   さようなら原発1000万人アクション

昨 3.11以降、私たちはこの原発事故を主体的に反省し、今まで以上に脱原発運動に取り組んできました。小手先の「緊急安全対策」のみで北陸電力が「再稼 働」を模索しているなか、6月にも再稼働されるのではないかという危機感をもって、6月中旬には県内6会場において非核・平和行進を840人で、7.24 「さよなら!志賀原発」金沢集会では3000人が結集し、志賀原発の再稼働を阻止してきました。

9.19「さようなら!原発1000万人ア クション」明治公園集会には6万人が集い、石川県からもバス2台で参加しました。12.10には“子どもたちを放射能汚染から守るために”を主要テーマに 「さよなら!志賀原発」七尾集会を開催し、能登全域や富山県から500人が結集しました。本年2月25日には、原子力プラント設計者の後藤政志氏を招いて 「繰り返すな原発事故、止めよう志賀原発」集会を開催し、「配管破断が主因」説を学び、政府・電力の言う「主因は津波」説を論破する学習をしてきました。

そ のようななかで野田政権が「大飯再稼働」へ突き進むことを阻止するため、6.10「大飯を止めて原発ゼロに!さよなら!志賀原発」集会を金沢市中央公園で 開催し、 2,000人の仲間が駆けつけてくれました。北陸電力にとっては「再稼働」に対するプレッシャーとなったことでしょう。

東京・ 代々木公園では、7.16「さようなら原発1000万人アクション10万人」集会が開催され、昨9.19集会を上回る17万人が結集し、脱原発運動の高揚 を社会にも知らしめることができました。県平和運動センターはバス一台、社民党、県教組金沢支部が独自バス一台で参加し、90人余の参加となりました。

「さようなら原発1000万人アクション」署名は6月1日現在、74,277(縦 50,502筆+横23,775筆)を集約しました(目標達成率84.4%)。ご協力いただいた単産・単組の役員、組合員の皆さん、勤労協、Peace ネット会員、社民党、市民の皆さん、そして志賀町住民の皆様方に感謝申し上げます。全国集計では785万8907筆(7月20日現在)となり、引き続き 1000万筆をめざして取り組まれます。615日、7514066を藤村官房長官へ提出し「原発に依存しない社会をめざす」声を届けました。藤村官房長官は「思いは同じ」としましたが、翌16日、野田佳彦首相は「国民生活を守るため」と称して、大飯原発3・4号機の再稼働方針を決定しました。

事 故原因も明らかになっておらず、安全対策も中途半端のなか、無謀とも言える大飯原発の再稼働に対し、毎週金曜日に首相官邸前で「大飯原発の再稼働抗議」 「再稼働撤回」の声が東京に轟いています。毎回数万人規模となっており、一般参加型の行動となっています。これを一時の「ブーム」に終わらすことなく、社 会を変革する力に発展させる必要があります。それにつけても、首相官邸前の行動を「大きな音」と称した野田首相は、国民の代表に相応しくないと言わざるを 得ません。

一方、昨3.11以降、東北地方大地震で「動くはずのない断層が動いた」ことを受け、原子力安全・保安院は、設置許可の再チェッ クを専門家会議で始めました。そのなかで7月23日、志賀原発設置許可の安全審査(87~88年)でS-1断層に疑義が持たれ、二回も追加調査の行われた ことが明るみに出ました。最終的に「問題なし」とされ88年8月に1号機の建設が許可されましたが、今回の再チェックでは「誰が見ても活断層」「典型的な 活断層と言える」と専門家から言われています。

このことからも「断層」は隠され、国も石川県も「見逃し」に加担したと言わざるを得ません。 原子力安全・保安院の「いいかげんさ」「隠蔽体質」「情報操作」は聞き飽きていますが、「活断層上に原子炉」は衝撃的な事態です。国や石川県の安全審査の 全容と責任問題、情報公開がぜひとも必要です。

しかしこの疑義後も北陸電力は、「絶対に活断層ではない」と力説し、調査会社の選定にも「過 去2回」の実績がある同じ会社に調査させるなど「あらたな疑義」も生じています。県民、住民の生命より「安定電力」や「原子力ムラ」を優先する姿勢は許さ れません。私たちはさっそく「志賀原発直下に活断層!」と銘打って、8月31日夜、金沢市内で、活断層の専門家である“変動地形学”の東洋大学社会学部教 授渡辺満久氏を招き、講演会を開催しました。「地震学や地層学では断層の判断はできない」と国の審査の不備を指摘し、「S-1は、S-6とともに活断層で ある」「過去に二回動いている」「S-1は富来川南岸断層の副断層である可能性が高い」など明快に説明しました。会場には「話題の活断層」でもあり、 300人の仲間が参加しました。

一方、氏は、「北電が行おうとしている、40mまで立坑を掘り進める再調査では、活断層の証拠は出ないだろう」との見通しを示し、「なぜ、設置許可申請時の図面をきちんと見ないのか」と、再調査が「活断層隠し」であることも推論し警鐘を鳴らしました。

(2)「志賀原発を廃炉に」訴訟

法 的手段を行使して原発を止めようという全国的な動きの中で、2006年、金沢地裁勝訴の画期的な判決を出した石川県から再度訴訟を進めるため、様々な検討 をしてきました。その結果、石川県と富山県で120人の原告団を組織することができ、6月25日、原告団結成総会、翌日提訴することができました。原告及 び裁判闘争を財政的にも支えるサポーターの組織化には平和運動センター及び構成組織は奮闘しました。

サポーターは目標を4000人とし、石 川県3000人、富山県1000人をめざしています。現在約2000人余をカウントしていますが、いまだ目標の半分ほどに留まっており今後も拡大が必要で す。10月3日には第一回口頭弁論が行われる予定であり、いよいよ論戦で北陸電力を追い詰めることができます。

(3)67原水禁(福島、沖縄、広島、長崎)

あ らたな「ヒバクシャ」を生み出した痛みをバネに、核兵器と原発の廃絶をすすめるため、若年者を中心に原水爆禁止世界大会に参加しました。67周年原水禁世 界大会の参加者は、5.15沖縄8人、7.28福島大会2人、8.6平和ヒロシマ集会13人(8.5国際会議1人)、8.9平和ナガサキ集会8人となりま した。7月20日、参加者を対象に13人が「67原水禁参加者事前学習会」に参加し、初めての「原水爆禁止」運動に触れました(フレンドパーク5階)。世 界大会の経緯や意義、今日的課題を予習できました。

⒉ 米軍再編を阻止し「戦争のできる国」を許さない取り組み  

(1)小松基地に反対する取り組み

昨 年7月5日、私たちは小松基地正面ゲート前で早朝集会を120人の参加で行い、航空自衛隊の「レッド・フラッグ」軍事演習参加に反対してきました。その後 も8月6~7日には「節電に協力するため土日訓練を行う」と、10.4協定をないがしろにする訓練を強行してきました。

矢 継ぎ早の戦闘訓練が強行される中、10月7日、小松基地のF15戦闘機が着陸態勢に入ったとき、燃料タンク(長さ6.6メートル、直径0.8メートル、重 さ155キロ)を破裂・落下させる事故が起こりました。この事故の本質は、「戦争の実戦的訓練」が繰り返されるなか、機器の消耗や点検が追いつかないこと に起因していると考えられます。

本年6月4日、またしてもアラスカのアイルソン空軍基地を拠点に日米豪など11 カ国が参加する合同訓練に参加することが発表されました。昨年同様「レッド・フラッグ」統合演習への参加であり、「自衛隊」からは小松第6航空団80人の ほか、浜松警戒航空隊など330人が参加し、米空軍防空戦闘訓練や基地防空訓練を行なうものです。

早朝、120 人もの仲間が「訓練参加反対」「集団的自衛権の行使反対」の声をあげました。(米軍側の準備が整わないことや沖縄でF15墜落などがあり発進は延期されま したが)アメリカ空軍やポーランド空軍、オーストラア空軍とともに「集団的自衛権」行使を前提とした訓練を行うものであり、参加は絶対に認めることができ ません。

これらとリンクして、中部方面隊が企画する総合演習に参加するため、F15戦闘機が土日を問わず、早 朝、そして夜間に訓練をするという計画が公表されました。8月4日、この「土日、早朝・夜間」演習参加に反対するため、小松基地正面ゲート前で60人の仲 間が結集し、統合演習に参加するなとシュプレヒコールをあげました。住民の安全より「軍事行動」を優先させるこれらの「演習」に、抗議し続けることが重要 です。

(2)沖縄と連帯する取り組み

毎年行われてい る沖縄「5.15平和行進」は、本年、沖縄復帰40周年を迎えるため、意義あるものとして8人の仲間を送り出しました。三日間で45キロを歩く「きつい」 行進でしたが住民の声援もあり、休憩地点では沖縄の市町村組合員が励ましてくれ、連帯を深めあうことができました。

1952年4月28日、 サンフランシスコ講和条約締結で「アメリカ軍の施政権下」に入ることとなり、日本から切り離された沖縄は長らく復帰運動の中にありました。その復帰運動は 「本土並み」の主張から分かるように「平和憲法の元」へ帰るものと信じられていたのです。内実は、「核付き、米軍基地の居座り」であり、わが国の反戦・平 和運動の挫折でもあったそうです。それらを乗り越えて、沖縄の反戦・平和運動はあることを確認し共有しなければなりません。

5月24日に は、北信越キャラバン行動として「沖縄連帯」集会を開催し、沖縄平和運動センターの事務局長山城博治から、緊迫した沖縄の現状を語ってもらいました。オス プレイ配備阻止を掲げた9.9「県民集会」が沖縄で開催され、「島ぐるみ」の反対運動に小松基地爆音訴訟原告団などから計4人が参加しました。「見て見ぬ ふりをして生きるのか、社会を変えようと闘うのか」を自らに問うた女性組合員も参加しました。

⒊ 憲法改悪を阻止し憲法理念の実現をめざす取り組み      

憲 法「改悪」の動きは加速していると見なければなりません。「戦争の教訓」を全て否定するような超保守的な内容が並んでいます。そのような動きを止めるべく 第48回護憲大会(11月4~6日山形市)に11名を派遣しました。11.3憲法集会には、憲法を守る会としてFM放送を活用した宣伝、「つなげよう、子 どもたちの未来へ」「震災を乗り越え、脱原発で平和な安全・安心の社会をつくろう」「基地と原発は要らない」「活かせ九条、めざせ平和!」を流し、県民に も呼びかけ、憲法公布65周年:憲法集会と「輝け9条!許すな改憲!」県民集会への参加を呼びかけました。憲法施行65周年にあたる5月3日、5.3憲法 集会(憲法を守る会主催)及び平和憲法施行65周年石川県民集会(九条の会・石川ネット主催 本多の森ホール)に参加し、改憲阻止の意志統一を行なってき ました。

⒋ 改悪教基法の実効化と歴史認識の歪曲を許さない取り組み    

誤った歴史 観や社会観が注入されると極端なナショナリズムが発生しました。戦前の「国民教育」はまさにそうであり、橋下大阪市長を中心として国政進出を狙う「日本維 新の会」は「ハシズム=ファシズム」の最近の危険な動きです。一方、教育現場には、誤った歴史認識の教科書の採択がじわじわと進んでおり、危機感を持たな ければなりません。「憲法、’47教育基本法の理念を実現する県民の会」が企画した取り組みを中心に、教育改革キャンペーン11.19「異議あり!教育の 政治支配」をはじめ、歴史の歪曲を許さない取り組みに参加してきました。

⒌ 人権抑圧に反対する取り組み                

憲法を守る会の総会(3月27日)後、岩淵正明弁護士から「共通番号制度=マイナンバー制の問題点」と題して講演をもらいました。住基ネット以上に多くの個人情報が把握され、プライバシーへの侵害の危険性がとても大きいことを学習しました。

ま た、6月30日「秘密保全法」に反対する市民集会が金沢弁護士会の主催で行われ、参加しました。これは、’85年スパイ防止に名を借りた国家機密法が「政 府が民衆に知られたくない情報を隠すため、国民の知る権利と民主主義をないがしろにする」として廃案になったものの焼き直しと言わなければなりません。

い ずれも、人権侵害=抑圧に直結するものですが、なぜいまなのか考える必要があります。私たちは、日米安保の強化と自衛隊の増強(南西島嶼防衛)などと無関 係ではないと考えています。戦前の治安維持法を活用した「人権弾圧」を想起させます。引き続き訴えていく必要があります。

⒍ 政党・議会・選挙とのかかわり               

統 一地方選を県平和運動センターの方針や考え方と合致する候補を応援し、2011年は一定の成果を出すことができました。県平和運動センターとしては、今年 度大きな選挙がなかったので、考え方や方向性を同じくする自治体議員との懇談や脱原発対策を行ってきました。なお、総選挙が「近いうち」か「近い将来」か は別にして来年7月までに行われますが、「選挙活動の権利は留保する」スタンスは引き続き堅持します。

⒎ 関係団体との共同行動を拡大する取り組み          

関 係団体との共同行動はとても重要です。脱原発運動では「さよなら!志賀原発」ネットワークに参画する団体との連携を進めてきました。また、平和運動セン ターと「車の両輪」関係にある石川県勤労者協議会とは、総会、行事など全面的に連携してきました。各地区平和運動センター・地域勤労者協議会は、地域の結 集軸としてとても重要です。連携していくため、拡大運営委員会や地区代表者会議を開催し、運動の全体化と普遍化をめざしてきました。

石川県 社会法律センターとは運動面でも理論面でも密接に連携して取り組みを行ってきました。労働組合が支えている弁護士組織は日本のなかでも数少なくなっている 中で今後も連携していきます。特に、「志賀原発を廃炉に」訴訟では連携を強めます。10月16日、七尾強制連行訴訟支援会総会、9条の会・石川ネット (5.3集会、11.3集会)5月19日、聖戦大碑を撤去する会総会、などとも連携し、共同行動を積み重ねてきました。

⒏ 組織財政の建て直しと運動のすそ野を広げる取り組み     

(1)再加盟を求める働きかけは自治労石川県本部に対し行なってきました。引き続き再加盟を促していきます。

(2)構成組織の課題を通した学習については、全農林からTPP問題を、地域課題の共有として小松・能美単組協議会から「小松基地闘争の現状と経過」を運営委員会の中で学びました。

(3) 運動のすそ野を広げる取り組みとして、昨年11月、ホームページ及びメールを一新しました。ホームページについては更新回数を増やすなど「見られる」こと に心がけています。「PEACE石川」は三回発行してきました。また、情報の整理と蓄積について、新聞切り抜きのPDF化に努めており、活用できる体制を 整えているところです。

第1号議案

2012年度 活動方針(案)

○激動の世界情勢

2012 年は、ギリシャの「国家財政の破綻」を公務員労働者に転嫁することに端を発した抗議デモ・暴動化、米国での「ウォール街を占拠せよ」反格差デモ、ロシアの 反プーチンデモなど反政府運動が広がりました。米国の経済・財政危機、失業率が20%を超えるスペイン、10%を超えて20%に迫るギリシャやアイルラン ド、ポルトガルなど、多くの国が失業と経済危機にあえいでいます。新自由主義、グローバリズムの中で世界は、貧困と格差、政権の腐敗、社会矛盾が直撃して います。

○民主党マニフェストの後退

民主党政権は、 子ども手当や小学校低学年への35人学級、農家の戸別所得補償の実現など一定の評価ができ、事業仕分けなど、国民に開かれた政治のあり方も提示してきまし た。しかし、米国の圧力や省庁官僚による抵抗を受け、大きく右旋回したと言わなければなりません。辺野古新基地建設の環境アセスメントやオスプレイの強行 配備、福島原発事故後の被災民の放射能漬け、被曝の健康への過小評価、「社会保障と税の一体改革」を民主党、自民党、公明党の三党合意で「消費税増税」の みを先行させたことなど、「国民生活第一」「コンクリートから人へ」を表明したマニフェストから大きく後退するものとなっています。

○地方社会の疲弊と格差拡大

こ の間、社会保障負担の増大やワーキングプアの拡大、春闘の「話し合い」路線などによって労働者の賃金が目減りし、可処分所得における格差が拡大していま す。さらに「社会保障制度と税の一体改革」においては消費税増税だけが先行されています。しかも「社会保障のために使う」から「公共投資」などへ使途は拡 大され、「負担は増やし保障は削る」姿に変貌しています。このような「ごまかし」の政治がまかり通るのは、民主党の強引な国会運営によるものである。

一 方日本社会は、13年連続で3万人を超える自殺者となっています。震災復興をめぐっては「絆」という言葉が飛び交いましたが、人と人との関係性は薄れ、社 会における人々は孤立を深めています。地方の社会経済は、民間活力の導入と称して地域公共サービスが切り捨てられており、その影響が被災者を直撃していま す。2011年3月11日の東日本大震災と福島原発事故による「悲劇」は、いまだ被災者の我慢と自己犠牲・自助努力にまかされている状況なのです。そして 自治体職員の疲弊も限界に達していますが、自衛隊や警察の「活躍」のみが報道されています。復興景気に沸く一部の建設業や歓楽街などもあり矛盾は拡大して います。震災復興は、地方社会のあり方そのものを私たちに問い続けています。

○右傾化する政治

ア メリカの新自由主義による小さな政府論と規制緩和は「弱肉強食」をはびこらせました。わが国でも相対的貧困率は16.0%(2010年調査 前回調査より0.3ポイント上昇)となり、OECD諸国中でメキシコ、米国、トルコに次いでワースト4位となっています。年間所得200万円以下の非正規 労働者は、いまや労働者の3人に1人、1,700万人(約3割)となっています。新自由主義を謳歌する人々は、競争原理において社会的弱者に厳しく、アジ ア諸国を蔑視する差別意識に溢れています。ポピュリズムとも評される右傾化の動きは見過ごすことができません。

○憲法理念とはほど遠い改憲議論

憲 法「改正」をめぐり、衆議院のみで制定されていた「憲法審査会」が参議院におい始動しました。日本国憲法が規定する国民主権、平和主義、基本的人権の尊重 という三大原則はその理念がいまだ実現されていません。今、政治に必要なのは、憲法理念にどれだけ近づけるかの努力であり、憲法「改正」ではありません。

自 民党憲法改正推進本部は、国防軍(国軍)の保持、天皇を「元首」とする(君が代を国歌、日章旗を国旗)など極めて保守的な「憲法改正原案」を、サンフラン シスコ講和条約60年周年の4月28日前日、決定しました。次期衆議院選挙のあらたな争点となることは間違いありません。このような改憲議論を基本に、保 守勢力の一大結集が企図されることも懸念されます。大阪ではすでに、「教育行政基本条例」「府立学校条例」「職員基本条例」など一連の違憲条例が強行され ています。私たちは、敗戦の痛苦現実のなかで創り誓い合った「戦争放棄」「軍隊を持たない」などの平和主義、民主主義がいままさに否定されようとしている ことに大きな危機感を持たざるを得ません。

○アメリカの世界戦略と「戦争のできる国」に邁進する日本政府

(1)アメリカの世界戦略変更と中国・イラク包囲

2012 年1月5日、アメリカのオバマ大統領は国防総省で演説し、アメリカの新しい国防戦略となる「アメリカの世界的リーダーシップの維持と21世紀の国防の優先 事項」を発表しました。新国防戦略では、1つの紛争に勝利し1つの紛争を抑止するとしており、アメリカの前方展開に対抗しようとしている中国とイランを名 指ししています。この二か国に対処するためアジア太平洋地域を重視し、この地域では兵力の削減を行わず、在日・在韓アメリカ軍を維持。オーストラリア・シ ンガポール・フィリピンなどの同盟国と軍事協力を一層強化する。アメリカは中国近海での自国軍隊の活動を保証し、中国海軍の太平洋地域への進出を阻止する ために、日本・韓国・オーストラリアをはじめとしたアジア太平洋地域の同盟国と連携して、中国の封じ込めを進めようとしています。一方、尖閣列島や竹島 で、中国、台湾、韓国、日本がそれぞれ領有権を主張しています。国内の「閉塞感」を「ナショナリズム」を煽って排外的に「乗り切ろう」、国民の眼を「そら そう」としていることを忘れてはいけません。

(2)米軍再編と沖縄の動き

辺野古新基地建設アセスの強行

昨 年11月、辺野古新基地建設に関する環境影響評価の評価書を沖縄県知事宛に提出する意向を固めたが、いくつかの問題発言があり、11月29日、防衛防衛庁 の田中局長を更迭する事態となりました。12月26日から3日間、沖縄平和運動センターを中心に「基地の県内移設に反対する県民会議」は、評価書提出阻止 行動にとりくみ搬入を阻止してきましたが28日の早朝4時に県庁への搬入を強行しました。政府は年内にも辺野古新基地建設に着工する計画を持っていること が明らかにしています。一方、「世界一危険」な普天間基地に欠陥機オスプレイを強行配備する動きも明らかになり、しかも日本全土を「訓練地」として低空飛 行することは、日米安保の強化を許さない取り組みとして闘う必要があります。

(3)教育の国家統制化

アジア諸国との友好・連帯の重要性が増している今日、アジア蔑視と侵略の歴史事実を歪曲する教科書採択が、日本とアジア諸国に与える影響は大きいといえます。次回(2015年)の採択に向けた取り組みの強化が必要です。

具体的取り組み                                    

1 安全保障政策・在日米軍・自衛隊に対する取り組み             

①     普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対などの取り組み、一連の米軍再編、南西島嶼への軍備強化反対を全国の仲間とともに闘います。

②     MV-22オスプレイ配備を阻止するための取り組みを強化します。

③     他の米軍基地の強化に反対します。

④     米軍艦船による民間港湾、自治体が管理する金沢港、七尾港などの使用に反対します。

⑤     自衛隊の市中パレードや市街地での訓練など、市民生活への浸透に反対します。

⑥     小松基地(航空自衛隊)の強化反対、基地撤去、爆音訴訟をともに闘います。

⑦     全国基地問題ネットワークや沖縄基地問題にとりくむ市民団体、反基地運動団体との連携と協力を進めます。

2 憲法改悪を阻止し、憲法の理念を実現する取り組み             

憲法改悪の動きが急を要している中で、11.3憲法集会、第49回護憲大会、5.3憲法集会に参加して改憲阻止に向け、取り組みを強化します。また、人権抑圧につながる、マイナンバー制や秘密保全法などにも反対していきます。

3 志賀原発の運転再開を阻止し、反核・脱原子力をめざす取り組み     

①   S-1活断層の上にある志賀原発の再稼働阻止に向け、「さよなら!志賀原発」ネットワークを中心に取り組みます。

②       「志賀原発を廃炉に」訴訟勝利のため、サポーターの拡大をめざします。

③       圧倒的多数の国民が主張した「ゼロシナリオ」以外の選択肢はありません。2012年でゼロ!を達成するため奮闘します。

④ 原発ゼロ社会をつくるため「大飯原発の再稼働」を撤回させます。

⑤ 「原発は核抑止力」とする考え方につながる「核燃料サイクルシステム」に反対します。

4.改悪教基法の実効化と歴史認識の歪曲を許さない取り組み        

① 県・高両教組と連携し、教科書検定制度のさらなる弾力化・透明化へ向けた制度改革に取り組みます。

② 地域や学校現場の声を反映した学校単位での教科書採択を求めて取り組みます。

③ 平和・人権・環境のとりくみと、国民主権・人権尊重・平和主義の憲法理念を通じて、私たちが求める新しい社会像と教育のあり方を明確にしていきます。

④ 放射能に関する文科省「副読本」の問題を、社会的にも明らかにする取り組みを両教組とともに取り組みます。

5.環境・食の安全・食料・農林業問題の取り組み          

① TPP交渉に対する取り組みについて

日本は世界中から食料や木材を大量に輸入しています。TPP交渉の問題点を明らかにしながら反対を基本に取り組みを進めていきます。

② 食とみどり、水を守る取り組み

「食の安全」「食料・農業政策」「森林・水を中心とした環境問題」を中心とした食とみどり、水・環境に関わる課題について、全国集会への参加をめざします。

6.政党・議会・選挙とのかかわり                

①  反戦・平和、環境・脱原発、人権・護憲の前進をめざし、幅広く議員との連携をつくります。

② 社民党、民主党などと連携して、連携議員団会議を開催します。

7.関係諸団体との共同行動を拡大する取り組み          

① 県勤労者協議会との連携を引き続き強めます。

② 地区平和運動センター、地域勤労協と幅広く連携していきます。

③ 連合石川との連携は、役員相互の信頼関係に基づき進めます。

④  石川県憲法を守る会、原水爆禁止石川県民会議、石川県社会法律センター、「聖戦大碑」撤去の会、九条の会・石川ネット、七尾強制連行問題を調査する会、 小松基地と戦争に反対する小松市民と県民の会(反基地県民の会)、小松基地爆音訴訟原告団、志賀原発を廃炉に原告団、さよなら!志賀原発ネットワーク(さ よなら!志賀原発実行委員会を改名)など、基本的方向や課題が一致する団体・市民とそれぞれの主体性を重んじながら連携します。

 8.運動と組織の前進に向けた課題                

① 機関運営について

構 成組織の課題を共有しつつ、「反戦・平和」「護憲・人権課題」「脱原発・環境課題」などを論議し、運動の前進を図るとともに、民主的な運営に努めます。ま た、各地区平和運動センター(地域勤労者協議会)とも積極的に連携するため、拡大運営委員会を開催し、運動の全体化と普遍化をめざします。

② 情報の発信と集中、共有化について

構成組織及び地区平和運動センター(地域勤労協)との連絡体制充実を図ります。地区平和運動センターとは、事務局レベルの打ち合わせを実施していきます。

③ 財政問題

財政が逼迫している状況の中で、役員手当の見直しを行うなど検討していきます。

④ 組織の拡大と連携

PEACEネット会員の拡大をめざします。自治労石川県本部の再加盟に努力します。