志賀原発プルサーマル反対申し入れ(七鹿)
2005年12月2日
七 尾 市 長
武元 文平 様
七尾鹿島地区平和運動センター
議 長 山 崎 時 春
七尾鹿島地区勤労者協議会
会 長 中 道 雄太郎
申 入 書
北陸電力は志賀原発においてプルサーマル計画の実施を予定しており、2010年までには開始したいとの意向をすでに表明しています。
プルサーマル計画とは、使用済み燃料から取り出された猛毒のプルトニウムをウランと混合し、酸化物燃料(MOX燃料)として一般の原発で使用するというもので、危険性は従来の原発運転よりもさらに増大します。原子炉設置許可申請書を見れば明らかなように志賀原発はウラン燃料による運転しか想定していないからです。
具体的な危険性を指摘するならば、志賀原発はプルトニウムを燃やす炉心ではないだけに、燃料が壊れやすくなる、核反応が不安定になる、したがって事故時の被害が倍増するという点があげられます。(添付資料をご参照下さい)
さらに次のような問題点も指摘されています。プルサーマルは政府の主張に反して実際は資源の有効利用にはならず、放射性廃棄物が減らないこと。経済性についてもMOX燃料の製造費がウラン燃料の製造費の3,25倍もかかることなどです。
プルサーマル計画は、危険でかつ経営的にも利益にもつながらないため、電力会社も本音ではやりたくないといわれます。経済産業省の中でも、片や電力市場の自由化を押し進め、片やコスト高のプルサーマル計画を推し進める政策の矛盾を指摘する声があります。電力会社も国も安全対策の切り捨てに走ることは明らかです。
かつて、一号機が運転開始されるにあたり、近隣の自治体では県が作成した防災計画の見直しを求める決議がなされるなど、原発の危険性は大きな関心を呼びました。幸運にもこの間、志賀原発は数々のトラブルや規則違反が明らかになりながらも防災計画が実際に運用される事故には至りませんでした。しかしプルサーマル計画の危険性はこれまでの原発をはるかにしのぐものであり、事故の規模によっては石川県内一円が無人地帯ともなりかねません。プルサーマル計画の前ではすべての自治体が当事者です。
武元市長におかれては、住民の命と暮らし、財産を守る立場から、志賀原発におけるプルサーマル計画の実施に反対の意思を表明していただきますよう申し入れます。