集会アピール
新テロ特措法改正案が、またもや衆議院の再可決で成立させられようとしています。民意から大きく乖離した国会。米国に追随し、侵略戦争に参戦し続ける自公政権。私たちは、すべての派兵を許さない決意と、大きな怒りをもって、全国からここ金沢に集いました。
全国からの参加者を待ち受けるかのように、今月に入り平和をめぐる重大な問題が浮上しました。金沢に本店があるアパグループが主催する懸賞論文で、侵略戦争を否定し植民地支配を正当化する田母神前航空幕僚長の論文が最優秀賞を受賞し、さらに小松基地第6航空団でも62人の幹部自衛官を含む64人が応募していたことがあきらかになりました。この懸賞論文は、応募要領から明らかなように、改憲を主張し、非核三原則の見直しを求め、さらに歴史認識の政府見解を否定する内容を求めています。田母神氏は航空幕僚長という要職にあって、また、第6航空団は武力を備えた組織として、シビリアンコントロールに反旗を翻したのです。日本海側唯一の戦闘機部隊が所在する基地として日本海沿岸諸国と向き合う第6航空団が、政府の方針を無視し、独善的な行動をとっているという事実は、日本の平和を根幹から揺るがす事態だと言わざるをえません。私たちは、政府自らが村山談話を再確認し、そして田母神前航空幕僚長と石野貢三第6航空団司令を懲戒免職とすることを求めます。
先の大戦が国策の誤りによって始まったように、戦争を防ぎ平和を実現するのは国政の最大の役割です。私たちはそれぞれの地域や職場で政権交代に向け全力で取り組みを進めています。しかしその一方、1997年の日米新ガイドラインやその後の有事法制によって、自治体や市民・労働者までもが戦争に協力させられる時代を迎えました。戦争への足音は地域や職場から聞こえてきます。これに対し、自治体の平和力をキーワードに1999年にはじまった本集会は、戦争への芽を摘み、平和を実現する場が地域であり、職場であり、自治体であることを明らかにしてきました。加えて私たちは、平和憲法の理念を随所に盛り込んだ港湾法など個別法の力にも注目をしてきました。非核平和条例の制定運動を通じて自治体の重要性や可能性にも大きくスポットを当ててきました。二日間の集会を通じて、「自治体の平和力」への理解を深め、さらに多くの市民の共通認識へと広めていきます。
まもなく北陸には厳しい冬が訪れます。45年前の「38豪雪」で金沢は陸路を絶たれ陸の孤島となりました。エネルギーや物資の海上輸送路を確保し、市民の生活を守るため、金沢港はつくられました。その金沢港は今月2日、水深12m岸壁の暫定共用を迎え、来年には13mとなります。港が交流の拠点、平和の拠点として発展することを私たちは歓迎します。しかし、一方でイージス艦が入港できる港となったことを警戒せざるをえません。MD構想の実戦配備によって、日本海は軍事力がせめぎあう海へと大きく変貌しようとしています。だからこそ「平和な海、静かな空、いまこそ自治体の平和力!」をメインテーマにした金沢集会は大きな役割を担っています。本集会から対岸諸国へ、世界へと平和のメッセージを大きく発信することを誓い合い、集会アピールとします。
2008年11月22日
第9回 非核・平和条例を考える全国集会in金沢
参加者一同